【文献】
動脈硬化,1984年,Vol. 12 ,No. 4, P 887-894
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
検体と、(1)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素の組み合わせ、又は、(2)コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素の組み合わせとを、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を含有する水性媒体中で、反応液中のアルカリ金属塩由来のアルカリ金属イオンの濃度が、5〜21mmol/Lである濃度で反応させ、HDL3以外のリポ蛋白を分離除去することなく、生成する物質又は消費される物質を測定することを特徴とする、検体中のHDL3中のコレステロールの測定方法。
請求項1〜4のいずれかに記載の測定方法により、HDL3以外のリポ蛋白を分離除去することなく、検体中のHDL3中のコレステロールを測定するための試薬であって、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、(c)デキストラン硫酸又はその塩、及び、過酸化水素測定用試薬を含有し、アルカリ金属塩が、反応液中でのアルカリ金属塩由来のアルカリ金属イオンの濃度が5〜21mmol/Lとなる含量で含まれることを特徴とする、検体中のHDL3中のコレステロールの測定用試薬。
請求項1〜4のいずれかに記載の測定方法により、HDL3以外のリポ蛋白を分離除去することなく、検体中のHDL3中のコレステロールを測定するための試薬であって、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を含有し、アルカリ金属塩が、反応液中でのアルカリ金属塩由来のアルカリ金属イオンの濃度が5〜21mmol/Lとなる含量で含まれることを特徴とする、検体中のHDL3中のコレステロールの測定用試薬。
第一試薬および第二試薬を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の測定方法により、HDL3以外のリポ蛋白を分離除去することなく、検体中のHDL3中のコレステロールを測定するためのキットであって、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を第一試薬に含有し、コレステロール酸化酵素を第二試薬に含有し、アルカリ金属塩が、反応液中でのアルカリ金属塩由来のアルカリ金属イオンの濃度が、5〜21mmol/Lとなる含量で第一試薬に含まれ、過酸化水素測定用試薬を第一試薬、第二試薬のいずれか又は両方に含有し、コレステロールエステル加水分解酵素を第一試薬、第二試薬のいずれか又は両方に含有することを特徴とするキット。
第一試薬および第二試薬を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の測定方法により、HDL3以外のリポ蛋白を分離除去することなく、検体中のHDL3中のコレステロールを測定するためのキットであって、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を第一試薬に含有し、コレステロール脱水素酵素を第二試薬に含有し、アルカリ金属塩が、反応液中でのアルカリ金属塩由来のアルカリ金属イオンの濃度が、5〜21mmol/Lとなる含量で第一試薬に含まれ、酸化型補酵素を第一試薬、第二試薬のいずれか又は両方に含有し、コレステロールエステル加水分解酵素を第一試薬、第二試薬のいずれか又は両方に含有することを特徴とするキット。
請求項6〜11のいずれかに記載のHDL3中のコレステロール測定用試薬と、HDLコレステロール測定用試薬とを含むことを特徴とする、検体中のHDL2中のコレステロールの測定用キット。
請求項12〜17のいずれかに記載のHDL3中のコレステロール測定用キットの第一試薬及び第二試薬と、HDLコレステロール測定用試薬とを含むことを特徴とする、検体中のHDL2中のコレステロールの測定用キット。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<HDL3中のコレステロールの測定方法>
本発明の、検体中のHDL3中のコレステロール(以下、HDL3−Cと記す)の測定方法は、遠心分離などの物理的方法によるリポ蛋白の分離除去を必要としない方法であり、また、HDL3−Cの測定に先立って、検体中のHDL3以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去することなく、検体中のHDL3−Cを測定する方法である。
【0016】
本発明のHDL3−C測定方法は、検体とコレステロール測定用酵素とを、(a)マグネシウム塩又はカルシウム塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を含有する水性媒体中で反応させ、HDL3以外のリポ蛋白を分離除去することなく、生成する物質又は消費される物質を測定することを特徴とする方法である。コレステロール測定用酵素としては、例えばコレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素の組み合わせ、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素の組み合わせ等が挙げられる。
【0017】
本発明の測定方法は、
(1)検体と、コレステロール測定用酵素との反応を、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を含有する水性媒体中で反応させる工程;
(2)HDL3以外のリポ蛋白を分離除去することなく、工程(1)の反応により生成する物質又は消費される物質を測定する工程;
(3)予め、既知濃度のHDL3−Cを用いて作成された、HDL3−C濃度と、該生成する物質又は該消費される物質由来の情報量との関係を表す検量線と、上記(2)での測定値とを相関付ける工程;及び、
(4)検体中のHDL3−C濃度を決定する工程
を含む。ここで、工程(1)におけるコレステロール測定用酵素としては、前述のコレステロール測定用酵素等が挙げられる。
【0018】
工程(2)における、工程(1)の反応により生成する物質としては、コレステロール測定用酵素として、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素の組み合わせを用いる場合には、過酸化水素等が挙げられ、コレステロール測定用酵素として、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素の組み合わせを用いる場合には、還元型補酵素等が挙げられる。
【0019】
工程(2)における、工程(1)の反応により消費される物質としては、コレステロール測定用酵素として、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素の組み合わせを用いる場合には、酸素分子等が挙げられる。
【0020】
