特許第5969998号(P5969998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969998酸化環境において2000℃を超える高温で部品を使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969998
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】酸化環境において2000℃を超える高温で部品を使用する方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/58 20060101AFI20160804BHJP
   C04B 35/56 20060101ALI20160804BHJP
   C04B 41/87 20060101ALI20160804BHJP
   C04B 35/64 20060101ALI20160804BHJP
   C22C 29/14 20060101ALI20160804BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   C04B35/58 105A
   C04B35/56 F
   C04B41/87 M
   C04B35/64 E
   C22C29/14 C
   B22F1/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-542585(P2013-542585)
(86)(22)【出願日】2011年12月5日
(65)【公表番号】特表2014-505648(P2014-505648A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】FR2011052867
(87)【国際公開番号】WO2012076797
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2014年9月16日
(31)【優先権主張番号】1060361
(32)【優先日】2010年12月10日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512162432
【氏名又は名称】エラクレス
【氏名又は名称原語表記】HERAKLES
(73)【特許権者】
【識別番号】505045610
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ スィヤンティフィック(セーエヌエルエス)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE(CNRS)
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアニ,アンヌ−ソフィ
(72)【発明者】
【氏名】ルビヤ,フランシス
(72)【発明者】
【氏名】プロン,アジェリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】テボールト,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ソヴェロッシュ,アンヌ
【審査官】 佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−310867(JP,A)
【文献】 特開2010−248060(JP,A)
【文献】 特開2008−031039(JP,A)
【文献】 特開昭55−128560(JP,A)
【文献】 特開2001−261440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/58
B22F 1/00
C04B 35/56
C04B 35/64
C04B 41/87
C22C 29/14
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化環境において2000℃を超える高温で部品を使用する方法であって、
a)耐熱材料によって形成された耐熱部品、又は、少なくとも一部が炭素によって構成され、耐熱材料によって形成された保護コーティングを有する複合材料部品を提供するステップであって、
前記耐熱部品又は前記複合材料部品の前記保護コーティングを形成している前記耐熱材料は、酸化環境において高温に耐えることができ、
前記耐熱材料は、
ハフニウム若しくはハフニウムの非酸化化合物、又は、ハフニウムとハフニウムの非酸化化合物との混合物である第1成分と、
ボロン若しくはボロンの非酸化化合物、又は、ボロンとボロンの非酸化化合物との混合物である第2成分と、
レアアースRE若しくはレアアースREの非酸化化合物、又は、レアアースREとレアアースREの非酸化化合物との混合物である第3成分と、を少なくとも含み、
REは、スカンジウム、イットリム、及びランタノイドから選ばれ、
