(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5970514
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】乾式粉砕機
(51)【国際特許分類】
B02C 17/16 20060101AFI20160804BHJP
B02C 17/18 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
B02C17/16 B
B02C17/18 Z
B02C17/18 E
B02C17/18 D
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-200564(P2014-200564)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-104727(P2015-104727A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2014年9月30日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0146133
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514248857
【氏名又は名称】ディーエヌテック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DNTEK INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チョン チャン−ス
(72)【発明者】
【氏名】ハム スン イル
【審査官】
大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−190828(JP,A)
【文献】
特開2012−061376(JP,A)
【文献】
特公平06−026680(JP,B2)
【文献】
実公昭60−004599(JP,Y2)
【文献】
特許第5319131(JP,B2)
【文献】
特許第4135817(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 17/16
B02C 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に原料投入口(110)が形成され、上部に原料排出口(120)が連結され、内部に内部空間(105)を有する本体(100)と、
前記原料投入口(110)と連結され、加工原料をガスの注入力で内部空間(105)内へ投入する原料投入手段(400)と、
前記本体(100)の内部空間(105)内に立設され、外周面に複数の回転バー(210)を有し、モーター(310)の駆動力で回転駆動されるローター(200)と、
前記ローター(200)にモーター(310)の回転駆動力を伝達する駆動力伝達手段(300)と、
前記本体(100)の内部空間(105)内に充填され、前記ローター(200)との接触時、加工原料を粉砕する多数個のビーズ(500)と、
前記ビーズ(500)及びローター(200)により粉砕されて微粒化された原料を収集し、外部へ排出する原料排出手段(600)と、
を含み、
前記原料投入手段(400)は、前記原料投入口(110)と連結される供給管(410)と、一側が前記供給管(410)と連結され、他側にガス注入口(425)が設けられる供給ブロック(420)と、前記供給ブロック(420)の上側に設けられ、供給ブロック(420)の内部へ加工原料を供給する供給ホッパー(430)と、前記原料投入口(110)に配置され、供給管(410)を介して供給される加工原料を本体(100)の内部空間(105)内へ投入しながら、ビーズ(500)の離脱を防止できるように複数の隙間孔(445)が形成されるスクリーン部材(440)と、を含み、
前記各隙間孔(445)の最大幅は、ビーズ(500)の外径の20〜45%の比率の大きさであり、
前記スクリーン部材(440)は、中央に位置する胴体(441)と、前記胴体(441)の外側に離隔して配置される外輪体(443)と、前記胴体(441)と外輪体(443)との間に着脱可能に配置され、胴体(441)から外輪体(443)に向かって放射線状に配置され、側方向に相互間の隙間孔(445)を有するように離隔して配置される複数のブレード(442)と、から構成され、
前記スクリーン部材(440)は、胴体(441)の下側面に円錐形ガイド部(444)が突設され、
前記原料排出手段(600)は、前記本体(100)の内部空間(105)の内周面の周りに突出して形成され、微粒化された加工原料を重量に応じて選別するためのダンパーガイド(610)と、前記原料排出口(120)と連結され、微粒化された加工原料の排出通路となる排出管(620)と、前記ダンパーガイド(610)を通過し、排出管(620)を介して排出される加工原料を収集する収集タンク(650)と、を含み、
