(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記格子部材は、全長に渡って一様な断面形状を有し、前記当接面を設けた框部材の見込み方向に沿う第1リブと、前記当接面を設けた框部材の長手方向に沿う第2リブと、これら第1リブ及び第2リブの外表面を覆うように設けた外郭材とが両端面に現れるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の建具。
前記格子部材は、主格子要素と補強格子要素とを備えて構成し、前記主格子要素の端面が前記框部材の前記主当接面と対向し、前記補強格子要素の端面が前記框部材の前記補強当接面に対向することを特徴とする請求項1に記載の建具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のように構成した建具において障子の歪みを確実に防止するには、板厚を増大したり、閉断面構造としたりする等、高い剛性をもって当接面を構成する必要がある。すなわち、框部材に設けた当接面が撓んだ場合には、格子部材が有効に機能しないため、上框部材と下框部材との相対的な位置ずれが可能となり、障子の歪みを防止することが困難となる。
【0006】
しかしながら、当接面となる部分の板厚を増大したり、当接面となる部分を閉断面構造として構成した場合には、それぞれの框部材の重量が増大するばかりでなく、アルミニウム等の材料も多く必要となるため、製造コストを増やす要因となる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、框部材の重量増大や製造コストの増大を招来することなく障子の歪みを防止することのできる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、框部材を四周に框組みして障子を構成し、対向する2つの框部材の間に格子部材を設けた建具において、前記対向する2つの框部材には、見込み方向に沿い、かつ前記格子部材の長手方向に対して互いに位置が異なる複数の当接面を設け、
前記互いに位置が異なる複数の当接面は、少なくとも前記対向する2つの框部材の外周側に位置する見付け面から室内外方向に向けて突出した主当接面と、前記対向する2つの框部材の内周側に位置する見付け面から互いに対向するように突出した補強当接面とを備えたものであり、個々の当接面に前記格子部材の端面を対向させた状態で前記格子部材を前記対向する2つの框部材の間に配設したことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、框部材に複数の当接面を設け、障子が歪むような外力が加えられた場合にそれぞれの当接面に格子部材の端面を当接させるようにしているため、格子部材の端面が当接することによって当接面に生じる応力が、単一の当接面を設けて格子部材を当接させた場合に比べて分散される。
【0011】
この発明によれば、主当接面の見込み寸法を増やすことなく、框部材と格子部材の端面との当接面積を増やすことができる。
【0012】
また、本発明は、上述した建具において、前記格子部材は、全長に渡って一様な断面形状を有し、前記当接面を設けた框部材の見込み方向に沿う第1リブと、前記当接面を設けた框部材の長手方向に沿う第2リブと、これら第1リブ及び第2リブの外表面を覆うように設けた外郭材とが両端面に現れるように構成したことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、格子部材の軽量化を図り、かつ第1リブによって框部材の長手方向に沿った相対的な位置ずれを抑制することができるとともに、第2リブによって框部材の短手方向に沿った相対的な位置ずれを抑制することができる。
【0014】
また、本発明は、上述した建具において、前記格子部材は、主格子要素と補強格子要素とを備えて構成し、前記主格子要素の端面が前記框部材の前記主当接面と対向し、前記補強格子要素の端面が前記框部材の前記補強当接面に対向することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、格子部材の見付け寸法を増大することなく当接面との当接面積を増やすことができる。
【0016】
また、本発明は、上述した建具において、前記格子部材は、互いに個別に形成した主格子要素と補強格子要素とを見込み方向に重ね合わせて構成したことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、当接面に生じる応力が、主格子要素の端面を介するものと、補強格子要素の端面を介するものとに分散される。
