(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
<帯電装置>
本実施形態に係る帯電装置は、基体と、該基体の外周面上に、溶解度パラメータ20[MPa
1/2]以上の樹脂を含む最表面層と、を備え、被帯電体に接触または接近して該被帯電体を帯電させる帯電ロール、並びに、芯体と、該芯体の外周面上に、ポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するポリウレタン、およびポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体を含有する連続気泡構造を有する発泡体で構成される弾性層と、を備え、前記帯電ロールに接して該帯電ロール表面を清掃する清掃ロール、を有する。
【0022】
画像形成装置の像保持体(感光体)を帯電させる帯電用部材等として用いられる帯電ロールには、エーテル系のウレタン発泡体を最表面層として有する清掃ロールを接触させることで表面の清掃を行う方法が一般的に用いられている。尚、前記エーテル系のウレタン発泡体を発泡させる観点から、該発泡体中にはエーテル変性シリコーンオイルの整泡剤を含有させることが広く行われている。しかし、発泡体中に含まれるエーテル変性シリコーンオイルは時間の経過と共に表面にしみ出すことがあり、この傾向は高温環境であるほど、また高湿環境であるほど顕著となる。清掃ロールの表面にしみ出したエーテル変性シリコーンオイルは、接触している帯電ロールに移行するため、帯電ロール表面のエーテル変性シリコーンオイルが移行した部分では帯電不良が生じ、その結果得られる画像において白筋の画像欠陥が発生することがあった。
【0023】
これに対し、本実施形態に係る帯電装置は上記の構成を備えることにより、ポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体(整泡剤)による帯電ロール表面の汚染が抑制される。その結果、該帯電装置を画像形成装置に適用した場合には、得られる画像において白筋の画像欠陥の発生が抑制される。
【0024】
このメカニズムは必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。
エーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体よりなる整泡剤としては、ブロック共重合体や、側鎖変性型の共重合体、末端基変性型の共重合体が知られているが、中でもブロック共重合体は主鎖の長さが長く、ウレタン分子に絡みやすくなり、発泡体の表面へのしみ出しが抑制され、帯電ロールへ移行しにくくなるものと考えられる。
【0025】
更に、ポリウレタンとブロック共重合体(整泡剤)の何れもがポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有することで、ブロック共重合体(整泡剤)とポリウレタンとの馴染みが良くなり、発泡体の表面へのしみ出しが抑制され、帯電ロールへの移行が抑制されるものと考えられる。
【0026】
また、帯電ロールの最表面層の樹脂が溶解度パラメータ20[MPa
1/2]以上であることからブロック共重合体のシリコーン部分との親和性が低く、つまり最表面層がポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体(整泡剤)とのなじみがよく、仮に該ブロック共重合体(整泡剤)が付着したとしても、再び清掃ロールによって除去されやすいものと考えられる。
以上より、ブロック共重合体(整泡剤)による帯電ロール表面の汚染が抑制されるものと推察される。
【0027】
以下、本実施形態の各構成部材について、図面を用いて説明する。
【0028】
(清掃ロール)
図1は、本実施形態における清掃ロールを示す概略斜視図である。
図2は、本実施形態における清掃ロールを示す概略断面図であり、
図1のA−A断面図に相当する。
【0029】
本実施形態における清掃ロールは、
図1および
図2に示すように、例えば、帯電ロールの表面を清掃(清掃)するためのロール状の部材である。
本実施形態における清掃ロール122は、具体的には、例えば、芯体122A(シャフト)と、芯体122Aの外周面に配置された弾性層122Bと、で構成される。
そして、弾性層122Bは、ポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するポリウレタン、およびポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体を含有する連続気泡構造を有する発泡体で構成される。
【0030】
なお、本実施形態における清掃ロール122は、上記構成に限られず、例えば、芯体122Aと弾性層122Bとの間に配設される接着層(プライマー層)等その他中間層を設けた構成であってもよい。
【0031】
以下、本実施形態における清掃ロール122の各部材について説明する。
【0032】
−芯体−
芯体122Aは、導電性の棒状部材であり、その材質として例えば、鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。また、芯体122Aとしては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。芯体122Aは、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。
