【実施例】
【0015】
図1に示すように、車両1の前端部には、フロントバンパー11が車幅方向に延設されており、このフロントバンパー11の上部及び下部には、複数の上部通風口11a及び下部通風口11bが形成されている。
【0016】
また、フロントバンパー11の後方には、枠状のラジエータサポートメンバ12が設けられている。このラジエータサポートメンバ12は、上辺部をなすラジエータサポートアッパ12aと、下辺部をなすラジエータサポートロア12bと、縦辺部をなす左右一対のラジエータサポートサイド12cとから構成されている。なお、
図1においては、左右一対のラジエータサポートサイド12cのうち、車幅方向左側に配置されるラジエータサポートサイド12cのみを図示している。
【0017】
ラジエータサポートアッパ12aは、車幅方向に延設されており、ラジエータサポートロア12bは、そのラジエータサポートアッパ12aの下方に配置されると共に、車幅方向に延設されている。そして、ラジエータサポートサイド12cは、ラジエータサポートアッパ12aとラジエータサポートロア12bとの端部同士を上下方向に連結している。
【0018】
更に、ラジエータサポートメンバ12の枠内部(開口部)、即ち、ラジエータサポートアッパ12aとラジエータサポートロア12bとラジエータサポートサイド12cとにより囲まれた部分には、熱交換器20が設けられている。この熱交換器20は、その上部及び下部が、ラジエータサポートアッパ12a及びラジエータサポートロア12bに、それぞれ支持されることにより、車両前後方向において、フロントバンパー11の上部通風口11a及び下部通風口11bと対向するように配置されている。
【0019】
なお、上述した熱交換器20は、空調装置のコンデンサ21と、エンジンの冷却水を冷却するためのラジエータ22とを一体化したものであって、コンデンサ21と、このコンデンサ21の後方に配置されるラジエータ22とを、車両前後方向で重ね合わせた構成となっている。
【0020】
また、車幅方向両側部には、車体骨格部材である左右一対のフロントサイドメンバ13が車両前後方向に延設されている。なお、
図1においては、左右一対のフロントサイドメンバ13のうち、車幅方向左側に配置されるフロントサイドメンバ13のみを図示している。
【0021】
更に、フロントサイドメンバ13の各前端部側には、ラジエータサポートアッパ12aの左右両下端部と、ラジエータサポートサイド12cの各上端部とが、それぞれ接続されている。また、フロントサイドメンバ13の前端部間には、バンパービーム14が接続されている。このバンパービーム14は、ラジエータサポートメンバ12に固定された熱交換器20の前方を横切るように、車幅方向に延設されるものであって、その左右両端部が、フロントフロントサイドメンバ13の各前端部に、それぞれ支持されている。
【0022】
そして、バンパービーム14の前面には、枠状のエアガイド30が、熱交換器20と対向するように支持されている。即ち、エアガイド30は、車両前後方向において、フロントバンパー11と熱交換器20との間に設けられており、その上部通風口11a及び下部通風口11bから導入された外気(走行風)を、当該上部通風口11a及び下部通風口11bから熱交換器20まで案内する通風路を形成するものとなっている。これにより、上部通風口11a及び下部通風口11bから導入された外気は、効率良く熱交換器20に案内されるため、その外気と熱交換器20の各冷媒との間においては、熱交換の促進が図られるようになっている。
【0023】
ここで、
図1乃至
図3に示すように、エアガイド30は、エアガイド本体となるフレーム部材31と、このフレーム部材31の前面及び後面に接着剤等によって取り付けられる前側シール部材32及び後側シール部材33とから構成されている。つまり、エアガイド30は、フロントバンパー11と熱交換器20との間に通風路を形成するためのシール部材32,33が、バンパービーム14の前後において、分割された構成となっており、それらシール部材32,33をフレーム部材31を介して連結するこことにより、エアガイド30内に通風路が形成されることになる。
【0024】
フレーム部材31は、樹脂材料を用いて枠状に成形されたものであって、車幅方向に延設される上枠部31a及び下枠部31bと、上枠部31aの左右両端部と下枠部31bの左右両端部とをそれぞれ連結する左右一対の縦枠部31cとから構成されている。更に、縦枠部31cの上下方向中間部には、取付部31dが車幅方向外側に向けて拡幅するように形成されている。即ち、フレーム部材31における左右一対の取付部31dは、クリップやねじ等を用いることにより、バンパービーム14の前面に対して、着脱可能となっている。そして、取付部31dをバンパービーム14に固定することにより、フレーム部材31がバンパービーム14に支持されることになる。
【0025】
なお、フレーム部材31の前面は、上枠部31a、下枠部31b、及び、縦枠部31cの各前面によって形成される面であって、フレーム部材31の後面は、上枠部31a、下枠部31b、及び、縦枠部31cの各後面によって形成される面となっている。
【0026】
また、前側シール部材32及び後側シール部材33は、弾性材料から形成されている。そして、前側シール部材32は、フレーム部材31の前面の形状、上部通風口11a及び下部通風口11bの形状及び開口位置等に対応するように構成されており、その前端縁32aが、フロントバンパー11の後面に対して圧接されて、これに隙間無く密着している。一方、後側シール部材33は、フレーム部材31の後面の形状、バンパービーム14の横断面形状及び延設位置、熱交換器20の形状等に対応するように構成されており、その後端縁33aが、熱交換器20の前面に対して圧接されて、これに隙間なく密着している。
【0027】
従って、本発明に係る車両用エアガイド構造によれば、エアガイド30を、バンパービーム14に装着可能な枠状のフレーム部材31と、このフレーム部材31の前面及び後面に取り付けられる前側シール部材32及び後側シール部材33とから構成することにより、前側シール部材32及び後側シール部材33をフレーム部材31に予め取り付けることができるので、フレーム部材31をバンパービーム14に装着するだけで、エアガイド30を、フロントバンパー11及び熱交換器20に対して、高精度に取り付けることができる。即ち、エアガイド30をバンパービーム14に装着し、更に、フロントバンパー11を車体側に取り付けるだけで、前側シール部材32をフロントバンパー11の後面に容易に密着させることができると共に、後側シール部材33を熱交換器20の前面に容易に密着させることができる。
【0028】
また、本発明に係る車両用エアガイド構造では、フレーム部材31を、前側シール部材32及び後側シール部材33によって、車両前後方向両側から挟み込むような、2分割シール構造を採用することにより、前側シール部材32及び後側シール部材33における車両前後方向の長さを短くすることができる。これにより、フロントバンパー11の上部通風口11a及び下部通風口11bから導入された外気の風圧が大きかったり、浸入した洗車水の水圧が大きかったりした場合でも、前側シール部材32及び後側シール部材33における車両前後方向の長さを短くすることができた分、当該前側シール部材32及び後側シール部材33に、倒れ、めくれ、剥がれが生じることがなくなるため、エアガイド30のシール性の低下を防止することができる。