(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5970547
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】ネットワークベースのコンテンツを車両内テレマティクスシステムに提供するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20160804BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20160804BHJP
H04M 11/08 20060101ALI20160804BHJP
H04N 21/436 20110101ALI20160804BHJP
【FI】
G06F13/00 510A
H04M11/00 302
H04M11/08
H04N21/436
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-520174(P2014-520174)
(86)(22)【出願日】2011年9月17日
(65)【公表番号】特表2014-529112(P2014-529112A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】US2011052057
(87)【国際公開番号】WO2013009334
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2014年6月19日
(31)【優先権主張番号】61/507,905
(32)【優先日】2011年7月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ドゥシット、 ブライアン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ゼインストラ、 マーク エル.
(72)【発明者】
【氏名】デンビンスキ、 デーヴィッド ティー.
(72)【発明者】
【氏名】テンチョフ、 カロヤン
【審査官】
木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−309750(JP,A)
【文献】
特開2006−293816(JP,A)
【文献】
特開2003−115889(JP,A)
【文献】
特表2008−513860(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/091727(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0010922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04M 11/00
H04M 11/08
H04N 21/436
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遠隔コンテンツプロバイダと通信している遠隔コンテンツ管理サーバとともに動作するための車両テレマティクスシステムであって、
前記遠隔コンテンツ管理サーバとの通信リンクを確立するための通信電子機器と、
前記遠隔コンテンツ管理サーバの遠隔アプリケーションインターフェースと通信するために前記通信リンクを使用するための処理電子機器であって、前記遠隔アプリケーションインターフェースと通信するように構成されるテレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースの初期バージョンを含む処理電子機器とを備え、
前記処理電子機器は、前記テレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースと前記遠隔アプリケーションインターフェースとの間の前記通信リンクを介して前記複数の遠隔コンテンツプロバイダから遠隔コンテンツを受信し、
少なくとも1つの遠隔コンテンツプロバイダの変化に応じて、前記処理電子機器は、前記遠隔コンテンツ管理サーバを介して前記テレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースの前記初期バージョンを使用して前記少なくとも1つの遠隔コンテンツプロバイダから前記遠隔コンテンツを受信し続けるように構成される、車両テレマティクスシステム。
【請求項2】
前記処理電子機器は、前記遠隔コンテンツ管理サーバと通信するために前記テレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースを使用して新たな遠隔コンテンツプロバイダと通信するように構成されている、請求項1に記載の車両テレマティクスシステム。
【請求項3】
前記処理電子機器は、前記通信リンクを介して前記新たな遠隔コンテンツプロバイダに関するメタデータを受信するように構成されており、
前記処理電子機器は、前記ユーザに提供されるヒューマン−マシンインターフェース(HMI)に、前記新たな遠隔コンテンツプロバイダを利用するための選択肢を追加する、請求項2に記載の車両テレマティクスシステム。
【請求項4】
前記通信電子機器は、前記車両の外部のアクセスポイントへの直接無線接続を使用して前記遠隔コンテンツ管理サーバとの前記通信リンクを確立するように構成されている、請求項1に記載の車両テレマティクスシステム。
【請求項5】
前記通信電子機器は、携帯電話への接続を使用して前記遠隔コンテンツ管理サーバとの前記通信リンクを確立するように構成されている、請求項1に記載の車両テレマティクスシステム。
【請求項6】
車両テレマティクスシステムによる動作のためのコンピュータ処理方法であって、
前記車両テレマティクスシステムの通信電子機器と、複数の遠隔コンテンツプロバイダと通信している遠隔コンテンツ管理サーバとの間の通信リンクを確立するステップと、
前記遠隔コンテンツ管理サーバの遠隔アプリケーションインターフェースと通信するように構成されるテレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースの初期バージョンを使用して前記遠隔コンテンツ管理サーバと通信するために前記通信リンクを使用するステップとを含み、
前記処理電子機器は、前記テレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースと前記遠隔アプリケーションインターフェースとの間の前記通信リンクを介して前記複数の遠隔コンテンツプロバイダから遠隔コンテンツを受信し、
前記遠隔コンテンツ管理サーバと、前記複数の遠隔コンテンツプロバイダのうちの少なくとも一つとの間の前記通信は、前記車両テレマティクスシステムがインターフェースを有しないプロトコルに従って行われ、
少なくとも1つの遠隔コンテンツプロバイダの変化に応じて、前記処理電子機器は、前記遠隔コンテンツ管理サーバを介して前記テレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースの前記初期バージョンを使用して前記少なくとも1つの遠隔コンテンツプロバイダから前記遠隔コンテンツを受信し続けるように構成される、方法。
【請求項7】
複数の遠隔コンテンツプロバイダの複数の異なるプロトコルに従って第1の遠隔アプリケーションインターフェースを使用して前記複数の遠隔コンテンツプロバイダと通信するための遠隔コンテンツ管理システムと、
前記複数の遠隔コンテンツプロバイダから遠隔コンテンツを受信するために前記遠隔コンテンツ管理システムの第2の遠隔アプリケーションインターフェースと通信するための通信電子機器およびテレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースの初期バージョンを有する車両テレマティクスシステムと
を備えるシステムであって、
前記テレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースは、前記遠隔コンテンツプロバイダの複数の異なるプロトコルとは無関係に構成され、
少なくとも1つの遠隔コンテンツプロバイダの変化に応じて、前記遠隔コンテンツ管理システムは、前記少なくとも1つの遠隔コンテンツプロバイダと前記車両テレマティクスシステムとの間の通信を維持するために対応する第1の遠隔アプリケーションインターフェースを更新するように構成され、
前記車両テレマティクスシステムは、前記少なくとも1つの遠隔コンテンツプロバイダの変化に応じて、前記テレマティクス・アプリケーション・プログラミング・インターフェースの前記初期バージョンを介して前記遠隔コンテンツを受信し続けるように構成される、システム。
【請求項8】
前記遠隔コンテンツ管理システムは、