【0018】
また、本発明は、上述した建具において、前記主格子要素及び前記補強格子要素には、見込み方向に沿った相対移動を規制する係止部を設けたことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、一方の格子要素を框部材に固定することで他方の格子要素を框部材の間に支持することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、框部材に複数の当接面を設け、障子が歪むような外力が加えられた場合にそれぞれの当接面に格子部材の端面を当接させるようにしているため、格子部材の端面が当接することによって当接面に生じる応力が、単一の当接面を設けて格子部材を当接させた場合に比べて分散される。従って、個々の当接面については板厚を増大したり、閉断面構造として構成せずとも撓む恐れがなくなり、框部材の重量増大や製造コストの増大を招来することなく障子の歪みを防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1〜
図4は、本発明の実施の形態1である建具を示したものである。ここで例示する建具は、玄関用の引き戸として用いられるもので、開口枠10及び2枚の障子20,20を備えている。
【0024】
開口枠10は、上枠11、下枠12及び左右一対の縦枠13,14を四周枠組みすることによって構成した矩形状を成すものである。上枠11及び下枠12の互いに対向する見込み面には、それぞれ互いに平行となる2本のレール部材11a,11a,12a,12aが設けてある。
【0025】
2枚の障子20,20は、互いにほぼ対称の構成を有したものであるため、以下には一方についてのみ説明する。障子20は、上框部材21、下框部材22及び左右一対の縦框部材23,24を四周框組みすることによって構成した矩形状を成す框にガラス等の面材25を保持させることによって構成したもので、互いに戸尻側となる縦框部材24を召し合わせた場合に開口枠10を閉塞できる大きさに形成してある。面材25としては、スペーサ25aを介して2枚のガラス板25b,25cを貼り合わせた複層ガラスを適用している。障子20の下框部材22には、内部に戸車26が配設してあり、障子20の上框部材21には、長手方向に沿ってガイド溝21aが設けてある。この障子20は、戸車26を下枠12のレール部材12aに転動可能に係合させ、かつ上框部材21のガイド溝21aにそれぞれ上枠11のレール部材11aを位置させることにより、開口枠10に対して左右にスライドさせることが可能である。戸尻側となる縦框部材24の間には、召し合わせた場合に鍵によって施錠することのできる錠装置27が設けてある。戸先側となる縦框部材23には、取手28が設けてある。
【0026】
障子20を構成するそれぞれの框部材21,22,23,24には、当接支持ヒレ部120及び押縁係合溝121が設けてあり、上框部材21及び下框部材22には、当接ヒレ部123が設けてある。
【0027】
当接支持ヒレ部120は、框部材21,22,23,24の内周側に位置する見込み面の室外側に位置する縁部から内周側に向けて突出した薄板状部分である。個々の当接支持ヒレ部120には、それぞれの突出端縁部に当接部120aが設けてある。当接部120aは、当接支持ヒレ部120の突出端縁部を室内側に向けてほぼ直角に屈曲することによって構成したもので、それぞれの突出端に框部材21,22,23,24の見込み方向に沿って平坦となる補強当接面(当接面)120bを有している。当接部120aの室内側に位置する端縁部には、面材25との間に介在する外方タイト材30が装着してある。それぞれの当接支持ヒレ部120は、四周框組みした框の内部に面材25を配置した場合に、それぞれの突出端縁部が外方タイト材30を介して面材25の周縁部表面に同時に当接することのできる突出寸法に形成してある。
【0028】
押縁係合溝121は、框部材21,22,23,24の内周側に位置する見込み面から内周側に向けて一対の係合ヒレ部121a,121bを突設することにより、これら一対の係合ヒレ部121a,121bの間に構成したものである。一対の係合ヒレ部121a,121bは、框部材21,22,23,24において室内側に位置する縁部から互いに平行となるように突出したもので、見込み面からの突出量が互いにほぼ等しく、四周框組みした框の内部に面材25を挿入することのできる突出寸法に形成してある。室外側に位置する係合ヒレ部121bの突出端縁部には、室内側に向けて係合爪部121cが設けてある。係合爪部121cは、押縁係合溝121に押縁124が挿入された場合に押縁124の挿入端縁部に係合し、面材25との間に内方タイト材31を介在させた状態で押縁124を框部材21,22,23,24に支持させるものである。
