(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、衣服と人体との間の空気の流通性を確保し、夏などの気温や湿度が高い季節であっても快適に過ごすことができる衣服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の衣服は、外面および着用時に人体側となる内面を有する衣服であって、衣服内面に保持され、衣服と人体との接触を防止すると共に衣服と人体との間に空気の流通路を形成する通気性部材を備えていることを特徴としている。
【0005】
上記特徴により、通気性部材によって衣服と人体との接触が防止されると共に衣服と人体との間に空気の流通路が形成されるため、衣服内の空気が流れやすくなる。その結果、湿った空気が衣服内に滞留してしまうことを防止し、衣服内の蒸れを解消することができる。
【0006】
本発明の衣服において、通気性部材は、少なくとも人体側に対して開口する開口部を有していることが好ましい。
【0007】
上記特徴により、通気性部材内を流通する空気が開口部を通って人体側に流れる。これにより、人体に気流が当たって人体を冷却することができると共に汗をすばやく乾かすことができる。
【0008】
本発明の衣服において、通気性部材は、衣服内面に着脱可能に保持されていることが好ましい。
【0009】
上記特徴により、通気性部材を必要に応じて着脱することができる。したがって、例えば衣服の洗濯時などに通気性部材を容易に取り外すことができる。また、通気性部材が破損したりあるいは汚れたりした場合には容易に交換をすることができる。
【0010】
本発明の衣服において、通気性部材は、一端部が開口したポケット状に形成され衣服内面に保持されていることが好ましい。
【0011】
上記特徴により、ポケット状に形成された通気性部材内に例えば冷却材などを収容することができる。
【0012】
本発明の衣服において、ポケット状の通気性部材内には、冷却材が収容されることが好ましい。
【0013】
上記特徴により、通気性部材内を流通する空気は冷却材によって冷却されるため、衣服内をその冷却された空気が流通することにより、人体をより冷却することができる。
【0014】
本発明の衣服において、通気性部材は、衣服の端部から延出すると共に、当該衣服と一緒に人体に着用している別の衣服内に収容可能な延出部を備えていることが好ましい。
【0015】
上記特徴により、衣服に保持された通気性部材内を流通する空気が別の衣服内にも流通し、それにより別の衣服内の蒸れも防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、衣服と人体との間の空気の流通性を確保し、夏などの気温や湿度が高い季節であっても快適に過ごすことができる衣服を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(a)は上着の外面を表す概略図であり、(b)は上着の内面を表す概略図であり、(c)は上着から通気性部材を取り外した状態を表す概略図である。
【
図2】(a)〜(c)は通気性部材の一例であるスペーサを表す図であり、(a)はスペーサの平面図であり、(b)はスペーサの正面図であり、(c)は(a)のIIc部分拡大斜視図である。
【
図3】スペーサが取り付けられた上着を、下着を着用した人体の上から着用した状態を表す概略断面図である。
【
図4】(a)は通気性部材が通気性シートによって覆われた状態を表す概略図であり、(b)は通気性シートによって形成された袋の表側を表す概略図であり、(c)は通気性シートによって形成された袋の裏側を表す概略図である。
【
図5】通気性部材によって形成されたポケットが上着の内面に取り付けられた状態を表す概略図である。
【
図6】(a)通気性部材が上着の裾部からはみ出た状態を表す概略図であり、(b)は通気性部材のはみ出た部分(延出部)をズボンの中に入れた状態を表す概略図である。
【
図7】(a)は通気性部材によって形成されたポケットが上着の内面に取り付けられた状態を表す概略図であり、(b)はポケットの両端部を上着から取り外し、通気性部材を下方へ折り返した状態を表す概略図である。
【
図8】(a)〜(d)は通気性部材の他例であるメッシュ部材を表す図であり、(a)はメッシュ部材の平面図、(b)はメッシュ部材の正面図、(c)は(a)のVIIIc−VIIIc矢視断面図、(d)は(a)のVIIId部分拡大斜視図である。
【
図9】(a)は上着の他実施形態の内面を表す概略図であり、(b)はスペーサが取り付けられた上着を、下着を着用した人体の上から着用した状態を表す概略断面図である。
【
