(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記比較制御部は複数設けられ、上記複数の比較制御部は、それぞれ上記表示装置に表示される画像データの任意の領域についての巡回冗長検査を並列的に実行する請求項2記載の自動車。
上記比較制御部は、上記比較回路での比較結果に基づいて、上記表示装置にエラーメッセージの表示を行うとともに、上記表示装置の近傍に配置された警告灯を点灯させる請求項2記載の自動車。
上記表示出力制御部は、上記比較回路による比較結果に基づいて割込み制御信号をアサートする割込み制御回路を有し、上記割込み制御信号のアサートに基づいて、特定の上記プレーン制御部で取り込まれたエラーメッセージの画像を上記重ね合わせ制御部で重ね合わせて表示を行うと共に、上記表示装置の近傍に配置された警告灯を点灯させる、請求項2記載の自動車。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0016】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る表示制御装置(1)は、画像データを表示装置に表示制御するための表示出力制御部(100)と、上記表示出力制御部の動作を制御可能なCPU(10)とを含む。
【0017】
上記表示出力制御部(100)は、上記表示装置に表示される画像データの任意の領域についての巡回冗長検査を実行する比較制御部(106)を含む。上記比較制御部は、上記表示装置に表示される画像の任意の領域を巡回冗長検査対象領域として指定するための比較領域情報に基づいて画像データの領域選択を行う領域制御部(125)と、上記領域制御部によって選択された領域についての巡回冗長検査のための演算処理を行う演算処理部(122)と、上記演算処理部での演算処理の結果と、その期待値とを比較することでエラー検出を行う比較回路(123)とを含む。
【0018】
上記の構成によれば、上記表示装置に表示される画像の任意の領域を巡回冗長検査対象領域として指定するための比較領域情報に基づいて画像データの領域選択が行われることにより、選択された領域についての巡回冗長検査のための演算処理が行われる。このように巡回冗長検査対象領域についてのみ、巡回冗長検査によるエラー検出を行うようにしているので、巡回冗長検査のための演算処理結果の期待値は、巡回冗長検査対象領域(比較領域)の状態の分だけ用意すれば良い。このため、上記期待値のデータ量が膨大となるのを回避することができるので、巡回冗長検査を容易に実現できる。これにより、グラフィックスで描画するタイプのインストルメントパネルにおいて、データ表示が正常か否かを的確に確認することができるようになる。
【0019】
〔2〕上記〔1〕において、上記表示出力制御部は、それぞれ異なる画像データを取り込むための複数のプレーン制御部(108−1,108−2…,108−n)と、上記プレーン制御部によって取り込まれた画像データを重ね合わせることで、表示用画像データを形成する重ね合わせ制御部(105)とを更に含んで構成することができる。また上記比較制御部は、上記プレーン制御部の出力画像情報又は上記重ね合わせ制御部の出力画像情報を選択的に上記演算処理部に供給可能なセレクタ(121)を更に含んで構成することができる。これにより、上記プレーン制御部の出力画像情報又は上記重ね合わせ制御部の出力画像情報を選択的に上記演算処理部に供給することができる。
【0020】
〔3〕上記〔2〕において、上記比較制御部は複数設けられ、上記複数の比較制御部は、それぞれ上記表示装置に表示される画像データの任意の領域についての巡回冗長検査を並列的に実行するように構成することができる。これにより、複数領域についての巡回冗長検査を速やかに行うことができる。
【0021】
〔4〕上記〔2〕において、上記比較制御部は、上記比較回路での比較結果に基づいて、上記表示装置にエラーメッセージの表示を行うとともに、上記表示装置の近傍に配置された警告灯(31)を点灯させるように構成することができる。例えば何らかのエラーにより表示装置にエラーメッセージが示されなかった場合でも、警告灯が点灯することによって、ユーザは、現在の表示装置における表示が正しくないことを知ることができる。
【0022】
〔5〕上記〔2〕において、上記セレクタの制御情報を保持する選択情報レジスタ(127)と、上記選択情報レジスタ内の制御情報の更新情報を保持する選択更新情報レジスタ(137)と、上記比較領域情報を保持する比較領域情報レジスタ(128)と、上記比較領域情報レジスタ内の比較領域情報の更新情報を保持する比較領域更新情報レジスタ(138)とを設けることができる。さらに上記〔4〕において、上記演算処理部での演算処理結果の期待値を保持する期待値情報レジスタ(129)と、上記期待値情報レジスタ内の期待値の更新情報を保持する期待値更新情報レジスタ(139)とを設けることができる。上記表示装置の垂直同期信号に同期して、上記選択情報レジスタの保持情報が上記選択更新情報レジスタの保持情報によって更新され、上記表示装置の垂直同期信号に同期して、上記比較領域情報レジスタの保持情報が上記比較領域更新情報レジスタの保持情報によって更新される。上記表示装置の垂直同期信号に同期して、上記期待値情報レジスタの保持情報が期待値更新情報レジスタの保持情報によって更新される。
【0023】
〔6〕上記〔2〕において、上記比較制御部には、上記比較回路での比較結果に基づいて上記CPUに対して割込み要求を行うための割込み制御信号を形成する割込み制御回路(124)を設けることができる。上記割込み制御回路には、上記比較回路での比較結果に基づいてエラーとなったフレーム数を計数するためのカウンタ(181)と、上記カウンタでの計数値と所定の閾値とを比較するための比較器(182)とを設けることができる。上記比較器での比較結果に基づいて、上記割込み制御信号がアサートされる。
