【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、式Iの化合物:
【化1】
I
(式中、
AおよびBは、独立して、CHまたはNを表し、
R
1は、アリール、ヘテロアリール、C
1-8アルキル、C
3-7シクロアルキル、−O−C
1-8アルキルを表し、後者の5つの基は、ハロゲン、−CN、C
1-3アルキル、−O−C
1-3アルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
R
2およびR
3は、独立して、−H、ハロゲン、−CN、−COO−C
1-4アルキル、C
1-5アルキル、C
3-5シクロアルキル、−O−C
1-5アルキルを表し、後者の4つの基は、1つまたは複数のフッ素原子で置換されていてもよく、
【0009】
Arは、
【化2】
を表し、
R
4およびR
5は、独立して、−H、ハロゲン、−OH、−CN、−NH
2、C
1-5アルキル、フェニル、−NH−C
1-5アルキル、−N(C
1-5アルキル)
2、−O−C
1-5アルキル、−COO−C
1-5アルキル、−CONH(C
1-5アルキル)、−CON(C
1-5アルキル)
2、−NHCONH−C
1-5アルキル、−NHCON(C
1-5アルキル)
2、−NHCO−C
1-5アルキルを表し、後者の11の基は、ハロゲン、−OH、モルホリニル−から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい)
またはその塩、特に生理学的に許容されるその塩を対象とする。
【0010】
第2の実施形態では、一般式Iにおいて、A、B、Ar、R
2、R
3は、先行する実施形態のいずれかで定義された意味と同じ意味を有し、
R
1は、フェニル、チエニル−、ピリジニル、C
1-4アルキル、C
3-6シクロアルキル、−O−C
1-3アルキルを表し、後者の6つの基は、クロロ、ブロモ、フルオロ、C
1-3アルキル、−O−C
1-3アルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0011】
別の実施形態では、一般式Iにおいて、A、B、R
1、R
2、R
3は、先行する実施形態のいずれかで定義された意味と同じ意味を有し、
Arは、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、イソキノリニル、プリニルを表し、後者の8つの基は、クロロ、ブロモ、フルオロ、−CN、C
1-3アルキル、O−C
1-3アルキル[後者の2つの基は、フルオロ、−OH、モルホリニル−から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい]から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0012】
別の実施形態では、一般式Iにおいて、Ar、R
1は、先行する実施形態のいずれかで定義された意味と同じ意味を有し、基
【化3】
は、フェニル、2−ピリジルを表し、後者の2つの基は、クロロ、ブロモ、フルオロ、−CN、C
1-3アルキル、C
3-5シクロアルキル、−O−C
1-3アルキル、−COO−C
1-4アルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、後者の4つの基は、1つまたは複数のフッ素原子で置換されていてもよい。
【0013】
別の実施形態では、一般式Iでは、A、B、Ar、R
2、R
3は、先行する実施形態のいずれかで定義された意味と同じ意味を有し、
R
1は、フェニル、2−ピリジニル、2−チエニル−、C
1-4アルキル、C
3-6シクロアルキル、O−C
1-3アルキルを表し、後者の6つの基は、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0014】
別の実施形態では、一般式Iでは、A、B、R
1、R
2、R
3は、先行する実施形態のいずれかで定義された意味と同じ意味を有し、
Arはフェニル、
【化4】
を表し、後者の11の基は、クロロ、ブロモ、フルオロ、−CN、C
1-3アルキル、O−C
1-3アルキル[後者の2つの基は、フルオロ、−OH、4−モルホリニル−から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい]から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0015】
別の実施形態では、一般式Iでは、Ar、R
1は、先行する実施形態のいずれかで定義された意味と同じ意味を有し、
AはNまたはCHを表し、
BはCHを表す。
【0016】
別の実施形態では、一般式Iでは、A、B、Ar、R
2、R
3は、先行する実施形態のいずれかで定義された意味と同じ意味を有し、
R
1は、フェニル、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、メトキシ、
【化5】
を表す。
【0017】
別の実施形態では、一般式Iでは、A、B、R
1、R
2、R
3は、先行する実施形態のいずれかで定義された意味と同じ意味を有し、
Arは、
【化6】
を表す。
【0018】
別の実施形態では、一般式Iでは、Ar、R
1は、先行する実施形態のいずれかで定義された意味と同じ意味を有し、基
【化7】
は、
【0019】
【化8】
を表す。
【0020】
本発明のさらなる実施形態は、式Iの化合物
(式中、
Aは、NまたはCHを表し、
Bは、CHを表し、
R
1は、フェニル、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、メトキシ、
【化9】
を表し、
【0021】
Arは、
【化10】
を表し、
【0022】
基
【化11】
は、
【化12】
を表す)
またはその塩、特に生理学的に許容されるその塩を含む。
【0023】
使用される用語および定義
一般的定義:
本明細書中で具体的に定義されていない用語には、本開示および文脈を考慮して当業者がこれらに与えることになる意味が与えられるべきである。しかし、明細書で使用される場合、反対の意味であることが特定されていない限り、以下の用語は示された意味を有し、以下の慣例に従うものとする。
【0024】
以下に定義された基、ラジカル、または部分において、炭素原子の数は、多くの場合基に先行して特定され、例えば、C
1-6−アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはラジカルを意味する。一般的に、2つ以上の下位基を含む基に対して、最後に命名された下位基がラジカルの付加点であり、例えば、置換基「アリール−C
1-3−アルキル−」は、C
1-3−アルキル−基に結合しているアリール基を意味し、C
1-3−アルキル−基の後者がコアに結合しているか、または置換基が付加している基に結合している。
【0025】
本発明の化合物が化学名の形態で、および式として描写されていて、何らかの矛盾があった場合、式が優先される。
アスタリスクは、下位の式に使用することによって、定義されたコア分子に接続している結合を示すことができる。
置換基の原子の数表現は、コアまたは置換基が付加している基に最も近い原子から開始する。
【0026】
例えば、「3−カルボキシプロピル−基」という用語は、以下の置換基を表す:
【化13】
(式中、カルボキシ基は、プロピル基の3番目の炭素原子に付加している)。「1−メチルプロピル−」、「2,2−ジメチルプロピル−」または「シクロプロピルメチル−」基という用語は、以下の基:
【化14】
を表す。
【0027】
アスタリスクは、下位の式に使用することによって、定義されたコア分子に接続している結合を示すことができる。
立体配置/溶媒和物/水和物:
具体的に指摘されていない限り、明細書および付随する特許請求の範囲全体を通して与えられた化学式または名称は、互変異性体およびすべての立体、光学および幾何異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体など)およびそのラセミ体、ならびに別個のエナンチオマーの異なる比率での混合物、ジアステレオマーの混合物、またはこのような異性体およびエナンチオマーが存在する前述の形態のいずれかの混合物、ならびに薬学的に許容されるその塩およびその溶媒和物、例えば、遊離化合物の溶媒和物または本化合物の塩の溶媒和物を含めた水和物などを含めた塩を包含するものとする。
【0028】
塩:
本明細書中で用いている「薬学的に許容される」という句は、健全な医学的判断の範囲内であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題または合併症なしにヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適切であり、妥当な損益比に見合うような化合物、物質、組成物、および/または剤形を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、開示化合物の誘導体を指し、この場合、親化合物は、その酸性または塩基性の塩を作製することによって修飾される。薬学的に許容される塩の例として、これらに限定されないが、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸など酸性残基のアルカリまたは有機酸塩などが挙げられる。