(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5970634
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】洗濯機用かさ上げ工具
(51)【国際特許分類】
D06F 39/00 20060101AFI20160804BHJP
D06F 39/12 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
D06F39/00 Z
D06F39/12
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-133585(P2012-133585)
(22)【出願日】2012年6月13日
(65)【公開番号】特開2013-255683(P2013-255683A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313002122
【氏名又は名称】ヨコイテック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】横井 正温
【審査官】
山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−240545(JP,A)
【文献】
特開2003−245499(JP,A)
【文献】
特開2011−147590(JP,A)
【文献】
特開2008−220477(JP,A)
【文献】
特開平11−226293(JP,A)
【文献】
特開2002−035484(JP,A)
【文献】
米国特許第02812189(US,A)
【文献】
欧州特許第02508114(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00
D06F 39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の床面に一定空隔を置いて直立設置された洗濯機本体を作業手前側に傾けて、該洗濯機の背面側から、縦方向の後方かさ上げ台板を挿入して、洗濯機本体の底面に位置させて後方かさ上げ台板を水平状態とすると共に、洗濯機本体を背面側に傾けて、手前側から挿入される一対の前方かさ上げ台板とであって、
この後方かさ上げ台板を下端にて反転自在に軸支持する支持棒と、この支持棒に副わせて備えられると共に、下端を前記後方かさ上げ台板に連結し、且つ手元の上下動操作によって後方かさ上げ台板を縦方向から洗濯機本体側の水平方向に反転させる操作ロープとで成したことを特徴とする洗濯機用かさ上げ工具。
【請求項2】
前記後方かさ上げ台板の支持棒は、下端を丁番に連結すると共にスプリングにて、後方かさ上げ台板の前方に常時押圧され、かつ操作ロ−プの上端を上下運動させて後方かさ上げ台板の反転操作を可能にすると共に、洗濯機本体の背面側脚と防水パンとの間に後方かさ上げ台板を挿入し、続けて洗濯機本体の前面側脚と防水パンとの間に前方かさ上げ台板を挿入して、洗濯機をかさ上げする様にしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯機用かさ上げ工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機を一時的に置くかさ上げする工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に洗濯機の設置場所は、台所、洗面所、浴室等の近傍の床面上に防水パンを介して設置されている。
【0003】
しかるに、洗濯機本体と防水パンとの空間は狭く排水管の掃除、防水パンの掃除、排水管の清掃、洗濯機下部の点検等の作業時は洗濯機本体が妨げになり手、ホ−ス等が入らない。
【0004】
これにより作業スペ−スを得るために前記洗濯機本体を一時的にかさ上げするか移動させなければならない。
【0005】
この場合、前記濯機本体周囲にスペ−スがあれば、洗濯機の前面側、背面側脚と防水パンの間にかさ上げ台板を挿入することは容易であるが、前記洗濯機本体周囲にスペ−スが無い時は作業スペ−スを得る為に、前記洗濯機本体の前面側を高く持ち上げて高いかさ上げ台板を挿入すると、前記洗濯機本体の背面側上部が後部壁面に当たり作業スペ−スを確保する程前記洗濯機本体の前面側を高く持ち上げることは出来ない。
【0006】
