特許第5970032号(P5970032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5970032
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】プライ材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/38 20060101AFI20160804BHJP
   B60C 19/08 20060101ALN20160804BHJP
【FI】
   B29D30/38
   !B60C19/08
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-160644(P2014-160644)
(22)【出願日】2014年8月6日
(65)【公開番号】特開2016-36947(P2016-36947A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2015年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】大西 慶
【審査官】 増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−133467(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/109169(WO,A1)
【文献】 特開2009−039996(JP,A)
【文献】 特開2009−045864(JP,A)
【文献】 特開昭57−084836(JP,A)
【文献】 特開2008−213364(JP,A)
【文献】 特開2000−127720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/38
B60C 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ用の未加硫のプライ材料に、電子線を照射して前記プライ材料を半加硫する電子線照射工程と、
前記電子線照射工程を終えた前記プライ材料の表面に、導電性を有する糸を付着させる導電性糸付着工程とを含むことを特徴とするプライ材料の製造方法。
【請求項2】
前記プライ材料は、その長手方向に沿ったカーカスコードの配列体と、前記カーカスコードの配列体を被覆するトッピングゴムとからなるカーカスプライである請求項1記載のプライ材料の製造方法。
【請求項3】
前記糸は、総繊度が100〜500dtexである請求項1又は2に記載のプライ材料の製造方法。
【請求項4】
前記導電性糸付着工程は、前記プライ材料の長手方向に、前記糸を連続的に付着させる請求項1乃至3のいずれかに記載のプライ材料の製造方法。
【請求項5】
前記電子線照射工程を終えた前記カーカスプライを、巻き取る巻取工程をさらに含み、
前記導電性糸付着工程は、前記電子線照射工程と、前記巻取工程との間で行われる請求項2乃至4のいずれかに記載のプライ材料の製造方法。
【請求項6】
前記電子線照射工程を終えた前記カーカスプライを、巻き取る巻取工程と、
巻き取られた前記カーカスプライを引出して、予め定められた長さに切断する切断工程とをさらに含み、
前記導電性糸付着工程は、前記切断に先立ち、前記カーカスプライを引き出しながら前記糸を付着させる請求項2乃至4のいずれかに記載のプライ材料の製造方法。
【請求項7】
前記糸は、前記プライ材料を識別するための識別糸である請求項1乃至6のいずれかに記載のプライ材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カーカスプライ等のタイヤ用のプライ材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車体への静電気の蓄積を抑制するために、電気抵抗が小さい空気入りタイヤが種々提案されている。例えば、下記特許文献1には、導電性を有する糸が縫い込まれたトレッドゴムを有する空気入りタイヤが提案されている。
【0003】
しかしながら、上記空気入りタイヤは、空気入りタイヤの内部構造材であるプライの電気抵抗を下げることは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−127720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、タイヤの電気抵抗を下げるのに役立つプライ材料の製造方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、タイヤ用の未加硫のプライ材料に、電子線を照射して前記プライ材料を半加硫する電子線照射工程と、前記電子線照射工程を終えた前記プライ材料の表面に、導電性を有する糸を付着させる導電性糸付着工程とを含むことを特徴とするプライ材料の製造方法である。
【0007】
