特許第5969989号(P5969989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969989
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】方法およびエレベータ装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20160804BHJP
   B66B 9/187 20060101ALI20160804BHJP
   B66B 7/06 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   B66B7/00 J
   B66B9/187 C
   B66B7/06 A
【請求項の数】28
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-512951(P2013-512951)
(86)(22)【出願日】2011年5月26日
(65)【公表番号】特表2013-532104(P2013-532104A)
(43)【公表日】2013年8月15日
(86)【国際出願番号】FI2011000028
(87)【国際公開番号】WO2011148033
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2014年5月7日
(31)【優先権主張番号】20100257
(32)【優先日】2010年6月18日
(33)【優先権主張国】FI
(31)【優先権主張番号】20100223
(32)【優先日】2010年5月28日
(33)【優先権主張国】FI
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591159044
【氏名又は名称】コネ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】KONE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100079991
【弁理士】
【氏名又は名称】香取 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】プラティン、 アンッティ
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−042483(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/090299(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0150728(US,A1)
【文献】 特開2013−112443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00−7/12
B66B 9/187
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも次の手順、すなわち、
−支持用可動プラットフォームおよびエレベータかごをエレベータ昇降路内に設置し、
−ロープの設置を行なって、エレベータにロープを通して建設時巻上げローピングを構成し、該巻上げローピングは、前記エレベータかごより上の位置に支持された前記支持用可動プラットフォームに基づいて前記エレベータかごを支持するように構成し、
−前記エレベータかごを乗客サービスおよび/または品物の輸送に使用し、
−前記エレベータかごを上述の使用から外し、
−前記支持用可動プラットフォームを前記エレベータ昇降路内でより高く巻き上げることにより前記エレベータかごのサービス範囲を変えて該エレベータ昇降路内でより高く到達させ、
−前記エレベータかごを上述の使用に戻す手順を行なうエレベータの製造における方法において、
上述のロープ設置では、前記エレベータにロープを通して建設時巻上げローピングを構成し、該ローピングは、1本以上のロープを含み、該ロープの力伝達能力は、少なくとも実質的に、もしくは全体としてさえ、該ロープの長手方向の非金属繊維に基づき、
前記ロープは、1つの伝動部もしくは複数の伝動部を含んで該ロープの長手方向に力を伝達し、該伝動部は前記ロープの長手方向に前記非金属の長手方向繊維を含み、
前記1つの伝動部もしくは複数の伝動部は、前記エレベータかごから少なくとも前記支持用可動プラットフォームまで続き、前記ロープは、前記1つの伝動部もしくは複数の伝動部によって前記ロープの長手方向の力を前記支持用可動プラットフォームから前記エレベータかごへ伝達して、前記エレベータかごを支持するように配設され
前記支持用可動プラットフォームは、該支持用可動プラットフォームより上に延在するエレベータのガイドレールから巻上げに必要な垂直支持力の少なくとも大部分を受け取り、
前記ガイドレールはガイドレール線を含み、該ガイドレール線のそれぞれは上下に複数のガイドレール区間を含み、該複数のガイドレール区間のそれぞれは1つ以上のガイドレールブラケットで建物に支持され、該1つのガイドレールブラケットまたは上述の2つ以上のガイドレールブラケットは全体で、これにより固定されたガイドレール区間に対し上方へ向かう支持力を与えて該これにより固定されたガイドレール区間を支持するように配設され、前記支持力の大きさは、前記ガイドレール区間の重量の少なくとも大部分であることを特徴とするエレベータの製造における方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記エレベータかごのサービス範囲は、前記支持用可動プラットフォームを前記エレベータ昇降路内でより高く移動させ、前記巻上げローピングへロープ供給収納部からもっとロープを供給することによって、変更され、前記エレベータ昇降路内でより高く到達させることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、該方法では、前記支持用可動プラットフォームは、該支持用可動プラットフォームより上にあって前記エレベータ昇降路内の位置に支持されている支持装置から垂直支持力を受け取って巻き上げられることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載の方法において、前記支持用可動プラットフォームより上に延在するエレベータのガイドレールは、前記かごおよび/または釣合い重りのガイドレールであることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、ロープ掛設の際、前記エレベータにロープを通して建設時巻上げローピングを構成し、該ローピングは1本以上のロープを含み、該ロープは取付け部を経て前記ロープ供給収納部まで続き、該ロープ供給収納部は、少なくとも1回以上のジャンプリフトに必要なロープの長さを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項2または5に記載の方法において、前記ロープ供給収納部は、前記エレベータかごに連結して、または上述の支持用可動プラットフォームに連結していることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の方法において、該方法では、前記支持用可動プラットフォームの巻上げ後、前記かごおよび/もしくは釣合い重りのガイドレール、ならびに/またはガイドレールブラケットによってこれを垂直方向に係止して支持することにより、前記エレベータ昇降路内のその位置に支持することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の方法において、前記支持用可動プラットフォームの巻上げ前に、前記エレベータかご側の第1のガイドレール線のガイドレール区間の上端部で第1の支持装置を支持し、該エレベータかごの反対側の第2のガイドレール線のガイドレール区間の上端部で第2の支持装置を支持し、前記上端部は、実質的に前記支持用可動プラットフォームよりも上に延在し、該支持用可動プラットフォームは、前記巻上げの際、該巻上げに必要な垂直支持力を上述の支持装置で前記ガイドレールから受け取って1つ以上の巻上げ機により前記エレベータ昇降路内においてより高く引き上げられることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の方法において、上述の伝動部もしくは複数の伝動部は、前記エレベータかごから少なくとも駆動綱車まで続き、前記ロープは、上述の伝動部もしくは複数の伝動部によって該ロープの長手方向の力を前記駆動綱車から前記エレベータかごへ伝達して、前記エレベータかごを支持し動かすように配設されていることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の方法において、前記ロープの長手方向に力を伝達する前記ロープの実質的すべての伝動部は、実質的に全部が非金属材料であることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の方法において、前記伝動部の材料は、ポリママトリックス内に非金属繊維を強化繊維として含む複合材であることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の方法において、前記非金属繊維は、炭素繊維、もしくはガラス繊維、もしくはアラミド繊維、もしくはポリベンゾオキサゾール繊維、もしくはUHMWPE繊維であることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の方法において、前記非金属繊維は合成繊維であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の方法において、前記ロープは1つの伝動部もしくは複数の伝動部を含んで前記ロープの長手方向に力を伝達し、該伝動部は、上述の非金属繊維、好ましくはアラミド繊維で編んだ1つ以上のストランドを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載の方法において、前記繊維の密度は4000kg/m3より低く、強度は1500 N/mm2を超え、より好ましくは前記繊維の密度は4000kg/m3より低く、強度は2500 N/mm2を超え、最も好ましくは前記繊維の密度は3000kg/m3より低く、強度は3000 N/mm2を超えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項3または8に記載の方法において、ジャンプリフトの間において、エレベータの設置作業は、前記支持用可動プラットフォームより上の可動作業台から行ない、前記支持装置は、その支持点の高さまで前記作業台と一緒に巻き上げ、該支持装置は、前記エレベータ昇降路内の位置に垂直方向に支持し、前記支持用可動プラットフォームは、該支持装置が支持されている構造物から垂直支持力を前記支持装置によって取り込んで巻き上げることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれかに記載の方法において、前記ガイドレール区間を支持する前記支持力の大きさは、前記ガイドレール区間の重量の少なくとも実質的に全部あることを特徴とする方法。