【0033】
−弾性層−
弾性層122Bは、帯電ロール121の表面に接触して清掃するための表面層であり、連続気泡構造を持つウレタン発泡体で構成される。より具体的には、ポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するポリウレタン、およびポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体を含有する。
【0034】
弾性層122B(発泡体)が持つ連続気泡構造は、JISK6400−7:2004(軟質発泡剤料―物理特性の求め方―第7部:通気性)に準拠したA法通気性試験装置を用いた試験方法おいて通気量が0dm
3/sを超えるものであり、発泡体中の気泡が互いに繋がっている状態の構造である。
なお、連続気泡に対して独立気泡とは、前記試験方法による通気量が0dm
3/sであり、気泡がそれぞれ独立して存在することに示している。
【0035】
以下、上記特性の弾性層122Bを構成するポリウレタン(ウレタン発泡体)について、詳細に説明する。
【0036】
・ポリウレタン
ウレタン発泡体は、少なくともポリオールとイソシアネートとの反応物の発泡体が挙げられ、本実施形態における発泡体はポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するポリウレタンを含有することから、少なくともポリプロピレングリコール(PPG)とイソシアネートとに由来する反応物が挙げられる。
【0037】
また、ポリプロピレングリコール(PPG)以外のポリオールを併用してもよい。併用しうるポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールが挙げられる。
【0038】
併用し得るポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリエチレンアジペートグリコール(PEAG)、ポリブチレンアジペートグリコール(PBAG)、ポリブチレンアゼラエートグリコール(PBAZG)、ポリカプロラクトングリコール(PCLG)が挙げられる。
なお、併用し得るポリエーテルポリオールは、1種を併用してもよいし、複数種併用してもよい。
【0039】
併用し得るポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とヒドロキシル化合物を脱水縮合して得られる主要なアジペート系ポリオール、縮合系ポリエステルポリオールが挙げられる。
アジペート系ポリオールとしては、例えば、エチレングリコールアジペート、ジエチレングリコールアジペート、ブチレングリコールアジペート、トリメチロールプロパン/ジエチレングリコールアジペートなどが挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールとしては、例えば、アジピン酸,グルタル酸,コハク酸,セバシン酸,ピメリン酸,スベリン酸などのジカルボン酸と、エチレングリコール;ジエチレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;プロピレングリコール;ネオペンチルグリコールなどのジオールやトリメチロールエタン,トリメチロールプロパンなどのトリオールと、の縮合により得られるものが挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールとしては、例えば、アルキレン基(例えばヘキシレン基)やキシリレン基等がカーボネート結合を介して主鎖に並ぶ構造を有するポリカーボネートジオールなどのポリカーボネート系ポリオールも挙げられる。
なお、併用し得るポリエステルポリオールは、1種を併用してもよいし、複数種併用してもよい。
【0040】
また、イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、トリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトシイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が用いられる。
なお、イソシアネートは、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
【0041】
ここで、ウレタン発泡体は、例えば、少なくともポリプロピレングリコール(PPG)およびイソシアネートと共に、鎖延長剤(例えば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなど)を反応させた反応物であってもよい。
【0042】
ウレタン発泡体において、ポリプロピレングリコール(PPG)を含むポリオールの使用量としては、例えば、弾性層122Bを構成するウレタン発泡体の固形分全質量に対し、68質量%以上80質量%以下であることがよく、望ましくは70質量%以上78質量%以下である。また、全ポリオールに占めるポリプロピレングリコール(PPG)の比率は、30質量%以上であることがよく、望ましくは50質量%以上であり、より100質量%に近いほど望ましい。
一方、イソシアネートの使用量としては、例えば、弾性層122Bを構成するウレタン発泡体の固形分全質量に対し、16質量%以上28質量%以下であることがよく、望ましくは18質量%以上26質量%以下である。