【0024】
〔7〕上記〔2〕において、上記比較制御部には、上記比較回路での比較結果に基づいて上記CPUに対して割込み要求を行うための割込み制御信号を形成する割込み制御回路(124)を設けることができる。上記割込み制御回路は、上記比較回路での比較結果に基づいてエラーとなったフレーム数を計数するための複数のカウンタ(181a,181b、181c)と、上記複数のカウンタを選択するためのカウンタ選択制御部(186)と、上記カウンタ選択制御部によって選択された上記カウンタでの計数値と所定の閾値とを比較するための比較器(182)とを含んで容易に構成できる。上記比較器での比較結果に基づいて、上記割込み制御信号がアサートされる。
【0025】
〔8〕上記〔2〕において、上記表示制御装置は、上記表示出力制御部から出力された画像データを外部出力するための第1バッファ(111)と、上記第1バッファを介して外部出力された画像データを再び上記表示制御装置内に取り込むための第2バッファ(112)とを設けることができる。上記表示出力制御部は、上記第1バッファの出力と上記第2バッファの出力とを選択的に上記比較制御部に伝達するためのセレクタ(113)を含んで容易に構成することができる。
【0026】
〔9〕本発明の代表的な実施の形態に係る別の表示制御装置(1)は、画像データを表示装置に表示制御するための表示出力制御部(100)と、上記表示出力制御部の動作を制御可能なCPU(10)と、上記表示出力制御部から出力された画像データを外部出力するための第1バッファ(111)と、上記第1バッファを介して外部出力された画像データを再び上記表示制御装置内に取り込むための第2バッファ(112)とを含む。上記表示出力制御部は、上記表示装置に表示される画像の任意の領域についてのエラー検出を行うループバック比較制御部(118)と、上記第1バッファの出力と上記第2バッファの出力とを選択的に上記ループバック比較制御部に伝達するためのセレクタ(117)とを含む。上記ループバック比較制御部は、上記表示装置に表示される画像の任意の領域を検査対象領域として指定するための領域更新情報に基づいて画像データの領域選択を行う領域制御部(155)と、上記領域制御部によって選択された領域について、上記第1バッファに入力される画像データと上記セレクタを介して伝達された画像データとをビット単位で比較することでエラー検出を行うビット比較処理部(151)とを含む。この場合、巡回冗長検査の演算処理は不要とされる。
【0027】
〔10〕上記〔9〕において、上記ビット比較処理部は、上記第1バッファに入力される画像データを遅延するための遅延回路(161,162)を設けることができる。そして、上記遅延回路の出力データと上記セレクタを介して伝達された画像データとが一致する場合には、エラーと判断されない。
【0028】
〔11〕本発明の代表的な実施の形態に係る別の表示制御装置(1)は、画像データを表示装置に表示制御するための表示出力制御部(100)と、上記表示出力制御部の動作を制御可能なCPU(10)と、上記表示出力制御部から出力された画像データを外部出力するための第1バッファ(111)と、上記第1バッファを介して外部出力された画像データを再び上記表示制御装置内に取り込むための第2バッファ(112)とを含む。上記表示出力制御部は、上記表示装置に表示される画像の任意の領域についての巡回冗長検査を実行する比較制御部(116)と、上記表示装置に表示される画像データの任意の領域についてのエラー検出を行うループバック比較制御部(118)と、上記第1バッファの出力と上記第2バッファの出力とを選択的に上記ループバック比較制御部に伝達するためのセレクタ(117)とを含む。上記比較制御部は、上記表示装置に表示される画像データの任意の領域を巡回冗長検査対象領域として指定するための比較領域情報に基づいて画像データの領域選択を行う第1領域制御部(125)と、上記第1領域制御部によって選択された領域についての巡回冗長検査のための演算処理を行う演算処理部(122)と、上記演算処理部での演算処理の結果と、その期待値とを比較することでエラー検出を行う比較回路(123)とを含む。上記ループバック比較制御部は、上記表示装置に表示される画像の任意の領域を検査対象領域として指定するための比較領域情報に基づいて画像データの領域選択を行う第2領域制御部(155)と、上記第2領域制御部によって選択された領域について、上記第1バッファの入力画像データと上記セレクタを介して伝達された画像データとをビット単位で比較することでエラー検出を行うビット比較処理部(151)とを含む。
【0029】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0030】
《実施の形態1》
図2には、本発明にかかる表示制御装置の構成例が示される。
【0031】
図2に示される表示制御装置1は、自動車のダッシュボードにおけるインストルメントパネルの表示制御を行うもので、特に制限されないが、CPU(中央処理装置)10、メモリI/F制御部12、グラフィック生成部14、割込み制御部15、ROMI/F制御部16、表示出力制御部100と、を含み、公知の半導体集積回路製造技術により単結晶シリコン基板などの一つの半導体基板に形成される。CPU10、メモリI/F制御部12、グラフィック生成部14、割込み制御部15、ROMI/F制御部16、表示出力制御部100は、CPUバス11を介して互いに信号のやり取りが可能に結合されている。CPU10は、所定のプログラムを実行することにより、この表示制御装置1全体の動作制御を行う。メモリI/F制御部12は、この表示制御装置1の外部に配置されたRAM(Random Access Memory)13のインタフェース制御を行う。RAM13は、各種情報の一時的な格納領域や、CPU10での演算処理における作業領域として利用される。グラフィック生成部14は、この表示制御装置1の外部に配置された表示装置30に表示されるグラフィックを生成する。特に制限されないが、表示装置30は、ダッシュボードに設けられた液晶ディスプレイとされる。割込み制御部15は、CPU10に対する割込み要求を所定の優先順位に従って調停する機能を有する。ROMI/F制御部16は、この表示制御装置1の外部に配置されたROM17のインタフェース制御を行う。ROM17には、CPU10で実行されるプログラムや各種データが格納されている。表示出力制御部100は、この表示制御装置1の外部に配置された表示装置30への画像データの出力制御を行う。
