(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記調整することが、ドップラーシフト値がより高い場合に前記しきい値を減少させることと、ドップラーシフト値がより低い場合に前記しきい値を増大させることとを含む、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は種々の変更及び代替形態を受けるが、その特定の実施形態が例として図面に示され、本明細書において詳細に説明される。しかし、図面及びそれらに対する詳細な説明は、本発明を、開示されている特定の形態に限定することを意図されているのではなく、逆にその意図は、添付の請求項によって定義されている通りの本発明の趣旨及び範囲内に入る全ての変更、均等物及び代替物を範囲に含むことを理解されたい。
【0018】
略語
本仮特許出願においては、以下の略語が用いられている。
BLER:ブロック誤り率(Block Error Rate)(パケット誤り率と同じ)
BER:ビット誤り率(Bit Error Rate)
CRC:巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check)
DL:ダウンリンク(Downlink)
PER:パケット誤り率(Packet Error Rate)
SINR:信号対干渉及び雑音比(Signal to Interference-and-Noise Ratio)
SIR:信号対干渉比(Signal to Interference Ratio)
SNR:信号対雑音比(Signal to Noise Ratio)
Tx:送信(Transmission)
UE:ユーザ機器(User Equipment)
UL:アップリンク(Uplink)
UMTS:ユニバーサル移動通信システム(Universal Mobile Telecommunication System)
【0019】
用語
以下は、本出願において用いられている用語集である。
メモリ媒体−様々な種類のメモリデバイス又は記憶デバイスの任意のもの。用語「メモリ媒体」は、インストール媒体、例えば、CD−ROM、フロッピーディスク104、又はテープデバイス;DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、ラムバスRAMなどのコンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ;フラッシュ、磁気媒体、例えば、ハードドライブ、又は光記憶装置、等の不揮発性メモリ;レジスタ、又はその他の同様の種類のメモリ要素等を含むことが意図されている。メモリ媒体は他の種類のメモリも、又はそれらの組み合わせも含んでもよい。加えて、メモリ媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステム内に配置されてもよく、又はインターネット等のネットワークを通じて第1のコンピュータに接続される第2の別のコンピュータシステム内に配置されてもよい。後者の例では、第2のコンピュータシステムがプログラム命令を第1のコンピュータシステムに実行用に提供してよい。用語「メモリ媒体」は、異なる場所、例えば、ネットワークを通じて接続された異なるコンピュータシステム内に存在してもよい2つ以上のメモリ媒体を含んでもよい。
【0020】
キャリア媒体−上述したようなメモリ媒体、並びにバス、ネットワーク等の物理的伝送媒体、及び/又は電気的信号、電磁気的信号、又はデジタル信号等の信号を伝達するその他の物理的伝送媒体。
【0021】
プログラム可能ハードウェア要素−プログラム可能インターコネクトを介して接続される複数のプログラム可能機能ブロックを含む種々のハードウェアデバイスを含む。例としては、FPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(Programmable Logic Device、プログラム可能論理デバイス)、FPOA(Field Programmable Object Array、フィールドプログラマブルオブジェクトアレイ)、及びCPLD(Complex PLD、複合PLD)が挙げられる。プログラム可能機能ブロックは、細かい粒度のもの(組み合わせ論理又はルックアップテーブル)から粗い粒度のもの(算術論理演算装置又はプロセッサコア)にまで及んでもよい。プログラム可能ハードウェア要素は「再構成可能論理」と呼ばれてもよい。
【0022】
コンピュータシステム(又はコンピュータ)−パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク装置、インターネット装置、携帯情報端末(PDA)、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、又はその他のデバイス、あるいはデバイスの組み合わせを含む、任意の様々な種類のコンピューティング又は処理システム。一般的に、用語「コンピュータシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有するあらゆるデバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように広義に定義することができる。
【0023】
ユーザ機器(UE)(又は「UEデバイス」)−移動式又は携帯式であり、無線通信を実行する様々な種類のコンピュータシステムデバイスの任意のもの。UEデバイスの例は、スマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Android(登録商標)ベースの電話)、携帯式ゲームデバイス(例えば、Nintendo DS(登録商標)、PlayStation(登録商標)Portable(商標)、Gameboy Advance(登録商標)、iPhone(登録商標))、ラップトップ、PDA、ポータブルインターネットデバイス、音楽プレーヤ、データ記憶デバイス、又は他のハンドヘルドデバイスなどを含む。一般に、用語「UE」または「UEデバイス」は、ユーザよって容易にトランスポートされ、無線通信が可能な任意の電子デバイス、コンピューティングデバイス及び/又は電気通信デバイス(あるいは、デバイスの組合せ)を包含するように広義に定義することができる。
【0024】
基地局(Base Station、BS)−用語「基地局」は、その通常の意味の全範囲を有し、少なくとも、固定ロケーションに設置され、無線電話システム又は無線システムの一部として通信するために使用される無線通信局を含む。
【0025】
処理要素−種々の要素又は要素の組合せを指す。処理要素は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)などの回路、個別のプロセッサコアの一部分もしくは回路、プロセッサコア全体、個別のプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)などのプログラム可能ハードウェアデバイス及び/又は複数のプロセッサを含むシステムのより大きい部分を含む。