【0029】
当接ヒレ部123は、上下框部材21,22の外周側に位置する見込み面において室外側に位置する縁部から外周側に向けて突出した後、室外側に向けて略直角に屈曲することによって構成した部分である。当接ヒレ部123には、上下框部材21,22の見付け面から突出した部分に見込み方向に沿って平坦となる主当接面(当接面)123aが構成してある。主当接面123aは、見込み方向に沿った寸法d1が、当接支持ヒレ部120に設けた補強当接面120bの見込み方向に沿った寸法d2よりも大きくなるように設けてある。
図2からも明らかなように、当接ヒレ部123を設けていない一対の縦框部材23,24は、見込み寸法が当接ヒレ部123を設けた上框部材21及び下框部材22と同じとなるように、室外側に位置する見付け面が当接ヒレ部123の突出端面と同一の平面上に位置するように構成してある。
【0030】
尚、開口枠10の各枠11,12,13,14及び障子20の各框部材21,22,23,24は、それぞれアルミニウムやアルミニウム合金の押し出し型材によって構成してある。
【0031】
一方、この建具の障子20には、
図1〜
図4に示すように、それぞれ上框部材21と下框部材22との間において面材25よりも室外側となる部位に複数の格子部材40が設けてある。それぞれの格子部材40は、互いに平行、かつ上框部材21及び下框部材22に対してほぼ直角となるように架け渡して配設したもので、主格子要素410及び補強格子要素420を備えて構成してある。
【0032】
主格子要素410は、
図3及び
図4に示すように、上框部材21の主当接面123aと下框部材22の主当接面123aとの間に介在する長さを有し、かつ見込み方向に沿った寸法d1が主当接面123aと同じとなるように構成した長尺状の部材である。補強格子要素420は、上框部材21の補強当接面120bと下框部材22の補強当接面120bとの間に介在する長さを有し、かつ見込み方向に沿った寸法d3が補強当接面120bの見込み方向に沿った寸法d2よりもわずかに大きくなるように構成した長尺状の部材である。主格子要素410及び補強格子要素420は、それぞれアルミニウムやアルミニウム合金の押し出し型材によって一様な断面形状を有するように構成したものである。
図5及び
図6に示すように、主格子要素410は、主外郭材(外郭材)411、一対の第1支持ヒレ部(第1リブ)412,412及び一対の第2支持ヒレ部(第1リブ)413,413を有し、補強格子要素420は、補外郭材(外郭材)421及び一対の補支持ヒレ部(第1リブ)422,422を有している。
【0033】
主格子要素410の主外郭材411は、平板状を成す主基板部411aと、主基板部411aの両側縁部から同一方向に突出した一対の主側板部411b,411bとを有したものである。主基板部411aと主側板部411b,411bとの連結部分には、それぞれ傾斜する面取板部411c,411cが設けてある。主側板部411b,411bの突出端縁部411d,411dは、互いに対向する方向に向けてほぼ直角に屈曲し、主基板部411aに対してほぼ平行となっている。一対の第1支持ヒレ部412,412は、主基板部411aの両側部から主側板部411b,411bと平行となるように突出した後、個々の突出端縁部(第2リブ、係止部)412a,412aが両側に向けて突出した略T字状を成すものである。一対の第2支持ヒレ部413,413は、主基板部411aにおいて一対の第1支持ヒレ部412,412の間となる部位から主側板部411b,411bと平行となるように突出した後、個々の突出端縁部(第2リブ、係止部)413a,413aが互いに近接する方向に屈曲した略L字状を成すものである。主側板部411b,411bの屈曲した突出端縁部411d,411d、第1支持ヒレ部412,412の両側に突出した突出端縁部412a,412a、第2支持ヒレ部413,413の屈曲した突出端縁部413a,413aは、主基板部411aからの距離が互いに同一で、かつ上下框部材21,22に設けた主当接面123aの見込み方向に沿った寸法d1に一致する位置に設けてある。