【0032】
表示出力制御部100は、バスI/F制御部101、重ね合わせ制御部105、比較制御部106、画質調整部107、プレーン1制御部108−1、プレーン2制御部108−2、プレーンn制御部108−n(nは正の整数を意味する)を含む。バスI/F制御部101、重ね合わせ制御部105、比較制御部106、プレーン1制御部108−1、プレーン2制御部108−2、プレーンn制御部108−nは、表示出力制御内部バス102を介して互いに信号のやり取り可能に結合される。バスI/F制御部101は、CPUバス11と表示出力制御内部バス102との間のインタフェース制御を行う。プレーン1制御部108−1、プレーン2制御部108−2、プレーンn制御部108−nは、それぞれROM17又はRAM13内の画像データを重ね合わせ制御部105に転送する機能を有する。特に制限されないが、プレーン1制御部108−1、プレーン2制御部108−2、プレーンn制御部108−nには、DMA(Direct Memory Access)コントローラを適用することができる。重ね合わせ制御部105は、プレーン1制御部108−1、プレーン2制御部108−2、プレーンn制御部108−nによって転送された画像データを重ね合わせる機能を有する。画質調整107は、重ね合わせ制御部105から出力された画像の画質の調整を行う。画質調整107で画質が調整された画像データは、表示のために表示装置30に伝達される。比較制御部106は、プレーン2制御部108−2、プレーンn制御部108−nの出力や、重ね合わせ制御部105の出力を取り込んで、画像データの任意の領域についての巡回冗長検査を実行する。この巡回冗長検査によりエラーが検出された場合には、CPU10に対して割り込み要求を行うための割込み制御信号103がアサートされる。
【0033】
図1には、上記比較制御部106の構成例が示される。
【0034】
比較制御部106は、セレクタ121、CRC演算処理部122、比較回路123、割込み制御回路124、領域制御部125、動作情報レジスタ126、重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127、比較領域情報レジスタ128、CRC期待値情報レジスタ129、割込み制御情報レジスタ130を含む。
【0035】
セレクタ121は、重ね合わせ制御部105からの重ね合わせ後画像情報、プレーン1制御部108−1からのプレーン1画像情報、プレーン2制御部108−2からのプレーン2画像情報、プレーンn制御部108−nからのプレーンn画像情報を選択的に後段のCRC演算処理部122に伝達する。このセレクタ121は、重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127に保持された情報に従って動作制御される。CRC演算処理部122は、セレクタ121を介して伝達された画像データについてのCRC演算処理を行う。CRC演算処理部122でのCRC演算処理は、領域制御部125によって選択された領域について行われる。領域制御部125は、比較領域情報に基づいて画像情報の領域制御を行う。この画像情報の領域制御では、比較領域に該当する画像情報がCRC演算処理部122に入力されるタイミングで、CRC演算処理部122に対するデータイネーブル信号が領域制御部125によってアサートされる。例えば、領域制御部125は、表示フレームの走査線数をカウントする第1カウンタと、水平ドットクロックをカウントする第2カウンタとを含み、上記第1カウンタのカウント値と上記第2カウンタのカウント値とに基づいて、セレクタ121の出力が比較領域に入っているか否かを判別し、セレクタ121の出力が比較領域に入っている場合にデータイネーブル信号をアサートする。CRC演算処理部122は、データイネーブル信号がアサートされたタイミングで、入力画像データのCRCを計算する。このような演算処理により、比較領域についてのCRCが得られる。また領域制御部125では、重ね合わせ制御部105から伝達された垂直同期信号135の立ち下がりタイミングが検出される。この垂直同期信号135の立ち下がりタイミングは、領域制御部125から比較回路123及び割込み制御回路124に伝達される。動作情報レジスタ126には、比較制御部106を動作させるかどうかを示す値が格納され、動作を示す値が格納された場合には、領域制御部125へ出力されるイネーブル信号がアサートされる。このイネーブル信号がアサートされることで、領域制御部125の動作が開始される。比較領域情報は比較領域情報レジスタ128に保持されている。比較領域情報レジスタ128に保持された比較領域情報には、比較領域を特定するための情報、例えば比較領域の開始位置X(131)、比較領域の開始位置Y(132)、比較領域のサイズX(133)、比較領域のサイズY(134)が含まれる。比較回路123は、CRC演算処理部122での演算処理結果と、その期待値(「CRC期待値」ともいう)とを比較することでエラー検出を行う。