【請求項18】
少なくとも次の手順、すなわち、
−支持用可動プラットフォームおよびエレベータかごをエレベータ昇降路内に設置し、
−ロープの設置を行なって、エレベータにロープを通して建設時巻上げローピングを構成し、前記巻上げローピングは、前記エレベータかごより上の位置に支持された前記支持用可動プラットフォームにある前記エレベータかごを支持するように構成し、
−前記エレベータかごを乗客サービスおよび/または品物の輸送に使用し、
−前記エレベータかごを上述の使用から外し、
−前記支持用可動プラットフォームを前記エレベータ昇降路内でより高く巻き上げることにより前記エレベータかごのサービス範囲を変えて該エレベータ昇降路内でより高く到達させる手順を行ない、
前記支持用可動プラットフォームを巻き上げる場合、前記エレベータのガイドレールから垂直支持力を取り込んでこれを巻き上げ、および/または前記支持用可動プラットフォームの巻上げ後、前記ガイドレールによりこれを垂直方向に係止して支持することによりこれを前記エレベータ昇降路内の位置に支持するエレベータの製造における方法において、
前記ロープは、1つの伝動部もしくは複数の伝動部を含んで該ロープの長手方向に力を伝達し、該伝動部は前記ロープの長手方向に前記非金属の長手方向繊維を含み、
前記1つの伝動部もしくは複数の伝動部は、前記エレベータかごから少なくとも前記支持用可動プラットフォームまで続き、前記ロープは、前記1つの伝動部もしくは複数の伝動部によって前記ロープの長手方向の力を前記支持用可動プラットフォームから前記エレベータかごへ伝達して、前記エレベータかごを支持するように配設され、
前記支持用可動プラットフォームは、該支持用可動プラットフォームより上に延在するエレベータのガイドレールから巻上げに必要な垂直支持力の少なくとも大部分を受け取り、
前記ガイドレールはガイドレール線を含み、該ガイドレール線のそれぞれは上下に複数のガイドレール区間を含み、該複数のガイドレール区間のそれぞれは1つ以上のガイドレールブラケットにより建物に支持され、上述の1つのガイドレールブラケットもしくは上述の2つ以上のガイドレールブラケットは全体で、これにより固定されたガイドレール区間に上方へ向かう支持力を与えて該これにより固定されたガイドレール区間を支持するように配設され、前記支持力の大きさは、好ましくは前記ガイドレール区間の重量の少なくとも大部分、より好ましくは該ガイドレール区間の重量の実質的に全部、もしくはこれより大きくさえあることを特徴とするエレベータの製造における方法。
【請求項19】
−エレベータ昇降路と、
−エレベータかごと、
−該エレベータかご、および/または釣合い重りがある場合はそのガイドレールなどのガイドレールと、
−前記エレベータかごを前記エレベータ昇降路内で支持して動かす巻上げローピングと、
−該巻上げローピングを動かす巻上げ機と、
−前記エレベータかごを前記巻上げローピングにより前記エレベータ昇降路内で下に支持する支持用可動プラットフォームと、
−前記昇降路内で前記支持用可動プラットフォームをより高く巻き上げる手段と、
−該支持用可動プラットフォームを前記エレベータ昇降路内の位置に垂直に支持する手段とを含み、
前記支持用可動プラットフォームを巻き上げる場合、前記エレベータのガイドレールから垂直支持力を取り込むように構成し、および/または前記支持用可動プラットフォームの巻上げ後、該支持用可動プラットフォームを前記ガイドレールにより垂直方向に係止して支持することによりこれを前記エレベータ昇降路内の位置に支持するように構成したエレベータシステムにおいて、
前記巻上げローピングは1本以上のロープを含み、該ロープは、1つの伝動部もしくは複数の伝動部を含んで該ロープの長手方向に力を伝達し、該伝動部は前記ロープの長手方向に前記非金属の長手方向繊維を含み、
前記1つの伝動部もしくは複数の伝動部は、前記エレベータかごから少なくとも前記支持用可動プラットフォームまで続き、前記ロープは、前記1つの伝動部もしくは複数の伝動部によって前記ロープの長手方向の力を前記支持用可動プラットフォームから前記エレベータかごへ伝達して、前記エレベータかごを支持するように配設され、
前記支持用可動プラットフォームは、該支持用可動プラットフォームより上に延在するエレベータのガイドレールから巻上げに必要な垂直支持力の少なくとも大部分を受け取り、
前記ガイドレールはガイドレール線を含み、該ガイドレール線のそれぞれは上下に複数のガイドレール区間を含み、該複数のガイドレール区間のそれぞれは1つ以上のガイドレールブラケットにより建物に支持され、上述の1つのガイドレールブラケットもしくは上述の2つ以上のガイドレールブラケットは全体で、これにより固定されたガイドレール区間に上方へ向かう支持力を与えて該これにより固定されたガイドレール区間を支持するように配設され、前記支持力の大きさは、好ましくは前記ガイドレール区間の重量の少なくとも大部分、より好ましくは該ガイドレール区間の重量の実質的に全部、もしくはこれより大きくさえあることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項20】
−エレベータ昇降路と、
−エレベータかごと、
−該エレベータかごを前記エレベータ昇降路内で支持し動かす巻上げローピングと、
−該巻上げローピングを動かす巻上げ機と、
−前記エレベータかごを前記巻上げローピングにより前記エレベータ昇降路内で下に支持する支持用可動プラットフォームと、
−前記昇降路内で前記支持用可動プラットフォームをより高く巻き上げる手段と、
−該支持用可動プラットフォームを前記エレベータ昇降路内の位置に垂直に支持する手段とを含むエレベータ装置において、
前記巻上げローピングは1本以上のロープを含み、その長手方向力伝達能力は、少なくとも実質的に、または全体としてさえ、該ロープの長手方向の非金属繊維に基づき、
前記ロープは、1つの伝動部もしくは複数の伝動部を含んで該ロープの長手方向に力を伝達し、該伝動部は前記ロープの長手方向に前記非金属の長手方向繊維を含み、
前記1つの伝動部もしくは複数の伝動部は、前記エレベータかごから少なくとも前記支持用可動プラットフォームまで続き、前記ロープは、前記1つの伝動部もしくは複数の伝動部によって前記ロープの長手方向の力を前記支持用可動プラットフォームから前記エレベータかごへ伝達して、前記エレベータかごを支持するように配設され
前記支持用可動プラットフォームは、該支持用可動プラットフォームより上に延在するエレベータのガイドレールから巻上げに必要な垂直支持力の少なくとも大部分を受け取り、
上述のガイドレールはガイドレール線を含み、該ガイドレール線のそれぞれは上下に複数のガイドレール区間を含み、該複数のガイドレール区間のそれぞれは1つ以上のガイドレールブラケットで建物に支持され、該1つのガイドレールブラケットまたは上述の2つ以上のガイドレールブラケットは全体で、これにより固定されたガイドレール区間に対し上方へ向かう支持力を与えて該これにより固定されたガイドレール区間を支持するように配設され、前記支持力の大きさは、前記ガイドレール区間の重量の少なくとも大部分であることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項21】
請求項20に記載のエレベータ装置において、上述の伝動部もしくは複数の伝動部は、前記エレベータかごから少なくとも駆動綱車まで続き、前記ロープは、上述の伝動部もしくは複数の伝動部によって該ロープの長手方向の力を前記駆動綱車から前記エレベータかごへ伝達して、前記エレベータかごを支持するように配設されていることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項22】
請求項20または21に記載のエレベータ装置において、前記ロープの長手方向に力を伝達する前記ロープの実質的すべての伝動部は、実質的に全部が非金属材料であることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項23】
請求項20、21または22に記載のエレベータ装置において、前記伝動部の材料は、ポリママトリックス内に非金属繊維を強化繊維として含む複合材であることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項24】
請求項20ないし23のいずれかに記載のエレベータ装置において、前記非金属繊維は、炭素繊維、もしくはガラス繊維、もしくはアラミド繊維、もしくはポリベンゾオキサゾール繊維、もしくはUHMWPE繊維であることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項25】
請求項20ないし24のいずれかに記載のエレベータ装置において、前記非金属繊維は合成繊維であることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項26】
請求項20ないし25のいずれかに記載のエレベータ装置において、前記ロープは1つの伝動部もしくは複数の伝動部を含んで前記ロープの長手方向に力を伝達し、該伝動部は、上述の非金属繊維、好ましくはアラミド繊維で編んだ1つ以上のストランドを含むことを特徴とするエレベータ装置。
【請求項27】
請求項20ないし26のいずれかに記載のエレベータ装置において、前記繊維の密度は4000kg/m3より低く、強度は1500 N/mm2を超え、より好ましくは前記繊維の密度は4000kg/m3より低く、強度は2500 N/mm2を超え、最も好ましくは前記繊維の密度は3000kg/m3より低く、強度は3000 N/mm2を超えることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項28】
請求項20ないし27のいずれかに記載のエレベータ装置において、前記ガイドレール区間を支持する前記支持力の大きさは、前記ガイドレール区間の重量の少なくとも実質的に全部あることを特徴とするエレベータ装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明の対象はエレベータの製造方法とエレベータ装置であり、エレベータは、好ましくは建物内に設置され乗客の輸送および/または貨物の輸送に適用可能なエレベータであり、その方法およびエレベータ装置は、エレベータをその建設期間中、運用に供し、また供用可能とするものである。
【発明の背景】
【0002】
