特許第5969942号(P5969942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969942
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】調査システム
(51)【国際特許分類】
   G21C 17/003 20060101AFI20160804BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20160804BHJP
   G21C 17/013 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   G21C17/00 E
   H04N7/18 D
   H04N7/18 U
   G21C17/00 H
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-55044(P2013-55044)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-181939(P2014-181939A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100156524
【弁理士】
【氏名又は名称】猪野木 雄一
(72)【発明者】
【氏名】小林 亮介
(72)【発明者】
【氏名】河野 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 孝一
【審査官】 林 靖
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−308547(JP,A)
【文献】 特開平11−326580(JP,A)
【文献】 特開平07−198888(JP,A)
【文献】 特開平11−231086(JP,A)
【文献】 特開2000−352595(JP,A)
【文献】 特開2007−278856(JP,A)
【文献】 特開2008−116421(JP,A)
【文献】 特開2010−203888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 17/00−17/14
G21C 19/00−19/50
G21C 23/00
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を遠隔操作して調査を行い、その調査結果を表示装置で表示する調査システムにおいて、
前記移動体に搭載され、複数の方向に超音波を走査するとともにその反射波を受信して、各方向における周囲の構造物までの距離を計測する水中用形状計測器と、
前記移動体に搭載され、複数の方向にレーザ光を走査するとともにその反射光を受光して、各方向における周囲の構造物までの距離を計測する気中用形状計測器と、
前記移動体に搭載された環境検知用センサと、
前記環境検知用センサの検出結果に基づき、前記移動体が水中及び気中のうちのいずれにあるかを判定する環境判定部と、
前記環境判定部の判定結果に基づき、前記水中用形状計測器の計測結果及び前記気中用形状計測器の計測結果のうちの一方を選択して前記表示装置に出力する第1の切替部とを備え、
前記第1の切替部は、前記移動体が水中にあると判定された場合に、前記表示装置が前記水中用形状計測器の計測結果を表示し、前記移動体が気中にあると判定された場合に、前記表示装置が前記気中用形状計測器の計測結果を表示するように切替えることを特徴とする調査システム。
【請求項2】
請求項1記載の調査システムにおいて、
前記移動体に搭載され、計測レンジが比較的低くて分解能が比較的高い水中用線量計測器と、
前記移動体に搭載され、計測レンジが比較的高くて分解能が比較的低い気中用線量計測器と、
前記環境判定部の判定結果に基づき、前記水中用線量計測器の計測結果及び前記気中用線量計測器の計測結果のうちの一方を選択して前記表示装置に出力する第2の切替部とを備え、
前記第2の切替部は、前記移動体が水中にあると判定された場合に、前記表示装置が前記水中用線量計測器の計測結果を表示し、前記移動体が気中にあると判定された場合に、前記表示装置が前記気中用線量計測器の計測結果を表示するように切替えることを特徴とする調査システム。
【請求項3】
請求項1記載の調査システムにおいて、
前記移動体に設けられた水中用カメラ及び気中用カメラと、
前記環境判定部の判定結果に基づき、前記水中用カメラの撮影結果及び前記気中用カメラの撮影結果のうちの一方を選択して前記表示装置に出力する第3の切替部とを備え、
前記第3の切替部は、前記移動体が水中にあると判定された場合に、前記表示装置が前記水中用カメラの撮影結果を表示し、前記移動体が気中にあると判定された場合に、前記表示装置が前記気中用カメラの撮影結果を表示するように切替えることを特徴とする調査システム。
【請求項4】
請求項1記載の調査システムにおいて、