【0034】
補強格子要素420の補外郭材421は、平板状を成す補基板部421aと、補基板部421aの両側縁部から同一方向に突出した一対の補側板部421b,421bとを有したものである。一対の補側板部421b,421bは、互いに外側となる面の相互間距離w1が、一対の第1支持ヒレ部412,412の互いに内側に突出した端縁部412a,412aの相互間距離w2よりもわずかに短くなるように形成してある。それぞれの補側板部421b,421bの突出端縁部(係止部)421c,421cは、互いに離反する方向に向けてほぼ直角に屈曲し、補基板部421aに対してほぼ平行となっている。一対の補支持ヒレ部422,422は、補基板部421aから補側板部421b,421bと同一方向に向け、かつ補側板部421b,421bとほぼ平行となるように突出したものである。一対の補支持ヒレ部422,422の互いに外側となる面の相互間距離w3は、一対の第2支持ヒレ部413,413の互いに内側に突出した端縁部413a,413aの相互間距離w4よりもわずかに短くなるように形成してある。それぞれの補支持ヒレ部422,422には、連結ヒレ部422a及び一対の係合片部(係止部)422b,422bが設けてある。連結ヒレ部422aは、補支持ヒレ部422,422の突出端部間を連結するもので、補基板部421aに対してほぼ平行となっている。係合片部422b,422bは、一対の補支持ヒレ部422,422の互いに外側となる面からほぼ直角に突出したものである。
【0035】
上記の構成を有する補強格子要素420は、主格子要素410に設けた一対の第1支持ヒレ部412,412の間に一対の補側板部421b,421bを配置するとともに、一対の第2支持ヒレ部413,413の間に一対の補支持ヒレ部422,422を配置するように位置合わせして、主格子要素410の一方の端面から挿入することにより、主格子要素410に重ね合わせた状態に組み付けられて主格子要素410とともに格子部材40を構成する。主格子要素410において主側板部411b,411bと第1支持ヒレ部412,412との間に位置する部分には、面材25に対向する部位にそれぞれ中空のシール部材430が装着される。
【0036】
こうして組み付けた格子部材40は、補強格子要素420の補支持ヒレ部422,422に設けた係合片部422b,422bが、主格子要素410の主基板部411aとの間において第2支持ヒレ部413,413の屈曲する突出端縁部413a,413aに当接するとともに、補強格子要素420の補側板部421b,421bにおいて屈曲する突出端縁部421c,421cが、主格子要素410の主基板部411aとの間において第1支持ヒレ部412,412の屈曲する突出端縁部412a,412aに当接することになり、主基板部411aと補基板部421aとが互いに離反する方向の移動が規制された状態にある。さらに、補強格子要素420に設けた補支持ヒレ部422,422の先端縁部が主格子要素410の主基板部411aに当接することになり、主基板部411aと補基板部421aとが互いに近接する方向の移動も規制された状態にある。すなわち、格子部材40を構成する主格子要素410及び補強格子要素420は、互いに長手方向に沿った移動のみが許容された状態で互いに連結されたものとなる。
【0037】
この格子部材40は、上框部材21、下框部材22及び左右一対の縦框部材23,24を四周框組みした状態の框に対して面材25を取り付ける以前に上框部材21と下框部材22との間に架け渡して配設される。すなわち、
図3〜
図5に示すように、上下框部材21,22の室外側に位置する見付け面にそれぞれ主格子要素410の端部を主外郭材411が室外側となる向きで当接させ、この状態から上下框部材21,22の当接支持ヒレ部120を介して第2支持ヒレ部413,413の屈曲する突出端縁部413a,413aに取付ネジB,Bを螺合させることにより、格子部材40を上下框部材21,22に取り付ける。すべての格子部材40を取り付けた後においては、框に面材25を配置し、さらに押縁係合溝121に押縁124を取り付ければ障子20が組み上がることになる。尚、
図4中の符号は、セッティングブロックSである。
【0038】
上記のように構成した障子20では、格子部材40の主格子要素410が両端面を介して上下框部材21,22の主当接面123aに当接するとともに、補強格子要素420が両端面を介して補強当接面120bに当接するため、戸先側の縦框部材23を介して左右にスライドさせた場合にも、これら主格子要素410及び補強格子要素420が障子20の歪みに抗するように機能する。より具体的に説明すれば、