いわゆるジャンプリフトについて、エレベータ昇降路は、エレベータ昇降路の全長が完成しないうちにすでに使用に供される。エレベータ昇降路の上部は、エレベータ昇降路のすでに完成した下部にて走行するエレベータかごを建物の低層階で人々に供するのと同時期に建設される。ジャンプリフトにおいて、エレベータ昇降路の下部を走行するエレベータかごは、建設期間中の使用では、エレベータ昇降路内の支持用プラットフォームにより支持された巻上げロープに懸吊された状態で支持されて走行する。このロープは、通常支持用プラットフォームに支持された巻上げ機によって動く。設置作業は、この支持用プラットフォームより上のエレベータ昇降路の部分で行なわれる。支持用プラットフォームより上の建設中のエレベータ昇降路の部分が十分な完成段階に達すると、エレベータ昇降路の完成部分は使用に供することができる。この場合、ジャンプリフトを行なって、支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内の高い位置に巻き上げ、エレベータかごの運転領域を上方へ延長する。建物の建設では、例えば使用中の現場クレーンをこの巻上げ作業に利用することができる。または、巻上げ作業の際に機械室プラットフォームより上にある昇降路の支持構体に支持された機械室プラットフォームを動かすことも可能である。エレベータ昇降路が最終の高さに到達すると、機械室プラットフォームは通常、エレベータ昇降路から取り除かれ、エレベータの最終巻上げ機は、エレベータ昇降路の終端部に設けられた機械室へ持ち込まれる。この設置法を終了する際、建設時用ローピングを取り除き、エレベータは最終ローピングによって再び掛設される。長年にわたって確立したエレベータロープ技術がジャンプリフトに使用されている。したがって、従来の螺旋状金属ロープ、すなわち、実質的に金属繊維を基本として長手方向力伝達能力を備えたロープが建設時用ロープとして使用されている。このような金属ロープは安価で、建設時の作業が捗り、取付けが簡単で耐久性があり、作業現場の条件に対して問題なく耐える。この方法を終える際、短期間使用したロープを交換することは、金属ロープが安価であるため、経済的であった。
【0003】
従来方式における問題は、支持用プラットフォームを巻き上げるのに必要な巻上げ装置が場所を多くとり、複雑で、十分迅速に使用できないことである。さらに詳しくは、機械室プラットフォームを動かして位置決めするのに必要な支持点は、配設するのが難しい。建物内に多数の支持点を別個に配設することは、好ましくないであろう。十分安定した耐久性のある支持点を見つけることは難しいので、ジャンプリフトが合理的な作業入力で到達できる最大高は、事実上制限されてしまう。ときには作業現場クレーンを使用して機械室プラットフォームを動かさなければならない。なぜなら、上述の諸問題により他の方式では都合が悪いからである。他の問題は、広く言えば、多くの実務上の課題を設定した厳しい設置環境であったが、これらの課題は、円滑な運転および設置の安全性に、さらには構造体の耐久性にもつながるものである。これらはとりわけ、機械室プラットフォームの巻上げ装置の空間の利用法および複雑性と、巻上げ中および位置決め中の機械室プラットフォームの重心および安定性と、巻上げ中および位置決め中に巻上げに使用される支持装置の重心および安定性と、適切なバランスを生ずる支持体係止機構の設定と、機械室プラットフォーム、適切な巻上げ装置の厳しいレイアウトと、最終走行高さを企図した巻上げ機の寸法と、適切な走行余裕をもったロープのルーティングと、ロープ長の正しい設定と、安全に対する要求と、余裕のある作業スペースなどである。考慮しなければならないこれら多数の変数は、互いに直接的あるいは間接的に影響し合い、これらの総合的影響によって、構造が複雑で頑丈になり易く、空間を多く必要とすることになる。
【発明の目的】
【0004】
本発明は、エレベータの改善された製造方法と、改善された建設時エレベータ装置を提供することを目的とする。本発明の1つの目的は、なかでも、従来方式の上述の欠点を解消することにある。本発明による解決策によって、ジャンプリフトの多数の問題に対して、簡素な方法で直接的もしくは間接的に影響を及ぼすことができる。本解決策の主たる目的は、ジャンプリフトの支持体、さらに詳しくはエレベータ昇降路内のこれら支持体の支持を容易化することである。本発明の目的はさらに、なかでも、次の利点の1つ以上を生むことである。
−以前よりかなり高い走行高さのエレベータをジャンプリフトにより製造できる方法および装置を達成する。
−安定的および安全な支持を達成するための支持点の構造に必要な特性を減らす方法および装置を達成する。
−支持用プラットフォームの支持構体の形成を以前よりかなり簡素化し、軽量化することができる方法および装置を達成する。
−支持用プラットフォームの支持点を以前より自由に選択できる方法および装置を達成する。
−支持構体の支持点を以前より自由に選択して支持用プラットフォームの巻上げ用に配設することができる方法および装置を達成する。
−ロープの供給を以前より自由に配置することができる方法および装置を達成する。
−以前よりも軽量な構造の巻上げ装置をエレベータの製造に、さらに詳しくは支持用プラットフォームの巻上げに使用することができる方法および装置を達成する。
−ジャンプリフトにおいて上方へ移送する全重量を以前より少なくする方法および装置を達成する。その利点は、なかでも、安全性の改善であり、装置が軽量化され巻上げ装置の実現に自由度が増すように寸法決めできる。
−以前より安全な方法および装置を達成する。
−以前よりも空間を効率的に利用する方法および装置を達成する。
−長距離のジャンプリフトの実現が以前より容易で迅速な方法および装置を達成する。
−建設時エレベータを最終エレベータに転換するのが容易な方法および装置を達成する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は次のような概念に基づく。すなわち、エレベータの建設時支持/巻上げ機能部を以前よりも軽量に形成し、この場合、支持点は、以前よりかなり自由に選択でき、支持用プラットフォームおよび支持用プラットフォーム構体を巻き上げる装置を簡素化できる。加えて、この支持を十分に安定させ耐久性のあるものにすることが容易に行なえる。本発明の概念によれば、エレベータかごの支持/巻上げ機能部の重量は、支持用プラットフォームにより支持されるロープの重量を軽量化することによって以前よりも軽量に構成される。これは、ロープの長手方向の非金属繊維に、少なくとも実質的に、もしくは全体としても、基づくような力伝達能力を有するロープを含むように巻上げローピングを形成すると、達成される。
【0006】
本発明による概念の基本的実施例では、エレベータの製造における方法において、少なくとも次の手順を行なう。
−支持用可動プラットフォームおよびエレベータかごをエレベータ昇降路内に設置する。
−ロープの設置を行ない、エレベータにロープを通して建設時巻上げローピングを構成し、巻上げローピングは、かごより上の位置に支持された支持用プラットフォームにあるかごを支持するように構成する。
−エレベータかごを乗客サービスおよび/または品物の輸送の使用に供する。
−エレベータかごを上述の使用から外す。
−支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内でより高く巻き上げることによって、エレベータかごのサービス範囲を変えてエレベータ昇降路内でより高く到達させる。
【0007】
上述のロープ設置では、エレベータにロープを通して建設時巻上げローピングを構成し、これは1本以上のロープを含む。このロープの長手方向力伝達能力は、少なくとも本質的には、ロープの長手方向における非金属繊維に、最低でも実質的に、好ましくは全体的に、基づくものである。このようにして、上述の利点のうち1つ以上が達成される。
【0008】
好ましくは、本方法では、支持用プラットフォームを巻き上げる場合、エレベータのガイドレールから垂直支持力を取り込んで巻き上げる、および/または支持用プラットフォームの巻上げ後に、ガイドレールによって支持するよう垂直の方向にこれを係止することによってエレベータ昇降路内の位置にこれを支持する。このようにして、高層エレベータにおいても垂直の支持を簡単に行なうことができる。大建築物の高さとの関係性は、従前より希薄になる。
【0009】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内でより高い方へ動かし、巻上げローピングにロープ供給格納庫からもっとロープを供給することによって、エレベータかごのサービス範囲を変更してエレベータ昇降路内でより高く到達させる。このようにして、高さを増した際の走行でも、ロープの長さを円滑に増すことができる。
【0010】
本発明による概念のさらに詳細な実施例において、本方法では、かごおよび/または釣合い重りのガイドレールなどの支持用プラットフォームより上に延在するエレベータのガイドレールから垂直支持力を取り込んで、支持用プラットフォームを巻き上げる。この場合、好ましくは巻上げに必要な垂直支持力の少なくとも大部分、好ましくは実質的に全部を上述のガイドレールから取り込む。このようにして、巻上げ用の支持を簡単に行なうことができる。巻上げの支持装置の構造は、エレベータ昇降路内にすでに固定されている構造を用いれば、単純で軽量に保つことができる。さらに詳細に言うと、上述のタイプのローピングの場合に、これは有利である。なぜなら、このようにしてガイドレールで支持される巻上げ機能部の重量は、ガイドレールを損傷するほど十分ではないからである。
【0011】
本発明による概念のさらに詳細な実施例において、本方法では、支持用プラットフォームは、支持用プラットフォームより上にありエレベータ昇降路内の位置に支持された支持装置から垂直支持力を取り込んで巻き上げる。このようにして、エレベータ昇降路内の上昇方式が達成される。さらに詳しく言うと、上述のタイプのローピングの場合に、これは有利である。なぜなら、支持点を見つけるという問題なしに、上昇の最大の高さがこのようにかなり増すからである。
【0012】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、ロープの設置にあたって、エレベータにロープを通して建設時巻上げローピングを構成し、これは、取付け部を経てロープ供給収納部まで続く1本以上のロープを含み、ロープ供給収納部は、少なくとも1回の、好ましくは複数回のジャンプリフトに必要な長さのロープを含んでいる。このように、ロープ長の円滑な増加によって走行高さを増すことができる。
【0013】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、エレベータかごのサービス範囲を変えてエレベータ昇降路においてより高く到達させることによって、サービス範囲を広げる。こうして、エレベータかごのサービス範囲は、その上端部だけが変わるが、最下部の位置は実質的に同じ高さを保つ。
【0014】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、上述のロープ供給収納部はエレベータかごに関連している。さらに詳細に説明すると、上述のタイプのローピングの場合に、これは有利である。なぜなら、収納されたロープの質量によりエレベータかごに関連して生じる余分な荷重が小さいからである。
【0015】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、上述のロープ供給収納部は上述の支持用プラットフォームに関連している。さらに詳細に言うと、上述のタイプのローピングの場合に、これは有利である。なぜなら、収納されたロープの質量により支持用プラットフォームに生じる余分な荷重が小さいからである。