本発明の測定方法において、検体と、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素との反応で生成する過酸化水素は、例えば過酸化水素電極や後述の過酸化水素測定用試薬を用いて測定することができる。
【0021】
本発明の測定方法において、検体と、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素との反応で生成する還元型補酵素は、例えば吸光度法や後述の還元型補酵素測定用試薬を用いて測定することができる。吸光度法としては、吸光度を用いて還元型補酵素を測定し得る方法であれば特に制限はなく、例えば還元型補酵素の吸光度を、還元型補酵素の最大吸収波長(λ
max=340nm)付近の波長で測定する方法等が挙げられる。
【0022】
消費される酸素分子は、例えば酸素電極を用いて測定することができる。
【0023】
本発明の測定方法において用いられる検体としては、例えば全血、血漿、血清等が挙げられ、血漿及び血清が好ましい。
【0024】
本発明におけるコレステロールエステル加水分解酵素としては、コレステロールエステルを加水分解する能力を有する酵素であれば特に制限はなく、例えば動物、植物又は微生物由来のコレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼ等も用いることができる。
【0025】
コレステロールエステル加水分解酵素としては、無修飾のコレステロールエステル加水分解酵素の他、化学的に修飾されたコレステロールエステル加水分解酵素も使用することができる。また、コレステロールエステル加水分解酵素としては市販品を使用することもできる。
【0026】
市販されているコレステロールエステル加水分解酵素としては、コレステロールエステラーゼ(COE−311;東洋紡績社製)、リポプロテインリパーゼ(LPL−311;東洋紡績社製)、コレステロールエステラーゼ(CHE“Amano”3;天野エンザイム株式会社製)、コレステロールエステラーゼ(EST“Amano”2;天野エンザイム株式会社製)等が挙げられる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロールエステル加水分解酵素を組み合わせて用いることもできる。
【0027】
コレステロールエステル加水分解酵素の化学修飾において当該酵素を修飾する基(化学修飾基)としては、例えばポリエチレングリコールを主成分とする基、ポリプロピレングリコールを主成分とする基、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールの共重合体を有する基、水溶性多糖類を含有する基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ポリウレタン基、キレート機能を有する基等が挙げられるが、ポリエチレングリコールを主成分とする基が好ましい。水溶性多糖類としては、例えばデキストラン、プルラン、可溶性デンプン等が挙げられる。
【0028】
コレステロールエステル加水分解酵素を化学的に修飾するための試薬(化学修飾剤)としては、上記の化学修飾基と、酵素のアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基等と反応し得る官能基又は構造とを併せ持つ化合物等が挙げられる。酵素中のアミノ基と反応し得る官能基又は構造としては、例えばカルボキシル基、活性エステル基(N−ヒドロキシサクシンイミド基等)、酸無水物、酸塩化物、アルデヒド、エポキシド基、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン等が挙げられる。酵素中のカルボキシル基と反応し得る官能基又は構造としては、例えばアミノ基等が挙げられる。酵素中のスルフヒドリル基と反応性がある基又は構造としては、例えばマレイミド基、ジスルフィド、α−ハロエステル(α−ヨードエステル等)等が挙げられる。
【0029】
化学修飾剤として、市販品を使用することもできる。市販されている化学修飾剤としては、ポリエチレングリコールを主成分とする基とN−ヒドロキシサクシンイミド基とを有するサンブライトVFM−4101、サンブライトME−050AS、サンブライトDE−030AS(いずれも日油社製)、ポリアルキレングリコールを主成分とする基と酸無水物構造とを有するサンブライトAKMシリーズ(例えば、サンブライトAKM−1510等)、サンブライトADMシリーズ、サンブライトACMシリーズ(いずれも日油社製)、ポリエチレングリコールを主成分とする基とエポキシド基とを有するEPOX−3400、M−EPOX−5000(いずれもSheawater Polymers社製)、キレート機能を有する基と酸無水物構造とを有するジエチレントリアミン−N,N,N’,N’’,N’’−ペンタ無水二酢酸(DTPA anhydride;同仁化学研究所社製)等が挙げられる。
【0030】
コレステロールエステル加水分解酵素の化学修飾は、例えば以下の方法で行うことができるが、本方法に限定されるものではない。まず、コレステロールエステル加水分解酵素をpH8.0以上の緩衝液(例えばHEPES緩衝液)に溶解し、0〜55℃で0.01〜500倍モル量の化学修飾剤を添加し、5分間〜5時間攪拌する。酵素反応においては、化学的に修飾されたコレステロールエステル加水分解酵素として、この反応液そのもののみならず、必要に応じて限外濾過膜等により未反応の化学修飾剤等を除去したものも使用することもできる。
【0031】
本発明の測定方法におけるコレステロールエステル加水分解酵素の濃度としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はなく、反応液中の濃度は通常0.001〜800kU/Lであり、0.01〜300kU/Lが好ましい。
【0032】
本発明におけるコレステロール酸化酵素としては、コレステロールを酸化して過酸化水素を生成する能力を有する酵素であれば特に制限はなく、例えば動物、植物又は微生物由来のコレステロールオキシダーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールオキシダーゼ等も用いることができ、コレステロールオキシダーゼ(CHODI;協和発酵工業社製)、コレステロールオキシダーゼ(CHODI;キッコーマン社製)、コレステロールオキシダーゼ(CHO−CE;キッコーマン社製)、コレステロールオキシダーゼ(COO321;東洋紡績社製)、コレステロールオキシダーゼ(COO322;東洋紡績社製)等の市販品を用いることもできる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロール酸化酵素を組み合わせて用いることもできる。
【0033】
コレステロール酸化酵素は、無修飾の酵素であっても、化学的に修飾された酵素であってもよい。化学的に修飾されたコレステロール酸化酵素は、例えば前述の化学修飾剤を用いて、前述の化学修飾方法により作製することができる。
【0034】