図7において中心線よりも左側に示すように、主格子要素410の端面において上下框部材21,22の主当接面123aに当接する部分(クロスハッチング部分)と、補強格子要素420の端面において上下框部材21,22の補強当接面120bに当接する部分(クロスハッチング部分)とが、上框部材21及び下框部材22の長手方向に沿った相対移動に抗するように機能する。また、
図7において中心線よりも右側に示すように、主格子要素410の端面において上下框部材21,22の見込み方向に沿い、かつ主当接面123aに当接する部分(クロスハッチング部分)と、補強格子要素420の端面において上下框部材21,22の見込み方向に沿い、かつ補強当接面120bに当接する部分(クロスハッチング部分)とが、上框部材21及び下框部材22の短手方向に沿った相対移動に抗するように機能することになる。従って、障子20の框が矩形状を維持することになり、召し合わせの位置に配置される縦框部材24の錠装置27が施錠できない等の問題を防止することができる。
【0039】
しかも、上下框部材21,22に設けた主当接面123a及び補強当接面120bは、格子部材40の長手方向に対して互いに位置が異なる別個のものであり、格子部材40の端面が当接することによって生じる応力がこれらに分散されることになる。従って、主当接面123a及び補強当接面120bについては、特別に板厚を増大したり、閉断面構造として構成せずとも撓む恐れがなくなり、上下框部材21,22の重量増大や製造コストの増大を招来することもない。
【0040】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2である建具を示したものである。ここで例示する建具は、実施の形態1と同様、開口枠10と2枚の障子20とを備え、玄関用の引き戸として用いられるもので、実施の形態1とは格子部材50を構成する主格子要素510及び補強格子要素520のみが異なっている。以下においては、主に実施の形態1と異なる点について詳述し、実施の形態1と同様の構成に関しては、同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。
【0041】
実施の形態2の格子部材50は、互いに平行、かつ障子20の上框部材21及び下框部材22に対してほぼ直角となるように架け渡して配設したもので、主格子要素510及び補強格子要素520を備えて構成してある。
【0042】
主格子要素510は、上框部材21の主当接面123aと下框部材22の主当接面123aとの間に介在する長さを有し、かつ見込み方向に沿った寸法d1が主当接面123aと同じとなるように構成した長尺状の部材である。補強格子要素520は、上框部材21の補強当接面120bと下框部材22の補強当接面120bとの間に介在する長さを有し、かつ見込み方向に沿った寸法d3が補強当接面120bの見込み方向に沿った寸法d2よりもわずかに大きくなるように構成した長尺状の部材である。主格子要素510及び補強格子要素520は、それぞれアルミニウムやアルミニウム合金の押し出し型材によって一様な断面形状を有するように構成したものである。主格子要素510は、主外郭材(外郭材)511、一対の第1主支持ヒレ部(第1リブ)512,512及び一対の第2主支持ヒレ部(第1リブ)513,513を有し、補強格子要素520は、補外郭材(外郭材)521、一対の第1補支持ヒレ部(第1リブ)522,522及び一対の第2補支持ヒレ部(第1リブ)523,523を有している。
【0043】
主格子要素510の主外郭材511は、平板状を成す主基板部511aと、主基板部511aの両側縁部から同一方向に突出した一対の主側板部511b,511bとを有したものである。主基板部511aと主側板部511b,511bとの連結部分には、互いの間に傾斜する面取板部511c,511cが設けてある。主側板部511b,511bの突出端縁部(係止部)511d,511dは、互いに対向する方向に向けてほぼ直角に屈曲し、主基板部511aに対してほぼ平行となっている。一対の第1主支持ヒレ部512,512は、主基板部511aの両側部から主側板部511b,511bと平行となるように突出したものである。一対の第2主支持ヒレ部513,513は、主基板部511aにおいて一対の第1主支持ヒレ部512,512の間となる部位から主側板部511b,511bと平行となるように突出した後、個々の突出端縁部(第2リブ)513a,513aが互いに近接する方向に屈曲した略L字状を成すものである。主側板部511b,511bの屈曲した突出端縁部511d,511d、第2主支持ヒレ部513,513の屈曲した突出端縁部513a,513aは、主基板部511aからの距離が互いに同一で、かつ上下框部材21,22に設けた主当接面123aの見込み方向に沿った寸法d1に一致する位置に設けてある。