図10】衣服の他実施形態であるズボンの内面を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明について図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。本発明は、以下の実施形態に限定されず、その主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0019】
以下では衣服として、上着を例に説明する。
図1(a)は本発明の上着の外面(外側)を表す概略図であり、
図1(b)は上着の内面(内側)を表す概略図であり、
図1(c)は上着から通気性部材を取り外した状態を表す概略図である。
【0020】
図1(a)および(b)に示すように、上着1は、前身頃2、後身頃3、襟部4および袖部5を備えている。前身頃2、後身頃3、襟部4および袖部5は、外面と、着用時に人体側となる内面とをそれぞれ有している。後身頃3の内面の肩部3aおよび襟元部3bには、通気性部材10が着脱可能に保持されている。通気性部材10としては、後述するスペーサ10A(
図2参照)やメッシュ部材80(
図8参照)などが好適に使用できるが、これに限定されない。
図1(c)に示すように、肩部3aおよび襟元部3b並びに通気性部材10には、通気性部材10を肩部3aおよび襟元部3bに着脱可能に保持するための保持部材20が取り付けられている。本実施形態では、保持部材20として、マジックテープ(登録商標)のような面ファスナーを使用している。しかし、保持部材20は面ファスナーに限らず、スナップボタンやその他の部材であってもよい。通気性部材10が上着1に対して着脱可能であることにより、例えば上着1の洗濯時に通気性部材10を容易に取り外すことができる。また、通気性部材10が破損したり汚れたりした場合には新しい通気性部材10に容易に交換することができる。なお、通気性部材10は肩部3aおよび襟元部3bに着脱できないように保持されていてもよい。
【0021】
肩部3aおよび襟元部3bに通気性部材10が保持されていることにより、上着1の着用時に上着1の肩部3aおよび襟元部3bと人体との接触を防止することができる。また、後述する通り通気性部材10は複数の開口部を有しているため、上着1の肩部3aおよび襟元部3bと人体との間には空気の流通路が形成される。なお、本実施形態では、通気性部材10が肩部3aおよび襟元部3bに保持されている場合について説明しているが、通気性部材10は肩部3aおよび襟元部3bに保持されている場合に限らず、通気性部材10が取り付けられていない上着1を着用した状態において、上着1と人体とが密着する位置に保持されていることが好ましい。
【0022】
なお、本明細書において「人体」とは、裸体の状態だけでなく、下着などの別の衣服を着用している状態も含む。したがって、例えば「衣服と人体との接触を防止する」とは、衣服(上着1)と裸体とが接触することを防止するという場合に限らず、衣服(上着1)と当該衣服内に着用している別の衣服とが接触することを防止するという場合も含まれることがある。
【0023】
図2(a)〜(c)は通気性部材10の一例であるスペーサ10Aを表す図である。
図2(a)はスペーサ10Aの平面図、
図2(b)はスペーサ10Aの正面図、
図2(c)は(a)のIIc部分拡大斜視図である。
図2に示すスペーサ10Aは、複数の通気性ピース11を連結させることにより構成されている。通気性ピース11は、壁部12、壁部12と所定間隔L1あけて設けられた枠体部13、および、壁部12と枠体部13とを連結する複数の柱状部14を備えている。複数の柱状部14は互いに所定間隔あけて設けられている。通気性ピース11の枠体部13には開口部15が形成されており、複数の柱状部14間には開口部15と連通する開口部16が形成されている。そして、スペーサ10Aは、複数の通気性ピース11を所定間隔あけて縦および横に複数配列すると共に、隣接する通気性ピース11の枠体部13間を連結部17によって連結することにより構成されている。開口部16は、複数の連結部17および隣接する通気性ピース11の枠体部13によって囲まれる開口部18、並びに、所定間隔あけて隣接して配置されている通気性ピース11の柱状部14間の空間19と連通している。これらの開口部15、開口部16、開口部18および空間19は空気が流れる流通路を成している。なお、必要に応じて壁部12にも開口部を設けるようにしてもよい。
【0024】
壁部12と枠体部13との間隔L1、すなわちスペーサ10Aの厚みL1は、上着1と人体とが接触することを防止すると共にスペーサ10A内を空気が流通可能である程度の大きさであればよく、間隔L1は一例として約3mm〜約15mmである。
【0025】
図3はスペーサ10Aが取り付けられた上着1を、下着Uを着用した人体Bの上から着用した状態を表す概略断面図である。
