特許第5969986号(P5969986)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルケマ フランスの特許一覧

特許5969986熱伝達流体と、その向流熱交換器での使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969986
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】熱伝達流体と、その向流熱交換器での使用
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20160804BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   C09K5/04 E
   C09K5/04 F
   F25B1/00 396A
   F25B1/00 396B
【請求項の数】9
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2013-509594(P2013-509594)
(86)(22)【出願日】2011年4月18日
(65)【公表番号】特表2013-531698(P2013-531698A)
(43)【公表日】2013年8月8日
(86)【国際出願番号】FR2011050884
(87)【国際公開番号】WO2011141656
(87)【国際公開日】20111117
【審査請求日】2014年4月17日
(31)【優先権主張番号】1053675
(32)【優先日】2010年5月11日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100092277
【弁理士】
【氏名又は名称】越場 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100155446
【弁理士】
【氏名又は名称】越場 洋
(72)【発明者】
【氏名】ラシェド,ウィザム
【審査官】 馬籠 朋広
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/157757(WO,A1)
【文献】 特開2011−168771(JP,A)
【文献】 特開2011−168781(JP,A)
【文献】 特表2012−524137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 5/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)〜(3)の三成分組成物:
(1)35〜50%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、40〜63%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)65〜96%のジフルオロメタンと、2〜20%の1,1−ジフルオロエタンと、2〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または
(5)65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項2】
下記(1)〜(3)の三成分組成物:
(1)25〜50%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)65〜93%のジフルオロメタンと、2〜25%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項3】
80〜93%のジフルオロメタンと、2〜18%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜12%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとから成る請求項に記載の組成物。
【請求項4】
熱伝達流体の蒸発、熱伝達流体の圧縮、熱伝達流体の凝縮および熱伝達流体の膨張を順次有する、熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路によって流体または物品を冷却するためのプロセスであって、冷却される流体または物品の温度が−40℃〜−10℃で、熱伝達流体が下記のいずれかから成るプロセス:
(1)35〜50%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、40〜63%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)5〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20〜60%のジフルオロメタンと、5〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)25〜50%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)65〜96%のジフルオロメタンと、2〜20%の1,1−ジフルオロエタンと、2〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)2〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜96%のジフルオロメタンと、2〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(6)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項5】
冷却される流体または物品の温度が−15℃〜15℃で、熱伝達流体が下記のいずれかから成る請求項に記載の流体または物品を冷却するためのプロセス:
(2)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2〜20%のジフルオロメタンと、10〜83%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15〜70%のジフルオロメタンと、5〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(7)65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(8)5〜45%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜90%のジフルオロメタンと、5〜45%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(9)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項6】
熱伝達流体の蒸発、熱伝達流体の圧縮、熱伝達流体の凝縮および熱伝達流体の膨張を順次有する、熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路によって流体または物品を加熱するためのプロセスであって、加熱される流体または物品の温度が30℃〜80℃で、熱伝達流体が下記のいずれかから成るプロセス:
(2)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2〜20%のジフルオロメタンと、10〜83%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15〜70%のジフルオロメタンと、5〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(7)65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(8)5〜45%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜90%のジフルオロメタンと、5〜45%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(9)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項7】
初期熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を含む熱伝達機器の環境への影響を減らすための方法であって、蒸気圧縮回路中の初期熱伝達流体を最終熱伝達流体に置換し、この最終熱伝達流体は初期熱伝達流体よりGWPが低く、
初期熱伝達流体が52%の1,1,1−トリフルオロエタンと、44%のペンタフルオロエタンと、4%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの三成分混合物であるか、52%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、25%のペンタフルオロエタンと、23%のジフルオロメタンとの三成分混合物であり、