シリコン及びシリコン化合物のいずれも含んでいないことを特徴とし、
前記第3成分に対する前記第1成分の原子比(第1成分/第3成分)が0より大きく、かつ、25以下であり、
前記第3成分に対する前記第2成分の原子比(第2成分/第3成分)が0より大きく、かつ、60以下であり、
前記耐熱材料は、前記レアアースREの液相の酸化物の形成により自己修復の液相を形成するように構成されている、ステップと、
b)酸化環境において2000℃を超える高温で、前記耐熱部品又は前記複合材料部品を、前記レアアースREの液相の酸化物の形成により自己修復の液相が前記耐熱材料に形成されるように使用するステップと、を備えた、
方法。
【請求項2】
前記耐熱材料は、a)のステップにおいて、前記レアアースREのホウ化物を含み、かつ、a)のステップにおいて、少なくとも金属ハフニウム、ハフニウムの炭化物、ハフニウムの窒化物、又はハフニウムのホウ化物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記耐熱材料は、a)のステップにおいて、前記レアアースREの窒化物を含み、前記耐熱材料は、a)のステップにおいて、少なくとも一つのハフニウムのホウ化物及び少なくとも一つのハフニウムの非酸化化合物を含み、前記ハフニウムの非酸化化合物はハフニウムの窒化物又はハフニウムの炭化物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記耐熱材料は、a)のステップにおいて、ハフニウム及びレアアースREのホウ化物、又は、ハフニウムの炭化物及びレアアースREのホウ化物を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記耐熱材料は、a)のステップにおいて、ハフニウム及びレアアースのホウ化物DyB4(Dyはレアアースであるジスプロシウム)を含む、又は、前記耐熱材料は、a)のステップにおいて、ハフニウムの炭化物及びレアアースのホウ化物DyB4(Dyはレアアースであるジスプロシウム)を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記耐熱材料は、a)のステップにおいて、タンタル若しくはタンタルの非酸化化合物、ニオブ若しくはニオブの非酸化化合物、又はジルコニウム若しくはジルコニウムの非酸化化合物を少なくともさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
a)のステップにおいて、少なくとも一部が炭素によって構成され、前記耐熱材料によって形成された前記保護コーティングを有する前記複合材料部品が提供され、
前記複合材料部品は、熱構造複合材料製で、少なくともその内側表面に前記保護コーティングを有するロケットエンジンのコンポーネントを構成している、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化環境において、特に、空気、水蒸気の存在下、及び、より一般的に酸素又は酸素化合物を含む気相又は液相の存在下において、高温に耐えることができる材料を実現することに関する。
【0002】
本発明は、特に、酸化環境において高温に耐えることができる保護手段を構成するのに適した耐熱材料部品を実現することに関する。また、本発明は、少なくとも一部が炭素でできている熱構造複合材料を酸化環境において高温から保護する手段を提供することに関する。その熱構造複合材料は、一般的に炭素繊維である材料のように繊維強化をなす繊維と、一部又は全部が炭素で構成され得る材料等の密度を高めるマトリクスとを有し、又は炭素以外の材料をさらに有する。本発明は、より詳細に、しかし排他的にではなく、カーボンマトリクスによって密度が高められた炭素繊維強化材によって構成されている、カーボン/カーボン(C/C)の熱構造複合材料に関する。
【背景技術】
【0003】
熱構造複合材料は、構造部品を構成するのに適した機械的特性を有し、その機械的特性を高温において保つことができるという特徴がある。しかしながら、その構造複合材料が炭素を含んでいる場合、その複合材料は、空気中又は酸化環境において、400℃から酸化し、その機械的特性が部分的に失われるという重大な欠点を示す。
【0004】
2000℃以下の温度において、少なくとも一部がカーボン又はグラファイトでできた部品のための多数の酸化防止保護コーティングが現在存在している。以下の表は、研究中の最大使用温度に応じて用いられる保護コーティングの例を示す。
【0005】
【表1】
【0006】
しかしながら、上記の表で特定された温度を超える、ましてや2000℃を超える温度で、保護の有効性に害を及ぼすいくつかの現象が起こる可能性がある。酸素の拡散に対する保護の乏しさ、及び保護されるべきカーボンの基板と保護コーティングとの境界に沿った酸化につながるコーティングと基板との分離という、熱的及び機械的な不安定を示す酸化物の問題が特に言及される。
【0007】
