(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
印刷要求に係る利用者が利用可能な印刷装置のリストであって、且つ、前記印刷要求に係る利用者が利用可能な複数の印刷装置ごとの利用が許可された機能の情報を含むリストを前記利用者に提供する提供手段と、
前記提供されたリストから前記印刷要求に係る利用者により選択された印刷装置を特定する特定手段と、
利用者ごとに利用が許可された印刷装置の機能を保持する保持手段から、前記特定された利用者が前記特定された印刷装置について利用が許可された機能の情報を取得する取得手段と、
前記特定された印刷装置及び前記取得手段により取得された機能の組に対応した仮想印刷装置を、前記特定された利用者に関連付けて登録する登録手段と、を含む
ことを特徴とする登録装置。
印刷要求に係る利用者が利用可能な印刷装置のリストであって、且つ、前記印刷要求に係る利用者が利用可能な複数の印刷装置ごとの利用が許可された機能の情報を含むリストを前記利用者に提供する提供手段と、
前記提供されたリストから前記印刷要求に係る利用者により選択された印刷装置を特定する特定手段と、
利用者ごとに利用が許可された印刷装置の機能を保持する保持手段から、前記特定された利用者が前記特定された印刷装置について利用が許可された機能の情報を取得する取得手段と、
前記特定された印刷装置及び前記取得手段により取得された機能の組に対応した仮想印刷装置を、前記特定された利用者に関連付けて登録する登録手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
図1には、本発明の第1の実施形態に係る印刷システム1のシステム構成図を示した。
図1に示されるように、第1の実施形態に係る印刷システム1は、クライアント装置10、プリンタ管理サーバ20、プリンタ30、認証サーバ40を含み、クライアント装置10、プリンタ管理サーバ20、プリンタ30はインターネット等の第1のネットワーク50に接続して相互にデータ通信可能に接続されるとともに、プリンタ30と認証サーバ40はローカルエリアネットワーク等の第2のネットワーク60を介して相互にデータ通信可能に接続される。
【0021】
クライアント装置10は、ユーザにより操作されるコンピュータである。また、
図1にはクライアント装置10の構成の一例を示した。
図1に示されるように、クライアント装置10は、制御部100、記憶部102、通信部104、表示制御部106、入力受付部108を備え、各部はバス110を介して相互にデータ通信する。
【0022】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部102に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともにクライアント装置10の各部を制御する。
【0023】
記憶部102は、クライアント装置10のオペレーティングシステム等の制御プログラムやウェブブラウザ等のアプリケーションプログラムやデータを記憶するほか、制御部100のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態でクライアント装置10に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介してクライアント装置10に供給されてもよい。
【0024】
通信部104は、ネットワークカードを含み、ネットワークカードを介して第1のネットワーク50に接続して、第1のネットワーク50に接続された他の装置(例えばプリンタ管理サーバ20やプリンタ30等)とデータ通信する。
【0025】
表示制御部106は、クライアント装置10に内蔵、又は外部接続された液晶ディスプレイ等の表示手段と接続し、表示手段にクライアント装置10における情報処理の結果(画面)を表示させる。
【0026】
入力受付部108は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段と接続し、入力手段からユーザの情報入力を受け付ける。
【0027】
プリンタ管理サーバ20は、ユーザのアカウント情報(プリンタ管理サーバ20で管理されるユーザの識別情報をクラウドユーザIDと称する)ごとにユーザが登録した仮想プリンタ(論理プリンタ)の情報を管理するとともに、クライアント装置10から受け付けた印刷指示に基づいて印刷データ(印刷ジョブ)を生成して、仮想プリンタに対応する(実体の)プリンタ30に印刷データを送信して印刷処理を実行させるコンピュータである。なお、本実施形態における仮想プリンタとは、プリンタ30のプリンタドライバ、プリンタ30のアドレス情報、プリンタ30の機種情報、プリンタ30で利用可能な機能のリスト等が紐付けられた論理プリンタ情報である。
【0028】
図1にはプリンタ管理サーバ20の構成の一例を示した。