例えば、このような塩として、アンモニア、L−アルギニン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン(2,2’−イミノビス(エタノール))、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、2−アミノエタノール、エチレンジアミン、N−エチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン(2,2’,2“−ニトリロトリス(エタノール))、トロメタミン、水酸化亜鉛、酢酸、2,2−ジクロロ−酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、4−アセトアミド−安息香酸、(+)−ショウノウ酸、(+)−カンファー−10−スルホン酸、炭酸、ケイヒ酸、クエン酸、シクラミン酸、デカン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−二スルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、D−グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリシン、グリコール酸、ヘキサン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イソ酪酸、DL−乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、リシン、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ガラクタル酸、ナフタレン−1,5−二スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オクタン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸(エンボン酸)、リン酸、プロピオン酸、(−)−L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸およびウンデシレン酸からの塩が挙げられる。さらなる薬学的に許容される塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの金属からのカチオンと共に形成することができる。(Pharmaceutical salts, Berge, S. M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19もまた参照されたい)。
【0030】
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的手法により、塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般的に、このような塩は、遊離酸または塩基性形態のこれらの化合物を、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリル、またはその混合物などの水または有機希釈剤中で、十分な量の適当な塩基または酸と反応させることによって調製することができる。
例えば、本発明の化合物を精製または単離するのに有用な、上述されたもの以外の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)もまた本発明の一部に含まれる。
ハロゲン:
ハロゲンという用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を一般的に意味する。
【0031】
アルキル:
「C
1-n−アルキル」(式中、nは2〜nの整数である)という用語は、単独または別のラジカルとの組合せのいずれかにおいて、1〜n個のC原子を有する、非環式の、飽和した、分枝または直鎖の炭化水素ラジカルを意味する。例えば、C
1-5−アルキルという用語は、ラジカルH
3C−、H
3C−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−C(CH
3)
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−C(CH
3)
2−、H
3C−C(CH
3)
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH(CH
3)−およびH
3C−CH
2−CH(CH
2CH
3)−を包含する。
アルキレン:
「C
1-n−アルキレン」(式中、nは2〜nの整数である)という用語は、単独または別のラジカルとの組合せのいずれかにおいて、1〜n個の炭素原子を含有する、非環式の、直鎖または分鎖の二価のアルキルラジカルを意味する。例えば、C
1-4−アルキレンという用語は、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、−CH(CH
3)−、−CH
2−CH
2−CH
2−、−C(CH
3)
2−、−CH(CH
2CH
3)−、−CH(CH
3)−CH
2−、−CH
2−CH(CH
3)−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−、−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH(CH
3)−CH
2−、−CH
2−C(CH
3)
2−、−C(CH
3)
2−CH
2−、−CH(CH
3)−CH(CH
3)−、−CH
2−CH(CH
2CH
3)−、−CH(CH
2CH
3)−CH
2−、−CH(CH
2CH
2CH
3)−、−CH(CH(CH
3))
2−および−C(CH
3)(CH
2CH
3)−を含む。
【0032】
アルケニル:
「C
2-n−アルケニル」という用語は、前記基のこれらの炭素原子のうちの少なくとも2個が二重結合で互いに結合されている場合、少なくとも2個の炭素原子を有する「C
1-n−アルキル」に対する定義において定義されたような基に対して使用される。
アルケニレン:
「C
2-n−アルケニレン」という用語は、前記基のこれらの炭素原子のうちの少なくとも2個が二重結合で互いに結合されている場合、少なくとも2個の炭素原子を有する「C
1-n−アルキレン」に対する定義において定義されたような基に対して使用される。
アルキニル:
「C
2-n−アルキニル」という用語は、前記基のこれらの炭素原子のうちの少なくとも2個が三重結合で互いに結合されている場合、少なくとも2個の炭素原子を有する「C
1-n−アルキル」に対する定義において定義されているような基に対して使用される。
【0033】
アルキニレン:
「C
2-n−アルキニレン」という用語は、前記基のこれらの炭素原子のうちの少なくとも2個が三重結合で互いに結合されている場合、少なくとも2個の炭素原子を有する「C
1-n−アルキレン」に対する定義において定義されているような基に対して使用される。
【0034】
カルボシクリル:
「カルボシクリル」という用語は、単独または別のラジカルとの組合せのいずれかで使用された場合、3〜14個の炭素原子からなる単環式、二環式または三環式環構造を意味する。「炭素環」という用語は、完全に飽和し、芳香族の環系であり、部分的に飽和した環系を指す。「炭素環」という用語は、縮合、架橋およびスピロ環式系を包含する。
【化15】
【0035】
シクロアルキル:
「C
3-n−シクロアルキル」(式中、nは4〜nの整数である)という用語は、単独または別のラジカルとの組合せのいずれかにおいて、3〜n個のC原子を有する環式、飽和、非分枝の炭化水素ラジカルを意味する。例えばC
3-7−シクロアルキルという用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを含む。
【0036】
シクロアルケニル:
「C
3-n−シクロアルケニル」(式中、nは3〜nの整数である)という用語は、単独または別のラジカルとの組合せのいずれかにおいて、3〜n個のC原子を有し、このうちの少なくとも2個が二重結合で互いに結合されている、環式、不飽和であるが、非芳香族、非分枝の炭化水素ラジカルを意味する。例えば、C
3-7−シクロアルケニルという用語は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニルおよびシクロヘプタトリエニルを含む。
【0037】
アリール:
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、単独または別のラジカルとの組合せのいずれかにおいて、第2の5または6員の炭素環式基(芳香族、飽和または不飽和であってよい)にさらに縮合していてもよい、6個の炭素原子を含有する炭素環式芳香族単環式基を意味する。アリールは、これらに限らないが、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチルおよびジヒドロナフチルを含む。
【0038】
ヘテロシクリル:
「ヘテロシクリル」という用語は、N、OまたはS(O)
r(式中、r=0、1または2である)から選択される1個または複数のヘテロ原子を含有し、3〜14個の環原子からなり、ヘテロ原子のいずれも芳香族環の一部ではない、芳香族環系を含めた飽和または不飽和の単環式または多環式環系を意味する。「ヘテロ環」という用語は、すべての可能な異性体の形態を含むことを意図する。
【0039】
ヘテロアリール:
「ヘテロアリール」という用語は、N、OまたはS(O)
r(式中、r=0、1または2である)から選択される1個または複数のヘテロ原子を含有し、5〜14個の環原子からなり、ヘテロ原子のうちの少なくとも1個が芳香族環の一部である、単環式または多環式環系を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、すべての可能な異性体の形態を含むことを意図する。
【0040】
したがって、「ヘテロアリール」という用語は、適当な原子価が維持されている限り、各形態は共有結合を介して任意の原子に付加することができるので、ラジカルとして描写されていない以下の例示的構造を含む:
【化16】
上記に与えられた用語の多くは、式または基の定義において繰り返し使用することができ、いずれの場合も、互いに独立して、上記に与えられた意味のうちの1つを有する。
【0041】
一般的調製方法
本発明の化合物は、当業者には周知の技法に従い調製することができる。
【0042】
本発明の化合物は、以下のスキームにより合成することができる:
スキーム1
【化17】
