(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、本開示または本開示の実施形態の適用分野および用途を限定しようとするものではない。特有のデバイス、技法、および適用分野の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に記載する例に対する修正形態は、当業者には容易に明らかになり、本明細書に規定する一般原則は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の例および適用分野にも適用することができる。さらに、前述の技術分野、背景技術、要約、または以下の詳細な説明で提示するいずれの明示または暗示する理論にも束縛されるものではない。本開示には、特許請求の範囲と一致した範囲が与えられるべきであり、本明細書に記載および図示する例に限定されるものではない。
【0013】
本開示の実施形態については、機能および/または理論上のブロック構成要素ならびに様々な処理ステップの点で本明細書に説明することができる。そのようなブロック構成要素は、指定の機能を実行するように構成された任意の数のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア構成要素によって実現できることを理解されたい。話を簡単にするために、回路設計に関係する従来の技法および構成要素、ならびにシステム(およびシステムの個々の動作構成要素)の他の機能上の態様については、本明細書で詳細に説明しないことがある。さらに、本開示の実施形態は、様々な演算ハードウェアおよびソフトウェアと一緒に実行できること、そして本明細書に記載する実施形態が本開示の例示的な実施形態にすぎないことが、当業者には理解されるであろう。
【0014】
本開示の実施形態について、実用的で非限定的な適用分野、すなわち宇宙船上での電圧変換に関連して本明細書に説明する。しかし、本開示の実施形態は、そのような宇宙船の適用分野に限定されるものではなく、本明細書に記載する技法は、他の適用分野でも利用することができる。たとえば、それだけに限定されるものではないが、実施形態は、様々な電圧変換の適用分野および回路、車両、自動車、航空機、船舶、ボート、建築物、電気機器、電気モータ、電池作動式および増強式の車両および車両システムなどに適用可能である。
【0015】
この説明を読めば当業者には明らになるように、以下は本開示の例および実施形態であり、これらの例による動作に限定されるものではない。本開示の例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、他の実施形態も利用することができ、構造上の変化を加えることもできる。
【0016】
本開示の実施形態は、変換器が電力を2方向に効率的に処理できるような形で使用できる2つの強制転流同期整流器を提供する。たとえば、日食中に一定のバス電圧を維持する放電調整器として双方向変換器を使用することができ、次いで太陽電池アレイが日光に当たっているときは、同じ変換器を使用して、電池への充電電流を調整することができる。
【0017】
本明細書に記載する技法により、たとえばそれだけに限定されるものではないが、単一の変換器を用いて宇宙ステーションの日光モードで電池の充電電流を調整し、また宇宙ステーションの日食モードで電池からのバスを調整することができる、極めて効率的な双方向変換器が可能になる。そのような単一の変換器は、既存のシステムで充電電流およびバスを調整するために別個のハードウェアの代わりに使用することができる。同期整流を用いることによって、本開示の実施形態を、旧世代の宇宙船バス調整ハードウェアより効率的なものとすることができる。
【0018】
本開示の実施形態は、2つの電力スイッチがそれぞれ同期して整流される降圧/昇圧(たとえば、バック/ブースト)調整器/変換器のための電流センサを備える同期整流器の双方向電流センサを備える。たとえば、強制転流式の同期整流器により、整流器として動作する強制転流式の同期整流器に使用されるFETのボディダイオードの回復時間に関連する大きなスイッチング損失を生成することなく、どちらの方向にも電流を流すことができる。双方向同期変換器がバスからの電力を処理して電池を充電しているとき、双方向同期変換器は降圧(たとえば、バック)調整器/変換器として動作し、ローサイドスイッチは整流器として動作し、ハイサイドスイッチは降圧(たとえば、バック)変換器の電力スイッチとして動作する。同様に、電池がバスに電力を供給しているとき、双方向同期変換器は昇圧(たとえば、ブースト)調整器/変換器として動作し、ハイサイドスイッチは整流器として動作し、ハイサイドスイッチは電力スイッチとして動作する。このようにして、本明細書に開示する同期整流器の双方向電流センサの実施形態は、調整器/変換器の降圧モード(たとえば、バックモード)および昇圧モード(たとえば、ブーストモード)に対して電流を感知する。
【0019】
図1は、本開示の一実施形態による例示的な強制転流式の同期整流器100の図である。
図1は、電力スイッチ(図示せず)のデューティーサイクルに応じて、電流が第1のバス102から(たとえば、電池から)第2のバス104/出力端子104へ(たとえば、宇宙船の100Vバスへ)、または第2のバス104から第1のバス102(入力端子102)へ流れることができる双方向変換器を示す。非常に小さいデューティーサイクルの変化で、第1のバス102の放電から第1のバス102の充電へ電流の方向を変化させる可能性があるため、強制転流式の同期整流器100に結合されたインダクタのインダクタ電流を測定/感知することが望ましく、その結果フィードバックループを追加して、電流の流れの大きさと方向の両方の微細な制御を可能にすることができる。
【0020】
強制転流式の同期整流器100は、強制転流回路140に電気的に結合された電界効果トランジスタ(FET)122などのスイッチング構成要素を備える。FET122は、ソース端子112、ゲート端子114、ドレイン端子116、および真性ボディダイオード118を備える。たとえば、それだけに限定されるものではないが、
図1に示すFET122はn型FETを構成し、真性ボディダイオード118のアノードはソース端子112に接続され、真性ボディダイオード118のカソードはドレイン端子116に接続される。
【0021】
図1に示す実施形態は、一例としてn型FETを利用するが、FET122は、それだけに限定されるものではないが、n型FET、p型FET、スイッチなどの任意のスイッチング構成要素を構成することができ、スイッチング構成要素は関連する逆回復時間を有することがある真性ボディダイオードを備える。FET122がp型FETである一実施形態では、真性ボディダイオード118の方向を逆にすることができる。この構成では、真性ボディダイオード118のカソードはp型FETのソース端子に接続され、真性ボディダイオード118のアノードはp型FETのドレイン端子に接続される。別の実施形態では、スイッチング構成要素は、電源のトポロジーで使用される整流器スイッチとすることができる。
【0022】