本発明の測定方法におけるコレステロール酸化酵素の濃度としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はなく、反応液中の濃度は通常0.001〜800kU/Lであり、0.01〜300kU/Lが好ましい。
【0035】
本発明におけるコレステロール脱水素酵素としては、酸化型補酵素の存在下にコレステロールを酸化して還元型補酵素を生成する能力を有する酵素であれば特に制限はなく、例えば動物、植物又は微生物由来のコレステロールデヒドロゲナーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールデヒドロゲナーゼ等も用いることができる。コレステロールデヒドロゲナーゼ(CHDH“Amano”5;天野エンザイム社製)等の市販品を用いることもできる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロール脱水素酵素を組み合わせて用いることもできる。コレステロール脱水素酵素は、無修飾の酵素であっても、化学的に修飾された酵素であってもよい。化学的に修飾されたコレステロール脱水素酵素は、例えば前述の化学修飾剤を用いて、前述の化学修飾方法により作製することができる。
【0036】
本発明の測定方法におけるコレステロール脱水素酵素の濃度としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はなく、反応液中の濃度は通常0.001〜800kU/Lであり、0.01〜300kU/Lが好ましい。
【0037】
本発明のコレステロール脱水素酵素を用いた測定法においては、酸化型補酵素が使用される。酸化型補酵素としては、例えばNAD、NADP、チオ(thio)−NAD、チオ(thio)−NADP等が挙げられる。
【0038】
本発明の測定方法における酸化型補酵素の濃度としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はなく、反応液中の濃度は通常0.01〜400mmol/Lであり、0.1〜100mmol/Lが好ましい。
【0039】
本発明における還元型補酵素としては、例えばNADH、NADPH、チオ(thio)−NADH、チオ(thio)−NADPH等が挙げられる。
【0040】
本発明において用いられる2価の金属塩としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする2価の金属塩であれば特に制限はなく、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩等が挙げられるが、マグネシウム塩又はカルシウム塩が好ましい。また、本発明においては、2価の金属塩の水和物等も用いることができる。マグネシウム塩としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とするマグネシウム塩であれば特に制限はなく、例えば塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。カルシウム塩としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とするカルシウム塩であれば特に制限はなく、例えば塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
【0041】
本発明の測定方法における2価の金属塩の反応液中の濃度としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、通常12〜20mmol/Lであり、13〜19mmol/Lが好ましい。
【0042】
本発明の測定方法におけるアルカリ金属塩は、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩及びハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩であり、例えば硫酸リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等が挙げられる。
【0043】
本発明の測定方法における硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩及びハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩の反応液中の濃度としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、通常5〜21mmol/Lであり、6〜18mmol/Lが好ましい。
【0044】
本発明の測定方法におけるデキストラン硫酸又はその塩は、本発明のHDL3−Cの測定を可能とするデキストラン硫酸又はその塩であれば特に制限はないが、分子量が4万〜50万のデキストラン硫酸又はその塩が好ましい。塩としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする塩であれば特に制限はなく、例えばナトリウム塩等が挙げられる。本発明の測定方法におけるデキストラン硫酸又はその塩の反応液中の濃度としては、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、通常0.75〜2.6g/Lであり、1.0〜2.3g/Lが好ましい。
【0045】
本発明において用いられる水性媒体は、本発明のHDL3−Cの測定方法を可能とする水性媒体であれば特に制限はなく、例えば脱イオン水、蒸留水、緩衝液等が挙げられ、緩衝液が好ましい。
【0046】
本発明のHDL3−Cの測定方法におけるpHは、本発明のHDL3−Cの測定方法を可能とするpHであればいずれでもよいが、例えばpH4〜10が挙げられる。水性媒体として緩衝液を用いる場合には、設定するpHに応じた緩衝剤を用いることが望ましい。緩衝液に用いる緩衝剤としては、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤、リン酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッドの緩衝剤等が挙げられる。
【0047】
グッドの緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、3−〔N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕プロパンスルホン酸〔(H)EPPS〕、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等が挙げられる。
【0048】
緩衝液の濃度は測定に適した濃度であれば特に制限はされないが、0.001〜2.0mol/Lが好ましく、0.005〜1.0mol/Lがより好ましい。
【0049】
本発明のHDL3−Cの測定方法における反応温度は、本発明のHDL3−Cの測定方法を可能とする温度であれば特に制限はないが、10〜50℃が好ましく、30〜40℃がより好ましい。汎用の自動分析装置で設定される反応温度は通常37℃である。
