(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フレキシブル基板の少なくとも一部は、前記複数のコイルの外周を囲むように円筒状に配置されて、前記フレキシブル基板の内周面と前記複数のコイルの外周面との間に複数の空隙が形成され、
前記複数の電極は、前記複数の空隙に位置するように前記フレキシブル基板に分散配置されている、請求項1に記載の回転駆動装置。
隔壁で仕切られた第1および第2の室を含むハウジングと、前記第1の室内において前記隔壁に沿って回転可能に設けられ、回転時の遠心力によって液体を送るインペラと、前記第2の室内に設けられ、前記隔壁を介して前記インペラを回転駆動させる駆動部とを備えた遠心式ポンプ装置であって、
前記インペラに設けられ、前記駆動部によって吸引される複数の第1の永久磁石を備え、
前記駆動部は、
前記複数の第1の永久磁石に対向して配置された複数の磁性体と、
それぞれ前記複数の磁性体に対応して設けられて各々が対応の磁性体に巻回され、回転磁界を生成するための複数のコイルと、
前記ハウジングに固定され、外部から駆動電圧を受けるコネクタと、
前記複数のコイルおよび前記コネクタに接続されたフレキシブル基板とを含み、
前記フレキシブル基板は帯状に形成されたものであり、
前記フレキシブル基板の少なくとも一部は、前記複数のコイルの外周を囲むように配置されており、
前記フレキシブル基板には、前記複数のコイルを接続するための複数の電極が形成されている、遠心式ポンプ装置。
前記インペラの一方面またはそれに対向する前記第1の室の内壁に第1の動圧溝が形成され、前記インペラの他方面またはそれに対向する前記隔壁に第2の動圧溝が形成されている、請求項17に記載の遠心式ポンプ装置。
前記フレキシブル基板の少なくとも一部は、前記複数のコイルの外周を囲むように円筒状に配置されて、前記フレキシブル基板の内周面と前記複数のコイルの外周面との間に複数の空隙が形成され、
前記複数の電極は、前記複数の空隙に位置するように前記フレキシブル基板に分散配置されている、請求項17に記載の遠心式ポンプ装置。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[実施の形態1]
この発明の実施の形態1による遠心式血液ポンプ装置のポンプ部1は、
図1〜
図7に示すように、非磁性材料で形成されたハウジング2を備える。ハウジング2は、円柱状の本体部3と、本体部3の一方の端面の中央に立設された円筒状の血液流入ポート4と、本体部3の外周面に設けられた円筒状の血液流出ポート5とを含む。血液流出ポート5は、本体部3の外周面の接線方向に延在している。
【0033】
ハウジング2内には、
図3に示すように、隔壁6によって仕切られた血液室7およびモータ室8が設けられている。血液室7内には、
図3および
図4に示すように、中央に貫通孔10aを有する円板状のインペラ10が回転可能に設けられている。インペラ10は、ドーナツ板状の2枚のシュラウド11,12と、2枚のシュラウド11,12間に形成された複数(たとえば6つ)のベーン13とを含む。シュラウド11は血液流入ポート4側に配置され、シュラウド12は隔壁6側に配置される。シュラウド11,12およびベーン13は、非磁性材料で形成されている。
【0034】
2枚のシュラウド11,12の間には、複数のベーン13で仕切られた複数(この場合は6つ)の血液通路14が形成されている。血液通路14は、
図4に示すように、インペラ10の中央の貫通孔10aと連通しており、インペラ10の貫通孔10aを始端とし、外周縁まで徐々に幅が広がるように延びている。換言すれば、隣接する2つの血液通路14間にベーン13が形成されている。なお、この実施の形態1では、複数のベーン13は等角度間隔で設けられ、かつ同じ形状に形成されている。したがって、複数の血液通路14は等角度間隔で設けられ、かつ同じ形状に形成されている。
【0035】
インペラ10が回転駆動されると、血液流入ポート4から流入した血液は、遠心力によって貫通孔10aから血液通路14を介してインペラ10の外周部に送られ、血液流出ポート5から流出する。
【0036】
また、シュラウド11には永久磁石15が埋設されており、シュラウド11に対向する血液室7の内壁には、永久磁石15を吸引する永久磁石16が埋設されている。永久磁石15,16は、インペラ10をモータ室8と反対側、換言すれば血液流入ポート4側に吸引(換言すれば、付勢)するために設けられている。
【0037】
なお、シュラウド11および血液室7の内壁にそれぞれ永久磁石15,16を設ける代わりに、シュラウド11および血液室7の内壁の一方に永久磁石を設け、他方に磁性体を設けてもよい。また、シュラウド11自体を永久磁石15または磁性体で形成してもよい。また、磁性体としては軟質磁性体と硬質磁性体のいずれを使用してもよい。
【0038】
また、永久磁石16は、1つでもよいし、複数でもよい。永久磁石16が1つの場合は、永久磁石16はリング状に形成される。また、永久磁石16が複数の場合は、複数の永久磁石16は等角度間隔で同一の円に沿って配置される。永久磁石15も、永久磁石16と同様であり、1つでもよいし、複数でもよい。
【0039】
また、
図4に示すように、シュラウド12には複数(たとえば8個)の永久磁石17が埋設されている。複数の永久磁石17は、隣接する磁極が互いに異なるようにして、等角度間隔で同一の円に沿って配置される。換言すれば、モータ室8側にN極を向けた永久磁石17と、モータ室8側にS極を向けた永久磁石17とが等角度間隔で同一の円に沿って交互に配置されている。
【0040】
また、
図7に示すように、モータ室8内には、複数(たとえば9個)の磁性体18が設けられている。複数の磁性体18は、インペラ10の複数の永久磁石17に対向して、等角度間隔で同一の円に沿って配置される。複数の磁性体18の基端は、円板状の1つの継鉄19に接合されている。各磁性体18には、コイル20が巻回されている。
【0041】
また、複数の磁性体18の周囲にはコイル20を巻回するためのスペースが均等に確保され、各隣接する2つの磁性体18の互いに対向する面は略平行に設けられている。このため、コイル20用の大きなスペースを確保することができ、コイル20の巻数を大きくすることができる。したがって、インペラ10を回転駆動させるための大きなトルクを発生することができる。また、コイル20で発生する銅損を軽減することができ、インペラ10の回転駆動におけるエネルギ効率を高めることができる。また、複数の磁性体18は円柱形状でもよい。この場合、コイル20の周方向長さを最小にすることができ、コイル20で発生する銅損を軽減することができ、インペラ10の回転駆動におけるエネルギ効率を高めることができる。
【0042】
なお、複数の磁性体18を囲む外形面(
図7では、複数の磁性体18の外周を囲む円)は、複数の永久磁石17を囲む外形面(
図4では、複数の磁性体18の外周を囲む円)に一致していてもよいし、複数の磁性体18を囲む外形面が複数の永久磁石17を囲む外形面よりも大きくてもよい。また、磁性体18は、ポンプ1の最大定格(インペラ10の回転駆動トルクが最大の条件)において、磁気的な飽和がないように設計することが好ましい。
【0043】
9個のコイル20には、たとえば120度通電方式で電圧が印加される。すなわち、9個のコイル20は、3個ずつグループ化される。各グループの第1〜第3のコイル20には、