通常、FET上のスイッチングに関連する閾値電圧より大きい電圧がゲート端子に供給されたとき、n型FETは、ソース端子とドレイン端子の間に電流を流すことができる。ゲート端子に供給される電圧が閾値電圧より下まで低減されたとき、または完全に除去されたとき、FETはオフに切り換えられ、ソース端子とドレイン端子の間を流れる電流は流れを止める。FETがオフに切り換えられたときに電流がソース端子からドレイン端子へ流れている場合、電流は真性ボディダイオード118の順バイアス方向に流れていたため、FETの真性ボディダイオード118は回復する期間を必要とする。これを逆回復時間と呼ぶ。
【0023】
しかし、FETがオフに切り換えられたときに電流がドレイン端子からソース端子へ流れている場合、電流はすでにボディダイオードの逆バイアス方向に流れていたため、逆回復時間は必要とされない。上記の概念を使用して、FETに関連するスイッチオフ事象中にダイオードのカソード端子からダイオードのアノード端子へ電流を強制転流することによって、ダイオードの逆回復時間をなくすことができる。
【0024】
FET122のゲート端子114は、FET122のスイッチングを制御する駆動電圧源110に電気的に結合される。駆動電圧源110がゲート端子114に閾値電圧を提供したとき、FET122はオンに切り換えられる。FET122のゲート端子114が電圧をもたないとき、FET122はオフに切り換えられる。電流は、入力端子102を通ってFET122のソース端子112内へ流れるように構成され、FET122から流れ出る電流は、出力端子104の方へ流れる。
【0025】
上記のように、FET122は、強制転流回路140に電気的に結合される。強制転流回路140は、パルス電流源120(選択的に制御される強制転流電流源)と、転流ダイオード108とを備える。パルス電流源120は、入力端子102を通って入る電流より大きくなるように構成された転流電流を生成するように構成することができる。一実施形態では、転流電流は、非常に短い期間で強制転流式の同期整流器100から供給されるパルス電流である。パルス電流源120は、端子106で転流ダイオード108のアノード端子に電気的に結合される。
【0026】
転流ダイオード108は、端子106でパルス電流源120に電気的に結合されたアノード端子(図示せず)を備える。転流ダイオード108はまた、ノード124でFET122のドレイン端子116および出力端子104に電気的に結合されたカソード端子(図示せず)を備える。このように、転流ダイオード108は、FET122と並列である。転流ダイオード108は、転流ダイオード108のカソード端子が真性ボディダイオード118のカソード端子に接続されるように構成されるべきである。
【0027】
強制転流式の同期整流器100は、4つの位相で動作することができる。第1の位相では、FET122とパルス電流源120はどちらもオフに切り換えられ、それによってパルス電流源120は、転流電流を供給しなくなる。この位相では、入力電流は、入力端子102から強制転流式の同期整流器100に入り、転流ダイオード108を通って流れ、出力端子104で強制転流式の同期整流器100から出力される。
【0028】
第2の位相では、FET122はオンに切り換えられ、パルス電流源120はオフに切り換えられたままである。この位相では、入力電流は、入力端子102から入り、FET122を通ってソース端子112からドレイン端子116へ流れ、出力端子104を通って出る。FET122の両端の電圧降下が転流ダイオード108の順電圧より小さいため、電流は転流ダイオード108を通って流れなくなる。
【0029】
第3の位相では、FET122はオンに切り換えられ、パルス電流源120もオンに切り換えられる。この位相では、入力電流は、入力端子102から強制転流式の同期整流器100に入り、パルス電流源120および転流ダイオード108を通って流れる。さらに、パルス電流源120は、転流ダイオード108およびFET122を通って流れる転流電流を供給する。ノード124で、入力電流は出力端子104へ流れ、一方転流電流は、FET122を通ってドレイン端子116からソース端子112へ進む。
【0030】
第4の位相では、転流電流がFET122を通ってドレイン端子116からソース端子112へ流れている間、FET122はオフに切り換えられる。この位相では、転流電流は流れを止め、入力電流は、転流ダイオード108を通って流れ、出力端子104から出力される。FET122の真性ボディダイオード118に関連する逆回復時間をなくすために、電流がFET122を通ってドレイン端子116からソース端子112へ(真性ボディダイオード118とは反対の方向に)流れている間、FET122はオフに切り換えられるべきである。4つの位相によって表される事象のシーケンスに従うことによって、転流電流がFET122を通ってドレイン端子116からソース端子112へ流れている間、FET122はオフに切り換えられる。したがって、FET122に関連する逆回復時間はなくなる。
【0031】
上記の強制転流式の同期整流器100は、様々な適用分野に対する構成ブロックとして利用することができる。具体的には、ボディダイオードを備えるスイッチング構成要素を利用するスイッチングの適用分野は、上記の強制転流式の同期整流器100を利用することによってより効率的に実行することができる。さらに、バック変換器、ブースト変換器、およびバック−ブースト変換器などのスイッチング調整器も、上記の強制転流式の同期整流器100を利用することができる。
【0032】
従来のスイッチング調整器は、整流器を使用して、主FETのオフ時間中にインダクタ電流に対する電流路を提供することができる。現在の改善によって、FETの逆回復時間はかなり小さくなり、その結果エネルギーがほとんど放散されなくなってきたため、整流器をFETに置き換えることが実用的になってきた。しかし、高圧の適用分野では、逆回復時間は比較的大きく、著しいワット損をもたらし、ならびにFETのスイッチング周波数に制限を生成する。
【0033】
ブースト変換器などの高圧スイッチング調整器の適用分野で整流器として利用されているFETの真性ボディダイオードの逆回復時間をなくすために、従来の整流器または同期スイッチFETは、
図1に記載する強制転流式の同期整流器100と置き換えることができる。スイッチを伴う整流の適用分野では、整流は、上記の4つの位相を繰り返す。これらのサイクルを、整流器スイッチサイクルと呼ぶことができる。第4の位相は、整流器スイッチサイクルのスイッチオフ縁部で発生する。高圧整流器の適用分野では、FETなどのスイッチに印加される電圧は、60Vより大きくすることができる。
【0034】
図2は、本開示の一実施形態による例示的な同期整流器の双方向変換器システム200の図である。同期整流器の双方向変換器システム200は、インダクタ202、第1の強制転流式の同期整流器204、第2の強制転流式の同期整流器206、駆動論理回路208、ブースト側キャパシタ210、電池212、太陽電池アレイ214、および共通の接地216を備える。
図2は、電池充電/放電調整器として動作する同期整流器の双方向変換器システム200に対する電力段の部分的な概略図を示す。
【0035】