ユーザのクライアントから構成情報を受信する構成サーバを備え、前記構成サーバは、前記ユーザが、前記車両においてアクセスするための遠隔コンテンツプロバイダを選択および選択解除することを可能にし、前記構成サーバは、前記ユーザが、複数の遠隔コンテンツプロバイダの各々に対してアカウント情報を入力することを可能にする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記構成サーバは、前記遠隔コンテンツ管理システムのためのサーバと一体化されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記車両テレマティクスシステムおよびポータブル電子デバイスのうちの少なくとも一方は、前記構成情報を前記構成サーバに提供するために前記クライアントを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムはポータブル電子デバイスをさらに備え、前記ポータブル電子デバイスは、前記遠隔コンテンツ管理システムと通信するためのアプリケーション・プログラミング・インターフェースを介して前記遠隔コンテンツプロバイダにアクセスするように構成されている接続済みサービスアプリケーションを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記車両テレマティクスシステムは、前記ポータブル電子デバイスを通じて前記遠隔コンテンツ管理システムと通信する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ポータブル電子デバイスは、前記ユーザが、前記ポータブル電子デバイスおよび接続済みサービスアプリケーションを介して、前記車両テレマティクスシステムを介して利用可能な同じ遠隔コンテンツプロバイダにアクセスし続けることを可能にするように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ポータブル電子デバイスは、前記遠隔コンテンツ管理システムからデータを受信し、前記車両テレマティクスシステムによる受信のために異なるストリーミングプロトコルに従って前記データを再フォーマットするように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記異なるストリーミングプロトコルはBluetooth A2DPプロトコルを含み、前記ポータブル電子デバイスにおいて前記遠隔コンテンツ管理システムから受信される前記データは、TCP/IPプロトコルに従って受信される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ポータブル電子デバイスは、前記データを異なるタイプの通信プロトコルに変更することなく、前記遠隔コンテンツ管理システムからのデータを前記車両テレマティクスシステムに渡す、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記データは、TCP/IPプロトコルに従って、前記遠隔コンテンツ管理システムから前記ポータブル電子デバイスへ、および、前記ポータブル電子デバイスから前記車両テレマティクスシステムへ渡される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記車両テレマティクスシステムは、ユーザが、前記車両内のオーディオ、ビデオ、またはエンターテインメントのソースが混在したものから選択することを可能にするように構成されており、前記ソースの第1のセットは、前記遠隔コンテンツ管理システムを介した前記遠隔コンテンツプロバイダを含み、第2のセットのソースは、前記遠隔コンテンツ管理システムとは関連付けられていないソースを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項19】
前記車両テレマティクスシステムは、前記第2のセットのソースとの通信において前記遠隔コンテンツ管理システム、または、前記遠隔コンテンツ管理システムと通信するための前記APIを使用せず、前記車両テレマティクスシステムは、前記第2のセットのソースの各々と通信するための専用APIを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
複数の遠隔コンテンツプロバイダからの情報を車両テレマティクスシステムに通信するための遠隔コンテンツ管理システムであって、
前記遠隔コンテンツプロバイダの複数の異なるプロトコルに従って前記複数の遠隔コンテンツプロバイダと通信するための第1のセットのプログラミングインターフェースを備える処理電子機器と、
前記車両テレマティクスシステムと通信するための第2のセットのプログラミングインターフェースを備える処理電子機器とを備え、
前記処理電子機器は、前記第1のセットのプログラミングインターフェースおよび前記第2のセットのプログラミングインターフェースを使用して前記車両テレマティクスシステムと前記遠隔コンテンツプロバイダとの間の通信を可能にするように構成され、
前記第2のセットのプログラミングインターフェースは、前記複数の遠隔コンテンツプロバイダの少なくとも1つの変化に応じて、前記車両テレマティクスシステムの初期インターフェースに情報を伝達し続けるように構成される、遠隔コンテンツ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ネットワークベースのコンテンツを車両内テレマティクスに提供するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2011年7月14日に出願された米国仮特許出願第61/507,905号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
いくつかの車両テレマティクスシステム(たとえば、ナビゲーションシステム、電話一体型システム、情報科学システム、エンターテインメントシステム、インフォテインメントシステム、接続システムなど)は、車両内に持ち込まれたポータブル電子デバイス(たとえば、携帯電話、個人情報端末など)に接続する(たとえば、無線通信または有線通信を介して)機能を含む。いくつかの車両テレマティクスシステムは、遠隔ソース(たとえば、衛星ソース、ラジオソース、Wi−Fiソースなど)から情報またはサービスを受信する場合がある。受信される情報またはサービスは、ナビゲーション情報、関心点情報、交通情報、気象情報、エンターテインメント情報、インターネットラジオ情報およびサービス、または他のコンテンツを含み得る。そのような接続機能を有する従来のシステムは一般に、販売業者のところへ行くか、またはローカルなCDROMもしくはサムドライブから「更新」ソフトウェアを実行することなくテレマティクス機能を追加、削除、または更新することが不可能である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施形態において、たとえば、システムは、当該遠隔コンテンツプロバイダの別種のプロトコルに従って複数の遠隔コンテンツプロバイダと通信するための遠隔コンテンツ管理システムを含む。このシステムは、遠隔コンテンツ管理システムと通信するための通信電子機器およびアプリケーション・プログラミング・インターフェースを有する車両テレマティクスシステムをも含む。車両テレマティクス電子機器は、遠隔コンテンツプロバイダの別種のプロトコルに従って通信するためのインターフェースを有することなく、アプリケーション・プログラミング・インターフェースを介して複数の遠隔コンテンツプロバイダからコンテンツを受信するように構成されている。
【0005】
本発明の別の例示的な実施形態において、車両テレマティクスシステムは、複数の遠隔コンテンツプロバイダと通信している遠隔コンテンツ管理サーバとともに動作するように構成されている。車両テレマティクスシステムは、遠隔コンテンツ管理サーバとの通信リンクを確立するための通信電子機器を含む。車両テレマティクスシステムは、アプリケーション・プログラミング・インターフェースを使用して遠隔コンテンツ管理サーバと通信するために通信リンクを使用するための処理電子機器をさらに含む。処理電子機器は、アプリケーション・プログラミング・インターフェースを介して複数の遠隔コンテンツプロバイダからコンテンツを受信する。
【0006】
本発明の別の実施形態において、車両テレマティクスシステムによる動作のためのコンピュータ処理方法は、車両テレマティクスシステムの通信電子機器と、複数の遠隔コンテンツプロバイダと通信している遠隔コンテンツ管理サーバとの間の通信リンクを確立するステップを含む。方法は、アプリケーション・プログラミング・インターフェースを使用して遠隔コンテンツ管理サーバと通信するために通信リンクを使用するステップをさらに含む。処理電子機器は、アプリケーション・プログラミング・インターフェースを介して複数の遠隔コンテンツプロバイダからコンテンツを受信する。遠隔コンテンツ管理サーバと、複数の遠隔コンテンツプロバイダのうちの少なくとも一つとの間の通信は、車両テレマティクスシステムがそのためのインターフェースを有しないプロトコルに従って行われる。
【0007】