前記移動体に設けられた水中移動機構及び気中移動機構と、
前記移動体が水中にあると判定された場合に、移動指令に応じて前記水中移動機構が駆動するように制御し、前記移動体が気中にあると判定された場合に、移動指令に応じて前記気中移動機構が駆動するように制御する移動制御部とを備えたことを特徴とする調査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体を遠隔操作して調査を行い、その調査結果を表示装置で表示する調査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体を遠隔操作して調査を行い、その調査結果を表示装置で表示する調査システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の従来技術では、調査対象が原子力プラントの内部(詳細には、例えば原子炉圧力容器の内部)であり、水中環境で調査を行うことを想定している。すなわち、移動体(ビークル)は複数のスラスタを備えており、水中で移動可能としている。また、調査機器の一つであるカメラが移動体に搭載されており、このカメラで撮影した画像を表示装置で表示する。これにより、目視調査が行えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−315709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、水中環境で調査を行うことを想定している。そのため、移動体に搭載のカメラは、水中環境に適応した仕様とすることにより、撮像精度(調査精度)を高めることができる。
【0005】
ところが、同じ移動体を用いて、気中環境でも調査を行いたい場合がある。あるいは、調査位置(言い換えれば、移動体の移動位置)に応じて調査環境(言い換えれば、移動体の環境)が水中又は気中に変わる場合もある。そのため、水中環境及び気中環境のうちの一方の環境に適応したカメラの仕様とすれば、その環境下で撮像精度を高めることができるものの、他方の環境下で撮像精度が低下する可能性がある。これは、カメラ以外の他の調査機器を移動体に搭載した場合も、同じである。
【0006】
そこで、本願発明者らは、水中環境に適応した水中用調査機器と、気中環境に適応した気中用調査機器を、移動体に搭載することを提案する。しかし、このような場合、仮に、表示装置で水中用調査機器の調査結果及び気中用調査機器の調査結果を同時に表示すれば、作業員が調査環境をいちいち確認しなければならず、作業員の負担が大きくなってしまう。
【0007】
本発明の目的は、水中環境及び気中環境にそれぞれ適応した調査が行えるとともに、作業員の負担を軽減することができる調査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、移動体を遠隔操作して調査を行い、その調査結果を表示装置で表示する調査システムにおいて、前記移動体に搭載され、複数の方向に超音波を走査するとともにその反射波を受信して、各方向における周囲の構造物までの距離を計測する水中用形状計測器と、前記移動体に搭載され、複数の方向にレーザ光を走査するとともにその反射光を受光して、各方向における周囲の構造物までの距離を計測する気中用形状計測器と、前記移動体に搭載された環境検知用センサと、前記環境検知用センサの検出結果に基づき、前記移動体が水中及び気中のうちのいずれにあるかを判定する環境判定部と、前記環境判定部の判定結果に基づき、前記水中用形状計測器の計測結果及び前記気中用形状計測器の計測結果のうちの一方を選択して前記表示装置に出力する切替部とを備え、前記切替部は、前記移動体が水中にあると判定された場合に、前記表示装置が前記水中用形状計測器の計測結果を表示し、前記移動体が気中にあると判定された場合に、前記表示装置が前記気中用形状計測器の計測結果を表示するように切替える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、水中環境及び気中環境にそれぞれ適応した調査が行えるとともに、作業員の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態における調査システムの構成を表す概略図である。
図2】本発明の一実施形態における移動体の構造を表す側面図である。
図3】本発明の一実施形態における移動体の構造を表す平面図である。
図4】本発明の一実施形態における移動体の構造を表す正面図である。
図5】本発明の一実施形態における移動体に搭載の形状計測器の動作を説明するための平面図である。
図6】本発明の一実施形態における制御装置の機能的構成を関連機器とともに表すブロック図である。
図7】本発明の一変形例における移動体の構造を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本実施形態における調査システムの構成を表す概略図である。図2図4は、本実施形態における移動体の全体構造を表す側面図、平面図、及び正面図である。図5は、本実施形態における移動体に搭載の形状計測器の動作を説明するための平面図である。