最終熱伝達流体が下記のいずれかから成ることを特徴とする方法:
(2)5〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20〜60%のジフルオロメタンと、5〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)25〜50%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15〜70%のジフルオロメタンと、5〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項8】
初期熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を含む熱伝達機器の環境への影響を減らすための方法であって、蒸気圧縮回路中の初期熱伝達流体を最終熱伝達流体に置換し、この最終熱伝達流体は初期熱伝達流体よりGWPが低く、
初期熱伝達流体が50%のジフルオロメタンと、50%のペンタフルオロエタンとの二成分混合物であり、
最終熱伝達流体が下記のいずれから成ることを特徴とするプロセス:
(1)65〜96%のジフルオロメタンと、2〜20%の1,1−ジフルオロエタンと、2〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)2〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜96%のジフルオロメタンと、2〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)5〜45%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜90%のジフルオロメタンと、5〜45%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(6)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項9】
初期熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を含む熱伝達機器の環境への影響を減らすための方法であって、蒸気圧縮回路中の初期熱伝達流体を最終熱伝達流体に置換し、この最終熱伝達流体は初期熱伝達流体よりGWPが低く、初期熱伝達流体が1,1,1,2−テトラ−フルオロエタンであり、最終熱伝達流体が5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2〜20%のジフルオロメタンと、10〜83%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンから成ることを特徴とするプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、向流熱交換器に適した熱伝達流体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フルオロカーボン化合物をベースにした流体は蒸気−圧縮熱伝達システム、特に、空調、ヒートポンプ、冷蔵装置および冷凍装置で広く使われている。これらの装置に共通することは、低圧での流体の蒸発(ここで流体は熱を吸収する)と、蒸発した流体の高圧力への圧縮と、蒸発した流体の高圧での液体への凝縮(ここで流体は熱を開放する)と、流体の膨張し(サイクルの完了)から成る熱力学サイクルをベースにしていることである。
【0003】
蒸気−圧縮熱伝達システムは少なくとも2つの熱交換器を有し、その一つは流体を蒸発させ、他の一つは凝縮させる。これらの熱交換器は並流タイプまたは向流タイプにすることができる。
【0004】
熱伝達流体の選択(純粋化合物か、化合物の混合物かの選択)は流体の熱力学的特性で行われ、さらに追加の拘束条件によっておこなわれる。従って、その一つの重要な判定基準は流体が環境に対して与える影響である。特に、塩素化物(クロロフルオロカーボンおよびヒドロクロロフルオロカーボン)はオゾン層を破壊するという欠点がある。従って、これからは一般に非塩素化物、例えばハイドロフルオロカーボン、フルオロエーテルおよびフルオロオレフィンを用いるのが好ましい。
【0005】
現在使われている熱伝達流体はHFC−134a、R404a(52%のHFC−143aと、44%のHFC−125と、4%のHFC−134aとの三成分混合物)、R407c(52%のHFC−134aと、25%のHFC−125と、23%のHFC−32との三成分混合物)およびR410a(50%のHFC−32と、50%のHFC−l25との二成分混合物)である。
【0006】
しかし、これらの流体より地球温暖化ポテンシャル(GWP)が小さく、しかも、性能レベルが同じか、改良された他の熱伝達流体を開発する必要がある。
【0007】
特許文献1(国際特許第WO2007/002625号公報)にはフルオロオレフィン、特にHFO−1234yfまたはHFO−1234zeをベースにした各種用途、特に、熱伝達流体として使われる組成物が記載されている。熱交換器のタイプは特定されていない。
【0008】
特許文献2(国際特許第WO2007/126414号公報)には一般的な各種組成のフルオロオレフィン−ベースの組成物と、その多種多様な使用とが記載されてきる。使われる熱交換器のタイプは特定されていない。
【0009】
特許文献3(国際特許第WO2009/107364号公報)、特許文献4(国際特許第WO2009/110228号公報)、特許文献5(国際特許第WO2009/116282号公報)に記載の冷蔵装置ではHFO−1234yfとHFC−32とをベースにし、オプションとして他の化合物、例えばHFC−125を追加または置換した混合物が使用される。使われる熱交換器のタイプは特定されていない。
【0010】
特許文献6(米国特許公開第US2009/0158771号明細書)にはHFC−32と、HFC−134aと、HFO−1243zfとから成る伝熱用途の三成分混合物の使用が記載されている。得られる成績係数は基準として用いた流体(すなわちHFC−134a)以下である。使われる熱交換器のタイプは特定されていない。
【0011】
特許文献7(国際特許第WO2009/150763号公報)には向流熱交換器を有する空調装置が記載されている。そこで使用されている熱伝達流体はHFO−1234と、HFC−32またはHFC−4lとの混合物である。
【0012】
特許文献8(国際特許第WO2010/000993号公報)には熱伝達流体としてHFO−1234yと、HFC−32と、HFC−134aとから成る三成分混合物の使用が記載されている。使われる熱交換器のタイプは特定されていない。
【0013】
特許文献9(国際特許第WO2010/000994号公報)には熱伝達流体としてHF0−1234yfと、HFC−32と、HFC−152aとから成る三成分混合物の使用が記載されている。使われる熱交換器のタイプは特定されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際特許第WO2007/002625号公報
【特許文献2】国際特許第WO2007/126414号公報
【特許文献3】国際特許第WO2009/107364号公報
【特許文献4】国際特許第WO2009/110228号公報
【特許文献5】国際特許第WO2009/116282号公報
【特許文献6】米国特許公開第US2009/0158771号明細書
【特許文献7】国際特許第WO2009/150763号公報
【特許文献8】国際特許第WO2010/000993号公報
【特許文献9】国際特許第WO2010/000994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、さらに低いGWPを有し、より良いエネルギ性能レベルを有する他の熱伝達流体を開発するというニーズ、特に向流熱交換器を使用する用途でのニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、先ず第1に、ジフルオロメタンと、3,3,3−トリフルオロプロペンと、少なくとも2つのフッ素原子を含み、−30℃〜−18℃の間の沸点を有し、1,1−ジフルオロエタン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの中から選択される炭化水素由来の化合物との三成分組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施例では、上記組成物はジフルオロメタンと、1,1−ジフルオロエタンと、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは2〜96%のジフルオロメタンと、2〜96%の1,1−ジフルオロエタンと、2〜96%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、特に好ましくは下記のいずれかから成る:
(1)25〜50%のジフルオロメタンと、2〜35%の1,1−ジフルオロエタンと、15〜73%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には35〜50%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、40〜63%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)65〜96%のジフルオロメタンと、2〜20%の1,1−ジフルオロエタンと、2〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)2〜20%のジフルオロメタンと、2〜65%の1,1−ジフルオロエタンと、10〜96%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜15%のジフルオロメタンと、2〜35%の1,1−ジフルオロエタンと、50〜93%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)20〜50%のジフルオロメタンと、2〜65%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜78%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には25〜50%のジフルオロメタンと、2〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、35〜73%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0018】
本発明の他の実施例では、上記組成物はジフルオロメタンと、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとから成り、好ましくは2〜96%のジフルオロメタンと、2〜96%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2〜96%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、特に好ましくは下記のいずれかから成る:
(1)5〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20〜60%のジフルオロメタンと、5〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、25〜50%のジフルオロメタンと、5〜55%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)2〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜96%のジフルオロメタンと、2〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、65〜で90%のジフルオロメタンと、5〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2〜20%のジフルオロメタンと、10〜83%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には10〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5〜15%のジフルオロメタンと、10〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15〜70%のジフルオロメタンと、5〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜65%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、25〜50%のジフルオロメタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)5〜45%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜90%のジフルオロメタンと、5〜45%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、65〜90%のジフルオロメタンと、5〜30%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0019】
本発明の他の実施例では、上記組成物はジフルオロメタンと、1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとから成り、好ましくは2〜96%のジフルオロメタンと、2〜96%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、2〜96%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、特に好ましくはかきのいずれかから成る:
(1)20〜60%のジフルオロメタンと、2〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜78%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には25〜50%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)2〜25%のジフルオロメタンと、5〜88%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜93%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜15%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、25〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)15〜50%のジフルオロメタンと、5〜65%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には15〜35%のジフルオロメタンと、5〜55%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜25%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0020】
本発明の他の実施例の組成物は70〜98%のジフルオロメタンと、1〜28%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1〜15%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとから成る。
【0021】
本発明の他の実施例の組成物は80〜98%のジフルオロメタンと、1〜18%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、1〜12%のテトラフルオロプロペンとから成る。
【0022】
本発明はさらに、上記本発明組成物の、蒸気圧縮回路での熱伝達流体の使用にも関するものである。
【0023】
本発明の一実施例では、上記蒸気圧縮回路は向流熱交換器を含む。
【0024】
本発明はさらに、熱伝達流体としての上記組成物と、滑剤、安定剤、界面活性剤、トレーサ、蛍光剤、香料、可溶化剤およびこれらの混合物の中から選択される一種以上の添加剤とを含む熱伝達組成物にも関するものである。
【0025】
本発明はさらに、熱伝達流体として上記組成物または上記熱伝達組成物を含む蒸気圧縮回路を含む熱伝達機器にも関するものである。
【0026】
本発明の一実施例では、上記熱伝達機器は向流熱交換器から成る。
【0027】
本発明の一実施例では、上記機器がヒートポンプを用いた加熱、空調、冷蔵、冷凍用の移動式または据付け式の機器の中から選択される。
【0028】
本発明はさらに、熱伝達流体の蒸発、熱伝達流体の圧縮、熱流体の凝縮および熱伝達流体の膨張を順次含み、熱伝達流体が本発明組成物である、上記熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路によって流体または物品を加熱または冷却するためのプロセスにも関するものである。
【0029】
本発明の一実施例では、上記プロセスは、冷却される流体または物品の温度が−40℃〜−10℃、好ましくは−35℃〜−25℃、特に好ましくは−30℃〜−20℃で、熱伝達流体が下記のいずれかから成る、流体または物品を冷却するプロセスである:
