特許第5969955号(P5969955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969955
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】化粧板及び化粧板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 33/00 20060101AFI20160804BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20160804BHJP
   B27D 5/00 20060101ALI20160804BHJP
   B27M 3/00 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   B32B33/00
   B32B7/12
   B27D5/00
   B27M3/00 M
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-128300(P2013-128300)
(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公開番号】特開2015-3400(P2015-3400A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2015年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029104
【氏名又は名称】株式会社丸仲鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】飯 倉 泰 男
【審査官】 北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−191059(JP,A)
【文献】 特開2001−113632(JP,A)
【文献】 特開2007−084751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27D 5/00
B27M 1/00−3/38
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に反応性ホットメルト接着剤を塗布し、塗布後、加熱ロールで前記反応性
ホットメルト接着剤の表面を表面粗さが3μm〜10μmに平滑にした反応性ホットメルト層を形成し、
この反応性ホットメルト層の前記反応性ホットメルト接着剤を硬化させ、
硬化後、前記反応性ホットメルト層の表面に、印刷又は塗装により模様又は着色を施
した中間層を形成し、
その後、前記中間層の表面に透明のUV塗料の保護層を形成する
ことを特徴とする化粧板の製造方法。
【請求項2】
反応性ホットメルト接着剤は、硬化後に空気中や被着材である基材に含まれる水分と 反応し鎖延長反応と架橋反応を起こすものである
ことを特徴とする請求項1記載の化粧板の製造方法。
【請求項3】
基材と、
この基材の表面に設けられ、反応性ホットメルト接着剤で形成されると共に、表面粗さが3μm〜10μmの平滑な反応性ホットメルト層と、
この反応性ホットメルト層の表面に印刷又は塗装により模様又は着色を施した中間層
と、
この中間層の表面に設けられた透明のUV塗料の保護層と、
を備えていることを特徴とする化粧板。
【請求項4】
反応性ホットメルト接着剤は、硬化後に空気中や被着材である基材に含まれる水分と 反応し鎖延長反応と架橋反応を起こすものである
ことを特徴とする請求項3記載の化粧板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧板及び化粧板の製造方法に係り、特に、製造に時間を要しない化粧板及び化粧板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の化粧板にあっては、基材層と、該基材層の表面に設けられた少なくともウレタン系塗料による平滑な下地処理層と、該下地処理層の上に設けられた第1の接着剤層と、該第1の接着剤層の上に設けられた着色層と、該着色層の上に設けられた表面層を有し、該基材層が、ガラス繊維強化酸化マグネシウム板からなり、該表面層が透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は透明な電離放射線硬化性樹脂の塗膜からなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−83095