【0014】
本実施形態の調査システムは、移動体1と、この移動体1にケーブル2を介して接続された制御装置3と、この制御装置3に接続されて移動体1を遠隔操作する操作装置4と、制御装置3に接続された表示装置5とを備えている。なお、本実施形態では、調査対象(言い換えれば、移動体1の移動範囲)が原子力プラントの内部であり、調査位置(言い換えれば、移動体1の移動位置)によって気中環境又は水中環境が存在している。制御装置3、操作装置4、及び表示装置5は、原子力プラントの内部と隔離された遠隔操作室に設置されている。
【0015】
そして、作業員が移動体1の姿勢変更を意図して操作装置4を操作すると、操作装置4から制御装置3に姿勢変更指令が出力される。制御装置3は、この姿勢変更指令に応じて移動体1に姿勢制御信号を送信し、移動体1の姿勢を変更させるようになっている。また、作業員が移動体1の移動を意図して操作装置4を操作すると、操作装置4から制御装置3に移動指令が出力される。制御装置3は、この移動指令に応じて移動体1に移動制御信号を送信し、移動体1を移動させるようになっている。また、制御装置3は、移動体1に搭載の調査機器等からの信号を受信しており、表示装置5に調査結果等を表示させるようになっている。
【0016】
移動体1は、例えば前部ユニット9A、中部ユニット9B、及び後部ユニット9Cを備えている。前部ユニット9Aと中部ユニット9Bは、2自由度の関節10Aを介して回動可能に(詳細には、例えば図中Y軸周り又はZ軸周りに回動可能に)連結され、図示しない姿勢制御用モータによって回動するようになっている。また、中部ユニット9Bと後部ユニット9Cは、2自由度の関節10Bを介して回動可能に連結され、図示しない姿勢制御用モータによって回動するようになっている。なお、関節10A,10Bは、3自由度としてもよい。
【0017】
移動体1は、スラスタ式の水中移動機構11(後述の図参照)を備えており、水中で移動可能としている。この水中移動機構11は、ユニット9A,9B,9Cのそれぞれの右側(図3中下側、図4中左側)に設けられたダクト付のスラスタ12Aと、ユニット9A,9B,9Cのそれぞれの左側(図3中上側、図4中右側)に設けられたダクト付のスラスタ12Bと、スラスタ12A,12Bをそれぞれ回転させる水中移動用モータ(図示せず)で構成されている。
【0018】
また、移動体1は、クローラ式の気中移動機構13(後述の図参照)を備えており、気中で移動可能としている。この気中移動機構13は、ユニット9A,9B,9Cのそれぞれの左側に設けられた前輪14A及び後輪15Aと、前輪14A及び後輪15Aに掛け回されたクローラ16Aと、ユニット9A,9B,9Cのそれぞれの右側に設けられた前輪14B及び後輪15B(図示せず)と、前輪14B及び後輪15Bに掛け回されたクローラ16Bと、駆動輪(すなわち、前輪14A,14B又は後輪15A,15B)を回転させる気中移動用モータ(図示せず)で構成されている。なお、クローラ16A,16Bは、グレーチング上の走行を想定すると、グレーチング穴と異なる突起部を有するほうがよい。また、走行面の摩擦係数が低い場合を想定すると、摩擦力が大きくなる材料または接触面積が大きくなる形状を選択するほうがよい。
【0019】
移動体1の中部ユニット9Bには、水中用形状計測器17A,17Bと気中用形状計測器18A,18Bが搭載されている。水中用形状計測器17A,17Bは、水中環境(特に、濁水となる場合)に適応した仕様として、音響式のものを採用している。すなわち、図中X−Y平面上の複数の方向に超音波を走査するとともにその反射波を受信して、各方向における周囲の構造物までの距離を計測するようになっている。さらに詳しく説明すると、水中用形状計測器17Aは、ユニット9Bの右側に配置され、水中用形状計測器17Bは、ユニット9Bの左側に配置されている。そして、水中用形状計測器17Aは、走査範囲θ1aで超音波を走査するとともにその反射波を受信して、各走査角度における構造物Aまでの距離を計測する。水中用形状計測器17Bは、走査範囲θ1bで超音波を走査するとともにその反射波を受信して、各走査角度における構造物Aまでの距離を計測する。そして、各走査角度における計測距離が電気信号として制御装置3へ送信されるようになっている。
【0020】
気中用形状計測器18A,18Bは、気中環境に適応した仕様として、光学式のものを採用している。すなわち、図中X−Y平面上の複数の方向にレーザ光を走査するとともにその反射光を受光して、各方向における周囲の構造物までの距離を計測するようになっている。さらに詳しく説明すると、気中用形状計測器18Aは、ユニット9Bの右側に配置され、気中用形状計測器18Bは、ユニット9Bの左側に配置されている。そして、気中用形状計測器18Aは、走査範囲θ2aでレーザ光を走査するとともにその反射光を受光して、各走査角度における構造物Aまでの距離を計測する。気中用形状計測器18Bは、走査範囲θ2bでレーザ光を走査するとともにその反射光を受光して、各走査角度における構造物Aまでの距離を計測する。そして、各走査角度における計測距離が電気信号として制御装置3へ送信されるようになっている。