本発明のプライ材料の製造方法において、前記プライ材料は、その長手方向に沿ったカーカスコードの配列体と、前記カーカスコードの配列体を被覆するトッピングゴムとからなるカーカスプライであるのが望ましい。
【0008】
本発明のプライ材料の製造方法において、前記糸は、総繊度が100〜500dtexであるのが望ましい。
【0009】
本発明のプライ材料の製造方法において、前記導電性糸付着工程は、前記プライ材料の長手方向に、前記糸を連続的に付着させるのが望ましい。
【0010】
本発明のプライ材料の製造方法において、前記電子線照射工程を終えた前記カーカスプライを、巻き取る巻取工程をさらに含み、前記導電性糸付着工程は、前記電子線照射工程と、前記巻取工程との間で行われるのが望ましい。
【0011】
本発明のプライ材料の製造方法において、前記電子線照射工程を終えた前記カーカスプライを、巻き取る巻取工程と、巻き取られた前記カーカスプライを引出して、予め定められた長さに切断する切断工程とをさらに含み、前記導電性糸付着工程は、前記切断に先立ち、前記カーカスプライを引き出しながら前記糸を付着させるのが望ましい。
【0012】
本発明のプライ材料の製造方法において、前記糸は、前記プライ材料を識別するための識別糸であるのが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のプライ材料の製造方法は、タイヤ用の未加硫のプライ材料に、電子線を照射してプライ材料を半加硫する電子線照射工程と、電子線照射工程を終えたプライ材料の表面に、導電性を有する糸を付着させる導電性糸付着工程とを含んでいる。
【0014】
上記電子線照射工程は、プライ材料に導電性の糸を付着させる前に行われるので、例えば、電子線が、導電性の糸を介して作業者や照射装置に悪影響を及ぼすことがない。
【0015】
また、導電性の糸は、電子線照射工程を終えた半加硫状態のプライ材料の表面に配される。即ち、プライ材料は、完全に未加硫の状態よりも表面硬度が増しているので、糸の付着時の変形や歪が抑制される。さらに、導電性の糸は、プライ材料に付着されるため、縫込み等に比して、容易にプライ材料と導電性の糸とを一体化することができ、生産性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態のプライ材料の製造ラインの側面図である。
図2】製造ライン中の導電性糸付着工程を説明する斜視図である。
図3】(a)は、プライ材料の平面図、(b)は、プライ材料から得られたプライ片が接続されたカーカスプライの平面図である。
図4】(a)は、円筒状のカーカスプライの斜視図であり、(b)は、(a)のカーカスプライから得られたカーカス基体である。
図5】導電性糸付着工程の他の実施形態を説明する斜視図である。
図6】切断工程の他の実施形態を示す製造ラインの側面図である。
図7】切断工程の他の実施形態を示す製造ラインの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のタイヤ用の未加硫のプライ材料1の製造ラインの一部を概念的に示す側面図である。プライ材料1とは、タイヤコードを配列したコード配列体の両側を未加硫のトッピングゴムで被覆したシート状のタイヤ材料である。
【0018】
プライ材料1としては、例えば、カーカスプライ、ベルトプライ、バンドプライ及び各種の補強プライなどが挙げられ、タイヤの内部に配置される。本実施形態では、プライ材料1が、カーカスプライ材料(以下、単に、カーカスプライ)であるが、他のプライであっても良いのは言うまでもない。
【0019】
本実施形態のプライ材料1は、タイヤの電気抵抗を小さくするために用いられる。このようなタイヤは、上で述べた様に、車体への静電気の蓄積を抑制することができる。
【0020】
図1に示されるように、本実施形態のプライ材料1の製造方法は、例えば、プライ材料成形工程S1、電子線照射工程S2、導電性糸付着工程S3、及び、巻取工程S4を順番に含んでいる。
【0021】
プライ材料成形工程S1では、未加硫かつ帯状のプライ材料1が連続的に成形される。本実施形態のプライ材料成形工程S1は、例えば、コード供給装置4と、その下流側に配されたトッピング装置5とが用いられる。
【0022】
コード供給装置4は、例えば、ボビンから引き出された複数本のカーカスコードを互いに平行に配列し(コード配列体)、これを連続的にトッピング装置5へと供給する。カーカスコードには、例えば、ナイロン、ポリエステル、レーヨン又はアラミドなどの有機繊維コードが採用される。
【0023】
トッピング装置5は、コード供給装置4から供給されたコード配列体の両側の面をトッピングゴムで被覆してプライ材料1を得る。トッピングゴムのポリマーとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等のジエン系ゴムが使用される。これらのポリマーは、例えば、2種以上が混合されて使用されても良い。トッピングゴムには、さらに、カーボンブラックなどの補強剤、硫黄などの加硫剤、さらには加硫促進剤、加硫促進助剤等の周知の添加剤が選択的に混合される。プライ材料成形工程S1で成形されたプライ材料1は、電子線照射工程S2へと送られる。
