(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続部材は、電池内圧の上昇により前記電極端子と前記集電板との間の電気的な接続を遮断する電流遮断手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の角形二次電池。
前記電極端子は、前記接続電極と前記電池蓋との間に前記絶縁体を介在させて前記接続電極と前記絶縁体とを一体に電池蓋に固定することを特徴とする請求項4に記載の角形二次電池。
前記電極端子は、前記接続電極と前記電池蓋との間に前記ガスケットを介在させて前記接続電極と前記ガスケットとを一体に前記電池蓋に固定することを特徴とする請求項4に記載の角形二次電池。
前記集電板側固定部は、熱溶着、ネジ、リベット、接着剤の少なくともいずれか一つを用いて前記絶縁体と前記集電板との間を固定することを特徴とする請求項2または8に記載の角形二次電池。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、角形二次電池の例として、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載される角形のリチウムイオン二次電池の場合について説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係わるリチウムイオン二次電池の外観斜視図、
図2は、
図1に示されるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。
【0015】
リチウムイオン二次電池1は、
図1及び
図2に示すように、角形の深絞り形状を有する電池缶4と、電池缶4の開口部4aを封口する電池蓋3とを有する電池容器2内に、発電要素を収容した構成を有している。発電要素は、正極電極41と負極電極42との間にセパレータ43,44を介在させて重ね合わせた状態で扁平状に捲回した電極群40を有している。電極群40は、正極集電板21、負極集電板31と共にその外側を絶縁シート(図示せず)によって覆われた状態で電池缶4内に挿入されている。
【0016】
電池缶4及び電池蓋3は、共にアルミニウム合金で製作されており、電池蓋3は、レーザー溶接によって電池缶4に接合されて、開口部4aを封口している。電池蓋3には、正極側端子構成部60と、負極側端子構成部70が設けられており、蓋組立体10を構成している。
【0017】
正極側端子構成部60と負極側端子構成部70は、電池蓋3との間に第1の絶縁体64、74を介して配設された正極端子61と負極端子71(一対の電極端子)を有している。電池蓋3には、正極端子61及び負極端子71の他に、電池容器2内の圧力が所定値よりも上昇すると開放されて電池容器2内のガスを排出するガス排出弁13と、電池容器2内に電解液を注入するための注液口12と、電解液の注液後に注液口12を封止する注液栓11が配設されている。注液栓11は、注液口12を閉塞した状態でレーザー溶接により電池蓋3に接合され、注液口12を封口する。
【0018】
正極端子61及び負極端子71は、長方形を有する電池蓋3の外側で且つ長辺に沿った方向の一方側と他方側の互いに離れた位置に配置されている。正極端子61及び負極端子71は、バスバー接続端子を固定するための端子ボルト63、73を保持し、電池蓋3の内側にまで配置されて正、負極集電板21、31まで導通接続されている。正極端子61は、アルミニウム、またはアルミニウム合金で製作され、負極端子71は、銅合金で製作されている。
【0019】
正極端子61は、電池蓋3の外側にガスケット66(
図4を参照)及び第1の絶縁体64が介在され且つ電池蓋3の内側に第2の絶縁体65が介在されており、電池蓋3から電気的に絶縁されている。正極端子61は、軸部61eをかしめることにより正極集電板21とともに電池蓋3に一体に固定される。正極端子61は、電流遮断手段を間に介して正極集電板21に電気的に接続されている。当該電流遮断手段は正極集電板21と正極端子61とを接続する接続部材でもある。電流遮断手段の構成についての詳細は後述する。
【0020】
負極端子71は、電池蓋3の外側にガスケット(図示せず)及び第1の絶縁体74が介在され且つ電池蓋3の内側に第2の絶縁体(図示せず)が介在されており、電池蓋3から電気的に絶縁されている。負極端子71(電極端子)は、電池蓋3の外側に配置される平板状の本体部(負極外部端子)71aと、本体部71aから突出して電池蓋3を貫通する軸部(図示せず)を有している。負極端子71の軸部は、電池蓋3及び負極集電板31を貫通して突出しており、負極端子71は、軸部の先端をかしめることにより負極集電板31に電気的に接続され且つ負極集電板31と共に電池蓋3に一体に固定される。
【0021】