このすべての制約を満足する単一の系はない。特に、ハフニウム二ホウ化物(HfB2)又は文献US5420084に記載されているようなジルコニウム二ホウ化物(ZrB2)のように、高温で熱構造複合材料(例えば、C/C)を保護するための多相の系が検討されている。これらは、特に以下の特性を有しているので、保護材料のための有力な候補であることが分かっている。
融点が約3200℃;
比重が小さい(6.09及び10.5);
硬度が高い;
電気伝導度及び熱伝導度が高い;
熱衝撃に対する抵抗が大きい;
高温において酸化に対する抵抗が良好である
【0008】
酸化雰囲気において、ZrB2及びHfB2は、2000℃より高い温度で多孔性の耐熱性酸化物と、液相のB23(融点約450℃)とを形成する。しかしながら、液相のB23は、温度が1800℃より高い場合、ほとんど完璧に蒸発する。形成されている液相の揮発をより少なくするために、耐熱性の酸化物の層の孔に流れ込むことがなお可能でありながら高温においてより安定している流体状のボロシリケートが得られるように、耐熱性の化合物SiC(Td=2730℃)がZrB2及びHfB2に加えられている。SiCをHfB2及びZrB2に加えることによって、その化合物の酸化により、高温に耐えることができ、SiO2によって構成されている粘性の液相でその表面が被覆されている、HfO2又はZrO2でできた多孔の耐熱性骨格が構成される。その粘性の液相は、酸化物の層を通じて酸素が拡散する量を減少させ、保護材料が酸化する速度を結果的に減少させるという特性を有する。
【0009】
シリカの融点は約1700℃であり、その沸点は2700℃である。2000℃より高い温度で、シリカは液体の形態である。多くの研究が、初期のSiO2の層の形成がとても速く起こること(擬似瞬間核生成)を示している。また、その酸化反応は、1モルのSiO2の1モルのSiCに対するモル体積の変化に関連して材料の体積の大幅な増加を引き起こす。さらに、その熱膨張係数は小さい。このため、複合材料の熱膨張係数よりもしばしばずっと大きい熱膨張係数を有する他の耐熱性の酸化物層に対する良好な熱的適合性を実現する。この体積の大幅な増加及びシリカにおける酸素の透過性が低いことが、酸素の拡散に対して効果的なバリアを構成するSiO2の保護特性の説明になる。これは、パッシブ酸化の具体例な例である。
【0010】
(Zr/Hf)B2とSiCとを混合することによって作られる様々な系のうち、体積で20%のSiCを備える系(すなわち、原子の比(Zr又はHf)/Si=2.7)は、炭素を含む複合材料との接合と酸化に対する抵抗とを良好に折衷している。複合材料とそのコーティングとの間の化学的及び熱機械的な適合性によって接合が高められている。SiCの低い熱膨張係数は、炭素のそれと近い。SiCを加えることにより、熱機械的な適合性を改善でき、マイクロクラックが生じるのを防ぐことができる。しかしながら、湿った又は乾燥した酸化雰囲気、及び/又は、高温において、シリカの蒸発及びこのパッシブな層の成長がかなり制限されることになる。このため、低圧において、パッシブ酸化からSiCのアクティブ酸化への変移を生じさせることができる。
【0011】
2000℃より高い温度において、このような系の効果的な保護が弱まる。これは、気体のSiOを生成し、少なくともHfO2又はZrO2を含む耐熱性の酸化物骨格において孔の形成を再開させる炭化シリコンのアクティブ酸化を原因とする。
【0012】
2000℃より高い温度で酸化環境において用いられる部品を保護する必要がある。
【0013】
このことは、特に、生成されノズルを通じて噴出された水蒸気及び二酸化炭素が湿った酸化環境をつくり出す、ロケットエンジンのコンポーネント又はターボジェット式の航空エンジンのコンポーネントに当てはまる。この保護の課題は大気に再突入する乗物の熱シールドにとっても生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、極めて低圧(≧1Pa)からより高い値(>30MPa)までの範囲にわたる圧力条件において、高温に耐えることができる、特に、2000℃以上の温度で酸化に耐えることができる耐熱材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、
ハフニウム若しくはハフニウムの非酸化化合物である、又は、少なくとも2つの金属の及び/又はこの化合物の混合物である第1成分と、
ボロン若しくはボロンの非酸化化合物である、又は、ボロンとボロンの非酸化物との混合物である第2成分と、
レアアースRE(REはイットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、及びランタノイドを含むレアアースを意味する)若しくはレアアースREの非酸化化合物(すなわち、レアアースの炭化物、レアアースのホウ化物、又はレアアースの窒化物)である、又は、レアアースREとレアアースREの非酸化化合物との混合物である第3成分と、を少なくとも含み、
シリコン及びシリコン化合物のいずれも含んでいないことを特徴とする材料によって達成される。
【0016】
上記の説明の通り、この様な材料は、B23が存在し、及び/又は、第3成分の液相の酸化物が形成される可能性があるので自己修復の液相を保つにもかかわらず、アクティブ酸化されていない第3成分によって、シリコンが有利に代替されている非酸化系を構成している。また、本発明の材料は、第3成分の酸化物が、ハフニウムの酸化物を含む複雑な保護酸化物層において、酸化物、特定の(又は中間の)化合物、固溶体、又は保護酸化物層の熱機械的な安定性を高めることができる表面構造(sur-structure)を形成するので、とても良好な耐熱特性を示す。
【0017】
本発明の第1側面において、前記材料は、金属ハフニウム、ハフニウムの炭化物、ハフニウムのホウ化物、ハフニウムの窒化物、又はさらにこれらの複数のエレメント及び/又はこれらの化合物の混合物とともに、第3成分のホウ化物を含む。
【0018】
本発明の第2側面において、前記材料は前記レアアースREの窒化物を含み、また前記材料は、ハフニウムのホウ化物及びハフニウムの非酸化化合物、又はさらにこれらの複数の化合物の混合物を含んでいる。このような状況において、ボロンは独立した形態で含まれていないが、それにもかかわらずボロンとハフニウムとの量を調整できる。2つの化合物の形態(そのうちの一つはホウ化物)でハフニウムを含めることによって、第1にハフニウムのホウ化物を用いてボロンの量を調整でき、第2に特には窒化物又は炭化物であり得る2番目の化合物を用いてハフニウムの量を調整できる。
【0019】
本発明の第3側面において、前記材料は、ハフニウム及びレアアースREのホウ化物、又は、ハフニウムの炭化物及びレアアースREのホウ化物を含む。特に、前記材料は、ハフニウム及びレアアースのホウ化物DyB4(ここで、Dyはランタノイド族のレアアースであるジスプロシウム)、又は、ハフニウムの炭化物及びレアアースのホウ化物DyB4(ここで、Dyはランタノイド族のレアアースであるジスプロシウム)を含んでいてもよい。
【0020】
本発明の特定の特徴によれば、追加的な安定液相を提供するために、タンタル若しくはタンタルの非酸化化合物、ニオブ若しくはニオブの非酸化化合物、ジルコニウム若しくはジルコニウムの非酸化化合物、又はさらには複数のこれらの金属及び/又は化合物の混合物がさらに上記の3つの成分に追加されていてもよい。
【0021】
本発明はまた、酸化環境において高温に耐えることができ、本発明の耐熱材料によって構成されていることを特徴とする耐熱部品を提供する。
【0022】
本発明はまた、少なくとも一部が炭素によって構成され、酸化環境において高温から保護する保護コーティングを有する熱構造複合材料の部品を提供する。その部品は、前記保護コーティングが本発明の少なくとも一つの耐熱材料によって構成されていることを特徴とする。この部品は、C/C複合材料製で、少なくともその内側表面に前記保護コーティングを有するロケットエンジンのコンポーネントを特に構成していてもよい。
【0023】
本発明はまた、酸化環境において高温に耐えることができる耐熱材料から部品を製造する方法を提供する。
その方法は、
ハフニウム若しくはハフニウムの非酸化化合物である、又は、少なくとも2つの金属及び/又はハフニウム及びハフニウムの非酸化化合物から選ばれる化合物の混合物である第1成分と、
ボロン若しくはボロンの非酸化化合物である、又は、ボロンとボロンの非酸化化合物との混合物である第2成分と、
レアアースRE若しくはレアアースREの非酸化化合物である、又は、レアアースREとレアアースREの非酸化化合物との混合物である第3成分を少なくとも備え、
シリコン又はシリコン化合物を含んでいない組成物を製造する工程と、
前記組成物を成形し、かつ、前記組成物の密度を高める工程と、
を備える。
【0024】
本発明はまた、酸化環境において高温に耐えることができる保護層を製造する方法を提供する。その層は、少なくとも一部が炭素によって構成された複合材料部品上に形成されている。
その方法は、
ハフニウム若しくはハフニウムの非酸化化合物である、又は、少なくとも2つの金属及び/又はハフニウム及びハフニウムの非酸化化合物から選ばれる化合物の混合物である第1成分と、
ボロン若しくはボロンの非酸化化合物である、又は、ボロンとボロンの非酸化化合物との混合物である第2成分と、
レアアースRE若しくはレアアースREの非酸化化合物である、又は、レアアースREとレアアースREの非酸化化合物との混合物である第3成分とを少なくとも備え、
シリコン又はシリコン化合物を含んでいない組成物を部品に塗る工程と、
前記組成物を成形し、かつ、前記組成物の密度を高める工程と、
を備える。
【0025】
本発明の第1側面において、前記組成物は、金属ハフニウム、ハフニウムの炭化物、ハフニウムのホウ化物、ハフニウムの窒化物、又はさらには複数のこれらの金属及び/又はこれらの化合物の混合物とともに、前記第3成分のホウ化物を含む。
【0026】
