(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明に好適な実施形態について詳細に説明する。
【0020】
まず、
図1〜
図5を参照して、第1の実施形態に係るコネクタユニット100(電気コネクタユニット)の概略について説明する。
【0021】
ここでは、コネクタユニット100として、電気自動車の(急速)充電器用のコネクタユニットが例示されている。
【0022】
図1に示すように、コネクタユニット100は、電気コネクタとしての給電側コネクタ1(プラグコネクタ)および受電側コネクタ2(レセプタクルコネクタ)を有している。
【0023】
ここでは、給電側コネクタ1は急速充電器側に設けられたコネクタであり、受電側コネクタ2は電気自動車側に設けられたコネクタである。
【0024】
図2および
図4に示すように、給電側コネクタ1は、外周カバーである外殻シェル101、外殻シェル101の一端に設けられ、充電の際に使用者が給電側コネクタ1を保持するためのグリップ102、端部が露出するように外殻シェル101の内部に設けられ、後述する信号コンタクト108が収納された内部ハウジング103、端部が外部に露出するように内部ハウジング103に固定され、受電側コネクタ2と電気的に接続される信号コンタクト108、外殻シェル101内に設けられ、信号コンタクト108に接続された信号線109、外殻シェル101の内部に設けられ、嵌合時(充電時)に給電側コネクタ1と受電側コネクタ2をロックするロックレバー104、信号線109に接続され、ロックレバー104の中途嵌合を検出して信号線109の導通を遮断するマイクロスイッチ106、および充電後にロックレバー104によるロックを解除する解除部としてのリリースレバー105を有している。
【0025】
一方、
図3および
図5に示すように、受電側コネクタ2は、給電側コネクタ1が挿入される筒状のハウジング201、ハウジング201の内周に設けられ、ロック時にロックレバー104と係合する凹部状のロック係止部202、端部が露出するようにハウジング201に設けられ、給電側コネクタ1の信号コンタクト108と電気的に接続される信号コンタクト203、および信号コンタクト203に接続された信号線204を有している。
【0026】
次に、給電側コネクタ1の各構成要素の構造および位置関係について、
図2および
図4を参照して、より詳細に説明する。
【0027】
外殻シェル101は給電側コネクタ1の外側のカバーであり、筒状の大径部101cと、大径部101cの一端(グリップ102が設けられた端部とは反対側の端部)に設けられ、大径部101cよりも径が小さく、かつ、大径部101cと中心軸が一致するような筒状の小径部101bを有している。
なお、小径部101bの先端101aは面取されている。
【0028】
内部ハウジング103は小径部101bの内周形状に対応した円柱形状の絶縁部材であり、小径部101b内に設けられている。
【0029】
また、内部ハウジング103の端部は外部に露出しており、端部には凹部103aが設けられている。凹部103aには信号コンタクト108が固定されている。
【0030】
ロックレバー104は、受電側コネクタ2と嵌合する向き(外殻シェル101の中心軸方向に沿う向き)を向くように大径部101cに設けられた棒状の部材であり、回転軸104dによって
図4のA1、A2の向き、即ち外殻シェル101の外側および内側の向きに回転可能に設けられている。
【0031】
回転軸104dは、外殻シェル101の軸方向と交差する方向(ここでは直交する方向)を向くようにして、外殻シェル101の大径部101cの内壁に固定されている。
【0032】
回転軸104dにはコイルスプリング104bが設けられており、ロックレバー104が給電側コネクタ1の外側に回転する向き(
図4のA1の向き)に回転力を与えている。
【0033】
また、ロックレバー104は、内部ハウジング103側(小径部101b側)の端部に設けられた係止爪104aを有している。
【0034】
図4では、係止爪104aはロックレバー104の上側、すなわち給電側コネクタ1の外殻シェル101の側面から外側に突出して設けられており、受電側コネクタ2のロック係止部202と係合可能な爪状の形状を有している。
【0035】
また、ロックレバー104は、外殻シェル101の大径部101cの内部に設けられているが、少なくとも係止爪104aが外部に露出している。
【0036】
より具体的には、係止爪104aは、大径部101cと小径部101bの連結部分に設けられた開口部101dから小径部101b側に突出するように外部に露出している。
【0037】
なお、ロックレバー104の、回転軸104dを挟んで係止爪104aと反対側の部分は、リリースレバー105と接触する作用部104cを形成しており、作用部104cは大径部101cの内部に設けられている。
【0038】
マイクロスイッチ106は図示しない常閉接点を有するスイッチであり、信号線109を中継するように接続されている。
【0039】