前記原料排出手段(600)は、前記原料排出口(120)内に真空吸入力を与える吸入ポンプ(660)をさらに含み、
前記本体(100)は、内部に冷却水が循環する冷却水ジャケット(150)を含むことを特徴とする乾式粉砕機。
【請求項2】
前記原料排出手段は、前記収集タンク(650)の内部に摺動可能に配置され、収集タンク(650)の内部に収集される加工原料のうち、一定の粒度以上の加工原料をフィルタリングし、フィルタリングした加工原料を収集タンク(650)の外部へ引出することができるフィルターをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の乾式粉砕機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式粉砕機に関する。特に、スクリーンを通過して注入されるガスの注入力を用いて、加工原料を本体の内部へ供給できるようにすることで、加工原料の粉砕効率を向上させることができ、加工原料の投入のための原料投入口、及び微粒化された原料の排出のためのインペラーなどの構成を省略して、粉砕機のサイズを縮小することができるように、その構造が改善された乾式粉砕機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、分散粉砕機は、粉砕シリンダ(cylinder)の内部に在るディスク(disk)状のローター(rotor)が、研磨液、粉砕用ボール、加工原料などが混合した流体を回転しつつ剪断力を発生させ、前記流体内に硬度と比重が大きい粉砕用ボールと粒度が大きい原料との相互衝突により加工原料を粉砕および分散させて、微粒化する装置である。
【0003】
既存の粉砕機は、湿式と乾式に分けられるが、ここでは、乾式粉砕機について言及する。
従来の分散粉砕機の構成は、粉砕シリンダの本体の内部中央に、モーターの回転力の伝達を受けて回転駆動される回転軸が垂直方向に立設されている。
【0004】
回転軸には、加工原料を粉砕および分散し得るように作動する複数の回転ローターが備えられ、回転軸の上部には、粉砕および分散される加工原料の微粒子を遠心力により上昇させて分離排出するための濾過インペラーが備えられる。
【0005】
粉砕シリンダの本体内部には、加工原料の粉砕のための粉砕用ボール(ビーズ)が多数投入される。
このような構成からなる従来の分散粉砕機は、回転軸が回転駆動されることにより、回転軸上に結合された回転ローター及び濾過インペラーが連動回転するようになる。
【0006】
このとき、粉砕シリンダの本体の内部で回転するローターと粉砕用ボールは、加工原料に剪断力および衝突圧力を与え、加工原料を粉砕および分散させて微粒化することとなり、濾過インペラーは、回転により発生する遠心力で粉砕シリンダ内にて粉砕および分散される加工原料のうち、比重が低い加工原料の微粒子のみを上昇させ、側面に形成された排出側孔へ流入した後、上部ディスクを経由して外部排出管路側に分離排出され、搬送ポンプによる吸入力を伴い微粒子が排出される。
【0007】
従来の粉砕機に関連する先行技術は、本出願人が先出願した特許文献1「二重分離構造を有する分散粉砕機」(登録日:2010年12月29日)に記載されているように、加工原料を粉砕および分散させるために備えられる複数の回転ローターと、粉砕および分散される加工原料の微粒子を遠心力により上昇させて分離排出するための濾過インペラーと、を含み、回転ローターと濾過インペラーを分離させ、個別のモーターから回転動力を受けて回転駆動が個別に制御されるようにした個別の回転軸上に、回転ローターと濾過インペラーを各々結合させ、回転ローターと濾過インペラーの回転速度を個別に制御するように構成し、位置調整手段によって、濾過インペラーと回転ローターを上下に位置させて近接配置または完全分離できるようにしたものである。
【0008】
また、既存の粉砕機に関連する他の先行技術は、特許文献2「加工原料の微粒子排出性能向上型の分散粉砕機」(登録日:2013年04月12日)に記載されているように、内部収容部、収容部と連結される上部側の原料供給部、収容部と連結される下部側の微粒子排出部を有するボディー;ボディーの収容部に配列され、原料分散および粉砕のためのローター;ローターのための回転駆動ユニット;及びボディーの排出部側に配置され、ローターにより粉砕された一定の粒度以下の微粒子のみを排出部へ排出させるためのソートユニット;を包含してなるものであって、ソートユニットは、ボディーの収容部で排出部側に設置され、内部の中心に上下貫通型の中心ホールを有する装着体、装着体の下部に結合され、内部の中心に上下貫通型のトップホールを有するトップディスク、トップディスクの下部に離隔配置され、内部の中心に上下貫通型のボトムホールを有するボトムディスク、トップ及びボトムディスクを相互連結する中継体、トップディスクのトップホールの下部周縁に沿って一端部が支持され、ボトムディスクのボトムホールの上部周縁に沿って他端部が支持され、微粒子の排出のための空間部を有するように、相互離隔配置される複数の垂直ブレード、各垂直ブレードの固定用のホールディング手段、ボトムディスクのサポートの下部に結合され、内部の中心の周りに沿って下方に凹む環状のリセスと、リセスに各トップ流通ホールと対応して形成される複数の上下貫通型のボトム流通ホールを有するボトムサポート、側部に凹型の隙間空間部を有し、ボトムサポートのリセスに放射状に相互密着配列され、トップサポートにより固定される複数の水平ブレードから構成されたものである。