正極集電板21、負極集電板31は、電池缶4の底部に向かって延出して捲回電極群40に導通接続される平坦状の一対の接合片23、33を有している。各接合片23、33は、捲回電極群40の捲回軸方向両端部に設けられている正極及び負極に溶接により接合される。溶接方法としては、超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接等を用いることができる。
【0022】
捲回電極群40は、正極集電板21の接合片23と負極集電板31の接合片33との間に配置されて両端が支持されている。蓋組立体10及び捲回電極群40によって、発電要素組立体50が構成されている。
【0023】
図3は、
図2に示された捲回電極群40の詳細を示し、巻き終わり側を展開した状態の外観斜視図である。
【0024】
捲回電極群40は、第1、第2セパレータ43、44の間に、それぞれ負極電極42、正極電極41を配置して扁平状に捲回することによって構成される。捲回電極群40は、
図3に示すように、最外周の電極が負極電極42であり、さらにその外側にセパレータ44が捲回される。
【0025】
セパレータ43、44は、正極電極41と負極電極42を絶縁する役割を有している。負極電極42の負極塗工部42aは、正極電極41の正極塗工部41aよりも幅方向に大きく、これにより正極塗工部41aは、必ず負極塗工部42aに挟まれるように構成されている。
【0026】
正極未塗工部41b、負極未塗工部42bは、平面部分で束ねられて溶接等により正極端子61、負極端子71につながる各極の集電板21、31に接続される。尚、セパレータ43、44は、幅方向で負極塗工部42aよりも広いが、正極未塗工部41b、負極未塗工部42bで金属箔面が露出する位置に捲回されるため、束ねて溶接する場合の支障にはならない。
【0027】
正極電極41は、正極集電体である正極電極箔の両面に正極活物質合剤を塗布した正極塗工部41aを有し、正極電極箔の幅方向一方側の端部には、正極活物質合剤を塗布しない正極未塗工部(箔露出部)41bが設けられている。
【0028】
負極電極42は、負極集電体である負極電極箔の両面に負極活物質合剤を塗布した負極塗工部42aを有し、正極電極箔の幅方向他方側の端部には、負極活物質合剤を塗布しない負極未塗工部(箔露出部)42bが設けられている。正極未塗工部41bと負極未塗工部42bは、電極箔の金属面が露出した領域であり、
図3に示すように、捲回軸方向一方側と他方側の位置に配置される。
【0029】
負極電極42においては、負極活物質として非晶質炭素粉末100重量部に対して、結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)を添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMPという。)を添加、混練した負極合剤を作製した。この負極合剤を厚さ10μmの銅箔(負極電極箔)の両面に集電部(負極未塗工部)を残して塗布した。その後、乾燥、プレス、裁断して銅箔を含まない負極活物質塗布部厚さ70μmの負極電極を得た。
【0030】
なお、本実施形態では、負極活物質に非晶質炭素を用いる場合について例示したが、これに限定されるものではなく、リチウムイオンを挿入、脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料等でよく、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
【0031】
正極電極41に関しては、正極活物質としてマンガン酸リチウム(化学式LiMn
2O
4)100重量部に対し、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛と結着剤として10重量部のPVDFとを添加し、これに分散溶媒としてNMPを添加、混練した正極合剤を作製した。この正極合剤を厚さ20μmのアルミニウム箔(正極電極箔)の両面に無地の集電部(正極未塗工部)を残して塗布した。その後、乾燥、プレス、裁断してアルミニウム箔を含まない正極活物質塗布部厚さ90μmの正極電極を得た。
【0032】
また、本実施形態では、正極活物質にマンガン酸リチウムを用いる場合について例示したが、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウムや一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物や層状結晶構造を有すコバルト酸リチウムやチタン酸リチウムやこれらの一部を金属元素で置換またはドープしたリチウム-金属複合酸化物を用いるようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、正極電極、負極電極における塗工部の結着材としてPVDFを用いる場合について例示したが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体およびこれらの混合体などを用いることができる。