【0026】
自動的に−アクション又は動作を直接指定又は実行するユーザ入力を用いることなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)又はデバイス(例えば、電気回路、プログラム可能ハードウェア要素、ASIC等)によって実行されるアクション又は動作に言及する。それゆえ、用語「自動的に」は、動作を直接実行するためにユーザが入力を提供する、ユーザによって手作業で実行又は指定される操作とは対照的である。自動手順は、ユーザによって提供される入力によって開始されてもよいが、「自動的に」実行される後続のアクションはユーザによって指定されない、すなわち、実行されるべきそれぞれのアクションをユーザが指定する、「手作業」では実行されない。例えば、ユーザが、それぞれのフィールドを選択し、(例えば、情報を打ち込むこと、チェックボックス、ラジオ選択を選択すること等によって)情報を指定する入力を提供することによって電子フォームに記入することは、たとえ、コンピュータシステムはユーザアクションに応答してフォームを更新しなければならないとはいえ、手作業でフォームに記入することである。コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム上で実行するソフトウェア)がフォームのフィールドを分析し、フィールドへの答えを指定するユーザ入力を全く用いずにフォームに書き込む場合、フォームはコンピュータシステムによって自動的に記入され得る。上述のように、ユーザはフォームの自動記入を呼び出してもよいが、フォームの実際の記入には関わらない(例えば、ユーザはフィールドへの答えを手作業で指定せず、代わりにそれらは自動的に埋められる)。本明細書は、ユーザが取ったアクションに応答して動作が自動的に実行される種々の例を提供する。
【0027】
図1A及び
図1B−通信システム
図1Aは、例示的な(及び単純化された)無線通信システムを示す。
図1Aのシステムはあり得るシステムの単なる一例にすぎず、本発明の諸実施形態は所望に応じて種々のシステムの任意のものにおいて実施されてよいことに留意されたい。
【0028】
図示のとおり、例示的な無線通信システムは、伝送媒体を通じて1つ以上のユーザ機器(UE)(又は「UEデバイス」)106A〜106Nと通信する基地局102を含む。
【0029】
基地局102は無線基地局装置(base transceiver station、BTS)又はセルサイトであってよく、UE106A〜106Nとの無線通信を可能にするハードウェアを含んでよい。基地局102はまた、ネットワーク100と通信するように装備されてもよい。それゆえ、基地局102は、UE106同士の間及び/又はUE106とネットワーク100との間の通信を促進することができる。基地局の通信領域(又はカバレッジ領域)は、「セル」と呼ばれることもある。基地局102及びUE106は、GSM、CDMA、WLL、WAN、WiFi、WiMAXなどのような種々の無線通信技術のうちのいずれかを使用して、伝送媒体を介して通信するように構成することができる。
【0030】
図1Bは、基地局102と通信するUE106(例えば、デバイス106A〜106Nのうちの1つ)を示す。UE106は、モバイル電話、ハンドヘルドデバイス、コンピュータ又はタブレット等の無線ネットワーク接続性を有するデバイス、あるいは実質上あらゆる種類の無線デバイスであってよい。UE106は、メモリ内に記憶されたプログラム命令を実行するように構成されたプロセッサを含んでもよい。UE106は、このような記憶された命令を実行することによって本明細書に記載されている諸実施形態のうちの任意のものを実行してもよい。実施形態によっては、UE106は、本明細書に記載されている方法実施形態のうちの任意のもの、又は本明細書に記載されている方法実施形態のうちの任意のものの任意の部分を実行するように構成されたFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等のプログラム可能ハードウェア要素を含んでもよい。
【0031】
実施形態によっては、UE106は、基地局102に戻されるチャネル状態フィードバック(CSF)報告を生成するように構成することができる。基地局102は、それぞれのUE106、又は場合によってはその他のUE106との通信を調整するために、これらのCSF報告を使用することができる。例えば、一実施形態では、基地局102は、そのカバレッジ領域(又はセル)内の種々のUEの間のその通信スケジューリングを調整するために、複数のUE106からCSFを受信し、これを利用することができる。
【0032】
ユーザ機器(UE)106は、基地局(BS)にフィードバックされるCSFを判定するために、本明細書に記載するようなCSF報告(本明細書では単に「CSF」と呼ぶことがある)生成方法を使用することができる。
【0033】
図2−UEの例示的なブロック図
図2はUE106の例示的なブロック図を示す。図示の通り、UE106は、種々の目的のための部分を含んでもよい、システムオンチップ(system on chip、SOC)200を含んでもよい。例えば、図示のとおり、SOC200は、UE106のためのプログラム命令を実行し得るプロセッサ202と、グラフィック処理を実行し、ディスプレイ240に表示信号を提供することができる表示回路204とを含んでよい。プロセッサ202はメモリ管理ユニット(memory management unit、MMU)240に結合されてもよく、MMU240は、プロセッサ202からアドレスを受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ206、リードオンリーメモリ(read only memory、ROM)250、NANDフラッシュメモリ210)内の位置に変換し、並びに/又は表示回路204、無線230、コネクタI/F220、及び/若しくはディスプレイ240等の、その他の回路又はデバイスに変換するように構成されてよい。MMU240は、メモリ保護並びにページテーブル変換若しくはセットアップを実行するように構成されてよい。実施形態によっては、MMU240はプロセッサ202の一部として含まれてもよい。
【0034】
同様に図示されている通り、SOC200はUE106の種々の他の回路に結合されてもよい。例えば、UE106は、(例えば、NANDフラッシュ210を含む)さまざまな種類のメモリ、(例えば、コンピュータシステムに結合するための)コネクタインタフェース220、ディスプレイ240、及び無線通信を実行するためにアンテナ235を用いてもよい(例えば、GSM、Bluetooth(登録商標)、WiFi等のための)無線通信回路機構を含んでもよい。本明細書に記載されているように、UE106は、CQI値を生成し、及び/又はこれを基地局に提供するためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含んでもよい。
【0035】
DRX