本発明の別の実施形態において、複数の遠隔コンテンツプロバイダからの情報を、車両テレマティクスシステムに通信するための遠隔コンテンツ管理システムは、処理電子機器を含む。処理電子機器は、当該遠隔コンテンツプロバイダの別種のプロトコルに従って複数の遠隔コンテンツプロバイダと通信するための第1のセットのプログラミングインターフェースを有する。処理電子機器は、車両テレマティクスシステムと通信するための第2のセットのプログラミングインターフェースをも有する。処理電子機器は、第1のセットのプログラミングインターフェースおよび第2のセットのプログラミングインターフェースを使用して、車両テレマティクスシステムと遠隔コンテンツプロバイダとの間の通信を可能にするように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】記載の実施形態による、遠隔コンテンツプロバイダから遠隔コンテンツ管理サーバを介して車両電子機器にコンテンツを提供するためのシステムのブロック図である。車両は遠隔コンテンツプロバイダと通信するように事前構成されていなくてもよい。そうではなく、遠隔コンテンツ管理サーバが、車両電子機器と遠隔コンテンツプロバイダとの間の通信および対話を容易にしてもよい。
【0009】
【
図1B】記載の実施形態による、
図1Aのシステムのより詳細なブロック図である。
【0010】
【
図2A】記載の実施形態による、遠隔コンテンツ管理サーバまたはそのポータルに関するプロセスの方法の流れ図であり、当該プロセスは、車両に追加するための遠隔コンテンツプロバイダの選択、および車両のためのコンテンツ更新パッケージの準備にユーザを進めるためのものである。
【0011】
【
図2B】例示的な実施形態による、本出願の遠隔コンテンツ管理サーバから情報をダウンロードすることによって、車両の利用可能なエンターテインメント/情報/ラジオソースを更新する方法の流れ図である。
【0012】
【
図2C】記載の実施形態による、車両において遠隔コンテンツプロバイダから遠隔コンテンツ管理サーバを介してコンテンツ(たとえば、オーディオ、グラフィックス、情報コンテンツなど)を受信する方法の流れ図である。
【0013】
【
図2D】記載の実施形態による、車両および付随する遠隔コンテンツ管理サーバまたはアグリゲータを使用して遠隔コンテンツプロバイダを管理するための方法の流れ図である。
【0014】
【
図3A】記載の実施形態による、
図1Aおよび
図1Bの車両制御システムのグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0015】
【
図3B】記載の実施形態による、
図1Aおよび
図1Bの車両制御システムの別のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0016】
【
図3C】記載の実施形態による、
図1Aおよび
図1Bの車両制御システムの別のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0017】
【
図3D】記載の実施形態による、
図1Aおよび
図1Bの車両制御システムの別のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0018】
【
図3E】記載の実施形態による、
図1Aおよび
図1Bの車両制御システムの別のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
全体的に図面を参照して、ネットワークベースのコンテンツを車両内テレマティクスシステムに提供するための例示的なシステムおよび方法を図示および説明する。システムおよび方法は、車両テレマティクスシステムを管理するために(たとえば、システムソフトウェアを管理するために、コンテンツを管理するために、ユーザインターフェースを拡張するために、など)ネットワークベースまたは「クラウド」ベースのコンピューティングサーバと対話する。本明細書に記載のシステムおよび方法は、有利には、車両テレマティクスシステムの既存のヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)と調和した様式で、ネットワークコンテンツまたはネットワークサービスプロバイダの変化に対応する。本明細書に記載のシステムおよび方法は、有利には、車両テレマティクスシステムのソフトウェアを大幅に更新することなく、または新規の独立型アプリケーションを車両テレマティクスシステムに追加することなく、ネットワークコンテンツまたはネットワークサービスプロバイダを追加することができる。本明細書に記載のシステムおよび方法は、車両テレマティクスシステムとネットワークまたはクラウドベースのコンピューティングサービスとの間で標準アプリケーションプロトコルを使用して、動的にネットワークまたはクラウドベースのコンピューティングサービスに接続する。
【0020】
ここで
図1Aおよび
図1Bを参照すると、本開示の実施形態は、車両100(たとえば、自動車、オートバイ、ボート、トラックなど)のための車両テレマティクスシステム106に関する。テレマティクスシステムは、任意の数のディスプレイ(たとえば、LCDディスプレイ、タッチ・スクリーン・ディスプレイなど)、および、任意の数のユーザインターフェース要素(たとえば、ボタン、スイッチ、選択のためのタッチスクリーン要素、ダイヤル、ジョイスティック、ステアリングホイール搭載制御装置、マイクロホンなど)を含む。テレマティクスシステム106は、通信機能(たとえば、BLUETOOTH(登録商標)電話接続、Johnson Controlsによって販売されているHOMELINK(登録商標)などのガレージドア通信システム)、ユーザ快適性および簡便性機能、安全機能、ラジオなどのエンターテインメント機能、または他のユーザインターフェース機能を含んでもよい。本開示において車両テレマティクスという用語が使用される場合、これは、車両のユーザにテレマティクス情報を通信するか、またはユーザからテレマティクス情報を受信するように構成されている任意の車両電子機器を意味することができる。たとえば、車両テレマティクスシステム106は、ヘッドアップディスプレイ、クラスタディスプレイ、クラスタ制御装置、センター・スタック・ディスプレイおよび他の電子機器、または他の関連もしくは分散テレマティクス制御装置を含むことができる。
【0021】
図1Aおよび
図1Bの車両テレマティクスシステム106は、相対的に統合されたシステム(たとえば、機能モジュールの多くが同じメモリ内に記憶されている)として示されているが、他の実施形態においては、車両テレマティクスシステム106はより分散されていてもよい。また他の実施形態では、車両テレマティクスシステム106は、車両ナビゲーションシステムの一部、または、車両ナビゲーションシステム、車両HVACシステム、車両ラジオシステムなどのような車両システムに入力および出力を提供する独立型デバイス(たとえば、アフターサービスによる車両付属品)とみなされてもよい。「車両テレマティクスシステム」、「車両内テレマティクスシステム」および「車両内システム」という用語は、本開示内で交換可能に使用される。すべてのそのようなアーキテクチャおよびそれらの組合せが本開示の範囲内にある。特許請求の範囲は、この出願の中で、または、本発明を任意の1つの実施形態または一組の実施形態に狭める後続出願において提示され得る。
【0022】
図1Aに示すように、遠隔コンテンツ管理サーバ107は、複数の遠隔コンテンツプロバイダと通信している。遠隔コンテンツ管理サーバ107は、コンテンツプロバイダA 101と通信するための第1のインターフェース103と、コンテンツプロバイダB 111と通信するための第2のインターフェース105とを含む。遠隔コンテンツ管理サーバ107は、遠隔コンテンツプロバイダと通信するためのプロバイダ特有のアプリケーションプロトコル(すなわち、コンテンツプロバイダ特有のアプリケーション・プログラミング・インターフェース)を使用する。遠隔コンテンツプロバイダの例は、Facebook、Twitter、Pandora、Slacker、およびiHeartRadioを含む。他の遠隔コンテンツプロバイダは、音楽プロバイダ、ソーシャルネットワーキングプロバイダ、ナビゲーション情報プロバイダ、気象情報プロバイダ、インターネットラジオプロバイダ、ビジネスニュースプロバイダ、エンターテインメントニュースプロバイダ、および任意の他のタイプの情報コンテンツのプロバイダを含んでもよい。遠隔コンテンツプロバイダが多かれ少なかれ有名になると、または、運転者の感覚および嗜好が変化すると、運転者は、車両テレマティクスシステム106が、新たな遠隔コンテンツプロバイダとともに動作するよう所望する場合がある。新たな遠隔コンテンツプロバイダの特定のアプリケーションプロトコルに従って通信するために車両テレマティクスシステム106を再プログラミングするのではなく、車両テレマティクスシステム106は、予め確立されている車両アプリケーション・プログラミング・インターフェースに従って遠隔コンテンツ管理サーバ107と通信する。車両アプリケーション・プログラミング・インターフェース109は、車両テレマティクスシステムと遠隔コンテンツ管理サーバとの間の通信のための共有メソッドまたは他のプロトコル(たとえば、属性、オブジェクト、コマンド、タイミング方式など)を含んでもよい。車両アプリケーション・プログラミング・インターフェース109を使用して、遠隔コンテンツ管理サーバ107は、遠隔コンテンツプロバイダから車両テレマティクスシステム106に情報を提供することができる。さらに、車両アプリケーション・プログラミング・インターフェース109を使用して、遠隔コンテンツ管理サーバ107は、車両テレマティクスシステム106からコマンドまたは情報を受信し、(たとえば、遠隔コンテンツプロバイダとの通信のためのインターフェースを介して)適切な遠隔コンテンツプロバイダにそれらを提供することができる。例示的な実施形態において、車両アプリケーション・プログラミング・インターフェース109は、遠隔コンテンツプロバイダからのコンテンツまたはサービスの名称、タイプ、および依存関係を提供してもよい。車両アプリケーション・プログラミング・インターフェース109は、XMLを介してこの情報を提供してもよい。車両テレマティクスシステム106(たとえば、その対応する車両APIモジュール)は、情報を解析して、それが依存関係を満たすことができるかどうかを判定または検証することができる(たとえば、依存関係は、A2DPを使用したBluetoothストリーミングオーディオのサポートを含んでもよい)。車両テレマティクスシステムは、遠隔コンテンツ管理サーバ107から受信された情報に基づいてそのHMIを拡張することができる(たとえば、Pandoraまたは別の遠隔コンテンツプロバイダを選択肢のリストに追加する)。