よって前記洗濯機本体を移動させなければならないが、洗濯機本体は機種により重量が80Kg以上のもあり移動させるのに二人が必要で、かつ仮り置きするスペ−スも必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−36268
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで前述の問題点を解決して、排水管の掃除、防水パンの掃除、排水管の清掃、洗濯機下部の点検等の際に一時的にかさ上げができるようにした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
所定の床面に一定の空隔を置いて直立設置された洗濯機本体を作業手前側に傾けて、該洗濯機本体の背面側から挿入して、洗濯機本体の底面に位置させて水平状態とすると共に、手前側から挿入される前方かさ上げ台板と一対の後方かさ上げ台板とであって、
この後方かさ上げ台板を下端にて反転自在に軸支持する支持棒と、
この支持棒に副わせて備えられると共に、下端を前記後方かさ上げ台板に連結し、且つ手元の上下動操作によって後方かさ上げ台板を縦方向から水平方向に反転させる操作ロープとで成した。
【発明の効果】
【0010】
(1)請求項1により本発明のかさ上げ工具は重量家電製品でも一人でかさ上げすることが出来、排水管の掃除、防水パンの掃除、排水管の清掃、洗濯機下部の点検等作業が容易に行うことができる。
【0011】
(2)請求項2により後方かさ上げ台板と支持棒の連結はスプリング丁番を用いて反転操作が容易に出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図9】ドラム式洗濯機の後方かさ上げ状態を示す動作図
【
図11】ドラム式洗濯機の前方かさ上げ状態を示す動作図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明をドラム式洗濯機6を実施例に基いて説明すると,
図9はドラム式洗濯機6の後方かさ上げ状態を示す動作図である。
【0014】
先ず前記ドラム式洗濯機6を直立状態
図1から作業手前側Xに傾斜(矢印方向a)させることによって前記ドラム洗濯機前面側脚6aは荷重支持され、てこの原理で前記ドラム式洗濯機背面側脚6bが浮き上がり前記ドラム式洗濯機6の背面側Yと後部壁面8、前記ドラム式洗濯機背面脚6bと防水パン7との間に空間を得、その状態を保持する。
【0015】
次に、後方かさ上げ台板3に連結された支持棒上部1aを保持し、かつその手元で前記後方かさ上げ台板3と操作ロ−プ4で繋がった直近のリンク4aを保持すると共に、その上下動作により前記後方かさ上げ台板3を反転させて、前記で得た空間を通し、前記ドラム式洗濯機背面脚6b と防水パン7の間に挿入する。
【0016】
続いて、
図11はドラム式洗濯機6の前方かさ上げ状態を示す動作図である。
【0017】
前記後方かさ上げを成した前記ドラム式洗濯機6の前面側Xを保持し(矢印方向b)、前記ドラム式洗濯機前部脚6aと防水パン7の間に前方かさ上げ台板5を左右に挿入すると、その中央に手が入る空間が生じ作業スペ−スが得られる。
【0018】
その後、支持棒1と後方かさ上げ台板3の連結はスプリング丁番2を用い、後方かさ上げ台板3を反転させる為に、支持棒1に第一羽根2aを固定し前記後方かさ上げ台板3に固定した鉄板10に第二羽根2bを固定した。
【0019】
更に、保持した手元の上下動作で後方かさ上げ台板3を反転させる為に、操作ロ−プ4の一端を鉄板10に取り付け他端を支持棒上端1aで結び、かつ支持棒上部1aの手元付近の前記操作ロ−プ4の途中にリング4aを複数個取付け、各種洗濯機の高さに合わせてリング4aを選択できるようにした。
【0020】
次に、後方かさ上げ台板3の芯材は軽量で所定の強度もつ発泡スチロ−ル3bを用い、その表面には強度と緩衝性のあるシ−ト3aを貼り、前記発泡スチロ−ル3bを保護すると共に鉄板10が発泡スチロ−ル3bと剥離するのを防ぐ、また前方かさ上げ台板5の芯材と表面は後方かさ上げ台板3と共通にし、しかも幅は左右に挿入した時中央に手が入る空間が生じるサイズにした。
【0021】
支持棒1の長さは洗濯機の高さと同じかそれ以上必要で、以上の機種も在り収納と携行を考慮して支持棒1は支持棒上部1aと分割可能にし、後方かさ上げ台板3は支持棒1と脱着可能にし、更に操作ロ−プ4は後方かさ上げ台板3と分離できるようにした。
【符号の説明】
【0022】
1 支持棒
2 スプリング丁番
3 後方かさ上げ台板
4 操作ロ−プ
5 前方かさ上げ台板
6 ドラム式洗濯機
7 防水パン
8 後部壁面
9 床面
10 鉄板