図8に示すような電圧VU,VV,VWが印加される。第1のコイル20には、0〜120度の期間に正電圧が印加され、120〜180度の期間に0Vが印加され、180〜300度の期間に負電圧が印加され、300〜360度の期間に0Vが印加される。したがって、第1のコイル20が巻回された磁性体18の先端面(インペラ10側の端面)は、0〜120度の期間にN極になり、180〜300度の期間にS極になる。電圧VVの位相は電圧VUよりも120度遅れており、電圧VWの位相は電圧VVよりも120度遅れている。したがって、第1〜第3のコイル20にそれぞれ電圧VU,VV,VWを印加することにより、回転磁界を形成することができ、複数の磁性体18とインペラ10の複数の永久磁石17との吸引力および反発力により、インペラ10を回転させることができる。
【0044】
ここで、駆動電圧VU,VV,VWを9個のコイル20に供給する方法について説明する。本実施の形態1では、
図9に示すように、継鉄19の外周に沿って9個のコイル20が継鉄19の表面に配置されている。各コイル20は、円筒状に巻回されている。9個のコイル20の外周を囲むように、帯状のフレキシブル基板23が設けられ、このフレキシブル基板23に9個のコイル20が接続される。駆動電圧VU,VU,VWは、フレキシブル基板23に形成された配線パターンを介して9個のコイル20に供給される。したがって、各コイル20とコントローラ(
図15参照)からの電源線とを半田付けなどで直接接続する場合に比べ、組立て作業性を簡単に行なうことが可能となる。
【0045】
また、
図10に示すように、円筒状に配置されたフレキシブル基板23の内周面と9個の円筒状のコイル20の外周面との間には、9個の三角柱状の空隙が形成される。換言すると、継鉄19の表面の円形の外周と9個のコイル20との隙間に略三角形の9個の領域Aが現れる。帯状のフレキシブル基板23の下端には、それぞれ9個の領域Aに対応して3角形状の9個の折り曲げ部23aが形成されている。各折り曲げ部23aは、円筒状に湾曲されたフレキシブル基板23の内周面に略垂直に内側に折り曲げられる。各折り曲げ部23aの表面には、2つの電極ELが形成されている。フレキシブル基板23は、9個の折り曲げ部23aをそれぞれ9個の領域Aに配置するようにして、9個のコイル20の周りに配置される。各コイル20の2つの端子は、そのコイル20に隣接する2つの電極にそれぞれ半田付けされる。したがって、空間を効率的に利用することができ、装置の小型化が可能となる。なお、絶縁対策として半田付け部分を樹脂などでポッティングしてもよい。
【0046】
また、
図11に示すように、ハウジング2の本体部3にコネクタ24が固定されている。コネクタ24は、モータ室8の壁を貫通する3本のピン24a〜24cを含む。3本のピン24a〜24cには、外部から3相の駆動電圧VU,VV,VWが与えられる。3本のピン24a〜24cと9個のコイル20とは、フレキシブル基板23に形成された配線パターンによって接続される。これにより、径方向の配線用スペースを最小にすることができる。
【0047】
また、フレキシブル基板23と9個のコイル20の全部とを接続し、さらにフレキシブル基板23の端部とコネクタ24とを接続する必要があるので、フレキシブル基板23の長さは、9個のコイル20の外周を一周する分の長さの1.25倍以上にすることが望ましい。これにより、駆動部をハウジング2に固定する際や、ハウジング2に固定されたコネクタ24とフレキシブル基板23とを接続する際に、フレキシブル基板23に掛かるストレスを軽減することができ、信頼性を高めることができる。
【0048】
図12は、フレキシブル基板23に形成された配線パターンを模式的に示す図である。
図12において、各コイル23の2つの端子はそれぞれ、そのコイル23に隣接する2つの電極ELに接続される。フレキシブル基板23の表面には、4つの配線パターンL0〜L3と、3つの電源端子T1〜T3が形成されている。9個のコイル20の一方端子が接続された9個の電極ELは、配線パターンL0によって互いに接続される。配線パターンL0は、9個のコイル20の中性点となる。
【0049】
また、9個のコイル20は、3個ずつグループ化される。3個のグループの各々は、第1〜第3のコイル20を含む。3個のグループの第1のコイル20の他方端子が接続された3個の電極ELは、配線パターンL1によって互いに接続されるとともに電源端子T1に接続される。電源端子T1はコネクタ24のピン24aに接続され、ピン24aはコントローラ(
図15参照)からのU相電源線に接続される。コントローラは、U相電源線および配線パターンL1を介して各第1のコイル20に駆動電圧VUを与える。
【0050】
3個のグループの第2のコイル20の他方端子が接続された3個の電極ELは、配線パターンL2によって互いに接続されるとともに電源端子T2に接続される。電源端子T2はコネクタ24のピン24bに接続され、ピン24bはコントローラ(
図15参照)からのV相電源線に接続される。コントローラは、V相電源線および配線パターンL2を介して各第2のコイル20に駆動電圧VVを与える。
【0051】
3個のグループの第3のコイル20の他方端子が接続された3個の電極ELは、配線パターンL3によって互いに接続されるとともに電源端子T3に接続される。電源端子T3はコネクタ24のピン24cに接続され、ピン24cはコントローラ(
図15参照)からのW相電源線に接続される。コントローラは、W相電源線および配線パターンL3を介して各第3のコイル20に電圧VWを与える。なお、フレキシブル基板23は、たとえば、ポリイミドフィルムと金属層で形成される。電極EL、配線パターンL0〜L3、および電源端子T1〜T3は、金属層で形成される。
【0052】
図3に戻って、インペラ10が定格回転数で回転している場合は、永久磁石15,16間の吸引力と複数の永久磁石17および複数の磁性体18間の吸引力とは、血液室7内におけるインペラ10の可動範囲の略中央付近で釣り合うようにされている。このため、インペラ10のいかなる可動範囲においてもインペラ10への吸引力による作用力は非常に小さい。その結果、インペラ10の回転起動時に発生するインペラ10とハウジング2との相対すべり時の摩擦抵抗を小さくすることができる。また、相対すべり時におけるインペラ10とハウジング2の内壁の表面の損傷(表面の凹凸)はなく、さらに低速回転時の動圧力が小さい場合にもインペラ10はハウジング2から浮上し易くなり、非接触の状態となる。したがって、インペラ10とハウジング2との相対すべりによって溶血・血栓が発生したり、相対すべり時に発生したわずかな表面損傷(凹凸)によって血栓が発生することもない。
【0053】
また、インペラ10のシュラウド12に対向する隔壁6の表面には複数の動圧溝21が形成され、シュラウド11に対向する血液室7の内壁には複数の動圧溝22が形成されている。インペラ10の回転数が所定の回転数を超えると、動圧溝21,22の各々とインペラ10との間に動圧軸受効果が発生する。これにより、動圧溝21,22の各々からインペラ10に対して抗力が発生し、インペラ10は血液室7内で非接触状態で回転する。
【0054】
詳しく説明すると、複数の動圧溝21は、
図5に示すように、インペラ10のシュラウド12に対応する大きさに形成されている。各動圧溝21は、隔壁6の中心から若干離間した円形部分の周縁(円周)上に一端を有し、渦状に(換言すれば、湾曲して)隔壁6の外縁付近まで、幅が徐々に広がるように延びている。また、複数の動圧溝21は略同じ形状であり、かつ略同じ間隔に配置されている。動圧溝21は凹部であり、動圧溝21の深さは0.005〜0.4mm程度であることが好ましい。動圧溝21の数は、6〜36個程度であることが好ましい。
