【実施例】
【0059】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0060】
(実施例1)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン92質量部、ペルメトリン4質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン2質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
【0061】
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
【0062】
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチに、当該マスターバッチと等量(即ち、100質量部)の希釈用のポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)を混合して、195℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
【0063】
(防虫繊維の作製)
次に、作製したペレットを溶融紡糸機に供給し、ペレットの温度を195℃に設定して、溶融紡糸した。なお、紡糸速度は、10m/分に設定して行った。そして、100℃の温度条件で、延伸倍率6倍で延伸を行うことにより、殺虫成分を含有する防虫繊維を作製した。
【0064】
(防虫ネットの作製)
次に、作製した防虫繊維をカラミ織で製織し、目合いが1〜2mmである防虫ネットを作製した。
【0065】
(殺虫性能評価)
作製した防虫ネットを13cm角にカットし、カットした防虫ネットを試験虫であるアカイエカ10頭とともに内径4cmの筒状容器内に入れて、初期の半数仰天時間T
1(初期のKT50(T
1))を測定した。以上の結果を表1に示す。
【0066】
また、作製後30日経過した防虫ネットを同様にカットし、カットした防虫ネットを試験虫であるアカイエカ10頭とともに内径4cmの筒状容器内に入れて、30日後の半数仰天時間T
2(30日後のKT50(T
2))を測定した。以上の結果を表1に示す。
【0067】
また、初期のKT50(T
1)に対する30日後のKT50(T
2)の比(T
1/T
2)を求め、この比の値から長期殺虫性能を評価した。なお、評価の基準は、T
1/T
2の値が0.5を基準値として、この基準値以上の場合を長期殺虫性能が良好、基準値未満の場合を長期殺虫性能が不良とした。以上の結果を表1に示す。
【0068】
(実施例2)
マスターバッチ作製における溶融温度を195℃、及びペレット作製における溶融温度を215℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0069】
(実施例3)
マスターバッチ作製における溶融温度を185℃、及び防虫繊維作製における溶融温度を215℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0070】
(実施例4)
ペレット作製において、ポリプロピレンの代わりに、高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
(実施例5)
ペレット作製及び防虫繊維作製における溶融温度を200℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0072】
(実施例6)
ペレット作製及び防虫繊維作製における溶融温度を218℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0073】
(実施例7)
昇華性物質として、トリイソプロピル−S−トリオキサンの代わりにトリ−t−ブチル−S−トリオキサン(小川香料(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0074】
(実施例8)
昇華性物質として、トリイソプロピル−S−トリオキサンの代わりにナフタリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0075】
(実施例9)
昇華性物質として、トリイソプロピル−S−トリオキサンの代わりに樟脳(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0076】
(実施例10)
昇華性物質として、トリイソプロピル−S−トリオキサンの代わりにトリシクロデカン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0077】
(実施例11)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、トランスフルトリン(住友化学(株)製、商品名:バイオスリン)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0078】
(実施例12)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、プラレトリン(住友化学(株)製、商品名:エトック)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0079】
(実施例13)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、トラロメトリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0080】
(実施例14)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、シフルトリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0081】
(実施例15)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、デルタメトリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0082】
(実施例16)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてフェノトリン(住友化学(株)製、商品名:スミスリン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン89質量部、フェノトリン6質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン3質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
【0083】
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
【0084】
次に、実施例1と同様に、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
【0085】
(実施例17)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン84質量部、ペルメトリン8質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン4質量部、及びシリカ4質量部を投入して混合を行った。
【0086】
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
【0087】
次に、実施例1と同様に、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
【0088】
(実施例18)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン94質量部、ペルメトリン4質量部、及びトリイソプロピル−S−トリオキサン2質量部を投入して混合を行った。
【0089】
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
【0090】
次に、実施例1と同様に、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
【0091】
(実施例19)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体として高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス16080J)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリエチレン95質量部、ペルメトリン2質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン1質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
【0092】
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、165℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
【0093】
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチに、当該マスターバッチと等量(即ち、100質量部)の希釈用の高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)を混合して、195℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
【0094】
次に、実施例1と同様に、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0095】
(実施例20)
防虫繊維作製における溶融温度を215℃に設定したこと以外は、上述の実施例19と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0096】
(実施例21)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体として低密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ウルトゼックス20200J)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリエチレン89質量部、ペルメトリン4.4質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン2.2質量部、及びシリカ4.4質量部を投入して混合を行った。