(1)25〜50%のジフルオロメタンと、2〜35%の1,1−ジフルオロエタンと、15〜73%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には35〜50%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、40〜63%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)5〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20〜60%のジフルオロメタンと、5〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、理想的には5〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、25〜50%のジフルオロメタンと、5〜55%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)20〜60%のジフルオロメタンと、2〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜78%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には25〜50%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)65〜96%のジフルオロメタンと、2〜20%の1,1−ジフルオロエタンと、2〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)2〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜96%のジフルオロメタンと、2〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、65〜90%のジフルオロメタンと、5〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(6)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0030】
本発明の一実施例の上記のプロセスは流体または物品を冷却するためのプロセスで、冷却される流体または物品の温度は−15℃から15℃、好ましくは−10℃〜10℃、特に好ましくは−5℃〜5℃で、熱伝達流体は下記のいずれかから成る:
(1)2〜20%のジフルオロメタンと、2〜85%の1,1−ジフルオロエタンと、10〜96%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜15%のジフルオロメタンと、2〜35%の1,1−ジフルオロエタンと、50〜93%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2〜20%のジフルオロメタンと、10〜83%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には10〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5〜15%のジフルオロメタンと、10〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)2〜25%のジフルオロメタンと、5〜88%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜93%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜15%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、25〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)20〜50%のジフルオロメタンと、2〜65%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜78%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には25〜50%のジフルオロメタンと、2〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、35〜73%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15〜70%のジフルオロメタンと、5〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜65%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、25〜50%のジフルオロメタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(6)15〜50%のジフルオロメタンと、5〜65%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には15〜35%のジフルオロメタンと、5〜55%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(7)65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(8)5〜45%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜90%のジフルオロメタンと、5〜45%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、65〜90%のジフルオロメタンと、5〜30%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(9)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の−1112−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜25%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0031】
本発明の一実施例のプロセスは流体または物品を加熱するためのプロセスで、加熱される流体または物品の温度は30℃から80℃、好ましくは35℃〜55℃特に好ましくは40℃〜50℃で、熱伝達流体は下記のいずれかかから成る:
(1)2〜20%のジフルオロメタンと、2〜85%の1,1−ジフルオロエタンと、10〜96%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜15%のジフルオロメタンと、2〜35%の1,1−ジフルオロエタンと、50〜93%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2〜20%のジフルオロメタンと、10〜83%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には10〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5〜15%のジフルオロメタンと、10〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)2〜25%のジフルオロメタンと、5〜88%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜93%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜15%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、25〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)20〜50%のジフルオロメタンと、2〜65%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜78%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には25〜50%のジフルオロメタンと、2〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、35〜73%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15〜70%のジフルオロメタンと、5〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜65%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、25〜50%のジフルオロメタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(6)15〜50%のジフルオロメタンと、5〜65%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、1〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には15〜35%のジフルオロメタンと、5〜55%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(7)65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(8)5〜45%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜90%のジフルオロメタンと、5〜45%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、65〜90%のジフルオロメタンと、5〜30%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(9)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜25%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0032】
本発明はさらに、初期熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を含む熱伝達機器の環境への影響(インパクト)を減らすためのプロセスにも関し、このプロセスは蒸気圧縮回路中の初期熱伝達流体を初期熱伝達流体のGWPより低いGWPを有する最終移送流体に置換する階段を含み、最終熱伝達流体が本発明組成物である。
【0033】
環境のインパクトを減らすための上記プロセスの一実施例では、初期熱伝達流体が52%の1,1,1−ハリフルオロエタンと、44%のペンタフルオロエタンと、4%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの三成分混合物であるか、52%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、25%のペンタフルオロエタンと、23%のジフルオロメタンとの三成分混合物であり、最終熱伝達流体が下記のいずれかから成る:
(1)25〜50%のジフルオロメタンと、2〜35%の1,1−ジフルオロエタンと、15〜73%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には35〜50%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、40〜63%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)5〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20〜60%のジフルオロメタンと、5〜55%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、25〜50%のジフルオロメタンと、5〜55%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)20〜60%のジフルオロメタンと、2〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜78%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には25〜50%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)20〜50%のジフルオロメタンと、2〜65%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜78%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には25〜50%のジフルオロメタンと、2〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、35〜73%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15〜70%のジフルオロメタンと、5〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜65%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、25〜50%のジフルオロメタンと、10〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(6)15〜50%のジフルオロメタンと、5〜65%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には15〜35%のジフルオロメタンと、5〜55%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0034】
環境へのインパクトを減らすための上記プロセスの他の実施例では、初期熱伝達流体が50%のジフルオロメタンと、50%のペンタフルオロエタンとの二成分混合物であり、最終熱伝達流体が下記のいずれかから成る:
(1)65〜96%のジフルオロメタンと、2〜20%の1,1−ジフルオロエタンと、2〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)2〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜96%のジフルオロメタンと、2〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、65〜90%のジフルオロメタンと、5〜25%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2テトラフルオロプロペンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロエタン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(4)65〜93%のジフルオロメタンと、2〜30%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(5)5〜45%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50〜90%のジフルオロメタンと、5〜45%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、65〜90%のジフルオロメタンと、5〜30%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(6)50〜93%のジフルオロメタンと、2〜45%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜48%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には65〜93%のジフルオロメタンと、2〜25%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5〜33%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0035】
環境へのインパクトを減らすための上記プロセスの他の実施例では、初期熱伝達流体が1,1,1,2−テトラフルオロエタンであり、最終熱伝達流体が下記のいずれかから成る:
(1)2〜20%のジフルオロメタンと、2〜85%の1,1−ジフルオロエタンと、10〜96%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜15%のジフルオロメタンと、2〜35%の1,1−ジフルオロエタンと、50〜93%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)5〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2〜20%のジフルオロメタンと、10〜83%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には10〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5〜15%のジフルオロメタンと、10〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)2〜25%のジフルオロメタンと、5〜88%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10〜93%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、理想的には5〜15%のジフルオロメタンと、5〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、25〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0036】
