【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、幅広いアプリケーションで使用でき、且つ、とりわけ、最適化された発光効率及び演色を有する温白色のpcLEDを製造可能とする、材料を提供することである。
【0006】
この目的は、本発明の請求項1に記載の材料によって解決される。従って、6μm以上の平均粒子径分布d
50を持ち、組成式が(Ba
1−x−y−zSr
xCa
yEu
z)
2Si
5−a−bAl
aN
8−a−4bO
a+4bで表される材料であって、0.3≦x≦0.9、0.01≦y≦0.1、0.005≦z≦0.04、0≦a≦0.2、且つ、0≦b≦0.2である、材料が提供される。
【0007】
「(Ba
1−x−y−zSr
xCa
yEu
z)
2Si
5−a−bAl
aN
8−a−4bO
a+4b」なる用語は、特に、及び/又は、追加的に、本質的に当該組成を持つ、任意の材料を意味する、及び/又は、含むことに留意すべきである。このことは、本発明において言及される全ての他の材料についても同様である。
【0008】
「本質的に」なる用語は、特に、95%以上、好ましくは97%以上、最も好ましくは99%以上の質量百分率を意味する。しかしながら、幾つかのアプリケーションでは、微量の添加剤がバルク組成物中に存在してもよい。これらの添加剤は、特に、例えば当業者にとってフラックスとして知られる種類のものを含む。適切なフラックスは、アルカリ土類の若しくはアルカリの、金属酸化物、ホウ酸塩、リン酸塩及びフッ化物といったハロゲン化物、塩化アンモニウム、SiO
2、及び、同種の物、並びに、これらの混合物を含む。
【0009】
かかる材料は、以下の利点のうちの少なくとも1つを有するように、本発明の範囲内で、幅広いアプリケーションに対して示される。
−上記材料を発光材料として使用して作られたLEDは、改善された照明特性、特に熱的安定性を示す。
−より小さな粒子径を持つ材料と比較して、材料の光安定性が大幅に向上される。
−上記材料は、比較可能な材料よりも高い放射を持つ。
【0010】
同様の材料は、例えば、米国特許第7,671,529号から知られている。しかしながら、驚くべきことに、本発明で説明されるような材料組成を用いることにより、実際のアプリケーションに依存して、より大きな粒子径を有する材料及び更なる好適な材料特性がもたらされ得ることが分かった。
【0011】
任意の理論に縛られることなく、本発明者は、特に、上記カルシウムの量がより大きな粒子をもたらすと信じている(このことは、より詳細に後述されるであろう)。
【0012】
従って、本発明は、平均粒子径を大きくするための、窒化ケイ素材料におけるカルシウムの使用にも関する。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、0.02≦y≦0.04である。このようなカルシウムの量が、より大きな粒子径をもたらすために既に十分である一方、より多いカルシウム量が、発光バンドの不要な拡大、ひいては、蛍光体材料の低下された発光効率につながる可能性があることが分かっている。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、0.35≦x≦0.8であり、即ち、バリウムの量は、約20mol%〜約60mol%程度である。このことは、結果として生じる材料の改善された発光効率のために、多くのアプリケーションに対して好適であることが分かっている。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、0<b≦0.2であり、即ち、上記材料は、酸素を有する。驚くべきことに、このことは、本発明に含まれる多くのアプリケーションにおいて、上記材料の光安定性を大幅に増加させることが分かった。任意の理論に縛られることなく、窒素原子を架橋するケイ素を含む少量のSiN
4四面体が、M
2Si
5N
8格子から除去され、結果として生じる電荷が、末端酸素原子によって補償されると信じられている。しかしながら、ほとんどのアプリケーションにおいて、酸素量は、高過ぎるべきでない、即ち、bは、0.2を超えるべきでないことが分かっている。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、10%未満の蛍光体粒子が、2μm以下の平均直径を示す。これにより、ほとんどのアプリケーションに対して光安定性が向上されるため、このことは、好適であることが分かっている。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、90%以上の蛍光体粒子に対して、最も長い粒子端の長さと最も短い粒子端の長さの比は、5以下である。
【0018】
上述のように、本発明は、平均粒子径を大きくするための、窒化ケイ素材料におけるカルシウムの使用に関する。これは、本発明の好ましい実施形態に関する限り、M
2Si
5−a−bAl
aN
8−a−4bO
a+4b(0≦a≦2、且つ、0<b≦2)タイプの材料に特に当てはまる。
【0019】
カルシウムの本発明の使用は、幾つかが、粒子径を向上するために知られている、フラックス材料の既知の使用とは異なることに留意すべきである。本発明によれば、カルシウムは、本質的に、粉末中に均一に分布される一方、フラックス材料は、通常、不純物を別にすれば、発光材料の一部でない。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記材料は、M
2Si
5−a−bAl
aN
8−a−4bO
a+4bであって、Mは、二価の金属イオンであり、0≦a≦2、且つ、0≦b≦2である構造を持つ。
【0021】
本発明の好ましい他の実施形態によれば、上記材料は、本発明に従った構造を持つ。
【0022】
本発明は、更に、本発明に従った少なくとも1つの材料を有する発光構造、特にLEDに関する。
【0023】
本発明は、本発明に従った材料を有する、及び/又は、本発明の上記方法に従って作られた材料を有する、システムであって、以下のアプリケーション、
オフィス照明システム、
家庭用アプリケーションシステム、
店舗照明システム、
家庭照明システム、
アクセント照明システム、
スポット照明システム、
シアター照明システム、
光ファイバーアプリケーションシステム、
投射システム、
自己照明ディスプレイシステム、
ピクセル化されたディスプレイシステム、
セグメント化されたディスプレイシステム、
警告標識システム、
医療用照明アプリケーションシステム、
標識システム、
装飾用照明システム、
携帯システム、
自動車用アプリケーション、
温室照明システム
のうち、1又は複数において使用される、システムに関する。
【0024】
上記のコンポーネント、請求項記載のコンポーネント、及び、上記実施形態において本発明に従って使用されるコンポーネントは、関連分野において既知の選択基準が限定なしに適用されるように、大きさ、形状、材料選択、及び、技術概念に関して、いかなる特例にも影響されない。