インダクタ202は、バス226を介して第1の強制転流式の同期整流器204および第2の強制転流式の同期整流器206に結合され、リンク218を介して電池212に結合される。第1の強制転流式の同期整流器204は、リンク222を介して駆動論理回路208に結合され、第2の強制転流式の同期整流器206は、リンク224を介して駆動論理回路208に結合される。ブースト側キャパシタ210は、バス220を介して太陽電池アレイ214および第1の強制転流式の同期整流器204に結合される。電池212、第2の強制転流式の同期整流器206、ブースト側キャパシタ210、および太陽電池アレイ214はそれぞれ、共通の接地216に接続される。
【0036】
宇宙船の適用分野では、バス220の電圧は、電池212の電圧より高い。したがって、太陽電池アレイ214が、宇宙船の必要を満たすには不十分な電力を生じさせているとき、同期整流器の双方向変換器システム200は、電池212から電力を引き出して、バス220に必要な電流を提供する。太陽電池アレイ214が、利用可能な余分な電力を有するとき、同期整流器の双方向変換器システム200は降圧調整器になって、電池212を充電する。したがって、電流は、電池212から流れ出てバス220に電力供給し、電池212内へ流れ込んで電池212を充電しなければならないため、同期整流器の双方向変換器システム200は、双方向の電力処理装置である。さらに、スイッチング整流器は適当な時点でオンになるFETであるため、同期整流器の双方向変換器システム200は同期整流される。
【0037】
FETの電圧降下は通常、整流器の電圧降下よりはるかに小さいため、同期整流器の双方向変換器システム200は、従来のバックまたはブースト調整器よりはるかに高い効率を実現することができる。すなわち、80Vの電池から100Vのバスまで昇圧したとき、既存のブースト調整器は、約96.5%の効率を有することができる。同期整流器の双方向変換器システム200は、約98%の効率を有することができる。この効率改善は、同期整流器の双方向変換器システム200に関連する整流器損失の低減およびスイッチング損失の低減の結果である。
【0038】
図3は、本開示の一実施形態による電流センサに結合された例示的な同期整流器の双方向変換器システム300の図である。同期整流器の双方向変換器システム300(システム300)は、インダクタ302(
図2では202)、第1の強制転流式の同期整流器304(ハイサイドスイッチ304、
図2では204)、第2の強制転流式の同期整流器306(ローサイドスイッチ306)(
図2では206)、駆動論理回路308(
図2では208)、ブースト側キャパシタ310(
図2では210)、電池312(
図2では212)、太陽電池アレイ314(
図2では214)、および共通の接地316(
図2では216)を備える。システム300は、第1の電流変成器328および第2の電流変成器330をさらに備える。システム300は、システム100〜200に類似している機能、材料、および構造を有することができ、したがって共通の特徴、機能、および要素については、ここでは繰り返し説明しないことがある。
【0039】
第1の電流変成器328および第2の電流変成器330は、それぞれ第1の感知電流I(HS)および第2の感知電流I(LS)を測定/感知し、インダクタ302を通るインダクタ電流ILに類似している信号を生成する。第1の電流変成器328および第2の電流変成器330が正しく機能するために、第1の感知電流I(HS)および第2の感知電流I(LS)が正または負の直流バイアスを有するとき、第1の電流変成器328および第2の電流変成器330は飽和してはならない。
【0040】
したがって、第1の電流変成器328および第2の電流変成器330が飽和しないように、第1の電流変成器328および第2の電流変成器330内で間隙変成器鉄心を使用することが必要である。第1の電流変成器328および第2の電流変成器330は、信号電流と実質上同じ形状を含む信号電圧を生成するそれぞれ抵抗334および抵抗338内で終端されるが、信号電圧は交流電圧である。抵抗334および抵抗338内で第1の電流変成器328および第2の電流変成器330を終端させることで、それぞれハイサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(HS)およびローサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(LS)を生じさせる。
【0041】
図4は、本開示の一実施形態による昇圧モード(ブーストモード)で動作したときの
図3の双方向変換器に対する例示的な電流およびフィードバック波形400の図である。これらの波形は、Ipkにピークがあるインダクタ302の電流ILと、−Ipkにピークがあるハイサイド電流I(HS)と、Ipkにピークがあるローサイド電流I(LS)と、ハイサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(HS)と、ローサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(LS)とを含む。
【0042】
第1に、インダクタ302の電流ILは、ローサイドスイッチ306を通って共通の接地316へ流れ、インダクタ302内にはエネルギーが蓄積する。次いで、ローサイドスイッチ306はオフになり、電流はハイサイドスイッチ304を通ってバス326へ流れる。第1の電流変成器328と第2の電流変成器330は逆相になり、信号電流は、ハイサイドスイッチ304およびローサイドスイッチ306のオン時間中、それぞれハイサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(HS)とローサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(LS)の両方に対して正になる。ローサイド電流I(LS)の形状は保持されるが、直流情報は失われることがある。ハイサイド電流I(HS)は、ソースからドレインへ流れているために負(−Ipk)であるが、ローサイドFETは、電流がドレインからソースへ流れるために正(Ipk)のローサイド電流I(LS)を有する。
【0043】
図5は、本開示の一実施形態による降圧モード(バックモード)で動作したときの
図3の双方向変換器に対する例示的な電流およびフィードバック波形500の図である。これらの波形は、−Ipkにピークがあるインダクタ電流ILと、Ipkにピークがあるハイサイド電流I(HS)と、−Ipkにピークがあるローサイド電流I(LS)と、ハイサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(HS)と、ローサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(LS)とを含む。第1に、インダクタ電流ILは、共通の接地316からローサイドスイッチ306を通って流れ、インダクタ302からエネルギーが解放される。次いで、ローサイドスイッチ306はオフになり、電流はバス326からハイサイドスイッチ304を通ってインダクタ302へ流れる。
【0044】