アリールケトンを、カリウムtertブトキシドで脱プロトン化し、メチルエステルで縮合することによって、ジ−ケトンを形成した。次いで、ジ−ケトンをヒドラジンで縮合することによって、ピラゾール系を生成した。塩基性条件下、ピラゾールを2−ブロモ酢酸メチルエステルとカップリングすることによって、異なる量の異性体系と一緒に所望のピラゾール−1−イル−酢酸メチルエステルを生成した。ピラゾール−1−イル−酢酸メチルエステルをLiOHで加水分解して相当する酸にした。異性体は、エステルの加水分解前または加水分解後のいずれかに分離した。最後に、ピラゾール−1−イル−酢酸をアリール置換ピペラジンとカップリングして、所望の生成物にした。
【0043】
代わりに、本発明の化合物は、スキーム2に従い合成することができる:
スキーム2
【化18】
【0044】
この場合、ジ−ケトン系を、ヒドラジノ−酢酸エチルエステルで直接縮合することによって、酸性条件下で2つの異性体のピラゾール−1−イル−酢酸エステルを生成した。次いで、スキーム1に対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーに従い、標的化合物を得た。
【0045】
さらなる代替法として、本発明の化合物をスキーム3に従い合成することができる:
スキーム3
【化19】
ピラゾール系は、スキーム1に例示されているストラテジーと同じストラテジーに従い形成したか、またはこれらは市販されている。しかし、この場合、アリールピペラジンを、塩基性条件下でブロモアセチルブロミドと最初にカップリングした。続いて、ブロモ−アリールピペラジニル−エタノン誘導体をピラゾールとカップリングして、所望の生成物にした。
【0046】
生物学的アッセイ
mGluR5の正のモジュレーションを、ヒト組換え型mGluR5を発現するHEK293細胞株において測定し、カルシウムベースのFLIPRアッセイで検出する。細胞は、10%FCS、2μg/mLのテトラサイクリン、100μg/mLのハイグロマイシンおよび500μg/mLのジェネティシン(gneticin)を補充したDMEMで培養する。細胞培養媒体を、アッセイの3〜7日前にテトラサイクリンを含まない細胞培養媒体と交換する。アッセイの1日前に、細胞培養媒体をグルタミンおよびフェノールレッドを含まず、10%FCS、100μg/mLのハイグロマイシンおよび500μg/mLのジェネティシンを補充したDMEMと交換する。アッセイ当日、サブコンフルエンシーの培養物の培地を除去し、175cm
2培養フラスコ1個当たり2.5mlのEDTA(0.02%)を1分間添加することによって、細胞を分離する。細胞をリンガー溶液(140mM NaCl、5mM KCl、2.5mM CaCl2、1.5mM MgCl2、5mM グルコース、10mM Hepes;NaOHでpH7.4に調節)中に再懸濁させ、これを溜め、リンガー溶液を加えることによって、容量を50mLに調整する。細胞懸濁液を1500U/分(425g)で5分間遠心分離する。上清を除去し、細胞を2回目に50mlの新鮮なリンガー溶液で洗浄し、前回と同様に再び遠心分離する。上清を再び除去し、リンガー溶液中にペレットを1,000,000細胞/ml(1×10
6細胞/mL)に再懸濁させる。細胞を、BD BioCoat Poly−D−Lysine 384ウェルプレート(20,000細胞/ウェル;20μl/ウェル)上にプレーティングする。次いで蓋をしたプレートを、37℃/10%CO2で使用するまでインキュベートする。色素添加のため、20μlのCalcium−4アッセイキット溶液(製造元の記載に従いリンガー溶液中に調製)を細胞に加え、プレートを37℃で80分間、次いで室温で10分間インキュベートする。
【0047】
対照、化合物の希釈およびアッセイの実施:
各アッセイプレートは、「高い」および「低い」対照を有するウェルを含有した:
低い対照は、1%DMSO/リンガー溶液+基底のグルタミン酸活性化(100%CTLと定義)。
高い対照は、10μMのCDPPB+基底のグルタミン酸活性化(200%CTLと定義)。
【0048】
試験化合物は、DMSO中に溶解し、所望の濃度の100分の1倍となるように希釈した。第2のステップでは、化合物が所望の最終アッセイ濃度のさらに4分の1倍の濃度となるように、化合物をリンガー溶液中で希釈する。最終DMSO濃度は1%であった。
次いで、20μlの各化合物溶液をアッセイプレートに移し、Ca2+速度を測定することによって、任意の真性層化合物の活性を判定する。FLIPR装置内での5分間のインキュベーション後、リンガー溶液中20μlのグルタミン酸での第2の刺激(グルタミン酸濃度は、最大限可能なグルタミン酸作用のおよそ5%の基底刺激に調節)を加え、モジュレーション作用についてウェルの動力学的Ca2+応答を測定した。
【0049】
分析:
Ca放出関連の蛍光信号(9−66)のピーク高さをEC50に対して使用する。
【0050】
GraphPad Prismを用いて非線形回帰でモジュレーションのEC50を計算する(表1)。
【表1】
【0051】
治療方法
本発明は、mGluR5の正のモジュレーターの活性に治療的利点がある疾患および/または状態の治療に有用な一般式Iの化合物を対象とし、これには、精神性障害、認知障害および認知症の治療が含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
一般式Iの化合物は、統合失調症、分裂情動性型障害および物質誘発性精神性障害;認知障害および認知症、例えば、年齢に関連する学習障害または損失および記憶障害または損失、脳卒中後認知症、集中力の欠如、軽度認知障害、アルツハイマー病の認知機能障害、ならびに統合失調症の認知機能障害を含めたものなどを含む精神性障害の治療に対して有用である。したがって、本発明はまた、医薬品としての一般式Iの化合物にも関する。
本発明のさらなる態様は、mGluR5の正のモジュレーターの活性に治療的利点がある疾患および/または状態の治療のための一般式Iの化合物の使用に関する。
さらに、本発明は、精神性障害、認知障害および認知症の治療のための一般式Iの化合物の使用に関する。
さらに、本発明は、統合失調症、分裂情動性型障害および物質誘発性精神性障害;認知障害および認知症、例えば、年齢に関連する学習障害または損失および記憶障害または損失、脳卒中後認知症、集中力の欠如、軽度認知障害、アルツハイマー病の認知機能障害、ならびに統合失調症の認知機能障害を含めたものなどを含む精神性障害の治療のための、一般式Iの化合物の使用に関する。
本発明のさらなる態様では、本発明は上述の疾患および状態の治療または予防のための方法であって、一般式Iの化合物の有効量をヒトに投与することを含む方法に関する。
【0053】
投与量
一日当たり適用可能な一般式Iの化合物の投与範囲は普通、0.1〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mg、より好ましくは5〜500mg、最も好ましくは、10または100mgである。各用量単位は、0.1〜500mg、好ましくは10〜100mgを含有するのが便利なことがある。
実際の薬学的有効量または治療的投与量は当然、例えば、患者の年齢および体重、投与経路および疾患の重症度など、当業者に公知の要素によって異なることになる。いずれにせよ、組合せは、患者の独自の状態に基づいて送達されるべき薬学的有効量を可能にするような投与量および方式で投与されることになる。
医薬組成物
式の化合物を投与するのに適切な調合物は、当業者には明らかであり、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、サシェ剤、注射剤、吸入剤および散剤などを含む。薬学的活性のある化合物(複数可)の含有量は、組成物の全体の1〜99重量%、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜70重量%の範囲とするべきである。
【0054】
適切な錠剤は、例えば、式Iによる1つまたは複数の化合物を公知の賦形剤、例えば不活性な希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、結合剤および/または潤滑剤と混合することにより得ることができる。錠剤はまたいくつかの層からなってもよい。本発明のさらなる態様は、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と混合した式Iの化合物を含む医薬製剤である。
併用療法
別の態様では、本発明は、本発明による活性化合物が別の活性化合物と一緒に投与される併用療法に関する。したがって、本発明はまた、活性成分のこのような組合せを提供する医薬製剤であり、これらの活性成分のうちの1つの成分が本発明の活性化合物である医薬製剤を指す。このような組合せは、多剤混合薬(組み合わせる活性成分が同じ医薬製剤に属する)であっても、または自由な混合薬(活性成分が別個の医薬製剤中にある)であってもよい。
【0055】
