(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のロッキング機構(L1)が、第1の状態で内側ニードル・シールド(2.4)の凹部(2.4.3)に係合するように構成された、外側ニードル・シールド(2.1)の第1の弾性アーム(2.1.2)上のラッチ(2.1.2.1)を備える、請求項1に記載の針安全デバイス。
第1のロッキング機構(L101)が、内側ニードル・シールド(102.4)上の肩部(102.4.1)に当接するように構成された、外側ニードル・シールド(102.1)の第1の弾性アーム(102.1.2)上のラッチ(102.1.2.1)を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の針安全デバイス。
外側ニードル・シールド(2.1、102.1)をニードル・ハブ(2.2、102.2)に係合させて、第1の状態でニードル・ハブ(2.2、102.2)に対する外側ニードル・シールド(2.1、102.1)の遠位運動を防止する第2のロッキング機構(L2、L102)
をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の針安全デバイス。
第2のロッキング機構(L2、L102)が、ニードル・ハブ(2.2、102.2)上の第2のフック(2.2.2.1、102.2.2.1)に係合するように構成された、外側ニードル・シールド(2.1、102.1)上の第1のフック(2.1.3、102.1.3)を備える、請求項5に記載の針安全デバイス。
第3のロッキング機構(L3)が、外側ニードル・シールド(2.1)の凹部(2.1.4)に係合するように構成された、ニードル・ハブ(2.2)上の突起(2.2.2.2)を備える、請求項7に記載の針安全デバイス。
第4のロッキング機構(L4)が、内側ニードル・シールド(2.4)上のフランジ(2.4.4)に係合するように構成された、外側ニードル・シールド(2.1)の第2の弾性アーム(2.1.5)を備える、請求項9に記載の針安全デバイス。
ニードル・ハブ(102.2)が、第2の状態で外側ニードル・シールド(102.1)に当接するように構成されたカラー(102.2.1.1)を備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載の針安全デバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の目的は、針刺し損傷事故の危険を最小限にし、取扱いが安全で、薬剤送達の前後に針の安全性を提供する、改良された安全ニードル・アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
例示的な実施形態では、本発明による針安全デバイスが、ニードル・ハブと、ニードル・ハブに連結された、遠位先端を有する針と、ニードル・ハブに嵌め込み式に連結された外側ニードル・シールドと、外側ニードル・シールドに嵌め込み式に連結された内側ニードル・シールドとを備える。針安全デバイスは、遠位先端が内側ニードル・シールドで覆われ、内側ニードル・シールドが外側ニードル・シールドに対して近位方向に可動である第1の状態と、遠位先端が内側ニードル・シールドから露出される第2の状態と、遠位先端が内側ニードル・シールドで覆われ、内側ニードル・シールドが外側ニードル・シールドに対して近位方向に不動である第3の状態とを有する。針安全デバイスは、第1の状態で内側ニードル・シールドを外側ニードル・シールドに係合させる第1のロッキング機構を備える。ニードル・ハブは、第2の状態で第1のロッキング機構を解放するように構成された解放要素を備える。
【0004】
例示的な実施形態では、第1のロッキング機構が、第1の状態で内側ニードル・シールドの凹部に係合するように構成された、外側ニードル・シールドの第1の弾性アーム上のラッチを備える。第1のアームは、第2の状態で解放要素により偏向され、凹部を係合解除する。
【0005】
例示的な実施形態では、第1のロッキング機構が、内側ニードル・シールド上の肩部に当接するように構成された、外側ニードル・シールドの第1の弾性アーム上のラッチを備える。
【0006】
例示的な実施形態では、針安全デバイスが、外側ニードル・シールドをニードル・ハブに係合させて、第1の状態でニードル・ハブに対する外側ニードル・シールドの遠位運動を防止する第2のロッキング機構をさらに備える。第2のロッキング機構は、ニードル・ハブ上の第2のフックに係合するように構成された、外側ニードル・シールド上の第1のフックを備える。