本発明の第2側面において、前記組成物は前記レアアースREの窒化物を含み、前記材料は、ハフニウムのホウ化物及びハフニウムの非酸化化合物、又は複数のこれらの化合物の混合物をさらに含んでいる。
【0027】
本発明の第3側面において、前記組成物は、ハフニウム及びレアアースREのホウ化物、又は、ハフニウムの炭化物及びレアアースREのホウ化物を含む。前記組成物は、特に、ハフニウム及びレアアースのホウ化物DyB4(ここで、Dyはレアアースであるジスプロシウム)、又は、ハフニウムの炭化物及びレアアースのホウ化物DyB4(ここで、Dyはレアアースであるジスプロシウム)を含んでいてもよい。
【0028】
上記の3つの成分に加えて、前記組成物は、タンタル又はタンタルの非酸化化合物、ニオブ又はニオブの非酸化化合物、ジルコニウム又はジルコニウムの非酸化化合物、又はさらには複数のこれらの金属及び/又は化合物の混合物を含んでいてもよい。
【0029】
本発明の特定の特徴によれば、耐熱材料部品及び熱構造複合材料(例えばC/C)製の部品のための保護コーティングを製造する方法において、前記組成物は、フラッシュ焼結、又は、放電プラズマ焼結(SPS)によって密度が高められている。
【0030】
本発明の他の特徴及び利点は、限定的でない例として示され、以下の図面を参照している本発明の具体的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A図1Aは、酸化環境において高温の熱流束に曝された後の、本発明の保護材料で覆われたC/Cコンポジットのペレットの平面図を示す写真
図1B図1Bは、酸化環境において高温の熱流束に曝された後の、本発明の保護材料で覆われたC/Cコンポジットのペレットの部分断面図を示す写真
図2A図2Aは、酸化環境において高温の熱流束に曝された後の、本発明の保護材料で覆われたC/Cコンポジットのペレットの平面図を示す写真
図2B図2Bは、酸化環境において高温の熱流束に曝された後の、本発明の保護材料で覆われたC/Cコンポジットのペレットの部分断面図を示す写真
図3図3は、酸化環境において高温の熱流束に曝された後の、本発明の材料でできたペレットの平面図を示す写真
図4図4は、酸化環境において高温の熱流束に曝された後の、本発明の材料でできたペレットの平面図を示す写真
図5図5は、酸化環境において高温の熱流束に曝された後の、本発明の材料でできたペレットの平面図を示す写真
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、使用時に酸化物の保護層を生成する構造系を形成することによって、上記で特定したように、酸化環境において2000℃より高い温度に耐えることに適した新規な耐熱材料を提案する。
【0033】
本発明の材料は、例えば、大気圏への再突入のための乗物の熱シールドのような条件で使用される耐熱性の部品を形成するのに用いられ得る。本発明の材料はまた、少なくともいくらかの炭素を含む熱構造複合材料部品、例えば、C/Cコンポジット部品のための保護コーティングとして用いられ得る。熱構造複合材料部品は、特に、ロケットエンジンノズルの噴出口又は特にターボジェット式の航空エンジンの部分のように、酸化環境において高温(>2000℃)に曝される。
【0034】
本発明の耐熱材料は、少なくとも3つの成分を含む。第1成分は、ハフニウム若しくはジルコニウム、ハフニウム及びジルコニウムのうちの一方の非酸化化合物、又はさらには2以上のそのような金属及び/又は化合物の混合物である。ジルコニウムは、好ましくは金属以外の形態で用いられる。なぜなら、金属の形態のジルコニウムは低い熱安定性を示すからである。第2成分は、ボロン若しくはボロンの非酸化化合物、又はさらにはこれらの混合物である。第3成分は、レアアースRE(ここで、略称REは、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、及びランタノイドを含むレアアースを意味する)、レアアースREの非酸化化合物(特に、レアアースの炭化物、レアアースのホウ化物、又はレアアースの窒化物)、又はさらにはレアアースREとレアアースREの非酸化化合物との混合物である。レアアースは好ましくは金属以外の形態で用いられる。なぜなら、金属の形態では、レアアースは低い熱安定性を示すからである。
【0035】
第1成分と第3成分との間の原子の比は、0よりずっと大きく、かつ、25以下であり(第1成分/第3成分>0かつ≦25)、一方、第2成分と第3成分との間の原子の比は、0よりずっと大きく、かつ、60以下である(第2成分/第3成分>0かつ≦60)。
【0036】
本発明の材料は、材料のアクティブ酸化を防止するため、シリコン、又は、例えばSiCのようなシリコン化合物を含んでいない。
【0037】