【0055】
図5では、10個の動圧溝21がインペラ10の中心軸に対して等角度で配置されている。動圧溝21は、いわゆる内向スパイラル溝形状となっているので、インペラ10が時計方向に回転すると、動圧溝21の外径部から内径部に向けて液体の圧力が高くなる。このため、インペラ10と隔壁6の間に反発力が発生し、これが動圧力となる。
【0056】
なお、動圧溝21を隔壁6に設ける代わりに、動圧溝21をインペラ10のシュラウド12の表面に設けてもよい。
【0057】
このように、インペラ10と複数の動圧溝21の間に形成される動圧軸受効果により、インペラ10は隔壁6から離れ、非接触状態で回転する。このため、インペラ10と隔壁6の間に血液流路が確保され、両者間での血液滞留およびそれに起因する血栓の発生が防止される。さらに、通常状態において、動圧溝21が、インペラ10と隔壁6の間において撹拌作用を発揮するので、両者間における部分的な血液滞留の発生を防止することができる。
【0058】
また、動圧溝21の角の部分は、少なくとも0.05mm以上のRを持つように丸められていることが好ましい。これにより、溶血の発生をより少なくすることができる。
【0059】
また、複数の動圧溝22は、
図6に示すように、複数の動圧溝21と同様、インペラ10のシュラウド11に対応する大きさに形成されている。各動圧溝22は、血液室7の内壁の中心から若干離間した円形部分の周縁(円周)上に一端を有し、渦状に(換言すれば、湾曲して)血液室7の内壁の外縁付近まで、幅が徐々に広がるように延びている。また、複数の動圧溝22は、略同じ形状であり、かつ略同じ間隔で配置されている。動圧溝22は凹部であり、動圧溝22の深さは0.005〜0.4mm程度があることが好ましい。動圧溝22の数は、6〜36個程度であることが好ましい。
図6では、10個の動圧溝22がインペラ10の中心軸に対して等角度に配置されている。
【0060】
なお、動圧溝22は、血液室7の内壁側ではなく、インペラ10のシュラウド11の表面に設けてもよい。また、動圧溝22の角となる部分は、少なくとも0.05mm以上のRを持つように丸められていることが好ましい。これにより、溶血の発生をより少なくすることができる。
【0061】
このように、インペラ10と複数の動圧溝22の間に形成される動圧軸受効果により、インペラ10は血液室7の内壁から離れ、非接触状態で回転する。また、ポンプ部1が外的衝撃を受けたときや、動圧溝21による動圧力が過剰となったときに、インペラ10の血液室7の内壁への密着を防止することができる。動圧溝21によって発生する動圧力と動圧溝22によって発生する動圧力は異なるものとなっていてもよい。
【0062】
インペラ10のシュラウド12と隔壁6との隙間と、インペラ10のシュラウド11と血液室7の内壁との隙間とが略同じ状態でインペラ10が回転することが好ましい。インペラ10に作用する流体力などの外乱が大きく、一方の隙間が狭くなる場合には、その狭くなる側の動圧溝による動圧力を他方の動圧溝による動圧力よりも大きくし、両隙間を略同じにするため、動圧溝21と22の形状を異ならせることが好ましい。
【0063】
なお、
図5および
図6では、動圧溝21,22の各々を内向スパイラル溝形状としたが、他の形状の動圧溝21,22を使用することも可能である。ただし、血液を循環させる場合は、血液をスムーズに流すことが可能な内向スパイラル溝形状の動圧溝21,22を採用することが好ましい。
【0064】
図13は、永久磁石15,16間の吸引力F1と永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2との合力の大きさが、インペラ10の血液室7内の可動範囲の中央位置以外の位置P1でゼロとなるように調整した場合にインペラ10に作用する力を示す図である。ただし、インペラ10の回転数は定格値に保たれている。
【0065】
すなわち、永久磁石15,16間の吸引力F1が永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2よりも小さく設定され、それらの合力がゼロとなるインペラ10の浮上位置はインペラ可動範囲の中間よりも隔壁6側にあるものとする。動圧溝21,22の形状は同じである。
【0066】
図13の横軸はインペラ10の位置(図中の左側が隔壁6側)を示し、縦軸はインペラ10に対する作用力を示している。インペラ10への作用力が隔壁6側に働くとき、その作用力をマイナスとしている。インペラ10に対する作用力としては、永久磁石15,16間の吸引力F1と、永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2と、動圧溝21の動圧力F3と、動圧溝22の動圧力F4と、それらの合力である「インペラに作用する正味の力F5」を示した。
【0067】
図13から分かるように、インペラ10に作用する正味の力F5がゼロとなる位置で、インペラ10の浮上位置はインペラ10の可動範囲の中央位置から大きくずれている。その結果、回転中のインペラ10と隔壁6の間の距離は狭まり、インペラ10に対して小さな外乱力が作用してもインペラ10は隔壁6に接触してしまう。
【0068】
これに対して
図14は、永久磁石15,16間の吸引力F1と永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2との合力の大きさが、インペラ10の血液室7内の可動範囲の中央位置P0でゼロとなるように調整した場合にインペラ10に作用する力を示す図である。この場合も、インペラ10の回転数は定格値に保たれている。
【0069】
すなわち、永久磁石15,16間の吸引力F1と永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2とは略同じに設定されている。また、動圧溝21,22の形状は同じにされている。この場合は、
図13の場合と比較して、インペラ10の浮上位置に対する支持剛性が高くなる。また、インペラ10に作用する正味の力F5は可動範囲の中央でゼロとなっているので、インペラ10に対し外乱力が作用しない場合にはインペラ10は中央位置で浮上する。
【0070】
このように、インペラ10の浮上位置は、永久磁石15,16間の吸引力F1と、永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2と、インペラ10の回転時に動圧溝21,22で発生する動圧力F3,F4との釣り合いで決まる。F1とF2を略同じにし、動圧溝21,22の形状を同じにすることにより、インペラ10の回転時にインペラ10を血液室7の略中央部で浮上させることが可能となる。
図3および
図4に示すように、インペラ10は2つのディスク間に羽根を形成した形状を有するので、ハウジング2の内壁に対向する2つの面を同一形状および同一寸法にすることができる。したがって、略同一の動圧性能を有する動圧溝21,22をインペラ10の両側に設けることは可能である。
【0071】
この場合、インペラ10は血液室7の中央位置で浮上するので、インペラ10はハウジング2の内壁から最も離れた位置に保持される。その結果、インペラ10の浮上時にインペラ10に外乱力が印加されて、インペラ10の浮上位置が変化しても、インペラ10とハウジング2の内壁とが接触する可能性が小さくなり、それらの接触によって血栓や溶血が発生する可能性も低くなる。
【0072】
なお、
図13および