CRC演算処理部122での演算処理結果の期待値は、CRC期待値情報レジスタ129に保持されている。CRC演算結果は、後段の比較回路123へ伝達される。比較回路123は、垂直同期信号135の立ち下がりタイミングに同期して、CRC演算処理部122での演算処理結果とその期待値とを比較することでエラー検出を行う。CRC演算処理部122での演算処理結果の期待値は、CRC期待値情報レジスタ129に保持されている。CRC演算処理部122での演算処理結果とその期待値とが一致しない場合には、比較回路123から割込み制御回路124に対してエラー信号がアサートされる。割込み制御回路124は、上記比較回路123によってエラー信号がアサートされた場合、割込み制御情報によってCPU10への割込み要求が許容されていることを条件に、割込み制御信号をアサートする。動作情報レジスタ126、重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127、比較領域情報レジスタ128、CRC期待値情報レジスタ129、割込み制御情報レジスタ130は、レジスタリードライト制御情報を介して、CPU10により情報の読み出しや書き込みが行われる。
【0036】
図5には、上記表示制御装置1の主要動作の流れが示される。
【0037】
比較領域における画像はプレーンの組み合わせ等によって異なる。そのため、比較領域に該当する画像についてのCRC期待値が予め計算され、それが、ROM17内にテーブル化等により、比較する画像に関連付けられて格納されている。表示装置30に表示すべき画像はCPU10によって把握される。表示すべき画像データがROM17から読出されて画像出力制御部100に伝達される場合に、当該比較領域に対応する画像についてのCRC期待値がROM17内の上記テーブルから読出され、それがCRC期待値情報レジスタ129に書き込まれるものとする。
【0038】
また、重ね合わせ制御部105の出力画像、すなわち表示装置30に表示される画像全体をCRC演算処理の対象とすると、プレーン1,2,3,4の全ての変更の組み合わせについてCRC期待値を予め用意しなければならないから、CRC期待値のデータ量が膨大なものとなる。結果として、そのようなデータを格納するためのROM17の記憶容量を不所望に圧迫することになり、現実的ではない。そこでプレーン1,2,3,4をCRC対象領域として選択するのが望ましい。このような選択情報(CRC対象領域選択情報)も、ROM17に予め格納されるものとする。
【0039】
CPU10もしくはグラフィック生成部14により、表示データがRAM13内に作成される(S101)。そしてCPU10によって、プレーン1制御部108−1、プレーン2制御部108−2、プレーンn制御部108−n及び重ね合わせ制御部105に対して各種情報が設定されることで、表示装置30への画像表示が開始される(S102)。表示装置30への画像表示は、例えば
図3に示されるように行われる。この画像表示例では、プレーン1はスピードメーターの文字盤、プレーン2はスピードメーターの指針、プレーン3は方向指示器モニタと自動変速機の状態、プレーン3は走行メーターとされ、それらが重ね合わせ処理部105で重ね合わされたものとされる。
【0040】
CPU10は、上記ROM17内のCRC対象領域選択情報を参照して、比較画像がプレーンか否かの判別を行う(S103)。この判別において比較画像がプレーンである(YES)と判断した場合、CPU10は、比較制御部106における重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127に、該当するプレーン番号を設定する(S105)。また、比較画像がプレーンではない(NO)と判断した場合、CPU10は、比較制御部106における重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127に、重ね合わせ後画像を選択するための情報を設定する(S104)。さらにCPU10は、ROM17内の設定情報に従って比較制御部106内の設定を行う(S106)。例えば比較領域情報レジスタ128に比較領域情報が設定され、当該比較領域に対応するCRC期待値が上記ROM17内のテーブル参照によって得られ、それがCRC期待値情報レジスタ129に設定される。また、割込み制御情報レジスタ130に割込み制御情報が設定される。その後、CPU10は、動作情報レジスタ126に動作情報(領域制御部125のイネーブル信号)を設定する(S107)。この動作情報の設定により比較制御部106での比較制御が開始される。すなわち、重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報に基づいてセレクタ121によって選択された情報がCRC演算処理部122に伝達され、比較領域情報に基づいて選択された比較領域についてのCRC演算処理が行われる。比較回路123において、上記CRC演算処理結果と、CRC期待値情報レジスタ129内の期待値との比較が行われる。この比較回路123での比較において、上記CRC演算処理とその期待値とが一致しない場合には、CPU10に対するCRC不一致割込み要求のため、割込み制御回路124によって割り込み制御信号がアサートされる。
【0041】
CPU10では、割込みが発生したか否かの判別が行われる(S108)。割込み制御回路124によって割り込み制御信号がアサートされることでCRC不一致割込み要求がなされ、対応する割込み処理がCPU10で実行される。この割込み処理により、割込み制御情報レジスタ130への情報設定が行われて割込みが解除され(S110)、表示が正しくないことを示すエラーメッセージの表示データが作成され、当該表示データが、重ね合わせ制御部105を介して表示装置30に表示される(S111)。この表示により、表示装置30の表示内容が正しくないことをドライバに知らせることができる。一定時間経過後、CPU10によって復帰が試みられ(S112)、復帰された場合には、上記ステップS101の処理に戻される。復帰されない場合は、上記ステップS111での表示状態が継続される。