したがって、本発明のさらなる態様は、本発明の活性化合物のそれぞれの組合せ、好ましくは少なくとも1つの本発明による活性化合物と、例えば以下の群から選択される別の活性化合物との組合せを指す:抗精神病剤、例えば、ハロペリドール、クロザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリプリパゾール(aripripazole)、およびオランザピンなど;抗うつ剤、例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤およびデュアルセロトニン/ノルアドレナリン再取り込み阻害剤など;気分安定剤、例えば、リチウムバルプロエートおよびラモトリジンなど;ベータ−セクレターゼ阻害剤;ガンマ−セクレターゼ阻害剤;ガンマ−セクレターゼモジュレーター;アミロイド凝集阻害剤、例えばシロイノシトールなど;直接的または間接的に作用する神経防護作用および/または疾患修飾物質など;抗酸化剤、例えば、ビタミンE、イチョウまたはギンコライド(ginkolide)など;抗炎症性物質、例えば、Cox阻害剤、追加的または独占的にAβ(Abeta)低下特性を有するNSAIDなど;HMG−CoA還元酵素阻害剤、例えば、スタチンなど;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、ドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミンなど;NMDA受容体アンタゴニスト、例えば、メマンチンなど;AMPA受容体アゴニスト;AMPA受容体の正のモジュレーター、AMPkine、グリシントランスポーター1阻害剤など;モノアミン受容体再取り込み阻害剤;ニューロトランスミッターの濃度または放出をモジュレートする物質;成長ホルモンの分泌を誘発する物質、例えば、イブタモレンメシレートおよびカプロモレリンなど;CB−1受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト;抗生剤、例えば、ミノサイクリンまたはリファンピシンなど;PDE1、PDE2、PDE4、PDE5、PDE9またはPDE10阻害剤、GABAA受容体インバースアゴニスト;GABAAアルファ5受容体インバースアゴニスト;GABAA受容体アンタゴニスト;ニコチン受容体アゴニストまたは部分アゴニストまたは正のモジュレーター;アルファ4ベータ2ニコチン受容体アゴニストまたは部分アゴニストまたは正のモジュレーター;アルファ7ニコチン受容体アゴニストまたは部分アゴニスト;ヒスタミン受容体H3アンタゴニスト;5−HT4受容体アゴニストまたは部分アゴニスト;5−HT6受容体アンタゴニスト;アルファ2−アドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムアンタゴニスト;ムスカリン受容体M1アゴニストまたは部分アゴニストまたは正のモジュレーター;ムスカリン受容体M2アンタゴニスト;ムスカリン受容体M4アンタゴニスト;ムスカリン受容体M4ポジティブアロステリックモジュレーター;代謝調節型グルタミン酸受容体5ポジティブアロステリックモジュレーター;代謝調節型グルタミン酸受容体2アンタゴニスト;代謝調節型グルタミン酸受容体2/3アゴニスト;代謝調節型グルタミン酸受容体2ポジティブアロステリックモジュレーターならびに本発明による活性化合物の効力および/または安全性を増加させ、および/または望ましくない副作用を減少させるような方式で受容体または酵素をモジュレートする他の物質。
【0056】
本発明による活性化合物はまた、免疫療法、例えば、Abetaまたはその部位による能動的免疫付与または上述の疾患および状態の治療のために、ヒト化抗−Abeta抗体、ナノボディまたは抗体フラグメントによる受動的免疫付与などと組み合わせて使用することもできる。
【0057】
本発明による活性化合物はまた、ハロペリドール、フルペンチキソール、フルスペリレン、クロルプロチキセン、プロチペンジル、レボメプロマジン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、パリペリドン、アミスルピリド、ジプラシドン、アリピプラゾール、スルピリド、ゾテピン、セルチンドール、フルフェナジン、ペルフェナジン、ペラジン、プロマジン、クロルプロマジン、レボメプロマジン、ベンペリドール、ブロムペリドール、ピモジド、メルペロン、ピパンペロン、イロペリドン、アセナピン、ペロスピロン、ブロナンセリン、ルラシドンなどの抗精神病剤と組み合わせてもよい。
【0058】
本発明による活性化合物はまた、アミトリプチリンイミプラミン塩酸塩、イミプラミンマレエート、ロフェプラミン、デシプラミン、ドキセピン、トリミプラミンなどの抗うつ剤と組み合わせてもよい。
【0059】
または、本発明による活性化合物はまた、セロトニン(5−HT)再取り込み阻害剤、例えば、アラプロクラート、シタロプラム、エスシタロプラム、クロミプラミン、デュロキセチン、フェモキセチン、フェンフルラミン、ノルフェンフルラミン、フルオキセチン、フルボキサミン、インダルピン、ミルナシプラン、パロキセチン、セルトラリン、トラゾドン、ベンラファキシン、ジメリジン、ビシファジン、デスベンラファキシン、ブラソフェンシン(brasofensme)およびテソフェンシンなどと組み合わせてもよい。
本発明による組合せは、同時に1つおよび同じ剤形内で、すなわち組合せ調合物の形態で提供されてもよく、例えば2つの成分を1つの錠剤中に、例えば前記錠剤の異なる層の中に組み込むこともできる。組合せは、自由な組合せの形態で別々に提供することもでき、すなわち本発明の活性化合物は、1つの剤形で提供され、1つまたは複数の上述の組合せパートナーは、別の剤形で提供される。これらの2つの剤形は、等しい剤形、例えば、1つが本発明の活性化合物の治療有効量を含有し、1つが上述の組合せパートナーの治療有効量を含有する、2つの錠剤の同時投与であってよい。所望する場合、異なる投与形態を組み合わせることもまた可能である。いかなるタイプの適切な投与形態も提供することができる。
【0060】
本発明による活性化合物、または生理学的に許容されるその塩は、別の活性物質と組み合わせて、同時にまたは時間をずらして、ただし特に時間的に接近して使用することができる。同時に投与する場合、2つの活性物質は患者に一緒に与える。時間をずらして投与する場合、2つの活性物質は、12時間以内、特に6時間以内の間に患者に逐次的に与える。
投与量または投与形態は限られておらず、本発明の枠内でいかなる適切な剤形も使用することができる。例として、剤形は、固体調合物、例えば、パッチ剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、ペレット剤、糖衣錠、散剤、トローチ剤、坐剤、液体調合物、例えば、液体剤、懸濁剤、乳剤、ドロップ剤、シロップ剤、エリキシル剤など、または気体調合物、例えば、エアゾール剤、スプレー剤などから選択することができる。
【0061】
剤形は、用量単位で製剤化するのが有利であり、各用量単位は、各活性成分が存在する単回投与を供給するよう適応されている。したがって、投与経路および剤形に応じて成分が選択される。
上述の組合せパートナーに対する投与量は、適切には、通常推奨されている最も低い用量の1/5から、通常推奨されている用量の1/1までであってよい。
剤形は製剤の性質に応じて、毎日例えば1、2、3、または4回患者に投与する。遅延放出もしくは持続放出の製剤または他の医薬製剤の場合、同じものが異なって適用されることもある(例えば週または月に1回など)。本発明の活性化合物は、毎日3回以下、より好ましくは1回または2回投与されることが好ましい。
実験のセクション
一般式Iの化合物に対する例の調製
他に述べられていない限り、1つまたは複数の互変異性体形態の、本明細書で以下に記載されている例の化合物は、インサイツで調製し、および/または単離することができる。本明細書で以下に記載されている例のすべての互変異性体形態の化合物は、開示されているとみなされるべきである。
【0062】
本発明は、以下の例により例示されており、この中で以下の略語を採用することができる:
略語
RT 室温
THF テトラヒドロフラン
KotBu カリウムtertブトキシド
PFTU ペンタフルオロフェノール(pentafluorphenol)−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(hexafluorophosphat)
ACN アセトニトリル
MeOH メタノール
DIPEA ジイソプロピルアミン
DEA ジエチルアミン
EtOAC 酢酸エチル
DMF ジメチルホルムアミド
TBTU [(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−アンモニウムテトラフルオロボレート
HATU (O−(7−アゾベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
conc. 濃縮
min. 分
DCM ジクロロメタン(dichlormethane)
【0063】
分析法
以下の例において特定されたすべての化合物から、理論的なアイソトープパターンと合致している正しい質量スペクトルが得られた。実用的理由のため、主要なアイソトープピークのうちの1つのみが、質量スペクトルに対する代表的データとして与えられている。
【0064】
HPLC精製方法のリスト:
方法1:
Gilson HPLC
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
00.00 90 10 50
02.00 90 10 50
11.00 0 100 50
14.00 0 100 50
カラム:SunfireC18、30×100mm、10μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0065】
方法2:
カラム:Daicel OJH、250mm×4.6mm、
流速:4ml/分、
作動時間:10分、
移動相:CO
2、20%メタノールとDEA
HPLC/MSデータは、特定されている場合、以下の状態で得たものである:
【0066】
分析用HPLC法のリスト:
方法A:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Acquity
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 99 1 1.20
0.05 99 1 1.20
1.05 0 100 1.20
1.25 0 100 1.20
カラム:Sunfire C18、2.1×30mm、2.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
ダイオードアレイ検出:210〜400nm。
【0067】
方法B:
Waters ZQ MS、Alliance 2690/2695 HPLC、Waters 996/2996 ダイオードアレイ検出器
溶出液:
A:水と0.10%TFA
D:メタノール
勾配:
時間(分) %A %D 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