図14の例では、2つの動圧溝21,22の形状は同じであるとしたが、動圧溝21,22の形状を異なるものとし、動圧溝21,22の動圧性能を異なるものとしてもよい。たとえば、ポンピングの際に流体力などによってインペラ10に対して常に一方方向の外乱が作用する場合には、その外乱の方向にある動圧溝の性能を他方の動圧溝の性能より高めておくことにより、インペラ10をハウジング2の中央位置で浮上回転させることが可能となる。この結果、インペラ10とハウジング2との接触確率を低く抑えることができ、インペラ10の安定した浮上性能を得ることができる。
【0073】
また、永久磁石15,16間の吸引力F1と、永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2とによって構成されるインペラ10のアキシアル方向への負の支持剛性値の絶対値をKaとし、ラジアル方向の正の剛性値の絶対値をKrとし、インペラ10が回転する常用回転数領域において2つの動圧溝21,22で得られる正の剛性値の絶対値をKgとすると、Kg>Ka+Krの関係を満たすことが好ましい。
【0074】
具体的には、アキシアル方向の負の剛性値の絶対値Kaを20000N/mとし、ラジアル方向の正の剛性値の絶対値Krを10000N/mとした場合、インペラ10が通常回転する回転数領域で2つの動圧溝21,22によって得られる正の剛性値の絶対値Kgは30000N/mを超える値に設定される。
【0075】
インペラ10のアキシアル支持剛性は動圧溝21,22で発生する動圧力に起因する剛性から磁性体間の吸引力などによる負の剛性を引いた値であるから、Kg>Ka+Krの関係を持つことで、インペラ10のラジアル方向の支持剛性よりもアキシアル方向の支持剛性を高めることができる。このように設定することにより、インペラ10に対して外乱力が作用した場合に、インペラ10のラジアル方向への動きよりもアキシアル方向への動きを抑制することができ、動圧溝21の形成部でのインペラ10とハウジング2との機械的な接触を避けることができる。
【0076】
特に、動圧溝21,22は、
図3、
図5および
図6で示したように平面に凹設されているので、インペラ10の回転中にこの部分でハウジング2とインペラ10との機械的接触があると、インペラ10およびハウジング2の内壁のいずれか一方または両方の表面に傷(表面の凹凸)が生じてしまい、この部位を血液が通過すると、血栓及び溶血の原因となる可能性もあった。この動圧溝21,22での機械的接触を防ぎ、血栓及び溶血を抑制するために、ラジアル方向の剛性よりもアキシアル方向の剛性を高める効果は高い。
【0077】
また、インペラ10にアンバランスがあると回転時にインペラ10に振れ回りが生ずるが、この振れ回りはインペラ10の質量とインペラ10の支持剛性値で決定される固有振動数とインペラ10の回転数が一致した場合に最大となる。
【0078】
このポンプ部1では、インペラ10のアキシアル方向の支持剛性よりもラジアル方向の支持剛性を小さくしているので、インペラ10の最高回転数をラジアル方向の固有振動数以下に設定することが好ましい。そこで、インペラ10とハウジング2との機械的接触を防ぐため、永久磁石15,16間の吸引力F1と永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2によって構成されるインペラ10のラジアル剛性値をKr(N/m)とし、インペラ10の質量をm(kg)とし、インペラの回転数をω(rad/s)とした場合、ω<(Kr/m)
0.5の関係を満たすことが好ましい。
【0079】
具体的には、インペラ10の質量が0.03kgであり、ラジアル剛性値が2000N/mである場合、インペラ10の最高回転数は258rad/s(2465rpm)以下に設定される。逆に、インペラ10の最高回転数を366rad/s(3500rpm)と設定した場合には、ラジアル剛性は4018N/m以上に設定される。
【0080】
さらに、このωの80%以下にインペラ10の最高回転数を設定することが好ましい。具体的には、インペラ10の質量が0.03kgであり、ラジアル剛性値が2000N/mである場合には、その最高回転数は206.4rad/s(1971rpm)以下に設定される。逆に、インペラ10の最高回転数を366rad/s(3500rpm)としたい場合には、ラジアル剛性値が6279N/m以上に設定される。このようにインペラ10の最高回転数を設定することで、インペラ10の回転中におけるインペラ10とハウジング2の接触を抑えることができる。
【0081】
また、永久磁石15,16間の吸引力F1と、永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2とによって構成されるインペラ10のアキシアル方向の負の剛性値よりも動圧溝21,22の動圧力による剛性が大きくなった場合にインペラ10とハウジング2は非接触の状態となる。したがって、この負の剛性値を極力小さくすることが好ましい。そこで、この負の剛性値を小さく抑えるため、永久磁石15,16の対向面のサイズを異ならせることが好ましい。たとえば、永久磁石16のサイズを永久磁石15よりも小さくすることにより、両者間の距離によって変化する吸引力の変化割合、すなわち負の剛性を小さく抑えることができ、インペラ支持剛性の低下を防ぐことができる。
【0082】
また、インペラ10の回転起動前に、インペラ10が隔壁6に接触していることを確認してから、インペラ10を回転起動させることが好ましい。
【0083】
すなわち、インペラ10の非回転時では、動圧溝21,22による非接触支持はされず、さらに、永久磁石15,16間の吸引力F1と、永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2によってインペラ10とハウジング2とは高い面圧で接触している。また、このポンプ部1のように、インペラ10をモータ室8内のコイル20および磁性体18とインペラ10の永久磁石17との磁気的相互作用で回転させる場合は、特許文献2の
図3に示すようなインペラを永久磁石間の磁気カップリングで回転駆動させる場合に比べて、起動トルクが小さい。したがって、インペラ10をスムーズに回転起動させることは難しい。
【0084】
しかし、インペラ10のシュラウド12が隔壁6と接触している場合は、インペラ10のシュラウド11が血液室7の内壁に接触している場合に比べ、インペラ10の永久磁石17とモータ室8内の磁性体18とが近接しているので、インペラ10の起動時の回転トルクを高めることができ、インペラ10をスムーズに回転起動させることができる。
【0085】
ところが、上述の通り、インペラ10の回転時には、永久磁石15,16間の吸引力F1と、永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2とは、インペラ10の位置がインペラ10の可動範囲の中央付近にて釣り合うように設定されているので、インペラ10の停止時にインペラ10が必ずしも隔壁6に接触しているとは限らない。
【0086】
そこで、この遠心式血液ポンプ装置では、インペラ10を回転起動させる前にインペラ10を隔壁6側に移動させる手段が設けられる。具体的には、永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2が大きくなるように複数のコイル20に電流を流し、インペラ10を隔壁6側に移動させる。
【0087】
図15は、ポンプ部1を制御するコントローラ25の構成を示すブロック図である。