本発明を用いることで従来技術の欠点を克服できる。すなわち、本発明は特にGWPが相対的に低く、特に向流熱交換器を使用した用途で良好なエネルギ性能レベルを有する熱伝達流体を提供する。
【0037】
本発明のこの目的はHFO−1234zeと、HFC−32と、HFO−152a、HFO−1234yfおよびHFC−134aの中から選択される混合物の残りとから成る三元混合物によって達成される。これらの3つの化合物は炭化水素ベースの分子で、少なくとも2つのフッ素置換基を有し、−30℃〜−18℃との間に沸点を有する。HFC−152aの沸点は−24℃、HFO−1234yfの沸点は−29℃、HFC−134aの沸点は−26℃である。
【0038】
上記三成分混合物は良好なエネルギ性能レベル、特に向流熱交換器で優れたエネルギ性能レベルを示す。
【0039】
本発明の特定実施例では、本発明は下記の有利な利点の一つまたは複数を有する。
(1)本発明熱伝達流体は向流熱交換器を含む用途で基準冷媒であるR404a、R407c、HFC−134aおよびR410aより高い成績係数を有する。場合によっては、上記と同じ用途で熱伝達流体のキャパシティは基準冷媒のキャパシティ以上になる。それによって、本発明はシステムの性能レベルを悪くせずに、上記基準冷媒の一つを含む既存のシステムのGWPを低下させることができ、、さらに、基準冷媒を本発明熱伝達流体と置換することで性能レベルを大きく改善させることができる。
(2)本発明熱伝達流体の成績係数は特許文献6(米国特許公開第US2009/0158771号明細書)で使用されているHF0−1243zf/HFC−134a/HFC−32混合物の成績係数より高い。
(3)本発明熱伝達流体は可燃性が低く、および/または、特許文献7(国際特許第WO2009/150763号公報)で使用されているものより効果的である。
【0040】
本発明で地球温暖化ポテンシャル(GWP)は非特許文献に記載の方法に従って二酸化炭素に関して100年の期間に対して定義される。
【非特許文献3】“The scientific assessment of ozone depletion, 2002、a report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project”
【0041】
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が下記実施例に制限されるものではない。
「熱伝達化合物(heat-transfer compound)」「熱伝達流体」(または冷媒流体)という用語は蒸気圧縮回中で低温、低圧で蒸発することで熱を吸収し、高温、高圧で凝縮することによって熱を開放することができる化合物を意味する。一般に、熱伝達流体は単一または2種、3種以上の熱伝達化合物から成ることができる。
【0042】
「熱伝達組成物」という用語は熱伝達流体と、所定用途に適した任意成分の一種以上の熱伝達化合物以外の添加剤とから成る組成物を意味する。
【0043】
本発明の伝熱プロセスは熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を含む機器を使用することが基本である。この熱伝達プロセスは流体または物体を加熱または冷却するためのプロセスにすることができる。
【0044】
熱伝達流体を使用した蒸気圧縮回路は少なくとも一つの蒸発器と、圧縮機(コンプレッサ)と、凝縮器と、膨張弁とを有し、これら要素間で熱伝達流体を輸送する手段とを有する。蒸発器および凝縮器は熱伝達流体と他の流体または物体との間で熱を交換することができる熱交換器を有する。
【0045】
コンプレッサとしては一段または複数段の遠心圧縮機またはミニ根プレサー(mini-compressor)を使用することができる。ロータリーコンプレッサ、往復圧縮機またはスクリュー圧縮機を使うこともできる。コンプレッサは電動機またはガスタービン(例えば自動車用途では車両の排気)または伝動装置で駆動できる。
【0046】
この機器は電気を発生させるタービンから成ることもできる(ランキンサイクル)。
【0047】
この機器はオプションとして熱伝達流体回路と加熱される流体または物体との間で熱を伝える(状態変更有りまたは無し)のに使う少なくとも一つの冷却剤回路を有することもできる。
【0048】
この機器はさらに、オプションとして互いに同じまたは異なる熱伝達流体を収容した2つ以上の蒸気圧縮回路、例えば、互いに連結された蒸気圧縮回路を有することもできる。
【0049】
蒸気圧縮回路は通常の蒸気圧縮サイクルに従って運転される。このサイクルは比較的に低い圧力で液相(または液体/蒸気2相状態)から気相まで熱伝達流体の状態を変化させ、次いで、比較的に高い圧力で熱伝達流体を気相から液相へ状態変化(凝縮)させ、圧力を下げてサイクルを再び始める。
【0050】
冷却プロセスの場合には、冷却される流体または物体からの熱が(直接または冷却剤を介して間接的に)熱伝達流体によって、熱伝達流体が蒸発する間に環境と比べて相対的に低い温度で吸収される。この冷却プロセスには空調プロセス(移動機器、例えば車両または静止機器)、冷凍プロセスおよび冷凍プロセスまたは凍結(cryogenic)プロセスが含まれる。
【0051】
加熱プロセスの場合、熱伝達流体の凝縮時に、環境と比較して相対的に高い温度で、熱伝達流体から加熱されている流体または物体へ熱が与えられる(直接または冷却剤を介して間接的に)。この場合に伝熱を実行できる機器は「ヒートポンプ」とよばれる。
【0052】
本発明は、本発明の熱伝達流体を使用した任意タイプの熱交換器、特に並流熱交換器で使用することができる。
【0053】
しかし、本発明の好ましい実施例では、本発明は向流熱交換器を含む冷却および加熱プロセスと、対応する機器とを提供する。この熱交換器は凝縮器または蒸発器で向流である。すなわち、本発明の熱伝達流体は向流熱交換器で特に有用である。蒸発器および凝縮器の両方が向流熱交換器から成るのが好ましい。
【0054】
本発明では「向流熱交換器」という用語は熱が第1の流体と第2の流体との間で交換される熱交換器を意味し、第1の流体は熱交換器の入口で熱交換器の出口の第2の流体と熱交換し、第1の流体は熱交換器の出口で熱交換器の入口の第2の流体と熱交換する。
【0055】
向流熱交換器は例えば第1の流体の流れと第2の流体の流れとが反対方向であるか、実質的に逆方向である装置から成る。向流傾向を有する交差流モードで運転される熱交換器は本出願の意味で向流熱交換器に含まれる。
【0056】
本発明で使用する各種化合物の略称は下記を意味する:
HFC−134a: 1,1,1,2−テトラフルオロエタン、
HFC−143a: 1,1,1−trifluoroethane、
HFC−125: ペンタフルオロエタン、
HFC−32: ジフルオロメタン、
HFC−152a: 1,1−ジフルオロエタン、
HFC−41: フッ化メタン、
HFO−1234ze: 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン
HFO−1234yf: 2,3,3,3−テトラフルオロプロペン
HFO−1243zf: 3,3,3−トリフルオロプロペン。
【0057】
本発明の熱伝達流体は下記の三元混合物である:
(1) HFC−32、HFC−152aおよびHFO−1234ze、
(2) HFO−1234yf、HFC−32およびHFO−1234ze、
(3) HFC−32、HFC−134aおよびHFO−1234ze。
【0058】
組成物物(2)と(3)は特許文献7(国際特許第WO2009/150763号公報)に記載のものより可燃物が低いという利点がある
【0059】
「三元混合物」という用語は基本的に3つの化合物から成る組成物を意味し、組成物の少なくとも99%、好ましくは少なくとも99.5%または少なくとも99.9%が上記の3つの化合物から成る。
【0060】
特に断らない限り、本明細書に記載の化合物の配合比率は重量百分率である。
【0061】
HFO−1234zeはシス形またはトランス形にすることができ、また、これらの2つの形の混合物にすることもできる。
【0062】
上記3つの組成物の各々で各化合物は好ましくは1〜99%、特に、1〜96%の量で存在できる。
【0063】
低温冷蔵プロセス、すなわち、冷却される流体または物体の温度が−40℃から−10℃、好ましくは−35℃〜−25℃、特に好ましくは−30℃〜−20℃(理想的には約−25℃)で使用する場合には、R404aまたはR407cのための代替品としての最も有効な化合物は下記であることが分かっている:
(1)組成物1の場合:25〜50%のHFC−32と、2〜35%のHFC−152aと、15〜73%のHFO−1234ze、好ましくは35〜50%のHFC−32と、2〜10%のHFC−152aと、40〜63%のHFO−1234ze、
(2)組成物2の場合:5〜70%のHF0−1234yfと、20〜60%のHFC−32と、5〜75%のHFO−1234ze、好ましくは5〜70%のHFO−1234yfと、25〜50%のHFC−3と、5〜55%のHFO−1234ze、
(3)組成物3の場合:20〜60%のHFC−32と、2〜60%のHFC−134aと、5〜78%のHFO−1234ze、好ましくは25〜50%のHFC−32と、5〜60%のHFC−134aと、10〜70%のHFO−1234ze。
【0064】
低温冷蔵プロセス、すなわち、冷却される流体または物体の温度が−40℃から−10℃、好ましくは−35℃〜−25℃、特に好ましくは−30℃〜−20℃(理想的には約−25℃)で使用する場合には、R410aの代替品として最も有効な組成物は下記であることが分かっている:
(1)組成物1の場合:65〜96%のHFC−32と、2〜20%のHFC−152aと、2〜25%のHFO−1234ze、好ましくは65〜93%のHFC−32と、2〜10%のHFC−152aと、5〜25%のHF0−1234ze、
(2)組成物2の場合:2〜50%のHFO−1234yfと、50〜96%のHFC−32と、2〜40%のHFO−1234ze、好ましくは5〜30%のHFO−1234yfと、65〜90%のHFC−32と、5〜25%のHFO−1234ze、
(3)組成物3の場合:50〜93%のHFC−32と、2〜45%のHFC−134aと、5〜48%のHFO−1234ze、好ましくは65〜93%のHFC−32と、2〜30%のHFC−134aと、5〜33%のHFO−1234ze。
【0065】
中温度での冷却プロセス、すなわち冷却される流体または物体の温度が−15℃から15℃、好ましくは−10℃〜10℃、特に好ましくは−5℃〜5℃(理想的には約20℃)で使用する場合、および、中温度での加熱プロセス、すなわち加熱される流体または物体の温度が30℃から80℃、好ましくは35℃〜55℃、特に好ましくは40℃〜50℃(理想的には約45℃)で使用する場合に、HFC−134aの代替品としての最も有効な組成物は下記であることが分かっている:
(1)組成物1の場合:2〜20%のHFC−32と、2〜85%のHFC−152aと、10〜96%のHFO−1234ze、好ましくは5〜15%のHFC−32と、2〜35%のHFC−152aと、50〜93%のHFO−1234ze、
(2)組成物2の場合:5〜75%のHFO−1234yfと、2〜20%のHFC−32と、10〜83%のHF0−1234ze、好ましくは10〜75%のHFO−1234yfと、5〜15%のHFC−32と、10〜75%のHFO−1234ze、
(3)組成物3の場合:2〜25%のHFC−32と、5〜88%のHFC−134aと、10〜93%のHFO−1234ze、好ましくは5〜15%のHFC−32と、5〜60%のHFC−134aと、25〜90%のHFO−1234ze。
【0066】
中温度での冷却プロセス、すなわち冷却される流体または物体の温度が−15℃から15℃、好ましくは−10℃〜10℃、特に好ましくは−5℃〜5℃(理想的には約0℃)で使用する場合、および、中温度での加熱プロセス、すなわち加熱される流体または物体の温度が30℃から80℃、好ましくは35℃〜55℃、特に好ましくは40℃〜50℃(理想的には約45℃)で使用する場合には、R404aまたはR407cの代替品としての最も有効な組成物は下記であることが分かっている:
(1)組成物1の場合:20〜50%のHFC−32と、2〜65%のHFC−152aと、5〜78%のHFO−1234ze、理想的には25〜50%のHFC−32と、2〜15%のHFC−152aと、35〜73%のHF0−1234ze、
(2)組成物2の場合:5〜75%のHFO−1234yfと、15〜70%のHFC−32と、5〜80%のHFO−1234ze、理想的には5〜65%のHFO−1234yfと、25〜50%のHFC−32と、10〜70%のHFO−1234ze、
(3)組成物3の場合:15〜50%のHFC−32と、5〜65%のHFC−134aと、10〜80%のHFO−1234ze、理想的には15〜35%のHFC−32と、5〜55%のHFC−134aと、10〜80%のHFO−1234ze。
【0067】
中温度での冷却プロセス、すなわち冷却される流体または物体の温度が−15℃から15℃、好ましくは−10℃〜10℃、特に好ましくは−5℃〜5℃(理想的には0℃)での使用、および、中温度での加熱プロセス、すなわち加熱される流体または物体の温度が30℃から80℃、好ましくは35℃〜55℃、特に好ましくは40℃〜50℃(理想的には約45℃)での使用の場合には、R410aのための代替品としての最も有効な組成物は下記であることが分かっている:
(1)組成物1の場合:65〜93%のHFC−32と、3〜30%のHFC−152aと、5〜33%のHFO−1234ze、理想的には65〜93%のHFC−32と、2〜10%のHFC−152aと、5〜33%のHFO−1234ze、
(2)組成物2の場合:5〜45%のHFO−1234yfと、50〜90%のHFC−32と、5〜45%のHFO−1234ze、理想的には5〜30%のHFO−1234yfと、65〜90%のHFC−32と、5〜30%のHFO−1234ze、
(3)組成物3の場合:50〜93%のHFC−32と、2〜45%のHFC−134aと、5〜48%のHFO−1234ze、理想的には65〜93%のHFC−32と、2〜25%のHFC−134aと、5〜33%のHFO−1234ze。
【0068】
上記の「低温での冷蔵」プロセスでは、蒸発器での熱伝達流体の吸込み温度は−45℃から−15℃、好ましくは−40℃〜−20℃、特に好ましくは−35℃〜−25℃、例えば約−30℃であるのが好ましく、凝縮器での熱伝達流体の凝縮開始時の温度は25℃から80℃、好ましくは30℃〜60℃、特に好ましくは35℃〜55℃、例えば約40℃であるのが好ましい。
【0069】
上記の「中温度での冷蔵」プロセスでは、蒸発器での熱伝達流体の吸込み温度は−20℃から10℃、好ましくは−15℃〜5℃、特に好ましくは−10℃〜0℃、例えば約−5℃であるのが好ましく、凝縮器での熱伝達流体の凝縮初期の温度は25℃から80℃、好ましくは30℃〜60℃、特に好ましくは35℃〜55℃、例えば約50℃であるのが好ましい。
これらのプロセスは冷蔵プロセスでも、空調プロセスでもよい。
【0070】
上記の「中温度での加熱」プロセスでは、蒸発器での熱伝達流体の吸込み温度は−20℃から10℃、好ましくは−15℃〜5℃、特に好ましくは−10℃〜0℃、例えば約−5℃であるのが好ましく、凝縮器での熱伝達流体の凝縮開始温度は25℃から80℃、好ましくは30℃〜60℃、特に好ましくは35℃〜55℃、例えば約50℃であるのが好ましい。
【0071】
また、下記組成の混合物は擬似共沸(quasi-azwotropic)混合物である:
(1)1〜28%のHF0−1234yfと、70〜98%のHFC−32と、1〜15%のHF0−1234ze、
(2)80〜98%のHFC−32と、1〜18%のHFC−134aと、1〜12%のHFO−1234ze。
【0072】
これらの熱伝達流体の場合、一定温度での液体飽和圧力および蒸気飽和圧力は実質的に同一である(最大圧力差10%)。これらの熱伝達流体は使用が容易であるという利点を有する。大きな温度グライド(glide)がない場合、循環組成物に実質的な変化はなく、漏れ時の組成物の変化ない。これらの熱伝達流体は例えばR410aの代替として特に適している。
【0073】
しかし、擬似共沸(quasi- azeotropic)混合物ではない熱伝達流体は向流熱交換器と正しく組み合わされた時(第2の流体との温度差が熱交換器中でほぼ一定である場合)に極めて効果的である。
【0074】
上記の各熱伝達流体は実際に蒸気圧縮回路中を循環する伝熱組成物にするために1種または複数の添加剤を混合することができる。添加剤は特に潤滑剤、安定剤、界面活性剤、トレーサ、蛍光剤、芳香剤、可溶化剤およびこれらの混合物の中から選択できる。
【0075】
添加剤が存在する場合、安定剤は熱伝達組成物の重量の最大で5%にするのが好ましくい。安定剤の中では特にニトロメタン、アスコルビン酸、テレフタル酸、トルトリアゾールまたはベンゾトリアゾールのようなアゾール、トコフェロールのようなフェノール化合物、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、エポキシド(フッ素化またはパーフッ素化されていてもよいアルキル、または、アルケニルまたは芳香族)、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル、アリル・ジグリシジルエーテル、ブチルフェニル・グリシジルエーテル、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル、チオールおよびラクトンを挙げることができる。
