(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例を詳細に例示する図面を参照する前に、本願が本明細書に記載され又は図面に例示される詳細又は方法に限定されないことを理解されたい。用語が説明を目的とし及び限定とみなすべきではないことも理解されたい。
【0011】
図1を参照すると、給仕ステーション110(例えばビュッフェスタイル食品ステーション、スチームテーブル、保温卓上なべ等)が頂面112を含み、頂面112は中にウェル114を有する。ウェル114は、一以上の食品皿116を受け入れるサイズ及び構成とされる。一実施例によれば、食品皿116は矩形(例えば長方形、正方形)であり、食料品、液体、ナプキン、用具等の物品を含む様々な内容物118を支持するべく設計された容積を含む。食品皿116はまた、リム120を含む。リム120は、ウェル114の開口よりもわずかに広くかつ長い外側周縁を有する。給仕ステーション110の動作的使用中、食品皿116のリム120は、給仕ステーション110の頂面112によって支持され、食品皿116の残りの部分がウェル114の中に配置される。
【0012】
いくつかの実施例において、加熱又は冷却システムが給仕ステーション110に統合される(例えば加熱コイル、冷凍コンポーネント)。これらは、ウェル114の温度を制御する役割を果たす。典型的に食品皿116は、ウェル114から食品皿116の内容物118に又はその逆に熱を伝達することができる金属、セラミック等の熱伝導性材料から形成される。これにより、食品皿116の内容物118の温度が少なくとも部分的に制御される。いくつかの実施例において、食品皿116のリム120は、食品皿116と給仕ステーション110の頂面112とのシールを形成する。これは、食品皿116の一つのリムまわりに、冷たい空気又は蒸気が給仕ステーション110から逃げることを防止するのに役立つ。
【0013】
いくつかの考えられる用途において、食品皿116は、食品皿116の内容物118を補充するべく及び給仕ステーション110が与える内容物118の供給を維持するべく、必要に応じて給仕ステーション110に又はこれから運ばれる。内容物118あり又はなしで各食品皿116のみを形成する材料は相対的に重い。したがって、食品皿116が偶然落下すると、食品皿116は永久的な変形(例えば凹み、打ち傷、曲がり、そり等)を受ける。食品皿116のリム120の塑性変形又はひびは、食品皿116と給仕ステーション110とのシールに損傷を与え、給仕ステーション110の効率にとって有害である。いくつかの実施例において、食品皿116は、食品皿116の不意な変形を防止するのに役立てるべく食品皿116の一以上の角に補強構造122を含む。
【0014】
ここで
図2を参照すると、食品皿210は、底212と、底212に接続されかつ底212から上方に延びる側壁214と、側壁214に接続されかつ側壁214から外方に延びるリム216とを含む。側壁214とリム216との間に食品皿210は、リム216を強化かつ補強するべく設計される角構造218をさらに含む。いくつかの実施例において、角構造218はさらに、内容物(例えば液体)を食品皿210から注ぐのを容易にするべく構成される。角構造218の下方に食品皿は、食品皿210と他の同様な食品皿との積み重ね(例えば
図10参照)を補助する詰まり防止フィーチャ220(例えば凹部、棚部)をさらに含む。一実施例によれば、詰まり防止フィーチャ220は、積み重ね中に同様な食品皿の角構造218上に載るように食品皿210から延びて当該食品皿210を同様な食料皿から分離する。このような実施例のいくつかにおいて、詰まり防止フィーチャ220は、食品皿210と同様な食料皿との間に多くの空気を保持する。この場合、当該空気が環境と自由に連通するので、食品皿210と同様な食品皿との間に真空が形成されない。
【0015】
図3を参照すると、一実施例によれば食品皿210の底212は、実質矩形の周縁を含む。当該周縁は、2つの第1側部222、224(例えば前後)と、これに直交する2つの第2側部226、228(例えば左右)とを含む。一実施例によれば、第1側222、224は、丸角230(すなわち垂直軸まわりの丸み)において第2側と交差する。いくつかの実施例において底212は平らであるが、他の考えられる実施例において、食品皿210の底212は仕切り構造、スロープを含むか又はさもなくば等高線がつけられる。
【0016】
図4及び5を参照すると、側壁214は、食品皿210の底212(
図3)に接続(例えば統合、締結)される。
図4は食品皿210の長側部(側部226、228の一方)を示し、