【0042】
また、上記ステップS108の判別において、表示装置30の垂直同期信号による割込みが発生した場合には、CPU10によって、例えば車速や走行距離などの変更に伴い、表示装置30での表示画像を更新する必要があるか否かの判別が行われる(S109)。この判別において、表示装置30の表示画像を更新する必要があると判断された場合には、上記ステップS101の処理に戻されることで、表示装置30での表示内容の更新のための処理(S101)、及び比較制御部106の設定内容の更新が行われる。
【0043】
ここで、表示制御装置1内での誤動作をチェックする観点では、表示制御装置1の出力段のデータを用いて巡回冗長検査を行うのが望ましい。そこで、例えば
図4(A)のような重ね合わせ後画像の一部に対して比較領域を設定することが考えられる。しかしながら、オプションによりプレーン1の背景がユーザによって変更可能とされる場合には、
図4(A)のような重ね合わせ後画像に対する比較領域設定では、プレーン1の背景の変更に対応してCRC期待値の数も増えてしまう。CRC期待値の数を減らすには、
図4(A)のような重ね合わせ後画像に対して比較領域を設定するのではなく、例えば
図4(B)に示されるようにプレーンに対して比較領域を設定するのが望ましい。
図4(B)に示される例では、プレーン3に対して比較領域の設定が行われており、そこにはプレーン1が含まれていないため、オプションによりプレーン1の背景がユーザによって変更可能とされる場合においても、CRC期待値の数には影響しない。
【0044】
このように本例では、CRC演算対象とされる比較領域の設定情報や、その比較領域に対応するCRC期待値情報がROM13に予め格納されており、このROM13内の比較領域情報に従って比較領域情報レジスタ128に設定された比較領域についてCRC演算処理が行われ、その演算結果がCRC期待値と比較されるようになっているので、ROM13内のCRC期待値のデータ量は、CRC演算対象とされる比較領域の状態の分だけ用意すれば良い。これにより、ROM13内のCRC期待値のデータ量は、表示装置30の表示画像全体をCRC演算対象とする場合に比べて大幅に少なくなるので、表示制御装置1における巡回冗長検査を容易に実現できる。これにより、グラフィックスで描画するタイプのインストルメントパネルにおいて、データ表示が正常か否かを的確に確認することができるようになる。
【0045】
上記の例では、CRC演算処理部122での演算処理の期待値(CRC期待値)は、予め計算されて、ROM17等に格納されているものとしたが、CRC期待値生成回路を設け、
図5におけるステップS101での処理として、上記CRC期待値生成回路によるCRC期待値の計算を加えることができる。また、CRC期待値はCPU10により計算しても良いただし、その場合には、算出されたCRC期待値が正しいか否かの確認が困難になるので、CRCが得られるテスト画像を用いてCRC期待値生成回路が正常に動作するか否かや、複数回のCRC計算値生成により同じCRC期待値が得られるか否かの確認を行うようにすると良い。
【0046】
《実施の形態2》
図6には、上記表示制御装置1の別の構成例が示される。
【0047】
図6に示される表示制御装置1が、
図2に示されるのと大きく相違するのは、106a〜106nで示されるように比較制御部が複数設けられていることで複数の領域についての巡回冗長検査を同時に実行可能にされている点、及び警告灯の一例であるLED(Light-emitting diode;発光ダイオード)31が設けられている点である。また、本例では、比較制御部106a〜106nの何れかでCRCエラーが検出された場合に、プレーンn制御部108−nにおいて、予め設定されていたエラーメッセージの画像が重ね合わせ制御部105に伝達されるようになっている。LED31は、特に制限されないが、
図7に示されるように、表示装置30の近傍に配置される。
【0048】
本例では、複数の比較制御部106a〜106nが設けられているため、例えば比較制御部106aではプレーン1についてのCRCエラー検出を行い、比較制御部106bではプレーン2についてのCRCエラー検出を行い、比較制御部106cではプレーン3についてのCRCエラー検出を行い、比較制御部106nではプレーンnについてのCRCエラー検出を行うことができる。これにより複数の領域についての巡回冗長検査を同時に実行することができる。
【0049】
また、比較制御部106a〜106nの何れかでCRCエラーが検出され、割込み制御信号がアサートされた場合に、プレーンn制御部108−nにおいて、予め設定されていたエラーメッセージの画像が重ね合わせ制御部105に伝達されることにより、例えば
図7に示されるように、「表示が正しくありません!」などのエラーメッセージ701がプレーン1の背景に重畳される。
【0050】
さらに、比較制御部106a〜106nの何れかでCRCエラーが検出され、割込み制御信号がアサートされた場合にはLED31が点灯されるため、ユーザは、現在の表示装置30における表示が正しくないことを的確に認識することができる。例えば何らかのエラーにより表示装置30にエラーメッセージ701が示されなかった場合でも、LED31が点灯することによって、ユーザは、現在の表示装置30における表示が正しくないことを知ることができる。
【0051】
《実施の形態3》
図8には、上記比較制御部106の別の構成例が示される。
【0052】
図8に示される比較制御部106が、