化合物の形態で含まれる場合、上記の3つの成分は、非酸化物の形態である。このため、本発明の保護耐熱材料は初期の非酸化物系を形成する。従って、高温の酸化環境で使用される前に、本発明の材料は既に形成されたいかなる酸化物も含まず、その酸化物は、その材料が使用されている間にのみ形成される。初期に形成された酸化物、すなわち、製造している間に材料に既に存在している酸化物は、一般的に、膨張係数が大きく、熱伝導度が低く、その結果、熱衝撃の影響を受けやすい。そのような酸化物をもともと含んでいる材料の使用中において、材料の温度上昇は酸化物に熱衝撃を発生させるだろう。これにより、材料中にクラックや剥片が生じ得る。本発明の材料によれば、そのような欠点を避けられる。なぜなら、酸化環境において材料を使用しながら、温度が上昇する間にのみその酸化物が形成されるからである。
【0038】
使用時に、すなわち、酸化環境において摂氏数百℃から2000℃を超えて広がり得る温度範囲で、上記の材料系の成分は、自身において又は他の成分との間で、部品又は本発明の材料によって構成された保護コーティングが機械的に無傷であること及び耐熱特性を保持することを可能にする保護酸化物を形成する。
【0039】
上述したとおり、ハフニウム又はジルコニウムが選択される。なぜなら、特にその酸化物の融点が高く(約3000℃)、かつ熱衝撃に対する抵抗が大きいので、本発明の材料によって形成される系にとって、これらはとても良好な基本成分であるからである。
【0040】
本発明の材料系にボロンを含むことは、ボロンの酸化物B23を、孔、及び、ハフニウムの酸化物(HfO2)又はジルコニウムの酸化物(ZrO2)の保護酸化物において生じうるクラックを封止するのに適した液体の形態に形成することを可能にする。
【0041】
本発明に従えば、シリコン及びシリコンのいかなる化合物も存在せず、それらが本発明の保護材料において第3成分によって有利に置き換えられている。第3成分は、上記の材料に対しとても良好な耐熱特性を付与し、かつ、確保するのに役立っている。なぜなら、この第3成分の酸化物は、ハフニウムの酸化物又はジルコニウムの酸化物を含む保護酸化物層において、酸化物、特定の(又は中間の)化合物、固溶体、又は保護酸化物層の熱機械的安定性を高めることができる表面を形成するからである。
【0042】
ジルコニウムとともに非酸化物の系を形成するのに適したレアアースの中で、特に、ランタン(La);ネオジム(Nd);サマリウム(Sm);ユーロピウム(Eu);ガドリニウム(Gd);エルビウム(Er);ジスプロシウム(Dy);ルテチウム(Lu);イッテルビウム(Yb);イットリウム(Y);ホルミウム(Ho);及びスカンジウム(Sc)に言及することができる。これらの成分の酸化物は、2000℃より高い融点を有する。これらは、2000℃より低い温度でB23とともに特定の化合物を形成できる。
【0043】
さらに、2000℃より高い温度で、La、Nd、Sm、Eu、及びYの成分の酸化物はZrO2とともに中間の化合物を示す。
【0044】
ハフニウムとともに非酸化物の系を形成するのに適したレアアースの中で、特に、ランタン(La);ネオジム(Nd);サマリウム(Sm);ユーロピウム(Eu);ガドリニウム(Gd);エルビウム(Er);ジスプロシウム(Dy);ルテチウム(Lu);イッテルビウム(Yb);イットリウム(Y);ホルミウム(Ho);及びツリウム(Tm)に言及することできる。これらの成分の酸化物は、2000℃より高い融点を有する。これらは、2000℃より低い温度でB23とともに特定の化合物を形成できる。さらに、2000℃より高い温度で、La、Nd、Sm、Eu、及びGdの成分の酸化物はHfO2とともに中間の化合物を示す。
【0045】
第3成分の酸化物は、固体又は液体の形態であり、かつ、B23とともに低温で特定の化合物を任意に有し得る。加えられた成分の酸化物とボロン酸化物との間に低温で特定の化合物が存在することにより、高温における液体状態のときにこれら2つの化合物の間で保たれる強い化学的親和力を生じさせ、B23相の蒸発を抑制できる。
【0046】
さらに、この系に追加的な安定液相を提供するために、タンタル若しくは例えばTaCのようなタンタルの非酸化化合物、さらにはニオブ若しくは例えばNbCのようなニオブの非酸化化合物、さらにはジルコニウム若しくジルコニウムが第1成分中にまだ存在していないときのジルコニア化合物、又はさらにはこれらの金属及び/又は化合物の混合物が上記の3つの成分に加えられていてもよい。酸化環境において高温での試験によって液体の酸化物Ta25が熱的にとても安定していることが示された。形成された少なくとも50%又はさらには70%のTa25は、黒体温度Tcn=2250℃において凝縮した状態のままである。表面における液相の形成は抑制されている。これにより、酸化物の層の耐熱特性を高められている。
【0047】
本発明の材料は、特に、少なくとも上記の3つの成分の粉体の混合物を含む組成物から製造されてもよい。説明のために、商業的に利用可能で本発明の材料の製造に用いるのに適した粉体の特徴が以下の表に示されている。
【0048】
【表2】
【0049】