本発明のHDL3−Cの測定方法における反応時間は、本発明のHDL3−Cの測定方法を可能とする反応時間であれば特に制限はないが、1〜60分間が好ましく、2〜30分間がより好ましい。
【0050】
本発明のHDL3−Cの測定方法において、コレステロール測定用酵素として、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素の組み合わせを用いる場合には、HDL3−Cの測定は、反応により生成した過酸化水素の量を測定することにより行うことができる。
【0051】
生成した過酸化水素の量は、例えば過酸化水素電極や過酸化水素測定用試薬を用いて測定することができる。過酸化水素測定用試薬は、生成した過酸化水素を検出可能な物質へ変換するための試薬である。検出可能な物質としては、例えば色素、発光等が挙げられるが、色素が好ましい。検出可能な物質が色素の場合には、過酸化水素測定用試薬は、酸化発色型色原体及びペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質を含有する。酸化発色型色原体としては、例えば後述の酸化発色型色原体が挙げられる。検出可能な物質が発光の場合には、過酸化水素測定用試薬は、化学発光物質を含有する。化学発光物質としては、例えばルミノール、イソルミノール、ルシゲニン、アクリジニウムエステル等が挙げられる。
【0052】
過酸化水素測定用試薬として、酸化発色型色原体及びペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質を含有する試薬を用いる場合には、過酸化水素は、過酸化活性物質の存在下に酸化発色型色原体と反応して色素を生成し、生成した色素を測定することにより、測定することができる。また、化学発光物質を含有する過酸化水素測定用試薬を用いる場合には、過酸化水素は、化学発光物質と反応してフォトンを生じ、生じたフォトンを測定することにより、測定することができる。
【0053】
酸化発色型色原体としては、例えばロイコ型色原体、酸化カップリング発色型色原体等が挙げられる。ロイコ型色原体は、過酸化水素及びペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質の存在下、単独で色素へ変換される物質である。具体的には、テトラメチルベンジジン、o−フェニレンジアミン、10−N−カルボキシメチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(CCAP)、10−N−メチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(MCDP)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミンナトリウム塩(DA−64)、10−N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン ナトリウム塩(DA−67)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス〔3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル〕アミン(BCMA)等が挙げられる。
【0054】
酸化カップリング発色型色原体は、過酸化水素及びペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質の存在下、2つの化合物が酸化的カップリングして色素を生成する物質である。2つの化合物の組み合わせとしては、カプラーとアニリン類との組み合わせ、カプラーとフェノール類との組み合わせ等が挙げられる。
【0055】
カプラーとしては、例えば4−アミノアンチピリン(4−AA)、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン等が挙げられる。
【0056】
アニリン類としては、N−(3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOPS)、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、N,N−ジメチル−3−メチルアニリン、N,N−ジ(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン(EMSE)、N−(3,5−ジメトキシフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン(DOSE)、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−アセチルエチレンジアミン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−4−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリン(F−DAOS)、N−[2−(サクシニルアミノ)エチル]−2−メトキシ−5−メチルアニリン(MASE)、N−エチル−N−[2−(サクシニルアミノ)エチル]−2−メトキシ−5−メチルアニリン(Et−MASE)等が挙げられる。
【0057】
フェノール類としては、フェノール、4−クロロフェノール、3−メチルフェノール、3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨード安息香酸(HTIB)等が挙げられる。
【0058】
過酸化水素の測定において、過酸化活性物質の濃度は、測定に適した濃度であれば特に制限はないが、過酸化活性物質としてペルオキシダーゼを用いる場合は、1〜100kU/Lが好ましい。また、酸化発色型色原体の濃度は、過酸化水素の測定に適した濃度であれば特に制限はないが、0.01〜10g/Lが好ましい。
【0059】
本発明のHDL3−Cの測定方法において、コレステロール測定用酵素として、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素の組み合わせを用いる場合には、HDL3−Cの測定は、反応により生成した還元型補酵素の量を測定することにより行うことができる。
【0060】
生成した還元型補酵素の量は、例えば吸光度法や還元型補酵素測定用試薬を用いて測定することができる。吸光度法としては、例えば前述の吸光度法等が挙げられる。還元型補酵素測定用試薬は、生成した還元型補酵素を検出可能な物質へ変換するための試薬である。検出可能な物質としては、例えば色素等が挙げられる。
【0061】
還元型補酵素測定用試薬としては、例えばジアホラーゼ、電子キャリアー及び還元発色型色原体を含有する試薬、還元型補酵素酸化酵素を含有する試薬、還元型補酵素酸化酵素及び過酸化水素測定用試薬を含有する試薬等が挙げられる。
【0062】
還元型補酵素測定用試薬として、ジアホラーゼ、電子キャリアー及び還元発色型色原体を含有する試薬を用いる場合には、還元発色型色原体が変換されて生成した色素を定量することにより、還元型補酵素を定量することができる。電子キャリアーとしては、例えば1−メトキシ−5−メチルフェナジウムメチルサルフェート等が挙げられる。
【0063】