【0009】
ところが、既存の乾式粉砕機は、本体(ボディー)内へ原料を供給する場合は、本体の上部から落下方式で原料を投入しているが、この場合には、加工原料の投入のため本体(ボディー)のサイズを一定の高さ以上に維持しなければならない欠点がある。
【0010】
また、既存の粉砕機は、排出部が本体の下部に配置された場合、分散および粉砕されて微粒化された原料を、本体の下部に配置された排出部を介して外部へ排出しなければならないので、微粒化された原料の排出時の粒度の大きさを選別しなければならない手間があった。
【0011】
一方、既存の加工原料の投入は、スクリュー軸による強制押送方式を採択しており、この場合には、本体の内部の圧力により加工原料がスクリュー軸を介して逆流するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国特許第10−1006137号明細書
【特許文献2】韓国特許第10−1256168号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記の諸問題を鑑み、これを解決するために創出されたものであって、加工原料の供給方式を改善し、加工原料の逆流現象を遮断することができるのみならず、本体のサイズを縮小することができるように、その構造が改善された乾式粉砕機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の目的を達成するため、本発明は、下部に原料投入口が形成され、上部に原料排出口が連結され、内部に内部空間を有する本体と、前記原料投入口と連結され、加工原料をガスの注入力で内部空間内へ投入する原料投入手段と、前記本体の内部空間内に立設され、外周面に複数の回転バーを有し、モーターの駆動力で回転駆動されるローターと、前記ローターにモーターの回転駆動力を伝達する駆動力伝達手段と、前記本体の内部空間内に充填され、前記ローターとの接触時、加工原料を粉砕する多数個のビーズと、前記ビーズ及びローターにより粉砕されて微粒化された原料を収集し、外部へ排出する原料排出手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、前記原料投入手段は、前記原料投入口と連結される供給管と、一側が前記供給管と連結され、他側にガス注入口が設けられる供給ブロックと、前記供給ブロックの上側に設けられ、供給ブロックの内部へ加工原料を供給する供給ホッパーと、前記原料投入口に配置され、供給管を介して供給される加工原料を本体の内部空間内へ投入しながらビーズの離脱を防止できるように複数の隙間孔が形成されるスクリーン部材を備える。
【0016】
また、前記隙間孔の最大幅は、ビーズの外径の20〜45%の比率の大きさである。
また、前記スクリーン部材は、中央に位置する胴体と、前記胴体の外側に離隔して配置される外輪体と、前記胴体と外輪体との間に着脱可能に配置され、胴体から外輪体に向かって放射線状に配置され、側方向に相互間の隙間孔を有するように離隔して配置される複数のブレードと、から構成される。
【0017】
また、前記スクリーン部材は、下側面に円錐形のガイド部が突設されたものである。
また、前記原料排出手段は、前記本体の内部空間の内周面の周りに突出して形成され、微粒化された加工原料を重量差に応じて選別するためのダンパーガイドと、前記原料排出口と連結され、微粒化された加工原料の排出通路となる排出管と、
前記ダンパーガイドを通過し、排出管を介して排出される加工原料を収集する収集タンクを備える。
【0018】
また、前記原料排出手段は、前記原料排出口に真空吸入力を与える吸入ポンプをさらに備える。
また、前記本体は、内部に冷却水が循環する冷却水ジャケットが備えられたものである。
【0019】
本発明の他の特徴的な要素である粉砕機のガス注入式の加工原料の供給方法は、本体の下部に配置された原料投入口を介して本体の内部にガスを注入しつつ、ガスの注入力で加工原料を本体の内部へ投入させるステップと、前記本体内に立設されたローターをモーターの回転力で駆動させ、本体内へ投入された多数個のビーズを回転させ、前記本体の内部へ投入された加工原料を分散および粉砕させて微粒化させるステップと、前記ガスの注入力により本体の上部に浮上する微粒化した加工原料を、本体の上部から収集して本体の外部へ引出し、引出した加工原料を収集タンクに収集するステップと、前記収集タンク内に収集された微粒化した加工原料を外部へ引出するステップと、からなることを特徴とする。
【0020】