【0023】
ここで、
図1Bに示すより詳細なブロック図を参照すると、車両テレマティクスシステム106が通信電子機器153を含むように示されている。通信電子機器153は、車室内で保持または搬送されている携帯電話または他のポータブル電子デバイス151に対して短距離無線周波数通信を介して通信するように構成されているBLUETOOTH送受信機であることができる。他の実施形態において、通信電子機器153は、任意の他の有線技術もしくは無線技術またはプロトコルであってもよい。たとえば、通信電子機器153は、アクセスポイントと通信するように構成され、それによって、ポータブル電子デバイス151を介して遠隔ソース(すなわち、インターネットソース)に接続する必要を回避するWi−Fi(登録商標)送受信機であってもよい。車両テレマティクスシステム106は、Wi−Fi送受信機を介して(たとえば、「テザリング」接続およびデータプランを介して)ポータブル電子デバイス151と通信してもよい。さらなる例として、通信電子機器153は、内蔵セルラ送受信機(たとえば、3G、4G、LTE)、または任意の数のプラグイン送受信機をサポートするポート(USB)であってもよいし、それを含んでもよい。そのような通信電子機器153を使用して、車両テレマティクスシステム106は、携帯電話または近傍のWi−Fiルータもしくはアクセスポイントを利用することなくセルラ・データ・ネットワーク155およびインターネットに接続することができる。ポータブル電子デバイス151は、外部システム(たとえば、電話網、インターネットなど)との音声またはデータ通信を達成するためにセルラ電波塔または他の遠隔通信局に接続することができる。いくつかの実施形態において、車両テレマティクス電子機器115とポータブル電子デバイス151との間の通信電子機器153および139は、有線インターフェース(たとえば、USB、光デジタルなど)であってもよい。車両テレマティクスシステム106は、その通信電子機器153を介して外部ネットワーク155(たとえば、インターネット、別の1つまたは複数のネットワークに接続されている無線ルータまたはアクセスポイント、WLAN、WAN、セルラネットワークなど)と直接通信してもよく、または、その通信電子機器153を使用してそのような外部ネットワーク155に接続しているポータブル電子デバイス151(たとえば、携帯電話)に接続してもよい。
【0024】
車両バス135と通信するための車両バスインターフェース125を含むかまたはそれに結合されている処理電子機器115を含む車両テレマティクスシステム106が図示されている。車両バスインターフェース125は、車両バス135の(1つまたは複数の)ワイヤを車両電話デバイスに接続するための任意の数のジャック、ワイヤ端子、ワイヤリード、ポート、プラグ、レセプタクル、または他の構造であるか、またはそれらを含むことができる。車両バスインターフェース125は、車両バス135に通信を送信し、および/または車両バスから通信を受信するための回路(たとえば、フィルタ、コンバータ、デコーダなど)をも含むことができる。車両バス135は、CANバス、LINバス、MOSTバス、イーサネット(登録商標)バス、または別のタイプの車両バスであってもよい。車両バス135は、1つまたは複数の車両サブシステム133(たとえば、本体制御モジュール、イグニッションサブシステム、安全システム、エンジン制御ユニットなど)を車両テレマティクス電子機器115に通信可能に結合する。同じまたは他の実施形態において、車両テレマティクス電子機器115は追加でまたは代替的に、車両サブシステム133の1つまたは複数への直接接続または非車両バス通信接続を含んでもよい。
【0025】
図1Bにおいて、処理電子機器115は、ディスプレイ129および(1つまたは複数の)ユーザ入出力(IO)デバイス131に結合されているものとしてさらに図示されている。
図1Aに示すように、ディスプレイ129は、中央コンソール位置内に設置されたフラット・パネル・ディスプレイ(たとえば、LCD)であることができる。同じく
図1Aに示すように、ユーザIOデバイス131は、ディスプレイを取り囲むかまたはその近傍にある任意の数のボタン、ダイヤルなどであるか、またはそれらを含むことができる。
図1Aに関連して上記で述べたように、
図1BのユーザIO 131は、マイクロホン、タッチスクリーン、音声認識回路、または他の適切なユーザ入出力デバイスであるか、またはそれを含んでもよい。
【0026】
制御回路117および/または処理電子機器115の他の部分は、車両100内に(たとえば、トリムパネルの後ろに)埋め込まれるか、または他の方法で車両100内に取り付けられてもよい。制御回路117および/または処理電子機器115の他の部分は、1つまたは複数のプリント回路基板、電子構成要素の二点間配線、フレキシブル回路、別のタイプの回路、またはそれらの組合せであってもよい。
図1Bの制御回路117は、プロセッサ127とメモリ119とを含む。プロセッサ127は、汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つまたは複数のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、複数の処理構成要素から成るグループ、または他の適切な電子処理構成要素として実装することができる。メモリ119は、本開示に記載のさまざまプロセスまたはステップを完了および/または容易にするためのデータおよび/またはコンピュータコードを記憶するための1つまたは複数のデバイス(たとえば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク記憶装置など)である。メモリ119は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリであるか、またはそれらを含んでもよい。メモリ119は、本開示に記載のさまざまな活動および情報構造をサポートするためのデータベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、または、任意の他のタイプの情報構造を含んでもよい。別の実施形態によれば、メモリ119は、制御回路117のプロセッサ127に通信可能に接続され、本明細書に記載の1つまたは複数のプロセスを(たとえば、プロセッサおよび/または制御回路などによって)実行するためのコンピュータコードを含む。
図1Bの実施形態において、たとえば、ポータブルデバイス設定モジュールは、プロセッサによって、本明細書に記載の電話設定ロジックを提供するように実行するためのコンピュータ・コード・モジュールである。
【0027】
車両テレマティクスシステム106に加えて、遠隔コンテンツ管理サーバ107および遠隔コンテンツプロバイダ101、111が、通信のために外部ネットワーク155(たとえば、インターネット、WLAN、セルラネットワーク)に接続される。遠隔コンテンツプロバイダ101、111からの情報は、遠隔コンテンツ管理サーバ107を介して車両テレマティクスシステム106に提供される。遠隔コンテンツ管理サーバ107は、メモリ165を有する制御回路を含む。メモリ165を有する制御回路は、少なくとも1つのプロセッサ163を含む。コンテンツプロバイダに対するインターフェース103、105は、遠隔コンテンツプロバイダ101、111と通信するための最新のAPIであるか、またはそれを含んでもよい。遠隔コンテンツプロバイダ101、111はそのAPIをアップグレードまたは他の方法で変更するため、有利には、APIは車両テレマティクスシステム106において更新される必要がない場合がある。そうではなく、遠隔コンテンツ管理サーバ107内のコンテンツプロバイダに対するインターフェース103、105のみを更新(または大幅に更新)する必要があり得る。遠隔コンテンツ管理サーバ107は、異なる複数の車両または車両テレマティクスシステム106のバージョンのために2つ以上の車両アプリケーション・プログラミング・インターフェース109を含んでもよい。したがって、2013型式年度の車両は遠隔コンテンツ管理サーバ107内に第1の車両アプリケーション・プログラミング・インターフェースを有してもよく、一方、2014型式年度の車両は遠隔コンテンツ管理サーバ107内に第2の車両アプリケーション・プログラミング・インターフェースを有してもよい。遠隔コンテンツプロバイダ101、111の情報、メソッド、コマンド、または他の通信と、車両テレマティクスシステム106の情報、メソッド、コマンド、または他の通信との間の変換を容易にするための1つまたは複数の変換モジュール159が遠隔コンテンツ管理サーバ107内に含まれてもよい。変換モジュール159は、遠隔コンテンツ管理サーバ107の2つのタイプのインターフェース間の通信を適合させるための1つまたは複数の実行ファイル、スキーママップ、関係型データベース、または、他のリソースを含んでもよい。