【0021】
移動体1の後部ユニット9Cには、水中用線量計測器19と気中用線量計測器20が搭載されている。水中用線量計測器19は、水中環境(すなわち、放射線の減衰が大きい環境)に適応した仕様として、計測レンジが比較的低くて分解能が比較的高いものを採用している。気中用調査機器20は、気中環境(すなわち、放射線の減衰が小さい環境)に適応した仕様として、計測レンジが比較的高くて分解能が比較的低いものを採用している。そして、線量計測器19,20でそれぞれ計測された放射線量が電気信号として制御装置3へ送信されるようになっている。
【0022】
移動体1の前部ユニット9Aの前側には、水中用カメラ21と気中用カメラ22が設けられている。水中用カメラ21は、水中環境(すなわち、比較的暗い環境)に適応した仕様として、比較的高感度のものを採用している。気中用カメラ22は、気中環境(すなわち、比較的明るい環境)に適応した仕様として、比較的低感度のものを採用している。そして、カメラ21,22でそれぞれ撮影された画像が画素単位の電気信号として制御装置3へ送信されるようになっている。
【0023】
移動体1の前部ユニット9A及び後部ユニット9Cには、環境検知用センサとして、圧力センサ23A,23Bが搭載されている。制御装置3は、圧力センサ23A,23Bから受信した検出信号を受信し、これに基づいて移動体1が水中及び気中のうちのいずれにあるかを判定する。そして、判定結果に基づいて水中用調査機器17A,17B,19,21及び気中用調査機器18A,18B,20,22のうちの一方を選択し、その調査結果を表示装置5に表示させるようになっている。また、判定結果に基づいて移動体1の水中移動機構11及び気中移動機構13のうちの一方を選択し、操作装置4からの移動指令に応じて駆動させるようになっている。
【0024】
図6は、上述した制御装置3の機能的構成を関連機器とともに表すブロック図である。
【0025】
制御装置3は、環境判定部24、構造物形状演算部25A,25B、放射線量演算部26A,26B、画像取得部27A,27B、切替部28A,28B,28C、及び移動制御部29を有している。
【0026】
環境判定部24は、圧力センサ23A,23Bからの検出信号に対して所定の処理を行っている。詳細には、圧力センサ23A,23Bでそれぞれ検出された圧力が予め設定された所定の閾値を越えるかどうかを判定する。そして、圧力センサ23A,23Bでそれぞれ検出された圧力が所定の閾値を越える場合は、移動体1が水中にあると判定する。また、圧力センサ23A,23Bでそれぞれ検出された圧力が所定の閾値以下である場合は、移動体1が気中にあると判定する。なお、本実施形態では、圧力センサ23Aで検出された圧力が所定の閾値を越え、且つ圧力センサ23Bで検出された圧力が所定の閾値以下である場合、又は圧力センサ23Aで検出された圧力が所定の閾値以下、且つ圧力センサ23Bで検出された圧力が所定の閾値を越える場合は、移動体1が気中にあると擬制する(但し、水中にあると擬制してもよい)。そして、前述した判定結果を、切替部28A,28B,28C及び移動制御部29へ出力するようになっている。
【0027】
構造物形状演算部25Aは、水中用形状計測器17A,17Bからの信号に対して所定の演算処理を行い、気中用形状計測器18A,18Bからの信号に対して所定の演算処理を行っている。詳細には、各信号を各走査角度における計測距離データに変換し、これに基づいて構造物Aの形状データを作成している。切替部28Aは、環境判定部24から入力された判定結果に基づき、水中用形状計測器17A,17Bの計測結果及び気中用形状計測器18A,18Bの計測結果のうちの一方を選択して、表示装置5に出力している。詳細には、移動体1が水中にあると判定された場合、水中用形状計測器17A,17Bの計測結果(言い換えれば、構造物形状演算部25Aの演算結果)を表示装置5に出力する。これにより、表示装置5が水中用形状計測器17A,17Bの計測結果(構造物の形状データ)を表示するようになっている。一方、移動体1が気中にあると判定された場合、気中用形状計測器18A,18Bの計測結果(言い換えれば、構造物形状演算部25Bの演算結果)を表示装置5に出力する。これにより、表示装置5が気中用形状計測器18A,18Bの計測結果(構造物の形状データ)を表示するようになっている。
【0028】