用語「DRX」は「間欠受信(discontinuous reception)」を指し、受信又は送信すべきパケットがないときにUE回路の少なくとも一部分を電源切断し、ネットワークをリッスンするために特定の回数又は間隔で起動するモードを指す。
DRXは、UMTS、LTE(ロングタームエボリューション)、WiMAXなどのようないくつかの無線規格に含まれる。用語「DRX」は、少なくとも、その通常の意味全範囲、並びに将来の規格における同様の種類のモードを含むことが明確に意図される。
【0036】
LTEでは、RRC(radio resource control、無線リソース制御)CONNECTION状態とRRC IDLE状態の両方において、DRXモードを有効にすることができる。RRC_CONNECTION状態では、DLパケット到着のアイドル期間中にDRXモードを有効にすることができる。RRC_IDLE状態では、UEは、DLトラフィックのためにページングされ得るか、又はサービングBSとのRRC接続を要求することによって、ULトラフィックを開始することができる。
【0037】
DRXサイクルについてのパラメータは、BSによって、様々なタイマーを通じて構成され得る。
【0038】
1)DRX非アクティビティタイマーは、DRXを有効にするまで待機する時間を連続するサブフレーム数で示す。
【0039】
2)ショートDRXサイクル及びロングDRXサイクルは、BSがアプリケーションに基づいてのDRXサイクルの調整を可能にするように規定される。一般に、DRXショートサイクルタイマーは、いつロングDRXサイクルに遷移すべきかを判定するように規定され得る。
【0040】
3)パケットの正常な受信の後に長時間にわたってパケットが全く受信されないとき、BSは、RRC接続リリースを開始することができ、UEは、RRC IDLE状態に入ることができ、その間アイドルDRXを有効にできる。
【0041】
4)ON継続時間タイマーは、節電モードに入る前にUEがDRXサイクルごとにDL制御チャネルの読み取りを行うフレームの数を判定するために使用され得る。許容値は、1、2、3、4、5、6、8、10、20、30、40、50、60、80、100及び200である。
【0042】
5)アイドルDRXモードの間、UEは、1つのDRXサイクルごとに1つのページング機会(PO)を監視するだけでよく、これは、1サブフレームである。
CSF
【0043】
用語「CSF」は、チャネル状態フィードバックを表し、UEによってBSに提供される、使用されている無線通信チャネルの状態を示す種々の情報のいずれかを含むことが意図される。用語「CSF」において、少なくとも、その通常の意味の全範囲を含むことが意図される。
【0044】
LTEにおいて、CSF報告は、チャネル品質インジケータ(channel quality indicator、CQI)、プリコーディング行列インデックス(precoding matrix index、PMI)及びランク指標(rank indication、RI)の3つの構成要素を含む。
【0045】
LTE内では、CQIは、以下のように規定される。時間及び周波数の無制限の観測間隔に基づいて、UEは、アップリンクサブフレームnで報告される各CQI値について、以下の条件を満たす
図3に示すテーブルの1〜15のうちの最も高いCQIインデックスを、あるいは、CQIインデックス1がこの条件を満たさない場合にはCQIインデックス0を、導出する。CQIインデックスに対応する変調方式とトランスポートブロックサイズの組み合わせを有する単一のPDSCHトランスポートブロックは、CQI参照リソースと呼ばれるダウンリンク物理リソースブロックのグループを占有して、0.1以下のトランスポートブロック誤り確率で受信され得る。
【0046】
LTE内では、PMIは、スループットを最適化するようにプリコーディング行列を選択するために、UEがBSにフィードバックすることができるプリコーディング行列インデックスとして定義される。UEは、通常、そのチャネル推定に基づいて最適なPMIを判定し、プリコーディング行列の利用可能な仮説を用いて、予想スループットを計算する。
【0047】
LTE内では、RIは、スループットを最適化するためにUEがサポートすることができる伝送層の数をBSに伝えるインジケータとして定義される。
【0048】
LTEでは、変調及び符号化方式(modulation and coding scheme、MCS)は、DL物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のために
図4のテーブルにあるように様々なレベルの符号化速度及び変調次数を許すように定義される。トランスポートブロックサイズ(transport block size、TBS)インデックスは、トランスポートブロックサイズテーブルにおいて使用することができる。
【0049】
LTEに関するCQI定義の説明に基づくと、UEの観点から、UE106は、DL構成を所与として任意のCQIについて10%のBLER目標を達成することを望むことがある。さらに、スループットを増大させるための、このUE要件に従って、BSのスケジューリングアルゴリズムを設計することができる。
【0050】
LTE仕様において提案されていることは、受信器スループットを最適化するためにCQIを報告してこれを用いる1つの方法であって、この方法は、BSにおける最適化を簡単化することができるようUEに対して固定されたBLER目標を設定することに留意されたい。ただし、効率をさらに高めるために、UEのチャネル状態及びネットワークシナリオに基づいて、適応的なBLER目標を使用してもよい。以下の記載では、諸実施形態は、CQIに対して固定されたBLER目標を用いたものを対象とするが、この手順は、CQIに対して変動するBLER目標に一般化され得ることを留意されたい。MIMO伝送の場合、UEは、最適なプリコーディング行列インデックス(PMI)及びランク指標(RI)を判定するために、プリコーディング行列及びランク選択(空間層の数)の複数の仮説を試行できることを留意されたい。
【0051】
図5−例示的なCQI算出
図5は、一実施形態に係るチャネル品質インジケータの生成方法の実施形態を示す。
図5の方法は、UE106によって経験されている現在の状態に基づくCQIを生成することができる。
図5に示される方法は、デバイスの中でもとりわけ、上記の図に示されているコンピュータシステム又は機器の任意のものと共に用いることができる。種々の実施形態において、図示の方法要素の一部は、同時に実行されてもよく、図示のものとは異なる順序で実行されてもよく、又は省略されてもよい。所望に応じて追加の方法要素が実行されてもよい。図示のとおり、
図7の方法は以下のように動作してよい。
【0052】
502において、MIMOチャネル推定及び/又は雑音推定が実行されてよい。一実施形態では、チャネル推定は、CQI算出のための白色化チャネル推定行列を生成するために用いられてよい。
【0053】