図1に示されるように、プリンタ管理サーバ20は、制御部200、記憶部202、通信部204を備え、各部はバス206を介して相互にデータ通信する。
【0029】
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部202に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともにプリンタ管理サーバ20の各部を制御する。
【0030】
記憶部202は、プリンタ管理サーバ20のオペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部200のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態でプリンタ管理サーバ20に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介してプリンタ管理サーバ20に供給されてもよい。
【0031】
記憶部202には、ユーザのアカウント情報(クラウドユーザID)ごとにユーザが登録した仮想プリンタ(論理プリンタ)の情報や、ユーザが保持する印刷対象のデータ(アプリケーションデータや印刷ジョブデータ等)が関連付けて記憶されることとしてよい。
【0032】
通信部204は、ネットワークカードを含み、ネットワークカードを介して第1のネットワーク50に接続して、第1のネットワーク50に接続された他の装置(例えばクライアント装置10やプリンタ30等)とデータ通信する。
【0033】
プリンタ30は、通信機能及び印刷処理に関する複数の機能を有する画像形成装置である。
図1にはプリンタ30の構成の一例を示した。
図1に示されるように、プリンタ30は、制御部300、記憶部302、通信部304、画像形成部306、操作パネル部308を備え、各部はバス310を介して相互にデータ通信する。
【0034】
制御部300は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部302に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともにプリンタ30の各部を制御する。
【0035】
記憶部302は、プリンタ30の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部300のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態でプリンタ30に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介してプリンタ30に供給されてもよい。
【0036】
通信部304は、ネットワークカードを含み、ネットワークカードを介して第1のネットワーク50及び第2のネットワーク60に接続して、第1のネットワーク50に接続された他の装置(例えばクライアント装置10やプリンタ管理サーバ20等)とデータ通信するとともに、第2のネットワーク60に接続された他の装置(例えば認証サーバ40)とデータ通信する。
【0037】
画像形成部306は、制御部300から入力される画像形成命令(印刷ジョブ)に従って、印刷媒体上に画像を形成するものである。例えば、画像形成部306は、レーザプリンタ方式により画像を形成してもよいし、インクジェットプリンタ方式により画像を形成することとしてもよい。本実施形態では、画像形成部306は、片面/両面印刷機能、カラー/モノクロ印刷機能、ホチキス機能、穴あけ(パンチ)機能等の複数の印刷機能を備えていることとする。
【0038】
操作パネル部308は、液晶ディスプレイ等の表示装置と、ボタン式やタッチパネル式等の入力装置とを備えた表示機能付き入力装置である。操作パネル部308はプリンタ30を操作するユーザとの対話型インターフェースとして機能する。
【0039】
認証サーバ40は、ユーザのアカウント情報(認証サーバ40で管理されるユーザの識別情報をローカルユーザIDと称する)に関連付けて、プリンタ30に備えられた機能のうち当該ユーザに利用が許可された機能の情報を管理するコンピュータである。
【0040】
図1には認証サーバ40の構成の一例を示した。
図1に示されるように、認証サーバ40は、制御部400、記憶部402、通信部404を備え、各部はバス406を介して相互にデータ通信する。
【0041】
制御部400は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部402に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともに認証サーバ40の各部を制御する。
【0042】
記憶部402は、認証サーバ40のオペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部400のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態で認証サーバ40に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介して認証サーバ40に供給されてもよい。