【0007】
例示的な実施形態では、針安全デバイスは、第2の状態で外側ニードル・シールドをニードル・ハブに係合させる第3のロッキング機構をさらに備える。第3のロッキング機構は、外側ニードル・シールドの凹部に係合するように構成された、ニードル・ハブ上の突起を備える。
【0008】
例示的な実施形態では、針安全デバイスは、第3の状態で内側ニードル・シールドを外側ニードル・シールドに係合させる第4のロッキング機構をさらに備える。第4のロッキング機構は、内側ニードル・シールド上のフランジに係合するように構成された、外側ニードル・シールドの第2の弾性アームを備える。
【0009】
例示的な実施形態では、針安全デバイスが、内側ニードル・シールドに付勢力を与えるように構成されたばね要素をさらに備える。
【0010】
例示的な実施形態では、ニードル・ハブが、第2の状態で外側ニードル・シールドに当接するように構成されたカラーを備える。
【0011】
例示的な実施形態では、針安全デバイスが、第3の状態で内側ニードル・シールドを外側ニードル・シールドに係合させる第3のロッキング機構の別の例示的な実施形態をさらに含む。第3のロッキング機構は、ラッチの凹部に係合するように構成された、内側ニードル・シールド上のフランジを有する第1のサブロッキング機構をさらに備える。第3のロッキング機構は、外側ニードル・シールドの第2の弾性アームに係合するように構成された、内側ニードル・シールド上のフィンガを有する第2のサブロッキング機構をさらに備える。
【0012】
本発明の適用性のさらなる範囲が、以下に提示する詳細な説明から明らかになろう。しかしながら、詳細な説明および特定の例は、本発明の精神および範囲内の種々の変更形態および修正形態がこの詳細な説明から当業者に明らかになるため、本発明の好ましい実施形態を示しつつ、例としてのみ提示されたものであることを理解されたい。
【0013】
例としてのみ提示され、したがって本発明を限定するものではない、以下の詳細な説明および添付図面から、本発明はより完全に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
対応する部品は、すべての図において同一の参照符号で示される。
【0016】
図1は、針安全デバイス2を有する薬剤送達デバイス1の例示的な実施形態の等角図である。
図2は、
図1に示す針安全デバイス1の遠位方向Dから見た、第1の面III−III’、IV−IV’、V−V’および第2の面VI−VI’を示す図である。
図3〜
図6は、
図2の針安全デバイス2の例示的な実施形態の断面図であり、
図3は使用前の針安全デバイス1、
図4は使用中の針安全デバイス1、
図5および
図6は使用後の針安全デバイス1を示す。
【0017】
例示的な実施形態では、送達デバイス1は長手方向軸Aを有するハウジング1.1を備える。図示した例示的な実施形態では、送達デバイス1がペン型注射器として配置される。しかしながら、当業者は、送達デバイス1を、シリンジ、歯科用注射器、自動注射器、または薬剤を患者に送達するのに適した同様のデバイスとして配置してもよいことを理解するであろう。
【0018】
例示的な実施形態では、針安全デバイス2が、針2.3を有するニードル・ハブ2.2に嵌め込み式に配置された外側ニードル・シールド2.1と、外側ニードル・シールド2.1に嵌め込み式に配置された内側ニードル・シールド2.4とを備える。図示した例示的な実施形態では、内側ニードル・シールド2.4および外側ニードル・シールド2.1が、軸Aの周りに同心状に配置される。
【0019】
例示的な実施形態では、ニードル・ハブ2.2は、送達デバイス1に連結されるように構成された近位セクション2.2.1と、外側ニードル・シールド2.1に嵌め込み式に連結されるように構成された遠位セクション2.2.2とを備える。
図1に示す例示的な実施形態では、近位セクション2.2.1は送達デバイス1の遠位端に係合するように構成された直径を有し、遠位セクション2.2.2は外側ニードル・シールド2.1に係合するように構成された直径(近位セクション2.2.1の直径より大きくてもよい)を有する。
【0020】
図3は、第1の使用前状態における
図1の針安全デバイス2の例示的な実施形態の断面図である。