好ましくは、前記収集タンクの外部へ引出した加工原料を粒度の条件に応じて選択的に前記本体の内部に再投入するステップをさらに備えたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、加工原料の供給方式を既存のスクリュー軸の強制移送方式ではなく、ガス注入方式の供給方式に改善することで、既存の加工原料の投入のためのスクリュー軸を省略して、粉砕機の全体サイズ及び重量を減らすことができるのみならず、既存のスクリュー軸を介して加工原料が逆流する現象を遮断することができる有用な利点がある。
【0022】
さらに、本発明は、スクリーン部材の隙間孔の最大幅をビーズの外径に対して20〜45%の比率を保つことにより、加工原料の内部空間内への投入を妨げることなく、ビーズが隙間孔の間に詰まったり、通過することを遮断できる利点がある。
【0023】
そして、本発明のこれらのブレードは、胴体と外輪体に各々の端部が着脱可能に結合され、一つずつ個別構成されているので、故障や破損時の交換や清掃が簡単になり、メンテナンスが容易な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明に係る乾式粉砕機のガス注入式の加工原料の供給方法を順に示したフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明に係る乾式粉砕機を示した構成図である。
【
図4】
図4は、本発明のスクリーン部材を示した平面図である。
【
図5】
図5は、本発明のスクリーン部材の正面図である。
【
図7】
図7は、本発明のダンパーガイドの他の変形例を示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、加工原料の供給方式をガス注入方式に改善することで、ガスの注入力で加工原料を本体の下部から上部へ移送させながら分散および粉砕させることにより、加工原料の逆流現象を防ぐとともに、粉砕機全体のサイズを軽減できるようにする。
【0026】
図1は、本発明に係る乾式粉砕機のガス注入式の加工原料の供給方法を順に示したフローチャートであり、
図2は、本発明に係る乾式粉砕機を示した構成図であり、
図3は、
図2の正面図であり、
図4は、本発明のスクリーン部材を示した斜視図であり、
図5は、本発明のスクリーン部材の正面図であり、
図6は、本発明本体の構成図であり、
図7は、本発明のダンパーガイドの他の変形例を示した構成図であり、
図8は、本発明の使用状態図である。
【0027】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。
本発明に係る乾式粉砕機のガス注入式の加工原料の供給方法は、
図1に示すように、本体の下部に配置された原料投入口を介して本体の内部にガスを注入しつつ、ガスの注入力で原料投入手段の加工原料を本体の内部へ投入させ(S1)、本体内に立設されたローターをモーターの回転力で駆動させ、本体内へ投入された多数個のビーズを回転させて、前記本体の内部へ投入された加工原料を分散および粉砕して微粒化させた後(S2)、ガスの注入力により本体の上部に浮上する微粒化加工原料を本体の上部から収集して本体の外部へ引出し、引出した加工原料を収集タンクに収集し(S3)、収集タンク内に収集された微粒化した加工原料を外部へ引出するステップ(S4)からなるものである。
【0028】
ガスの注入と加工原料の投入段階(S1)では、本体の下部に形成された原料投入口を介して、ガスおよび加工原料が本体の内部に収容されるプロセスを有する。
この後、加工原料を分散および粉砕するステップ(S2)では、ローターが、モーターの回転駆動力で本体の内部にて垂直方向に起立した状態で回転駆動され、これにより、本体の内部に充填されている多数のビーズが、ローターの回転時、本体の内部で共に回転する。
【0029】
従って、ビーズ及びローターは、モーターの回転駆動力で連動回転され、加工原料と衝突しながら加工原料を分散および破砕する機能を有する。
一方、本発明の微粒化された加工原料を外部へ引出するステップ(S4)は、収集タンクの外部へ引出された加工原料を粒度条件に応じて選択的に本体の内部へ再投入するか、粉砕作業を完了した状態で、外部に移送するステップをさらに備えることが好ましい。
【0030】
本発明に係る乾式粉砕機は、
図2〜
図8を参照すると、下部に原料投入口110が形成され、上部に原料排出口120が連結され、内部に内部空間を有する本体100と、原料投入口110と連結され、加工原料を、ガスの注入力で下側の原料投入口110から上側の本体100の内部空間105内へ投入する原料投入手段400と、本体100の内部空間105内に立設され、外周面に複数の回転バー210を有し、モーター310の駆動力で回転駆動されるローター200と、ローター200にモーター310の回転駆動力を伝達する駆動力伝達手段300と、前記本体100の内部空間105内に充填され、前記ローター200との接触時、加工原料を粉砕する多数個のビーズ(bead)500と、ビーズ500及びローター200により粉砕されて微粒化された原料を収集し、外部へ排出する原料排出手段600から構成される。
【0031】
図2及び