粉体の混合物は、例えば、モールドの中で冷間圧縮成形(ペレッティング)によって成形した後、フラッシュ焼結又は放電プラズマ焼結(SPS)によって密度が高められている。フラッシュ焼結又はSPSは、成形された組成物の密度を高めるために用いてもよい従来のホットプレスと同じような方法である。「フラッシュ焼結」は、結晶の間にそれらを完全に溶かすことなく結合を形成することによって部品を固めるのに役立つ電流を流しながら圧力下で熱処理するものである。物質の拡散によって実現されるこの接合は密度の増加、すなわち、多孔性の減少、硬化、及び成形体への凝集力の付与を伴う。
【0050】
製造するべき部品の形状を有するように成形された組成物は、焼結中に一軸方向の圧力をかけることができる囲いに挿入される。このようなフラッシュ焼結を行うのに適した装置は、特に、供給元である住友電気工業によって販売されている。その装置は、サンプルに、2000℃までの任意の温度範囲で数十メガパスカル(150MPaまで)の圧力を加えつつ、(3.3ミリ秒(ms))の直流電流パルス(典型的は0〜10ボルト(V)、1キロアンペア(kA)〜5kA)にかけることができる。フラッシュ焼結は一般的に減圧下で行われるが、不活性雰囲気(窒素、アルゴン)で行うこともできる。
【0051】
言及したとおり、同一の焼結サイクルがフラッシュ焼結によって本発明の耐熱材料の様々な組成物の密度を高めるために用いられてもよく、最終の焼結温度だけは焼結されている成分の耐熱特性に応じて変更される必要がある。
【0052】
その焼結サイクルのために選ばれた温度パラメータは、例えば、600℃まで3分(min)で昇温させ、次に焼結温度まで100℃/minの速度で昇温させ、次に5分間温度を保持し、最後に600℃まで30分で降温させて加熱を止めるというものであってもよい。
【0053】
サイクルの間、残存している孔の大部分を閉じるため、かつ、焼結の後で材料の密度が不均一に高まっていることを避けるために、600℃への昇温の開始から100MPaの圧力が段階的にかけられる。従って、結晶間の接合が良好で全体的に高密度の材料を焼結の開始から得ることができる。
【0054】
制御された冷却は、材料の中にクラック及びマイクロクラックが存在することを防止もしつつ、熱残留応力源を緩和させ、かつその時点での相の構造を変化させることができる。以下の表は、本発明の材料の組成物に用いられる成分の一部について、焼結環境、融点の値、及び焼結温度の値の例を示している。
【0055】
【表3】
【0056】
使用されたモールド及びピストンはグラファイト製であり、これらは、いかなる接着をも避けるためのグラファイトのシートによって、固められた粉体の形態をしている組成物から分離される。
【0057】
熱構造複合材料(例えば、C/C)製の部品の周囲に保護コーティングを形成するためにフラッシュ焼結を用いる場合、C/Cコンポジットの部品は、焼結モールドの中で粉体(本発明の材料を構成する成分の混合物の粉体に相当する)の層の上に置かれ、その後フラッシュ焼結によって製造される部品の中で完全に中心に位置するように同一の粉体で覆われる。しかしながら、さらに望ましい場合、熱構造材料(例えば、C/C)製の部品の表面は、例えば、その表面の一部だけが保護される必要がある場合、一部だけが本発明の材料によって覆われているだろう。
【0058】
モノリシックな部品及び本発明に係る酸化環境において高温に耐えることができる耐熱材料の保護コーティングは、標準的な焼結、プラズマスプレー、又は物理蒸着法(PVD)によって製造されてもよい。
【0059】
以下の2つの表は、上述の作業条件及び上記の表において特定された焼結温度でのフラッシュ焼結によって密度が高められたいくつかの粉体の組成物から得られた材料におけるX線回折によって特定された、稠密度及び相の例を示す。
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
<試験>
本発明の耐熱材料の有効性を確かめるために、以下のサンプルを作製した。
【0063】
上述のフラッシュ焼結によって作製された、本発明に係る、酸化環境において高温に耐えることができる耐熱材料の保護コーティングを備えた、直径10ミリメートル(mm)、厚さ2mm、及び密度1.2グラム毎立法センチメートル(g/cm3)であるC/Cコンポジットペレット。このサンプルは最終的には、直径が15mm、厚みが5mm(試験1及び2)のペレットになった。
上述のフラッシュ焼結によって作製された、本発明に係る、酸化環境において高温に耐える耐熱材料の固体ペレット。このサンプルは、直径が50mm、厚みが5mmのペレットであった(試験3〜5)。
【0064】
このようにして作製されたサンプルを、太陽炉において周辺空気の中で酸化試験を順次行った。太陽炉の中で、サンプルは、最大温度が維持されている間に、15.5メガワット毎平方メートル(MW/m2)の太陽フラックスに3分間継続して曝された。
【0065】
<試験1>