504において、PMI/RI仮説による実効的なSNR推定が決定されてよい。一実施形態では、SNR推定は白色化チャネル推定及び受信器アルゴリズムに基づいてよい。一般的に言うと、LMMSE(linear minimum mean square error、線形最小平均二乗誤差)、MLM(maximum likelihood method、最大尤度法)及びLMMSE−SIC(直列干渉除去(serial interference cancellation)を用いたLMMSE)を含むいくつかの種類の受信器復調アルゴリズムがある。
【0054】
506において、推定されたSNR値を推定されたスペクトル効率(spectral efficiency、SE)メトリックに、例えば、SNR対SEマッピングテーブルを使用してマッピングすることができる。このマッピングは、チャネル容量、及び実際の受信器に起因する可能性のある損失に基づき得る。SE推定は、少数のリソースブロック(例えば、2つのRB)に関して、より細かい粒度で行うことができることに留意されたい。一実施形態では、SEは、例えば、広帯域にわたる平均化、時間的にフィルタリング等を伴い、さらに処理されてもよい。
【0055】
508において、最適のPMI/RI(precoding matrix index/rank index、プリコーディング行列インデックス/ランクインデックス)選択を用いた推定が実行されてよい。PMI/RIはMIMO伝送に関連してよく、MIMOシナリオにおける伝送層の数を示してよい。一実施形態では、UEは、そのチャネル推定を用いて最善のPMI&RIを決定し、それをBS側で適用するためにBSへフィードバックすることができる。概して、これらの値はCQIと共に算出されてよく、概念上、それらは全てCSFの一部である。LTEの文脈においては、チャネル品質フィードバックはCQI、PMI及びRIを別個に報告してもよい。
【0056】
510において、CQIを決定するために、例えば、SE−CQIマッピングテーブルを用いて、SEからCQIへのマッピングが実行されてよい。上述のように、SE−CQIマッピングテーブルは、
図3及び5において説明されている適応型CQI方法によって生成されてよい。SE−CQIマッピングテーブルは、上述したように、現在の通信シナリオに基づいて選択されてよい。次に、CQI及び/又はRI/PMI値が報告されてよい。CQIは種々のチャネル品質フィードバックインジケーションのうちのいずれを含んでもよいことに留意されたい。例えば、用語「CQI」は、BSが適当な符号レート(MCS)を選択するためのRI/PMI値、並びにチャネル品質を通常含んでよい。それゆえ、CQIに関する以上の説明は、RI/PMI値を含む、1つ以上の値を含んでもよい。この特定の例では、チャネル品質値、RI値及びPMI値は、CSF中で提供される。
【0057】
一般に、SEをフィルタリングすることは、CQI/PMI/RI報告について重要であり得、どのくらい素早くUEが、チャネルの変化、あるいは、関連するスペクトル効率の変化に応答するかを反映する。一実施形態では、フィルタリングメカニズムは、FIR又はIIRを含み得る。FIRフィルタリングは、一般に、固定された長さのメモリを有し、以前のSE推定の加重和である。IIRフィルタは、一般に、無限の長さのメモリを有し、各サンプルの影響は指数関数的に減少し、それにより、典型的には、加重平均が経時的に平滑化される。単純なIIRフィルタは、単極IIRフィルタであり、時定数は、IIRフィルタ係数の逆数として近似させることができる。
【0058】
さらに、BSが要求するCSF報告は、ワイドバンド(wide-band、WB)報告又はMサブバンド報告を含み得る。WB報告は、UEに、CQIの平均化されたWB推定を報告するように要求することができる。MサブバンドCQI報告モードは、規定された数のRBを有するM個の異なるサブバンドに関するサブバンドCQIを報告するようUEに指定する(LTEでは、各RBは、180kHz帯域幅の12個のトーンを含み得る)。異なるCQI報告モードに応答するために、それに応じた周波数領域で、SE平均化又はフィルタリングを実行する必要があることがある。
【0059】
ドップラー推定
動的な伝搬環境では、UEが0でない速度で移動する際に直面するドップラースプレッドを推定するために、ドップラー推定を使用することができる。ドップラースプレッドは、チャネル時間相関に直接比例している。換言すると、UEがより高速で移動すると、直面するドップラースプレッドはより大きくなり、チャネル相関時間はより小さくなる。どのくらい長くチャネルが相関し続けるかについての情報は、チャネル及び雑音推定の適切なフィルタリング及び処理にとって重要であり得、それゆえに、トラフィック及び制御チャネルのDL復調に対して直接的な影響を与えることがある。
【0060】
ドップラースプレッドを推定する方法は、以下のように複数ある。
【0061】
1)チャネル時間自己相関がドップラースプレッドとの直接的な関係を有することを考慮して、ドップラースプレッドを直接的に推定するのではなく、チャネル時間自己相関推定を使用して、種々のドップラースプレッド型へのドップラースプレッド分類を実行することができる。
【0062】
2)ドップラーパワースペクトル密度に基づく最尤推定:フェージングチャネルのドップラーパワースペクトル密度(power spectral density、PSD)は、それがどれくらいのスペクトル拡散を引き起こしているかを表す。UEは、パイロット信号から得たチャネル推定を使用して、そのPSDを推定し、次いで、予想されたドップラーPSDの最尤推定に基づいて、ドップラーシフトを推定できる。
DRXシナリオにおける適応型CSF報告
【0063】
以下のセクションは、DRXのための適応型CSF報告アルゴリズムに関する。UEがアイドル状態である場合、通常、CSF報告は必要でないので、以下の説明は、主に、C−DRXのシナリオにおけるCSF報告に関する。ただし、本明細書に記載する方法は、アイドルモードを含む種々の種類のDRXモードのいずれかのものにおいて使用することができる。
【0064】
以下に論じるアルゴリズムの種々の実施形態に関する主要なパラメータは、以下のとおりである。
1)ドップラーシフト推定、f
d
2)ミリ秒単位のDRXサイクル長(又はスリープ期間)、T
DRX
3)CDRXサイクルにおけるCQI報告オフセット、T
CQIoffset
4)チャネル推定ウォームアップ時間、T
CEwarmup
LTEコンテキストにおけるパイロット信号又は参照信号に基づいて、安定した確固としたチャネル推定を得るために、通常、時間及び周波数領域フィルタリングがチャネル推定アルゴリズム内で適用されることを考慮した上で、チャネル推定が必要とされる正確な推定に収束するために掛かる時間。ここで、ウォームアップ時間は、安定したSE推定を得るためのフィルタリング構造も通常通過する、スペクトル効率(SE)推定のためのウォームアップ時間をも含む。
5)その他のDRX起動オーバーヘッド、T
overheadwarmup
時間トラッキングループ、周波数トラッキングループ又は自動利得制御ループなどが収束することを可能にするために必要な時間などの、その他のDRX起動オーバーヘッド。チャネル推定ウォームアップは、ここに記載したその他の起動オーバーヘッドと並列とすることができることを留意されたい。