図3に示す例示的な実施形態では、第1の状態で、外側ニードル・シールド2.1がニードル・ハブ2.2に対して第1の軸方向位置(PA1)にあり、内側ニードル・シールド2.4が外側ニードル・シールド2.1に対して第1の軸方向位置(PA1)にある。例示的な実施形態では、ニードル・ハブ2.2の近位セクション2.2.1は、針安全デバイス2を送達デバイス1のハウジング1.1に取り付けるためのねじ山2.2.3を備える。他の例示的な実施形態では、ニードル・ハブ2.2を、たとえばバヨネット式連結、スナップ嵌め連結、摩擦連結等の他の適切な連結によりハウジング1.1に取り付けることができる。
【0021】
針2.3はニードル・ハブ2.2に連結され、尖った遠位先端2.3.1および尖った近位先端2.3.2を有する。尖った近位先端2.3.2は、送達デバイス1内の薬剤のカートリッジまたは容器に挿入されるように構成され、遠位先端2.3.1は、注射部位を穿孔するように構成される。第1の状態では、針2.3の遠位先端2.3.1が外側ニードル・シールド2.1および/または内側ニードル・シールド2.4により覆われる。
【0022】
例示的な実施形態では、内側ニードル・シールド2.4が、外側ニードル・シールド2.1に嵌め込み式に連結され、外側ニードル・シールド2.1の開口部2.1.1から遠位に突出するように構成される。内側シールドの遠位面2.4.1は、注射処置中に針2.3が通過できる開口部2.4.2を有する。
【0023】
例示的な実施形態では、ばね要素2.5が、ニードル・ハブ2.2に対して内側ニードル・シールド2.4を付勢するように構成される。ばね要素2.5は、内側ニードル・シールド2.4に遠位に支承され、ニードル・ハブ2.2に近位に支承されていてもよい。ばね要素2.5を第1の状態で無応力状態に配置することができ、または第1の状態で予応力状態に配置して、内側ニードル・シールド2.4に付勢力を与えることができる。
【0024】
以下でさらに説明するように、針安全デバイス2は複数のロッキング機構を備える。例示的な実施形態では、第1のロッキング機構L1が内側ニードル・シールド2.4を外側ニードル・シールド2.1に係合させ、第1の状態で、内側ニードル・シールド2.4を外側ニードル・シールド2.1に対して軸方向運動しないようにロックする。第2のロッキング機構L2は、外側ニードル・シールド2.1をニードル・ハブ2.2に係合させて、第1の状態で、外側ニードル・シールド2.1をニードル・ハブ2.2に対して遠位方向Dに軸方向運動しないようにロックする。第3のロッキング機構L3は、針安全デバイス2が第2の使用状態(
図4に示す)にあるときに、後退位置で外側ニードル・シールド2.1をニードル・ハブ2.2に係合させる。第4のロッキング機構L4は、内側ニードル・シールド2.4を外側ニードル・シールド2.1に係合させて、第3の使用後状態(
図5および
図6に示す)で、内側ニードル・シールド2.4を外側ニードル・シールド2.1に対して軸方向運動しないようにロックする。
【0025】
図3に示すように、針安全デバイス2は第1の状態にある。第1の状態では、第1のロッキング機構L1が、外側ニードル・シールド2.1に対する内側ニードル・シールド2.4の軸方向運動を防止する。例示的な実施形態では、第1のロッキング機構L1は、内側ニードル・シールド2.4の凹部2.4.3に係合する、外側ニードル・シールド2.1の軸方向近位向きの第1の弾性アーム2.1.2上のラッチ2.1.2.1を備える。第1の状態では、第2のロッキング機構L2は、外側ニードル・シールド2.1が第1の軸方向位置(PA1)を越えてニードル・ハブ2.2に対して遠位に延びることを防止する。例示的な実施形態では、第2のロッキング機構L2は、ニードル・ハブ2.2の遠位セクション2.2.2の遠位端上の第2のフック2.2.2.1(
図6に示す)に係合するように構成された、外側ニードル・シールド2.1の近位端上の第1のフック2.1.3を備える。
【0026】