【0034】
電池蓋3に設置された注液口12からは、非水電解液が注入される。非水電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で1:2の割合で混合した混合溶液中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6)を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用いることができる。注液口12は、電解液注入後に、注液栓11が嵌合されて閉塞され、レーザー溶接によって封止される。
【0035】
図4は、正極端子構成部の構成を説明する断面図、
図5は、その部品分解斜視図、
図6は、電池蓋側固定部及び集電板側固定部の構成を説明する断面図である。
【0036】
正極側端子構成部60は、電池内圧の上昇により電流を遮断する電流遮断手段を有している。電流遮断手段は、正極端子61から正極集電板21までの電流経路に設けられている。
【0037】
正極側端子構成部60は、
図4及び
図5に示すように、正極端子61、正極端子ボルト63、第1の絶縁体64、ガスケット66、第2の絶縁体65、正極接続電極67、電池内圧の上昇により変形する導電板68、および正極集電板21から構成される。
【0038】
正極端子61、第1の絶縁体64、ガスケット66、第2の絶縁体65、正極接続電極67は、正極端子61の軸部61cの先端をかしめることによって、電池蓋3に一体にかしめ固定されている。そして、正極接続電極67に導電板68が溶接接合され、導電板68に正極集電板21が溶接接合されている。
【0039】
導電板68は、電池内側に向かって凸となるドーム状を有しており、電池内圧の上昇により頂部の高さが低くなる方向に変形して、正極集電板21の接合部24を基部22に直交する方向である電池外側(
図4で上方)に向かって付勢し、脆弱部25を破断させて接合部24を基部22から分離し、正極集電板21との間の電気的な接続を遮断するように構成されている。
【0040】
正極集電板21は、第2の絶縁体65を介して電池蓋3に固定されている。電池蓋3には、第2の絶縁体65を電池蓋3に係合するための係合部(電池蓋側固定部)が設けられている。
【0041】
電池蓋3と第2の絶縁体65は凸部(電池蓋側固定部)3bにより互いに固定され、第2の絶縁体65と正極集電板21は凸部(集電板側固定部)65cにより互いに固定されており、電池蓋3と第2の絶縁体65と正極集電板21が一体化されている。
【0042】
次に、本実施形態における正極側端子構成部60の構成について詳細に説明する。
【0043】
正極端子61(電極端子)は、電池蓋3の外側である上面に沿って配置される平板部61a(外部端子)と、平板部61aに開口して正極端子ボルト63を挿通支持するボルト挿通孔61bと、電池蓋3の開口部3aに挿通されて電池蓋3を貫通し先端が電池蓋3の内側に突出する軸部(接続軸)61cを有しており、軸部61cには、その中心を軸方向に貫通する貫通孔61dが設けられている。
【0044】
正極端子ボルト63は、正極端子61のボルト挿通孔61bに挿通される軸部63aと、平板部61aと第1の絶縁体64との間に介在されて支持されるヘッド部(底平坦部)63bとを有している。
【0045】
第1の絶縁体64は、正極端子61の平板部61aと電池蓋3の上面との間に介在される絶縁性の板状部材からなり、電池蓋3の開口部3aに連通して正極端子61の軸部61cを挿通するための開口部64a(
図5を参照)を有している。
【0046】
ガスケット66は、正極端子61の軸部61cに外嵌される断面L字状のリング形状を有しており、電池蓋3の開口部3aに挿入されて正極端子61の軸部61cと電池蓋3との間を絶縁しかつシールする端子封止部を構成する。ガスケット66は、正極端子61の軸部61cをかしめることによって、所定の圧縮力で圧縮された状態で正極端子61の平板部61aと電池蓋3との間に介在される。
【0047】
正極接続電極67は、電池蓋3の内側に配置される導電性の円形平板部材からなり、その中心位置には、電池蓋3の開口部3aに連通して正極端子61の軸部61cを挿通するための開口部67aが設けられている。正極接続電極67は、電池蓋3との間に第2の絶縁体65を介在させた状態で電池蓋3の下面に沿って配置されており、平面状の下面67bに開口部67aが開口し、その開口部67aから突出する正極端子61の軸部61cの先端を径方向外側に拡げてかしめることにより、正極端子61に電気的に接続され且つ電池蓋3から絶縁された状態で電池蓋3に一体に固定されている。正極接続電極67の下面67bには、正極端子61の軸部61cのかしめ部61eが突出しており、電池外側に連通する貫通孔61dが電池内側に向かって開口している。
【0048】