【0028】
遠隔コンテンツ管理サーバ107は、ユーザポータル161を含むようにさらに図示されている。ユーザポータル161は、ユーザログインを承認するためのWebサーバ、ウェブサービス、または、他のポータルであってもよい。ユーザポータル161は、ユーザが自身の遠隔コンテンツプロバイダの嗜好を閲覧することを可能にする。たとえば、ユーザポータル161を使用して、ユーザは自身の車両IDまたは車両テレマティクスシステム106のIDを、遠隔コンテンツプロバイダ101、111を変更するのために認証情報と関連付けることができる。さらに、ユーザポータル161を使用して、ユーザは、遠隔コンテンツプロバイダ101、111の機能をオンもしくはオフにし、車両100において利用可能なリソースから遠隔コンテンツプロバイダ101、111を削除し、(たとえば、遠隔コンテンツ管理サーバ107が新たなアプリケーション・プログラミング・インターフェース109を介してそれに対するサポートを最近追加した)新たな遠隔コンテンツプロバイダ101、111を追加し、遠隔コンテンツプロバイダに関連する設定を構成し、または、システムに対する他の変更を実行することができる。ユーザポータルは、車両テレマティクス電子機器115(たとえば、車両が車庫にあるかまたは停止しているときのみ)、ポータブル電子デバイス151、または任意の他のウェブクライアントからアクセスされてもよい。
【0029】
車両テレマティクスシステム106のメモリ119は、車両アプリケーション・プログラミング・インターフェース121を含むように図示されている。この車両アプリケーション・プログラミング・インターフェース121は、遠隔コンテンツ管理サーバ107と車両テレマティクス電子機器115との間の通信を容易にするために遠隔コンテンツ管理サーバ107の1つまたは複数のAPI109にマッチングすることができる。車両テレマティクス電子機器115は、遠隔コンテンツプロバイダライブラリ122を含むようにさらに図示されている。遠隔コンテンツプロバイダライブラリ122は、遠隔コンテンツプロバイダの機能を、車両テレマティクスシステムのヒューマン・マシン・インターフェースと統合するのに必要な、遠隔コンテンツプロバイダ101、111に関する情報を記憶することができる。たとえば、遠隔コンテンツプロバイダライブラリ122は、遠隔コンテンツプロバイダ101、111から利用可能な、利用可能インターネットラジオサービスのリストを保持してもよい。車両テレマティクスシステム106のHMIモジュール123は、このリストを解析して、利用可能なインターネットラジオサービスの可聴または視覚メニューをユーザに提供することができる。ユーザが利用可能なソースのうちの1つを選択すると、HMIモジュール123は、遠隔コンテンツプロバイダライブラリ122内の他の情報を使用して、遠隔コンテンツプロバイダ101、111のサービスをどのように呼び出すか、および/または、遠隔コンテンツプロバイダ101、111からのデータをHMI123の標準化されたユーザインターフェース体験(すなわち、テーマ)にどのように組み込むかを決定することができる。遠隔コンテンツプロバイダライブラリ122は、新たな遠隔コンテンツプロバイダの情報のみが定期的に送信されるように、および、遠隔コンテンツプロバイダ101、111のリストが起動すると直ちにユーザに利用可能であるように、車両動力サイクルにわたって不揮発性メモリ内に保持することができる。新たな遠隔コンテンツプロバイダ101、111が利用可能になると、または、更新もしくは新たな情報が受信もしくはインストールのために利用可能であるという通知を受信すると、遠隔コンテンツ管理サーバ107は車両テレマティクスシステム106にプッシュ通知を提供することができる。
【0030】
図1Bに示すように、ポータブル電子デバイス151は、接続済みサービスアプリケーション145を含むことができる。接続済みサービスアプリケーション145は、遠隔コンテンツ管理サーバ107のコンテンツおよびサービスにアクセスして、これを車両テレマティクスシステム106に提供することができる。いくつかの実施形態において、接続済みサービスアプリケーション145は、ポータブル電子デバイス151と遠隔コンテンツ管理サーバ107との間でストリームおよびメッセージベースの両方の通信を提供する。いくつかの実施形態において、接続済みサービスアプリケーション145は、遠隔コンテンツ管理サーバ107からの再生を可能にするバッファリングを提供する。これは、必要とされる任意の量のプレバッファリングを含んでもよい。したがって、代替的な実施形態において、ポータブル電子デバイス151の接続済みサービスアプリケーション145は、車両テレマティクスシステム106のためのプロキシの機能を果たすことができる。そのようなアーキテクチャは、有利には、ポータブル電子デバイス151が、車両100の外部のすべての通信をハンドリングし、ポータブル電子デバイス151と車両テレマティクスシステム106との間で高度に適合された情報のみを通すことを可能にし得る。接続済みサービスアプリケーション145、識別子143、車両設定141は、ポータブル電子デバイス151のメモリデバイス147内に記憶することができる。メモリデバイス147は、制御回路117のメモリデバイス119と同様であってもよい。通信電子機器139は、BLUETOOTH送受信機、または、車両通信電子機器153および/もしくは遠隔コンテンツ管理サーバ107と(たとえば、セルラネットワーク、インターネット、WLAN155などを介して)通信するための別の(1つまたは複数の)有線通信デバイスまたは無線通信デバイスであってもよい。
【0031】
ポータブル電子デバイス151が通信の通過または遠隔コンテンツ管理サーバ107との通信のためのプロキシデバイスに使用されるかにかかわらず、ポータブル電子デバイス151の識別子143は、異なる複数のユーザに対する遠隔コンテンツの設定を変更するのに使用することができる。たとえば、第1のポータブル電子デバイス151がBluetoothを介して接続されたものとして識別された場合、車両100は第1のセットのインターネットラジオ局を起動することができる。他方、第2のポータブル電子デバイス151がBluetoothを介して識別された場合、車両テレマティクスシステム106は第2のセットのインターネットラジオ局を起動することができる。この目的のために、ポータブル電子デバイス151は、携帯電話または個人情報端末に加えて、キーフォブであってもよい。車両テレマティクスシステム106は、電話番号、ESN、IMEI、Bluetoothアドレスまたは別の車両識別子143を使用して、特定のポータブル電子デバイス151またはユーザを識別してもよい。車両設定141はメモリ147内に記憶することができ、たとえば、
図1Bのシステムにおけるポータブル電子デバイス151の役割を手助けするための送信設定、ストリーミング設定、自動接続設定、車両電子機器との通信の構成設定、または、他の設定を含む。処理電子機器115およびポータブル電子デバイス151の各々は、ポータブル電子デバイス151を充電するためのそれぞれの充電インターフェース137に結合されるか、またはそれを有してもよい。
【0032】
車両テレマティクスシステム106によって提供されるHMIは、さまざまな実施形態に従ってさまざまな方法で提供されてもよい。たとえば、HMIは、コンテンツ/サービスに関連付けられる機能のすべてがそれ自体の構造の中に含まれているアイコンに基づいてもよい。他の実施形態において、HMIは、コンテンツ/サービスの機能がHMI構造全体を通じて分散されているコンテキストに基づいてもよい。たとえば、コンテキスト的HMIにおいて、さまざまなソースからの個人情報は、分離されている(たとえば、Pandoraのための別個のインターフェース、iHeartRadioのための別個のインターフェース)のではなく、1つのユーザインターフェース(たとえば、インターネット・ラジオ・インターフェース)の元に統合され得る。
【0033】
例示的な実施形態において、車両テレマティクスシステム106がネットワークベースのコンテンツおよびサービスに(直接または接続済みポータブル電子デバイスを介して)接続されていないか、または信頼可能に接続することができないとき、HMIは、ラジオ、CDプレーヤ、および内蔵ナビゲーションシステムなどの車両内のオブジェクト/コンテンツ/ソースのみを反映し得る。ネットワークベースのコンテンツ(たとえば、位置ベースの交通および気象、インターネットラジオ)は適切な接続が利用可能になるまでディスエーブルされる。
【0034】