【0097】
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、165℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
【0098】
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチ33質量部に、希釈用の高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)36質量部と希釈用のポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)31質量部を混合して、195℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
【0099】
次に、実施例1と同様に、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
(比較例1)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体として低密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ウルトゼックス15150J)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリエチレン94質量部、ペルメトリン4質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
【0102】
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、150℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
【0103】
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチに、当該マスターバッチと等量(即ち、100質量部)の希釈用の高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)を混合して、220℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
【0104】
(防虫繊維の作製)
次に、作製したペレットを溶融紡糸機に供給し、ペレットの温度を200℃に設定して、溶融紡糸した。なお、紡糸速度は、10m/分に設定して行った。そして、100℃の温度条件で、延伸倍率6倍で延伸を行うことにより、殺虫成分を含有する防虫繊維を作製した。
【0105】
次に、実施例1と同様に、防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
【0106】
(比較例2)
マスターバッチ作製における溶融温度を215℃、ペレット作製における溶融温度を200℃、及び防虫繊維作製における溶融温度を200℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
【0107】
(比較例3)
ペレット作製及び防虫繊維作製における溶融温度を230℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
【0108】
(比較例4)
(ペレットの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:(ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン92質量部、ペルメトリン4質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン2質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
【0109】
次に、この混合物に、当該混合物と等量(即ち、100質量部)の希釈用のポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)を混合して、195℃の温度で、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
【0110】
(防虫繊維の作製)
次に、作製したペレットを溶融紡糸機に供給し、ペレットの温度を195℃に設定して、溶融紡糸した。なお、紡糸速度は、10m/分に設定して行った。そして、100℃の温度条件で、延伸倍率6倍で延伸を行うことにより、殺虫成分を含有する防虫繊維を作製した。
【0111】
次に、実施例1と同様に、防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
【0112】
(比較例5)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン94質量部、ペルメトリン4質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
【0113】
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
【0114】
次に、実施例1と同様に、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
【0115】
(比較例6)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体として高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス16080J)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリエチレン94質量部、ペルメトリン4質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
【0116】
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、165℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
【0117】
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチに、当該マスターバッチと等量(即ち、100質量部)の希釈用の高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)を混合して、185℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
【0118】
(防虫繊維の作製)
次に、作製したペレットを溶融紡糸機に供給し、ペレットの温度を185℃に設定して、溶融紡糸した。なお、紡糸速度は、10m/分に設定して行った。そして、100℃の温度条件で、延伸倍率6倍で延伸を行うことにより、殺虫成分を含有する防虫繊維を作製した。
【0119】
次に、実施例1と同様に、防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
【0120】
(比較例7)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、デルタメトリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の比較例5と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】
表1から判るように、実施例1〜21のいずれの場合においても、30日後のKT50(T
2)が短く、初期のKT50(T
1)に対する30日後のKT50(T
2)の比(T
1/T
2)が、評価の基準値である0.5以上となり、長期間に渡り、良好な殺虫性能を維持することができることが判る。
【0123】
これは、実施例1〜21においては、マスターバッチを作製する際に、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点以下に設定したため、蒸発による昇華性物質のロスを効果的に抑制することができたためであると考えられる。
【0124】
また、実施例1〜21においては、ペレットを作製、並びにペレットを溶融紡糸する際の温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定したため、マスターバッチに取り込まれた昇華性物質をペレットにおいて外方へと移動させて、防虫繊維における空隙の形成を効果的に促進させることができたためであると考えられる。
【0125】
更に、実施例1〜21においては、マスターバッチを作製したため、殺虫剤と昇華性物質との分散を防止することができ、殺虫剤と昇華性物質とを互いに密集させて存在させることができたためであると考えられる。
【0126】
以上より、実施例1〜21における防虫繊維を使用することにより、長期殺虫性能が良好な防虫ネットを形成することができることが判る。
【0127】
一方、比較例1〜7においては、いずれの場合も、30日後のKT50(T
2)が長く、初期のKT50(T
1)に対する30日後のKT50(T
2)の比(T
1/T
2)が、評価の基準値である0.5未満となり、長期間に渡り、殺虫性能を維持することが困難であることが判る。
【0128】
これは、比較例1、5〜7においては、実施例1〜21において配合されている昇華性物質が配合されていないため、殺虫剤のブリードアウト特性が低下したためであると考えられる。
【0129】
また、比較例2においては、上述の
図3(a)、(b)において説明したように、マスターバッチを作製する際に、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点よりも高く設定したため、蒸発による昇華性物質のロスが大きくなったためであると考えられる。
【0130】
また、比較例3においては、上述の
図3(c)において説明したように、ペレットを作製する際に、溶融混合する際の温度を218℃より高く設定したため、蒸発による昇華性物質のロスが大きくなったためであると考えられる。また、上述の
図3(d)において説明したように、ペレットを溶融紡糸する際に、ペレットの温度を218℃よりも高く設定したため、少数しか形成されていない空隙が収縮、または消滅してしまい、殺虫剤のブリードアウト特性が低下したためであると考えられる。
【0131】
また、比較例4においては、マスターバッチを作製していないため、上述の
図4(b)、(c)において説明したように、殺虫剤と昇華性物質が分散した状態で、互いに離間して存在し、その結果、殺虫剤のブリードアウト特性が低下したためであると考えられる。