第2の絶縁体65は、電池蓋3の下面に沿って配置される合成樹脂製材料からなる絶縁性の板状部材によって構成されており、電池蓋3と正極接続電極67との間、及び、電池蓋3と正極集電板21との間に介在されて、これらの間を絶縁する。第2の絶縁体65は、所定の板厚を有しており、電池蓋3の開口部3aに連通して正極端子61の軸部61cが挿通される貫通孔65aが設けられている。第2の絶縁体65は、その一部が正極接続電極67と電池蓋3との間に介在されており、正極端子61の軸部61cの先端をかしめることによって、正極接続電極67と共に電池蓋3に一体にかしめ固定されている。
【0049】
そして、第2の絶縁体65には、貫通孔65aに連通しかつ正極接続電極67と導電板68が収容される凹部65bが設けられている。凹部65bは、第2の絶縁体65の下面に凹設されており、電池内側の他の空間部分と連通している。
【0050】
第2の絶縁体65は、
図5に示すように、その上面に、第2の絶縁体65を電池蓋3に固定するための固定孔65dが複数設けられており、電池蓋3の下面でかつ固定孔65dに対向する位置には、固定孔65dに挿通される凸部3bが設けられている。第2の絶縁体65は、固定孔65dに電池蓋3の凸部3bを挿入して、第2の絶縁体65の上面を電池蓋3の下面に接面させた状態で、固定孔65dから突出する凸部3bの先端を加圧変形させて拡径することにより電池蓋3にかしめて係合される(
図6を参照)(係合部)。電池蓋3の凸部3bは、予めプレス加工により電池外側を凹にして、その分だけ、電池内側に凸にすることによって形成される。
【0051】
第2の絶縁体65の下面には、正極集電板21を固定するための凸部65cが複数凸設されている(
図4及び
図5を参照)。複数の凸部65cは、正極集電板21の基部22に設けられている複数の支持穴22bにそれぞれ挿入され、各支持穴22bから突出した先端を加熱変形させて拡径させることによりかしめられ、正極集電板21を第2の絶縁体65に係合させる。また、複数の凸部65cを加熱する際に、集電板21も一緒に加熱して基部22を第2の絶縁体65に熱溶着する。したがって、正極集電板21は、第2の絶縁体65に一体に固定される。
【0052】
導電板68は、軸方向に移行するにしたがって漸次縮径するドーム状のダイアフラム部68aと、ダイアフラム部68aの外形周縁部から径方向外側に向かって拡がるリング状のフランジ部68bとを有している。そして、ダイアフラム部68aが正極接続電極67の下面67bに開口する貫通孔65aの開口端に対向してこれを覆い、フランジ部68bが正極接続電極67の下面67bに接合されて密閉封止し、貫通孔61dによって連通されている電池外側の空間と電池内側の空間との間を区画している。
【0053】
ダイアフラム部68aの外形周縁部には、正極接続電極67の下面67bに接合するためのフランジ部68bが設けられている。フランジ部68bは、径方向外側に向かって一平面上に沿って拡がり、全周に亘って一定幅で連続し、正極接続電極67の下面に接面するリング形状を有しており、レーザー溶接により正極接続電極67の下面67bに全周に亘って連続して接合されて密閉封止されている。
【0054】
ダイアフラム部68aは、電池容器2の内圧が予め設定された上限値よりも上昇した場合に、電池容器2の外部との圧力差により、その高さが低くなる方向に変形し、正極集電板21の脆弱部25を破断させ、内圧が低下した後も塑性変形により接合部24を正極集電板21から分離した位置に保持するように、材料、板厚、断面形状等が設定されている。ダイアフラム部68aの頂部である中央部68cは、レーザー溶接によって正極集電板21の接合部24に接合されている。中央部68cの接合は、レーザー溶接の他、抵抗溶接、超音波溶接によって行ってもよい。
【0055】
ダイアフラム部68aは、フランジ部68bに連続して軸方向に沿って正極接続電極67の下面67bから離反する方向に移行するにしたがって漸次縮径し、断面が直線形状となる第1傾斜面部と、第1傾斜面部に連続して折曲されて第1傾斜面部とは異なる傾斜角度で延在し断面が直線形状となる第2傾斜面部とを軸方向に並べて組み合わせた立体形状を有している。ダイアフラム部68aは、電池内圧の上昇により第1傾斜面部が拡径する方向に移動し、第2傾斜面部が中央部68cの高さ位置を低くする方向に移動するように変形する。第1傾斜面部は、ダイアフラム部68aの軸方向に対して45°よりも小さくなる傾斜角度を有しており、第2傾斜面部は、第1傾斜面部に対して外角が180°よりも大きくなる傾斜角度を有している。
【0056】
正極集電板21は、
図5に示すように、電池蓋3の下面に対向して平行に延在する平板状の基部(上面平面部)22を有しており、複数の支持穴22bが例えば四隅位置など、互いに所定間隔をおいて配置されるように貫通して形成されている。
【0057】
これら複数の支持穴22bには、第2の絶縁体65の下面に凸設されている複数の凸部65cがそれぞれ挿入されてかしめられており、正極集電板21が第2の絶縁体65に一体にかしめ固定されている。