図3を参照すると、本体100は、円筒形の構造で構成され、下部に加工原料の投入のための原料投入口110が形成され、本体100の上部に微粒化された加工原料が浮上した後に排出される原料排出口120が形成された構造を有する。
【0032】
また、本体100は、内部にビーズ500が収容される内部空間105を有し、内部空間105に、モーター310の回転力で回転駆動されるローター200が垂直に立設される。
【0033】
本体100は、加工原料の粉砕過程で発生する熱を冷却することができるように、外周面と内周面との間の内部に冷却水が循環する冷却水ジャケット150が備えられている。
ローター200は、バー形態の複数の回転バー210が上下に離隔され、左右に突出して形成された構造を有する。
【0034】
また、駆動力伝達手段300は、
図2に図示したように、ローター200の端部に従動プーリ330が配置され、従動プーリ330とベルト部材340を媒介として連動可能に連結され、モーター310のモーター軸の端部に連結された駆動プーリ320から構成される。
【0035】
図3を参照すると、原料投入手段400は、原料投入口110と連結される配管形態の供給管410と、一側が供給管410と連結され、他側にガス注入口425が設けられる供給ブロック420と、供給ブロック420の上側に設けられ、供給ブロック420の内部へ加工原料を供給する供給ホッパー430と、原料投入口110に配置され、供給管410を介して供給される加工原料を本体100の内部空間105内へ投入しながら、ビーズ500の離脱を防止できるように、複数の隙間孔445が形成されるスクリーン部材440から構成される。
【0036】
ここで、ガスは、圧縮空気、窒素、アルゴンガスなどを採用することができる。
供給ブロック420は、上部に加工原料が供給されるように、供給ホッパー430と連通されるよう連結され、一側と他側に供給管410及びガス注入口425が連結された構造を有する。
【0037】
供給ホッパー430は、下部に加工原料の供給ブロック420内への投入量を調整するための公知のバルブ435が設けられる。
図4を参照すると、スクリーン部材440は、中央に位置する胴体441と、胴体441の外側に離隔して配置される外輪体443と、胴体441と外輪体443との間に配置され、胴体441から外輪体443に向かって放射線状に配置される複数のブレードから構成されている。
【0038】
ここで、これらのブレード442は、胴体441と外輪体443に、各々の端部が着脱可能に結合され、交換や清掃がしやすいように、一つずつ個別構成されることにより、メンテナンスが容易な利点がある。
【0039】
また、スクリーン部材440は、加工原料が下側から上側に通過できるように、これらのブレード442が側方向に互いに離隔して配置され、複数の隙間孔445が形成される構造を有する。
【0040】
そして、隙間孔445の最大幅は、ビーズ500の外径の20〜45%の比率の大きさを有することが好ましい。これは、隙間孔445の幅がビーズ500の外径の20%未満である場合、加工原料の投入効率が低下し、隙間孔445の幅がビーズ500の外径の45%を超える場合、ビーズ500の一部位が隙間孔445内に詰まって、加工原料の内部空間内への投入を妨げる要素として作用するおそれがあるので、20〜45%の比率を保つことが好ましいためである。
【0041】
一方、ブレード442は、隙間孔445の他、加工原料が投入できるように、上下面が連通するような原料投入孔を穿孔することもできる。
また、スクリーン部材440は、
図5に図示したように、下面の中央で下側に突出した円錐形ガイド部444が突出して形成された構造を有し、円錐形ガイド部444は、先端部が下側に突出して形成され、下側から投入される加工原料の凝集を防止し、隙間孔445の内部への投入が容易となるように、加工原料を分散させるガイドの機能を遂行する。
【0042】
原料排出手段600は、
図6及び
図3を参照すると、本体100の内部空間105の内周面の周りに突出して形成され、微粒化された加工原料を重量差に応じて選別するためのダンパーガイド610と、原料排出口120と連結され、微粒化された加工原料の排出通路となる排出管620と、ダンパーガイド610を通過し、排出管620を介して排出される加工原料を収集する収集タンク650を備える。
【0043】
ダンパーガイド610は、一端部が本体100の内周面の上部に一体に形成され、他端部が本体100の中心に向かって側方向に突出した構造を有する。
前記したダンパーガイド610は、
図7に図示したように、上側に浮上する微粒化された加工原料をガイドするために、本体100の内周面と連結された一端部よりも、本体100の中央に向かって形成された他端部の高さがより高く形成されるように、傾斜して形成されることが好ましい。
【0044】
ダンパーガイド610は、下側面にガスの注入力により浮上する加工原料のうち、粒子が大きい粒子の加工原料が衝突して再び落下するようにすることで、一定の大きさ以下の微粒化された加工原料が原料排出口120側へ排出されるようにする。
【0045】