【0016】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、ロープ設置の際、エレベータには、巻上げローピングがエレベータかごおよび釣合い重りを1:1の巻上げ比で支持するようにロープを掛設する。このようにしてロープ供給は、エレベータかご側から配設するのが容易である。
【0017】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、上述のロープ掛設の際、エレベータは、巻上げローピングが釣合い重りを2:1の巻上げ比で、またエレベータかごを1:1の巻上げ比で支持するようにロープを掛設する。このようにしてロープ供給は、釣合い重り側から配設するのが容易である。
【0018】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、上述のロープ掛設の際、エレベータは、巻上げローピングがエレベータかごを2:1の巻上げ比で、また釣合い重りを2:1の巻上げ比で支持するようにロープを掛設する。こうしてロープ供給場所は、より自由に所望の場所に選択することができる。
【0019】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法では、支持用プラットフォームを巻上げた後、支持用プラットフォームは、かごおよび/もしくは釣合い重りのガイドレールによって、ならびに/またはガイドレールのガイドレールブラケットによってこれを垂直方向に係止して支持することにより、エレベータ昇降路内の位置に支持する。こうして、支持用プラットフォームは、必ずしも建物のコンクリート部分もしくは同様なもので支持する必要がない。
【0020】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、本方法を終えると、建設時エレベータは最終的なエレベータに転換され、この最終エレベータでは、建設時巻上げローピングがエレベータの最終巻上げローピングを構成する。
【0021】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、本方法を終えると、建設時エレベータは、巻上げローピングによりエレベータかごおよび釣合い重りを1:1の巻上げ比で支持するように構成することで最終エレベータに転換する。
【0022】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法では、かごの両側にあって支持用プラットフォームより上へ延在するエレベータのガイドレールから垂直支持力を取り込んで支持用プラットフォームを巻き上げる。
【0023】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法では、支持用プラットフォームに関連する巻上げ機によって支持用プラットフォームを巻き上げる。こうして、上昇機構の実現が簡単かつ安全である。
【0024】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、支持用プラットフォームの巻上げ前に、エレベータかご側の第1のガイドレール線のガイドレール区間の上端部で第1の支持装置を支持し、エレベータかごの反対側の第2のガイドレール線のガイドレール区間の上端部で第2の支持装置を支持し、これらの上端部は実質的に支持用プラットフォームより上へ延在し、支持用プラットフォームは、巻上げの際、巻上げに必要な垂直支持力を上述の支持装置でガイドレールから取り込んで1つ以上の巻上げ機によりエレベータ昇降路内においてより高く引き上げる。
【0025】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、エレベータかごのサービス高さを複数回のジャンプリフトを繰り返して増し、支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内でより高く移動させ、上述のジャンプリフトを行なった都度、エレベータかごを乗客のサービスおよび/または物品の輸送に使用し、ジャンプリフトを複数回繰り返すと、追加の設置および/または改修を行ない、これによって建設時エレベータを最終エレベータに転換する。このようにしてエレベータかごは、建設期間の大部分において使用し続けることができる。
【0026】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、本エレベータ装置は、エレベータ昇降路と、エレベータかごと、エレベータかごをエレベータ昇降路内で支持し動かす巻上げローピングと、巻上げローピングを動かす巻上げ機と、エレベータ昇降路内で巻上げローピングを介してエレベータかごを下に支持する可動式支持用プラットフォームとを含む。エレベータ装置、好ましくは支持用プラットフォームは、支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内においてその位置に垂直に支持する手段も含み、この手段は、支持用プラットフォーム(これは、エレベータ昇降路に、もしくはエレベータ昇降路内に設置されたガイドレールなどの構体で支持されている)をその位置に垂直方向に支持する空間と支持用プラットフォーム(これは、エレベータ昇降路に、もしくはエレベータ昇降路内に設置されたガイドレールなどの構体で支持されている)を垂直方向に支持しない空間との間で動かすことができる。エレベータ装置、好ましくは支持用プラットフォームは、支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内において高く巻き上げる手段も含む。巻上げローピングは1本以上のロープを含み、これらのロープの長手方向力伝達能力は、少なくとも実質的に、好ましくは全体的にロープの長手方向において非金属繊維に基づいている。このようにして、上述の利点が達成される。
【0027】
好ましくは、本装置において、支持用プラットフォームを巻き上げる場合、垂直支持力は、支持用プラットフォームのエレベータのガイドレールから取り込むように構成され、および/または支持用プラットフォームの巻上げ後、支持用プラットフォームは、ガイドレールによってこれを垂直方向に係止して支持することによりエレベータ昇降路内のその位置に支持するように構成されている。このようにして、高層エレベータにおいても簡単に垂直方向の支持を行なうことができる。
【0028】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、ロープはロープの長手方向に力を伝える1つの伝動部もしくは複数の伝動部を含み、伝動部は実質的に全部が非金属繊維である。このようにして、伝動部は軽量に構成されている。
【0029】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、エレベータ昇降路内で支持用プラットフォームを高く巻き上げる手段は、エレベータ昇降路内の支持用プラットフォームより上の位置に支持された可動支持装置を含み、支持装置から垂直支持力を取り込んで支持用プラットフォームを巻き上げるように構成されている。支持装置は、支持装置をエレベータ昇降路内の位置に垂直に支持する手段(例えば、支持装置をガイドレールへ、もしくは他の構造物へ固定して実質的に不動にする手段)を含み、この手段は、好ましくは支持装置をエレベータ昇降路内の位置に支持する空間と支持装置をエレベータ昇降路内の位置に支持しない空間との間で移動させることができる。このようにして、例えば作業台とともにエレベータ昇降路内の高所まで動かすことができる。
【0030】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、ロープは、力をロープの長手方向に伝達する1つの伝動部もしくは複数の伝動部を含み、伝動部はロープの長手方向に上述の非金属繊維を含む。
【0031】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、上述の伝動部もしくは複数の伝動部は、エレベータかごから少なくとも支持用プラットフォームまで続き、ロープは、上述の伝動部もしくは複数の伝動部によってロープの長手方向の力を支持用プラットフォームからエレベータかごへ伝達し、エレベータかごを支持するように配設されている。
【0032】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、上述の伝動部もしくは複数の伝動部はエレベータかごから少なくとも駆動綱車まで続き、ロープは、上述の伝動部もしくは複数の伝動部によってロープの長手方向の力を駆動綱車からエレベータかごへ伝達し、エレベータかごを支持して動かすように配設されている。
【0033】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、ロープの長手方向に力を伝達するロープの実質的にすべての伝動部は、実質的に十分に非金属繊維を含む。
【0034】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、上述の各伝動部はロープの実質的に長手方向の非金属繊維を含む。
【0035】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、ロープが駆動綱車を周回し、この点でロープの幅方向にある軸を中心に曲がり、ロープの幅はその厚さよりも大きい。
【0036】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、上述の伝動部の材料は複合材であり、これはポリママトリックスに強化繊維として非金属繊維を含むものである。この場合、マトリックスは伝動部の個々の繊維を互いに結合する。この構造は軽量で、必要なロープの量は少ない。ロープはこの場合、好ましくはベルト状に形成して曲がり特性を改善する。
【0037】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、非金属繊維は、炭素繊維もしくはガラス繊維もしくはアラミド繊維もしくはポリベンゾオキサゾール繊維もしくはUHMWPE繊維もしくは同様なものである。こうして、巻上げローピングは軽量である。
【0038】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、上述の非金属繊維は合成繊維である。
【0039】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、上述の非金属繊維の材料は実質的に鋼鉄よりも軽量である。
【0040】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、ロープは1つの伝動部もしくは複数の伝動部を含んでロープの長手方向に力を伝達し、伝動部は上述の非金属繊維、好ましくはアラミド繊維で編んだ1本以上のより糸を含む。これらの伝動部は、例えば中心ロープもしくは同様なものを中心にさらに撚ることができる。この場合、伝動部は製造が容易である。