6)しきい値、Thresh:以下に論じる種々の様式で調整することができる。
【0065】
CDRXオン継続時間の早期サブフレームに関するCSF報告の提供
CDRXオン継続時間中の早期サブフレーム(例えば、第1のサブフレーム)に関して、CSF報告が必要とされる、又はスケジュールされる場合のシナリオについて以下に記載する。これらのシナリオの場合、チャネル推定およびSE推定をウォームアップするために、UE106は、UE106のために多くの電力を消費するCDRXオン継続時間(例えば、7〜11ミリ秒以上)よりかなり前に起動する。このウォームアップ時間は、T
CEwarmupによって表される。この余分な起動時間は、妥当なCSF報告を通信するためのCDRXオン継続時間時間長(例えば、10ms)に匹敵するほどになり得る。したがって、以下では、余分な起動時間を節約するために、及び/又は、CDRXの前にUEをどのくらい早く起動することができるかについてハードウェア/設計上の制約がある場合にはCSF報告を改善するために、以下に記載する特定のシナリオの下で、以前のDRXサイクルから算出されたCSFを活用(例えば、再使用又は再送信)することができる。
【0066】
適応型アルゴリズムのUE一例について、以下に記載する(
図7にも記載する)。
T
DRX<thresh
の場合は、以前のCDRXサイクルの終わりからCSF値を持ち越す又は再利用する。これらのケースでは、UEは、T
overheadwarmupの時間長さだけオン持続時間の前に起動する。
【0067】
そうでない場合、UEは、CSF算出のためのチャネル推定及びSE推定を開始するために、現在のCDRXサイクルの早期に起動する。UEは、T
CEwarmupの時間量だけ起動してもよい。T
CEwarmupは、一般に、T
overheadwarmupよりも数ミリ秒長いことを留意されたい。
【0068】
以下のことを可能にするため、しきい値threshが導入される。
1)DRXサイクルが長く、劇的にチャネルが変動する確率が高い場合、UEが、CSF報告を再開すること(新しいCSF報告を生成すること)
2)DRXサイクル長が合理的な範囲内であり、前のCDRXサイクルから算出されたCSFが現在のCDRXサイクルのチャネル品質を依然として反映している場合、UEが、前のDRXサイクルからのCSF報告を再使用すること
【0069】
実施形態によっては、上記の方法は、例えば、ドップラー推定に基づいて動的に適合させることができる。より詳細には、推定されたドップラー値はチャネル変動特性を示すので、これを使ってしきい値threshを最適化することにより、上記のアルゴリズムをさらに改善することができる。
【0070】
例えば、ドップラー推定が高い(例えば、しきい値を上回る)場合、UE106が速く移動しており、UE106が経験するチャネル状態が劇的に変動し得ることを示し得る。そのような状況では、しきい値threshを、より低い値に動的に調整することが望ましいことがある。あるいは、ドップラー推定が低い(例えば、しきい値を下回る)場合、UE106が静止している、又はゆっくりと移動していることを示し得る。これらのチャネル状態では、UE106の経験はゆっくりと変動し、しきい値を高くすることが可能になる。したがって、性能に大きな影響を与えることなく、以前のCDRXサイクルからCSFを持ち越せ、電力のより効率的な使用が可能になる。
【0071】
代替として、またはそれに加えて、この方法は、前のサイクル(例えば、前のCDRXサイクル)からの物理(PHY)層重要性能指標(key performance indicator、KPI)などのその他の評価基準に基づいて適合させることができる。そのような評価基準は、ダウンリンク性能に直接関連するので、それらを使用することができる。例示的な評価基準は、スループット、誤り率(例えば、ダウンリンクBLER)、残余タイミング誤差及び残余周波数誤差を含む。スループット及び誤り率などのメトリックは、電力最適化とスループット最大化とのトレードオフを考慮するために直接使用できる。例えば、誤り率がしきい値量を超える場合、新しいCSFを生成する必要があることがあり、そうでない場合に、以前のCSFを使用できる。同様に、スループットがしきい値量だけ減少した、又はしきい値スループットレベルを下回るまで降下した場合、新しいCSFを生成する必要があることがあり、そうでない場合に、以前のCSFを使用できる。また、スループット及び電力消費を最適化するようにthreshを適合させるために、物理層KPIを使用できる。
【0072】
CSF持ち越しを実行すること(以前のCSFを使用すること)の決定は、さらに、電力消費と性能との間のトレードオフを考慮することによって判定することができる。例えば、バッテリが制限される適用例又はシナリオでは、(例えば、ダウンリンクパケット損失比によって測定される)性能損失の制約を前提として、CSF持ち越しが適用できる。一実施形態では、バッテリ寿命が減少するにつれて、あるいは、バッテリを気にする状態又はシナリオでは、(例えば、より大きいしきい値を使用して)より低い性能を許容することができる。したがって、以下の
図6〜
図9に記載する方法の各々では、この方法は、バッテリ寿命が減少するにつれてしきい値を増大させることができ、あるいはバッテリを気にする状態又はシナリオにおいてしきい値を増大させることができる。
【0073】
図6−チャネル変動推定に基づく前のCSF報告の使用
図6は、チャネルにおける変動の判定に基づいて前のCSF報告を使用するための方法を示す。
図6に示される方法は、デバイスの中でもとりわけ、上記の図に示されているコンピュータシステム又はデバイスの任意のものと共に用いることができる。例えば、UE106によって、
図6の方法を実行することができる。種々の実施形態において、図示の方法要素の一部は、同時に実行されてもよく、図示のものとは異なる順序で実行されてもよく、又は省略されてもよい。所望に応じて追加の方法要素が実行されてもよい。図示のとおり、この方法は以下のように動作できる。
【0074】
602において、UEデバイス106は前のCSF報告を記憶することができる。前のCSF報告は、所望に応じて、前のDRXサイクル、例えば、直前の又はもっと前のDRXサイクルからとすることができる。DRXサイクルは、UEデバイス106とBSとの間の通信に関係することがある。
【0075】
604において、UEデバイス106は、チャネルの変動が低いかどうかを推定する。ステップ604は、種々の方法のうちのいずれかで実行することができる。
【0076】
例えば、UEデバイス106は、DRXのサイクル長をしきい値と比較することによって、チャネルの変動を推定することができる。DRXのサイクル長がしきい値よりも小さい場合、チャネルの変動の推定は低いと見なされる。DRXのサイクル長がしきい値よりも大きい場合、チャネルの変動の推定は低くない(例えば、高い)と判定される。UEデバイス106は、UEデバイス106が移動しているか静止しているかを判定するように構成することができ、UEデバイス106が移動していると判定したか、又は静止していると判定したかに基づいて、しきい値を調整することができる。この方法について、