収集タンク650は、排出管620を介して内部へ供給されて落下する加工原料のうち、一定の粒度以上の大きさの加工原料をフィルタリングするフィルター630が設けられ、下部には、収集された加工原料を引出する引出口655が設けられる。
【0046】
前記フィルター630は、収集タンク650に収集された加工原料の粒度が所望の粒度よりもさらに大きい加工原料をフィルタリングし、フィルタリングされた加工原料を収集タンク650の外部へ引出することができるように、摺動可能な構造となっている。
【0047】
一方、参照符号635は、収集タンク650の内部に固定され、フィルター630の摺動動作を支持するフィルター支持台を示したものである。
また、本発明の原料排出手段600は、収集タンク650の上部や原料排出口120の端部に配置され、原料排出口120内に真空吸入力を与える吸入ポンプ660をさらに備えることが好ましく、この吸入ポンプ660は、図示されていないモーター310の回転駆動力で駆動される。
【0048】
このような構成を有する本発明の実施例は、
図8を参照すると、まず、本体100の内部空間105に多数のビーズ500が収容されるように充填した後、ガス注入口425を介して供給ブロック420内にガスを注入すると、供給ホッパー430内の加工原料がガスの注入力によって、供給ブロック420の内部と供給管410を通過し原料投入口110を介して本体100の内部空間105へ投入される。
【0049】
前記加工原料は、スクリーン部材440の隙間孔445を通過しつつ、本体100の内部空間105の下側から上側へ投入される。
続いて、モーター310の回転力の伝達を受けたローター200が回転しながら、ローター200の回転バー210と多数のビーズ500が回転して、ガスの注入力で浮上する加工原料が微粒化されるように分散および粉砕される。
【0050】
ガスの注入力は、原料投入口110側から上側に向かって供給されるので、ビーズ500とローター200の回転バー210によって微粒化された加工原料を上側に浮上させる機能を遂行する。
【0051】
このとき、微粒化された粒子の加工原料のうち、一定の大きさ以下の小さい粒子の場合には、重量が軽いため、ガスの注入力によってダンパーガイド610の高さよりもさらに高く浮上し、ダンパーガイド610よりもさらに浮上した加工原料は、ダンパーガイド610の上側に安着しながら、原料排出口120側にガイドされて排出される。
【0052】
一方、ダンパーガイド610は、下側面が、浮上する加工原料と衝突して、加工原料の過多排出を防止する機能を持つ。
前記吸入ポンプ660が配置された場合、微粒化された加工原料は、吸入ポンプ660の吸入力で原料排出口120を通過し、収集タンク650の内部に収集され、収集された加工原料は、収集タンク650の上部に配置されたフィルター630を介して、一定の大きさ以上の粒度を有する加工原料が濾された状態で収集タンク650の下部に収集される。
【0053】
このとき、フィルター630は、収集タンク650に収集された加工原料の粒度が所望の粒度よりも大きい場合、濾された加工原料を収集タンク650の外部へ引出することができるように、摺動可能な構造となっている。
【0054】
フィルター630で濾された加工原料を、フィルター630の摺動動作時に収集タンク650の外部へ引出した後、再び供給ホッパー430側に再供給することにより、前述した一連の粉砕過程を再循環させることができる。
【0055】
従って、本発明は、加工原料の供給方式を既存のスクリュー軸の強制移送方式ではなく、ガス注入式に改善することで、加工原料の投入のためのスクリュー軸を省略して、粉砕機の全体サイズと重量を減らすことができるのみならず、既存のスクリュー軸を介して加工原料が逆流する現象を遮断することができる有用な利点がある。
【0056】
一方、本発明は、記載されたこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せず、様々な修正および変更できることは、この技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。従って、そのような変形例または修正例は、本発明の特許請求の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0057】
100:本体
105:内部空間
110:原料投入口
120:原料排出口
150:冷却水ジャケット
200:ローター
210:回転バー
300:駆動力伝達手段
310:モーター
320:駆動プーリ
330:従動プーリ
340:ベルト部材
400:原料投入手段
410:供給管
420:供給ブロック
425:ガス注入口
430:供給ホッパー
435:バルブ
440:スクリーン部材
441:胴体
442:ブレード
443:外輪体
444:円錐形ガイド部
445:隙間孔
500:ビーズ
600:原料排出手段
610:ダンパーガイド
620:排出管
630:フィルター
635:フィルター支持台
650:収集タンク
655:引出口
660:吸入ポンプ