【0043】
ポリウレタンの発泡は、例えば、水やアゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル)等の発泡剤を用いて行われるのが一般的である。また、ウレタン発泡体には、発泡助剤などの助剤を加えてもよい。
【0044】
・整泡剤
本実施形態におけるウレタン発泡体は、整泡剤として少なくともポリプロピレングリコールエーテル構造(−[O−CH(CH
2)−CH
2−O]
n−)を構成単位として有するエーテル部とシリコーン部(−[Si(R)(R’)−O]
n−)とを有するブロック共重合体(シリコーンオイル)を含有する。
上記ブロック共重合体としては、少なくともポリプロピレングリコール(PPG)とポリシリコーンとに由来する反応物が挙げられる。
【0045】
上記ポリシリコーンとしては、例えばポリジメチルシロキサンが挙げられる。
【0046】
また、上記ブロック共重合体には、ポリプロピレングリコール(PPG)およびポリシリコーン以外のモノマーやプレポリマーを重合してもよい。
併用されるモノマーやプレポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0047】
次に、上記ポリプロピレングリコールエーテル構造を構成単位として有するエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体の製造方法について説明する。上記ブロック共重合体の製造方法については、特に制限はなく、常法によればよいが、その一例を示せば次のとおりである。
少なくとも一部に両末端にSi−H基を有する少なくとも1つのポリシロキサンを、少なくとも一部に両末端に末端炭素間二重結合基を有するポリオキシアルキレンポリエーテルと、白金系触媒の存在下で付加反応させる。
【0048】
上記ブロック共重合体は、前述の通りエーテル部とシリコーン部とを有するが、前記エーテル部に対する前記シリコーン部の構成モル比率は、100構成モル%以上300構成モル%以下であることが好ましく、更には120構成モル%以上200構成モル%以下であることがより好ましい。
【0049】
上記ブロック共重合体は、その重量平均分子量が1000以上5000以下であることが好ましく、更には1500以上3000以下であることがより好ましい。
尚、上記重量平均分子量は、GPC法により測定されたポリエチレングリコール換算分子量である。
【0050】
また、整泡剤として、前記ブロック共重合体以外の整泡剤を併用してもよい。併用し得る整泡剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ジメチルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0051】
整泡剤の使用量としては、ポリオールとイソシアネートとの合計量に対し、0.1質量%以上5質量%以下が望ましく、より望ましくは0.3質量%以上3質量%以下であり、さらに望ましくは0.5質量%以上2質量%以下である。また、全整泡剤に占める前記ブロック共重合体の比率は、50質量%以上であることがよく、より100質量%に近いほど望ましい。
【0052】
・その他の配合物
次に、その他の配合物について説明する。その他の配合物としては、触媒や導電剤が挙げられる。
触媒としては、例えば、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT−ET、東ソー社製)等のアミン化合物や、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸金属塩、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属化合物等があげられる。これらのなかでも水発泡系ポリウレタンフォームの製造に適している点でアミン系触媒の使用が好ましい。これらの反応触媒は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0053】
触媒の使用量としては、ポリオールとイソシアネートとの合計量に対し、0.01質量%以上5質量%以下が望ましく、より望ましくは0.05質量%以上3質量%以下であり、さらに望ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。
【0054】
導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボン導電剤や、テトラエチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等のアンモニウム系化合物などのイオン導電剤などが挙げられる。
【0055】
その他の配合物としては、難燃剤、劣化防止剤、可塑剤、などの添加剤も挙げられる。なお、これらその他の配合物は、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。これらの添加剤は単独で用いても、また複数用いてもよい。
【0056】
・ウレタン発泡体の製造方法
次に、ウレタン発泡体の製造方法について説明する。ウレタン発泡体の製造方法については、特に制限はなく、常法によればよいが、その一例を示せば次のとおりである。まず、原料として、ポリウレタンポリオールと、整泡剤と、触媒と、必要に応じて導電剤などと、を混合した後、加熱して反応硬化させることにより、ウレタン発泡体が得られる。