図5は端側部(側部222、224の一方)を示す。側壁214及び底212は一緒になって、食品皿210の内容物を支持する容積232を形成する(例えば、
図1に示される内容物118を参照)。一実施例によれば、側壁214は、水平軸まわりに丸みを有する丸角234(
図6)によって底212に接続される。角234を食品皿210の側壁214と底212との間で丸ませることは、さもなくば手が届きにくい角234を広げることによって食品皿210の洗浄を容易にする。
【0017】
一実施例によれば、側壁214は、底212の矩形周縁から上方に延びる。いくつかの実施例において、側壁214は、底212に実質的に直交し、リム216に向かって延びる間に底212からわずか外方に傾斜する。このような実施例のいくつかにおいて、側壁214は、食品皿210の底212に対して約90度から110度までの傾斜を有する。
図3から5に具体的な寸法関係が示されるが(例えば長さ対高さ比、幅対長さ比等)、他の実施例では食品皿210は、
図3から5に示される実施例よりも狭く、広く、短く、長く、深く、及び/又は浅くなる。他の考えられる実施例において、非矩形の食品皿が、ここに記載の構造を有する一以上の角を含む。
【0018】
図6及び7を参照すると、一実施例によれば、食品皿210の底212は一般に平らであって第1水平面を画定する。底212の水平面は、底212と側壁214との間に形成される角234の接線まで延びる。そして、側壁214は角234から接線方向に、水平面に実質的に直交する(例えば完全直交から15度以内の)方向まで延びる。したがって、いくつかの実施例において側壁214は、ほぼ垂直な平面を画定する4つの実質平坦面、すなわち側壁214が食品皿の側部226、228上に画定する2つの平面(
図4参照)と、側壁214が食品皿の側部222、224上に画定する2つの平面(
図5参照)とを含む。他実施例において、側壁214は底に対して実質的に直交してはいないが、その代わりにこれに対して少なくとも100度超過又は80度未満だけ傾斜する。さらに他の実施例において、側壁は実質平坦面を含まない。
【0019】
図7を参照すると、リム216は、フック形状の輪郭で側壁214から離れるように延びる(
図6も参照)。このような実施例のいくつかにおいて、リム216は、側壁214に接続される上り部236と、上り部236に接続される頂部238と、頂部238に接続される下り部240とを含む。上り部及び下り部236、240は丸みを有し、頂部238は、平らなセグメントであるか又はリム216の上り部及び下り部236間に画定される単なる線である。このような実施例のいくつかにおいて、リム216はその後、下り部240の端から外方にフレア状に広がる(例えばフレア端244参照)。
【0020】
いくつかの実施例において、上り部及び下り部236、240は、曲率半径R
1、R
2を画定する円弧形状断面を有する。上り部236の曲率半径R
1は、下り部240の曲率半径R
2と同じか又は異なる。他実施例において、上り部又は下り部236、240いずれかの丸み部は非円形であって、側壁214からの距離の関数として変化するか又はそうでないように変化する曲率半径を有する。上り部及び下り部236、240に丸みを与えることは、例えば広範囲の衝撃方向から受ける負荷を再分配できる断面構造を与えることにより、リム216に強度を与える。しかしながら、他実施例において、リム216の上り部及び下り部236、240は平ら(例えば正方形のリム)である。
【0021】
いくつかの実施例において、側壁214が画定する平坦面は、リム216の上り部236に対して接線方向に(すなわち、リム216の上り部236の接線まで)延びる。上り部216の接線は、頂部238まで延びる。下り部240は、頂部238の接線から出て実質的に平らな垂直部242まで延びる。平らな垂直部242に追従してリム216は、外方に曲がりフレア端244を形成する。上り部236を側壁214から及び頂部238まで接線方向に統合すること及び下り部240を頂部238から接線方向に統合することは、リム216に加わる応力の制御を容易にする意図である。しかしながら他実施例において、リム216の複数部分が互いに接線方向に延びることはない。
【0022】
一実施例によれば、リム216の上り部及び下り部236、240の曲率半径R
1、R
2は小さく、食品皿210のサイズと比べてきついカールを形成する。一実施例によれば、リム216の上り部及び下り部236、240の少なくとも一方の曲率半径R
1、R
2は、食品皿210の高さHの1/20未満のように、皿210の高さH(
図6)の1/10未満である。しかしながら、いくつかの実施例において、リム216は、上り部及び下り部236、240の曲率半径R
1、R