車両テレマティクスシステム106がそのために設計されていないまったく新しいクラスのコンテンツが利用可能になったとき、遠隔コンテンツ管理サーバ107は、車両テレマティクスシステム106が満たすことができない、そのコンテンツに関する依存関係を識別し得る。その依存関係を満たすためにソフトウェアシステム更新が利用可能であれば、遠隔コンテンツ管理サーバ107は車両テレマティクスシステム106に更新を通知し得る。車両テレマティクスシステム106は、(ユーザ確認の後)更新をダウンロードし、インストールし、その後ダウンロードを有効にするためにリブートし得る。車両テレマティクスシステム106は、利用可能なソフトウェア更新をユーザに促し、更新が進行するとユーザに通知する。そのようなソフトウェア更新のダウンロードおよびインストールは、「モバイルデバイス管理」と称されるソフトウェアおよびプロトコル、限定ではないが具体的には、オープン・モバイル・アライアンス(OMA)デバイス管理(DM)またはファームウェア無線(Firmware Over−the−Air)(FOTA)更新を使用して実行され得る。
【0035】
代替的な実施形態において、ポータブル電子デバイス自体が、上述の遠隔コンテンツ管理サーバ107の機能のすべてを含む。言い換えれば、ポータブル電子デバイスのソフトウェアアプリケーションは、遠隔コンテンツプロバイダと通信するためのインターフェースと、車両テレマティクス電子機器115と通信するためのプログラミングインターフェース109とを含む。そのようなポータブル電子デバイス151は、車両テレマティクス電子機器115のHMIのためのコンテンツを集約することができる。ポータブル電子デバイス151が通信のために車両テレマティクス電子機器115に接続されるとき、ポータブル電子デバイス151は、車両テレマティクスシステム106がポータブル電子デバイス151にとって利用可能な遠隔コンテンツプロバイダを利用するために使用することができるメタデータ、および他の情報を転送することができる。遠隔コンテンツプロバイダ101、111からのデータは、ポータブル電子デバイス151によって要求され、たとえば、ポータブル電子デバイス151と車両テレマティクス電子機器115との間のAPI 109を介して車両テレマティクス電子機器115に提供することができる。
【0036】
図2A〜
図2Dを参照すると、記載の実施形態による方法の流れ図が示されている。本開示のシステムおよび方法を実行するいくつかの方法があるため、方法200A〜200Dは例として提供される。それぞれ
図2A〜
図2Dに示す方法200A〜200Dは、コンピュータ、コンピュータプログラム、クライアント、サーバ、クライアント/サーバ関係などによって行われてもよい。方法200A〜200Dは、本明細書においては、例として
図1A〜
図1Bのシステムによって実行されるものとして説明する。
【0037】
図2Aを参照すると、例示的な実施形態による、(たとえば、
図1A、
図1Bの)遠隔コンテンツ管理サーバを使用してユーザアカウントまたは車両アカウントを構成するためのプロセス200Aの流れ図が示されている。
図2Aのプロセス200Aは、OEM所有者のウェブサイト(たとえば、遠隔コンテンツ管理サーバのポータル)を訪問すること(ステップ202)を含み得る。ポータルは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを使用して、ユーザがアカウントを有するかどうかをユーザに尋ねることができる(ステップ204)。ユーザがアカウントを有しない場合、遠隔コンテンツ管理サーバまたはポータルは、ウェブサイトまたは遠隔コンテンツ管理サーバアカウントを作成するプロセスにユーザを誘導することができる(たとえば、ユーザIDおよびパスワードを確立する(ステップ206)。ユーザがアカウントを有する場合、遠隔コンテンツ管理サーバは、車両所有者のアカウントにログインするプロセスに進むことができる(ステップ208)。既存のユーザが新たな車両を登録する必要がある場合(ステップ212においてチェックが行われる)、または、新たなユーザがログインしたばかりである場合、(ステップ210において)遠隔コンテンツ管理システムによって新たな車両を登録することができる。車両登録は、遠隔コンテンツ管理サーバにVINを記憶することによって行われてもよく、VINは、車両電子機器が遠隔コンテンツ管理サーバにログインされるときに遠隔コンテンツ管理サーバに送信されることになる。既存のユーザが新たなユーザを登録することを望む場合(ステップ216においてチェックが行われる)、または、新たなユーザがサイトを進み続けている場合、新たな運転者が登録されることになる(ステップ214)。登録は、名前情報、携帯電話情報、優先度情報(たとえば、2つの電話機が車両内に持ち込まれている場合にいずれの電話機に優先度を与えるべきか)、または他の情報を記憶している遠隔コンテンツ管理サーバまたは所有者のポータルによって行われ、またはそれらによって終了してもよい。ポータルまたは遠隔コンテンツ管理サーバは、ユーザに遠隔コンテンツ管理サーバのサービスを選択または更新すべきかどうかについて指示し得る(ステップ220における指示およびチェック)。ユーザが、自身がコンテンツを選択または更新することを望むことを示す場合、ポータルまたは遠隔コンテンツ管理サーバは、ユーザが個人向けコンテンツを選択することを可能にするためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースをユーザに提示し得る(ステップ218)。たとえば、ステップ218は、複数の可能性のあるソース(たとえば、Facebook、iHeartRadio、Pandoraなど)を、車両電子機器とともに使用するためにユーザに示すことを含んでもよい。任意の特定のソースの選択に応答して、ユーザは、ユーザIDおよびパスワード情報を入力するように指示され得る。ステップ222において、遠隔コンテンツ管理サーバは、(たとえば、車両の次回起動時にダウンロードするために)車両内システムに提供するためのコンテンツ更新パッケージを作成することができる。更新パッケージは、グラフィックス、IPアドレスなどの接続情報、ストリーミング設定、ビットレート、加入情報、または、車両が遠隔コンテンツプロバイダからの情報を遠隔管理サーバを介してストリーミングするのに後に必要とすることになる任意の他の情報を含んでもよい。別の運転者が追加される場合(ステップ224においてポータルがユーザに指示してチェックすることができる)、新たな運転者が登録され、パーソナライズプロセスへ進むことができる。たとえば、第1の運転者が自身のインターネット・ラジオ・ソースを追加した後、第2の運転者が自身のラジオソースを登録して設定することができる。サーバが作成したコンテンツ更新パッケージは、遠隔コンテンツプロバイダの固有のメニューおよび各ユーザの設定を含んでもよい。ポータルはステップ226においてユーザをログアウトさせることができる。
【0038】
図2Bを参照すると、記載の実施形態による、コンテンツを更新する方法の流れ図が示されている。いくつかの実施形態において、ユーザは、ウェブサイト、遠隔ソースなどを通じてサービスデータを選択している。いくつかの実施形態において、ユーザはポータブル電子デバイス151を車両内システム106とペアリング/結合し得る。例示的な方法200Bが開始した後、ユーザはステップ228において車両内システム106をオンにする。いくつかの実施形態において、ユーザは車両内システム106を始動するためにイグニッションをオンにしてもよい。しかしながら、ユーザは、聴覚的、視覚的、または触覚的方法、たとえば、音声起動、タッチスクリーン起動などを使用して車両内システム106を始動してもよい。ステップ230において、車両内システム106はポータブル電子デバイス151と接続する。ステップ232において、車両内システム106は遠隔コンテンツ管理サーバ107とのデータ接続を確立する。いくつかの実施形態において、遠隔コンテンツ管理サーバ107はクラウドベースのサーバであってもよい。データ接続は、ネットワーク155を介した、Wi−Fi、USB 3Gモデム、4G、内蔵セルラ、送受信機、Bluetooth、ダイヤルアップネットワーク接続、電話ベースのデータゲートウェイなどを介して確立されてもよい。ステップ234において、更新が利用可能になり得る。利用可能な更新は、ステップ236において車両内システム106によってダウンロードされ得る。いくつかの実施形態によっては、更新は、無視、保存、記憶、消去などされてもよい。代替的に、利用可能な更新がない場合、ユーザはアプリケーション更新プロセスを終了してもよい。ダウンロードされた更新はステップ238においてインストールされ得る。インストールはダウンロードされると直ちに行われてもよい。実施形態によっては、インストールは遅延、保存、記憶などされてもよい。ステップ240において、遠隔コンテンツ管理サーバ107は、インストールが成功したという通知を受信する。
【0039】