【0043】
図2には、記憶部402に記憶されるユーザごとに付与される利用権限情報の一例を示した。
図2に示された利用権限情報では、ユーザを識別するユーザID(ローカルユーザID)に関連付けて、片面/両面印刷機能、カラー/モノクロ印刷機能、ホチキス機能、穴あけ(パンチ)機能のそれぞれについての利用可否が記憶される。
【0044】
通信部404は、ネットワークカードを含み、ネットワークカードを介して第2のネットワーク60に接続して、第2のネットワーク60に接続された他の装置(例えばプリンタ30等)とデータ通信する。
【0045】
次に、
図3A及び
図3Bに示されたシーケンス図を参照しながら、第1の実施形態に係る印刷システム1において行われる処理の流れを説明する。なお、第1の実施形態に係る印刷システム1では、プリンタ30がプリンタ管理サーバ20に、ユーザが印刷処理に利用する仮想プリンタを登録する登録装置として機能することとする。
【0046】
図3Aに示されるように、クライアント装置10は、ユーザから、認証サーバ40にログインするための第1の認証情報(例えばローカルユーザID、パスワード)と、プリンタ管理サーバ20にログインするための第2の認証情報(例えばクラウドユーザID、パスワード)の入力を受け付けて(S1001)、受け付けた第1及び第2の認証情報をプリンタ30に送信する(S1002)。
【0047】
プリンタ30は、クライアント装置10から受信した第1の認証情報(ローカルユーザID、パスワード)を用いて、ローカルユーザIDにより識別されるユーザが利用可能な印刷機能を認証サーバ40に問い合わせる(S1003)。
【0048】
認証サーバ40は、記憶部402に記憶された利用権限情報を参照して、第1の認証情報に含まれるローカルユーザIDに関連付けて記憶された機能の情報(利用可能機能情報)を取得し(S1004)、取得した利用可能機能情報をプリンタ30に送信する(S1005)。
【0049】
プリンタ30は、クライアント装置10から受信した第2の認証情報(クラウドユーザID、パスワード)を用いてプリンタ管理サーバ20にログインするとともに(S1006)、クライアント装置10から受信した利用可能機能情報に基づきプリンタ30の利用機能を設定した仮想プリンタ情報の登録をプリンタ管理サーバ20に要求する(S1007)。
【0050】
プリンタ管理サーバ20は、プリンタ30から受信した仮想プリンタ情報をクラウドユーザIDに関連付けて登録する(S1008)。プリンタ管理サーバ20は、仮想プリンタ情報を登録した後に、仮想プリンタの登録完了をプリンタ30に通知し(S1009)、プリンタ30は、プリンタ管理サーバ20から登録完了の通知を受けると、クライアント装置10に登録完了の旨を通知する(S1010)。
【0051】
次に、
図3Bに示されるように、クライアント装置10は、第2の認証情報(クラウドユーザID、パスワード)を用いてプリンタ管理サーバ20にログインし(S1011)、クライアント装置10又はプリンタ管理サーバ20にユーザに関連付けて記憶されるデータの中から印刷対象のデータの指定をユーザから受け付け(S1012)、出力先プリンタにクラウドユーザIDに関連付けて登録された仮想プリンタが選択されると(S1013)、仮想プリンタについての印刷設定画面(例えば、
図4を参照)を表示する(S1014)。
図4に示されるように、印刷設定画面は、仮想プリンタ情報に指定された利用可能機能情報に基づいて表示されるものであり、ユーザについて利用が許可された機能の印刷パラメータのみが指定可能となっている。
【0052】
クライアント装置10は、印刷設定画面で「印刷」ボタンが押下されると、出力先の仮想プリンタと、S1012で指定された印刷対象のデータと、印刷設定画面に入力された情報に基づいて生成した印刷設定情報とに基づき生成した印刷指示情報をプリンタ管理サーバ20に送信する(S1015)。
【0053】
プリンタ管理サーバ20は、クライアント装置10から受信した印刷指示情報に基づいて、出力先の仮想プリンタに応じた出力形式の印刷データ(印刷ジョブ)を生成する(S1016)。例えば、プリンタ管理サーバ20は、クライアント装置10が生成した形式の第1の印刷データを、出力先のプリンタ30が対応する形式の第2の印刷データに変換することで、印刷データ(印刷ジョブ)の生成を行うこととしてよい。そして、プリンタ管理サーバ20は、S1016で生成した印刷データを、出力先のプリンタ30に送信する(S1017)。
【0054】
プリンタ30は、プリンタ管理サーバ20から受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する(S1018)。
【0055】