図3では空気の流れを矢印で模式的に表している。保持部材20は、壁部12に取り付けられている。スペーサ10Aは、壁部12の保持部材20を肩部3aおよび襟元部3bの保持部材20に取り付けることにより上着1に装着される。すなわち、スペーサ10Aは、壁部12が上着1側となり、枠体部13が人体B側となるよう配置される。そして、開口部15および開口部18が人体側に開口する開口部となる。上着1内の空気は、通気性ピース11の開口部15、開口部16、開口部18および/または空間19からスペーサ10A内に流入する。スペーサ10Aに流入した空気の一部は、開口部15や開口部18を通って人体B側に流れる。そしてスペーサ10A内の空気は、開口部15、開口部16、開口部18および/または空間19からスペーサ10A外へ排出される。上着1内に流入した空気の一部が人体Bに向けて流れることにより、人体Bを冷却すると共に汗をすばやく乾かすことができる。なお、枠体部13に保持部材20を取り付け、壁部12が人体B側、枠体部13が上着1側となるようスペーサ10Aは上着1に装着されてもよい。
【0026】
図4(a)は通気性部材10の人体側となる面が通気性シート30によって覆われた状態を表す概略図である。
図4(a)に示すように通気性部材10の人体側となる面は通気性シート30によって覆われていることが好ましく、通気性部材10の上着1側となる面も通気性シート30によって覆われていることがより好ましい。通気性部材10としてスペーサ10Aを使用する場合には、スペーサ10Aの枠体部13が人体側となるようスペーサ10Aは上着1に装着されるため、少なくともスペーサ10Aの枠体部13側が通気性シート30によって覆われることが好ましい。通気性シート30によって通気性部材10の人体側となる面を覆うことにより、上着1を着用したときに、通気性部材10が人体に接触した際の不快感を抑えることができると共に、通気性部材10の破損や汚れを防止することができる。なお、通気性シート30は、通気性部材10に保持されていてもよく、あるいは、上着1に保持され通気性部材10の人体側の面を覆うようにしてもよい。通気性シート30は、通気性部材10または上着1に、保持部材20によって着脱可能に保持されていることが好ましい。これにより、通気性シート30が汚れた場合や破損した場合などに取り替えが容易となる。
【0027】
図4(b)は通気性シート30によって形成された袋40の表側を表す概略図である。
図4(b)に示すように、通気性部材10は、通気性シート30によって形成された袋40内に収容するようにしてもよい。袋40には通気性部材10を出し入れするための開口41が設けられていてもよく、この開口41は開閉可能となっていてもよい。本実施形態において、袋40は、上端部に開口41が形成された袋本体42と、袋本体42の上端部から延出するフラップ蓋43とからなる。袋本体42およびフラップ蓋43の表側の面(開口41側の面)には、それぞれ保持部材20が取り付けられている。フラップ蓋43を折り曲げ、フラップ蓋43の保持部材20を袋本体42の保持部材20に取り付けることにより、開口41は閉じられる。なお、フラップ蓋43を設けず袋本体42に設けられた開口41にジッパーのようなスライドファスナーを取り付けることによって開閉可能とすることもできる。
【0028】
図4(c)は袋40の裏側を表す概略図である。通気性シート30によって形成された袋40は、上着1と一体となっていてもよく、あるいは上着1に着脱可能に保持されていてもよい。
図4(c)に示すように袋本体42の裏面に保持部材20を取り付け、袋本体42の保持部材20を上着1の肩部3aおよび襟元部3bの保持部材20に取り付けることにより、袋40が上着1に着脱可能に保持されるようにしてもよい。袋40が上着1に着脱可能に保持されていることにより、袋40が汚れた場合や破損した場合などに取り替えが容易となる。
【0029】
なお、通気性シート30としては、例えばメッシュシートなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0030】
図5は通気性部材10が後身頃3の内面の背中部3cにポケット状に形成され保持されている状態を表す概略図である。通気性部材10によって形成されたポケット50が、後身頃3の内面の背中部3cに保持されている。通気性部材10の上端部10aは後身頃3の背中部3cに取り付けられておらず、一方、通気性部材10の両端部(10b、10c)および下端部10dは後身頃3の背中部3cに保持部材20によって着脱可能に保持されている。これにより、上部に開口51を有し、後身頃3の背中部3cに着脱可能に保持されたポケット50が形成される。ポケット50には、例えば不凍ゲル製の冷却材や水分を含ませた布のような冷却材60などを収容することができる。