還元発色型色原体としては、例えば3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム ブロミド(MTT)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−1)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−3)等が挙げられる。
【0064】
還元型補酵素測定用試薬として、還元型補酵素酸化酵素を含有する試薬を用いる場合には、還元発色型色原体と還元型補酵素酸化酵素との反応で生成する過酸化水素を測定することにより、還元型補酵素を測定することができる。生成した過酸化水素は、例えば前述の過酸化水素電極を用いる方法や、前述の過酸化水素測定用試薬を用いる方法等により測定することができる。過酸化水素測定用試薬を用いる方法を用いて還元型補酵素を測定する場合には、還元型補酵素測定用試薬は、還元型補酵素酸化酵素及び過酸化水素測定用試薬を含有する。
【0065】
<HDL2中のコレステロールの測定方法>
HDLは、HDL2とHDL3の2つの亜分画からなるリポ蛋白であるので、検体中のHDLコレステロール(総HDLコレステロール)を測定し、当該総HDLコレステロール濃度から、本発明のHDL3−Cの測定方法により測定される検体中のHDL3−C濃度を差し引くことにより、当該検体中のHDL2コレステロール(以下、HDL2−Cと記す)濃度を測定することができる。
【0066】
すなわち、本発明の、検体中のHDL2−Cの測定方法は、以下の工程を含む方法である。
(1)検体中のHDL中のコレステロールを測定する工程;
(2)本発明のHDL3−Cの測定方法により、検体中のHDL3−Cを測定する工程;
(3)上記(1)工程での測定の測定値から、(2)工程での測定の測定値を差し引く工程。
【0067】
工程(1)におけるHDL中のコレステロール(以下、HDL−Cと記す)の測定は、検体中の総HDL中のコレステロールの測定を可能とする方法であれば、特に制限はなく、例えば特開平8−131197号公報、WO2004/035816号パンフレット、WO2006/118199号パンフレット等に記載の方法により行うことができる。また、HDL−Cの測定は、市販のHDL−C測定用試薬、及び、HDL−C測定用キットを用いて行うこともできる。市販のHDL−C測定用試薬、及び、HDL−C測定キットとしては、例えば「メタボリードHDL−C」(協和メデックス社製)、「デタミナーL HDL−C」(協和メデックス社製)等が挙げられる。
工程(2)におけるHDL3−Cの測定は、前述のHDL3−C測定方法により行うことができる。
【0068】
<HDL3−C測定用試薬>
本発明のHDL3−C測定用試薬は、本発明のHDL3−C測定方法に用いられる試薬である。
本発明のHDL3−C測定用試薬の態様を以下に記す。
【0069】
・測定用試薬1
コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を含有する試薬
・測定用試薬2
コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、(c)デキストラン硫酸又はその塩、及び、過酸化水素測定用試薬を含有する試薬
・測定用試薬3
コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を含有する試薬
・測定用試薬4
コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、(c)デキストラン硫酸又はその塩、及び、還元型補酵素測定用試薬を含有する試薬
【0070】
本発明のHDL3−C測定用試薬は、凍結乾燥された状態でも、水性媒体に溶解された状態でもよい。凍結乾燥された状態の試薬を用いて検体中のHDL3−Cを測定する場合には、当該試薬は水性媒体に溶解して使用される。
【0071】
本発明のHDL3−C測定用試薬が水性媒体に溶解された状態である場合、試薬中の各要素の濃度は、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はなく、例えば、反応液中の濃度が以下に示す濃度となる濃度である。
・コレステロールエステル加水分解酵素:通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・コレステロール酸化酵素:通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・コレステロール脱水素酵素:通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・酸化型補酵素:通常0.01〜400mmol/L、好ましくは0.1〜100mmol/L。
・2価の金属塩:通常12〜20mmol/L、好ましくは13〜19mmol/L。
・硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩:通常5〜21mmol/L、好ましくは6〜18mmol/L。
・デキストラン硫酸又はその塩:通常0.75〜2.6g/L、好ましくは1.0〜2.3g/L。
【0072】
本発明のHDL3−C測定用試薬が凍結乾燥状態である場合、試薬中の各要素の含量は、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする含量であれば特に制限はなく、例えば反応液中での濃度が上記の濃度となる含量である。
【0073】
本発明のHDL3−C測定用試薬中の各要素の含量としては、水性媒体で溶解された状態での各要素の濃度が、例えば以下の濃度となる含量である。
・コレステロールエステル加水分解酵素:通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・コレステロール酸化酵素:通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・コレステロール脱水素酵素:通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・酸化型補酵素:通常0.01〜400mmol/L、好ましくは0.1〜100mmol/L。
・2価の金属塩:通常12〜20mmol/L、好ましくは13〜19mmol/L。
・硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩:通常5〜21mmol/L、好ましくは6〜18mmol/L。
・デキストラン硫酸又はその塩:通常0.75〜2.6g/L、好ましくは1.0〜2.3g/L。
【0074】
<HDL3−C測定用キット>
本発明のHDL3−C測定用試薬は、本発明のHDL3−C測定方法に用いられ、保存、流通及び使用に適したキットの形態を取ることができる。本発明のHDL3−C測定用キットとしては、例えば2試薬系のキット、3試薬系のキット等が挙げられるが、第一試薬と第二試薬とからなる2試薬系のキットが好ましい。
【0075】