プリンタ30は、クライアント装置10から受け付けたログアウト(認証解除)要求に応じて(S1019)、プリンタ30がプリンタ管理サーバ20からログアウトすると(S1020)、プリンタ管理サーバ20は、それまでログインしていたクラウドユーザIDに関連付けて登録された仮想プリンタ情報を削除して(S1021)、処理を終了する。
【0056】
第1の実施形態に係る印刷システム1では、ユーザごとに利用可能な印刷の機能が定められた認証サーバ40と、仮想プリンタを管理するプリンタ管理サーバ20とが独立し、両者が連携しない場合であっても、ユーザが印刷に用いるプリンタ30を仮想プリンタとしてプリンタ管理サーバ20に登録する際に、仮想プリンタで利用可能な機能を認証サーバ40でユーザに許可された機能に基づいて設定可能となる。これにより、ユーザや管理者が、ユーザの利用権限に対応した仮想プリンタを手作業で登録する場合に比べて、負担が著しく軽減される。さらに、プリンタ30がプリンタ管理サーバ20にログアウトした後に仮想プリンタを削除するようにすれば、プリンタ管理サーバ20に登録された仮想プリンタを常にユーザの最新の利用権限に対応するように更新可能となる。
【0057】
また、上記の実施形態では、ユーザの利用権限情報を認証サーバ40が保持し、プリンタ30が認証サーバ40から利用権限情報を得ることとしたが、利用権限情報をプリンタ30が保持するようにしても構わない。
【0058】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る印刷システム1について説明する。第2の実施形態に係る印刷システム1は、プリンタ30が操作パネル部308を介してユーザからの入力を直接受け付けて、仮想プリンタの登録、印刷指示をプリンタ管理サーバ20に対して行う点で、第1の実施形態に係る印刷システム1と相違している。以下、第2の実施形態に係る印刷システム1の詳細を説明する。
【0059】
図5には、第2の実施形態に係る印刷システム1のシステム構成図を示した。
図5に示されるように、第2の実施形態に係る印刷システム1は、プリンタ管理サーバ20、プリンタ30、認証サーバ40を含み、プリンタ管理サーバ20、プリンタ30はインターネット等の第1のネットワーク50に接続して相互にデータ通信可能に接続されるとともに、プリンタ30と認証サーバ40はローカルエリアネットワーク等の第2のネットワーク60を介して相互にデータ通信可能に接続される。なお、プリンタ管理サーバ20、プリンタ30、認証サーバ40のそれぞれのハードウェア構成は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0060】
ここで、
図6A及び
図6Bに示されたシーケンス図を参照しながら、第2の実施形態に係る印刷システム1において行われる処理の流れを説明する。なお、第2の実施形態に係る印刷システム1においても、第1の実施形態と同様に、プリンタ30がユーザが印刷処理に利用する仮想プリンタをプリンタ管理サーバ20に登録する登録装置として機能することとする。
【0061】
図6Aに示されるように、プリンタ30は、ユーザから操作パネル部308を介して、認証サーバ40にログインするための第1の認証情報(例えばローカルユーザID、パスワード)と、プリンタ管理サーバ20にログインするための第2の認証情報(例えばクラウドユーザID、パスワード)の入力を受け付ける(S2001)。
【0062】
プリンタ30は、S2001で受け付けた第1の認証情報(ローカルユーザID、パスワード)を用いて認証サーバにログインし(S2002)、ローカルユーザIDにより識別されるユーザが利用可能な印刷機能を認証サーバ40に問い合わせる(S2003)。
【0063】
認証サーバ40は、記憶部402に記憶された利用権限情報を参照して、第1の認証情報に含まれるローカルユーザIDに関連付けて記憶された機能の情報(利用可能機能情報)を取得し(S2004)、取得した利用可能機能情報をプリンタ30に送信する(S2005)。
【0064】
プリンタ30は、S2001で受け付けた第2の認証情報(クラウドユーザID、パスワード)を用いてプリンタ管理サーバ20にログインするとともに(S2006)、S2005で送信された利用可能機能情報に基づきプリンタ30の利用機能を設定した仮想プリンタ情報の登録をプリンタ管理サーバ20に要求する(S2007)。
【0065】
プリンタ管理サーバ20は、プリンタ30から受信した仮想プリンタ情報をクラウドユーザIDに関連付けて登録する(S2008)。プリンタ管理サーバ20は、仮想プリンタ情報を登録した後に、仮想プリンタの登録完了をプリンタ30に通知する(S2009)。
【0066】
次に、
図6Bに示されるように、プリンタ30が、プリンタ30又はプリンタ管理サーバ20にユーザに関連付けて記憶されるデータの中から印刷対象のデータの指定をユーザから受け付け(S2010)、出力先にクラウドユーザIDに関連付けて登録された仮想プリンタ情報の選択をユーザから受け付けると(S2011)、仮想プリンタ情報についての印刷設定画面(例えば、