図1に示されるのと大きく相違するのは、各種情報レジスタが2重化されている点である。すなわち、重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127、比較領域情報レジスタ128、CRC期待値情報レジスタ129、割込み制御情報レジスタ130に対応して、重ね合わせ後画像及びプレーン選択更新情報レジスタ137、比較領域更新情報レジスタ138、CRC期待値更新情報レジスタ139、割込み制御更新情報レジスタ140が設けられている。2重化された各種情報レジスタは、CPU10からのレジスタリードライト制御情報によって、情報の読み出しや書き込みが行われる。
【0053】
図9には、
図8に示される構成における主要部の動作タイミング示される。
【0054】
図9において、更新情報レジスタとは、重ね合わせ後画像及びプレーン選択更新情報レジスタ137、比較領域更新情報レジスタ138、CRC期待値更新情報レジスタ139、割込み制御更新情報レジスタ140の各レジスタを意味する。また、情報レジスタとは、重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127、比較領域情報レジスタ128、CRC期待値情報レジスタ129、割込み制御情報レジスタ130の各レジスタを意味する。本例では、重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127、比較領域情報レジスタ128、CRC期待値情報レジスタ129、割込み制御情報レジスタ130における更新情報が、対応する重ね合わせ後画像及びプレーン選択更新情報レジスタ137、比較領域更新情報レジスタ138、CRC期待値更新情報レジスタ139、割込み制御更新情報レジスタ140に保持される。そして、重ね合わせ後画像及びプレーン選択更新情報レジスタ137、比較領域更新情報レジスタ138、CRC期待値更新情報レジスタ139、割込み制御更新情報レジスタ140の保持情報が、表示装置30の垂直同期信号に同期して、それぞれ対応する情報レジスタ、すなわち重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127、比較領域情報レジスタ128、CRC期待値情報レジスタ129、割込み制御情報レジスタ130に転送される。これにより、重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127、比較領域情報レジスタ128、CRC期待値情報レジスタ129、割込み制御情報レジスタ130の保持情報が、表示装置30の垂直同期信号に同期して速やかに更新される。そしてこの更新情報に従って、所定のタイミングでエラー検出のための比較が行われ、エラーが検出された場合に割込み制御信号がアサートされる。
【0055】
このように本例では、各種情報レジスタが2重化されることにより、表示装置30に表示される画像の更新毎やフレーム単位に、重ね合わせ後画像及びプレーン選択情報レジスタ127、比較領域情報レジスタ128、CRC期待値情報レジスタ129、割込み制御情報レジスタ130に対して、適切な情報を速やかに設定することができる。例えば、垂直同期信号に同期してフレーム単位に異なる領域に対して、比較を行うことが可能になり、
図6のように複数の比較制御部106を持たなくても、同時には比較できないが複数の領域の比較が可能となる。
【0056】
《実施の形態4》
図10には、上記割込み制御回路124及び上記割込み制御情報レジスタ130の構成例が示される。
【0057】
割込み制御回路124は、カウンタ181、比較器182、アンドゲート183、オアゲート184、アンドゲート185を含む。カウンタ181は、比較回路123(
図1,8参照)からの比較結果信号がアサートされた場合にアップカウントする。比較回路123からの比較結果信号が論理反転されてからアンドゲート183に伝達され、領域制御部125(
図1,8参照)からの比較タイミング信号とのアンド論理が得られ、このアンドゲート183の出力がオアゲート184を介してカウンタ181のクリア端子に伝達されるようになっている。これにより、比較回路123からの比較結果信号がネゲートされた場合にカウンタ181がクリアされる。比較器182は、カウンタ181のカウント値と、後述する割込みスレッショルド情報とを比較する。この比較結果は、後段のアンドゲート185に伝達される。アンドゲート185は、上記比較器182の出力と、後述する割込みイネーブル情報とのアンド論理を得る。このアンドゲートの出力が割込み制御信号として割込み制御部15(
図2,6参照)に伝達される。
【0058】
割込み制御情報レジスタ130は、クリア情報レジスタ191、割込みスレッショルド情報レジスタ194、割込みステータス情報レジスタ195、割込みイネーブル情報レジスタ196を含む。クリア情報レジスタ191の保持情報はオアゲート184を介してカウンタ181のクリア端子に伝達される。割込みスレッショルド情報レジスタの保持情報は比較器182に伝達される。割込みステータス情報レジスタ195の保持情報は、上記比較器182の出力に基づいて形成される。また割込みステータス情報レジスタ195の保持情報は、割込みステータスクリア信号192としてクリア情報レジスタ191に伝達される。割込みイネーブル情報レジスタ196は、割込みイネーブル情報を保持する。
【0059】