図4は、たとえば、針安全デバイス2が注射部位に押し付けられたときの、第2の状態における針安全デバイス2の例示的な実施形態を示す。第2の状態では、外側ニードル・シールド2.1および内側ニードル・シールド2.4が後退し、針2.3の遠位先端2.3.1が開口部2.4.2を通って露出される。第2の状態では、外側ニードル・シールド2.1が、ニードル・ハブ2.2に対して第2の後退軸方向位置(PA2)にある。第2の状態では、第3のロッキング機構L3は、外側ニードル・シールド2.1が第2の軸方向位置(PA2)にあるときに、ニードル・ハブ2.2に対する外側ニードル・シールド2.1の遠位運動を防止することができる。例示的な実施形態では、第3のロッキング機構L3は、ニードル・ハブ2.2の遠位セクション2.2.2の近位部の内面に形成された突起2.2.2.2を備える。突起2.2.2.2を、外側ニードル・シールド2.1の近位部の凹部2.1.4に係合するように構成することができる。さらに、外側ニードル・シールド2.1は弾性であって、外側ニードル・シールド2.1がニードル・ハブ2.2に対して近位に移動するときに突起2.2.2.2を通過し、突起2.2.2.2が凹部2.1.4に係合するときに非偏向状態に戻るように偏向することができる。
【0027】
外側ニードル・シールド2.1が第2の軸方向位置(PA2)にあるときに、第1のロッキング機構L1は解放されて、外側ニードル・シールド2.1を内側ニードル・シールド2.4から係合解除することができる。例示的な実施形態では、外側ニードル・シールド2.1が第2の軸方向位置(PA1)内へニードル・ハブ2.2に対して近位に移動しているときに、外側ニードル・シールド2.1の第1のアーム2.1.2がニードル・ハブ2.2の解放要素2.2.1.1に係合し、内側ニードル・シールド2.4の凹部2.4.3を係合解除する。第1のアーム2.1.2は、近位傾斜面を有して解放要素2.2.1.1の遠位傾斜面に係合することができ、この解放要素2.2.1.1は第1のアーム2.1.2を半径方向に偏向させてラッチ2.1.2.1を凹部2.4.3から解放する。内側ニードル・シールド2.4が外側ニードル・シールド2.4から係合解除されると、内側ニードル・シールド2.4は、第2の軸方向位置(PA2)内へニードル・ハブ2.2に対してさらに近位に移動して、ばね要素2.5を圧縮することができる。
【0028】
図5および
図6は、たとえば針安全デバイス1が注射部位から取り外されるときの、第3の状態における針安全デバイス1の例示的な実施形態を示す。第3の状態では、外側ニードル・シールド2.1が、第3のロッキング機構L3によりニードル・ハブ2.2に対して後退された第2の軸方向位置(PA2)にとどまる。しかしながら、第1のロッキング機構L1が解放されるため、内側ニードル・シールド2.4が、第3の軸方向位置(PA3)内へ外側ニードル・シールド2.1に対して遠位に移動して、針2.3の遠位先端2.3.1を覆う。
【0029】
第3の状態では、第4のロッキング機構L4が、外側ニードル・シールド2.1に対する内側ニードル・シールド2.4の軸方向近位運動を防止する。例示的な実施形態では、第4のロッキング機構L4は、内側ニードル・シールド2.4の近位端の半径方向フランジ2.4.4に係合する、軸方向近位向きの第2の弾性アーム2.1.5を備える。例示的な実施形態では、第2のアーム2.1.5が、第1のアーム2.1.2に対して軸Aの周りに90度に形成され、第1のアーム2.1.2よりも短いため、外側ニードル・シールド2.1が第2の軸方向位置(PA2)にあるときに、第2のアーム2.1.5は解放要素2.2.1.1に係合しない。
【0030】
針安全デバイス2が注射部位から取り外されると、内側ニードル・シールド2.4は、ばね要素2.5の力により外側ニードル・シールド2.1に対して遠位に並進運動することができる。遠位運動中、フランジ2.4.4は第2のアーム2.1.5に係合して、第2のアーム2.1.5を偏向させることができる。第2のアーム2.1.5は、傾斜面を有してフランジ2.4.4の対応する傾斜面に係合することができ、このフランジ2.4.4は第2のアーム2.1.5を半径方向に偏向させる。内側ニードル・シールド2.4の近位端が第2のアーム2.1.5を迂回すると、第2のアーム2.1.5は非偏向状態に戻り、内側ニードル・シールド2.4の近位端に係合することができる。したがって、内側ニードル・シールド2.4が第3の軸方向位置(PA3)にあるときに、内側ニードル・シールド2.4は第4のロッキング機構L4により外側ニードル・シールド2.1に対して近位に移動することが防止され、針2.3の遠位先端2.3.1が覆われたままになるため、針安全デバイス2は針が安全な状態にある。
【0031】
図7は、針安全デバイス102を有する薬剤送達デバイス101の別の例示的な実施形態の等角図である。
図8は、
図7に示す針安全デバイス102の遠位方向Dから見た、第1の面XII−XII’、XIII−XIII’および第2の面IX−IX’、X−X’、XI−XI’を示す図である。