マイクロスイッチ106は駆動部としてのバネ片106aを有しており、バネ片106aが押圧操作されることにより、図示しない常閉接点が開放され、信号線109の導通が遮断されるようになっている。
【0040】
即ち、マイクロスイッチ106は、いわゆるプッシュタイプのマイクロスイッチである。
【0041】
図4ではマイクロスイッチ106は大径部101cの内部において、ロックレバー104の下側、即ちロックレバー104よりも外殻シェル101の内側に設けられている。
【0042】
さらに、マイクロスイッチ106は、バネ片106aが、係止爪104aと回転軸104dの間の部分である中間部104eに接触可能となるような位置に配置されている。即ち、中間部104eは、バネ片106aを押圧操作可能な位置に配置されている。
【0043】
リリースレバー105はロックレバー104と(投影面が)一部重なるように、ロックレバー104の(グリップ102側の)延長線上に配置された棒状の部材であり、回転軸105cによってロックレバー104と同じ向き、即ち
図4のA1、A2の向きに回転可能に設けられている。
【0044】
即ち、
図4では、リリースレバー105もロックレバー104と同様に、外殻シェル101の軸方向に沿うように配置されており、リリースレバー105を回転可能に保持する回転軸105cは、外殻シェル101の軸方向に交差(ここでは直交)するように外殻シェル101の大径部101cの内壁に固定されている。
【0045】
リリースレバー105は、外殻シェル101の大径部101c内に設けられており、ロックレバー104に近い側の端部がロックレバー104の作用部104cと重なるロックレバー側端部105bを形成している。
【0046】
ロックレバー側端部105bは作用部104cの下面と接触可能に設けられている。
【0047】
さらに、リリースレバー105は、ロックレバー104から遠い側の端部が大径部101cの外部に露出しており、
図4のB1の向き、即ち、外殻シェル101の内側に押圧可能なボタン状のリリースレバー押圧部105aを形成している。
【0048】
具体的には、リリースレバー押圧部105aは大径部101cを超えてグリップ102に達しており、グリップ102に設けられた開口部102aから外部に露出している。
【0049】
なお、回転軸105cにはコイルスプリング105dが設けられており、ロックレバー104に、ロックレバー側端部105bが作用部104cから離れる向き(
図3のA2の向き)に回転力を与えている。
【0050】
次に、コネクタユニット100の係合時のロックレバー104、マイクロスイッチ106、およびリリースレバー105の動作について、
図4〜
図7を参照して説明する。
【0051】
まず、嵌合開始前の状態、即ち、給電側コネクタ1と受電側コネクタ2が全く接触していない状態では、ロックレバー104、マイクロスイッチ106、およびリリースレバー105は
図4に示す状態にある。
【0052】
具体的には、ロックレバー104の中間部104eはマイクロスイッチ106のバネ片106aを押圧しておらず、かつ、リリースレバー105のロックレバー側端部105bもロックレバー104の作用部104cを押圧していない。
【0053】
また、ロックレバー104およびリリースレバー105はそれぞれコイルスプリング104bおよびコイルスプリング105dによって上記した状態に保持されている。
【0054】
より具体的には、ロックレバー104は、コイルスプリング104bによってA1の向きに回転力を与えられているが、
図4の状態では、開口部101dに突き当たっているため、回転軸104dと開口部101dの二箇所で支持され、この状態に保持されている。
【0055】
一方、リリースレバー105は、コイルスプリング105dによってA2の向きに回転力を与えられているが、
図4の状態では開口部102aに突き当たっているため、回転軸105cと開口部102aの二箇所で支持され、この状態に保持されている。
【0056】
次に、
図4に示す状態から、給電側コネクタ1の外殻シェル101の小径部101bが受電側コネクタ2のハウジング201内に挿入される。
【0057】
具体的には、使用者は給電側コネクタ1のグリップ102を握って、先端101aをガイドにして外殻シェル101の小径部101bを受電側コネクタ2のハウジング201内に挿入する。
【0058】
すると、
図6に示すように、ロックレバー104の係止爪104aはハウジング201の内壁と接触し、コイルスプリング104bの弾性力に逆らって回転軸104dを中心にA2の向きに回転して下側(内側)に押し下げられる。
この状態が中途嵌合状態である。
【0059】
この状態では給電側コネクタ1の内部ハウジング103(小径部101b)は、大部分が受電側コネクタ2のハウジング201内にあるが、給電側コネクタ1の信号コンタクト108は、受電側コネクタ2の信号コンタクト203に接触しているのみで、ロックされておらず完全に嵌合していない。
【0060】
そのため、この状態で仮に充電を開始すると漏電が生じ、使用者への感電等の極めて危険な状態が生じる恐れがある。