図15において、コントローラ25は、モータ制御回路26およびパワーアンプ27を含む。モータ制御回路26は、たとえば120度通電方式の3相の制御信号を出力する。パワーアンプ27は、モータ制御回路26からの3相の制御信号を増幅して、
図8で示した3相電圧VU,VV,VWを生成する。3相電圧VU,VV,VWは、
図7で説明した第1〜第3のコイル20にそれぞれ印加される。通常の運転時は、これにより、インペラ10が可動範囲の中央位置で所定の回転数で回転する。
【0088】
図16(a)〜(c)は、インペラ10の回転起動時におけるコイル電流I、インペラ10の位置、およびインペラ10の回転数の時間変化を示すタイムチャートである。
図16(a)〜(c)において、初期状態では、インペラ10のシュラウド11が血液室7の内壁に接触しており、インペラ10は位置PAにあるものとする。時刻t0において、予め定められた電流I0がコイル20に流される。これにより、永久磁石17および磁性体18間の吸引力F2が永久磁石15,16間の吸引力F1よりも大きくなり、インペラ10は隔壁6側の位置PBに移動し、インペラ10のシュラウド12は隔壁6に接触する。インペラ10が位置PBに移動したら、電流I0を遮断する(時刻t1)。インペラ10の血液室7内の位置を検出するセンサを設け、インペラ10が隔壁6に接触したことを確認した後に、電流I0を遮断することが好ましい。
【0089】
次に、コイル電流Iを予め定められた定格値まで徐々に上昇させる。このとき、インペラ10は隔壁6に接触しているので、インペラ10はスムーズに回転する。コイル電流Iの上昇に伴って、インペラ10は隔壁6側の位置PBから可動範囲の中央位置に移動する。
【0090】
以上のように、この実施の形態1では、9個のコイル20を囲むようにフレキシブル基板23を設け、9個のコイル20とコネクタ24のピン24a〜24cとをフレキシブル基板23で接続し、3相の駆動電圧VU,VV,VWをフレキシブル基板23の配線パターンL1〜L3を介して9個のコイル20に供給する。したがって、9個のコイル20と3相の電源線とを直接、半田付けする場合に比べ、装置を小型、薄型に維持したまま、組立て作業性、生産性、信頼性を高めることができる。また、9個のコイル20とコネクタ24とを1枚のフレキシブル基板23のみで接続するので、部品点数の低減化、低コスト化を図ることができる。
【0091】
また、円筒状に配置したフレキシブル基板23の内周面と9個の円筒状のコイル20との9個の空隙に18個の電極ELを分散配置したので、空間を効率的に利用することができ、装置寸法の小型化が可能となる。また、屈曲、折り曲げ可能なフレキシブル基板23を用いたので、駆動部の形状に合わせて配線パターンL0〜L3などを三次元的に実装することができる。
【0092】
また、
図17は、この実施の形態1の変更例を示すブロック図である。インペラ回転起動時とそれ以外の場合の電源供給を切り替える構成の一例を示している。
図17において、この変更例では、
図15のパワーアンプ27がパワーアンプ32,33および切換スイッチ34で置換される。
図16の時刻t0〜t1では、モータ制御回路26の出力信号がパワーアンプ32に与えられ、パワーアンプ32の出力電圧が切換スイッチ34を介してコイル20に印加され、コイル20に電流I0が流される。時刻t2以降は、モータ制御回路26の出力信号がパワーアンプ33に与えられ、パワーアンプ33の出力電圧が切換スイッチ34を介してコイル20に印加され、コイル20に電流が流される。
【0093】
また、
図18(a)〜(c)は、この実施の形態1の他の変更例を示すタイムチャートである。
図18(a)〜(c)において、初期状態では、インペラ10のシュラウド11が血液室7の内壁に接触しており、インペラ10は位置PAにあるものとする。時刻t0において、予め定められた電流I1がコイル20に流される。モータ制御回路26により、たとえば120度通電方式の3相の制御信号を出力する。パワーアンプ27は、モータ制御回路26からの3相の制御信号を増幅して、
図8で示した3相電圧VU,VV,VWを生成する。3相電圧VU,VV,VWは、
図7で説明した第1〜第3のコイル20にそれぞれ印加される。よって、この電流I1によってインペラ10に回転磁界が印加される。この電流I1は、
図16の電流I0よりも大きい電流であり、インペラ10のシュラウド11が血液室7の内壁に接触している場合でもインペラ10を回転起動させることが可能な電流である。回転起動が確認された後、コイル電流Iを低下させ、予め定められた定格値まで徐々に上昇させる。このようにインペラ10が位置PA側にあった場合でも、インペラ10の回転起動時のみにコイル20に過大電流を流すように構成してもよい。
【0094】
また、血液室7の内壁の表面および隔壁6の表面と、インペラ10の表面との少なくとも一方にダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を形成してもよい。これにより、インペラ10と血液室7の内壁および隔壁6との摩擦力を軽減し、インペラをスムーズに回転起動することが可能になる。また、ダイヤモンドライクカーボン膜以外に、フッ素系樹脂膜、パラキシリレン系樹脂膜などを形成してもよい。
【0095】
また、
図19は、この実施の形態1のさらに他の変更例を示す断面図であって、
図3と対比される図である。
図19において、この変更例では、対向する永久磁石15,16の対向面のサイズが異なる。
図3では、永久磁石15,16の対向面のサイズが同じである場合が示されているが、永久磁石15,16の対向面のサイズを異ならせることにより、両者間の距離によって変化する吸引力の変化量、すなわち負の剛性を小さく抑えることができ、インペラ10の支持剛性の低下を防ぐことができる。
【0096】
また、
図20は、この実施の形態1のさらに他の変更例を示す断面図であって、
図7と対比される図である。
図20において、この変更例では、各磁性体18の永久磁石17に対向する先端面に磁性体35が設けられる。この磁性体35の永久磁石17に対向する表面の面積は磁性体18の先端面の面積よりも大きい。この変更例では、永久磁石17に対する磁性体18,35の吸引力を大きくすることができ、インペラ10の回転駆動におけるエネルギ効率を高めることができる。
【0097】
また、
図21は、この実施の形態1のさらに他の変更例を示す断面図であって、
図19と対比される図である。
図21において、この変更例では、継鉄19が継鉄36で置換され、磁性体18が磁性体37で置換される。継鉄36および磁性体37の各々は、インペラ10の回転軸の長さ方向に積層された複数の鋼板を含む。この変更例では、継鉄36および磁性体37で発生する渦電流損失を軽減することができ、インペラ10の回転駆動におけるエネルギ効率を高めることができる。
【0098】
また、
図22に示すように、インペラ10の回転方向に積層された複数の鋼板を含む磁性体38で磁性体37を置換してもよい。また、
図23に示すように、インペラ10の径方向に積層された複数の鋼板を含む磁性体39で磁性体37を置換してもよい。これらの場合でも、
図21の変更例と同じ効果が得られる。
【0099】
また、
図24に示すように、各磁性体38を円柱状に形成してもよい。また、
図25に示すように、各磁性体39を円柱状に形成してもよい。これらの場合は、磁性体38,39にコイル20を容易に巻回することができる。
【0100】
また、
図26に示すように、フレキシブル基板23の継鉄19側の端面と反対側(隔壁6側)の端面に折り曲げ部23aを設けてもよい。また