第一試薬と第二試薬とからなる2試薬系のHDL3−C測定用キットにおいては、コレステロールエステル加水分解酵素は、第一試薬、第二試薬のいずれか又は両方に含まれる。コレステロール酸化酵素は、第二試薬に含まれることが好ましい。酸化型補酵素は、第一試薬、第二試薬のいずれか又は両方に含まれる。コレステロール脱水素酵素は、第二試薬に含まれることが好ましい。2価の金属塩は、第一試薬に含まれることが好ましい。硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩は、第一試薬に含まれることが好ましい。デキストラン硫酸又はその塩は、第一試薬に含まれることが好ましい。
【0076】
過酸化水素測定用試薬は、第一試薬、第二試薬のいずれか又は両方に含有されてもよいが、当該試薬が酸化カップリング型色原体を含む場合には、酸化カップリング型色原体の2つの化合物、すなわち、カプラーとアニリン類、又は、カプラーとフェノール類はそれぞれ別々の試薬に含まれる態様が好ましい。
【0077】
還元型補酵素測定用試薬は、第一試薬、第二試薬のいずれか又は両方に含有される。
【0078】
本発明のHDL3−C測定用キットの態様を以下に記す。
・測定用キット1
第一試薬
(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を含有する試薬
第二試薬
コレステロールエステル加水分解酵素、及び、コレステロール酸化酵素を含有する試薬
・測定用キット2
第一試薬
(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、(c)デキストラン硫酸又はその塩、及び、過酸化水素測定用試薬を含有する試薬
第二試薬
コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素を含有する試薬、及び、過酸化水素測定用試薬を含有する試薬
・測定用キット3
第一試薬
(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、及び、(c)デキストラン硫酸又はその塩を含有する試薬
第二試薬
コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、及び、コレステロール脱水素酵素を含有する試薬
・測定用キット4
第一試薬
(a)2価の金属塩、(b)硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩、(c)デキストラン硫酸又はその塩、及び、還元型補酵素測定用試薬を含有する試薬
第二試薬
コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、及び、還元型補酵素測定用試薬を含有する試薬
【0079】
本発明のHDL3−C測定用キットは、凍結乾燥された状態でも、水性媒体に溶解された状態でもよい。凍結乾燥された状態のキットを用いて検体中のHDL3−Cを測定する場合には、当該キットは水性媒体に溶解して使用される。該水性媒体としては、例えば前述の水性媒体等が挙げられる。
【0080】
本発明のHDL3−C測定用キットが水性媒体に溶解された状態である場合、キットの第一試薬又は第二試薬中の各要素の濃度は、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はなく、例えば反応液中の濃度が以下に示す濃度となる濃度である。
・コレステロールエステル加水分解酵素(第一試薬又は第二試薬):通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・コレステロール酸化酵素(第二試薬):通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・コレステロール脱水素酵素(第二試薬):通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・酸化型補酵素(第一試薬又は第二試薬):通常0.01〜400mmol/L、好ましくは0.1〜100mmol/L。
・2価の金属塩(第一試薬):通常12〜20mmol/L、好ましくは13〜19mmol/L。
・硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩(第一試薬):通常5〜21mmol/L、好ましくは6〜18mmol/L。
・デキストラン硫酸又はその塩(第一試薬):通常0.75〜2.6g/L、好ましくは1.0〜2.3g/L。
【0081】
本発明のHDL3−C測定用キットが凍結乾燥状態である場合、キットの第一試薬又は第二試薬中の各要素の含量は、本発明のHDL3−Cの測定を可能とする含量であれば特に制限はなく、例えば反応液中の濃度が上記の濃度となる含量である。
【0082】
本発明のHDL3−C測定用キットの第一試薬又は第二試薬中の各要素の含量としては、水性媒体で溶解された状態での各要素の濃度が、例えば以下の濃度となる含量である。
・コレステロールエステル加水分解酵素(第一試薬又は第二試薬):通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・コレステロール酸化酵素(第二試薬):通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・コレステロール脱水素酵素(第二試薬):通常0.001〜800kU/L、好ましくは0.01〜300kU/L。
・酸化型補酵素(第一試薬又は第二試薬):通常0.01〜400mmol/L、好ましくは0.1〜100mmol/L。
・2価の金属塩(第一試薬):通常16〜27mmol/L、好ましくは17〜25mmol/L。
・硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩(第一試薬):通常7〜28mmol/L、好ましくは8〜25mmol/L。
・デキストラン硫酸又はその塩(第一試薬):通常1.0〜3.5g/L、好ましくは1.3〜3.1g/L。
【0083】
本発明のHDL3−C測定用試薬及び測定用キットには、必要に応じて、水性媒体、安定化剤、防腐剤、影響物質消去剤、反応促進剤等が含有されてもよい。水性媒体としては、例えば前述の水性媒体等が挙げられる。安定化剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、シュークロース、塩化カルシウム、コール酸又はその塩等が挙げられる。防腐剤としては、例えばアジ化ナトリウム、抗生物質等が挙げられる。影響物質消去剤としては、例えばアスコルビン酸の影響を消去するためのアスコルビン酸オキシダーゼ等が挙げられる。反応促進剤としては、例えばコリパーゼ、ホスホリパーゼ等が挙げられる。
【0084】
本発明のHDL3−C測定用試薬及び測定用キットにおいては、前述のコレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、2価の金属塩、アルカリ金属塩(硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩)、デキストラン硫酸又はその塩、過酸化水素測定用試薬、還元型補酵素測定用試薬を用いることができる。
【0085】
<HDL2−C測定用キット>