第1の電流変成器328と第2の電流変成器330は逆相になるため、電流信号は、ハイサイドスイッチ304およびローサイドスイッチ306のオン時間中、それぞれハイサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(HS)(交流波形Ifb(HS))とローサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(LS)(交流波形Ifb(LS))の両方に対して負になる。ローサイド電流I(LS)の形状は保持されるが、直流情報は失われる。2つの交流波形が生じた後、これらの交流波形をともに直流再生および総和して、元のインダクタ電流の波形を再構築することができる。
【0045】
本明細書に開示するように直流再生プロセスを機能させることができる基本的な原則は、インダクタが直流電圧を定常状態で支持できないことである。したがって、電流パルスが変成器の1次側巻線内で1方向に流れるとき、磁化電流が増大し、磁化電流は、1次側巻線上の電流から引かれる。
【0046】
たとえば、電流I(LS)が第2の電流変成器330(LS電流変成器)の開始端子内へ流れている場合、第2の電流変成器330の1次側巻線の両端の電圧は正である。したがって、第2の電流変成器330の磁化電流は、定常状態解が生じるまで増大する。電流が第2の電流変成器330の1次側巻線内で流れを止めたとき、磁化電流は、1次側巻線の開始端子内へ流れることができなくなる。したがって、電流は引き続き、第2の電流変成器330の2次巻線の開始端子内へ流れる。この結果、オフ時間中(たとえば、ローサイドスイッチ306がオフになったとき)電圧は負になる。
【0047】
通常、電流は、全サイクルにわたる平均電圧がゼロになるまで増大する。すなわち、ハイサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(HS)またはローサイド交流電流のフィードバック電圧信号Ifb(LS)上のゼロの線より上の第1の面積は、ゼロの線より下の第2の面積に等しくなければならない。インダクタンスは比較的大きな値であるため、磁化電流は、サイクルのオフ時間部分中はあまり変化しない。
【0048】
図6は、本開示の一実施形態による例示的な直流再生および総和増幅器回路600(回路600)の図である。回路600は、信号を直流再生し、これらの再生信号を総和する。回路600の重要な特徴は、直流再生スイッチS1およびS2を同期で制御できることである。回路600の直流再生駆動論理回路602は、直流再生スイッチS1およびS2を制御するように動作可能である。双方向変換器システム300(
図3)のバス326から電圧VLが受け取られて、直流再生駆動論理回路602に結合される。電圧VLは、直流再生スイッチS1/S2をそれぞれいつオンにするかを決定するように構成された同期信号である。すなわち、S1は、ハイサイドスイッチ304内のハイサイド電流I(HS)がゼロになるとオンになり、それ以外の場合はオフになり、S2は、ローサイドスイッチ306内のローサイド電流I(LS)がゼロになるとオンになり、それ以外の場合はオフになる。S1がオンになった場合、ノード604が共通の接地608に結合され、ノード604上に存在しうるあらゆる直流バイアスを除去し、S2がオンになった場合、ノード606が共通の接地608に結合され、ノード606上に存在しうるあらゆる直流バイアスを除去する。
【0049】
したがって、キャパシタC1およびC2は、それぞれの交流電流フィードバック電圧信号の波形(すなわち、それぞれ交流波形Ifb(HS)および交流波形Ifb(LS))に対するゼロ条件に対応するそれぞれの電圧に(すなわち、それぞれノード604およびノード606上で)充電される。したがって、交流波形Ifb(HS)の直流および交流波形Ifb(LS)の直流にそれぞれ実質上等しくなるように、ノード604上で第1の直流が再生され、ノード606上で第2の直流が再生される。それによって、ハイサイドスイッチ304内のハイサイド電流I(HS)の元の波形を模倣するように、ノード604上のフィードバック信号が再構築される。さらに、ローサイドスイッチ306内のローサイド電流I(LS)の元の波形を模倣するように、ノード606上のフィードバック信号が再構築される。
【0050】
第1の増幅器段では、総和反転増幅器U1(R3に結合)が、ノード604上のフィードバック信号とノード606上のフィードバック信号を総和し、したがってインダクタ電流IL(
図3)に比例する電圧信号−Vi
L1が構築される。R1およびR2を通る電流は、C1およびC2上で電圧を放電する傾向がある。したがって、次の増幅器段では、総和反転増幅器U2(抵抗R4およびR5に結合)が、より大きな大きさの電圧信号+Vi
L2を構築する。さらに、抵抗R6およびR7は、抵抗R6を通る第1の補正電流がR1内の電流に等しく、抵抗R7を通る第2の補正電流が抵抗R2内の電流に等しくなるように構成される。したがって、定常状態では、C1およびC2を放電する電流は、ゼロまで事実上低減される。
【0051】
図7は、本開示の一実施形態による電流感知プロセス700(プロセス700)を示す例示的な流れ図である。プロセス700に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せによって機械的に実行することができる。プロセス700は、任意の数の追加または代替のタスクを含むことができ、
図7に示すタスクは、図示する順序で実行する必要はなく、またプロセス700は、本明細書では詳細に記載しない追加の機能を有するより包括的な手順またはプロセス内へ組み込むことができることを理解されたい。
【0052】
例示の目的で、プロセス700の以下の説明では、
図1〜6に関連して上述した要素に言及することがある。プロセス700について、特に
図3および6を次に参照して本明細書でさらに説明する。実用的な実施形態では、プロセス700の一部分は、ソース端子112、ゲート端子114、ドレイン端子116、真性ボディダイオード118、インダクタL1、第1の強制転流式の同期整流器304、第2の強制転流式の同期整流器306など、システム100〜300および600の様々な要素によって実行することができる。プロセス700は、
図1〜6に示した実施形態に類似している機能、材料、および構造を有することができる。したがって、共通の特徴、機能、および要素については、ここでは繰り返し説明しないことがある。
【0053】
プロセス700は、ハイサイドスイッチ電流I(HS)を第1の電流変成器328の1次巻線内へ送り込み、ハイサイドスイッチ304内で交流電流I(HS)に比例する第1の交流電流を生じさせること(タスク702)、そしてローサイドスイッチ電流I(LS)を第2の電流変成器330の1次巻線内へ送り込み、それぞれのスイッチ内で交流電流I(LS)に比例する第2の交流電流を生じさせること(タスク716)によって始めることができる。
【0054】
プロセス700は、第1の交流電流を抵抗334内へ終端させ、第1の交流電流フィードバック電圧信号Ifb(HS)を生じさせること(タスク704)、そして第2の交流電流を抵抗338内へ終端させ、第2の交流電流フィードバック電圧信号Ifb(LS)を生じさせること(タスク718)によって継続することができる。
【0055】