2が、リムの2つの平らな部分間を単に曲げることとはならないようにカールされ、したがって、例えば食品皿210の高さHの1/50超過のように、皿210の高さHの1/100超過とされる。例えば、
図6に示されるリム216の上り部及び下り部236、240の曲率半径R
1、R
2は、食品皿210の高さHの約1/25である。
【0023】
一実施例によれば、皿210は頂部238を含む。頂部238は、実質的に平らであって、食品皿210の底部212が画定する平面に平行な平面を画定する。このような実施例のいくつかにおいて、頂部238は比較的狭く、リム216の上り部及び下り部236、240間に短い距離だけ延びる。一実施例によれば、頂部236の長さLは、リム216の上り部又は下り部236、240の(一定又は可変の)曲率半径R
1、R
2の2倍未満である。このような実施例のいくつかにおいて、頂部238は、上り部又は下り部236、240の曲率半径236、240未満である。少なくとも一つの実施例において、頂部238は、リム216の最頂部が画定する(例えば境界線を画定する)単なる線であって、平らなセグメントではない。
【0024】
ここで
図8を参照すると、食品皿210の角構造218(例えば、補強構造、注ぎ口)は、リム216を支持することが意図される。いくつかの実施例において、食品皿210は、一つが食品皿210の底212の矩形周縁(例えば
図3参照)の各角230に対応する(例えば、上方の、関連づけられる)4つの角構造218を含む。一実施例によれば、角構造218は側壁214とリム216との間に延びる。当該間において、角構造218の一部がリム216と重なりかつリム216の頂部238と交差する。このような実施例において、角構造218は、側壁214とリム216との間においてリム216の上り部236の底に終端又は拡散せず、その代わりに食品皿210のリム216まで上に明示的に延びる。したがって、このような実施例の角構造218は、側壁214及びリム216双方に対して交差(例えば、横断、接触、通過)する。
【0025】
側壁214からの角構造218をリム216に統合することは、食品皿210のリム216及び角230を強化する有効な機構を与えることが意図される。角230が受ける応力は、リム216が完全に吸収する代わりに、角構造218を介してリム216及び側壁214双方に伝達される。信じられているのは、このような実施例の角構造218によって、薄い寸法の材料でも、さもなくば食品皿210の変形を防止するべく厚い寸法の材料が必要とされる衝撃及び負荷に耐えられるということである。
【0026】
一実施例によれば、角構造218は、3つの縁又は側部、すなわちベース側部246、実質平坦面252、及び2つの上り縁248、250(例えば、平坦面252の側部)によって画定される。このような実施例において上り縁248、250は、ベース側部246の端から上方かつ外方(容積232に対し)に延びる。一実施例によれば、上り縁248、250は実質的に直線である。ベース側部246は側壁214沿いに位置決めされる。上り縁248、250は、側壁214沿いかつリム216の上り部236沿いに延びてリム216の頂部238において終端する。実質平坦面252が、角構造218(及びギャップ254)の縁246、248、250間に延びる。いくつかの実施例において実質平坦面252は、わずかな凹面(例えば、30センチメートル(1フィート)よりも大きな曲率半径)を有する一方、他実施例において実質平坦面252は平らである。一実施例によれば、実質平坦面252は近似的に台形又は三角形を形成する。いくつかの実施例において、実質平坦面252(及び実質平坦面324)は、フレア端244の垂直下方までは延びない。
【0027】
図8をなおも参照すると、角構造218の上り縁248、250がリム216まで延びる。しかしながら、いくつかの実施例において上り縁248、250は、リム216沿いに互いに接続されない。その代わり、狭いギャップ254(例えば、スペース、開口、注ぎ口、溝)が、リム216に沿って2つの上り縁248、250間に形成される。いくつかの実施例において、ギャップ254は、食品皿210の内容物が角構造218を介して注がれる案内、溝、又は経路を与えることが意図される。一実施例によれば、ギャップ254の幅W
1は、角構造218のベース側部246の幅W
2よりも狭い。いくつかの実施例において、ギャップ254の幅W
1は、ベース側部246の幅W
2の1/10未満、例えばベース側部246の幅W
2の1/15未満である。
【0028】
ギャップ254の設計は、上り縁248、250が伝播する応力を、角構造218に近いほぼ一つの箇所に集中させることが意図される。これは、塑性変形につながり得る角230の曲がりを防止するのに役立つ。ギャップ254の幅W