【0058】
基部22には、一対の長辺に沿って電池蓋3から離反する方向に折り曲げて形成された一対のエッジ22aが設けられており、平面形状を保つように剛性の向上が図られている。正極集電板21の一対の接合片23は、各エッジ22aに連続して突出するように設けられている。
【0059】
正極集電板21には、導電板68の中央部68cに接合される接合部24が設けられている。接合部24は、基部22の一部を薄肉化した薄肉部によって構成されている。脆弱部25は、接合部24の周囲を囲むように薄肉部に溝部を設けることによって構成されており、電池内圧が上昇したときに電池外方向に変形する導電板68によって脆弱部25で破断されて、基部22から接合部24を分離できるようになっている。
【0060】
脆弱部25は、電池容器2の内圧の上昇による導電板68の変形に伴い、電池蓋3側に引っ張る方向の力が作用した際に破断する一方、走行中の振動などの通常の使用環境下では破断しない強度となるように、その寸法形状等が設定されている。導電板68の中央部68cと正極集電板21の接合部24との接合は、レーザー溶接により行われるが、その他に、抵抗溶接、超音波溶接なども可能である。
【0061】
上記構成を有する電流遮断手段は、電池容器2の内圧が予め設定された上限値よりも上昇した場合に、電池容器2の外部との圧力差により、突出高さが低くなる方向に導電板68が変形し、正極集電板21の脆弱部25で囲まれた接合部24を基部22に直交する方向に引っ張り、正極集電板21の脆弱部25を破断させ、接合部24を基部22から分離して、正極端子61と正極集電板21との間の電流経路を遮断する。
【0062】
次に、上記構成を有する正極側端子構成部60を作製する方法について説明する。
【0063】
(1)正極端子61、第1の絶縁体64、第2の絶縁体65等と電池蓋3との接合
まず、電池蓋3の電池外側にて、第1の絶縁体64とガスケット66を電池蓋3の開口部3aに位置合わせして配置する。そして、正極端子ボルト63のヘッド部63bを第1の絶縁体64に設けられた凹部64bに挿入し、正極端子61のボルト挿通孔61bに正極端子ボルト63の軸部63aを挿入する。
【0064】
そして、電池蓋3の電池内側にて、電池蓋3と正極接続電極67との間に第2の絶縁体65を介在させて重ね合わせ、第2の絶縁体65の貫通孔65aと正極接続電極67の開口部67aが同心円上に配置されるように、第2の絶縁体65と正極接続電極67を配置する。そして、電池蓋3の凸部3bを第2の絶縁体65の固定孔65dに挿入して、凸部3bの先端を固定孔65dから突出させた状態とする。
【0065】
そして、正極端子61を電池蓋3の電池外側から接近させて第1の絶縁体64の上に正極端子61の平板部61aを重ね合わせ、かつ、正極端子61の軸部61cを電池蓋3の外側から順番に、第1の絶縁体64の開口部64a、ガスケット66、電池蓋3の開口部3a、第2の絶縁体65の貫通孔65a、正極接続電極67の開口部67aに挿通してから、軸部61cの先端をかしめる。ガスケット66は、軸部61cと電池蓋3との間に介在されて、これらの間を絶縁及びシールする。
【0066】
軸部61cのかしめ加工において、かしめパンチの外径は、かしめ外径よりもひとまわり大きくなる。正極接続電極67の下面67bにリブや凸部などの突起物があると、干渉してかしめができないので、かしめパンチの外径をその分小さくする必要がある。かしめ外径を小さくすると、かしめされた面積が少なくなり、かしめ強度が低くなる可能性がある。
【0067】
本実施形態のリチウムイオン二次電池1における正極接続電極67は平板部材からなり、その下面67bは、平坦であり、リブや凸部などの突起物がない。したがって、その分だけ、かしめ外径もより大きく確保することができ、より高いかしめ強度を得ることができ、有利である。また、正極端子61の軸部61cの先端をかしめて正極接続電極67を電池蓋3に固定する際に、正極接続電極67が平板状であるので、正極接続電極67の大きさに影響を受けることなく、かしめ治具の径を設定することができる。
【0068】
軸部61cのかしめ加工と共に、電池蓋3の凸部3bをかしめる加工が行われる。凸部3bは、第2の絶縁体65の固定孔65dから突出している先端がかしめにより拡径され、第2の絶縁体65を電池蓋3に固定する。第2の絶縁体65は、軸部61cのかしめと、凸部3bのかしめとの2種類のかしめによって電池蓋3に固定される。
【0069】
(2)正極接続電極67と導電板68との接合
正極接続電極67の下面67bに、導電板68のフランジ部68bを接面させて、レーザー溶接により互いに接合し、密閉封止する。導電板68は、正極端子61のかしめ部61eを避けるようにドーム形状をしており、より少ないスペースで導電板68の表面積を、より大きく確保できるようになっている。したがって、電池容器2の内圧が上昇したときに、導電板68が変形しやすくなり、より低圧にて確実な電流遮断が可能になる。