図27に示すように、フレキシブル基板23の継鉄19側と隔壁6側の両方の端面に折り曲げ部23aを設けてもよい。この場合は、各折り曲げ部23aに1つの電極ELを設ければよい。この変更例では、折り曲げ部23aとコイル20の端子とが1対1で対応するので、結線作業の効率と信頼性の向上を図ることができる。
【0101】
また、
図28に示すように、フレキシブル基板23の内周面の略中央部に9対の電極ELを設けてもよい。9対の電極ELは、それぞれ9個のコイル20の9個の隙間に対応して設けられる。各コイル20の2つの端子は、そのコイル20に隣接する2つの電極ELに接続される。この変更例では、折り曲げ部23aが不要となるので、フレキシブル基板23の構成を簡素化することができる。
【0102】
また、
図29の変更例では、帯状のフレキシブル基板40が円筒状の各コイル20の外周に沿うように波状に形成され、フレキシブル基板40の外側には9個の凹部が形成される。また、フレキシブル基板40の幅方向の一方端部には、それぞれ9個の凹部に対応して9個の舌状の折り曲げ部40aが設けられる。各折り曲げ部40aは、対応の凹部内に収まるように、フレキシブル基板40の外側に直角に折り曲げられる。各折り曲げ部40aには、2つの電極ELが設けられる。各コイルの2つの端子は、そのコイル20に隣接する2つの電極ELに接続される。また、図示しないが、フレキシブル基板40の継鉄19側と隔壁6側の両方の端面に折り曲げ部40aを設けてもよい。この場合は、各折り曲げ部40aに1つの電極ELを設ければよい。
【0103】
この変更例では、フレキシブル基板40の外側に折り曲げ部40aが配置されるので、電極ELとコイル20の端子との半田接合およびポッティングの作業性の向上を図ることができる。また、フレキシブル基板40を各コイル20の外周に沿うように波状に配置するので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0104】
また、実施の形態1では、フレキシブル基板23の内周側に折り曲げ部23aが配置されるので、9個のコイル20を所定の順序で18個の電極ELに接続する必要がある。これに対して本変更例では、フレキシブル基板23の外周側に折り曲げ部23aが配置されるので、9個のコイル20を任意の順序で18個の電極ELに接続すればよい。また、組立後に結線の修正が必要になった場合でも、容易に修正することができる。
【0105】
また、
図30の変更例では、
図29の変更例と同様に、帯状のフレキシブル基板40が円筒状の各コイル20の外周に沿うように波状に形成され、フレキシブル基板40の外側には9個の凹部が形成される。ただし、この変更例では、折り曲げ部40aは設けられず、フレキシブル基板40の9個の凹部に9対の電極ELがそれぞれ設けられる。1対の電極ELは、対応の凹部においてフレキシブル基板40の幅方向に所定の間隔で配列される。各コイル20の2つの端子は、そのコイル20に隣接する2つの電極ELに接続される。
【0106】
この変更例では、折り曲げ部40aが不要になるので、フレキシブル基板40の形状および構成の簡素化を図ることができる。また、広い作業スペースを確保することができ、結線作業の効率と信頼性の向上を図ることができる。また、絶縁対策として半田付け部分に施すポッティング処理を容易に行なうことができ、ポッティング処理を施した全ての部分を容易に目視して確認することができる。
【0107】
なお、各電極ELをスルーホール構造とし、コイル20の各端子を対応の電極ELを通してフレキシブル基板40の外周側に引き出してから対応の電極ELに接続してもよい。また、
図30の変更例では、1つの凹部内の1対の電極ELをフレキシブル基板40の幅方向に配列したが、
図31に示すように、1つの凹部内の1対の電極ELをフレキシブル基板40の長さ方向に配列してもよい。
【0108】
また、
図32は、この実施の形態1のさらに他の変更例を示す図であって、
図12と対比される図である。
図12では、3つの第1のコイル20が並列接続され、3つの第2のコイル20が並列接続され、3つの第3のコイル20が並列接続されているのに対し、
図32の変更例では、3つの第1のコイル20が直列接続され、3つの第2のコイル20が直列接続され、3つの第3のコイル20が直列接続されている。
【0109】
すなわち、9個のコイル20は、3個ずつグループ化される。3個のグループの各々は、第1〜第3のコイル20を含む。各コイル23の2つの端子はそれぞれ、そのコイル23に隣接する2つの電極ELに接続される。プリント基板23の表面には、複数の配線パターンL0,L1a〜L1c,L2a〜L2c,L3a〜L3cが形成されている。第3のグループの第1〜第3のコイル20の一方端子が接続された3個の電極ELは、配線パターンL0によって互いに接続される。配線パターンL0は、9個のコイル20の中性点となる。
【0110】
第3のグループの第1〜第3のコイル20の他方端子が接続された3個の電極ELは、それぞれ配線パターンL1c〜L3cを介して、第2のグループの第1〜第3のコイル20の一方端子が接続された3個の電極ELにそれぞれ接続される。第2のグループの第1〜第3のコイル20の他方端子が接続された3個の電極ELは、それぞれ配線パターンL1b〜L3bを介して、第1のグループの第1〜第3のコイル20の一方端子が接続された3個の電極ELにそれぞれ接続される。
【0111】
第1のグループの第1〜第3のコイル20の他方端子が接続された3個の電極ELは、それぞれ電源端子T1〜T3に接続される。電源端子T1〜T3は、それぞれコントローラ25(
図15参照)からの第1〜第3の電源線に接続される。コントローラ25は、第1の電源線および配線パターンL1a〜L1cを介して各第1のコイル20に駆動電圧VUを与え、第2の電源線および配線パターンL2a〜L2cを介して各第2のコイル20に駆動電圧VVを与え、第3の電源線および配線パターンL3a〜L3cを介して各第3のコイル20に駆動電圧VWを与える。この変更例でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0112】
[実施の形態2]
図33は、この発明の実施の形態2による遠心式血液ポンプ装置の要部を示す断面図であって、
図4と対比される図である。
図33において、この遠心式血液ポンプ装置が実施の形態1と異なる点は、複数の永久磁石17の間に隙間が設けられている点である。
【0113】
図34(a)は実施の形態2における永久磁石17,17間の磁界を示す図であり、
図34(b)は実施の形態1における永久磁石17,17間の磁界を示す図である。
図34(a)(b)から分かるように、実施の形態2の永久磁石17の重量と実施の形態1の永久磁石17の重量とを同じにすると、永久磁石17,17間の磁束密度は実施の形態2の方が大きくなり、永久磁石17の周辺の磁界は実施の形態2の方が強くなる。したがって、本実施の形態2では、インペラ10の永久磁石17と、モータ室8内の磁性体18およびコイル20との間の磁気的結合力を強めることができる。よって、装置寸法を小型に維持しながら、インペラ10の回転トルクを大きくすることができる。
【0114】
また、
図35の変更例では、シュラウド12に複数の永久磁石17と複数の永久磁石51とが埋設されている。永久磁石51の数は、永久磁石17の数と同じである。永久磁石51は、円周方向(インペラ10の回転方向)に着磁されている。複数の永久磁石17と複数の永久磁石51とは、1つずつ交互に等角度間隔で同一の円に沿ってハルバッハ配列構造で配置されている。換言すると、隔壁6側にN極を向けた永久磁石17と、隔壁6側にS極を向けた永久磁石17とが等角度間隔で同一の円に沿って交互に配置されている。