本発明のHDL2−C測定用キットは、本発明のHDL2−Cの測定方法に用いられるキットである。本発明のHDL2−C測定用キットとしては、例えば本発明のHDL3−C測定用試薬と、HDL−C測定用試薬とを含むキット、本発明のHDL3−C測定用キットの第一試薬及び第二試薬と、HDL−C測定用試薬とを含むキット等が挙げられる。本発明のHDL2−C測定用キットにおける本発明のHDL3−C測定用試薬としては、本発明のHDL3−C測定用キットでもよい。
【0086】
本発明のHDL2−C測定用キットにおけるHDL−C測定用試薬は、HDL−C測定用キットでもよい。HDL−C測定用試薬、及び、HDL−C測定用キットは、HDL−Cの測定を可能とする試薬、及び、キットであれば特に制限はなく、例えば特開平8−131197号公報、WO2004/035816号パンフレット、WO2006/118199号パンフレット等に記載のHDL−C測定用試薬、及び、HDL−C測定用キット等が挙げられる。また、HDL−C測定用試薬、及び、HDL−C測定用キットとして、市販のHDL−C測定用試薬、及び、測定用キットを用いることもできる。市販のHDL−C測定用試薬、及び、測定用キットとしては、例えば前述の市販のHDL−C測定用試薬、及び、HDL−C測定用キット等が挙げられる。
【0087】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。尚、本実施例及び比較例においては、下記メーカーの試薬及び酵素を使用した。
HEPES(VWR社製)、HSDA(同仁化学研究所社製)、PIPES(同仁化学研究所社製)、コール酸ナトリウム(アクロス社製)、ウシ血清アルブミン(BSA;セルライアンス社製)、4−アミノアンチピリン(埼京化成社製)、デキストラン硫酸ナトリウム分子量50万(名糖産業社製)、デキストラン硫酸ナトリウム分子量4万(ICN社製)、硝酸マグネシウム6水和物(関東化学社製)、塩化カルシウム2水和物(和光純薬社製)、硫酸ナトリウム(関東化学社製)、塩化ナトリウム(和光純薬社製)、塩化カリウム(和光純薬社製)、塩化リチウム(和光純薬社製)、硝酸ナトリウム(ナカライテスク社製)、炭酸ナトリウム(関東化学社製)、臭化ナトリウム(和光純薬社製)、酢酸ナトリウム3水和物(関東化学社製)、フッ化ナトリウム(和光純薬社製)
COO322(コレステロール酸化酵素;東洋紡績社製)、LPL311(コレステロールエステル加水分解酵素;東洋紡績社製)、パーオキシダーゼ(東洋紡績社製)
【0088】
また、化学修飾LPL311は、以下のように調製したものを用いた。
HEPES緩衝液(pH8.5,0.15mol/L)に、LPL311を33g/Lとなるように加え、5℃に冷却した後、サンブライトVFM−4101(日油社製)を330g/Lとなるよう加え、さらに3時間反応させた。得られた修飾酵素溶液を精製分離せずそのまま化学修飾LPL311として使用した。
【0089】
化学修飾COO322は、以下のように調製したものを用いた。
HEPES緩衝液(pH8.0,0.1mol/L)にCOO322を50g/Lとなるように加え、15℃に冷却した後、サンブライトVFM−4101(日油社製)を6.25g/Lとなるように加え、さらに2時間反応させた。得られた修飾酵素溶液を精製分離せずそのまま化学修飾COO322として使用した。
【実施例1】
【0090】
・2価の金属塩と硫酸ナトリウムとの組み合わせによるHDL3−Cの測定
以下の第一試薬及び第二試薬からなるHDL3−C測定用キットを調製した。第1表に示す濃度の2価の金属塩(硝酸マグネシウム6水和物又は塩化カルシウム2水和物)、及び、硫酸ナトリウムを含むキットを実施例1(1)〜1(11)のキットとした。
第一試薬
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
HSDA 0.3g/L
コール酸ナトリウム 0.75g/L
パーオキシダーゼ 10kU/L
デキストラン硫酸ナトリウム x g/L(第1表参照)
2価の金属塩 y mmol/L(第1表参照)
硫酸ナトリウム z mmol/L(第1表参照)
第二試薬
PIPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
コール酸ナトリウム 6g/L
パーオキシダーゼ 20kU/L
化学修飾LPL311 0.2kU/L
化学修飾COO322 7.6kU/L
【0091】
[比較例1]
以下の第一試薬及び第二試薬からなるHDL3−C測定用キットを調製した。第1表に示す濃度の硝酸マグネシウム6水和物を含むキットを比較例1(1)〜1(3)のキットとした。
第一試薬
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
HSDA 0.3g/L
コール酸ナトリウム 0.75g/L
パーオキシダーゼ 10kU/L
デキストラン硫酸ナトリウム x g/L(第1表参照)
硝酸マグネシウム6水和物 y mmol/L(第1表参照)
第二試薬
PIPES(pH7.0) 10 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3 g/L
コール酸ナトリウム 6 g/L
パーオキシダーゼ 20kU/L
化学修飾LPL311 0.2kU/L
化学修飾CHOD322 7.6kU/L
【実施例2】
【0092】
実施例1(a)のキットを用いて、以下のようにして、トリグリセリドが200mg/dL以下のヒト血清42検体について、それぞれの検体中のHDL3−Cを測定し、分画法との相関係数を算出した。
【0093】
(1)ヒト血清検体と実施例1(a)のキットとの反応による当該検体における「反応吸光度」の算出
日立7170S形自動分析装置を用いて、以下の操作により「反応吸光度」を算出した。
【0094】
ヒト血清を検体とし反応セルへ(2μL)添加し、次いでそれぞれ実施例1(a)のキットの第一試薬(0.15mL)を添加し反応(第一反応)を開始させ、37℃で5分間加温し、反応5分後の反応液の吸光度(E1)を主波長600nm、副波長700nmで測定した。次いで、この反応液にそれぞれ実施例1(a)のキットの第二試薬(0.05mL)を添加しさらに37℃で5分間加温して反応(第二反応)を行い、第二反応5分後の反応液の吸光度(E2)を主波長600nm、副波長700nmで測定し、E2からE1を差し引いて、吸光度変化(ΔE
血清検体)を算出した。また、ヒト血清の代わりに生理食塩水を検体として用いて、同様の測定を行い、吸光度変化(ΔE
ブランク)を算出した。最後に、下記(式1)により、各ヒト血清検体における「反応吸光度」を算出した。
【0095】
【数1】
【0096】
(2)分画法によるヒト血清検体中のHDL3−Cの測定
上記(1)と同じヒト血清検体を用いて、Journal of Lipid Research vol.49, p.1130-1136 (2008)に記載の方法(分画法)にて各検体中のHDL3を分離し、得られたHDL3分画中のコレステロール量をデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。
【0097】