図2Cを参照すると、記載の実施形態による、コンテンツを受信する方法の流れ図が示されている。いくつかの実施形態において、ユーザは、ウェブサイトを通じてサービスデータを選択してもよい。いくつかの実施形態において、ユーザはポータブル電子デバイス151を車両内システム106とペアリング/結合し得る。いくつかの実施形態において、方法200Bなどの他の方法が行われていてもよい。方法200Cが開始した後、ステップ242において、車両内システム106はコンテンツアグリゲータとのデータ接続を確立する。コンテンツアグリゲータは、遠隔コンテンツ管理サーバ107であってもよい。いくつかの実施形態において、サーバはクラウドベースのコンテンツアグリゲータであってもよい。データ接続は、ネットワーク155を介した、Wi−Fi、USB 3Gモデム、4G、内蔵セルラ、送受信機、Bluetooth、ダイヤルアップネットワーク接続、電話ベースのデータゲートウェイなどを介して確立されてもよい。ステップ244において、車両内システム106はアグリゲータにログインし得る。いくつかの実施形態において、アグリゲータは、車両内システム106、ポータブル電子デバイス151などからコンテンツを収集してもよい。ステップ246において、アグリゲータ(たとえば、アグリゲータの、またはアグリゲータと通信しているユーザポータル)は、ログイン認証情報(たとえば、iHeartRadioユーザ名およびパスワード)を使用してコンテンツプロバイダ(たとえば、iHeartRadio)からサービスデータを取り出す。たとえば、アグリゲータは、遠隔コンテンツプロバイダ101または111からサービスデータを取り出してもよい。いくつかの実施形態において、サービスデータは、遠隔コンテンツプロバイダ101または111から取り出されることなくアグリゲータにインストールされる。たとえば、アグリゲータまたはそのインターフェース(たとえば、ウェブインターフェース)において、手動構成プロセスが実行されて、新たなサービスのためにアグリゲータ内にサービスデータがインストールされてもよい。ステップ248において、アグリゲータは、サービスデータを使用して選択されたサービスにアクセスする。車両内システム106は、ステップ250において、アグリゲータからコンテンツを要求し得る。アグリゲータは、ステップ254において、要求を受信し、車両内システム106にコンテンツを提供し得る。アグリゲータは、ステップ252において、(たとえば、遠隔コンテンツプロバイダがアグリゲータに通知またはメッセージをプッシュするように構成されている場合)コンテンツを求める要求なしに車両内システム106にコンテンツを提供してもよい。ステップ256において、車両内システム106はアグリゲータから接続切断する。アグリゲータは、ステップ258において、(たとえば、車両がオフになったというメッセージをアグリゲータが有する受信するために)選択されたサービスからログアウトし得る。
【0040】
図2Dを参照すると、記載の実施形態による、コンテンツをインストールする方法の流れ図が示されている。いくつかの実施形態において、ユーザは、ウェブサイトを通じてサービスデータを選択してもよい。いくつかの実施形態において、ユーザはポータブル電子デバイス151を車両内システム106とペアリング/結合し得る。いくつかの実施形態において、方法200B、200Cなどのような他の方法が行われていてもよい。方法200Dが開始した後、ステップ260において、車両内システム106はコンテンツアグリゲータとのデータ接続を確立する。アグリゲータは、遠隔コンテンツ管理サーバ107であってもよい。いくつかの実施形態において、サーバはクラウドベースのコンテンツアグリゲータであってもよい。データ接続は、ネットワーク155を介した、Wi−Fi、USB 3Gモデム、4G、内蔵セルラ、送受信機、Bluetooth、ダイヤルアップネットワーク接続、電話ベースのデータゲートウェイなどを介して確立されてもよい。ステップ262において、車両内システム106は、車両、ユーザ、および/または電話の情報を使用してアグリゲータにログインし得る。いくつかの実施形態において、アグリゲータは、車両内システム106、ポータブル電子デバイス151などからコンテンツを収集してもよい。ステップ264において、車両内システム106は、アグリゲータに利用可能なサービスを要求する。ステップ266において、アグリゲータは、車両内システム106に(たとえば、利用可能なインターネットラジオプロバイダ、ビデオプロバイダなどに関する)サービスデータを提供する。サービスデータは、拡張マークアップ言語(XML)、JavaScript(登録商標)オブジェクト表記法(JSON)、または任意の他のマシン/ヒューマン可読言語で表現されてもよい。
【0041】
ステップ268において、車両内システム106は、受信したサービスデータをインストールされているサービスデータと比較する。利用可能なサービスデータのインストールステータスに関する判定が為される。ステップ270において、車両内システム106は、インストールされていないサービスデータの記述を要求し、これは、たとえば、表示テキスト、アイコン、メニュー位置、発話/音声認識、文法などであってもよい。アグリゲータは、ステップ274においてサービスデータの記述を送信する。車両内システム106は、ヒューマン−マシンインターフェース(HMI)にサービスデータをインストールしてもよい。HMIは、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)、音声ユーザインターフェース(VUI)、または他のインターフェースであってもよい。ステップ276において、車両内システム106は、以前にインストールされたサービスがもはや利用可能でないか、それゆえ、車両内システムから削除すべきかどうかを判定する。サービスがもはや利用可能でない/サポートされていない場合、車両内システム106はステップ280において、HMIからサービスデータを削除する。
【0042】
図3A〜
図3Eを参照すると、記載の実施形態によるインターフェースが示されている。インインターフェースは、限定ではないが、グラフィック、テキスト、オーディオなどを含むデータを車両内システムに提供し得る。いくつかの実施形態において、インターフェースは、限定ではないが、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、XML、JavaScriptオブジェクト表記法(JSON)、または任意の他の機械/ヒューマン可読言語を含むマークアップ言語を含んでもよい
【0043】
図3Aを参照すると、記載の実施形態によるグラフィカル・ユーザ・インターフェースが示されている。車両内システム106は概して、さまざまな車両機能の制御を容易にする、出力ディスプレイ108と、1つまたは複数のノブ110と、1つまたは複数の押しボタン112と、1つまたは複数の触覚ユーザ入力または押しボタン114とを含む。出力ディスプレイ108は、車両機能の制御に関連するデータを表示するように構成され得る。例示的な一実施形態において、出力ディスプレイ108は、タッチ・スクリーン・ディスプレイであってもよく、一方で他の例示的な実施形態においては、任意の他の非タッチセンサ式ディスプレイであってもよい。さらなる他の例示的な実施形態において、出力ディスプレイ108は、任意の技術(たとえば、LCD、DLP、プラズマ、CRT)、構成(たとえば、縦長または横長)、または形状(たとえば、多角形、湾曲、曲線)であってもよい。ノブ110ならびに押しボタン112および114は、(i)ファン回転速度、室内温度または空気流の誘導などのHVACシステムの機能を制御し、(ii)音声システムを介したメディアファイルの再生を制御し、(iii)電話帳エントリの取り出しを制御し、または(iv)任意の他の所望の車両機能を制御するように構成され得る。押しボタン114は一般に、HVACシステム制御、音声システム制御、ハンズフリー電話使用、連絡先または住所/電話帳管理、カレンダー閲覧/変更、および車両データログ記録を含む、車両内制御システム106のさまざまな機能の選択および表示を可能にする。メディア再生のための押しボタン114の操作によって、ユーザが触覚または口頭の命令によってオーディオまたはビデオファイルを閲覧、選択、並び替え、検索、および/または再生することを可能にするメディア再生メニュー画面が表示されるか、または、コマンドが実行され得る。ハンズフリー電話使用のための押しボタン114の操作によって、ユーザが車両内制御システム106を携帯電話機に接続し、それによって、車両内制御システム106の車両コンソールに話し掛けることで携帯電話機を操作することを可能にするメニュー画面が表示されるか、または、コマンドが実行され得る。HVAC制御のための押しボタン114の操作によって、ユーザが触覚または口頭の命令によって室内温度および空気流を制御することを可能にするメニュー画面が表示されるか、または、コマンドが実行され得る。連絡先管理のための押しボタン114の操作によって、ユーザが触覚または口頭の命令を使用することによって個人連絡先情報を含む1つまたは複数のエントリを閲覧、リスト、選択、並び替え、検索、編集および/またはダイヤルすることを可能にするメニュー画面が表示されるか、または、コマンドが実行され得る。カレンダー管理のための押しボタン114の操作によって、ユーザが触覚または口頭の命令によって個人スケジュール情報を含む1つまたは複数のエントリを閲覧、リスト、選択、並び替え、検索、編集および/または作成することを可能にするメニュー画面が表示されるか、または、コマンドが実行され得る。車両ログ管理のための押しボタン114の操作によって、ユーザが触覚または口頭の命令によって車両運転に関連する情報(たとえば、燃料経済性、エンジン温度、航続可能距離など)を入力、閲覧、選択および/またはリセットすることを可能にするメニュー画面が表示されるか、または、コマンドが実行され得る。一実施態様において、押しボタン114は、