【0031】
図6(a)は、通気性部材10の上端部10aが上着1に取り付けられ、通気性部材10の下端部10dは上着1の端部からはみ出るようにした状態を表す概略図である。通気性部材10は、後身頃3の裾部3d(下端部)からはみ出た延出部10eを有している。通気性部材10の下端部10dが後身頃3の裾部3dからはみ出ていることにより、上着1内から上着1外へと通じる空気の流通路が形成され、上着1内の空気が上着1外へ排出されやすくなる。その結果、上着1内の空気の循環がよくなり、汗なども乾きやすく、かつ、蒸れも防止することができる。
【0032】
図6(b)は、通気性部材10の延出部10eをズボンの中に入れた状態を表す概略図である。延出部10eは上着1と一緒に着用している例えばズボン70のような他の衣服内に収容可能な長さを有していることが好ましい。そして、延出部10eをズボン70内に収容することにより、上着1内の空気が、通気性部材10を通ってズボン70内へと流れる。これにより、ズボン70内の蒸れも防止することができる。
【0033】
図7(a)は通気性部材10から構成されるポケット50が後身頃3の内面の背中部3cに保持されている状態を表す概略図である。本実施形態では、ポケット50を構成する通気性部材10の上端部10aと下端部10dとの間の長さは、下端部10dと後身頃3の裾部3dとの間の長さよりも長く形成されている。
【0034】
図7(b)は通気性部材10の両端部(10b、10c)を後身頃3から取り外し、通気性部材10を下方へ折り返した状態を表す概略図である。前記の通り、ポケット50は、通気性部材10の両端部(10b、10c)を後身頃3の背中部3cに保持部材20によって着脱可能に保持することにより構成されている。
図7(b)に示すように、通気性部材10の両端部(10b、10c)を後身頃3から取り外し、下端部10dを中心として下方へ折り返すことにより、通気性部材10の一部が後身頃3の裾部3dから延出する。これにより、後身頃3の裾部3dから延出する通気性部材10の延出部10eが形成される。このような構成により、必要に応じて、ポケット50を冷却材60を入れるなどして使用したり、あるいは通気性部材10の両端部(10b、10c)を後身頃3から取り外して延出部10eを形成させたりすることができる。
【0035】
なお、通気性部材10の下端部10dは、後身頃3の内面に例えば縫着するなどして着脱不可能に取り付けられていてもよく、このような構成により、通気性部材10の下端部10dを中心として通気性部材10を下方へ折り返した際に、通気性部材10が上着1から外れることがない。
【0036】
上記では、上着1の裾部3dから延出する延出部10eを形成する方法について説明したが、延出部10eは上着1の裾部3dに限らず、上着1の袖口や襟口など上着1の端部から延出するようにすることもできる。例えば、通気性部材10の上端部10aと下端部10dとが保持部材20によって後身頃3の襟元部3bに取り付けられており、必要に応じて通気性部材10の下端部10dを後身頃3から取り外し、上端部10aを中心として上方へ折り返すことにより、通気性部材10が上着1の襟部4からはみ出た延出部10eを有するようにしてもよい。
【0037】
本発明の上着1では、上着1に保持された通気性部材10によって上着1と人体との接触が防止されると共に上着1と人体との間に空気の流通路が形成され、上着1内の蒸れを防止することができる。通気性部材10が肩部3aや襟元部3bなど、上着1と人体とが密着する箇所に保持されていることにより上着1と人体との間に空気の流通路が形成され、その結果、上着1内に取り込まれた空気がその密着箇所で滞留することなくなり、上着1内の空気の流通性が向上する。
【0038】
本発明の上着1を着用して例えば自転車に乗って走行した場合には、上着1の裾部と人体との間や上着1の襟部4と人体との間などから空気が上着1内に取り込まれ、その空気は通気性部材10内を通り、上着1の裾部と人体との間や上着1の襟部4と人体との間などから上着1外へ排出される。上着1内に流入した空気により、人体が冷却されると共に汗がすばやく乾き、また、上着1内の湿った空気が上着1外へ排出され、これにより上着1内を快適な環境とすることができる。
【0039】
<通気性部材の他実施形態>
図8(a)〜(d)は通気性部材10の他例であるメッシュ部材80を示す図である。
図8(a)はメッシュ部材80の平面図、
図8(b)はメッシュ部材80の正面図、
図8(c)は(a)のVIIIc−VIIIc矢視断面図、
図8(d)は(a)のVIIId部分拡大斜視図である。
【0040】
通気性部材10は、