1は、角構造218がリム216の強い補強を与えられる程度に十分狭くなる一方、食品皿210の内容物を注ぐ案内を与えられる程度に十分広くなる(例えば、
図1に示される内容物118参照)ことが意図される。しかしながら、他実施例において、角構造218の上り縁248、250はリム216沿いに接続し、ギャップが形成されない。または、なおも他の実施例において、ギャップ254の幅W
1は、ベース側部246の幅W
2の1/10よりも広い。いくつかの実施例において、ギャップ254は、注ぎを容易にするべくかつ円弧構造を与えるべく、緩やかな半径を含むか又はわずかな丸みを有する。
【0029】
図9を参照すると、もう一つの実施例に係る角構造310が、2つの上り側部314、316に接続されたベース側部312を含む。上り側部314、316は、角構造310の実質平坦面324に関して側壁320とリム322との間に、きつい曲がり318(例えば短い半径)によって形成される。これは、
図8に示される食品皿210の、広い曲がり256によって形成される上り縁248、250と対照的である。同様に、角構造310のベース側部312は、
図8に示される対応する緩やかな遷移258とは対照的に、実質平坦面324と側壁320との間で鋭く曲がる。
【0030】
ここで
図8及び9を参照すると、角構造218の上り縁248、250及びベース側部246を、
図8に示されるように隣接する側壁214及びリム216に丸め込むのが好ましい。いくつかの実施例において、応力集中が低減されるからである。しかしながら、他実施例においては、境界が明瞭な折り目が特定方向の補強として使用される。例えば、
図8におけるベース側部246の曲率は、
図9に係る角構造310のベース側部312とは対照的に、接線が側壁214まで延びない。その代わり、
図8における角構造218は、垂直延伸折り目260を含む。これは、皿210を垂直方向に補強する。
【0031】
一実施例によれば、角構造218、310のベース側部246、312は、リム216のフレア端244(
図4及び5を全体的に参照)に対して垂直上方になるか又は実質的に水平に整合する。これは、角構造310とウェル(例えば、
図1に示されるウェル114を参照)との干渉的接触を回避するのに役立つ。他実施例において、角構造218はリム216の下方に(例えば約1.3センチメートル(0.5インチ)だけ)延びて傾斜(図示せず)を与える。これにより、食品皿は、当該傾斜に対して水平方向に引かれた場合に食品ウェルから引き上げられ得る。さらに他の考えられる実施例において、角構造のベース側部が食品皿の底に隣接し、上り側部が、当該食品皿の垂直高さのほぼ全体に延びる。このような考えられる実施例では、詰まり防止フィーチャが、食品皿の角の外側に配置される。
【0032】
ここで
図10を参照すると、第1食品皿410が第2食品皿412上に積み重ねられる。第1食品皿410の詰まり防止フィーチャ414は、第2食品皿412の角416構造上に載るように外方に延びる。いくつかの実施例において、詰まり防止フィーチャ414は底側部418を含む。底側部418は、同じ食品皿の角構造416の平坦部420の角度にマッチする角度を有するように設計される。第1皿410の詰まり防止フィーチャ414を第2皿412の角構造416頂部上に配置することは、食品皿410、412を分離して食品皿410、412間に空気を維持することに役立つ。さらに、第1皿410の詰まり防止フィーチャ414を第2皿412の角構造416頂部上に配置することは、このような皿410、412の積み重ねを、当該皿410、412を安定した構成に整合させることによって安定させることに役立つ。
【0033】
様々な実施例に示される食品皿の構成及び配列は例示のみである。わずかな実施例のみが本開示に詳細に記載されてきたが、多くの修正例(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状、及び比率、パラメータ値、取り付け配列、材料の使用、色、配向等のバリエーション)が、ここに記載される主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく可能である。統合的に形成されて示されるいくつかの要素は、複数の部品又は要素から構成することができる。要素の位置は逆にし又はさもなくば変更することができる。別個の要素又は位置の性質又は数は改変又は変更することができる。任意のプロセス、論理的アルゴリズム、又は方法のステップの順序又は配列は、代替的実施例に応じて変更又は再配列することができる。様々な実施例の条件及び配列を本発明の範囲から逸脱することなく操作することで、設計における他の代用、修正、変更、及び省略もまた行うことができる。