【0070】
本実施形態では、正極接続電極67の導電板68を接合する下面67bの外周部に、導電板68のフランジ部68bが嵌入して固定される円周状のリブ67c(
図4を参照)が設けられている。リブ67cは、導電板68のフランジ部68bの径方向外側位置にてフランジ部68bの外端面に全周に亘って対向して設けられている。そして、フランジ部68bと面一になる高さを有している。そして、フランジ部68bの外端面とそれに対向するリブ67cの対向面との境目がレーザー溶接により接合されて、正極接続電極67と導電板68との間が密閉封止される。したがって、レーザー溶接する際に、導電板68がリブ67cによって嵌入固定され、その位置決めが容易になると共に、導電板68のフランジ部68bと正極接続電極67の溶接部分の段差がなくなることで溶接エネルギーもより低く抑えることができ、正極接続電極67と導電板68の境目をレーザー溶接するにあたり、より溶接品質が安定される。
【0071】
(3)正極集電板21と第2の絶縁体65、導電板68との接合
正極集電板21は、基部22に数箇所の支持穴22bが設けられており、第2の絶縁体65の下面である電池内側平面部でかつ支持穴22bに対向する位置には、支持穴22bに挿通される凸部65cが設けられている。正極集電板21は、凸部65cを支持穴22bに挿入して凸部65cの先端を加熱変形させて拡径する熱溶着により、第2の絶縁体65に係合され、基部22の上面が第2の絶縁体65の下面に接面した状態でかしめ固定される。
【0072】
そして、正極集電板21の接合部24を導電板68の中央部68cに接合する。正極集電板21の接合部24は、導電板68の中央部68cに溶接によって接合される。この導電板68の中央部68cと正極集電板21の接合部24との接合は、レーザー溶接の他に、抵抗溶接、超音波溶接、摩擦攪拌接合なども可能である。正極側端子構成部60は、上記した(1)、(2)、(3)の工程を経て作製される。
【0073】
正極集電板21は、凸部65cによって第2の絶縁体65に固定され、第2の絶縁体65は、凸部3bによって電池蓋3に係合されているので、正極集電板21に加わる外部からの振動や衝撃を、正極集電板21から第2の絶縁体65に伝達し、第2の絶縁体65から電池蓋3に伝達して電池容器2全体に拡散することができ、ガスケット66、脆弱部25、接合部24などの脆弱箇所への悪影響を抑えることが可能である。
【0074】
なお、正極集電板21と第2の絶縁体65の固定に関しては、加工工程が容易であることから凸部65cを加熱変形させて係合させ、熱溶着する場合を例に述べたが、さらに強固な固定が必要である場合は、加熱変形の代わりに、あるいは加熱変形と併せて、ネジやリベット、接着剤の少なくともいずれか一つを使用して固定することも可能である。同様に、電池蓋3と第2の絶縁体65の固定に関しては、電池蓋3に設けた凸部3bを第2の絶縁体65の固定孔65dに挿入して凸部3b先端を加圧変形させることによって第2の絶縁体65を係合する場合を例に説明したが、凸部3b先端の加圧変形の代わりに、あるいは加圧変形と併せて、ネジやリベット、接着剤の少なくともいずれか一つを使用して第2の絶縁体65を固定することも可能である。
【0075】
本実施形態では、正極集電板21、導電板68、正極接続電極67は、アルミニウム、またはアルミニウム合金により形成されている。リチウムイオン二次電池1は、正極側がアルミニウム合金により構成され、負極側が銅合金により構成されている場合、アルミニウム合金の方が銅合金よりも変形し易く、破断も容易である。したがって、本実施形態では、正極側に電流遮断手段を設けている。
【0076】
リチウムイオン二次電池1を組み立てるには、上記方法により作製された正極側端子構成部60を有する蓋組立体を組み立てた後に、正極集電板21、負極集電板31に、捲回電極群40を接合し、発電要素組立体50を組み立てる。そして、捲回電極群40の周りを、正極集電板21、負極集電板31ごと、絶縁シート(図示せず)で覆って電池缶4に挿入し、電池缶4の開口部4aを電池蓋3で閉塞して、レーザー溶接によって電池蓋3を電池缶4に接合して封止する。そして、注液口12から電池容器2内に電解液を注液し、注液口12を注液栓11で閉塞してレーザー溶接により電池蓋3に接合して封止する。上記した組立作業により組み立てられたリチウムイオン二次電池1は、正極端子61と正極端子ボルト63、および負極端子71と負極端子ボルト73によって接続された外部電子機器に対して、充放電が可能となる。
【0077】
リチウムイオン二次電池1は、次の作用効果を奏することができる。
【0078】
本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、平板部材からなる正極接続電極67と、ドーム状のダイアフラム部68aを有する導電板68とを有しており、正極接続電極67の下面67bに導電板68のフランジ部68bが接面した状態で溶接して、正極接続電極67と導電板68との間を密閉封止する構造を有している。