【0024】
電子線照射工程S2では、電子線照射機6が用いられる。成形されたプライ材料1は、電子線照射機6内へと供給される。電子線照射機6内では、プライ材料1の表面に電子線が照射される。これにより、プライ材料1が半加硫される。このため、プライ材料1は、硬質化し、その強度が高められる。このような電子線照射工程S2は、以後の各工程でのプライ材料1の取り扱い性を高める他、加硫時間の短縮に役立つ。
【0025】
好ましい態様では、電子線照射機6は、例えば、プライ材料1の長手方向に直列的に設けられた第1電子線照射部7及び第2電子線照射部8を有する。このような複数の照射部は、短時間で広範囲にプライ材料1を半加硫させることができる。
【0026】
電子線照射工程S2では、例えば、プライ材料1が停止した状態で電子線が照射される。このため、電子線照射機6には、プライ材料1が供給及び停止のサイクルを繰り返しながら断続的に搬入される。好ましい実施形態として、電子線照射機6とトッピング装置5との間には、例えば、プライ材料1を一時的に貯留する第1アキュムレータ9が設けられる。第1アキュムレータ9は、トッピング装置5からプライ材料1が連続して供給されている場合でも、一時的にプライ材料1を貯留し、電子線照射機6に断続的にプライ材料1を供給することができる。電子線が照射されたプライ材料1は、例えば、第2アキュムレータ10を介して、電子線照射機6の下流側の導電性糸付着工程S3へと送られる。
【0027】
図2には、導電性糸付着工程S3の拡大斜視図が示されている。図2に示されるように、導電性糸付着工程S3では、導電性糸付着装置16が用いられている。
【0028】
導電性糸付着装置16は、例えば、リール11から連続的に供給される導電性の糸3をガイドしながら、プライ材料1に付着させるガイド部材12と、このガイド部材12をプライ材料1の幅方向に移動可能に保持する支持具17とを有する。このように、本実施形態のプライ材料の製造方法では、電子線照射工程S2を終えたプライ材料1の表面に、導電性を有する糸3を付着させる導電性糸付着工程S3が行われる。
【0029】
糸3は、予めリール11に巻き取られており、本実施形態では、プライ材料1の幅方向に間隔をあけて複数個配置されている。糸3は、導電性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、カーボン粒子又はカーボン繊維を含むものが好適に用いられる。プライ材料1の電気抵抗を十分に下げるために、好ましくは、糸3の体積固有電気抵抗値は、106Ω・cm以下、より好ましくは105Ω・cm以下とされる。
【0030】
糸3の総繊度は、好ましくは100dtex以上、より好ましくは200dtex以上であり、好ましくは500dtex以下、より好ましくは400dtex以下である。糸3の総繊度が100dtex未満の場合、例えば、導電性糸付着工程S3での破断、又は、タイヤに組み入れられた後のタイヤの変形による破断等のおそれがある。糸3の総繊度が500dtexを超える場合、サイドウォール部等のタイヤ外面に糸に起因する凹凸部が生じ、タイヤの外観を悪化させるおそれがある。
【0031】
ガイド部材12は、例えば、その外周面で糸3をプライ材料1に押し付けるローラー状に形成されている。プライ材料1は半加硫されてはいるが、表面に粘着性を有している。従って、糸3は、プライ材料1の表面の粘着性によって、プライ材料1に付着することができる。ガイド部材の外周面(円周面)には、糸3のプライ幅方向の位置を安定させるための浅い溝13が設けられていることが望ましい。
【0032】
支持具17は、例えば、プライ幅方向に沿ってのびガイド部材12を回転自在に支持するロッド17aと、このロッドをプライ幅方向に移動させ得るアクチュエータ17bとを含んでいる。これにより、ガイド部材12は、プライ材料1の幅方向に自在に動くことができる。本実施形態では、一つの支持具17に、複数のガイド部材12が設けられている。これにより、複数のガイド部材12を一括して、プライ幅方向に移動させることができる。
【0033】
以上のような導電性糸付着装置16は、図2において上から下へ移動するプライ材料1に、ガイド部材12を用いて、プライ材料1の長手方向に沿って導電性の糸3を連続的に付着させることができる。基本的な態様では、糸3は、プライ材料1の長手方向に沿って直線状に配置される。他の態様では、連続供給されるプライ材料1に対して、支持具17によりガイド部材12をプライ幅方向に移動させることができる。この場合、糸3は、プライ材料1上に波状に屈曲させながら付着させることができる。いずれの態様においても、導電性糸付着装置16は、糸3をプライ材料1の表面に連続的に付着させることができる。
【0034】
望ましい態様として、糸3は、例えば、プライ材料1を識別するための識別糸として用いられても良い。プライ材料1の識別性を高めるために、糸3は、種類が異なるプライ材料毎に、例えば、色又は付着形状が異なることが望ましい。これにより、生タイヤを成形する際のプライ材料1の取り違え等が効果的に防止される。