【0057】
原料を混合する際の温度や時間については特に制限はないが、混合温度は、通常10℃以上90℃以下、望ましくは20℃以上60℃以下の範囲である。混合時間は、通常10秒以上20分間以下、望ましくは30秒以上5分間以下である。また、加熱して反応硬化させる際、従来公知の方法により、発泡させることにより、ポリウレタン発泡体が得られる。
【0058】
ここで、発泡方法については特に制限はなく、発泡剤を用いる方法、機械的な攪拌により気泡を混入する方法など、いずれの方法を用いてもよい。
【0059】
弾性層122Bの厚みは、平均膜厚で1mm以上10mm以下とすることが望ましく、2mm以上5mm以下とすることがより望ましい。
【0060】
以下、本実施形態における清掃ロール122の製造方法について説明する。
本実施形態における清掃ロール122は、例えば、
1)スラブ成形法により発泡させたポリウレタン発泡体に対して、貫通穴を形成し、当該貫通穴に芯体122Aを挿入して接着した後、ポリウレタン発泡体に切削加工を施して、弾性層122Bを形成する方法。
2)芯体122Aを配置した金型に、原料を注入し、硬化反応・発泡させて弾性層122Bを形成する方法
等が挙げられる。
【0061】
(帯電ロール)
次いで、帯電装置の図を示して、帯電ロールについて説明する。
図3は、本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。本実施形態に係る帯電装置は、清掃ロールとして、上記本実施形態における清掃ロールを適用した形態である。
【0062】
本実施形態に係る帯電装置12は、
図3に示すように、例えば、帯電ロール121と、清掃ロール122と、が特定の食い込み量で接触している配置されている。そして、帯電ロール121の基体121Aおよび清掃ロール122の芯体122Aの軸方向両端は、各部材が回転自在となるように軸受け123(ベアリング)で保持されている。
【0063】
ここで、帯電ロール121について説明する。
帯電ロール121は、例えば、基体121A(シャフト)と、基体121Aの外周面に配設された弾性層121Bと、弾性層121Bの外周面に配設された表面層121Cと、を持つロール状で構成されている。
【0064】
帯電ロール121は、上記構成に限られず、例えば、弾性層121Bと基体121Aとの間に配設される接着層(プライマー層)、弾性層121Bと表面層121Cとの間に配設される抵抗調整層または移行防止層を設けた構成であってもよい。
【0065】
・基体
基体121Aは、導電性の棒状部材であり、例えば、その材質としては鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。また、基体121Aとしては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。基体121Aは、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。
【0066】
・弾性層
弾性層121Bは、例えば、弾性材料と、導電剤と、必要に応じて、その他添加剤と、を含んで構成される。
なお、弾性層121Bは、弾性材料に代えて、樹脂材料(例えば表面層121Cで用いる樹脂)を適用した樹脂層であってもよい。
【0067】
弾性材料としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等、およびこれらのブレンドゴムが挙げられる。中でも、ポリウレタン、シリコーンゴム、EPDM、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、NBRおよびこれらのブレンドゴムが望ましく用いられる。これらの弾性材料は、発泡したものであっても無発泡のものであってもよい
【0068】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】
導電剤の添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが望ましく、15質量部以上25質量部以下の範囲であることがより望ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、弾性材料100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲であることがより望ましい。
【0070】
弾性層121Bに配合されるその他添加剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)等の通常弾性層に添加され得る材料が挙げられる。
【0071】
弾性層121Bの厚みは、1mm以上10mm以下とすることが望ましく、2mm以上5mm以下とすることがより望ましい。
そして、弾性層121Bの体積抵抗率は10
3Ωcm以上10
14Ωcm以下が望ましい。
【0072】
・表面層
表面層121Cは、溶解度パラメータ20[MPa
1/2]以上の樹脂を少なくとも含み、また更にその他の樹脂や導電剤、その他添加剤等を含んでもよい。
【0073】
尚、上記溶解度パラメータは、化学構造の原子または原子団の蒸発エネルギー(Δei)とモル体積(Δvi)から、下記のFedorsの計算式により算出される値である。
(ΣΔei/ΣΔvi)
1/2
【0074】