図8に示す、所定の厚みL2を有するメッシュ部材80により構成されていてもよい。メッシュ部材80には、その表面81(81a、81b)に複数の開口部82が設けられていると共に、端面83にも開口部84が設けられている。さらに、メッシュ部材80の内部にも複数の開口部85が設けられており、開口部82、開口部84および開口部85は互いに連通している。そして、開口部82、開口部84および開口部85は空気の流通路を成している。メッシュ部材80は一方の表面81aが上着1側となり、他方の表面81bが人体側となるよう上着1に装着される。
【0041】
メッシュ部材80に設けられた開口部82、開口部84および開口部85の大きさは、メッシュ部材80内を空気が流通可能である程度の大きさであればよい。また、メッシュ部材80の厚みL2は、上着1と人体とが接触することを防止すると共にメッシュ部材80内を空気が流通可能である程度の大きさであればよく、間隔L2は一例として約3mm〜約15mmである。
【0042】
<上着の他実施形態>
上着1の他実施形態である上着100について説明する。なお、上記実施形態と同一の部材については同一の符号を使用し、その説明を省略する。また、上記実施形態で説明した特徴は、上着100に対しても適宜利用可能である。
【0043】
図9(a)は上着1の他実施形態である上着100の内面を示す概略図である。上着100は、後身頃3に、空気取込口101と、空気取込口101に取り付けられ、空気取込口101から空気を取り込み、上着100内に空気を流通させる送風装置102と、送風装置102を駆動させる駆動装置(不図示)とを備えている。送風装置102としては例えばファンが使用され、駆動装置としては例えばファンを回転させるモータと、モータを駆動させる携帯型バッテリとが使用される。上着100の肩部3aおよび襟元部3bには、通気性部材10が着脱可能に保持されている。
【0044】
図9(b)はスペーサ10Aが取り付けられた上着100を、下着Uを着用した人体Bの上から着用した状態を表す概略断面図である。
図9(b)では空気の流れを矢印で模式的に表している。上着100では、送風装置102を駆動すると強制的に空気取込口101から空気が上着100内に取り込まれ、その空気が上着100と人体との間を流通する。そして、その空気は、通気性ピース11の開口部15、開口部16、開口部18および/または空間19からスペーサ10A内に流入する。スペーサ10Aに流入した空気の一部は、開口部15や開口部18を通って人体側に流れる。そしてスペーサ10Aの空気は、開口部15、開口部16、開口部18および/または空間19からスペーサ10A外へ排出される。上着1内に流入した空気の一部が人体に向けて流れることにより、人体を冷却すると共に汗をすばやく乾かすことができる。スペーサ10A(通気性部材10)が、肩部3aや襟元部3bなど上着100と人体とが密着する箇所に保持されていることにより、上着100内に取り込まれた空気がその密着箇所で滞留することなくなり、上着1内における空気の流通性が向上する。
【0045】
なお、上着1および上着100において通気性部材10を取り付ける位置は、後身頃3の内面に限らず、襟部4の内面や袖部5の内面などであってもよい。また、上着1および上着100は、袖部5がないベストタイプであってもよい。
【0046】
<衣服の他実施形態>
衣服の他実施形態として、ズボン200を例に説明する。
図10はズボンの内面(内側)を表す概略図である。なお、上記実施形態と同一の部材については同一の符号を使用し、その説明を省略する。また、上記実施形態で説明した特徴は、ズボン200に対しても適宜利用可能である。
【0047】
ズボン200は、一対の脚部201と、脚部201と一体的に接続されているウエスト部202とを備えている。脚部201およびウエスト部202は、外面および着用時に人体側となる内面をそれぞれ備えている。ウエスト部202の内面の腰部202aには、通気性部材10が保持部材20によって着脱可能に保持されている。ズボン200に保持された通気性部材10によってズボン200と人体との接触が防止されると共に、ズボン200内に取り入れられた空気が通気性部材10内を流通する。これにより、ズボン200内の蒸れを防止することができる。通気性部材10が腰部202aなどズボン200と人体とが密着する箇所に保持されていることにより、ズボン200内に取り込まれた空気がその密着箇所で滞留することなくなり、ズボン200内の空気の流通性が向上する。
【0048】
なお、ズボン200において、通気性部材10を取り付ける位置は、ウエスト部202の内面に限らず、脚部201の内面であってもよい。
【0049】
上記では衣服として上着1および上着100並びにズボン200について説明したが、本発明の衣服はこれらに限定されず、その他の衣服であってもよい。