【0035】
図1に示されるように、導電性糸付着工程S3で導電性の糸3が付着されたプライ材料1は、巻取工程S4へと送られる。巻取工程S4では、プライ材料1が導電性の糸3とともに、巻取リール20に巻き取られる。プライ材料1の巻取り時には、例えば、未加硫のトッピングゴム同士の付着を防止するためのシート21が、プライ材料1のいずれか一方の面に貼り付けられるのが望ましい。
【0036】
以上のような本実施形態のプライ材料の製造方法では、電子線照射工程S2がプライ材料1に導電性の糸3を付着させる前に行われるので、例えば、電子線が、導電性の糸3を介して作業者や照射装置に悪影響を及ぼすことがない。
【0037】
また、導電性の糸3は、電子線照射工程S2を終えた半加硫状態のプライ材料1、即ち、未加硫状態よりも表面硬度が増したプライ材料1に対して行われるので、糸3の付着時のプライ材料1の変形や歪が抑制される。さらに、導電性の糸3は、プライ材料1の粘着性を利用して付着させているため、縫込み等に比して、容易にプライ材料1と導電性の糸3とを一体化することができ、生産性に優れる。
【0038】
巻き取られたプライ材料1は、必要に応じて、巻取リール20から引き出され、タイヤ寸法に応じた長さを有するカーカスプライに成形される。図3(a)には、巻取リールから引き出されたプライ材料1の平面図が示されている。このプライ材料1は、所定の長さLのプライ片23へと切断される。各プライ片23は、非切断縁同士が互いにジョイントされ、図3(b)に示されるように、幅がL、長さがW×n(ただし、nは、プライ片の数)のラジアル構造のカーカスプライ25へと製造される。
【0039】
カーカスプライ25は、慣例に従い、円筒状の成形ドラムに巻き付けられ、かつ、その両側の端縁26、26がジョイントされる。図4(a)には、このようにして形成された円筒状のカーカスプライ25の斜視図が示されている。カーカスプライ25には、金属製(導電性)のビードコアが装着され、カーカスプライ25の両端部がその周りで折り返される。図4(b)には、このようにして形成されたカーカス基体30の斜視図が示されている。
【0040】
このようなカーカス基体30は、外周面に、導電性の糸3が間欠的ではあるが、円周方向に複数本配されているため、タイヤの電気抵抗を効果的に小さくすることができる。特に、図4(a)及び(b)に示されるように、ビードコア27と糸3とは、互いに接触しているのが望ましい。これにより、タイヤの電気抵抗がさらに小さくなり、車体に発生した静電気が効果的に路面に放出される。
【0041】
図5乃至図7には、それぞれ、本発明の他の実施形態を説明する図が示される。図5乃至図7において、前記実施形態と共通する構成には、同一の符号が付されており、ここでの説明は省略される。
【0042】
図5には、導電性糸付着装置の拡大斜視図が示されている。図5に示されるように、この実施形態での導電性糸付着工程S3では、複数のガイド部材12が設けられ、各ガイド部材12は、それぞれ、互いに独立してプライ幅方向に移動可能な支持具17に支持されている。従って、各ガイド部材12は、互いに独立してプライ材料1の幅方向に移動することができる。これにより、例えば、糸3を波状に付着させる場合、各ガイド部材12の振幅量がそれぞれ自由に制御され、付着される糸3の長さが自由に調整され得る。さらに、複数本の糸3を互いに交差させながらプライ材料1に付着させることができ、プライ材料1の電気抵抗をさらに低下させることもできる。
【0043】
図6には、さらに他の実施形態として、製造ラインの一部を概念的に示す側面図が示されている。図6に示されるように、この実施形態では、上述した巻取工程S4で巻き取られたプライ材料1を引き出して予め決められた長さに切断する切断工程S5が含まれている。また、導電性糸付着工程S3は、プライ材料1の切断に先立って、プライ材料1を引き出しながら糸3を付着させている。このような実施形態は、プライ材料1の表面硬度がさらに増しているため、糸3の付着時の変形や歪がさらに抑制される。
【0044】
図7には、さらに他の実施形態の製造ラインの一部を概念的に示す側面図が示されている。図7に示されるように、この実施形態では、導電性糸付着工程S3は、プライ材料1が、シート21から剥離されながら引き出された後、切断工程S5の直前で糸3をプライ材料1に付着している。巻取工程前に糸3をプライ材料1に付着させた場合、保管中の圧力によって、糸3がプライ材料1の表面に埋設されてしまうおそれがあるが、この実施形態では、そのような不具合が防止される。
【0045】
以上、本発明のプライ材料の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施しうる。
【符号の説明】
【0046】
1 プライ材料
3 導電性の糸
S2 電子線照射工程
S3 導電性糸付着工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7