0.20 95 5 4.00
1.60 0 100 4.00
2.10 0 100 4.00
カラム:Waters XBridge(商標)C18 3.5μm、4.6×20mm IS(商標)(温度:アイソクラチック40℃)。
ダイオードアレイ検出:210〜400nm。
【0068】
方法C:
Waters ZMD、Alliance 2690/2695 HPLC、Waters 996/2996 ダイオードアレイ検出器
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:アセトニトリル(acetonitril)と0.10%TFA
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 2.80
0.30 95 5 2.80
1.60 2 98 2.80
1.90 2 98 2.80
2.00 95 5 2.50
カラム:Merck Chromolith(商標)Flash RP−18e、3mm×100mm(温度:アイソクラチック25℃)
ダイオードアレイ検出:210〜400nm。
【0069】
方法D:
ダイオードアレイ検出器付きのWaters Acquity
溶出液:
A:水と0.13%TFA
B:メタノールと0.05%TFA
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 99 1 1.20
0.05 99 1 1.20
1.05 0 100 1.20
1.25 0 100 1.20
カラム:Sunfire C18、2.1×30mm、2.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0070】
方法E:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.90
1.60 0 100 4.90
2.20 95 5 4.90
カラム:Sunfire C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0071】
方法F:
Agilent 1200 mit DA− und MS−Detektor
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 1.80
0.20 95 5 1.80
1.70 0 100 1.80
1.75 0 100 2.50
2.20 0 100 2.50
カラム:Sunfire C18、3×30mm、2.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0072】
方法G:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノールと0.10%TFA
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
0.20 95 5 4.00
1.50 0 100 4.00
1.75 0 100 4.00
1.85 95 5 4.00
カラム:XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0073】
方法H:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.90
1.50 0 100 4.90
2.20 95 5 4.90
カラム:XBridgeC18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0074】
方法I:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Acquity
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 99 1 1.50
0.05 99 1 1.50
1.05 0 100 1.50
1.20 0 100 1.50
カラム:Xbridge C18、2.1×30mm、1.7μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0075】
方法J:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Acquity
溶出液:
A:水と0.13%TFA
B:メタノールと0.08%TFA
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 99 1 1.30
0.05 99 1 1.30
0.35 0 100 1.30
0.50 0 100 1.30
カラム:Xbridge C18、2.1×30mm、1.7μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0076】
方法K:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%NH3
B:メタノールと0.10%NH3
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
0.20 95 5 4.00
1.50 0 100 4.00
1.75 0 100 4.00
カラム:XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0077】
方法L:
Waters ZQ 2000MS、Agilent HP100、binareポンプ
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 1.50
1.30 0 100 1.50
2.50 0 100 1.50
2.60 95 5 1.50
カラム:Sunfire C18、4.6×50mm、3.5μm(温度:アイソクラチック40℃)。
ダイオードアレイ検出:210〜400nm。
【0078】
方法M:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Acquity
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 99 1 1.30
0.15 99 1 1.30
1.10 0 100 1.30
1.25 0 100 1.30
カラム:Sunfire C18、2.1×30mm、2.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
ダイオードアレイ検出:210〜400nm。
【0079】
方法N:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのAgilent 1100 System
溶出液:
A:水と0.10%アンモニア
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
0.15 95 5 4.00
1.70 0 100 4.00
2.10 0 100 4.00
カラム:Stable Bond C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0080】
方法O:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのAgilent 1100 System
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノールと0.10%TFA
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
0.15 95 5 4.00
1.70 0 100 4.00
2.25 0 100 4.00
カラム:Sunfire C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0081】
方法P:
Agilent 1200 mit DA− und MS−Detektor
溶出液:
A:水と0.20%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 2.20
0.05 95 5 2.20
1.40 0 100 2.20
1.80 0 100 2.20
カラム:Stable Bond C18、3×30mm、1.8μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0082】
方法Q:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Acquity
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 99 1 1.40
0.05 99 1 1.40
1.00 0 100 1.40
1.10 0 100 1.40
カラム:Xbridge C18、2.1×20mm、2.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0083】
方法R:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.80
1.60 0 100 4.80
1.85 0 100 4.80
1.90 95 5 4.80
カラム:XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0084】
方法S:
Agilent 1200 mit DA− und MS−Detektor
溶出液:
A:水と0.20%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 2.20
0.05 95 5 2.20
1.40 0 100 2.20
1.80 0 100 2.20
カラム:Sunfire C18、3×30mm、2.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0085】