【0044】
補強格子要素520の補外郭材521は、平板状を成す補基板部521aと、補基板部521aの両側縁部から同一方向に突出した一対の補側板部521b,521bとを有したものである。一対の補側板部521b,521bは、互いに外側となる面の相互間距離w5が、一対の主側板部511b,511bの互いに内側に突出した突出端縁部511d,511dの相互間距離w6よりもわずかに短くなるように形成してある。それぞれの補側板部521b,521bの突出端縁部(係止部)521c,521cは、互いに離反する方向に向けてほぼ直角に屈曲し、補基板部521aに対してほぼ平行となっている。一対の第1補支持ヒレ部522,522は、補基板部521aの両側部から補側板部521b,521bと同一方向に向け、かつ補側板部521b,521bとほぼ平行となるように突出したものである。一対の第1補支持ヒレ部522,522は、一対の第1主支持ヒレ部512,512に対して相互間距離w7が同じとなるように形成してある。一対の第2補支持ヒレ部523,523は、補基板部521aにおいて一対の第1補支持ヒレ部522,522の間となる部位から補側板部521b,521bと平行となるように突出し、個々の突出端縁部が連結ヒレ部(第2リブ)523aによって互いに連結してある。一対の第2補支持ヒレ部523,523は、一対の第2主支持ヒレ部513,513に対して相互間距離w8が同じとなるように形成してある。第1補支持ヒレ部522,522の突出端面、第2補支持ヒレ部523,523の突出端面、連結ヒレ部523aは、補基板部521aからの距離が互いに同一で、かつ見込み方向に沿った寸法d2が補強当接面120bの見込み方向に沿った寸法d2に一致する位置に設けてある。一対の補側板部521b,521bの見込み方向に沿った寸法d3は、補強当接面120bの見込み方向に沿った寸法d2よりも大きく設定してある。
【0045】
上記の構成を有する補強格子要素520は、主格子要素510に設けた一対の主側板部511b,511bの間に一対の補側板部521b,521bを配置するように位置合わせして、主格子要素510の一方の端面から挿入することにより、主格子要素510に重ね合わせた状態に組み付けられて主格子要素510とともに格子部材50を構成する。
【0046】
こうして組み付けた格子部材50は、補強格子要素520の補側板部521b,521bにおいて屈曲する突出端縁部521c,521cが、主格子要素510の主基板部511aとの間において主側板部511b,511bの屈曲する突出端縁部511d,511dに当接することになり、主基板部511aと補基板部521aとが互いに離反する方向の移動が規制された状態にある。さらに、補強格子要素520に設けた第1補支持ヒレ部522,522の突出端面が主格子要素510に設けた第1主支持ヒレ部512,512の突出端面に当接するとともに、補強格子要素520の第2補支持ヒレ部523,523及び連結ヒレ部523aが主格子要素510の第2主支持ヒレ部513,513に当接することになり、主基板部511aと補基板部521aとが互いに近接する方向の移動も規制された状態にある。すなわち、格子部材50を構成する主格子要素510及び補強格子要素520は、互いに長手方向に沿った移動のみが許容された状態で互いに連結されたものとなる。
【0047】
上記のように構成した障子20では、格子部材50の主格子要素510が両端面を介して上下框部材21,22の主当接面123aに当接するとともに、補強格子要素520が両端面を介して補強当接面120bに当接するため、戸先側の縦框部材23を介して左右にスライドさせた場合にも、これら主格子要素510及び補強格子要素520が障子20の歪みに抗するように機能する。より具体的に説明すれば、
図11中の中心線よりも左側に示すように、主格子要素510の端面において上下框部材21,22の主当接面123aに当接する部分(クロスハッチング部分)と、補強格子要素520の端面において上下框部材21,22の補強当接面120bに当接する部分(クロスハッチング部分)とが、上框部材21及び下框部材22の長手方向に沿った相対移動に抗するように機能する。また、