【0061】
しかしながら、この状態では、押し下げられたロックレバー104の中間部104eがマイクロスイッチ106のバネ片106aを押圧操作するため、マイクロスイッチ106は図示しない常閉接点が開放される。
【0062】
図示しない常閉接点が開放されたマイクロスイッチ106は、信号線109の導通を遮断する。
【0063】
そのため、中途嵌合中は信号線109は導通せず、充電が開始されることはない。
【0064】
次に、
図6の状態からさらに給電側コネクタ1の挿入を進め、係止爪104aがハウジング201の内壁を乗り越えてロック係止部202に達すると、
図7に示すように、ロックレバー104はコイルスプリング104bの弾性力によってA1の向きに回転して、係止爪104aがロック係止部202と係合する。
【0065】
この状態では、中間部104eのバネ片106aへの押圧が解除されるため、マイクロスイッチ106の図示しない常閉接点は再び閉じ、信号線109は導通可能となる。
【0066】
即ち、充電が可能となるため、給電側コネクタ1から受電側コネクタ2へと電流が流れ、充電が行われる。
【0067】
また、この状態では、前述の通り、係止爪104aがロック係止部202と係合しているため、受電側コネクタ2と給電側コネクタ1は互いにロックされた状態にあり、不意に外れる恐れはない。
【0068】
充電が終了すると、今度は使用者はリリースレバー105のリリースレバー押圧部105aをB1の向きに押圧する。
【0069】
すると、
図8に示すように、リリースレバー105はコイルスプリング105dの弾性力に逆らって回転軸105cを中心にA1の向きに回転し、ロックレバー側端部105bが作用部104cと接触してこれを上側(外側)に押圧する。
【0070】
作用部104cが上側(外側)に押圧されると、ロックレバー104はコイルスプリング104bの弾性力に逆らって回転軸104dを中心にA2の向きに回転し、中間部104eおよび係止爪104aが下側(内側)に押し下げられる。
【0071】
押し下げられたロックレバー104の中間部104eはマイクロスイッチ106のバネ片106aを押圧するため、マイクロスイッチ106は図示しない常閉接点が開放される。
【0072】
図示しない常閉接点が開放されたマイクロスイッチ106は、信号線109の導通を遮断する。
【0073】
さらに、押し下げられた係止爪104aはロック係止部202から離れ、係合が解除される。
【0074】
この状態では、給電側コネクタ1と受電側コネクタ2は導通しておらず、またロックもされていないため、漏電の恐れなく給電側コネクタ1を受電側コネクタ2から引き抜くことができる。
【0075】
なお、給電側コネクタ1を受電側コネクタ2から引き抜き、リリースレバー105への押圧を解除すると、ロックレバー104およびリリースレバー105はそれぞれコイルスプリング104bおよびコイルスプリング105dの弾性力によってA1、A2の向きに回転し、
図4に示す嵌合前の状態に戻る。
【0076】
以上が、コネクタユニット100の嵌合時のロックレバー104、マイクロスイッチ106、およびリリースレバー105の動作である。
【0077】
このように、第1の実施形態によれば、給電側コネクタ1は受電側コネクタ2との嵌合状態をロックするロックレバー104、ロックレバー104の中途嵌合を検出して導通を遮断するマイクロスイッチ106を有しており、中途嵌合状態では、ロックレバー104の回転軸104dと係止爪104aの間の操作部(中間部104e)がマイクロスイッチ106を押圧操作して給電側コネクタ1の導通を遮断する。
【0078】
そのため、ロックレバー104は中途嵌合検出に係る部材がロックレバー104の回転軸104dと係止爪104aの間にまとめられており、構造がコンパクトである。
【0079】
また、第1の実施形態によれば、操作部(中間部104e)は回転軸104dと係止爪104aの間にあればよいため、操作部の設計上の制約が小さく、コネクタの小型化・低コスト化が容易である。
【0080】
さらに、第1の実施形態によれば、ロックレバー104は、回転軸104dと係止爪104aの間の寸法、形状に異常がなければ、リリースレバー105の寸法、形状に無関係に中途嵌合を検出できるため、従来よりも確実に中途嵌合を検出できる。
【0081】
次に、第2の実施形態について、
図9を参照して説明する。
【0082】
第2の実施形態は、第1の実施形態において、解除部としてのリリースボタン107をロックレバー104の中間部104eと対向する位置に、外部に露出する態様で設けたものである。
【0083】
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0084】
図9に示すように、第2の実施形態に係る給電側コネクタ1aは、外殻シェル101(大径部101c)の、中間部104eと対向する面が開口されてリリース用開口部120を形成しており、リリース用開口部120には、リリースボタン107が操作部として設けられている。