方法T:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
1.60 0 100 4.00
1.85 0 100 4.00
1.90 95 5 4.00
カラム:XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0086】
方法U:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Acquity
溶出液:
A:水と0.13%TFA
B:メタノール0.05%TFA
勾配
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 99 1 1.30
0.05 99 1 1.30
1.05 0 100 1.30
1.20 0 100 1.30
カラム:Xbridge BEH C18、2.1×30mm、1.7μm(温度:アイソクラチック60℃
【0087】
方法V:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
1.60 0 100 4.00
1.85 0 100 4.00
1.90 95 5 4.00
カラム:SunFire C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0088】
方法W:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters ZQ2000
溶出液:
A:水と0.15%ギ酸
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 1.50
2.00 0 100 1.50
カラム:Xbridge C18、2.1×50mm、3.5μm(温度:アイソクラチック40℃)。
【0089】
方法X:
Agilent 1200 mit DA− und MS−Detektor
溶出液:
A:水と0.10%アンモニア
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 2.20
0.20 95 5 2.20
1.50 0 100 2.20
1.55 0 100 2.90
1.70 0 100 2.90
カラム:Xbridge C18、3×30mm、2.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0090】
方法Y:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%NH3
B:メタノールと0.10%NH3
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
0.20 95 5 4.00
1.50 0 100 4.00
1.75 0 100 4.00
カラム:XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0091】
方法Z:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Acquity
溶出液:
A:水と0.1%TFA
B:メタノール
勾配
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 99 1 1.50
0.05 99 1 1.50
1.05 0 100 1.50
1.20 0 100 1.50
カラム:Xbridge BEH Phenyl、2.1×30mm、1.7μm(温度:アイソクラチック60℃)
【0092】
方法AA:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Acquity
溶出液:
A:水と0.1%TFA
B:メタノール
勾配
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 99 1 1.50
0.05 99 1 1.50
1.00 0 100 1.50
1.10 0 100 1.50
カラム:Xbridge Phenyl、2.1×20mm、2.5μm(温度:アイソクラチック60℃)
【0093】
方法AB:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
1.60 0 100 4.00
1.85 0 100 4.00
1.90 95 5 4.00
カラム:XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0094】
方法AC:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
0.20 95 5 4.00
1.50 0 100 4.00
1.90 0 100 4.00
2.20 95 5 4.00
カラム:XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0095】
方法AD:
ダイオードアレイ検出器および質量検出器付きのWaters Alliance
溶出液:
A:水と0.10%NH3
B:メタノール
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 4.00
0.20 95 5 4.00
1.50 0 100 4.00
1.75 0 100 4.00
カラム:XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0096】
方法AE:
ダイオードアレイ検出器付きのWaters SQD MS、Acquity UPLC
溶出液:
A:水と0.10%TFA
B:アセトニトリル0.08%TFA
勾配:
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 1.50
0.70 0 100 1.50
0.80 0 100 1.50
0.81 95 5 1.50
カラム:Ascentis Express C18、2.1×50mm、2.7μm(温度:アイソクラチック60℃)。
【0097】
中間体の合成
6.01.構成ブロックの合成
6.01.01 4−メトキシ−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩
【化20】
【0098】
6.01.01.1 4−クロロ−6−メトキシ−ピリミジン
ナトリウムメタノレート(5.8g)を、MeOH(150mL)中の4,6−ジクロロピリミジン(10g)に0℃で加えた。反応物を室温まで温め、室温で終夜撹拌した。次いでナトリウムメタノレート(3.63g)を加え、反応物を3時間撹拌した。混合物を水で処理し、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させることによって、9.7gの4−クロロ−6−メトキシ−ピリミジンを得た。
R
t:0.87分(方法B)
(M+H)
+:145
【0099】
6.01.01.2 4−(6−メトキシ−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トリエチルアミン(18.6mL)およびピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、DMF(50mL)中の4−クロロ−6−メトキシ−ピリミジン(9.7g)に加えた。反応物を60℃で終夜撹拌した。反応物を冷却し、沈殿物を濾過した。濾液を蒸発させた。残渣をDCM中に溶解し、水で抽出し、塩化ナトリウム溶液で洗浄した。溶媒を蒸発させ、残渣をペトロ−ルエーテル(petrolether)とジエチルエーテルの混合物(8:2)で結晶化することによって、8.7gの所望の化合物を生成した。
R
t:1.12分(方法B)
(M+H)
+:195
【0100】
6.01.01.3 4−メトキシ−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩
4−(6−メトキシ−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(8.61g)を、ジオキサン中4モル/LのHCl溶液の中で1時間撹拌した。沈殿物を濾過し、ジオキサンで洗浄し、乾燥させることによって、5.17gの所望の化合物を生成した。
R
f:0.75(フラッシュクロマトグラフィー:シリカゲル、シクロヘキサン:EtOAc/NH3(3:1))
(M+H)
+:295
【0101】
4−メトキシ−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩に対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化21】
【0102】
6.01.04 1−ピリジン−3−イル−ピペラジン
【化22】
6.01.04.1 1−ベンジル−4−ピリジン−3−イル−ピペラジン
シクロヘキサン/ジエチルエーテル(7/3)中の1.8Mフェニルリチウム溶液を、冷却したジエチルエーテル(600mL)中3−フルオロピリジン(fluorpyridine)(25g)およびn−ベンジルピペラジン(59g)に滴下した。反応物を室温まで温め、室温で終夜撹拌した。水(150mL)を混合物に滴下し、有機層を乾燥させ、蒸発させた。残渣を、シリカゲル(ジクロロメタン(dichlormethane)/シクロヘキサン/メタノール(5/5/1))上で浄化することによって、31.3gの所望の化合物を生成した。
【0103】
6.01.04.2 1−ピリジン−3−イル−ピペラジン
1−ベンジル−4−ピリジン−3−イル−ピペラジン(piperazin)(31.3g)を、メタノール(300mL)中10%木炭担持パラジウム(4g)上で、5バールで、50℃で25時間水素化した。反応物を濾過した。濾液を蒸発させ、シリカゲル(ジクロロメタン(dichlormethane)/メタノール/アンモニア(9/1/0.1))上でのクロマトグラフィーで精製した。12.5gの所望の化合物を得た。