【0115】
各永久磁石51のN極は隔壁6側にN極を向けた永久磁石17に向けて配置され、各永久磁石51のS極は隔壁6側にS極を向けた永久磁石17に向けて配置される。複数の永久磁石17同士の形状は同じであり、複数の永久磁石51同士の形状は同じである。永久磁石17の形状と永久磁石51の形状は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0116】
この変更例では、永久磁石17と磁性体18との吸引力を抑制するとともに、トルクの起因となる磁束を強めることができるので、最も永久磁石を小型化することができる。つまり、インペラ10を最も軽量化することができ、かつモータギャップが広い場合でもエネルギ効率を高めることができる。
【0117】
また、永久磁石17の隔壁6に対向する表面の面積と永久磁石51の隔壁6に対向する表面の面積の比によって、永久磁石17と磁性体18の吸引力、トルクの起因となる磁束を調整することができる。永久磁石17と永久磁石51の総重量を同じにして、永久磁石17に対する永久磁石51の面積比率を変化させた場合の吸引力と発生トルクの関係を
図36に示す。
図36に示すように、永久磁石17に対する永久磁石51の面積比率を1/2以上で2以下の範囲に設定すると、永久磁石17と磁性体18の吸引力を小さく抑制しながら、インペラ10の回転トルクを大きくすることができる。したがって、永久磁石17に対する永久磁石51の面積比率は、1/2以上で2以下の範囲が最適である。
【0118】
なお、一般に、モータのトルク脈動を低減する目的でハルバッハ配列を用いる場合は、永久磁石17と永久磁石51の面積比は5:1から3:1程度に設定される。本願発明では、モータギャップが広い場合は磁界を強めるために、モータ寸法やモータギャップに応じて、永久磁石17と永久磁石51の面積比を2:1から1:2までの範囲に設定することで最適化できる。
【0119】
[実施の形態3]
図37(a)は、この発明の実施の形態3によるアキシアルギャップ型モータのロータ61を隔壁60側から見た下面図であり、
図37(b)はアキシアルギャップ型モータの要部を正面から見た断面図である。
【0120】
図37(a)(b)において、このアキシアルギャップ型モータは、実施の形態1の遠心式血液ポンプ装置のポンプ部1と同様の構成であり、円形の隔壁60で仕切られた第1および第2の室(図示せず)を備える。第1の室内には、隔壁60に沿って回転可能に設けられた円環状のロータ61が設けられ、第2の室内には、隔壁60を介してロータ61を回転駆動させるステータ70が設けられている。
【0121】
ロータ61は、非磁性材料で形成された円環状の支持部材62と、支持部材62に固定された複数(たとえば8個)の永久磁石63とを含む。複数の永久磁石63は、ロータ61の回転方向に配列されている。各永久磁石63は、ロータ61の回転中心軸の延在方向に着磁されている。隣接する2つの永久磁石63の磁極は互いに異なる。ステータ70は、複数(たとえば6個)の磁性体71、複数のコイル72、フレキシブル基板23、および継鉄73を含む。
【0122】
磁性体71は、円柱部71aと、その上端面に接合されたキャップ部71bを含む。コイル72は、円柱部71aに巻回される。円柱部71aの下端面は、継鉄73の表面に接合される。フレキシブル基板23の構成は、
図9〜12で示した通りである。フレキシブル基板23は、複数のコイル72の外周を囲むように円筒状に配置される。コイル72の端子は、フレキシブル基板23の折り曲げ部23aに形成された電極に接続される。フレキシブル基板23の3個の電源端子はコネクタ(図示せず)の3本のピンに接続される。コネクタの3本のピンとフレキシブル基板23に形成された配線パターンL1〜L3を介して複数のコイル72に120度通電方式で電圧VU,VV,VWを印加することにより、ロータ61を回転させることができる。
【0123】
この実施の形態3でも、実施の形態1と同様、コントローラ25からの3相の電源線と複数のコイル72との接続作業の簡略化と、装置の小型化を図ることができる。
【0124】
図38(a)(b)は、本実施の形態3の変更例を示す図であって、
図37(a)(b)と対比される図である。
図38(a)(b)において、この変更例が実施の形態3と異なる点は、複数の永久磁石63の間に隙間が設けられている点である。
【0125】
図34(a)(b)で示したように、変更例の永久磁石63の重量と実施の形態3の永久磁石63の重量とを同じにすると、永久磁石63,63間の磁束密度は変更例の方が大きくなり、永久磁石63の周辺の磁界は変更例の方が強くなる。したがって、変更例では、ロータ61の永久磁石63と、ステータ70の磁性体71およびコイル72との間の磁気的結合力を強めることができる。よって、装置寸法を小型に維持しながら、ロータ61の回転トルクを大きくすることができる。
【0126】
また、
図39(a)(b)の変更例では、ロータ61に複数の永久磁石63と複数の永久磁石67とが設けられている。永久磁石67の数は、永久磁石63の数と同じである。永久磁石67は、円周方向(ロータ61の回転方向)に着磁されている。複数の永久磁石63と複数の永久磁石67とは、1つずつ交互に等角度間隔で同一の円に沿ってハルバッハ配列構造で配置されている。換言すると、隔壁60側にN極を向けた永久磁石63と、隔壁60側にS極を向けた永久磁石63とが等角度間隔で同一の円に沿って交互に配置されている。
【0127】
各永久磁石67のN極は隔壁60側にN極を向けた永久磁石63に向けて配置され、各永久磁石67のS極は隔壁60側にS極を向けた永久磁石63に向けて配置される。複数の永久磁石63同士の形状は同じであり、複数の永久磁石67同士の形状は同じである。永久磁石63の形状と永久磁石67の形状は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0128】
この変更例では、永久磁石63と磁性体71との吸引力を抑制するとともに、トルクの起因となる磁束を強めることができるので、最も永久磁石を小型化することができる(
図35参照)。つまり、ロータ61を最も軽量化することができ、かつモータギャップが広い場合でもエネルギ効率を高めることができる。
【0129】
また、永久磁石63の隔壁60に対向する表面の面積と永久磁石67の隔壁60に対向する表面の面積の比によって、永久磁石63と磁性体71の吸引力、トルクの起因となる磁束を調整することができる。
図36で示したように、永久磁石63に対する永久磁石67の面積比率を1/2以上で2以下の範囲に設定すると、永久磁石63と磁性体71の吸引力を小さく抑制しながら、ロータ61の回転トルクを大きくすることができる。したがって、永久磁石63に対する永久磁石67の面積比率は、1/2以上で2以下の範囲が最適である。
【0130】
[実施の形態4]
図40は、この発明の実施の形態4によるラジアルギャップ型モータの要部を示す平面図である。
図40において、このラジアルギャップ型モータは、
図37(a)(b)のアキシアルギャップ型モータと同様の構成であり、円筒形の隔壁80で仕切られた第1および第2の室(図示せず)を備える。隔壁80の内側の第1の室内には、隔壁80に沿って回転可能に設けられた円筒状のロータ81が設けられ、隔壁80の外側の第2の室内には、隔壁80を介してロータ81を回転駆動させるステータ90が設けられている。