図9〜
図13は、
図7の針安全デバイス102の例示的な実施形態の断面図であり、
図9は使用前の針安全デバイス102、
図10は使用中の針安全デバイス102、および
図11〜
図13は使用後の針安全デバイス102を示す。
【0032】
例示的な実施形態では、送達デバイス101は長手方向軸Aを有するハウジング101.1を備える。図示した例示的な実施形態では、送達デバイス101がペン型注射器として配置される。しかしながら、当業者は、送達デバイス101を、シリンジ、歯科用注射器、自動注射器、または薬剤を患者に送達するのに適した同様のデバイスとして配置してもよいことを理解するであろう。
【0033】
例示的な実施形態では、針安全デバイス102が、針102.3を有するニードル・ハブ102.2に嵌め込み式に配置された外側ニードル・シールド102.1と、外側ニードル・シールド102.1に嵌め込み式に配置された内側ニードル・シールド102.4とを備える。図示した例示的な実施形態では、内側ニードル・シールド102.4および外側ニードル・シールド102.1が、軸Aの周りに同心状に配置される。外側ニードル・シールド102.1には、1つまたは複数の軸方向開口部102.1.1が形成されていてもよい。
【0034】
例示的な実施形態では、ニードル・ハブ102.2が、送達デバイス101に連結されるように構成された近位セクション102.2.1と、外側ニードル・シールド102.1に嵌め込み式に連結されるように構成された遠位セクション102.2.2とを備える。
図7に示す例示的な実施形態では、近位セクション102.2.1は送達デバイス101の遠位端に係合するように構成された直径を有し、遠位セクション102.2.2は外側ニードル・シールド102.1に係合するように構成された直径(近位セクション102.2.1の直径より大きくてもよい)を有する。
【0035】
図9は、第1の使用前状態における
図7の針安全デバイス102の例示的な実施形態の断面図である。
図9に示す例示的な実施形態では、第1の状態で、外側ニードル・シールド102.1がニードル・ハブ102.2に対して第1の軸方向位置(PA1)にあり、内側ニードル・シールド102.4が外側ニードル・シールド102.1に対して第1の軸方向位置(PA1)にある。例示的な実施形態では、ニードル・ハブ102.2の近位セクション102.2.1は、針安全デバイス102を送達デバイス101のハウジング101.1に取り付けるためのねじ山102.2.3を備える。他の例示的な実施形態では、ニードル・ハブ102.2を、たとえばバヨネット式連結、スナップ嵌め連結、摩擦連結等の他の適切な連結によりハウジング101.1に取り付けることができる。
【0036】
針102.3はニードル・ハブ102.2に連結され、尖った遠位先端102.3.1および尖った近位先端102.3.2を有する。尖った近位先端102.3.2は、送達デバイス101内の薬剤のカートリッジまたは容器に挿入されるように構成され、遠位先端102.3.1は、注射部位を穿孔するように構成される。第1の状態では、針102.3の遠位先端102.3.1が外側ニードル・シールド102.1および/または内側ニードル・シールド102.4により覆われる。
【0037】
例示的な実施形態では、内側ニードル・シールド102.4が外側ニードル・シールド102.1に嵌め込み式に連結される。内側ニードル・シールド102.4の遠位端は、注射処置中に針102.3が通過できる開口部を有する。
【0038】
例示的な実施形態では、ばね要素102.5が、ニードル・ハブ102.2に対して内側ニードル・シールド102.4を付勢するように構成される。ばね要素102.5は、内側ニードル・シールド102.4に遠位に支承され、ニードル・ハブ102.2に近位に支承されていてもよい。ばね要素102.5を第1の状態で無応力状態に配置することができ、または第1の状態で予応力状態に配置して、内側ニードル・シールド102.4に付勢力を与えることができる。
【0039】