【0104】
6.01.05 2−ブロモ−1−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノン
【化23】
6.01.05.1 2−ブロモ−1−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノン
ブロモアセチルブロミド(bromacetylbromide)(20.2g)を、THF(250mL)中の1−ピリミジン−2−イル−ピペラジン(piperazin)(16.5g)およびトリエチルアミン(10.2g)に滴下した。反応物を室温で終夜撹拌し、蒸発させた。残渣をDCMおよび水で抽出した。有機層を蒸発させた。残渣を、ペトロールエーテルで結晶化し、次いでシリカゲル(DCM/MeOH:95/5)上でのクロマトグラフィーで精製することによって、36mgの所望の化合物を生成した。
R
t:1.09分(方法C)
(M+H)
+:286
【0105】
6.01.06 5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化24】
塩化チオニル(2.7mL)をメタノール(50mL)中5−フルオロ(fluor)−ピリジン−2−カルボン酸(5g)に滴下した。反応物を密封したマイクロ波バイアル内で、65℃で2時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をDCMとメタノールの混合物中に溶解し、シリカゲル上で濾過した。濾液を蒸発させることによって、5.9gの所望の生成物を得た。
R
t:0.77(方法K)。(M+H)
+:156
【0106】
5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化25】
【0107】
6.01.08 5,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化26】
ヘキサン中2モル/Lのトリメチルシリルジアゾメタン(trimethylsilyldiazomethan)(77.4ml)を、メタノール(150mL)およびジクロロメタン(dichlormethane)(600mL)中の5,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボン酸に−5℃で加えた。反応物を−5℃で0.5時間撹拌し、次いで室温まで温めた。溶媒を除去し、残渣をシリカ(シクロヘキサン7:酢酸エチル3)上のクロマトグラフィーで精製することによって、12.8gの所望の生成物を得た。
R
t:0.49(方法M)
(M+H)
+:166
【0108】
6.01.09 4−クロロ−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン
【化27】
tert−ブチル1−ピペラジンカルボキシレート(13.3g)およびDIPEA(11.2mL)を、ジクロロメタン(dichlormethane)(1000mL)中4,6ジクロロピリミジン(10g)を加え、室温で週末にかけて撹拌した。溶媒を除去した。残渣をジクロロメタン(dichlormethane)(200mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(200mL)を加えた。反応物を室温で撹拌した。溶媒を除去した。残渣をメタノール中に溶解し、樹脂を含有するHCO3に通した。溶媒を除去し、残渣を、シリカ(シクロヘキサン(dcyclohexane):酢酸エチル0〜40%)上でのクロマトグラフィーで精製することによって、13.07gの所望の生成物を生成した。R
t:1.77分(方法W)。(M+H)
+:199
【0109】
6.01.10 5−フルオロ−4−メチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化28】
2−ブロモ−5−フルオロ−4−メチル−ピリジン(18g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(1.5g)および酢酸ナトリウム(18g)を80℃および5バールの一酸化炭素中で17時間撹拌した。反応物を濾過し、溶媒を除去した。ジエチルエーテルを残渣に加え、混合物を濾過した。濾液を蒸発させることによって、12gの所望の生成物を得た。
R
t:0.90分(方法AB)
(M+H)
+:170
【0110】
5−フルオロ−4−メチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化29】
【0111】
6.02. ピラゾール−1イル−酸の合成
6.02.01.01 1−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン
【化30】
KOtBu(17.3g)をTHF(500mL)中に溶解し、アセトフェノン(9mL)を加えた。室温で15分後、4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−安息香酸メチルエステル(25.9g)を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲル(シクロヘキサン/EE:98:2)上でのクロマトグラフィーで精製することによって、19.3gの所望の化合物を生成した。
【0112】
1−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオンに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化31】
【0113】
6.02.01.20 1,3−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−1,3−プロパンジオン
【化32】
KOtBu(9.27g)を、THF(150mL)中の18−Krone−6(109mg)および4−フルオロアセトフェノン(fluoracetophenone)(5mL)に加えた。室温で30分後、4−フルオロ−安息香酸メチルエステル(10.7g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応物を水で分解し、濾過し、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル(シクロヘキサン/EE:98:2)上でのクロマトグラフィーで精製した。溶媒を除去し、3.9gの所望の化合物を得た。
(M+H)
+:261
【0114】
1−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオンに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化33】
【0115】
6.02.01.36 1−シクロヘキシル−3−(4−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオン
【化34】
60%ナトリウム水素化物(sodiumhydrid)(0.88g)をTHF(60mL)中1−シクロヘキシル−エタノンに加え、30分間撹拌した。次いで、4−フルオロ−安息香酸メチルエステル(3.25g)および18−Krone−6(200mg)を反応物に加えた。反応物を2時間還流させ、室温で終夜撹拌した。反応物を1N HCl(100mL)に加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィーで精製し、3gの所望の化合物を得た。R
t:2.01分(方法B)。(M+H)
+:249
【0116】
1−シクロヘキシル−3−(4−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオンに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化35】
【0117】
6.02.02.01 3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール
【化36】
1−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン(1.7g)を、1NヒドラジンのTHF中溶液(20mL)に溶解し、75℃で3時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を結晶化することによって、1.7gの所望の化合物を得た。
R
t:1.07分(方法D)
(M+H)
+:253
【0118】
3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾールに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化37】
【0119】
6.02.03.01 3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル−酢酸メチルエステル
【化38】
3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール(1.7g)、K
2CO
3(4g)および2−ブロモ酢酸メチルエステル(0.64mL)を、アセトン(100mL)に溶解し、還流下で10時間撹拌した。K
2CO
3を濾過し、溶媒を除去することによって、異性体混合物として1.9gを生成した。
【0120】
1−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオンに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化39】
【0121】
6.02.03.41および6.02.03.42の異性体の分離
カラム:Daicel ADH−Saule(250×20mm)
溶出液:25%EtOH+0.2%DEA:75%CO