【0076】
潤滑剤としては特に、鉱油起源のオイル、シリコーン油、パラフィン、ナフテン、合成パラフィン、アルキルベンゼン、ポリ−α−オレフィン、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステルおよび/またはポリビニールエーテルを挙げることができる。
【0077】
(検出可能な)トレーサとしては特に、ハイドロフルオロカーボン、重水素化ハイドロフルオロカーボン、重水素化炭化水素、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、臭素化物、アルコール、アルデヒド、ケトン、亜酸化窒素およびこれらの組合せを挙げることができる。トレーサは熱伝達流体を形成する熱伝達化合物とは異なる化合物である。
【0078】
可溶化剤としては特に、炭化水素、ジメチルエーテル、ポリオキシアルキレン・エーテル、アミド、ケトン、ニトリル、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテル、そして、1,1,1−トリフルオロアルカンを挙げることができる。可溶化剤は熱伝達流体を形成する熱伝達化合物とは異なる化合物である。
【0079】
蛍光剤としては特に、ナフタルイミド、ペリレン、クマリン、アントラセン、フェナンスラセン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン、フルオレセインおよびこれらの誘導体および組合せを挙げることができる。
【0080】
芳香剤としては特に、アクリル酸アルキル、アリルアクリレート、アクリル酸、アクリルエステル、アルキルエーテル、アルキルエステル、アルキン、アルデヒド、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、イソチオシアン酸アリル、アルカノン酸、アミン、ノルボルネン、ノルボルネン誘導体、シクロヘキセン、芳香族複素環式化合物、アスカリドール、o−メトオキシ(メチル)フェノールおよびこれらの組合せを挙げることができる。
【0081】
本発明組成物はさらに、膨張剤、エーロゾルまたは溶剤としても使用できる。
【実施例】
【0082】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
予想される各種形態での熱伝達流体特性の計算方法
混合物の密度、エンタルピー、エントロピーおよび液体/蒸気平衡データの計算ではRK−ソーブ(Soave)式を使用した。この式を使用するためには混合物中で使用される純物質の特性に関する知識と、各二元混合物に対する相互作用係数とを知る必要がある。
各純物質に関する必要なデータは沸点、臨界温、臨界圧、沸点から臨界点までの温度を関数とする圧力曲線および温度を関数とする飽和液体と飽和蒸気の密度である。
HFCに関するデータは非特許文献1に公表されており、また、Refprop(冷媒流体の特性計算のためにNISが開発したソフトウェア)として入手可能である。
【非特許文献1】ASHRAE Handbook 2005, chapter 20
【0083】
HFOの温度−圧力曲線データは静的方法で測定した。臨界温と臨界圧はSetaram社から市販のC80カロリメータを使用して測定した。温度を関数とする飽和密度はLaboratories of the ecole de Mines de Paris (French Engineering School)が開発した振動チューブデンシメータ法で測定した。
【0084】
上記RK−Soave式は混合物中での生成物の行動を表すために二元作用の係数を使用する。それらの係数は実験で得た液体/蒸気平衡データに従って計算される。この液体/蒸気平衡の測定で使用する方法は静的分析法である。平衡セルはサファイヤチューブから成り、2つのRolsitm電磁サンプラを備えており、それをクライオサーモスタット(cryothermostat)浴(Huber HS40)中に浸す。種々の回転速度の磁界で駆動される磁気撹拌を用いて平衡に達するまで加速する。サンプルの解析はカサロメータ(TCD)を使用したガスクロマトグラフィ(HP5890系列II)で実行する。
【0085】
二成分混合物HFC−32/HFO−1234zeでの液体/蒸気平衡測定は次の等温式で実行した:15℃。
二成分混合物HFC−134a/HFO−1234zeでの液体/蒸気平衡測定は次の等温式で実行し:20℃。
二成分混合物HFC−134a/HFO−1234zeでの液体/蒸気平衡測定は次の等温式で実行した:15℃。
二成分混合物HFC−32/HFO−1234yfでの液体/蒸気平衡測定は次の等温式で実行した:70℃、30℃、−10℃。
二成分混合物HFO−1234ze/HFO−1234yfでの液体/蒸気平衡測定は次の等温式で実行した:18℃。
二成分HFC−152a/HFC−32の液体/蒸気平衡データはRefpropから入手できる。この二成分混合物の相互作用係数の計算には2つの等温式(−20℃、20℃)および二つの等圧曲線(1バール、30バール)を使用した。
【0086】
向流蒸発器および凝縮器を備え、スクリュー圧縮機と膨張弁とを有する圧縮システムを考えた。このシステムは15℃の過熱(オーバーヒート)および5℃の過冷却(アンダークーリング)で運転した。二次流体と冷媒流体との間の最小温度差は約5℃とみなされる。
【0087】
コンプレッサの有効効率は圧縮比に依存する。この交換効率は次の式に従って計算した:
【0088】
スクリュー圧縮機の場合、この式(1)の有効効率の定数、b、c、d、eは非特許文献2に記載の標準データに従って計算した。
【非特許文献2】≡Handbook of air conditioning and refrigeration≡, page 11.52
【0089】
性能係数(COP)はシステムによって提供または消費されるバワーに対するシステムに供給した有効パワーと定義される。
性能のローレンツ係数(COPLorenz)は性能の参照係数で、それは温度に依存し、各流体のCOPを比較するのに使われる。
性能のローレンツ係数(COPLorenz)は下記のように定義される(温度TはKで表される):
【0090】
空調および冷蔵の場合のローレンツCOPは以下の通り:
【0091】
加熱の場合のローレンツCOPは以下の通り:
【0092】
各組成物に対してローレンツ・サイクルの成績係数を対応温度の関数として計算する。
低温冷蔵モードでは、−30℃の蒸発器の冷媒流体の吸込み温度と、40℃の凝縮器の冷媒流体の凝縮開始温度との間で圧縮システムを運転する。このシステムは−25℃で冷蔵熱を与える。
中温度加熱モードでは、−5℃の蒸発器の冷媒流体の吸込み温度と、50℃の凝縮器の冷媒流体の凝縮開始温度との間で圧縮システムを運転する。このシステムは45℃で熱を供給する。
中温度冷却モードでは、−5℃の蒸発器の冷媒流体の吸込み温度と、50℃の凝縮器の冷媒流体の凝縮開始温度との間で圧縮システムを運転する。このシステムは0℃で冷蔵熱を与える。
【0093】
下記の[表]で、
「蒸発器出口温度(Temp. evap outlet)」は蒸発器出口での流体温度を示し、
「圧縮器出口温度(Temp. comp outlet)」はコンプレッサ出口での流体温度を示し、
「凝縮器出口温度(T cond outlet)」は凝縮器出口で流体温度を示し、
「蒸発器圧力(evap P)」は蒸発器での流体圧力を示し、
「凝縮器圧力(cond P)」は凝縮器での流体圧力を示し、
「レシオ(w/w)」は圧縮比を示し、
「グライド(Glide)」は温度クライト゛を示し、
「圧縮器効率(comp efficiency)」はコンプレッサの交換効率を示し、
「%CAP」は最初の行に記載の基準流体に対する流体の容積キャパシティーを示し、
「%COP/COPLorenz」は対応するローレンツ・サイクルのCOPに対するそのシステムのCOPの比を示し、
「飽和液体圧力(Psat liquid)」は液体の飽和圧力を示し、
「飽和蒸気圧力(Psat vapor)」は蒸気飽和圧力を示し、
「圧力差%(%diff in pressure)」は上記2つの圧力の間の差を百分比として表したものである。
【0094】
実施例2
低温冷蔵での結果、R404aおよびR407cとの比較
【0095】
実施例3
低温冷蔵での結果、R410aとの比較
【0096】
実施例4
中温度冷却での結果、HFC−134aとの比較
【0097】
実施例5
中温度加熱での結果、HFC−134aとの比較
【0098】
実施例6
中温度冷却での結果、R404aおよびR407cとの比較
【0099】
実施例7
中温度加熱での結果、R404aおよびR407cとの比較
【0100】
実施例8
中温度冷却での結果、R410aとの比較
【0101】
実施例9
中温度加熱での結果、R410aとの比較
【0102】
実施例10
擬似共沸混合物に関するデ―タ