図7に関して以下により詳細に記載する。
【0077】
代替的に、UEデバイス106は、接続特性をしきい値と比較することによって、チャネルの変動を推定することができる。接続特性がしきい値を通り越さない場合、チャネルの変動の推定は、低いと判定される。接続特性がしきい値を通り越す場合、チャネルの変動の推定は低くない(例えば、高い)と判定される。接続特性は、誤り率、スループットなどのようなパラメータを含んでよい。この方法について、
図8に関して以下により詳細に記載する。
【0078】
別の代替として、UEデバイス106は、UEデバイス106が移動しているか静止しているかを判定することによって、チャネルの変動を推定することができる。これは、チャネル上に存在する現在のドップラーシフトを判定し、判定されたドップラーシフトをしきい値と比較することによって判定することができる。デバイス106が静止している(ドップラーシフト量がしきい値を下回る)と判定される場合、チャネルの変動の推定は低いと判定される。UEデバイスが移動している(ドップラーシフト量がしきい値を上回る)と判定される場合、チャネルの変動の推定は低くない(例えば、高い)と判定される。
【0079】
606において、チャネルの変動の推定が低い場合、前のCSF報告を現在のCSF報告として提供することができる。例えば、チャネルがあまり大きく変動していない場合、又は、最後のCSF報告以降、チャネルがあまり大きく変動しなかった場合、依然として、前のCSF報告が有効であり得、それにより、ウォームアップして新しいCSF報告を生成するために早期に起動する必要性をなくすことによって、電力が節約される。CSF報告は、デバイスと通信するBSに提供することができる。
【0080】
チャネルの変動の推定が低くない場合、608において、新しいCSF報告を生成することができる。この場合、デバイスは、例えば、正確なCSF報告を生成するために回路をウォームアップするために、DRXオン継続時間よりかなり前に起動する必要があり得る。
【0081】
610において、新しいCSF報告を現在のCSF報告として提供することができる。上記606と同様に、CSF報告をBSに提供することができる。
【0082】
612において、新しいCSF報告を前のCSF報告として記憶することができる。新しいCSF報告によって、602からのより古い前のCSFを上書きしてもよい。代替的には、例えば、時系列解析のために、デバイスは、それらを両方とも記憶してもよい。
【0083】
例えば、各DRXサイクルについて、
図6の方法を複数回実行することができる。さらに、サイクルの早期に(例えば、サイクルの第1のサブフレームにおいて)CSF報告が必要とされる実施形態に、
図6の方法を適用することができることを留意されたい。CSF報告がサイクルのより遅い時点で必要とされる場合、
図9に示す方法を用いて、
図6の方法を強化することができる。
【0084】
図7−サイクル長に基づいた前のCSF報告の使用
図7は、サイクル長に基づいて前のCSF報告を使用するための方法の一実施形態を示す。
図7に示される方法は、デバイスの中でもとりわけ、上記の図に示されているコンピュータシステム又はデバイスの任意のものと共に用いることができる。例えば、UE106によって、
図7の方法を実行することができる。種々の実施形態において、図示の方法要素の一部は、同時に実行されてもよく、図示のものとは異なる順序で実行されてもよく、又は省略されてもよい。所望に応じて追加の方法要素が実行されてもよい。図示のとおり、この方法は以下のように動作できる。
【0085】
602において、デバイスは、前のCSF報告を記憶することができる。前のCSF報告は、所望に応じて、前のDRXサイクル、例えば、直前のDRXサイクル又はもっと前のDRXサイクルからとすることができる。DRXサイクルは、デバイスとBSとの間に通信に関係することがある。
【0086】
604Aにおいて、DRXのサイクル長をしきい値と比較することができる。
【0087】
606において、サイクル長がしきい値よりも小さい場合、前のCSF報告を現在のCSF報告として提供することができる。例えば、サイクル長がより短い場合、依然として、前のCSF報告が有効であり得、それにより、ウォームアップして新しいCSF報告を生成するために早期に起動する必要性をなくすことによって、電力が節約される。このCSF報告は、デバイスと通信するBSに提供することができる。
【0088】
608において、サイクル長がしきい値よりも大きい場合、新しいCSF報告を生成することができる。この場合、例えば、回路をウォームアップして正確なCSF報告を生成するために、DRXオン継続時間よりかなり前に、デバイスを起動する必要があり得る。
【0089】
610において、新しいCSF報告を現在のCSF報告として提供することができる。上記606と同様に、このCSF報告をBSに提供することができる。
【0090】
612において、新しいCSF報告を前のCSF報告として記憶することができる。一実施形態では、新しいCSF報告によって、602からのより古い前のCSFを上書きしてもよい。代替的には、例えば、時系列解析のために、デバイスは、それらを両方とも記憶してもよい。
【0091】
この方法は、しきい値を修正することをさらに含むことができる。例えば、上記で論じたように、この方法は、ドップラーシフト情報を判定することと、しきい値を調整するためにドップラーシフト情報を使用することとを含むことができる。種々の異なる間隔でしきい値を修正することができる。例えば、しきい値は、1サイクルごとに修正しても、nサイクルごとに修正しても、1サイクルに複数回修正してもよい。代替として、またはそれに加えて、測定されたドップラーシフトの変更があるときはいつでも、しきい値を修正することができる、例えば、以前のドップラーシフトとは著しく異なる新しいドップラーシフトが測定されたときに、しきい値を変更することができる。一実施形態では、ドップラーシフトが高くなると、しきい値を低くすることができ、ドップラーシフトが低くなると、しきい値を高くすることができる。
【0092】
最終的には、例えば各DRXサイクルについて、
図7の方法を複数回実行することができる。さらに、
図7の方法は、サイクルの早期に(例えば、サイクルの第1のサブフレームに)CSF報告が必要とされる実施形態にあてはめることができることを留意されたい。CSF報告がサイクルのより遅い時点で必要とされる場合、例えば、
図9に示す方法に関連する、後述の実施形態を用いて、
図7の方法を強化することができる。
【0093】
図8−接続特性に基づいた前のCSF報告の使用
図8は、接続特性に基づいて前のCSF報告を使用するための方法の一実施形態を示す。
図8に示される方法は、デバイスの中でもとりわけ、上記の図に示されているコンピュータシステム又はデバイスの任意のものと共に用いることができる。例えば、UE106によって、