【0041】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法では、支持用プラットフォームの一部、さらに詳細には、その支持構体を用いてエレベータの最終機械室の機械装置を支持する構体を形成する。支持用プラットフォームは、その前はエレベータ昇降路内の低い位置にその位置があった。支持用プラットフォームは、上述の低い位置で使用され、駆動綱車を含む機械装置を支持していた。このようにして、エレベータの製造は、とりわけスピードアップする。
【0042】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、プラットフォームは、エレベータ昇降路の延長部で最終機械室用に確保された空間の開口部を通して巻き上げ、その後、プラットフォームを下げて、可能的には支持用プラットフォームの支持ビームおよび/または支持手段(t)を用いて、建物の負荷支持構造物上に、好ましくは負荷支持構造物に含まれる頂面上に載置する。このようにして、構体は安全に、しかも恒久的に配置することができる。
【0043】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、プラットフォームは、最終機械室用に確保された空間の構造物により支持された巻上げ機(例えば巻上げ機9)によってエレベータ昇降路の延長部で最終機械室用に確保された空間の開口部を通して巻き上げる。こうして、上方への十分な巻上げが簡単に可能になる。これは、巻上げローピングが上述のタイプである場合に有利である。なぜなら、このようにして支持点を見つけることが容易であるからである。
【0044】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、上述の繊維の密度は4000kg/m3未満であり、強度は1500 N/m2を超え、より好ましくは、上述の繊維の密度は4000kg/m3未満であり、強度は2500 N/m2を超え、最も好ましくは、上述の繊維の密度は3000kg/m3未満であり、強度は3000 N/m2を超える。1つの利点は、先ず繊維自体が軽いことであり、第2には、丈夫なので多くを必要としないことである。
【0045】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、ジャンプリフト間のエレベータの設置作業は、支持用プラットフォームより上の可動作業台から行ない、支持装置は、作業台と一緒にその支持点の高さまで巻き上げ、支持装置はエレベータ昇降路内のその位置に垂直方向に支持し、支持用プラットフォームは、支持装置を支持している構造物から垂直支持力を取り込んで支持装置によって巻き上げる。こうして、支持装置が簡素になる。これは、上述のタイプの巻上げローピングに関して有利である。なぜなら、支持装置の構体はこの場合、容易に動かすことができるからである。
【0046】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、ガイドレールはガイドレール線を含み、それぞれのガイドレール線は上下に複数のガイドレール区間を含み、この複数のガイドレール区間のそれぞれは、1つ以上のガイドレールブラケットによって建物に支持され、上述の1つのガイドレールブラケットもしくは上述の2つ以上のガイドレールブラケットは、これによって固定されたガイドレール区間に上方へ向かう支持力を与えてこれによって固定されたガイドレール区間を支持するように配設され、この支持力の大きさは、好ましくは、ガイドレール区間の重量の少なくとも大部分であり、さらに好ましくはガイドレール区間の重量の全部、もしくはこれより大きくさえある。このようにして、エレベータの走行高さの延長は、非常に高くすることができる。
【0047】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、エレベータの走行高さは、ジャンプリフトによって250m以上、好ましくは400m以上、好ましくは500m以上まで構成される。
【0048】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、本方法/エレベータ装置では、エレベータは、ロープ掛設し/ロープ掛設しておき、釣合い重りとエレベータかごとをつなぐローピング(タイダウンローピング)を構成し、このローピングは、エレベータ昇降路の底部に固定された転向プーリの下を通り、また1本以上のロープを含み、各ロープの長手方向力伝達能力は、少なくとも実質的に、好ましくは全体的にロープの長手方向の非金属繊維(F、F’)に基づくものである。このタイプのロープの構造は、本願で提示/上述した、もしくは他の個所に記載したどのようなものでもよく、また構造が巻上げローピングと若干異なってもよい。上述の各ロープは、開放可能な取付け部を経てロープ供給収納部まで続き、ロープ収納部は、少なくとも1回、好ましくは複数回のジャンプリフトに1本の必要なロープを含んでいる。1つの利点は、かごの制動時に釣合い重りが急上昇できないことである。
【0049】
本発明による概念のさらに詳細な実施例によれば、ロープの幅対厚さ比は、少なくとも2以上、好ましくは少なくとも4、さらに好ましくは少なくとも5以上、またさらに好ましくは少なくとも6、さらにもっと好ましくは少なくとも7以上、さらに好ましくは8以上、すべてのうちで最も好ましくは10を超える。このようにして、高い力伝達能力が小さな曲げ半径で達成される。これは好ましくは、本願に記載の複合材料によって達成され、この材料は、その剛性が故に非常に有利なほど大きな幅対厚さ比を有している。
【0050】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、上述の伝動部もしくは複数の伝動部は、ロープの横断面の面積の40%を超え、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、さらに好ましくは65%以上をカバーしている。このようにして、ロープの横断面の大部分は、負荷支持部を構成することができる。これは、本願に記載する複合材によってとくに良好に実現することができる。
【0051】
本発明による概念のさらに詳細な実施例では、ポリママトリックスの弾性率は2 GPaを超え、最も好ましくは2.5 GPaを超え、さらに好ましくは2.5〜10 GPaの範囲内、すべてのうちで最も好ましくは2.5〜3.5 GPaの範囲内である。このようにして、マトリックスが強化繊維を実質的に支持する構造が達成される。1つの利点は、なかでも、耐用年数が長いことである。
【0052】
上述の本発明と平行して、第2の発明も開示する。第2の発明は次のような概念に基づく。すなわち、巻上げの際の支持用プラットフォームの垂直支持に、および/または上記プラットフォームの位置の支持にエレベータのガイドレールを使用し、この場合、本発明では、ガイドレール線に含まれるガイドレール区間を実質的にガイドレールブラケットで支持する。このようにして、ジャンプリフトの巻上げおよび/または支持は、ガイドレールによって簡単に形成することができる。なぜなら、本方式は、支持用プラットフォームを建物に直接支持する必要がないからである。しかし、同時に、走行高さを増して非常に高く到達させることができる。なぜなら、この方式では、ガイドレール線の自重はこれに支持されている装置類の重量とともに増加することがなく、したがってガイドレール線は、支持用プラットフォームを巻き上げる時点、および/またはガイドレール上のある位置に支持用プラットフォームを支持する際、曲線をなすことはないからである。この方式は単純で、建造物の高さ、とくにガイドレール線の高さとは無関係である。このようにして、従来技術に見られる問題を解消することができる。その問題とは、建物が高層の場合、建物から面倒な作業で支持用プラットフォームの支持点を取り込まなければならなかったことである。非常に高層の巻上げでは、ガイドレールに掛る負荷問題に注意しなければならない。なぜなら、高い走行高さの場合のジャンプリフトでは、最下部のガイドレール区間は、これより上のガイドレールとその上にあって支持されている支持用プラットフォームとの両方を支持していたからである。
【0053】
本発明による第2の概念のこの基本的実施例によれば、エレベータ製造の方法において、少なくとも次の手順、すなわち、
‐支持用可動プラットフォームおよびエレベータかごをエレベータ昇降路内に設置し、
‐ロープの設置を行なって、エレベータのロープを通して建設時巻上げローピングを構成し、巻上げローピングは、エレベータかごより上の位置に支持された支持用プラットフォームにあるエレベータかごを支持するように構成し、
‐エレベータかごを乗客のサービスおよび/または品物の輸送に使用し、
‐エレベータかごを上述の使用から外し、
‐支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内でより高く巻き上げることによりエレベータかごのサービス範囲を変えてエレベータ昇降路内でより高く到達させ、
‐エレベータかごを上述の使用に戻す手順を行ない、
さらに本法では、支持用プラットフォームを巻き上げる場合、エレベータのガイドレールから垂直支持力(支点反力)を取り込んでこれを巻き上げ、および/または支持用プラットフォームの巻上げ後、ガイドレールによりこれを垂直方向に係止して支持することによりこれをエレベータ昇降路内の位置に支持する。上述のガイドレールは1本のガイドレール線/複数本のガイドレール線を含み、これらのガイドレール線のそれぞれは上下に複数のガイドレール区間を含み、これら複数のガイドレール区間のそれぞれは、1つ以上のガイドレールブラケットで建物に支持され、上述の1つのガイドレールブラケット、もしくは上述の2つ以上のガイドレールブラケットは全体で、これにより固定されたガイドレール区間に上方へ向かう支持力を与えて、これにより固定されているガイドレール区間を支持するように配設されている。支持力の大きさは好ましくは、ガイドレール区間の重量の少なくとも大部分、より好ましくはガイドレール区間の重量の実質的に全部、もしくはこれより大きくさえある。
【0054】
本発明による第2の概念の基本的実施例によれば、エレベータ装置は、
‐エレベータ昇降路と、
‐エレベータかごと、
‐エレベータかご、および/または釣合い重りがある場合はそのガイドレールなどのガイドレールと、
‐エレベータかごをエレベータ昇降路内で支持して動かす巻上げローピングと、
‐巻上げロープを動かす巻上げ機と、
‐巻上げローピングを介してエレベータかごをエレベータ昇降路内で下で支持する支持用可動プラットフォームと、
‐支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内でより高く巻き上げる手段と、
‐支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内の位置に垂直に支持する手段とを含み、