プロセス700は、直流再生および総和増幅器600が第1の交流電流フィードバック電圧信号Ifb(HS)を直流再生すること(タスク706)、そして第2の交流電流フィードバック電圧信号Ifb(LS)を直流再生すること(タスク720)によって継続することができる。回路600は、2つの信号Ifb(HS)およびIfb(LS)がそれぞれキャパシタC1およびC2を通過した後、2つの信号Ifb(HS)およびIfb(LS)に対する直流バイアスを再び確立する。スイッチS1およびS2は、直流再生駆動論理回路602によって駆動され、それぞれノード604およびノード606上に再生された直流電圧を生じさせる。キャパシタC1およびC2は、直流電流から回路600を保護し、回路600を低電力で動作させることができる。
【0056】
次いでプロセス700は、回路600が第1の交流電流フィードバック電圧信号Ifb(HS)に第1の補正電流(すなわち、V/I利得抵抗R6を通る電流)を加算すること(タスク708)、そして第2の交流電流フィードバック電圧信号Ifb(LS)に第2の補正電流(すなわち、V/I利得抵抗R7を通る電流)を加算すること(タスク722)によって継続することができる。
【0057】
プロセス700は、回路600が総和反転増幅器U1(
図6)を用いて第1の交流電流フィードバック電圧信号Ifb(HS)と第2の交流電流フィードバック電圧信号Ifb(LS)を総和し、反転合成信号−Vi
L1を生成すること(タスク712)によって継続することができる。反転合成信号−Vi
L1は、インダクタ電流ILを反転させたものである。総和反転増幅器U1は、ノード604および606上の再構築された電圧波形を加算して、電流フィードバック信号(すなわち、反転合成信号−Vi
L1)を生じさせる。
【0058】
プロセス700は、回路600が総和反転増幅器U2を用いて反転合成信号−Vi
L1を反転および増幅させ、合成信号+Vi
L2を生成すること(タスク714)によって継続することができる。合成信号+Vi
L2は、反転合成信号−Vi
L1を反転させたものであり、インダクタ電流ILを反転させていないより大きい大きさのものである。
【0059】
プロセス700は、回路600が第1の補正電流(すなわち、V/I利得抵抗R6を通る電流)を生成すること(タスク710)によって継続することができる。補正電流は、回路600から出る正味電流がゼロまで低減されるように回路600内でフィードバックされる。
【0060】
プロセス700は、回路600が第2の補正電流(すなわち、V/I利得抵抗R7を通る電流)を生成すること(タスク724)によって継続することができる。
【0061】
図8は、本開示の一実施形態による双方向電流感知プロセス800(プロセス800)を示す例示的な流れ図である。プロセス800に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せによって機械的に実行することができる。プロセス800は、任意の数の追加または代替のタスクを含むことができ、
図8に示すタスクは、図示する順序で実行する必要はなく、またプロセス800は、本明細書では詳細に記載しない追加の機能を有するより包括的な手順またはプロセス内へ組み込むことができることを理解されたい。
【0062】
例示の目的で、プロセス800の以下の説明では、
図1〜6に関連して上述した要素に言及することがある。実用的な実施形態では、プロセス800の一部分は、ソース端子112、ゲート端子114、ドレイン端子116、真性ボディダイオード118、インダクタL1、第1の強制転流式の同期整流器304、第2の強制転流式の同期整流器306など、システム100〜300および回路600の様々な要素によって実行することができる。プロセス800は、
図1〜3および6に示した実施形態に類似している機能、材料、および構造を有することができる。したがって、共通の特徴、機能、および要素については、ここでは繰り返し説明しないことがある。
【0063】
プロセス800は、第1の電流変成器328を介して第1の強制転流式の同期整流器304を通る第1の電流を感知/測定し、第1の信号を供給すること(タスク802)によって始めることができる。
【0064】
次いでプロセス800は、第2の電流変成器330を介して第2の強制転流式の同期整流器306を通る第2の電流を感知/測定し、第2の信号を供給すること(タスク804)によって継続することができる。
【0065】
次いでプロセス800は、第1の信号および第2の信号を直流再生して第1の直流再生信号および第2の直流再生信号を供給すること(タスク806)によって継続することができる。
【0066】
次いでプロセス800は、第1の直流再生信号に第1の補正電流を加算することによって第1の補正信号を生成すること(タスク808)によって継続することができる。
【0067】
次いでプロセス800は、第2の直流再生信号に第2の補正電流を加算することによって第2の補正信号を生成すること(タスク810)によって継続することができる。
【0068】
次いでプロセス800は、第1の補正信号と第2の補正信号を加算することによって合成信号を生成すること(タスク812)によって継続することができる。
【0069】
プロセス800は、合成信号に基づいて第1の補正電流および第2の補正電流を形成すること(タスク814)によって継続することができる。
【0070】
図9は、本開示の一実施形態による双方向電圧変換電流センサを使用するプロセス900を示す例示的な流れ図である。プロセス900に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せによって機械的に実行することができる。プロセス900は、任意の数の追加または代替のタスクを含むことができ、
図9に示すタスクは、図示する順序で実行する必要はなく、またプロセス900は、本明細書では詳細に記載しない追加の機能を有するより包括的な手順またはプロセス内へ組み込むことができることを理解されたい。
【0071】
例示の目的で、プロセス800の以下の説明では、
図1〜6に関連して上述した要素に言及することがある。実用的な実施形態では、プロセス900の一部分は、ソース端子112、ゲート端子114、ドレイン端子116、真性ボディダイオード118、インダクタL1、第1の強制転流式の同期整流器304、第2の強制転流式の同期整流器306など、システム100〜300および回路600の様々な要素によって実行することができる。プロセス900は、
図1〜3および6に示した実施形態に類似している機能、材料、および構造を有することができる。したがって、共通の特徴、機能、および要素については、ここでは繰り返し説明しないことがある。
【0072】
プロセス900は、第1の電流変成器を用いて双方向変換器の第1の強制転流式の同期整流器304の第1の信号を感知すること(タスク902)によって始めることができる。
【0073】
プロセス900は、第2の電流変成器330を用いて双方向変換器(システム300)の第2の強制転流式の同期整流器306の第2の信号を感知すること(タスク904)によって継続することができる。
【0074】
プロセス900は、第1の信号および第2の信号を直流再生して第1の直流再生信号および第2の直流再生信号を供給すること(タスク906)によって継続することができる。
【0075】
プロセス900は、第1の信号および第2の信号をフィードバック補正して、双方向変換器(システム300)を通る双方向電流に比例する双方向信号を供給すること(タスク908)によって継続することができる。