図8の方法を実行することができる。種々の実施形態において、図示の方法要素の一部は、同時に実行されてもよく、図示のものとは異なる順序で実行されてもよく、又は省略されてもよい。所望に応じて追加の方法要素が実行されてもよい。図示のとおり、この方法は以下のように動作できる。
【0094】
602において、デバイスは、前のCSF報告を記憶することができる。前のCSF報告は、所望に応じて、前のDRXサイクル、例えば、直前の又はもっと前のDRXサイクルからとすることができる。DRXサイクルは、デバイスとBSとの間の通信に関係することがある。
【0095】
604Bにおいて、接続特性をしきい値と比較することができる。例えば、現在の接続特性は、以前のサイクル(例えば、直前のサイクル)のKPI、現在のサイクルにおいて測定されたKPIなど、上記の評価基準と同様であり得る。2つの例示的な特性は、誤り率およびスループットを含む。例えば、この方法は、誤り率が誤り率しきい値(例えば、10%)を超えるかどうかを判定することができる。代替として、またはそれに加えて、この方法は、スループットがスループットしきい値を下回るかどうかを判定することができる。さらなる実施形態では、この方法は、スループットの減少がスループットしきい値の減少を超えるかどうかを判定することができる。同様の説明は、その他の接続特性に対応する。
【0096】
現在の接続特性がしきい値を通り越さない場合、606において、前のCSF報告を現在のCSF報告として提供することができる。このCSF報告を、デバイスと通信しているBSに提供することができる。例えば、誤り率が誤り率しきい値を下回った場合、前のCSF報告を提供することができる。代替として、またはそれに加えて、スループットがスループットしきい値を上回ったままである場合、前のCSF報告を提供することができる。同様に、スループットがしきい値量だけ減少しない場合、このCSF報告を提供することができる。同様の説明は、その他の接続特性に対応する。
【0097】
現在の接続特性がしきい値を通り越す場合、608において、新しいCSF報告を生成することができる。これらのケースは、上記606に列挙したものの反対側である。
【0098】
610において、新しいCSF報告を現在のCSF報告として提供することができる。上記606と同様に、このCSF報告をBSに提供することができる。
【0099】
612において、新しいCSF報告を前のCSF報告として記憶することができる。一実施形態では、新しいCSF報告によって、602からのより古い前のCSFを上書きしてもよい。代替的には、例えば、時系列解析のために、デバイスは、それらを両方とも記憶してもよい。
【0100】
最終的に、例えば、各DRXサイクルについて、
図8の方法を複数回実行することができる。さらに、
図6、
図7、及び/又は以下に論じる
図8の実施形態に、
図8の方法を適用することができる。したがって、例えば、同じデバイスで使用されるように、記載した方法のうちのいずれかを組み合わせることができる。
CDRXオン継続時間の後期のサブフレームでのCSF報告の提供
【0101】
以下に、CDRXオン継続時間中の後期のサブフレームについてCSF報告が必要とされる又はスケジュールされるシナリオについて記載する。例示的なアルゴリズムを以下に提供する。
【数1】
の場合、現在のDRXサイクルについて、CSF報告算出を再開する。
【0102】
その他の場合、以前のCDRXサイクルからのスペクトル効率(SE)値を再取得(resume)し、UE106は、それに基づいて、現在のCDRXサイクルにおいて報告すべきCSF値を算出する。あるいは、CSF報告のフォーマットが以前のCDRXサイクルと同じである場合、以前のCDRXサイクルからの同じCSF値を再使用することができる。
【0103】
上記アルゴリズムは、CSF値を安定させるためにかかる時間が、CSF報告を必要とするまで時間(各期間について必要とされ、CEウォームアップのために使用することができるので、オーバーヘッドウォームアップ期間を含む)よりも短い場合、UE106は、良好なCSF報告のために受信器を準備するための早期起動によるパワーペナルティなしに、現在のDRXサイクルについての現在のCSFを判定することができることを示す。
【0104】
その条件が利用可能でない場合、以前の値を使用することができる。一実施形態では、(上記で論じた)前のCSF報告を使用するべきかどうかを判定するための適応型アルゴリズムは、そのような条件において使用することができる。代替として、またはそれに加えて、上記の条件を満たさないシナリオであっても、シミュレーション又は実験的性能結果を評価し、性能と電力消費との間のトレードオフによって、CSF報告を許可することはできるが、CSF報告は、完全には収束せず、安定しない可能性がある。
【0105】
さらに、T
CQIoffset+T
overheadwarmupのしきい値を越える複数のサブフレームについてCSF報告が必要とされる場合、UEは、十分に安定しているときに、持ち越されたCSFから新たに算出されたCSFに適応的にスイッチすることができる。
【0106】
図9−CSF報告オフセットに基づいた前のCSF報告の使用
図9は、CSF報告オフセットに基づいて前のCSF報告を使用するための方法の一実施形態を示す。
図9に示される方法は、デバイスの中でもとりわけ、上記の図に示されているコンピュータシステム又はデバイスの任意のものと共に用いることができる。例えば、UE106によって、
図9の方法を実行することができる。種々の実施形態において、図示の方法要素の一部は、同時に実行されてもよく、図示のものとは異なる順序で実行されてもよく、又は省略されてもよい。所望に応じて追加の方法要素が実行されてもよい。図示のとおり、この方法は以下のように動作できる。
【0107】
802において、上記602同様に、UEデバイス106は、前のCSF報告を記憶することができる。前のCSF報告は、所望に応じて、前のDRXサイクル、例えば、直前の又はもっと前のDRXサイクルからとすることができる。DRXサイクルは、デバイスとBSとの間の通信に関係することがある。
【0108】
804において、すぐ上で論じた実施形態と同様に、チャネル推定ウォームアップ長を、CSF報告オフセットとオーバーヘッドウォームアップ長との和と比較することができる。
【0109】
チャネル推定ウォームアップ長が、CSF報告オフセットとオーバーヘッドウォームアップ長との和よりも小さいか又はそれに等しい場合、806において、新しいCSF報告を生成することができる。
【0110】
それに応じて、808において、新しいCSF報告を現在のCSF報告として、例えば、BSに提供することができる。
【0111】
810において、新しいCSF報告を前のCSF報告として記憶することができる。一実施形態では、新しいCSF報告によって、802からの以前の前のCSFを上書きしてもよい。代替的には、例えば、時系列解析のために、デバイスは、それらを両方とも記憶してもよい。
【0112】
812において、チャネル推定ウォームアップ長が、CSF報告オフセットとオーバーヘッドウォームアップ長との和よりも大きい場合、この方法は、新しいCSF報告を生成するべきかどうかを判定することができる。例えば、新しいCSF報告を生成するべきかどうかを判定するために、例えば、