溶解度パラメータの調製は、樹脂の種類の選択によってなされる。
【0075】
ここで、溶解度パラメータ20[MPa
1/2]以上の樹脂としては、例えば、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、等が挙げられる。
【0076】
ナイロン系樹脂としては、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、メトキシメチル化ナイロンの内のいずれか1種または複数種を重合単位として含むものが挙げられる。これらの中でも、メトキシメチル化ナイロン、6ナイロン/66ナイロン/610ナイロン/12ナイロンの共重合体が好ましい。
【0077】
ウレタン系樹脂としては、ポリオールとイソシアネートとの反応物が好適に挙げられる。
ポリオールとしては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリエチレンアジペートグリコール(PEAG)、ポリブチレンアジペートグリコール(PBAG)、ポリブチレンアゼラエートグリコール(PBAZG)、ポリカプロラクトングリコール(PCLG)などのポリエーテル類、二塩基酸とヒドロキシル化合物を脱水縮合して得られる主要なアジペート系ポリオール、縮合系ポリエステルポリオール等のポリエステル類、プロピレングリコールとエチレングリコールの共重合物、または、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの混合物等が挙げられ、これらの中でも、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールとエチレングリコールの共重合物、または、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの混合物が好ましい。
【0078】
イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、トリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトシイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられ、これらの中でも、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0079】
また、他の樹脂を併用してもよく、該他の樹脂としては、アクリル樹脂,セルロース樹脂,ポリアミド樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリビニル樹脂,ポリアリレート樹脂,スチレンブタジエン樹脂,メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(例えばテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等)、尿素樹脂等が挙げられる。
但し、全樹脂に占める溶解度パラメータ20[MPa
1/2]以上の樹脂の比率は、70質量%以上であることがよく、より100質量%に近いほど望ましい。
【0080】
表面層121Cに配合される導電剤としては、上記弾性層121Bに配合される導電剤が挙げられる。
また、その他添加剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤等の通常表面層に添加され得る材料が挙げられる。
【0081】
表面層の外周表面の表面粗さRzは5μm以上15μm以下であることが好ましく、更には7μm以上12μm以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る帯電装置を画像形成装置に適用して画像を形成する場合、帯電ロール表面層の表面粗さRzが上記範囲であることにより、例え初期において白筋の発生が生じたとしても、画像形成を繰返すことで白筋の発生が改善されていく。これは、明確ではないものの以下のように考えられる。
即ち、清掃ロールから整泡剤がしみ出し帯電ロールに移行した場合でも、帯電ロールの表面が上記の適度な範囲に制御されているため、帯電ロール上にて塗り広げられているものと推定され、その結果画像形成を繰返すことで白筋の発生が改善されていくものと考えられる。
【0082】
尚、上記表面粗さRzは、表面粗さ計surfcom1400A(東京精密社製)を用い、JISB0601−1994に従って測定された十点平均粗さの値を指す。前記測定は、22℃、55%RHの環境下で行う。
【0083】
表面層121Cの厚み(全体厚み)は、7μm以上25μm以下が望ましい。
そして、表面層121Cの体積抵抗率は10
3Ωcm以上10
14Ωcm以下が望ましい。
【0084】
・軸受け
軸受け123は、帯電ロール121と清掃ロール122とを一体で回転自在に保持すると共に、当該部材同士の軸間距離を保持する部材である。導電性軸受け123は、導電性を有する材料で製造されていればいかなる材料および形態でもよく、例えば、ベアリングや滑り軸受けなどが適用される。
【0085】
ここで、軸受け123は、清掃ロール122の弾性層122Bが導電性を有する場合、導電性を有してもよく、本実施形態の場合、導電性の軸受け123に電圧が印加されることで、帯電ロール121と清掃ロール122とを同極性に帯電させる。これにより、像保持体表面の異物(例えばトナーや外添剤)を清掃ロール122および帯電ロール121表面に蓄積されることが抑制され、像保持体に移行され、像保持体の清掃装置で異物が回収される。