以下でさらに説明するように、針安全デバイス102は複数のロッキング機構を備える。例示的な実施形態では、第1のロッキング機構L101が内側ニードル・シールド102.4を外側ニードル・シールド102.1に係合させ、第1の状態で、内側ニードル・シールド102.4を外側ニードル・シールド102.1に対して遠位方向Dに軸方向運動しないようにロックする。第2のロッキング機構L102は、外側ニードル・シールド102.1をニードル・ハブ102.2に係合させて、第1の状態で、外側ニードル・シールド102.1をニードル・ハブ102.2に対して遠位方向Dに軸方向運動しないようにロックする。第3のロッキング機構L103は、内側ニードル・シールド102.4を外側ニードル・シールド102.1に係合させて、第3の使用後状態(
図11〜
図13に示す)で、内側ニードル・シールド102.4を外側ニードル・シールド102.1に対して軸方向運動しないようにロックする。オプションの第4のロッキング機構L104(図示せず)は、第3の使用後状態で、外側ニードル・シールド102.1をニードル・ハブ102.1に係合させて、外側ニードル・シールド102.1がニードル・ハブ102.2に対して近位方向Pに軸方向運動しないようにロックする。
【0040】
図9に示すように、針安全デバイス1は第1の状態にある。第1の状態では、第1のロッキング機構L101が、外側ニードル・シールド102.1に対する内側ニードル・シールド102.4の遠位方向Dへの軸方向運動を防止する。例示的な実施形態では、第1のロッキング機構L1は、内側ニードル・シールド102.4の肩部102.4.1に当接するように構成された、外側ニードル・シールド102.1の軸方向近位向きの第1の弾性アーム102.1.2上のラッチ102.1.2.1を備える。ばね要素102.5は、内側ニードル・シールド102.4に付勢力を加えて、第1の状態で肩部102.4.1がラッチ102.1.2.1に当接したままになるようにすることができる。第1の状態では、第2のロッキング機構L102は、外側ニードル・シールド102.1が第1の軸方向位置(PA1)を越えてニードル・ハブ102.2に対して遠位に延びることを防止する。例示的な実施形態では、第2のロッキング機構L102は、ニードル・ハブ102.2の遠位セクション102.2.2の遠位部上の第2のフック102.2.2.1(
図12に示す)に係合するように構成された、外側ニードル・シールド102.1の近位端上に第1のフック102.1.3を備える。
【0041】
図10は、たとえば、針安全デバイス102が注射部位に押し付けられたときの、第2の状態における針安全デバイス102の例示的な実施形態を示す。第2の状態では、外側ニードル・シールド102.1および内側ニードル・シールド102.4が後退し、針102.3の遠位先端102.3.1が内側ニードル・シールド102.4の開口部を通って露出される。第2の状態では、外側ニードル・シールド102.1および内側ニードル・シールド102.4が、ニードル・ハブ102.2に対して第2の後退軸方向位置(PA2)にある。
【0042】
外側ニードル・シールド102.1が第2の軸方向位置(PA2)にあるときに、第1のロッキング機構L101は解放されて、外側ニードル・シールド102.1を内側ニードル・シールド102.4から係合解除することができる。例示的な実施形態では、外側ニードル・シールド102.1が第2の軸方向位置(PA1)内へニードル・ハブ102.2に対して近位に移動しているときに、外側ニードル・シールド102.1の第1のアーム102.1.2がニードル・ハブ102.2の解放要素102.2.2.2に係合し、内側ニードル・シールド102.4の肩部を係合解除する。第1のアーム102.1.2は、解放要素102.2.2.2の遠位傾斜面に係合するように構成された近位傾斜面102.1.2.2を備えることができ、この解放要素102.2.2.2は第1のアーム102.1.2を半径方向に偏向させて(たとえば開口部102.1.1内へ)ラッチ102.1.2.1を肩部102.4.1から解放する。外側ニードル・シールド102.1が第2の軸方向位置(PA2)にあるときに、内側ニードル・シールド102.4は、ばね要素102.5が圧縮される第2の軸方向位置(PA2)にあってもよい。
【0043】
図10の例示的な実施形態に示すように、ニードル・ハブ102.2の近位セクション102.2.1は、外側ニードル・シールド102.1の近位端に当接するように構成されたカラー102.2.1.1を備えることができる。カラー102.2.1.1は、第2の軸方向位置(PA2)においてニードル・ハブ102.2に対する外側ニードル・シールド102.1の近位運動を制限することができる。
【0044】
図11、
図12および