放射線量演算部26Aは、水中用線量計測器19からの信号に対して所定の演算処理を行い、放射線量演算部26Bは、気中用線量計測器20からの信号に対して所定の演算処理を行っている。詳細には、各信号を放射線量データに変換している。切替部28Bは、環境判定部24から入力された判定結果に基づき、水中用線量計測器19の計測結果及び気中用線量計測器20の計測結果のうちの一方を選択して、表示装置5に出力している。詳細には、移動体1が水中にあると判定された場合、水中用線量計測器19の計測結果(言い換えれば、放射線量演算部26Aの演算結果)を表示装置5に出力する。これにより、表示装置5が水中用線量計測器19の計測結果(放射線量)を表示するようになっている。一方、移動体1が気中にあると判定された場合、気中用線量計測器20の計測結果(言い換えれば、放射線量演算部26Bの演算結果)を表示装置5に出力する。これにより、表示装置5が気中用線量計測器20の計測結果(放射線量)を表示するようになっている。
【0029】
画像取得部27Aは、水中用カメラ21からの信号に対して所定の演算処理を行い、画像取得部27Bは、気中用カメラ22からの信号に対して所定の演算処理を行っている。詳細には、画素単位の信号から画像データを作成している。切替部28Cは、環境判定部24から入力された判定結果に基づき、水中用カメラ21の撮影結果及び気中用カメラ22の撮影結果のうちの一方を選択して、表示装置5に出力している。詳細には、移動体1が水中にあると判定された場合、水中用カメラ21の撮影結果(言い換えれば、画像取得部27Aの演算結果)を表示装置5に出力する。これにより、表示装置5が水中用カメラ21の撮影結果(画像)を表示するようになっている。一方、移動体1が気中にあると判定された場合、気中用カメラ22の撮影結果(言い換えれば、画像取得部27Bの演算結果)を表示装置5に出力する。これにより、表示装置5が気中用カメラ22の撮影結果(画像)を表示するようになっている。
【0030】
移動制御部29は、環境判定部24から入力された判定結果に基づき、移動体1の水中移動機構11及び気中移動機構13のうちの一方を選択して、操作装置4からの移動指令に対応する駆動制御信号を生成するようになっている。詳細には、移動体1が水中にあると判定された場合、操作装置4からの移動指令に対応する水中移動機構11の駆動制御信号を生成して移動体1に送信する。これにより、移動体1の水中移動機構11が駆動するようになっている。一方、移動体1が気中にあると判定された場合、操作装置4からの移動指令に対応する気中移動機構13の駆動制御信号を生成して移動体1に送信する。これにより、移動体1の気中移動機構13が駆動するようになっている
以上のような本実施形態においては、水中用形状計測器17A,17B及び気中用形状計測器18A,18Bを移動体1に搭載することにより、水中環境及び気中環境にそれぞれ適応した周囲構造物の形状調査を行うことができる。また、水中用線量計測器19及び気中用線量計測器20を移動体1に搭載することにより、水中環境及び気中環境にそれぞれ適応した放射線量調査を行うことができる。また、水中用カメラ21及び気中用カメラ22を移動体1に搭載することにより、水中環境及び気中環境にそれぞれ適応した目視調査を行うことができる。
【0031】
また、本実施形態においては、圧力センサ23A,23Bを移動体1に搭載している。そして、制御装置3は、圧力センサ23A,23Bの検出結果に基づき、移動体1が水中及び気中のうちのいずれにあるかを判定し、その判定結果に応じて水中用調査機器17A,17B,19,21の調査結果及び気中用調査機器18A,18B,20,22の調査結果のうちの一方を選択して表示装置5に表示させる。これにより、例えば水中用調査機器の調査結果及び気中用調査機器の調査結果を同時に表示する場合と比べ、作業員の負担を軽減することができる。
【0032】
したがって、本実施形態においては、水中環境及び気中環境にそれぞれ適応した調査が行えるとともに、作業員の負担を軽減することができる。
【0033】
また、本実施形態においては、制御装置3は、上述した判定結果に応じて水中移動機構11及び気中移動機構13のうちの一方を選択して駆動させる。これにより、例えば作業員が移動体1の環境を確認しながら水中移動機構11及び気中移動機構13のうちの一方を選択して操作する場合と比べ、作業員の負担を軽減することができる。
【0034】
なお、上記一実施形態においては、制御装置3が環境判定部24及び切替部28A,28B,28Cを有している場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば移動体1が環境判定部24を有してもよい。また、例えば表示装置5が切替部28A,28B,28Cを有してもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0035】
また、上記一実施形態においては、制御装置3が移動制御部29を有している場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば移動体1が移動制御部29を有してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0036】