【0076】
プロセス900は、双方向信号に基づいて双方向変換器を制御すること(タスク910)によって継続することができる。
【0077】
このようにして、本開示の実施形態は、フィードバック信号または遠隔測定信号として使用するためのインダクタ電流ILの複製を生じさせるのに帯域幅または精度を犠牲にしない信号処理装置である双方向電流センス回路を提供する。回路内(たとえば、ノード604および606)の信号は比較的大きく(1V程度)、したがって回路の増幅器利得を低くすることができる。したがって、約1メガHzの帯域幅および数ミリボルトの入力オフセット電圧ドリフトをもつ標準的な演算増幅器を用いて、インダクタ電流ILのかなり正確な再現を実現することができる。本明細書に記載する方法に関連するワット損はかなり低く、普通なら利用できないはずの特殊なバイアス電圧を必要としない。
【0078】
インダクタと直列に分流器を備える既存の演算増幅器回路は、著しい量のワット損を放散するはずである。信号が低いため、増幅器は、インダクタ電流波形を正確に再現するために高い利得および広帯域幅を有するはずである。さらに、演算増幅器回路は非常に小さい入力電圧を有するため、増幅器(演算増幅器)の入力オフセット電圧は、回路の精度に著しい影響を与えるはずである。最後に、電池の電位について増幅器が参照されるため、回路に電力供給するには浮動バイアス電源が必要とされるはずである。これにより、性能が実質上より悪くなり、コストがより高くなることがある。
【0079】
既存の磁気増幅器(磁気増幅回路)では、交流源を使用して2つの背面結合変成器を励磁し、任意の所与の時点で一方の変成器が飽和し、他方の変成器が電流変成器として作用する。これらの回路は、上記の実施形態よりはるかに大きく、通常、制限された帯域幅を有する。したがって、この再現からインダクタ電流の高周波リプルが失われることがあり、それによって電流フィードバックループの性能を著しく制限することがある。磁気増幅回路はまた、雑音およびリプル電流を導入することがあり、それによって最終的に、100Vバスへ送り込まれる電流内へ低周波リプルを導入する可能性がある。これは、100Vバスから低周波雑音をフィルタ除去するのが非常に困難になることがあるため、まったく望ましくない。
【0080】
上記の説明では、互いに「接続」または「結合」された要素またはノードまたは特徴に言及する。本明細書では、別段明示しない限り、「接続」とは、1つの要素/ノード/特徴が別の要素/ノード/特徴に直接つなぎ合わされる(または直接連通する)ことを意味するが、必ずしも機械的につなぎ合わされる必要はない。同様に、別段明示しない限り、「結合」とは、1つの要素/ノード/特徴が別の要素/ノード/特徴に直接または間接的につなぎ合わされる(あるいは直接または間接的に連通する)ことを意味するが、必ずしも機械的につなぎ合わされる必要はない。したがって、
図1〜3および6は要素の例示的な構成を示すが、本開示の一実施形態では、追加の介在要素、デバイス、特徴、または構成要素が存在することもある。
【0081】
本明細書で使用される用語および語句、ならびにその変形は、別段明示しない限り、限定ではなくオープンエンド(open ended)と解釈されるべきである。上記の例として、「含む」という用語は、「非限定的に含む」などを意味すると読まれるべきであり、「例」という用語は、議論される項目の例示的な場合を提供するために使用され、その網羅的または限定的なリストを提供するものではなく、また「従来の(conventional)」、「従来の(traditional)」、「通常の」、「標準的な」、「周知の」、および類似の意味の用語などの形容詞は、記載する項目を、所与の期間に、または所与の時点で利用可能な項目に限定すると解釈されるべきではなく、代わりに、現在または将来の任意の時点で利用可能または周知の従来の(conventional)、従来の(traditional)、通常の、または標準的な技術を包含するように読まれるべきである。
【0082】
同様に、「および」という接続詞でつながれた1群の項目は、群内でそれらの項目のそれぞれがすべて存在することを必要とすると読まれるべきではなく、逆に、別段明示しない限り、「および/または」と読まれるべきである。同様に、「または」という接続詞でつながれた1群の項目は、その群内で相互排他性を必要とすると読まれるべきではなく、逆に、別段明示しない限り、同じく「および/または」と読まれるべきである。さらに、本開示の項目、要素、または構成要素を単数で記載または請求することがあるが、単数への限定が明示されない限り、複数も本開示の範囲内であることが企図される。場合によっては、「1つまたは複数」、「少なくとも」、「それだけに限定されるものではない」、または他の同様の語句などの包括的な言葉および語句の存在は、そのような包括的な語句がない場合により狭いケースが意図され、または必要とされることを意味するように読まれるべきではない。
【0083】
本発明はまた、以下の実施形態に関する。
1.同期整流器の双方向変換器システム向けの双方向電流感知のための方法であって、
第1の変成器を介して第1の同期整流器を通る第1の電流を感知して、第1の信号を供給するステップと、
第2の変成器を介して第2の同期整流器を通る第2の電流を感知して、第2の信号を供給するステップと、
第1の信号および第2の信号を直流再生して、それぞれ第1の直流再生信号および第2の直流再生信号を供給するステップと、
第1の直流再生信号に第1の補正電流を加算することによって第1の補正信号を生成するステップと、
第2の直流再生信号に第2の補正電流を加算することによって第2の補正信号を生成するステップと、
第1の補正信号と第2の補正信号を加算することによって合成信号を生成するステップとを含む方法。
2.合成信号に基づいて第1の補正電流および第2の補正電流を形成するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
3.合成信号に基づいて同期整流器の双方向変換器システムを制御するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
4.合成信号に基づいて、第1の同期整流器および第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
5.合成信号を反転させることによって反転合成信号を形成するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
6.反転合成信号に基づいて、第1の同期整流器および第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップをさらに含む、実施形態5に記載の方法。
7.第1の同期整流器および第2の同期整流器の1つが強制転流式の同期整流器を構成する、実施形態6に記載の方法。
8.強制転流式の同期整流器が、
ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、ならびにカソード端子およびアノード端子を備える真性ボディダイオードを備える電界効果トランジスタ(FET)スイッチと、
FETスイッチに並列に電気的に結合された転流ダイオードであって、そのカソードが真性ボディダイオードのカソード端子に電気的に結合される、転流ダイオードと、