図13は、たとえば針安全デバイス102が注射部位から取り外されるときの、第3の状態における針安全デバイス102の例示的な実施形態を示す。第3の状態では、第1のロッキング機構L101が解放されるため、内側ニードル・シールド102.4は、第3の軸方向位置(PA3)内へ外側ニードル・シールド102.1に対して遠位に移動して、針102.3の遠位先端102.3.1を覆うことができる。
【0045】
第3の状態では、第3のロッキング機構L103が、外側ニードル・シールド102.1に対する内側ニードル・シールド102.4の軸方向近位運動を防止する。例示的な実施形態では、第3のロッキング機構L103は、内側ニードル・シールド102.4の近位端のフランジ102.4.4に係合するように構成された、ラッチ102.1.2.1の遠位部に形成された凹部102.1.2.1.1を有する第1のサブ機構L103.1を備える。
【0046】
針安全デバイス102が注射部位から取り外されると、内側ニードル・シールド102.4は、ばね要素102.5の力により外側ニードル・シールド102.1に対して遠位に並進運動することができる。遠位運動中、内側ニードル・シールド102.4は第1のアーム102.1.2に当接して、外側ニードル・シールド102.1をニードル・ハブ102.2に対して遠位に駆動することができる。第1のアーム102.1.2が解放要素102.2.1.1を迂回すると、第1のアーム102.1.2は非偏向状態に戻り、ラッチ102.1.2.1の遠位部に形成された凹部102.1.2.1.1が、内側ニードル・シールド102.4の近位端のフランジ102.4.2に整合されて、外側ニードル・シールド102.1に対する内側ニードル・シールド102.4の近位運動を防止する。したがって、内側ニードル・シールド102.4が第3の軸方向位置(PA3)にあるときに、内側ニードル・シールド102.4は外側ニードル・シールド102.1に対して近位に移動することが防止され、針102.3の遠位先端102.3.1が覆われたままになるため、針安全デバイス102は針が安全な状態にある。
【0047】
図12に示すように、第3のロッキング機構L103は、内側ニードル・シールド102.4の近位端に形成されたフィンガ102.4.3と、外側ニードル・シールド102.1に形成された、軸A側に半径方向に付勢された第2の弾性アーム102.1.5とを有する第2のサブ機構L103.2を備えることもできる。例示的な実施形態では、開口部102.1.1および第2のアーム102.1.5は、外側ニードル・シールド102.1上で互いに90度に形成される。針安全デバイス102が注射部位から取り外されると、内側ニードル・シールド102.4は、ばね要素102.5の力により外側ニードル・シールド102.1に対して遠位に並進運動することができる。遠位運動中、内側ニードル・シールド102.4のフィンガ102.4.3は、外側ニードル・シールド102.1の第2のアーム102.1.5に当接して、第2のアーム102.1.5を半径方向に偏向させることができる。フィンガ102.4.3が第2のアーム102.1.5を迂回すると、第2のアーム102.1.5は非偏向状態に戻り、フィンガ102.4.3が外側ニードル・シールド102.1に係合する。非偏向状態では、第2のアーム102.1.5が、外側ニードル・シールド102.1に対する内側ニードル・シールド102.4の近位運動を防止する。したがって、内側ニードル・シールド102.4が第3の軸方向位置(PA3)にあるときに、内側ニードル・シールド102.4は外側ニードル・シールド102.1に対して近位に移動することが防止され、針2.3の遠位先端2.3.1が覆われたままになるため、針安全デバイス102は針が安全な状態にある。
【0048】
別の例示的な実施形態において、フィンガ102.4.3が弾性であってもよく、第2のアーム102.1.5が剛性であってもよいことを、当業者は理解するであろう。
【0049】
図13は、ばね要素102.5が伸張して、外側ニードル・シールド102.1をニードル・ハブ102.2に対して第3の軸方向位置(PA3)に押し入れる、針安全デバイス102の例示的な実施形態を示す。
【0050】
装置、方法および/またはシステムの種々の部品ならびに本明細書に記載の実施形態の修正(追加および/または除去)を、本発明の完全な範囲および精神から逸脱することなく行うことができ、本発明がこのような修正形態およびそのすべての等価物を包含することを、当業者は理解するであろう。