図6及び
図7に関係する上記の方法を使用することができる。代替的には、追加の分析を実行する代わりに、新しいCSF報告を生成することができる(例えば、より早期に起動しなくてもよい806とは対照的に、オーバーヘッドウォームアップ量のみが必要とするよりも早期に起動するようにデバイスに要求する)。
【0113】
814において、上記812における判定に応じて、前のCSF報告を現在のCSF報告として提供することができ、あるいは、新しいCSF報告を生成し、現在のCSF報告として提供することができる。
【0114】
最終的には、例えば各DRXサイクルについて、
図9の方法を複数回実行することができる。さらに、上記に論じた
図6、
図7及び/又は
図8の実施形態に、
図9の方法を適用してもよい。したがって、例えば、同じデバイスで使用されるように、記載した方法のうちのいずれかを組み合わせることができる。
更なる実施形態
【0115】
本明細書では、LTE(Long−term evolution of UTMS)の文脈で種々の実施形態が説明されていることに留意されたい。しかし、本明細書に記載されている方法は、その他の無線技術を用いるCSF報告のために一般化することができ、以上に提供されている特定の説明に限定されないことに留意されたい。
【0116】
本発明の実施形態は種々の形態の任意のもので実現されてよい。例えば、実施形態によっては、本発明は、コンピュータによって実行される方法、コンピュータ可読メモリ媒体、又はコンピュータシステムとして実現されてもよい。他の実施形態では、ASICのような1つ以上のカスタム設計されたハードウェア装置を使用して、本発明を実現することができる。他の実施形態では、FPGAのような1つ以上のプログラム可能なハードウェア要素を使用して、本発明を実現することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、コンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成されてもよく、プログラム命令は、コンピュータシステムによって実行される場合、コンピュータシステムに、本方法を、例えば、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれか、又は、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組合せ、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれかの任意のサブセット、又は、そのようなサブセットの任意の組合せを実行する。
【0118】
実施形態によっては、デバイス(例えば、UE)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)並びにメモリ媒体を含むように構成されてもよい。ここで、メモリ媒体はプログラム命令を記憶し、プロセッサは、メモリ媒体からプログラム命令を読み込み、実行するように構成される。プログラム命令は、本明細書に記載されている種々の方法実施形態の任意のもの(又は、本明細書に記載されている方法実施形態の任意の組み合わせ、又は、本明細書に記載されている方法実施形態のいずれかの任意のサブセット、又はこのようなサブセットの任意の組み合わせ)を実施するために実行可能である。デバイスは種々の形態の任意のもので実現されてよい。
【0119】
また、本発明の実施形態は、以下を備えることができる。
【0120】
1.
チャネルを介して基地局(BS)との無線通信を実行するためのアンテナと、
1つ以上のチャネル状態フィードバック(CSF)報告を記憶するためのメモリと、
メモリに結合された処理要素と
を備える、ユーザ機器(UE)デバイスであって、
処理要素が、
前の間欠受信(DRX)サイクルからの前のCSF報告を記憶し、
チャネルの変動を推定し、
チャネルの変動の推定が低い場合に、
前のDRXサイクルから前のCSF報告を現在のCSF報告としてBSに提供し、
チャネルの変動の推定が低くない場合に、
新しいCSF報告を生成し、
新しいCSF報告を現在のCSF報告としてBSに提供する
ように構成される、ユーザ機器(UE)デバイス。
【0121】
2.
処理要素が、DRXのサイクル長をしきい値と比較することによって、チャネルの変動を推定するように構成される、
上記1に記載のUEデバイス。
【0122】
3.
処理要素は、UEデバイスが移動しているか静止しているかを判定するように構成され、
処理要素は、UEデバイスが移動していると判定されるか、又は静止していると判定されるかに基づいて、しきい値を調整するように構成される、
上記2に記載のUEデバイス。
【0123】
4.
チャネルを介して基地局(BS)との無線通信を実行するためのアンテナと、
1つ以上のチャネル状態フィードバック(CSF)報告を記憶するためのメモリと、
メモリに結合された処理要素と
を備える、ユーザ機器(UE)デバイスであって、
処理要素が、
前の間欠受信(DRX)サイクルからの前のCSF報告を記憶し、
UEデバイスが動いているか静止しているかを判定し、
UEデバイスが静止していると判定される場合に、
前のDRXサイクルからの前のCSF報告を現在のCSF報告としてBSに提供し、
UEデバイスが移動していると判定される場合に、
新しいCSF報告を生成し、
新しいCSF報告を現在のCSF報告としてBSに提供する
ように構成される、ユーザ機器(UE)デバイス。
【0124】
5.
処理要素は、チャネルの変動を推定するために、UEデバイスが移動しているか静止しているかを判定する
上記4に記載のUEデバイス。
【0125】
6.
処理要素は、現在のドップラーシフトを判定することによって、UEデバイスが移動しているか静止しているかを判定するように構成される、
上記4に記載のUEデバイス。
【0126】
7.
前の間欠受信(DRX)サイクルからの前のチャネル状態フィードバック(CSF)報告を記憶することと、
UEデバイスが移動しているか静止しているかを判定することと、
UEデバイスが静止していると判定される場合に、
前のDRXサイクルからの前のCSF報告を現在のCSF報告として基地局(BS)に提供することと、
UEデバイスが移動していると判定される場合に、
新しいCSF報告を生成し、
新しいCSF報告を現在のCSF報告としてBSに提供することと
を含む、UEデバイスを動作させるための方法。
【0127】
8.
前述のUEデバイスが移動しているか静止しているかを判定することが、チャネルの変動を推定するように動作する、
上記7に記載の方法。
【0128】
9.
前述のUEデバイスが移動しているか静止しているかを判定することが、UEデバイスが経験する現在のドップラーシフトを判定することを含む、
上記7に記載の方法。
【0129】
上述の実施形態はかなり詳細に説明されているが、上述の開示が完全に理解されれば、当業者には数多くの変形及び変更が明らかになるであろう。添付の請求項はこのような変形及び変更を全て包含するように解釈されることが意図されている。