本装置において、支持用プラットフォームを巻き上げる場合、エレベータのガイドレールから垂直支持力を取り込むように構成し、および/または支持用プラットフォームの巻上げ後、ガイドレールにより支持用プラットフォームを垂直方向に係止して支持することによりこれをエレベータ昇降路内の位置に支持するように構成する。上述のガイドレールはガイドレール線を含み、これらのガイドレール線のそれぞれは上下に複数のガイドレール区間を含み、複数のガイドレール区間のそれぞれは、1つ以上のガイドレールブラケットで建物に支持され、上述の1つのガイドレールブラケットもしくは上述の1つ以上のガイドレールブラケットは、これにより固定されたガイドレール区間に上方へ向いた支持力を与えて、これによって固定されたガイドレール区間を支持するように構成され、支持力の大きさは、好ましくはガイドレール区間の重量の少なくとも大部分、より好ましくはガイドレール区間の重量の全部、もしくはこれより大きくさえある。
【0055】
この第2の発明による方法および装置に関して、本願の他の箇所、例えば上述の実施例のそれぞれに、および/または請求項のそれぞれに記載した追加の構成要件/手順を用いることができる。とくに、軽量ロープの使用が有利であり、この場合、走行高さとはほとんど全く無関係になる。
【0056】
いくつかの発明の実施例を本願明細書および図面にも提示する。本願発明の内容は、後に記載の請求項とは異なるよう定義することもできる。とくに表現もしくは暗黙の副題に照らして、または達成する利点もしくは利点の範疇の観点から発明を考慮した場合、発明の内容は、いくつかの別個の発明からなることもある。このような場合、後の請求項に含まれる属性の一部は、別の発明概念の見地から不要なことがある。本発明のさまざまな実施例の構成要件は、他の実施例に関連して発明の基本概念の枠内で適用することができる。それぞれの実施例は、他の実施例とは分けて単独で別の発明を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
次に、添付図面を参照して、本発明をその実施例のいくつかの例を基に詳細に説明する。
図1】本発明によるエレベータ装置を図式的に示す図である。
図2】本発明の好ましい実施例によるロープ掛設を示す図である。
図3】本発明の第2の好ましい実施例によるロープ掛設を示す図である。
図4a】ないし
図4c】本発明によるエレベータ装置のローピングのロープに関する好ましい実施例のいくつかの別の好ましい横断面を示す図である。
図5図4a図4cの横断面の細部を拡大して図式的に示す図である。
図6】本発明によるエレベータ装置のローピングのロープの好ましい実施例を示す三次元図である。
【発明の詳細な説明】
【0058】
図1は、本発明によるエレベータ装置を示し、この装置は、エレベータの製造において本発明による方法の工程を行なうことによって達成される。同図は本方法の一工程における装置を示すが、この工程では、エレベータの建設期間中、エレベータ昇降路1の全長が完成しないうちに、一部完成したエレベータを使用する。エレベータかごは、支持用プラットフォームより上にあるエレベータ昇降路の上部を例えば作業台8から建設するのと同時期に、エレベータ昇降路1のすでに完成した下部において乗客に供する。これらの作業工程は好ましくは、少なくともガイドレールの設置を含む。本エレベータ装置は、エレベータ昇降路1内に支持用可動プラットフォーム4を有し、これは、その下のエレベータかご2を巻上げローピング3、3’を介して支持する。エレベータ装置は、支持用プラットフォーム4をエレベータ昇降路1内でその位置に垂直に支持する手段を有し、この手段は、支持用プラットフォーム4(これはエレベータ昇降路に、もしくはエレベータ昇降路内に設置された構体に支持されている)をその垂直方向の位置に支持する空間と、支持用プラットフォーム4をその垂直方向の位置に支持しない空間との間で動かすことができる。巻上げローピング3、3’は支持用プラットフォーム4によって支持されてエレベータ昇降路1内に懸吊され、巻上げローピングは好ましくは可動であり、エレベータかごを、好ましくは支持用プラットフォーム上にある駆動綱車6によって動かす。巻上げローピング3、3’は1本以上のロープ(R、R’、R’’、R’’’)を含み、その長手方向力伝達能力は、少なくとも実質的に、好ましくは全体的に、ロープの長手方向の非金属繊維Fに基づいている。本装置はまた、支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内で高く巻き上げる手段(21、22、30)を有している。本装置を完成するには、少なくとも本方法の以下の手順を行なう。支持用可動プラットフォーム4およびエレベータかご2をエレベータ昇降路1内に設置し、ロープの掛設を行なう。つまり、エレベータにロープ掛設して建設時用巻上げローピング(3、3’)を構成し、この巻上げローピングは、かごより上の位置に支持された支持用プラットフォーム上に位置するようにかごを支持する。上述のロープ掛設において、本発明に従ってエレベータにロープを通し、1本以上のロープ(R、R’、R’’、R’’’)を含む建設時用ローピング(3、3’)を構成する。その長手方向力伝達能力は、少なくとも実質的に、好ましくは全体的に、ロープの長手方向の非金属繊維Fに基づく。上述の非金属線Fは、好ましくは炭素繊維もしくはガラス繊維もしくはアラミド繊維であるが、ザイロン繊維(もしくは同等物)などのポリベンゾオキサゾール繊維、もしくはダイニーマ繊維(もしくは同等物)などのUHMWPE繊維でもよいであろう。ローピング(3、3’)のロープのさらに詳細な好適構造は、本出願の他の箇所にも、例えば図4図6の説明に関連して記載されている。本発明によれば、支持用プラットフォーム4の構造および支持体および巻上げ装置を簡素化することができる。なぜなら、提示したロープ構造は、ジャンプリフトの支持用プラットフォーム4に連結された構造物の大部分に対してあまたの波及効果を有するからである。同時に、形成すべきエレベータの最大高さはこのようにして増加する。支持用プラットフォームの巻上げ用に支持点を探すこと、とくに支持装置の支持点を支持用プラットフォーム4より上に配設することは、容易になる。これは、支持装置が巻上げの際に何らかの固定構造物から支持力を取り込む必要があるが、支持/巻上げ機能を軽量化することによって支持用プラットフォーム4の荷重を減らすことができる場合である。対応して支持用プラットフォーム4は、エレベータ昇降路内のその位置に以前より自由に係止することができる。巻上げに用いる上述の支持装置および/または支持用プラットフォームの支持点は、建物の剛性構造物および/またはエレベータのガイドレールのいずれかにすることもできる。図1に示す好ましい実施例において、支持点はエレベータのガイドレールであるが、所望の場合、これに代わってコンクリート壁、金属製のはりおよび/または乗り場階などの建物の頑丈な構造物を支持点として使用することができる。さもなければ、この場合における方法/装置は図1に示すようにすることができる。
【0059】
さらに詳しくは、本方法のロープの掛設において、エレベータ装置にロープを通して建設時巻上げローピング(3、3’)を構成するが、これは1本以上のロープを含み、開放可能な取付け部7を経てロープ供給収納部(11、11’)へ続く。ロープ供給収納部は、少なくとも1回以上のジャンプリフトに必要な1本のロープを有している。ロープを通した後、エレベータかご2は、乗客サービスおよび/または物品の輸送に使用するが、この使用において、エレベータかごは上述の巻上げローピングによって支持し、好ましくは動かしもする。この後、本方法では、エレベータ昇降路の上部を建設し、十分な準備段階に達すると、エレベータかごは上述の使用から外し、支持用プラットフォームをエレベータ昇降路内でより高い位置に巻き上げることによってエレベータかご2のサービス範囲を変更し、エレベータ昇降路1のより高い位置に到達させる。図1は、いわゆるジャンプリフトを開始できる状態の段階を示す。ジャンプリフトにおいて、本方法では、支持用プラットフォーム4は、好ましくはかごおよび/または釣合い重りのガイドレール(一部のみ破線で示す)などの支持用プラットフォームより上まで延在するエレベータのガイドレールGから垂直支持力を取り込んで巻き上げる。この場合、巻上げに必要な垂直支持力の好ましくは少なくとも大部分、好ましくは実質的にそのすべてを上述のガイドレールから取り込む。このことは非常に高い走行高さのエレベータにおいて以前は不可能であった。ここに示した方式によれば、ガイドレールに作用する大きな負荷を有利に小さく保つことができ、負荷を受けるガイドレールの曲がりが回避される。ジャンプリフトの場合、エレベータ昇降路内で支持用プラットフォームを高く移動させ、またロープ供給収納部(11、11’)からロープを巻上げローピング(3、3’)にさらに供給することによって、エレベータかごのサービス範囲をこのように変えて、エレベータ昇降路内でより高く到達させる。支持用プラットフォーム4の巻上げ後、支持用プラットフォーム4は、これを垂直方向に係止することによってエレベータ昇降路におけるその位置に支持され、これは好ましくは、図1の装置によれば、かごおよび/もしくは釣合い重りのガイドレールによって、ならびに/またはガイドレールブラケットによって、支持手段tでこれを固定(例えば、ガイドレールおよび/またはガイドレールブラケットへ)することによって、支持される。このような各ジャンプリフト後、エレベータかご2は上述の用途に戻して乗客のサービスに、および/または物品の輸送に供し、支持用プラットフォームより上にあるエレベータの構造物の建設を開始し、これは最終的には図1の状態で終了し、この場合、新たなジャンプリフトを再度行なうことができる。本方法では好ましくは、支持用プラットフォームを持ち上げる際、垂直支持力は支持用プラットフォームより上に延在するエレベータのガイドレールGから取り込むが、このガイドレールはかご2の両側にある。この場合、好ましくは、支持用プラットフォームを巻き上げる前に、第1の支持装置21は第1のガイドレール線のエレベータかご側のガイドレール区間の上端部で支持し、第2の支持装置22は第2のガイドレール線のエレベータかごの反対側のガイドレール区間の上端部で支持する。両上端部は実質的に支持用プラットフォームより上に延在している。支持装置は、相互の間に空間を残して互いに離れた支持構造物であることが好ましい。このようにして、設置用プラットフォーム8をその間に走行させることができる。巻上げにおいて、支持用プラットフォーム4は、ガイドレールGから巻上げに必要な垂直支持力を上述の支持装置21、22で取り込んで、1台以上の巻上げ機(同図における巻上げ機30)でエレベータ昇降路内において高くへ引き上げる。このようにして、本方式は簡易で軽量である。支持装置21、22は、大きな巻上げ機なしに、または作業用プラットフォーム8からの手作業すらなくして動かし、ガイドレール上の支持すべき位置に置くこともできる。本方法の1つの好ましい変形では、ガイドレールで支持されている支持装置21、22は、その支持点の高さまで作業台8と一緒に、例えばこれらを作業台8で支持して、作業台を動かすことによって巻き上げる。作業台8は作業台より上にある巻上げ機9で移動させる。ガイドレールで支持することは、建物の他の構造物から支持点を探す必要がないことを意味する。ローピングの構造によれば、その一部に関して、ガイドレール線はそれへの支持に耐えられるように構成されている。このようにして、いわゆる「上昇」設置方法が達成され、この方法の場合、エレベータかごの走行高さは、ジャンプリフトによって従来技術の方法よりもかなり高く、例えば500メートルを超えて上げることができる。エレベータかごのサービス高さは、本方法でジャンプリフトを複数回繰り返すことで増加し、各回ごとに支持用プラットフォーム4はエレベータ昇降路内でより高くまで移動し、各移動の後、エレベータかご2は乗客のサービスおよび/または物品の輸送に使用する。ジャンプリフトを複数回行なうと、追加の設置および/また改修を行なう。これによって建設時エレベータは、最終エレベータに転換される。本方法を終えると、建設時エレベータは、好ましくはエレベータかご2および釣合い重りCWを1:1の巻上げ比で支持するように巻上げローピングを構成することによって、最終エレベータに転換される。