以下の表並びに図1A及び図1Bの写真は、Hf+DyB4(2.7)材料(すなわち、Hf/Dyの原子比が2.7であるHfとDyB4との混合物)の保護コーティングを有するC/Cコンポジットのペレットを含むサンプルから得られた結果を示す。このサンプルは上述の条件で成形され、試験された。以下の表において、Tcn、Δm、Ec、及びEoはそれぞれ、露出面の黒体温度の値(a la valeur de la temperature corps noir d'exposition)、質量変化の方向、消費された材料の厚みの値、及びC/CコンポジットにおけるHf+DyB4材料の酸化層の厚みの値である。
【0066】
【表6】
【0067】
<試験2>
以下の表並びに図2A及び図2Bは、HfC+DyB4(2.7)材料(すなわち、Hf/Dyの原子比が2.7であるHfとDyB4との混合物)の保護コーティングを有するC/Cコンポジットのペレットを含むサンプルから得られた結果を示す。サンプルは、上述の条件で成形され、試験された。以下の表において、Tcn、Δm、Ec、及びEoはそれぞれ、露出面の黒体温度の値(a la valeur de la temperature corps noir d'exposition)、質量変化の方向、消費された材料の厚みの値、及びC/CコンポジットにおけるHfC+DyB4材料の酸化層の厚みの値である。
【0068】
【表7】
【0069】
双方の写真並びに試験1及び試験2における消費された材料の厚みに関する結果から分かるように、表面のコーティング(すなわち、太陽フラックスに曝されたサンプルの面)の減損が抑制されている。これにより、到達した最大温度(具体的には2800℃)で3分以上継続する露出に対する高温の酸化環境において、この材料で構成された保護層の強度及び信頼性が示されている。これらの試験はまた、そのコーティングによって優れた保護層が構成されていることを示している。なぜなら、C/Cコンポジットのサンプルは、サンプルが酸化環境において太陽フラックスに曝された後、損傷のない状態のままであったからである。
【0070】
酸化環境において高温に耐える性能に関し、試験1及び2の保護材料から全体が形成された類似のサンプルについて同一の結果を得ることができる。
【0071】
<試験3>
以下の表及び図3は、Hf+GdB6(2.7)材料(すなわち、Hf/Gdの原子比が2.7であるHfとGdB6との混合物)のモノリシックなペレットで構成されているサンプルについて得られた結果を示している。このサンプルは、上述の条件で成形され、試験された。以下の表において、Tcn、Δm、Ec、及びEoはそれぞれ、露出面の黒体温度の値(a la valeur de la temperature corps noir d'exposition)、質量変化の方向、消費された材料の厚みの値、及びHf+GdB6材料の酸化層の厚みの値である。
【0072】
【表8】
【0073】
<試験4>
以下の表及び図4は、HfC+GdB6(2.7)材料のモノリシックで構成されているサンプルについて得られた結果を示している。このサンプルは、上述の条件で成形され、試験された。以下の表において、Tcn、Δm、Ec、及びEoはそれぞれ、露出面の黒体温度の値(a la valeur de la temperature corps noir d'exposition)、質量変化の方向、消費された材料の厚みの値、及びHfC+GdB6材料の酸化層の厚みの値である。
【0074】
【表9】
【0075】
<試験5>
以下の表及び図5は、ZrC+GdB6(2.7)材料のモノリシックなペレットで構成されているサンプルについて得られた結果を示している。このサンプルは、上述の条件で成形され、試験された。以下の表において、Tcn、Δm、Ec、及びEoはそれぞれ、露出面の黒体温度の値(a la valeur de la temperature corps noir d'exposition)、質量変化の方向、消費された材料の厚みの値、及びZrC+GdB6材料の酸化層の厚みの値である。
【0076】
【表10】
【0077】
試験3〜5における消費された材料の厚みに関する結果から分かるように、表面コーティング(すなわち、太陽フラックスに曝されたサンプルの面)の減損は抑制されている。これにより、到達した最大温度(具体的には2050℃〜2150℃)で3分以上継続する露出に対する高温の酸化環境において、この材料で構成された保護層の強度及び信頼性が示されている。また、図3図5の写真において、これらのサンプルは構造的な損傷がない状態のままであったので試験に十分に耐えたことが分かる。
【0078】
超高温において、系の中にホウ化物の形態のガドリニウムを加えることにより、酸化された系の中に液相を形成できる。この液相は、2150℃以上の黒体温度において、又は、2300℃より高い実際の温度において、HfO2の多孔性の耐熱骨格の表面端において孔を封止できる。従って、このことが酸化物層を通じて酸素の拡散を抑制するのに役立ち得る。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5