図3Aに示すようなオーディオソースにアクセスするための複数の押しボタンを含んでもよい。
図3Aは、Internet Radio、Internet News、My_iPod(USB)、My_Phone(Bluetooth)、AM、FM1、FM2、およびSirius Satellite Radioを含むボタンを有するグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す。
【0044】
図3Bを参照すると、構成モードにあるグラフィカル・ユーザ・インターフェースが示されている。いくつかの実施形態において、初期状態のGUIは、
図3Bに示すような表示データを提供する。表示データは、さまざまなオーディオソースに関してサービスデータを構成することができることを示している。たとえば、
図3Bにおいて、ユーザはウェブサイトを閲覧することによってInternet RadioおよびInternet Newsを構成するように指示される。いくつかの実施形態において、GUIはユーザにサービスデータを構成するよう通知するためのオーディオデータを提供する。いくつかの実施形態において、車両内システム106は、
図2Aに示すように、車両、ユーザアカウントなどのようなデータを登録するように指示されてもよい。いくつかの実施形態において、車両内システム106は、たとえば、
図2Cおよび
図2Dに示すようないくつかの方法を使用してサービスをインストールするように指示されてもよい。
【0045】
図3Cを参照すると、構成後モードにあるグラフィカル・ユーザ・インターフェースが示されている。いくつかの実施形態において、初期ユーザ構成後のGUIの状態は、サービスデータの選択およびログイン認証情報の提供に関連付けられる。車両内システム106は、上述のように(たとえば、
図2Cおよび
図2D)遠隔コンテンツ管理サーバ107からコンテンツ、情報などを受信することができる。いくつかの実施形態において、構成された状態のGUIは、
図3Cに示すような表示データを提供する。表示データは、さまざまなオーディオソースがウェブサイトからのサービスデータによって構成されていることを示している。たとえば、
図3Cにおいて、Internet Radioは、SlackerおよびMyFreeRadioを表示、アクセス、および/または再生するように構成されており、一方でInternet Newsは、NPRおよびStitcherを表示、アクセス、および/または再生するように構成されている。いくつかの実施形態において、GUIはユーザにサービスデータが構成されたことを通知するためのオーディオデータを提供する。
【0046】
図3Dを参照すると、アグリゲータ・サービス・データ・モードにあるGUIが示されている。
図3Dにおける構成された状態のGUIは、グレー表示された表示データを示している。グレー表示された表示データは、MyFreeRadioがもはやコンテンツアグリゲータによって利用可能でない/サポートされていないため、もはや選択することができないことを示している。いくつかの実施形態において、GUIはユーザにサービスデータがもはや利用可能でないことを通知するためのオーディオデータ(たとえば、「ご注意ください、MyFreeRadioが中断されました(please note that MyFreeRadio was discontinued)」の再生)を提供する。いくつかの実施形態において、車両内システム106は、更新されたサービスデータのウェブサイトを訪問するように指示され、それに応答して、
図3Dに示すような、サービスがもはや利用可能でないことを示すポップアップボックスを生成する。車両内システム106は、コンテンツ更新をダウンロードする(たとえば、
図2Bに示すように更新が利用可能である場合)ようにユーザに命令されるか、または(たとえば、自動通信駆動プロセスにあるアグリゲータによって)指示され得る。
【0047】
図3Eを参照すると、アグリゲータ後サービス・データ・モードにあるGUIが示されている。構成された状態のGUIは、表示データを提供する。表示データは、さまざまなオーディオソースがウェブサイトからのサービスデータによって構成されていることを示している。いくつかの実施形態において、GUIはユーザにサービスデータがウェブサイトからのサービスデータを用いて構成されたことを通知するためのオーディオデータを提供する。たとえば、
図3Eにおいて、Internet Radioは、SlackerおよびiHeartRadioを表示するように構成されている。MyFreeRadioはそのステータスが陳腐化したサービスデータであるため、GUIから削除されている。車両内システムは、たとえば、
図2Dに示すように、まだインストールされていない他のサービスの記述を要求し得る。
【0048】
本明細書に記載の方法は、コンピュータ実装方法であってもよく、本明細書に記載のような1つまたは複数のコンピュータシステムまたは電子システムによって実行されてもよい。コンピュータシステムに、上述の方法の活動を完了させるための命令が、CDROM、フラッシュドライブなどのようなコンピュータ可読媒体上に具現化されてもよい。本発明のすべてのそのような実施形態が本開示の範囲内にある。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のソフトウェアモジュールは、AJAXを用いたHTMLを使用して実装することができる。他の実施形態においてソフトウェアモジュールは、Java(登録商標)技術を使用して実装することができる。
【0049】
さまざまな例示的実施形態に示すようなシステムおよび方法の構造および構成は例示のみを目的としている。本開示においていくつかの実施形態のみを詳細に説明したが、多くの改変が可能である(たとえば、さまざまな要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率、パラメータの値、取り付け方法、材料の使用、色、向きなどの変更)。たとえば、要素の位置は逆になるか、または他の方法で変更されてもよく、別個の要素の性質もしくは数または位置は改変または変更されてもよい。したがって、すべてのそのような改変が本開示の範囲内に含まれるように意図されている。代替的な実施形態によれば、任意のプロセスまたは方法ステップの順序または並びは、変更または並び替えられてもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態の設計、動作条件および構成に、他の置換、改変、変更、および省略を行ってもよい。
【0050】
本開示は、さまざまな動作を達成するための、方法、システムおよび任意の機械可読媒体上のプログラム製品を企図している。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して、または、この目的もしくは別の目的のために組み込まれている、適切なシステムのための専用コンピュータプロセッサによって、またはハードウェア組み込みシステムによって実装されてもよい。本開示の範囲内の実施形態は、機械実行可能命令もしくはデータ構造を搬送するか、またはそれらが記憶されている機械可読媒体を備えるプログラム製品を含む。そのような機械可読媒体は、汎用もしくは専用コンピュータまたはプロセッサを有する他の機械によってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体であることができる。例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または、機械実行可能命令もしくはデータ構造の形態の所望されるプログラムコードを搬送または記憶するために使用されることができるとともに、汎用または専用コンピュータまたはプロセッサを有する他の機械によってアクセスされることができる任意の他の媒体を含むことができる。上記の組合せも機械可読媒体の範囲内に含まれる。機械実行可能命令は、たとえば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または専用処理機械に、特定の機能または一群の機能を実行させる命令およびデータを含む。
【0051】
図面は特定の順序の方法ステップを示している場合があるが、ステップの順序は描かれているものとは異なってもよい。また、2つ以上のステップが同時にまたは部分的に同時に実行されてもよい。そのような変形形態は、選択されるソフトウェアおよびハードウェアシステムならびに設計者の選択に依存する。すべてのそのような変形形態が本開示の範囲内にある。同様に、ソフトウェア実施態様は、さまざまな接続ステップ、処理ステップ、比較ステップおよび判断ステップを達成するための規則ベースのロジックおよび他のロジックを有する標準プログラミング技法を用いて達成され得る。本出願は本明細書に記載のまたは図面に示されている詳細または方法には限定されないことが理解されるべきである。用語は説明のみを目的とするものであり、限定とみなされるべきではないことも理解されるべきである。