【0131】
ロータ81は、非磁性材料で形成された円筒状の支持部材(図示せず)と、支持部材に固定された複数(たとえば8個)の永久磁石82とを含む。複数の永久磁石82は、ロータ81の回転方向に配列されている。各永久磁石82は、ロータ81の回転方向と直交する方向(径方向)に着磁されている。隣接する2つの永久磁石82の磁極は互いに異なる。
【0132】
ステータ90は、複数(たとえば9個)の磁性体91、複数のコイル92、円筒状の継鉄93、および円環状のフレキシブル基板94を含む。磁性体91は、円柱部と、その上端面に接合されたキャップ部を含む。コイル92は、磁性体91の円柱部に巻回される。磁性体91の円柱部の下端面は、継鉄94の内周面に接合される。フレキシブル基板94は、複数のコイル92の一方側(図では奥側)の側面に当接される。
【0133】
フレキシブル基板94には、
図9〜
図12で示したフレキシブル基板23と同様に、複数の折り曲げ部94aが形成されている。複数の折り曲げ部94aは、フレキシブル基板94の円環状の部分の外周に沿って等角度間隔で設けられ、図中の手前側に直角に折り曲げられ、複数のコイル92の複数の間にそれぞれ配置される。各折り曲げ部94aの表面には、2個の電極ELが形成されている。各コイル92の2つの端子は、そのコイル92に隣接する2つの電極ELに接続される。
【0134】
また、フレキシブル基板94には、
図12で説明した4つの配線パターンL0〜L3と、3つの電源端子T1〜T3が形成されている。3つの電源端子T1〜T3は、コネクタ(図示せず)の3本のピンに接続される。コネクタの3本のピンとフレキシブル基板94の配線パターンL1〜L3を介して複数のコイル92に120度通電方式で駆動電圧VU,VV,VWを印加することにより、ロータ81を回転させることができる。
【0135】
この実施の形態4でも、実施の形態1と同様、コントローラ25からの3相の電源線と複数のコイル92との接続作業の簡略化と、装置の小型化を図ることができる。
【0136】
なお、この実施の形態4では、円環状のフレキシブル基板94を設けたが、円板状のフレキシブル基板94を設けてもよい。
【0137】
また、フレキシブル基板94には、
図12で説明した4つの配線パターンL0〜L3の代わりに、
図28で示した複数の配線パターンL0,L1a〜L1c,L2a〜L2c,L3a〜L3cが形成されていてもよい。
【0138】
また、駆動部の両端面の各々にフレキシブル基板94を設けてもよい。この場合は、2枚のフレキシブル基板94に電源端子T1〜T3、複数の電極EL、および配線パターンL0〜L3(または配線パターンL0,L1a〜L1c,L2a〜L2c,L3a〜L3c)を分散配置するとよい。たとえば、
図12で示した電源端子T1〜T3、9個の電極EL、および配線パターンL1〜L3を一方のフレキシブル基板94に設け、9個の電極ELおよび配線パターンL0を他方のフレキシブル基板94に設けるとよい。
【0139】
図41は、本実施の形態4の変更例を示す図であって、
図40と対比される図である。
図41において、この変更例が実施の形態4と異なる点は、複数の永久磁石82の間に隙間が設けられている点である。
【0140】
図34(a)(b)で示したように、変更例の永久磁石82の重量と実施の形態4の永久磁石82の重量とを同じにすると、永久磁石82,82間の磁束密度は変更例の方が大きくなり、永久磁石82の周辺の磁界は変更例の方が強くなる。したがって、本変更例4では、ロータ81の永久磁石82と、ステータ90の磁性体91およびコイル92との間の磁気的結合力を強めることができる。よって、装置寸法を小型に維持しながら、ロータ81の回転トルクを大きくすることができる。
【0141】
また、
図42の変更例では、ロータ81に複数の永久磁石82と複数の永久磁石86とが設けられている。永久磁石86の数は、永久磁石82の数と同じである。永久磁石86は、円周方向(ロータ81の回転方向)に着磁されている。複数の永久磁石82と複数の永久磁石86とは、1つずつ交互に等角度間隔で同一の円に沿ってハルバッハ配列構造で配置されている。換言すると、隔壁80側にN極を向けた永久磁石82と、隔壁80側にS極を向けた永久磁石82とが等角度間隔で隙間を設けて同一の円に沿って交互に配置されている。
【0142】
各永久磁石86のN極は隔壁80側にN極を向けた永久磁石82に向けて配置され、各永久磁石86のS極は隔壁80側にS極を向けた永久磁石82に向けて配置される。複数の永久磁石82同士の形状は同じであり、複数の永久磁石86同士の形状は同じである。永久磁石82の形状と永久磁石86の形状は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0143】
この変更例では、永久磁石82と磁性体91との吸引力を抑制するとともに、トルクの起因となる磁束を強めることができるので、最も永久磁石を小型化することができる(
図35参照)。つまり、ロータ81を最も軽量化することができ、かつモータギャップが広い場合でもエネルギ効率を高めることができる。
【0144】
また、永久磁石82の隔壁80に対向する表面の面積と永久磁石86の隔壁80に対向する表面の面積の比によって、永久磁石82と磁性体91の吸引力、トルクの起因となる磁束を調整することができる。
図36で示したように、永久磁石82に対する永久磁石86の面積比率を1/2以上で2以下の範囲に設定すると、永久磁石82と磁性体91の吸引力を小さく抑制しながら、ロータ81の回転トルクを大きくすることができる。したがって、永久磁石82に対する永久磁石86の面積比率は、1/2以上で2以下の範囲が最適である。
【0145】
また、
図43の変更例では、帯状のフレキシブル基板95が全コイル92の一方側に沿って、環状(円筒状)に配置される。フレキシブル基板95には、各コイル92の各端子に対向して電極(図示せず)が形成されている。各コイル92の各端子は、対応の電極に接続される。フレキシブル基板95の構成は、
図9〜
図12、
図26〜
図28、
図32などで説明したフレキシブル基板23と同様である。
【0146】
すなわち、フレキシブル基板95には、
図12(または
図32)で説明した配線パターンL0〜L3(または配線パターンL0,L1a〜L1c,L2a〜L2c,L3a〜L3c)と、3つの電源端子T1〜T3が形成されている。3つの電源端子T1〜T3は、コネクタ(図示せず)の3本のピンに接続される。コネクタの3本のピンとフレキシブル基板95の配線パターンL1〜L3(または配線パターンL1a〜L1c,L2a〜L2c,L3a〜L3c)を介して複数のコイル92に120度通電方式で駆動電圧VU,VV,VWを印加することにより、ロータ81を回転させることができる。この変更例でも、実施の形態4と同じ効果が得られる。
【0147】
また、駆動部の両端面の各々にフレキシブル基板95を設けてもよい。この場合は、2枚のフレキシブル基板95に電源端子T1〜T3、複数の電極EL、および配線パターンL0〜L3(またはL0,L1a〜L1c,L2a〜L2c,L3a〜L3c)を分散配置するとよい。たとえば、
図12で示した電源端子T1〜T3、9個の電極EL、および配線パターンL1〜L3を一方のフレキシブル基板95に設け、9個の電極ELおよび配線パターンL0を他方のフレキシブル基板95に設けるとよい。
【0148】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。