【0079】
したがって、従来と比較して、密閉部品である正極接続電極67と導電板68の部品形状を簡略化することができ、正極接続電極67の下面67bの平面性を利用して、導電板68との間の溶接性を安定させることができる。そして、導電板68のダイアフラム部68aがドーム形状を有しているので、平板状のものと比較して、電池内圧上昇によってより広い面積で圧力を受けることができ、限られたスペースの中で導電板68を変形させて脆弱部25を破断させるだけの応力を容易に得ることができる。したがって、同じ破断圧力の設定でも脆弱部25の剛性を比較的強くすることができ、振動や衝撃によって脆弱部25が破断するのを防ぐとともに、内圧が上昇した際には確実に安定して電流経路を遮断することができる。
【0080】
リチウムイオン二次電池1は、電池蓋3を貫通する正極端子61の軸部61cをかしめて、電池蓋3の外側の正極端子61と電池蓋3の内側の正極集電板21との間を電気的に接続すると共に、これら正極端子61と正極集電板21とを電池蓋3に一体に固定する構造を有している。そして、軸部61cによるかしめ固定に加えて、凸部3bによって電池蓋3に第2の絶縁体65を係合し、凸部65cによって第2の絶縁体65に正極集電板21を固定する構造を有している。
【0081】
したがって、正極集電板21に加わる外部からの振動や衝撃を正極集電板21から第2の絶縁体65に伝達し、第2の絶縁体65から電池蓋3に伝達することができ、正極端子61の軸部61cによるかしめ固定のみの場合と比較して、ガスケット66やかしめ部61eなどの脆弱箇所に負荷が与えられるのを防ぐことができ、密閉性を維持することができる。
【0082】
第2の絶縁体65は、電池外部側が電池蓋3に固定され、電池内部側が集電板21に固定されており、このような第2の絶縁体65の電池内外両面での固定は、リチウムイオン二次電池1に加わる外圧からの振動や衝撃が、集電板21を通じて電流遮断手段の脆弱部25や密閉性を保っているガスケット66の圧縮部に悪影響を与える時の抑止として、大きな効果となる。
【0083】
電流遮断手段は、捲回電極群40と正極端子61との間の電流経路に介在されており、例えば過充電などの不測の事態に電流遮断手段の脆弱部が破断することによって、大きく安全性を保つことができるが、脆弱部や溶接接合した部分が外部からの振動や衝撃により破断などの密閉性を損ねてしまい、誤動作や品質劣化を起こす可能性もある。
【0084】
本実施の形態によれば、第2の絶縁体65の電池内外両面での固定により、基部22の脆弱部25や接合部24に振動や衝撃が加えられるのを抑制して、意図しない状況での接合部24の剥離や脆弱部25の破断の発生を防止することができる。したがって、振動、衝撃に対して剛性を高めた電流遮断手段を持ったリチウムイオン二次電池1を得ることができる。
【0085】
本実施形態では、正極側端子構成部60に、電流遮断手段を設けた場合について述べてきたが、同様に負極側端子構成部70に電流遮断手段を設けることも可能である。
【0086】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について
図7を用いて説明する。
【0087】
図7は、第2実施形態に係る角形二次電池の要部を拡大して断面で示す断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0088】
本実施形態において特徴的なことは、第2の絶縁体65の電池蓋3への係合手段を、電池蓋3の電池内側への凸部3bのかしめにより直接固定するのみとし、正極端子61の軸部61cによるかしめ固定から切り離す仕様としたことである。
【0089】
第1実施形態では、第2の絶縁体65を電池蓋3に固定する手段として、正極端子61の軸部61cのかしめと、電池蓋3の電池内側への凸部3bのかしめにて直接固定することの併用により強固な固定を実現し、これによって集電板21からの振動、衝撃などの伝わりを抑止した。
【0090】
本実施の形態では、第2の絶縁体65は、正極端子61の軸部61cによってかしめ固定されておらず、電池外側が電池蓋3の凸部3bのかしめにより固定され、電池内側が凸部65cのかしめによって正極端子61を固定する構造を有している。正極端子61のかしめ部61eと電池蓋3との間には、第2の絶縁体65は介在されておらず、正極接続電極67とガスケット66のみが介在されている。
【0091】
上記した構成によれば、正極集電板21の振動や衝撃は、正極端子61のかしめ部61eには伝達されず、ガスケット66による密閉への悪影響は発生しない。したがって、振動、衝撃に対して剛性を高めた電流遮断手段を持ったリチウムイオン二次電池1を得ることができる。
【0092】