また、上記一実施形態においては、特に説明しなかったが、移動体1は、その位置や姿勢に係わる状態量を検出する複数のセンサを搭載してもよい。そして、制御装置3は、前述したセンサの検出結果に基づき移動体1の位置や姿勢を演算して表示装置5に表示させる機能を有してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0037】
また、上記一実施形態においては、調査機器として、形状計測器17A,17B,18A,18B、線量計測器19,20、及びカメラ21,22を移動体1に搭載した場合を例にとって説明したが、これに限れず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば、形状計測器、線量計測器、及びカメラのうちのいずれか1種類又は2種類だけを、移動体1に搭載してもよい。また、例えば、形状計測器、線量計測器、及びカメラ以外の他種の調査機器を搭載してもよい。具体的には、例えば、一方向に超音波を走査するとともにその反射波を受信して、周囲の構造物までの距離を計測する水中用距離計測器と、一方向にレーザ光を走査するとともにその反射光を受光して、周囲の構造物までの距離を計測する気中用形状計測器とを搭載してもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、上記一実施形態においては、移動体1の前部ユニット9A及び後部ユニット9に圧力センサ23A,23Bを搭載し、これら圧力センサ23A,23Bの検出結果に基づき、移動体1の全体が水中及び気中のうちのいずれにあるかを判定する場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば移動体1の中部ユニット9Bのみに圧力センサを搭載し、この圧力センサの検出結果に基づき、移動体1の全体が水中及び気中のうちのいずれにあるかを判定してもよい。あるいは、例えば移動体1の前部ユニット9A、中部ユニット9B、及び後部ユニット9Cのそれぞれに圧力センサを搭載してもよい。そして、各圧力センサの検出結果に基づき、各ユニットが水中及び気中のうちのいずれにあるかを判定し、ユニット毎に水中用調査機器の調査結果を表示、気中にあると判定されたユニットに搭載の気中用調査機器の調査結果を表示するように切替えてもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、上記一実施形態においては、環境検知用センサとして、圧力センサを移動体1に搭載した場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば水の有無を検知する水検知センサを移動体1に搭載してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0040】
また、上記一実施形態においては、移動体1の水中移動機構11として、ユニット9A,9B,9Cにスラスタ12A,12Bを設け、移動体1の気中移動機構13として、ユニット9A,9B,9Cに前輪14A,14B、後輪15A,15B、及びクローラ16A,16Bを設けた場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば図7で示す移動体1Aのように、ユニット9A,9Cにスラスタ12A,12Bを設け、ユニット9Bに前輪14A,14B、後輪15A,15B、及びクローラ16A,16Bを設けてもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、上記一実施形態においては、移動体1は、スラスタ式の水中移動機構11とクローラ式の気中移動機構13を備えた場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能である。すなわち、スラスタ式の水中移動機構11に代えて、例えばフィン式の水中移動機構(詳細には、上下方向又は左右方向に回動可能なフィンと、このフィンを回動させる水中移動用モータ)を備えてもよい。また、クローラ式の気中移動機構13に代えて、例えばホイール式の気中移動機構を備えてもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0042】
1,1A 移動体
3 制御装置
5 表示装置
11 水中移動機構
13 気中移動機構
17A,17B 水中用形状計測器(水中用調査機器)
18A,18B 気中用形状計測器(気中用調査機器)
19 水中用線量計測器(水中用調査機器)
20 気中用線量計測器(気中用調査機器)
21 水中用カメラ(水中用調査機器)
22 気中用カメラ(気中用調査機器)
23A,23B 圧力センサ(環境検知用センサ)
24 環境判定部
28A,28B,28C 切替部
29 移動制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7