また、参考として、同じヒト血清検体を用いて、Clinical Chemistry, Vol.45, No.10, pp.1803-1812 (1999)に記載されたDCM(Designated Comparison Method)により、各検体中のHDLを分離し、得られたHDL分画中のコレステロールをデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。
【0098】
(3)本発明の測定方法と分画法との相関
実施例1(1)のキットを用いた測定における「反応吸光度」と、(2)の分画法による測定値との間の相関係数を第1表に記す。
同様に、実施例1(1)のキットの代わりに、実施例1(2)〜1(11)のキットを用いて、分画法による測定値との間の相関係数を決定した。相関関係を第1表に記す。
【0099】
[比較例2]
実施例1(1)の代わりに、比較例1(1)〜1(3)の各キットを用いる以外は実施例2の方法と同様の方法により、比較例1(1)〜1(3)の各キットを用いた測定における「反応吸光度」と、分画法による測定値との間の相関係数を決定した。相関係数を第1表に記す。
【0100】
【表1】
【0101】
第1表から、第一試薬中にアルカリ金属塩である硫酸ナトリウムを含有しない比較例1(1)〜1(3)のキットを用いた測定においては、分画法でのHDL3−C測定との間に、良好な相関関係は認められず、むしろHDL−C測定との間に、良好な相関関係が認められることが判明した。
【0102】
一方、第一試薬に硫酸ナトリウム及び2価の金属塩を含有する実施例1(1)〜1(11)のキットを用いた測定においては、分画法でのHDL3−C測定との間に、良好な相関関係が認められることが判明した。
【実施例3】
【0103】
・マグネシウム塩濃度と硫酸ナトリウム濃度の検討
以下の第一試薬及び第二試薬からなるHDL3−C測定用キットを調製した。第2表に示す濃度の硝酸マグネシウム6水和物、及び、硫酸ナトリウムを含むキットを実施例3(1)〜3(12)のキットとした。
第一試薬
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
HSDA 0.3g/L
コール酸ナトリウム 0.75g/L
パーオキシダーゼ 10kU/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万) 2g/L
硝酸マグネシウム6水和物 x mmol/L
(第2表参照)
硫酸ナトリウム y mmol/L
(第2表参照)
第二試薬
PIPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
コール酸ナトリウム 6g/L
パーオキシダーゼ 20kU/L
化学修飾LPL311 0.2kU/L
化学修飾COO322 7.6kU/L
【実施例4】
【0104】
実施例1(1)の代わりに、実施例3(1)〜3(12)の各キットを用いる以外は実施例2の方法と同様の方法により、実施例3(1)〜3(12)の各キットを用いた測定における反応吸光度と、分画法による測定値との間の相関係数を決定した。相関係数を第2表に記す。
【0105】
【表2】
【0106】
第2表から、第一試薬中にマグネシウム塩、及び、硫酸ナトリウムを含有する実施例3(1)〜3(12)のキットを用いた測定においては、分画法でのHDL3−C測定との間に、良好な相関関係が認められることが判明した。
【実施例5】
【0107】
・アルカリ金属塩の検討
以下の第一試薬及び第二試薬からなるHDL3−C測定用キットを調製した。第3表に示すアルカリ金属塩及びその濃度を用いたキットを実施例5(1a)〜5(9c)のキットとした。
第一試薬
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
HSDA 0.3g/L
コール酸ナトリウム 0.75g/L
パーオキシダーゼ 10kU/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万) 2g/L
硝酸マグネシウム6水和物 20mmol/L
アルカリ金属塩(第3表参照)
第二試薬
PIPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
コール酸ナトリウム 6g/L
パーオキシダーゼ 20kU/L
化学修飾LPL311 0.2kU/L
化学修飾COO322 7.6kU/L
【実施例6】
【0108】
実施例1(1)の代わりに、実施例5(1a)〜5(9c)の各キットを用いる以外は実施例2の方法と同様の方法により、実施例5(1a)〜5(9c)の各キットを用いた測定における反応吸光度と、分画法による測定値との間の相関係数を決定した。相関係数を第3表に記す。
【0109】
【表3】
【0110】
第3表から、第一試薬中に、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及び、ハロゲン化物からなる群より選ばれるアルカリ金属塩を含有するキットを用いた測定においては、分画法でのHDL3−C測定との間に、良好な相関関係が認められることが判明した。
【実施例7】
【0111】
・検体中のHDL3−Cの定量
ヒト新鮮血清5検体について、各検体中のHDL3−C濃度を、分画法、及び、本発明の実施例3(6)及び実施例3(11)のキットを用いる方法により、以下の手順に従い決定した。
【0112】
(1)分画法を用いたHDL3−Cの定量
Journal of Lipid Research vol.49, p.1130-1136(2008)に記載の方法(分画法)にて各検体中のHDL3を分離し、得られたHDL3分画中のコレステロールをデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定し、各検体中のHDL3−C濃度を決定した。
【0113】
(2)実施例3(6)及び実施例3(11)のキットを用いたHDL3−Cの定量
分画法による測定より、HDL3−C濃度が16.1mg/dLであることが判明している血清標準液を検量線作成用サンプルとした。実施例2の(1)記載の測定方法と同様にして日立7170S自動分析装置により、実施例3(6)のキットを用いて、検量線作成用サンプル検体の反応吸光度を測定し、HDL3−C濃度と反応吸光度との間の関係を示す検量線を作成した。
【0114】
上記の検量線作成用サンプルの代わりにヒト血清5検体を用いて、実施例2の(1)記載の方法と同様の方法により測定を行い、得られた測定値と先に作成された検量線とから、各検体中のHDL3−C濃度を決定した。
【0115】
実施例3(6)のキットの代わりに実施例3(11)のキットを用いて、同様の方法により、同じヒト血清5検体中のHDL3−C濃度を決定した。
分画法を用いて決定されたHDL3−C濃度、実施例3(6)及び実施例3(11)のキットを用いて決定されたHDL3−C濃度を第4表に示す。
【0116】
【表4】
【0117】
第4表から、本発明のキットを用いる測定方法により決定されたHDL3−C濃度が、分画法により決定されたHDL3−C濃度とほぼ一致することが判明した。従って、本発明のキットを用いる測定方法により、ヒト血清中のHDL3−Cを正確に測定できることが判明した。