2:流速:65ml/分
以下に溶解:MeOH:クロロホルム9:1(濃度:70mg/ml)
波長:210nm
【0122】
6.02.04.01 3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル酢酸
【化40】
3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル−酢酸メチルエステル(1.9g)をジオキサン(20mL)中に溶解し、LiOH(153mg)の水(3mL)中溶液を加えた。混合物を89℃で6時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をメタノールと水の混合物に溶解し、HPLC(方法1)で精製し、続いてHPLC(方法2)により2つの異性体へと分離した。収量:2つの異性体の222mgおよび374mg。
R
t:1.05分(方法D)
(M+H)
+:311
【0123】
3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル酢酸に対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化41】
【0124】
6.02.04.45 (3,5−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル)−酢酸
【化42】
濃縮酢酸(accetic acid)(7mL)を、1,3−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオン(500mg)およびヒドラジノ−酢酸エチルエステル塩酸塩(299mg)に加え、室温で24時間撹拌し、80℃でさらに24時間撹拌した。反応物を冷却し、沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させることによって、418mgの所望の化合物を得た。
R
f:0.24(フラッシュクロマトグラフィー:シリカゲル、DCM:MeOH:19:1+2滴の濃酢酸)
(M+H)
+:339。
【0125】
6.02.05.01 (3,5−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル)−酢酸
【化43】
(3−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル)−酢酸(700mg)をDMF(10mL)中に溶解した。TBTU(869mg)およびDIPEA(465μL)をこの溶液に加え、混合物を室温で1分間撹拌した。4−クロロ−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン(448mg)を加え、撹拌を2時間継続した。次いで、1M NaOH溶液(10mL)およびCH
2Cl
2(50mL)を加え、有機相を分離した。溶媒を除去した。残渣をジクロロメタン(dichlormethane)に溶解し、水を加え、層を分離した。有機層を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0〜30)で精製することによって、500mgの所望の化合物を生成した。
R
t:1.58(方法F)
(M+H)
+:491
【0126】
7.標的化合物の合成
7.01.001. 2−(3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル)−1−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラジニル)−エタノン
【化44】
3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル酢酸(50mg)をDMF(2mL)中に溶解した。PFTU(83mg)およびDIPEA(33μL)をこの溶液に加え、混合物を室温で15分間撹拌した。次いで、2−(1−ピペラジニル)−ピリミジン(25μL)を加え、撹拌を8時間継続した。次いで、K
2CO
3溶液(5%)(1mL)およびCH
2Cl
2(10mL)を加え、有機相を分離し、水で2回洗浄した。溶媒を除去し、残渣をACNから結晶化することによって、46mgの所望の化合物を生成した。
R
t:1.04分(方法A)
(M+H)
+:457
【0127】
2−(3−(4−フルオロ−3−メチル(mehyl)−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル)−1−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラジニル)−エタノンに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【0128】
【化45】
【0129】
7.02.01. 2−(3,5−ジフェニル−ピラゾール−1−イル)−1−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラジニル)−エタノン
【化46】
(3,5−ジフェニル−ピラゾール−1−イル)−酢酸(278mg)をDMF(5mL)に溶解した。TBTU(321mg)およびDIPEA(172μL)をこの溶液に加え、混合物を室温で数分間撹拌した。2−(1−ピペラジニル)−ピリミジン(164mg)を加え、撹拌を30分間継続した。次いで1M NaOH溶液(10mL)およびCH
2Cl
2(50mL)を加え、有機相を分離した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH/NH3 0〜5%)で精製した。ジエチルエーテルを残渣に付与し、沈殿物を濾過することによって、310mgの所望の化合物を生成した。
R
t:1.48(方法F)
(M+H)
+:425
【0130】
2−(3,5−ジフェニル−ピラゾール−1−イル)−1−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラジニル)−エタノンに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化47】
【0131】
7.03.01. 2−(3,5−ビス−(4−メトキシ−フェニル))−ピラゾール−1−イル)−1−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラジニル)−エタノン
【化48】
(3,5−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル)−酢酸(100mg)をDMF(4mL)に溶解した。HATU(135mg)およびDIPEA(200μL)をこの溶液に加え、混合物を室温で15分間撹拌した。次いで2−(1−ピペラジニル)−ピリミジン塩酸塩(77mg)を加えた。混合物を終夜撹拌した。反応物を炭酸カリウム(carbonat)溶液で希釈し、ジクロロメタン(dichlormethane)で抽出した。有機層を蒸発させた。残渣をHPLCで精製することによって、36mgの所望の化合物を得た。
R
t:1.52(方法C)
(M+H)
+:485
【0132】
7.04.01. 2−(3,5−ビス−(2−フルオロ(fluor)−フェニル))−ピラゾール−1−イル)−1−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラジニル)−エタノン
【化49】
アセトン(20mL)中、3,5−ビス−(2−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール(200mg)、2−ブロモ−1−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノン(222mg)および炭酸カリウム(potassiumcarbonat)(500mg)を室温で24時間撹拌した。反応物を濾過し、濾液を蒸発させた。残渣をアセトニトリルで結晶化することによって、254mgの所望の化合物を生成した。R
t:1.57分(方法C)。(M+H)
+:461。
【0133】
2−(3,5−ビス−(2−フルオロ(fluor)−フェニル))−ピラゾール−1−イル)−1−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラジニル)−エタノンに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化50】
【0134】
7.05.01. 2−[3−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル]−1−{4−[6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
【化51】
(3,5−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル)−酢酸(50mg)を、N−メチル−2−ピロリジノン(2mL)中のN−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン(68mg)および炭酸カリウム(potasiumcarbonate)(14.1mg)に加えた。マイクロ波条件下で反応物を120℃で30分間および200℃で15分間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をHPLCで精製した。
R
t:1.34分(方法X)
(M+H)
+:586
【0135】
2−[3−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−5−フェニル−ピラゾール−1−イル]−1−{4−[6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノンに対する合成ストラテジーと同じ合成ストラテジーを使用することによって、以下の化合物を得た:
【化52】