【0085】
リリースボタン107は側面形状がL字型の形状を有しており、一方の端部がロックレバー104の中間部104eの上面(外側の面)と対向し、他の端部が回転軸107aで外殻シェル101の外側に、
図9のA1、A2の向きに回転可能に保持されている。
【0086】
また、リリースボタン107をA1の向きに付勢する図示しないコイルスプリングが設けられ、
図9の状態(嵌合前の状態、あるいは嵌合時)でリリースボタン107がロックレバー104を押圧しないように、A1の向きに回転力が与えられている。
【0087】
なお、リリースボタン107は、外殻シェル101の外部に露出しているが、リリースボタン107の中間部104eと対向する端部はリリース用開口部120よりも幅広になっており、リリースボタン107がA1の向きに回転してもリリース用開口部120から抜けないようになっている。
【0088】
なお、受電側コネクタ2a(図示せず)の構造は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0089】
次に、コネクタユニット100aの嵌合時のロックレバー104、マイクロスイッチ106、およびリリースボタン107の動作について、
図9を参照して説明する。
【0090】
まず、嵌合前の状態、即ち
図9に示す状態では、ロックレバー104はコイルスプリング104bの弾性力によってA1の向きに回転力を受け、開口部101dに突き当たった状態になっており、マイクロスイッチ106のバネ片106aを押圧していない。
【0091】
また、リリースボタン107は図示しないコイルスプリングの弾性力によってA1の向きに回転力を受けてリリース用開口部120に突き当たった状態になっており、ロックレバー104を押圧していない。
【0092】
次に、
図9に示す状態から、給電側コネクタ1aの小径部101bが受電側コネクタ2aのハウジング201内に挿入される。
【0093】
すると、ロックレバー104の係止爪104aはハウジング201の内壁と接触し、コイルスプリング104bの弾性力に逆らって回転軸104dを中心にA2の向きに回転して下側(内側)に押し下げられる(
図6参照)。
この状態が中途嵌合状態である。
【0094】
この状態では、押し下げられたロックレバー104の中間部104eがマイクロスイッチ106のバネ片106aと接触してこれを押圧操作するため、マイクロスイッチ106は常閉接点が開放される。
【0095】
常閉接点が開放されたマイクロスイッチ106は、信号線109の導通を遮断する。
【0096】
次に、さらに給電側コネクタ1の挿入を進め、係止爪104aがハウジング201の内壁を乗り越えてロック係止部202に達すると、ロックレバー104はコイルスプリング104bの力によってA1の向きに回転し、係止爪104aはロック係止部202と係合する(
図7参照)。
【0097】
この状態では、ロックレバー104の中間部104eはマイクロスイッチ106のバネ片106aから離れるため、マイクロスイッチ106の常閉接点は再び閉じ、信号線109は導通可能となる。
【0098】
即ち、充電が可能となるため、給電側コネクタ1から受電側コネクタ2へと電流が流れ、充電が行われる。
ここまでは第1の実施形態と同様である。
【0099】
充電が終了すると、今度は使用者はリリースボタン107をA2の向きに押圧する。
【0100】
すると、リリースボタン107は図示しないコイルスプリングの弾性力に逆らってA2の向きに回転し、中間部104eに接触してこれを下側(内側)に押圧する。
【0101】
中間部104eが押圧されると、ロックレバー104はコイルスプリング104bの弾性力に逆らって回転軸104dを中心にA2の向きに回転し、中間部104eおよび係止爪104aが下側(内側)に押し下げられる。
【0102】
押し下げられたロックレバー104の中間部104eはマイクロスイッチ106のバネ片106aを押圧操作するため、マイクロスイッチ106は図示しない常閉接点が開放される。
【0103】
図示しない常閉接点が開放されたマイクロスイッチ106は、信号線109の導通を遮断する。
【0104】
さらに、押し下げられた係止爪104aはロック係止部202から離れ、係合が解除される。
【0105】
この状態では給電側コネクタ1aと受電側コネクタ2a間の導通は遮断されており、また係合も解除されているため、漏電の恐れなく給電側コネクタ1aを受電側コネクタ2aから引き抜くことができる。
【0106】
以上がコネクタユニット100aの係合時のロックレバー104、マイクロスイッチ106、およびリリースボタン107の動作である。
【0107】
このように、第2の実施形態によれば、給電側コネクタ1aは受電側コネクタ2aとの嵌合状態をロックするロックレバー104、ロックレバー104の中途嵌合を検出して導通を遮断するマイクロスイッチ106を有しており、中途嵌合状態では、ロックレバー104の中間部104eがマイクロスイッチ106を押圧操作して給電側コネクタ1aの導通を遮断する。