図4を参照)を表示する(S2012)。印刷設定画面は、仮想プリンタ情報に指定された利用可能機能情報に基づいて表示されるものであり、ユーザについて利用が許可された機能の印刷パラメータのみが指定可能となっている。
【0067】
プリンタ30は、印刷設定画面で「印刷」ボタンが押下されると、出力先の仮想プリンタ情報と、S2010で指定された印刷対象のデータと、印刷設定画面に入力された情報に基づいて生成した印刷設定情報とに基づき生成した印刷指示情報をプリンタ管理サーバ20に送信する(S2013)。
【0068】
プリンタ管理サーバ20は、プリンタ30から受信した印刷指示情報に基づいて、出力先の仮想プリンタ情報に応じた出力形式の印刷データ(印刷ジョブ)を生成する(S2014)。次に、プリンタ管理サーバ20は、S2014で生成した印刷データを、出力先のプリンタ30に送信する(S2015)。
【0069】
プリンタ30は、プリンタ管理サーバ20から受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する(S2016)。
【0070】
プリンタ30は、ユーザからプリンタ管理サーバ20からのログアウト(認証解除)要求を受け付けると(S2017)、プリンタ管理サーバ20からログアウトし(S2018)、プリンタ管理サーバ20は、それまでログインしていたクラウドユーザIDに関連付けて登録された仮想プリンタ情報を削除して(S2019)、処理を終了する。
【0071】
第2の実施形態に係る印刷システム1では、ユーザが印刷に用いるプリンタ30によって、ユーザの利用権限に対応した仮想プリンタをプリンタ管理サーバ20に登録し、登録した仮想プリンタを指定した印刷が実行可能となる。もちろん、第2の実施形態においても、認証サーバ40を設けずにプリンタ30が利用権限情報を保持するようにしても構わない。
【0072】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る印刷システム1について説明する。第3の実施形態に係る印刷システム1は、認証サーバ40がクライアント装置10から情報を受け付けて、仮想プリンタの登録、印刷指示をプリンタ管理サーバ20に対して行う点で、第1の実施形態に係る印刷システム1Aと相違している。以下、第3の実施形態に係る印刷システム1の詳細を説明する。
【0073】
図7には、第3の実施形態に係る印刷システム1のシステム構成図を示した。
図7に示されるように、第3の実施形態に係る印刷システム1は、クライアント装置10、プリンタ管理サーバ20、1又は複数のプリンタ30、認証サーバ40を含み、クライアント装置10、プリンタ管理サーバ20、認証サーバ40はインターネット等のネットワークに接続して相互にデータ通信可能に接続されるとともに、1又は複数の各プリンタ30と認証サーバ40はローカルエリアネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続される。なお、1又は複数のプリンタ30はそれぞれ異なる機種としてよいが、本実施形態では簡単のため各プリンタ30のハードウェア構成は共通とする。また、クライアント装置10、プリンタ管理サーバ20、プリンタ30、認証サーバ40のそれぞれを構成するハードウェア構成は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0074】
ここで、第3の実施形態に係る認証サーバ40において記憶部402に記憶される利用者権限情報の一例を説明する。
図8には、記憶部402に記憶される利用者権限情報の一例を示した。
図8に示された利用権限情報では、ユーザを識別するユーザID(ローカルユーザID)ごとに、当該ユーザが利用可能な1又は複数のプリンタ30のそれぞれの識別情報(プリンタID)と、それぞれのプリンタ30に備えられた各機能に対するユーザの利用可否の情報が記憶される。
【0075】
次に、
図9A及び
図9Bに示されたシーケンス図を参照しながら、第3の実施形態に係る印刷システム1において行われる処理の流れを説明する。なお、第3の実施形態に係る印刷システム1では、認証サーバ40がプリンタ管理サーバ20に仮想プリンタを登録する登録装置として機能する。
【0076】
図9Aに示されるように、クライアント装置10は、ユーザから、認証サーバ40にログインするための第1の認証情報(例えばローカルユーザID、パスワード)と、プリンタ管理サーバ20にログインするための第2の認証情報(例えばクラウドユーザID、パスワード)の入力を受け付けて(S3001)、第1の認証情報を用いて認証サーバ40にログインした後に(S3002)、第2の認証情報を認証サーバ40に送信する(S3003)。
【0077】
認証サーバ40は、ローカルユーザIDに関連付けて記憶されるプリンタのリスト情報をクライアント装置10に送信する(S3004)。プリンタのリスト情報には、各プリンタ30で利用可能な機能の情報を含めることとしてよい。