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、基材層の上に6層も重ねなければならず、手間を要し、製造に時間がかかるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされた化粧板及び化粧板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の化粧板の製造方法は、基材の表面に反応性ホットメルト接着剤を塗布し、塗布後、加熱ロールで前記反応性ホットメルト接着剤の表面を表面粗さが3μm〜10μmに平滑にした反応性ホットメルト層を形成し、この反応性ホットメルト層の前記反応性ホットメルト接着剤を硬化させ、硬化後、前記反応性ホットメルト層の表面に、印刷又は塗装により模様又は着色を施した中間層を形成し、その後、前記中間層の表面に透明のUV塗料の保護層を形成するものである。
【0007】
また、請求項2記載の化粧板の製造方法は、請求項1記載の化粧板の製造方法において、反応性ホットメルト接着剤は、硬化後に空気中や被着材である基材に含まれる水分と 反応し鎖延長反応と架橋反応を起こすものである。
【0008】
また、請求項3記載の化粧板は、基材と、この基材の表面に設けられ、反応性ホットメルト接着剤で形成されると共に、表面粗さが3μm〜10μmの平滑な反応性ホットメルト層と、この反応性ホットメルト層の表面に印刷又は塗装により模様又は着色を施した中間層と、この中間層の表面に設けられた透明のUV塗料の保護層と、を備えているものである。
【0009】
また、請求項4記載の化粧板は、請求項3記載の化粧板において、反応性ホットメルト接着剤は、硬化後に空気中や被着材である基材に含まれる水分と反応し鎖延長反応と架橋反応を起こすものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の化粧板の製造方法によれば、基材の表面に反応性ホットメルト接着剤を塗布し、塗布後、加熱ロールで前記反応性ホットメルト接着剤の表面を平滑にした反応性ホットメルト層を形成するため、基材の表面に多少の凹凸があっても、反応性ホットメルト接着剤が前記凹凸に対応して容易に接着でき、しかも、反応性ホットメルト接着剤の塗布後、加熱ロールで前記反応性ホットメルト接着剤の表面を平滑にするため、反射が均一となり、一種の鏡面仕上げとなり、中間層、保護層を介して、見栄えの良好な化粧板を簡易な手段で得ることができる。
【0011】
また、請求項2記載の化粧板の製造方法によれば、上述の請求項1記載の発明の効果に加え、反応性ホットメルト接着剤が白色で着色された反応性ホットメルト接着剤であるため、反応性ホットメルト層の表面に、印刷又は塗装を施した場合、中間層が下地の反応性ホットメルト層の影響を受けにくく、良好な中間層を得ることができ、引いては中間層、保護層を介して、見栄えの良好な化粧板を簡易な手段で得ることができる。
【0012】
また、請求項3記載の化粧板によれば、基材の表面に平滑な反応性ホットメルト層が形成されているため、基材の表面に多少の凹凸があっても、反応性ホットメルト接着剤が前記凹凸に対応して容易に接着でき、しかも、反応性ホットメルト接着剤の表面が平滑であるため、反射が均一となり、一種の鏡面仕上げとなり、中間層、保護層を介して、見栄えの良好な化粧板を簡易な手段で得ることができる。
【0013】
また、請求項4記載の化粧板によれば、上述の請求項3記載の発明の効果に加え、反応性ホットメルト層が白色で着色されているため、反応性ホットメルト層の表面に、印刷又は塗装を施した場合、中間層が下地の反応性ホットメルト層の影響を受けにくく、良好な中間層を得ることができ、引いては中間層、保護層を介して、見栄えの良好な化粧板を簡易な手段で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施例の化粧板の概略的断面図である。
図2図2は、反応性ホットメルト層を形成する工程を示す概略的断面図である。
図3図3は、反応性ホットメルト層に中間層を形成する工程を示す概略的断面図である。
図4図4は、中間層に保護層を形成する工程を示す概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施例の化粧板及び化粧板の製造方法を図面(図1乃至図4)を参照して説明する。
図1に示すFは化粧板で、化粧板Fは、基材1と、この基材1の表面に設けられ、反応性ホットメルト接着剤23(図2参照)で形成されると共に、平滑な反応性ホットメルト層2と、この反応性ホットメルト層2の表面に印刷又は塗装により模様又は着色を施した中間層3と、この中間層3の表面に設けられた透明の保護層4とを備えている。