【0060】
上述のガイドレールGはガイドレール線を形成し、ガイドレール線のそれぞれは、上下にあるガイドレール区間を含み、これら複数のガイドレール区間のそれぞれは、1つ以上のガイドレールブラケットbで建物に支持されている。上述の1つのガイドレールブラケットもしくは上述の2つ以上のガイドレールブラケットはともに、これで固定されたガイドレール区間に上方へ向かう支持力を与え、これで固定されたガイドレール区間を支持する。この支持力の大きさは、ガイドレール区間の重量の好ましくは少なくとも大部分、より好ましくは実質的にガイドレール区間の重量であり、もしくはこの重量より大きくさえある。したがって、ガイドレールブラケットbは、これによって固定されたガイドレール区間を垂直方向に、少なくとも部分的に、好ましくは全体を支持することができる。このようにして、ジャンプリフトの走行高さを増して、非常に高く到達させることができる。なぜなら、これによってガイドレール線の自重は、これで支持された装置の重量と合わせても、ガイドレール線を曲状に曲げるほど大きくはならないからである。ガイドレールブラケットは、これで固定されたガイドレール区間の横方向の動きを防ぎ、ガイドレール区間へ垂直方向に十分な力が与えられれば、その垂直な動きを可能とすることが好ましい。この支持は、好ましくはガイドレール区間をガイドレールクランプによりガイドレールブラケットの基部に適切な力で押し付けることによって、達成することができる。必要な場合、ガイドレール区間の支持に必要な支持力の一部は、当該ガイドレール区間より下のガイドレール区間から得ることができ、最終的には昇降路の基部からでさえも、場合によっては得ることができる。ガイドレールGの案内で動く各エレベータユニット(エレベータかごおよび/または場合によっては釣合い重り)はガイドシュー(図示せず)を有し、これはガイドレールGから横方向に支持を受ける。あるエレベータユニット、好ましくは少なくともエレベータかごは、ガイドレールを把持してその速度を減速させることができる安全装置も有している。
【0061】
図2は、図1の建設時エレベータに関する好ましいロープ掛設を示し、このロープ掛設によりエレベータかごは、建設期間中に動かすことができる。ロープ供給収納部11は支持用プラットフォーム4に関連している。本発明によるロープ構造のため、ロープ供給収納部11は、ガイドレール上に支持されることによってプラットフォーム4とともに依然として移動することができる。当然、これに代わって、またはこれに加えて、他の場所でも支持することができる。エレベータにはこの場合、ロープ掛設について記載の方法でロープを通す。すなわち、巻上げロープ3’はエレベータかごを1:1の巻上げ比で、また釣合い重りを2:1の巻上げ比で支持する。この場合、好ましくは、ローピング3は、エレベータかご2から駆動綱車6へ上昇し、下方へ走行して釣合い重りへ行き、これにある転向プーリ12を周回する。釣合い重りでは、ロープが通過し、支持用プラットフォームへ上昇して行く。駆動綱車の回転中心および転向プーリ12の回転中心は、示されているように、好ましくは平行であり、もしくは互いに対して小さな角度、好ましくは60度より小さい角度、さらに好ましくは45度より小さい角度をなし、ベルト型ロープ方式が可能である。
【0062】
図3は、図1の建設時エレベータに関する第2のロープ掛設を示し、このロープ掛設によりエレベータかごは建設期間中に動かすことができる。ロープ供給収納部11’はエレベータかご2と関連している。本発明によるロープ構造のため、ロープ供給収納部11’は、依然としてエレベータかご2とともに移動することができる。エレベータにはこの場合、ロープ掛設について記載の方法でロープを通す。すなわち、巻上げローピング3は、エレベータかごを1:1の巻上げ比で、また釣合い重りCWを1:1の巻上げ比で支持する。
【0063】
別な方法もあり、これは、上述のロープ掛設において巻上げローピングがエレベータかごを2:1の巻上げ比で、また釣合い重りを2:1の巻上げ比で支持するようにエレベータにロープを通すものである。この場合もまた、ロープ収納部は、前に記載したように、支持用プラットフォームに関連して、もしくは乗り場階に配設することができる。
【0064】
本発明による方式において、上述の非金属繊維は、炭素繊維、ガラス繊維もしくはアラミド繊維であることが最も好ましく、これらはすべて軽量繊維である。または、他の上述した繊維も使用することができる。これらの材料特性において、これらの繊維は、最も好ましくは、例えば合成繊維であって、その繊維(F、F’)の密度が4000kg/m3より低く、強度が1500 N/mm2を超え、より好ましくは上述の繊維(F、F’)の密度が4000kg/m3より低く、強度が2500 N/mm2を超え、最も好ましくは上述の繊維(F、F’)の密度が3000kg/m3より低く、強度が3000 N/mm2を超える種類のものである。1つの利点は、繊維が軽量であり、また長いので多くを使う必要がないことである。もろい材料の場合、上述の強度は破壊強度を意味し、他の材料の場合は降伏強度を意味することは、理解されるところである。
【0065】
図4a図5は、本発明の一実施例によるロープの構造を示す。伝動部の材料はこの場合、複合材であり、これは、上述の非金属繊維Fをポリママトリックス内に強化繊維として含んでいる。したがって、伝動部は軽量で、長手方向に剛性であるが、ベルト形状であれば、小さな曲げ半径で曲げることができる。とくに好ましくは、この繊維は、炭素繊維もしくはガラス繊維であり、これらの繊維の有利な特性は以下の表で見ることができる。これらは優れた強度特性および剛性特性を有し、同時に、エレベータでは重要な非常に高い温度での耐性がある。なぜなら、巻上げロープの熱耐性が劣ると、巻上げロープが損傷し、もしくは発火さえして、安全リスクになるからである。優れた熱伝導性も、なかでも摩擦熱の前方移動を助長し、したがってロープの各部における熱の蓄積が軽減する。とくに、炭素繊維の諸特性はエレベータ用途に有利である。
【0066】
【表1】
【0067】
図1図3のローピング3、3’の各ロープは、図4a図4cに示すもののいずれかによるものが好ましい。これらの図に示すように、本発明によるエレベータのロープR、R’、R’’は、最も好ましくはベルト形状である。その幅対厚さ比は、好ましくは少なくとも2以上、より好ましくは少なくとも4、さらに好ましくは少なくとも5以上、さらに好ましくは少なくとも6、これ以上に好ましくは少なくとも7以上、またさらに好ましくは少なくとも8以上、すべてのうちで最も好ましくは10を超えるものである。このようにして、ロープに対して広い断面積が達成され、その厚さ方向の長手方向軸を中心とする曲げ能力も、伝動部の剛性材料とあいまって良好である。加えて、好ましくは上述の伝動部5もしくは複数の伝動部5はともに、ロープの断面の幅の大部分を実質的にロープの全長にわたってカバーしている。好ましくは、伝動部5は、こうしてロープの断面の幅の60%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上、またさらに好ましくは75%以上、最も好ましくは80%以上、さらに最も好ましくは85%以上をカバーする。したがって、ロープのその横方向の寸法に対する力伝達能力が良好であり、ロープを厚く形成する必要がない。これは、上述の材料のいずれかで簡単に実現でき、その場合、ロープの厚さは、とりわけ寿命および曲げ剛性の観点からとくに有利である。ロープが複数の伝動部5からなる場合、上述の複数の伝動部2は、ロープの幅方向に平行で少なくとも実質的に同一平面にある複数の伝動部から形成される。したがって、これらの厚さ方向における曲げ抵抗は小さい。
【0068】
本発明によるエレベータのロープR、R’、R’’の伝動部5もしくは上述の複数の伝動部5は、十分に金属材料を含むことが好ましい。これによってロープは軽くなる。しかし伝動部は、必要ならば、長手方向伝動以外の目的、例えば状態モニタの目的であって、その総力伝達能力がロープの力伝達能力の本質的な部分を形成しないような個別の金属ワイヤを含むように形成することもできよう。ロープは、上述のタイプの、1つもしくは複数の伝動部5で構成することができ、その場合、この複数の伝動部5は、複数の平行な伝動部5から形成される。これは図4b図4cに示す。上述の伝動部5は、単体で、もしくは複数の伝動部5が全体で、ロープR、R’、R’’の横断断面の表面積の40%を超えて、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、またさらに好ましくは65%以上をカバーしている。このようにして、ロープの伝動部に対して大きな横断面積が達成され、力を伝達する有利な能力が達成される。上述の伝動部5の幅は厚さよりも広い。この場合、好ましくは、上述の伝動部5の幅対厚さ比は、少なくとも2以上、好ましくは少なくとも3以上、またさらに好ましくは4以上、またさらに好ましくは少なくとも5、すべてのうち最も好ましくは5を超えるようにする。このようにして、伝動部について広い断面積が達成され、その厚さ方向の長手方向軸を中心とする曲げ能力は、伝動部の剛性材料とあいまって良好になる。上述の伝動部5もしくは複数の伝動部5は、図4a図4cに示すようにコーティングpで囲繞され、このコーティングは、好ましくはポリマ、最も好ましくはポリウレタンである。または、1つの伝動部5は、それ自体の上にもロープを、ポリマ層p付で、もしくはこの層なしに形成することも可能であろう。伝動部の形成を容易にするため、また長手方向に一定の特性を達成するため、伝動部5の構造は、ロープの全長にわたって実質的に同じに連続させることが好ましい。同じ理由で、ロープの構造は、ロープの全長にわたって実質的に同一にすることが好ましい。上述の伝動部5は、その材料に関してさらに詳細に言うと、次の種類のものが好ましい。つまり、非金属複合材であり、これは、非金属強化繊維、好ましくは炭素繊維、ガラス繊維もしくはアラミド繊維を含み、さらに好ましくはポリママトリックスM内に炭素繊維もしくはガラス繊維を含むものであるが、他の上述の繊維も使用することができる。伝動部5はその繊維がロープの長手方向にあり、このためロープは、曲げられてもその構造を維持する。このように個々の繊維Fはロープの長手方向に配向している。