特に、ガスケット66が電池蓋3の電池内側でかしめられている場合においては、ガスケット66の樹脂特性としてはPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などの比較的柔らかいものやPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などにエラストマーなどを含有して若干弾力があった方がより密閉性が保てるのに対して、集電板を固定する第2の絶縁体の樹脂特性としては剛性が高いものが適し、PPS、PBTなどでもエラストマーは含有せず、特にPP(ポリプロピレン)などにおいてはガラス繊維などを含有したほうがより適と考えられ、ガスケット66と第2の絶縁体65を一体品として適用することは部品特性を考えた場合、必ずしも適とは思われない。
【0093】
そのような場合は、ガスケット66を正極端子61のかしめ部61eに一体化して密閉と電池蓋3との絶縁の役目とし、第2の絶縁体65は正極端子61のかしめから切り離すことでより適した樹脂選定をすることができる。
【0094】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について
図8を用いて説明する。
【0095】
図8は、第3実施形態に係る角形二次電池の要部を拡大して断面で示す断面図である。なお、上述の各実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0096】
本実施形態では、正極側端子構成部60が電流遮断手段を有していない構造を有する場合について説明する。
【0097】
正極端子61は、平板部61aと軸部69(電極端子部)が別体に構成されている。平板部(外部端子)61aは、その上面にバスバー(図示せず)が接し、端子ボルト63にバスバー接続端子(図示せず)が固定される。平板部61aは、電池蓋3の開口部3aに連通して軸部(接続軸)69が挿通される開口部61dが形成されている。
【0098】
軸部69は、例えばアルミニウム合金など、平板部61aと同じ材料によって構成されており、電池蓋3の開口部3aに挿通されて電池蓋3を貫通し、一端が電池蓋3の外側に配置され、他端が電池蓋3の内側に配置されている。
【0099】
軸部69は、上端部をかしめた第1のかしめ部69aと電池蓋3の下面に対向するように軸方向中間部をかしめた第2のかしめ部69bを有し、第1のかしめ部69aと第2のかしめ部69bによって平板部61aと第1の絶縁体64とガスケット66を電池蓋3に一体に固定している。電池蓋3と軸部69との間には、ガスケット66が介在されており、これらの間を絶縁及びシールしている。軸部69の下端部は、正極集電板21の基部22に開口形成された開口部22cに挿通されてかしめられており、第2のかしめ部69bと第3のかしめ部69cによって正極集電板21を電気的に接続しかつ一体に固定している。
【0100】
電池蓋3は、電池外側においては第1の絶縁体64により平板部61aと絶縁され、電池内側においてはガスケット66と第2の絶縁体65により、軸部69及び正極集電板21から電気的に絶縁されている。
【0101】
電池蓋3の下面と正極集電板21の基部22との間には、第2の絶縁体65が介在されている。電池蓋3の下面には、予め複数の凸部3bが形成されており、第2の絶縁体65には、複数の貫通孔(図示せず)が電池蓋3の各凸部3bに対応する位置に穿設されている。第2の絶縁体65は、各貫通孔から突出する凸部3bの先端をそれぞれ加圧変形させて拡径することによりかしめて電池蓋3に係合されている。
【0102】
さらに、第2の絶縁体65の下面には、複数の凸部65cが設けられており、正極集電板21の基部22でかつ凸部65cに対向する位置に設けられた複数の支持穴(図示せず)に各凸部65cを挿通し、各凸部65cの先端を加熱変形させて拡径することによりかしめて正極集電板21を第2の絶縁体65に係合させている。また、凸部65cの先端を加熱変形させる際に、正極集電板21を加熱して基部22を第2の絶縁体65に熱溶着させている。
【0103】
軸部69のみのかしめにより正極集電板21が固定された場合は、正極集電板21の振動や衝撃が直接、軸部69に伝わることになり、隣接するガスケット66にも悪影響を与え密閉性を損ねる可能性があるが、本実施形態では、正極集電板21と第2の絶縁体65と電池蓋3が強固に固定されているために、外圧から正極集電板21に加わる振動や衝撃は抑止され、軸部69に伝わりにくくなり、耐振動、衝撃性が図られる。
【0104】
以上、第2の絶縁体65の電池蓋3への固定方法の例として、電池蓋3の凸部3bを第2の絶縁体65の貫通穴に通した後に凸部の先端をかしめる場合について説明したが、予め電池蓋3に第2の絶縁体65をインサート成形することも可能である。
【0105】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。