転流ダイオードに電気的に結合された選択的に制御される強制転流電流源であって、FETスイッチがオンに切り換えられている間に転流ダイオードからFETスイッチへ転流電流を通し、それによって転流電流を真性ボディダイオードのカソード端子から真性ボディダイオードのアノード端子へ通すように動作可能な選択的に制御される強制転流電流源とを備える強制転流式の同期整流器を構成する、実施形態7に記載の方法。
9.第1の同期整流器からの第1の電流を感知して第1の信号を供給するように動作可能な第1の変成器と、
第2の同期整流器からの第2の電流を感知して第2の信号を供給するように動作可能な第2の変成器と、
第1の同期整流器および第2の同期整流器に結合された直流再生および総和増幅器回路と
を備える同期整流器の双方向電流センサシステムであって、直流再生および総和増幅器回路が、
第1の信号および第2の信号を直流再生して第1の直流再生信号および第2の直流再生信号を供給するように動作可能な直流再生回路と、
直流総和増幅器とを備え、直流総和増幅器が、
第1の直流再生信号に第1の補正電流を加算することによって第1の補正信号を生成するように動作可能な第1の加算回路と、
第2の直流再生信号に第2の補正電流を加算することによって第2の補正信号を生成するように動作可能な第2の加算回路と、
第1の補正信号と第2の補正信号を加算して増幅することによって合成信号を生成するように動作可能な総和反転増幅器と、
合成信号を反転させることによって第1の補正電流および第2の補正電流を生成するように動作可能な反転増幅器と
を備えている、同期整流器の双方向電流センサシステム。
10.第1の同期整流器および第2の同期整流器の1つが強制転流式の同期整流器を構成する、実施形態9に記載の同期整流器の双方向電流センサシステム。
11.強制転流式の同期整流器が、
ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、ならびにカソード端子およびアノード端子を備える真性ボディダイオードを備える電界効果トランジスタ(FET)スイッチと、
FETスイッチに並列に電気的に結合された転流ダイオードであって、そのカソードが真性ボディダイオードのカソード端子に電気的に結合される、転流ダイオードと、
転流ダイオードに電気的に結合された選択的に制御される強制転流電流源であって、FETスイッチがオンに切り換えられている間に転流ダイオードからFETスイッチへ転流電流を通し、それによって転流電流を真性ボディダイオードのカソード端子から真性ボディダイオードのアノード端子へ通すように動作可能な選択的に制御される強制転流電流源とを備える、実施形態10に記載の同期整流器の双方向電流センサシステム。
12.インダクタと、
インダクタに結合された第1の強制転流式の同期整流器であって、ダイオードに関連する構成要素をオフに切り換えながら、ダイオードのカソード端子からダイオードのアノード端子へ転流電流を強制転流することによってダイオード内の逆回復時間をなくすように動作可能な第1の強制転流式の同期整流器と、
インダクタおよび第1の強制転流式の同期整流器に結合された第2の強制転流式の同期整流器であって、ダイオードに関連する構成要素をオフに切り換えながら、ダイオードのカソード端子からダイオードのアノード端子へ転流電流を強制転流することによってダイオード内の逆回復時間をなくすように動作可能な第2の強制転流式の同期整流器と
をさらに備える、実施形態9に記載の同期整流器の双方向電流センサシステム。
13.双方向電流センサシステムを動作させる方法であって、
第1の変成器を用いて双方向変換器の第1の同期整流器の第1の信号を感知するステップと、
第2の変成器を用いて双方向変換器の第2の同期整流器の第2の信号を感知するステップと、
第1の信号および第2の信号を直流再生して第1の直流再生信号および第2の直流再生信号を得るステップと、
第1の信号および第2の信号をフィードバック補正して、双方向変換器を通る双方向電流に比例する双方向信号を供給するステップと、
双方向信号に基づいて双方向変換器を制御するステップとを含む方法。
14.双方向信号に基づいて、第1の同期整流器および第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップをさらに含む、実施形態13に記載の方法。
15.第1の信号と第2の信号を組み合わせて合成信号を提供し、合成信号に基づいて、第1の同期整流器および第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップをさらに含む、実施形態13に記載の方法。
16.合成信号を反転させることによって反転合成信号を形成するステップをさらに含む、実施形態13に記載の方法。
17.反転合成信号に基づいて、第1の同期整流器および第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップをさらに含む、実施形態16に記載の方法。
18.第1の同期整流器および第2の同期整流器の1つが強制転流式の同期整流器を構成する、実施形態13に記載の方法。
19.強制転流式の同期整流器が、
ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、ならびにカソード端子およびアノード端子を備える真性ボディダイオードを備える電界効果トランジスタ(FET)スイッチと、
FETに並列に電気的に結合された転流ダイオードであって、そのカソードが真性ボディダイオードのカソード端子に電気的に結合される、転流ダイオードと、
転流ダイオードに電気的に結合された選択的に制御される強制転流電流源であって、FETスイッチがオンに切り換えられている間に転流ダイオードからFETスイッチへ転流電流を通し、それによって転流電流を真性ボディダイオードのカソード端子から真性ボディダイオードのアノード端子へ通すように動作可能な選択的に制御される強制転流電流源とを備える、実施形態18に記載の方法。
さらに、本願は以下に記載する態様も含む。
(態様1)
同期整流器の双方向変換器システム向けの双方向電流感知のための方法であって、
第1の変成器を介して第1の同期整流器を通る第1の電流を感知して、第1の信号を供給するステップと、
第2の変成器を介して第2の同期整流器を通る第2の電流を感知して、第2の信号を供給するステップと、
前記第1の信号および前記第2の信号を直流再生して、それぞれ第1の直流再生信号および第2の直流再生信号を供給するステップと、
前記第1の直流再生信号に第1の補正電流を加算することによって第1の補正信号を生成するステップと、
前記第2の直流再生信号に第2の補正電流を加算することによって第2の補正信号を生成するステップと、
前記第1の補正信号と前記第2の補正信号を加算することによって合成信号を生成するステップと
を含む方法。
(態様2)
前記合成信号に基づいて前記第1の補正電流および前記第2の補正電流を形成するステップと、
前記合成信号に基づいて同期整流器の双方向変換器システムを制御するステップと
をさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記合成信号に基づいて、前記第1の同期整流器および前記第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップをさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様4)
前記合成信号を反転させることによって反転合成信号を形成するステップと、
前記反転合成信号に基づいて、前記第1の同期整流器および前記第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップと
をさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様5)
前記第1の同期整流器および前記第2の同期整流器の1つが強制転流式の同期整流器を構成し、前記強制転流式の同期整流器が、
ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、ならびにカソード端子およびアノード端子を備える真性ボディダイオードを備える電界効果トランジスタ(FET)スイッチと、
前記FETスイッチに並列に電気的に結合された転流ダイオードであって、そのカソードが前記真性ボディダイオードの前記カソード端子に電気的に結合されている転流ダイオードと、
前記転流ダイオードに電気的に結合された選択的に制御される強制転流電流源であって、前記FETスイッチがオンに切り換えられている間に前記転流ダイオードから前記FETスイッチへ転流電流を通し、それによって前記転流電流を前記真性ボディダイオードの前記カソード端子から前記真性ボディダイオードの前記アノード端子へ通すように動作可能な選択的に制御される強制転流電流源と
を備えている、態様3に記載の方法。
(態様6)
第1の同期整流器からの第1の電流を感知して第1の信号を供給するように動作可能な第1の変成器と、
第2の同期整流器からの第2の電流を感知して第2の信号を供給するように動作可能な第2の変成器と、
前記第1の同期整流器および前記第2の同期整流器に結合された直流再生および総和増幅器回路と
を備える同期整流器の双方向電流センサシステムであって、前記直流再生および総和増幅器回路が、
前記第1の信号および前記第2の信号を直流再生して第1の直流再生信号および第2の直流再生信号を供給するように動作可能な直流再生回路と、
直流総和増幅器であって、
前記第1の直流再生信号に第1の補正電流を加算することによって第1の補正信号を生成するように動作可能な第1の加算回路と、
前記第2の直流再生信号に第2の補正電流を加算することによって第2の補正信号を生成するように動作可能な第2の加算回路と、
前記第1の補正信号と前記第2の補正信号を加算して増幅することによって合成信号を生成するように動作可能な総和反転増幅器と、
前記合成信号を反転させることによって前記第1の補正電流および前記第2の補正電流を生成するように動作可能な反転増幅器と
を備える直流総和増幅器と
を備えている、同期整流器の双方向電流センサシステム。
(態様7)
前記第1の同期整流器および前記第2の同期整流器の1つが強制転流式の同期整流器を構成し、前記強制転流式の同期整流器が、
ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、ならびにカソード端子およびアノード端子を備える真性ボディダイオードを備える電界効果トランジスタ(FET)スイッチと、
前記FETスイッチに並列に電気的に結合された転流ダイオードであって、そのカソードが前記真性ボディダイオードの前記カソード端子に電気的に結合されている転流ダイオードと、
前記転流ダイオードに電気的に結合された選択的に制御される強制転流電流源であって、前記FETスイッチがオンに切り換えられている間に前記転流ダイオードから前記FETスイッチへ転流電流を通し、それによって前記転流電流を前記真性ボディダイオードの前記カソード端子から前記真性ボディダイオードの前記アノード端子へ通すように動作可能な選択的に制御される強制転流電流源と
を備えている、態様6に記載の同期整流器の双方向電流センサシステム。
(態様8)
インダクタと、
前記インダクタに結合された第1の強制転流式の同期整流器であって、ダイオードに関連する構成要素をオフに切り換えながら、前記ダイオードのカソード端子から前記ダイオードのアノード端子へ転流電流を強制転流することによって、前記ダイオード内の逆回復時間をなくすように動作可能な第1の強制転流式の同期整流器と、
前記インダクタおよび前記第1の強制転流式の同期整流器に結合された第2の強制転流式の同期整流器であって、前記ダイオードに関連する構成要素をオフに切り換えながら、前記ダイオードのカソード端子から前記ダイオードのアノード端子へ転流電流を強制転流することによって、前記ダイオード内の逆回復時間をなくすように動作可能な第2の強制転流式の同期整流器と
をさらに備えている、態様6に記載の同期整流器の双方向電流センサシステム。
(態様9)
双方向電流センサシステムを動作させる方法であって、
第1の変成器を用いて双方向変換器の第1の同期整流器の第1の信号を感知するステップと、
第2の変成器を用いて双方向変換器の第2の同期整流器の第2の信号を感知するステップと、
前記第1の信号および前記第2の信号を直流再生して第1の直流再生信号および第2の直流再生信号を得るステップと、
前記第1の信号および前記第2の信号をフィードバック補正して、前記双方向変換器を通る双方向電流に比例する双方向信号を供給するステップと、
前記双方向信号に基づいて双方向変換器を制御するステップと
を含む方法。
(態様10)
前記双方向信号に基づいて、前記第1の同期整流器および前記第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号を組み合わせて合成信号を提供し、前記合成信号に基づいて、前記第1の同期整流器および前記第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップと
をさらに含む、態様9に記載の方法。
(態様11)
前記合成信号を反転させることによって反転合成信号を形成するステップと、
前記反転合成信号に基づいて、前記第1の同期整流器および前記第2の同期整流器に結合された駆動論理回路を制御するステップと
をさらに含む、態様9に記載の方法。
(態様12)
前記第1の同期整流器および前記第2の同期整流器の1つが強制転流式の同期整流器を構成し、前記強制転流式の同期整流器が、
ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、ならびにカソード端子およびアノード端子を備える真性ボディダイオードを備える電界効果トランジスタ(FET)スイッチと、
前記FETに並列に電気的に結合された転流ダイオードであって、そのカソードが前記真性ボディダイオードの前記カソード端子に電気的に結合される転流ダイオードと、
前記転流ダイオードに電気的に結合された選択的に制御される強制転流電流源であって、前記FETスイッチがオンに切り換えられている間に前記転流ダイオードから前記FETスイッチへ転流電流を通し、それによって前記転流電流を前記真性ボディダイオードの前記カソード端子から前記真性ボディダイオードの前記アノード端子へ通すように動作可能な選択的に制御される強制転流電流源と
を備える、態様9に記載の方法。