図11中の中心線よりも右側に示すように、主格子要素510の端面において上下框部材21,22の見込み方向に沿い、かつ主当接面123aに当接する部分(クロスハッチング部分)と、補強格子要素520の端面において上下框部材21,22の見込み方向に沿い、かつ補強当接面120bに当接する部分(クロスハッチング部分)、さらには補強格子要素520の端面において連結ヒレ部523a及び補基板部521aにおいて連結ヒレ部523aと平行となる部分(クロスハッチング部分)が、上框部材21及び下框部材22の短手方向に沿った相対移動に抗するように機能することになる。
【0048】
特に、実施の形態2においては、主格子要素510の第1主支持ヒレ部512,512及び第2主支持ヒレ部513,513に対して補強格子要素520の第1補支持ヒレ部522,522及び第2補支持ヒレ部523,523を互いに当接する位置に設け、第1主支持ヒレ部512,512と第1補支持ヒレ部522,522、並びに第2主支持ヒレ部513,513と第2補支持ヒレ部523,523とが上下框部材21,22に対して見込み方向に連続するように配置されることになり、上框部材21及び下框部材22が短手方向に沿ってずれようとした場合にこれをより確実に防止することができるようになる。従って、障子20の框が矩形状を維持することになり、召し合わせの位置に配置される縦框部材24の錠装置27が施錠できない等の問題を防止することができる。
【0049】
しかも、上下框部材21,22に設けた主当接面123a及び補強当接面120bは、格子部材50の長手方向に対して互いに位置が異なる別個のものであり、格子部材50の端面が当接することによって生じる応力がこれらに分散されることになる。従って、主当接面123a及び補強当接面120bについては、特別に板厚を増大したり、閉断面構造として構成せずとも撓む恐れがなくなり、上下框部材21,22の重量増大や製造コストの増大を招来することもない。
【0050】
尚、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、いずれも建具として玄関用の引き戸を例示しているが、その他の箇所に用いられる引き戸であっても良いし、引き戸以外の建具であっても構わない。この場合、障子が必ずしも面材を備えている必要はなく、框部材と格子部材とを備えていれば良い。さらに、格子部材を設ける方向は必ずしも上下である必要はなく、左右方向に格子部材を設けるものであっても構わない。
【0051】
また、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、別個に構成した主格子要素410,510と補強格子要素420,520とを組み付けることによって格子部材40,50を構成するようにしているが、必ずしもこれに限定されず、主格子要素に相当する部分と補強格子要素に相当する部分とを一体に成形して格子部材を構成しても良い。さらに、外郭材411,421,511,521に第1リブや第2リブとして機能するヒレ部412,413,422,512,513,522,523を設けることによって格子部材40,50を構成しているため、軽量化や製造する場合の材料費削減に寄与することができるが、中実となるように格子部材を成形するようにしても良い。
【0052】
さらに、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、框部材21,22,23,24に設けた当接ヒレ部123の主当接面123aとは別の当接支持ヒレ部120に補強当接面120bを設けるようにしているが、例えば、補強当接面120bを設けることなく当接ヒレ部123の主当接面123aを階段状に分割して複数の当接面を構成するようにしても構わない。主当接面123aを分割するように構成した場合には、当接ヒレ部123に単一の当接面を設けた場合と比較して格子部材の端面との当接面積が増えることはない。しかしながら、単一の当接面を設けた場合に比べて、当接面に生じる応力が分割した個々の当接面で分散されることになる。従って、特別に板厚を増大したり、閉断面構造として構成せずとも撓む恐れがなくなり、框部材の重量増大や製造コストの増大を招来することもない。尚、格子部材の端面と当接面との間は、必ずしも当接させた状態で組み立てる必要はなく、少なくとも障子が歪むような外力が加えられた場合に直ちに当接すれば隙間があっても構わない。