この場合、繊維はロープが引張られると、その力で整列する。上述の強化繊維Fは、上述のポリママトリックスMで結合されて均一な伝動部になる。このように上述の伝動部5は、1つの中実長尺状棒体である。上述の強化繊維は、ロープに対して長手方向に長く連続した繊維であることが好ましく、各繊維は、ロープの全長にわたって続いていていることが好ましい。上述の伝動部の、好ましくはできる限り多くの繊維、最も好ましくは実質的にすべての繊維は、ロープに対して長手方向にあり、好ましくは実質的に互いに撚れ合わない。このようにして伝動部の構造は、その断面がロープの全長にわたってできる限り同じに連続させることができる。上述の強化繊維は、上述の伝動部内にできる限り均等に分散させて、伝動部がロープの横断方向にできる限り均質であるようにする。ロープの曲げ方向はロープの幅方向(同図における上下)を中心とする。図4a図4cに示すように、上述の各伝動部5はポリマ層pで囲繞するが、これは、好ましくはエラストマ、最も好ましくは好適にはポリウレタンなどの高摩擦エラストマであり、この層はロープの表面を形成する。提示した構造の1つの利点は、強化繊維を囲繞するマトリックスMが強化繊維の介在を実質的に不変に保つことである。これは、繊維に影響を及ぼす力の分布をそのわずかな弾性によって均等化し、繊維間接触およびロープの内部摩耗を減少させ、これによってロープの耐用年数が改善する。強化繊維はガラス繊維にすることができ、この場合、なかでも、優れた電気的絶縁および廉価が達成される。または、強化繊維は炭素繊維で構成することができ、これによって、なかでも、優れた引張り剛性および軽量構造と優れた熱特性が達成される。この場合にも、ロープの引張り剛性はわずかに低くなり、小径の駆動綱車を使用することができる。個々の繊維ができる限り均等に中に分布した複合マトリックスは、最も好ましくはエポキシ樹脂であり、これは、強化材する優れた接着性を有し、丈夫で、少なくともガラス繊維および炭素繊維に対して有利に機能する。または、例えばポリエステルもしくはビニルエステルを使うことができる。図5は伝動部5の好ましい内部構造を示す。伝動部5の表面構造の部分断面(ロープの長手方向から見た)を同図の円内に示すが、この断面によると、本出願の他の箇所にも示す伝動部の強化繊維の断面は、ポリママトリックス内にあることが好ましい。同図は、ポリママトリックスM内に実質的に均等に分散された強化繊維Fの様子を示し、マトリックスは、繊維を囲繞し繊維に固定されている。ポリママトリックスMは、個々の強化繊維Fの間の領域を満たし、マトリックスM内にある実質的にすべての強化繊維Fを1つの中実固体材料として互いに結合する。この場合、強化繊維F間の研磨モーメントと、強化繊維FおよびマトリックスMの間の研磨モーメントが実質的に防止される。個々の強化繊維FおよびマトリックスMとの間、好ましくはそのすべてに化学結合が存在するが、この1つの利点は、なかでも、構造の均一性である。化学結合を強化するため、強化繊維FおよびポリママトリックスMの間に実際の繊維のコーティング(図示せず)を施すことができるが、必ずしも必要でない。ポリママトリックスMは、本出願の他の箇所に記載の種類のものであり、したがってこれは、マトリックスの特性を微調整する添加物を基本ポリマへの追加物として含めることができる。ポリママトリックスMは、硬質非エラストマであることが好ましい。強化繊維をポリママトリックスに入れることは、ここでは、本発明において、例えば製造工程にてポリママトリックスの溶融材料に個々の強化繊維をまとめて埋め込むことによって、ポリママトリックスで繊維を互いに結合することを意味する。この場合、互いにポリママトリックスによって結合された個々の繊維の隙間は、このマトリックスのポリマを含んでいる。こうして本発明では、互いにロープの長手方向において結合された大量の強化繊維がポリママトリックス内に分布している。強化繊維は好ましくは、ポリママトリックス内に実質的に均等に分布して、ロープの断面の方向から見てできる限り均質になるようにする。換言すれば、これによって伝動部の断面の繊維密度は大きくは変わらない。強化繊維はマトリックスとともに一体の伝動部を形成し、ロープが曲がっても、その内側には研磨関連のモーメントが生じない。伝動部の個々の強化繊維は主としてポリママトリックスにより囲繞されているが、繊維間接触がところどころに発生する可能性がある。なぜなら、ポリママトリックスによる繊維の同時含浸の際、各繊維の相対的位置を制御するのは難しく、他方、ランダムな繊維間接触を完全になくすことは、本発明の機能の観点から全く必要ないからである。しかし、これらのランダムな発生を低減することが望ましい場合は、個々の強化繊維を相互に結合する前にすでに、個々の強化繊維をあらかじめコーティングしてポリマコーティングで囲繞されるようにしておく。本発明において、伝動部の個々の強化繊維は、これを囲繞するポリママトリックスの材料を含んでもよく、こうしてポリママトリックスが直接、強化繊維に接触するようする。または、例えば製造工程で強化繊維の表面に施してマトリックス材への化学接着を改善する下塗装などの薄いコーティングを間に配することもできる。個々の強化繊維を伝動部内に均一に分散させて、個々の強化繊維の隙間がマトリックスのポリマを含むようにする。好ましくは、伝動部内の個々の強化繊維の隙間の大部分、最も好ましくは実質的にその全部をマトリックスのポリマで満たす。伝動部のマトリックスは、その材料特性が硬質であることが最も好ましい。硬質マトリックスは強化繊維を支持するのに役立ち、とくにロープが曲がった場合、曲がったロープの強化繊維の座屈を防ぐ。なぜなら、硬質材料が繊維を支持するからである。したがって、ロープの曲げ半径を小さくするには、なかでも、ポリママトリックスが硬質であることが好ましく、したがって、エラストマ(エラストマの例:ゴム)以外のもの、または非常に弾性的に作用し、もしくは破壊するもの以外のものが好ましい。最も好ましい材料は、エポキシ樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂およびビニルエステルである。ポリママトリックスは、その弾性率(E)が2 GPaを超え、最も好ましくは2.5 GPaを超えるほどの硬質であることが好ましい。この場合、弾性率(E)は、好ましくは2.5〜10 GPaの範囲内、最も好ましくは2.5〜3.5 GPaの範囲内である。伝動部の断面の表面積の好ましくは50%を超える部分が上述の強化繊維であり、好ましくは50%〜80%が上述の強化繊維であり、より好ましくは55%〜70%が上述の強化繊維であり、残りの表面積の実質的にすべてがポリママトリックである。最も好ましくは、表面積の約60%が強化繊維であり、約40%がマトリックス材料(好ましくはエポキシ)である。このようにして、ロープの優れた長手方向強度が達成される。伝動部が非金属強化繊維を含む複合材であれば、上述の伝動部は均一な長尺状剛性体になる。なかでも、1つの利点は、その形状が曲状から直状に戻ることである。上述の強化繊維Fは、ロープに対して少なくとも実質的に長手方向に、好ましくはできる限り長手方向にあり、さらに実質的に互いに撚れ合わない。本発明のロープは、好ましくはベルト状であるが、その内部構造は他の断面形状のロープでも利用できるであろう。
【0069】
図6は、図1および/または図2および/または図3のローピング3もしくは3’に使用する第2の好ましいロープ構造を示す。この実施例に示すように、ロープR’’’は1つの伝動部5、詳しくは複数の伝動部5’(同図では中心ロープを囲む5本)を含み、ロープの長手方向に力を伝える。伝動部5’は、上述の非金属繊維のいずれか、好ましくはアラミド繊維F’で編んだ1本以上のストランドを含む。そこで伝動部5’は、それ自体が1本の編んだストランドでもよく、または複数本の編んだストランドで構成することもできる。その利点は軽量構造であり、これによってロープのしなやかな動きと、さまざまな方向への曲げが可能になる。伝動部5’は、実質的に全部が非金属材料である。ロープR’’’はその断面が円形である。伝動部5’は中心ロープを包み込み、中心ロープはワイヤもしくは編組体でよい。ロープR’’’は、円形断面としないで、他の対応するロープR’’’へ例えばゴム、ポリウレタンもしくは同様の材料で結合して、最終的に全体がベルト形状物になるようにすることもできよう。本実施例のロープR’’’も、好ましくは実質的に全部が非金属材料である。しかし、必要ならば、中心ロープは、提示した以外の材料で形成することができる。しかしこの場合も、ロープの長手方向力伝達能力は、少なくとも実質的にロープの長手方向の上述の非金属繊維F’に基づくものである。このロープの繊維も、ロープの長手方向に長く連続した繊維であることが好ましく、この繊維はロープの全長にわたって連続的であることが好ましい。
【0070】
本願において、ロープの長手方向繊維なる用語は、少なくとも実質的にロープの長手方向にある繊維を言う。この場合、ロープの長手方向の牽引が繊維の長手方向の牽引として繊維に伝達される。繊維は互いに実質的に撚り合わされなくても(例えば伝動部5の繊維F)、または互いに撚り合わされても(伝動部5’の繊維F’)よい。
【0071】
長手方向の力をロープで伝達することができ、この伝達能力は本発明では、少なくとも実質的にロープの長手方向繊維F、F’に基づいている。長手方向繊維は、ロープの長手方向の牽引から生じて繊維に影響を及ぼす長手方向の牽引に対して破損することなく耐え、こうしてある量の力をその長手方向に伝達する。
【0072】
これらの個々の繊維の長手方向力伝達能力は、まとまって少なくとも実質的に、もしくは全体としてさえ、ロープの長手方向力伝達能力を生成し、この力伝達能力によって、例えば負荷をロープによって支持することができる。
【0073】
本方法および装置では、示したように、ガイドレールで支持することによって巻上げを行なうが、本発明はまた、他のタイプの方式でも支持体の探索が容易になるので、巻上げの支持をエレベータ昇降路の壁から、および/または乗り場階その他から直接、取るような巻上げ装置にも適用できる。本方法および装置で達成されるエレベータは、好ましくは建物に恒久設置されるエレベータである。そのエレベータのエレベータかごは、好ましくは垂直方向に可動であり、また好ましくは、例えば高層タワーなどの建物の内部のエレベータ昇降路で、少なくともかご呼びおよび/または乗り場呼びに基づいて可動である。エレベータかごの内部空間は、最も好ましくは、一人の乗客もしくは多数の乗客の受け入れに適したものである。好ましくはエレベータは、少なくとも2つの階、好ましくは3つの階以上をサービスするものである。当業者に明らかなように、本発明は、実施例を用いて発明を説明した上述の実施例に限定されることはなく、本発明の多くの適用例およびさまざまな実施例は、以下の請求項に明記する発明概念の枠内で可能である。本発明によるローピングは、好ましくは上述のようにロープの長手方向力伝達能力が非金属繊維に基づくロープのみで構成しているが、ローピングは、必要ならば他のタイプのロープで構成できることは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6