【0016】
基材1は、例えば、厚みは、約5mm〜約40mmで、材質は、例えば、中質繊維板(MDF)、パーチクルボード、合板等である。
【0017】
反応性ホットメルト層2を形成する反応性ホットメルト接着剤23は、例えば、ウレタン樹脂を主成分とし、ホットメルトに反応系の特性を付与した接着剤で、反応性ホットメルト接着剤23を溶融塗布すると、冷却して硬化すると共に、硬化後に空気中や被着材に含まれる水分と反応し鎖延長反応と架橋反応を起こすものである。
本実施例に使用される反応性ホットメルト接着剤は、例えば、クライベリット社製 商品名「HotCoating」である。
反応性ホットメルト層2は、白色で着色されている(例えば、白色の着色料である酸化チタンの微粉末を混入する。)ことが望ましく、白色の着色材である反応性ホットメルト接着剤23として、本実施例では、例えば、クライベリット社製 商品「PUR HC 9383/470」を用いた。
【0018】
透明の保護層4は、中間層3を保護すると共に、化粧板Fに光沢感を与えて高級感を得るものである。
透明の保護層4を形成するものは、UV塗料(UV塗料は、例えば、環境への対応面でも優れる無溶剤型のUV塗料が望ましい。)である。
【0019】
上記の化粧板Fによれば、基材1の表面に平滑な反応性ホットメルト層2が形成されているため、基材1の表面に多少の凹凸があっても、反応性ホットメルト接着剤23が前記凹凸に対応して容易に接着でき、しかも、反応性ホットメルト接着剤23の表面が平滑であるため、反射が均一となり、一種の鏡面仕上げとなり、中間層3、保護層4を介して、見栄えの良好な化粧板Fを簡易な手段で得ることができる。なお、化粧板Fは、例えば、流し台、食器棚等の扉に使用されるものである。
平滑な反応性ホットメルト層2の平滑度は、表面粗さが3μm〜10μmで、例えば株式会社ミツトヨ製の表面粗さ測定器(サーフテスト)等を使用して測定することができる。
【0020】
上記の化粧板Fは、下記の化粧板の製造方法によって製造することができる。
即ち、基材1の表面に反応性ホットメルトを塗布して反応性ホットメルト層を形成するには、例えば、図2に示すように、搬送コンベヤー、搬送ロール(図示せず)等の搬送手段によって搬送される基材1に、例えば、リバースコーター20を使用して行う。
リバースコーター20は、例えば、アプリケータロール21とドクターロール22の間に供給された反応性ホットメルト接着剤23を有し、アプリケータロール21に付着した溶融状態の反応性ホットメルト接着剤23を基材1の表面に塗布する。
塗布後、加熱ロール24で反応性ホットメルト接着剤23の表面を平滑にして反応性ホットメルト層2を形成する。反応性ホットメルト層2の厚みは、例えば、約30μm〜約40μmである。
【0021】
この反応性ホットメルト層2の反応性ホットメルト接着剤23は、冷却(冷却手段は、例えば、常温下におけるファン等による強制冷却である。)させて硬化させると共に、空気中や基材1に含まれる水分と反応して硬化していく。
硬化後、反応性ホットメルト層2の表面に、印刷(又は塗装)により模様又は着色を施した中間層3を形成する。
印刷は、例えば、プリンターの印刷方式で使用されているインクジェットによるもので、ヘッド部分30(図3参照)から、微小な穴からインクを飛沫として飛ばして、反応性ホットメルト層2に付着させるものである。中間層3の厚みは、例えば、約1μmである。
【0022】
中間層3を形成後、中間層3の表面に透明の保護層4を、例えば、図4に示すフローコーター40により形成する。
フローコーター40は、細いスリットから加圧した透明の保護剤[透明の保護剤は、例えば、UV塗料(UV塗料は、例えば、環境への対応面でも優れる無溶剤型のUV塗料が望ましい。)である。]を膜状に流下させ、一定速度で基材1を通過させて、中間層3の表面に透明の保護層4を形成する。
【0023】
その結果、上述した化粧板の製造方法によれば、基材1の表面に反応性ホットメルト接着剤23を塗布し、塗布後、加熱ロール24で反応性ホットメルト接着剤23の表面を平滑にして反応性ホットメルト層2を形成するため、基材1の表面に多少の凹凸があっても、反応性ホットメルト接着剤23が前記凹凸に対応して容易に接着でき、しかも、反応性ホットメルト接着剤23の塗布後、加熱ロール24で反応性ホットメルト接着剤23の表面を平滑にするため、反射が均一となり、一種の鏡面仕上げとなり、中間層3、保護層4を介して、見栄えの良好な化粧板Fを簡易な手段で得ることができる。
【符号の説明】
【0024】
F 化粧板
1 基材
2 反応性ホットメルト層
23 反応性ホットメルト接着剤
24 加熱ロール
3 印刷層
4 保護層
図1
図2
図3
図4