上記の構成において、カウンタ181は、比較回路123からの比較結果信号がアサートされた場合にアップカウントし、このカウンタ181の出力が割込みスレッショルド情報レジスタ194の保持情報を越えた場合、比較器182の出力がハイレベルにアサートされ、割込みイネーブル情報レジスタ196の保持情報がハイレベル(イネーブル状態)になっている場合に、アンドゲート185によって割込み制御信号がアサートされる。カウンタ181の出力が割込みスレッショルド情報レジスタ194の保持情報を越えない場合には、割込み制御信号はアサートされない。このため、例えば比較回路123において、外部ノイズなどにより、1フレームのみエラー検出が行われたが、その後、エラー検出が行われないような場合には、カウンタ181がクリアされてしまうので、比較器182の出力に基づいて割込み制御信号がアサートされることはない。つまり、割込みスレッショルド情報に基づく回数だけ、連続してエラー検出が行われた場合にのみ、比較器182の出力に基づいて割込み制御信号がアサートされる。このようにすることで、外部ノイズなどに起因する一時的なエラーを無視することができるので、システムの安定化を図ることができる。
【0060】
《実施の形態5》
図11には、上記割込み制御回路124及び上記割込み制御情報レジスタ130の別の構成例が示される。
【0061】
図11に示される割込み制御回路124が、
図12に示されるのと大きく相違するのは、複数のカウンタ181a,181b,181cが設けられている点、及び切替制御回路188、セレクタ187、及びカウンタ選択制御回路が設けられている点である。切替制御回路188は、比較回路123からの比較結果信号をカウンタ181a,181b,181cに振り分ける。セレクタ187は、カウンタ181a,181b,181cの出力を選択的に比較回路182に伝達する。カウンタ選択制御部186は、比較タイミング信号、及び後述する比較切替個数情報に基づいて切替制御回路188及びセレクタ187の動作を制御する。
【0062】
図11に示される割込み制御情報レジスタ130が、
図12に示されるのと大きく相違するのは、比較切替個数情報を保持する比較切替個数情報レジスタ196が設けられている点である。比較切替個数情報レジスタ196の保持情報は、割込み制御回路124内のカウンタ選択制御部186に伝達される。例えば比較切替個数情報が「1」の場合には、カウンタ選択制御部186の制御により、比較タイミング信号に同期してカウンタ181aが選択され、比較切替個数情報が「2」の場合には、カウンタ選択制御部186の制御により、比較タイミング信号に同期してカウンタ181a,181bが選択され、比較切替個数情報が「3」の場合には、カウンタ選択制御部186の制御により、比較タイミング信号に同期してカウンタ181a,181b,181cが選択される。かかる構成によれば、比較タイミング信号に同期して、複数のカウンタ181a,181b,181cを切り替えて使用することができるので、フレーム毎に比較領域を切り替えたい場合に有効とされる。
【0063】
《実施の形態6》
図12には、上記表示制御装置1の別の構成例が示される。
【0064】
図12に示される表示制御装置1が、
図2に示されるのと大きく相違するのは、セレクタ(SEL)113が設けられ、比較制御部116に取り込まれるデータを、上記セレクタ113により選択可能になっている点である。比較制御部116は、
図2における比較制御部106と同一機能を有する。本例において、画質調整部107の出力は、入出力バッファ111における出力バッファ部111a及び外部端子T1を介して表示装置30に入力される。また、入出力バッファ111における出力バッファ部111aの出力は、入出力バッファ111における入力バッファ部111bを介してセレクタ113に入力される。さらに、入出力バッファ111における出力バッファ部111aの出力は、外部端子T1,T2及び入力バッファ112を介してセレクタ113に入力される。セレクタ113は、入力されたデータを選択的に比較制御部116に伝達する。セレクタ113の選択動作は、比較制御部116によって制御することができる。入出力バッファ111における入力バッファ部111bの出力がセレクタ113によって選択され、それが比較制御部116において選択された場合には、重ね合わせ制御部105や入出力バッファ111を含んで巡回冗長検査が行われる。また、入力バッファ112の出力がセレクタ113によって選択され、それが比較制御部116において選択された場合には、重ね合わせ制御部105、入出力バッファ111、外部端子T1,T2、及び入力バッファ112を含んで巡回冗長検査が行われるので、外部端子と表示装置との接続に用いるコネクタとの接触不良などに起因してエラーを生ずる場合をも検知することができる。但し、この様な構成の場合、画質調整107の処理を行った信号に対する画像に対して比較を行うため、画質調整107で多様な画質調整を可能とするとCRC期待値の数が膨大となるため、例えば、ディザ処理をする/しないや色合いの調整の段階を3種類にするなどの制限を設けることで、CRC期待値の格納数を抑えるとこが必要となる。
【0065】
《実施の形態7》
図13には、上記表示制御装置1の別の構成例が示される。
【0066】
図13に示される表示制御装置1が、
図12に示されるのと大きく相違するのは、比較制御部116に代えて、ループバック比較制御部118が設けられている点である。ループバック比較制御部118は、表示装置30に表示される画像の任意の領域についてのエラー検出を行う。このエラー検出結果は、割込み制御信号103として割込み制御部15に伝達される。
【0067】
図14には、上記ループバック比較制御部118の構成例が示される。
【0068】
ループバック比較制御部118は、ビット比較処理部151、オア回路152、割込み制御回路154、領域制御部155、動作情報レジスタ156、ドットクロック情報レジスタ153、領域更新情報レジスタ158、割込み制御更新情報レジスタ160を含む。
【0069】