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0108】
また、第2の実施形態によれば、給電側コネクタ1aは、リリースボタン107がロックレバー104の中間部104eと対向するように外部に露出して設けられており、リリースボタン107が中間部104eを直接押圧することにより、ロックを解除する。
【0109】
そのため、第1の実施形態と比べてリリースレバー105が不要となり、また中途嵌合検出に係る部材だけでなく、係合の解除に係る部材もロックレバー104の回転軸104dと係止爪104aの間にまとめられており、構造がよりコンパクトで小型化・低コスト化が容易になる。
【0110】
次に、第3の実施形態について、
図10および
図11を参照して説明する。
【0111】
第3の実施形態は、第1の実施形態において、作用部104cに嵌合検知部110を設けたものである。
【0112】
なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0113】
図10に示すように、第3の実施形態に係る給電側コネクタ1bは、作用部104cに、外殻シェル101の大径部101cの外側に向けて突出して設けられた、中途嵌合を視認するための嵌合検知部110を有している。
【0114】
嵌合検知部110は必要に応じて端部が視認性を高めるような色で着色されていてもよいし、あるいは視認性を高めるような着色部材が貼り付けられていてもよい。
【0115】
また、外殻シェル101(大径部101c)の、嵌合検知部110と対向する面は、嵌合検知部110に対応した形状に開口しており、嵌合検知窓111を形成している。
【0116】
このように、給電側コネクタ1aは、作用部104cを設計上自由に使用することができるため、上記のような嵌合検知部110を設けることができる。
【0117】
次に、第3の実施形態に係るコネクタユニット100bの係合時の嵌合検知部110の動作について、
図10および
図11を参照して説明する。
【0118】
なお、他の部材の動作については第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0119】
まず、
図10に示す状態、即ち給電側コネクタ1bを受電側コネクタ2b(図示せず)に嵌合する前の状態では、嵌合検知部110は外殻シェル101(大径部101c)の内部に収納されており、外殻シェル101からは露出していない。
【0120】
次に、
図11に示す中途嵌合状態、即ち、ロックレバー104の係止爪104aがハウジング201の内壁と接触してA2の向きに回転し、下側(内側)に押し下げられた状態では、作用部104cは逆に上側(外側)に押し上げられるため、嵌合検知部110も上側(外側)に押し上げられ、嵌合検知窓111から外殻シェル101(大径部101c)の外部に露出する。
【0121】
この状態では、使用者は、露出した嵌合検知部110を視認することができ、これにより、給電側コネクタ1bが中途嵌合状態にあること、即ち、充電を開始すべきでないことを視覚的に認識できる。
【0122】
そのため、給電側コネクタ1bの使用上の安全性(例えば感電の防止)をさらに高めることができる。
【0123】
なお、
図11の状態から、さらに給電側コネクタ1bの挿入を進め、係止爪104aがハウジング201の内壁を乗り越えてロック係止部202に達すると、ロックレバー104はコイルスプリング104bの弾性力によってA1の向きに回転し、係止爪104aはロック係止部202と係合する(
図7参照)。
【0124】
この状態では、作用部104cは
図11の状態から下側(内側)に押し上げられるため、嵌合検知部110も下側(内側)に押し下げられ、
図10に示すように、外殻シェル101(大径部101c)の内部に戻る。
【0125】
この状態では、使用者は、嵌合検知部110を視認することができないため、これにより、給電側コネクタ1bが中途嵌合状態にないこと、即ち、充電を開始してもよいことを視覚的に認識できる。
【0126】
このように、第3の実施形態によれば、給電側コネクタ1bは受電側コネクタ2bとの嵌合状態をロックするロックレバー104、ロックレバー104の中途嵌合を検出して導通を遮断するマイクロスイッチ106(
図10、
図11ではマイクロスイッチ106は省略してある)を有しており、中途嵌合状態では、ロックレバー104の回転軸104dと係止爪104aの間の中間部104eがマイクロスイッチ106を押圧操作して給電側コネクタ1bの導通を遮断する。
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0127】
また、第3の実施形態によれば、給電側コネクタ1bは作用部104cに、外殻シェル101側に突出して設けられた、中途嵌合を視認するための嵌合検知部110を有しており、中途嵌合状態では、嵌合検知部110が外部に露出する。
【0128】
そのため、電気的にも、視覚的にも中途嵌合の検出ができ、第1の実施形態と比べてより使用上の安全性を高めることができる。