【0078】
クライアント装置10は、認証サーバ40から受信したプリンタのリスト情報に基づいてプリンタの選択画面(
図10を参照)を表示する(S3005)。
図10に示されるように、プリンタの選択画面には、プリンタ選択用のチェックボックスと、各プリンタ30でユーザが利用可能な機能の情報が示される。
【0079】
クライアント装置10は、プリンタの選択画面で選択されたプリンタ30の情報を認証サーバ40に通知し(S3006)、認証サーバ40は、通知されたプリンタ30及び当該プリンタ30についてローカルユーザIDに利用が許可された機能に基づき設定した仮想プリンタ情報の登録をプリンタ管理サーバ20に要求する(S3007)。
【0080】
プリンタ管理サーバ20は、認証サーバ40から受信した仮想プリンタ情報をクラウドユーザIDに関連付けて登録する(S3008)。プリンタ管理サーバ20は、仮想プリンタ情報を登録した後に、仮想プリンタの登録完了を認証サーバ40に通知し(S3009)、認証サーバ40は、プリンタ管理サーバ20から登録完了の通知を受けると、クライアント装置10に登録完了の旨を通知する(S3010)。
【0081】
次に、
図9Bに示されるように、クライアント装置10は、第2の認証情報(クラウドユーザID、パスワード)を用いてプリンタ管理サーバ20にログインし(S3011)、クライアント装置10又はプリンタ管理サーバ20にユーザに関連付けて記憶されるデータの中から印刷対象のデータの指定をユーザから受け付け(S3012)、出力先プリンタにクラウドユーザIDに関連付けて登録された仮想プリンタが選択されると(S3013)、仮想プリンタについての印刷設定画面(例えば、
図4を参照)を表示する(S3014)。印刷設定画面は、仮想プリンタ情報に指定された利用可能機能情報に基づいて表示されるものであり、ユーザについて利用が許可された機能の印刷パラメータのみが指定可能となっている。
【0082】
クライアント装置10は、印刷設定画面で「印刷」ボタンが押下されると、出力先の仮想プリンタと、S3012で指定された印刷対象のデータと、印刷設定画面に入力された情報に基づいて生成した印刷設定情報とに基づき生成した印刷指示情報をプリンタ管理サーバ20に送信する(S3015)。
【0083】
プリンタ管理サーバ20は、クライアント装置10から受信した印刷指示情報に基づいて、出力先の仮想プリンタに応じた出力形式の印刷データ(印刷ジョブ)を生成し(S3016)、生成した印刷データを認証サーバ40に送信する(S3017)。認証サーバ40は、プリンタ管理サーバ20から受信した印刷データを、ユーザ(ローカルユーザID)に関連付けて記憶する(S3018)。
【0084】
クライアント装置10は、ユーザからプリンタ管理サーバ20からのログアウト(認証解除)要求を受け付けると、認証サーバ40にプリンタ管理サーバ20からのログアウト(認証解除)を指示する(S3019)。プリンタ管理サーバ20は、認証サーバ40からログアウトの指示を受け付け、ログアウトした後に(S3020)それまでログインしていたクラウドユーザIDに関連付けて登録された仮想プリンタ情報を削除する(S3021)。
【0085】
次に、プリンタ30が操作パネル部308を介して、ユーザの第1の認証情報(ローカルユーザID及びパスワードを含む)の入力を受け付けると(S3022)、受け付けた第1の認証情報を用いて認証サーバ40にログインした後に、認証サーバ40に印刷データの配信を要求する(S3023)。
【0086】
認証サーバ40は、プリンタ30から受け付けたローカルユーザIDに関連付けて記憶された印刷データを取得し(S3024)、取得した印刷データをプリンタ30に送信する(S3025)。
【0087】
プリンタ30は、認証サーバ40から受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行して(S3026)、処理を終了する。
【0088】
上記の第3の実施形態に係る印刷システム1では、ユーザが利用可能な1又は複数のプリンタ30の中から印刷に用いるプリンタ30を選択し、当該選択したプリンタ30について当該ユーザに利用が許可された機能に基づいて設定した仮想プリンタがプリンタ管理サーバ20に登録される。ユーザがプリンタ30を選択する際に、各プリンタ30で利用可能な機能を表示させることで、ユーザは所望する機能が利用可能なプリンタ30を選択することが容易となる。さらに、ユーザがプリンタ30に認証情報を入力した後に、プリンタ30に印刷データを配信することで、ユーザの所望のタイミングで印刷物が出力可能となる。
【0089】
本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、第1及び第2の実施形態においても、プリンタ30がユーザからユーザに関連付けて記憶された印刷データの出力要求を受け付けた後に、プリンタ30に記憶された印刷データを出力するようにしてもよいのはもちろんである。