領域制御部155は、領域更新情報レジスタ158に保持された領域更新情報に従って、比較領域の制御を行う。ビット比較処理部151は、領域制御部155で選択された領域について、入出力バッファ111における出力バッファ111aに入力される画像情報(重ね合わせ後画像情報)と、セレクタ117を介して取り込まれた入力画像情報とをビット単位で比較する。この比較のタイミング調整は、ドットクロック情報レジスタ153の保持情報に従って行われる。また、比較領域が複数ある場合には、ビット比較処理部151が複数設けられ、この複数のビット比較処理部151によって複数の比較領域についてのビット比較が行われる。オア回路152は、複数のビット比較処理部151からの出力信号のオア論理を得る。オア回路152の出力は、後段の割込み制御回路154に伝達される。割込み制御回路154は、
図1における割込み制御回路124と同様に、エラー発生時に割込み制御信号をアサートする。割込み制御回路154によって割込み制御信号がアサートされるか否かは、割込み制御更新情報レジスタ160の保持情報によって決定される。動作情報レジスタ156には、領域制御部155のイネーブル信号が保持される。このイネーブル信号がアサートされることで、領域制御部155の動作が開始される。
【0070】
図15には、上記ビット比較処理部151の構成例が示される。
【0071】
ビット比較処理部151は、フリップフロップ回路(FF)161,162、エクスクルーシブオア(排他的論理和)ゲート163,164,165、オアゲート166,167、アンドゲート168を含む。重ね合わせ後画像情報は、エクスクルーシブオアゲート163に伝達され、またフリップフロップ回路161で1クロック分だけ遅延されてからエクスクルーシブオアゲート164に伝達され、さらにフリップフロップ回路161,162で2クロック分だけ遅延されてからエクスクルーシブオアゲート165に伝達される。エクスクルーシブオアゲート163,164,165では、それぞれ入力された二つの情報の論理が一致するか否かの判別が行われる。オアゲート166は、中速ドットクロック指示信号の論理反転されたものと、エクスクルージブオアゲート164の出力とのオア論理を得る。オアゲート167は、高速ドットクロック指示信号の論理反転されたものと、エクスクルーシブオアゲート165の出力とのオア論理を得る。アンドゲート168は、エクスクルーシブオアゲート163の出力と、オアゲート166の出力と、オアゲート167の出力と、領域制御部155からの領域ヒット信号とのアンド論理を得る。このアンドゲート168の出力がビット不一致信号として、オア回路152に伝達される。中速ドットクロック指示信号や高速ドットクロック指示信号はドットクロック情報レジスタ153に保持されたドットクロック情報に含まれる。
【0072】
本例においては、中速ドットクロック指示信号や高速ドットクロック指示信号によってモード選択が行われる。高速モードでは、中速ドットクロック指示信号及び高速ドットクロック指示信号の双方がハイレベルにされることで、エクスクルーシブオアゲート164,165の出力がアンドゲート168に伝達されるのが阻止される。中速モードでは、中速ドットクロック指示信号がハイレベルにされ、高速ドットクロック指示信号がローレベルにされることで、エクスクルーシブオアゲート164の出力がアンドゲート168に伝達されるのが阻止される。低速モードでは、中速ドットクロック指示信号及び高速ドットクロック指示信号の双方がローレベルにされることで、エクスクルーシブオアゲート164,165の双方の出力がアンドゲート168に伝達される。エクスクルーシブオアゲート163,164,165の論理判別において、どれか一つでも一致すればエラー無しとされ、ビット不一致信号はアサートされない。一致するものが無い場合、アンドゲート168により、ビット不一致信号がアサートさえる。アンドゲート168には、領域制御部155からの領域ヒット信号が入力され、この領域ヒット信号がハイレベルになっていることを条件に、ビット不一致信号がアサートさえる。領域ヒット信号の論理値は、領域更新情報レジスタ158の保持情報に従って決定される。これにより、任意の比較領域についてのエラー検出が行われる。
【0073】
図16には、
図15に示される構成の動作タイミングが示される。
【0074】
本例では、例えば時刻t0において3クロックより小さい範囲で遅延が見込まれる場合、セレクタ117を介して取り込まれた入力画像は、ドッド1,2,3(丸印が付されている)のいずれかと合致すれば、エラー無し、と判断される。この様な構成にすることにより、ループバックされる信号がI/Oバッファを通過することにより遅延が大きくなり、同一クロックでの比較が行えない場合でも、制限はあるが対応することが可能となる。つまり、低速モードでは完全な比較が可能となり、中速、高速モードでは完全な比較はできないが、比較対象となる画像は予め分かっており、検出可能な画素は予め計算することができるため、比較対象となる画像を比較可能となるデザインにすることも可能となる。
【0075】
《実施の形態8》
図17には、上記ループバック比較制御部118の構成例が示される。
【0076】
図17に示されるループバック比較制御部118は、
図12における主要構成と、
図13における主要構成とを合成したものである。すなわち、
図17に示されるループバック比較制御部118においては、
図12に示されるのと同一機能を有する比較制御部116と、
図13に示されるのと同一機能を有するループバック比較制御部118とを含む。比較制御部116から出力された割込み制御信号と、ループバック比較制御部118から出力された割込み制御信号とは、オアゲート171を介して割込み制御部15に伝達される。本例では、比較制御部116でのエラー検出に加えて、ループバック比較制御部118でのエラー検出が行われる。
【0077】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。