【0086】
(画像形成装置、プロセスカートリッジ)
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電装置と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備える。そして、帯電装置(帯電装置)として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。
【0087】
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、例えば上記構成の画像形成装置に脱着され、像保持体を帯電する帯電装置を備える。そして、帯電装置として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、必要に応じて、像保持体、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置および転写後の像保持体表面の残留トナーを除去する清掃装置からなる群より選択される少なくとも一種を備えていてもよい。
【0088】
次に、本実施形態に係る画像形成装置、およびプロセスカートリッジについて図面を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図5は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【0089】
本実施形態に係る画像形成装置101は、
図4に示すように、像保持体10を備え、その周囲に、像保持体10を帯電する帯電装置12と、帯電装置12により帯電された像保持体10を露光して潜像を形成する露光装置14と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、現像装置16により形成したトナー像を記録媒体Aに転写する転写装置18と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去する清掃装置20と、を備える。また、転写装置18により記録媒体Aに転写されたトナー像を定着する定着装置22を備える。
【0090】
そして、本実施形態に係る画像形成装置101は、帯電装置12として、例えば、帯電ロール121と、帯電ロール121に接触配置された清掃ロール122と、帯電ロール121および清掃ロール122の軸方向両端を各部材が回転自在となるよう保持する導電性軸受け123(導電性ベアリング)と、導電性軸受け123の一方に接続された電源(不図示)と、が配設された、上記本実施形態に係る帯電装置が適用されている。
ここで、本実施形態においては、例えば、像保持体10側を回転駆動させ、その回転により帯電ロール121を回転させ、帯電ロール121の回転に従動させて清掃ロールを回転させられるが、帯電ロール121または清掃ロール122が回転のための駆動装置(不図示)と接続されていてもよい。
【0091】
一方、本実施形態の画像形成装置101は、帯電装置12(帯電ロール121)以外の構成については、従来から電子写真方式の画像形成装置の各構成として公知の構成が適用される。以下、各構成の一例につき説明する。
【0092】
像保持体10は、特に制限なく、公知の感光体が適用されるが、電荷発生層と電荷輸送層を分離した、いわゆる機能分離型と呼ばれる構造の有機感光体が好適に適用される。また、像保持体10は、その表面層が電荷輸送性を有し架橋構造を有するシロキサン系樹脂、フェノール系樹脂で構成された感光体も好適に適用される。
【0093】
露光装置14としては、例えば、レーザー光学系やLEDアレイ等が適用される。
【0094】
現像装置16は、例えば、現像剤層を表面に形成させた現像剤保持体を像保持体10に接触若しくは近接させて、像保持体10の表面の潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置である。現像装置16の現像方式は、既知の方式として二成分現像剤による現像方式が好適に適用される。この二成分現像剤による現像方式には、例えば、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。
【0095】
転写装置18としては、例えば、コロトロン、スコロトロン等の非接触転写方式、記録媒体Aを介して導電性の転写ロールを像保持体10に接触させ記録媒体Aにトナー像を転写する接触転写方式のいずれを適応してもよい。
【0096】
清掃装置20は、例えば、清掃ブレードを像保持体10の表面に直接接触させて表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する部材である。清掃装置20としては、清掃ブレード以外に清掃ブラシ、清掃ロール等を適用してもよい。
【0097】
定着装置22としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好適に適用される。加熱定着装置は、例えば、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し特定の接触圧で接触して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラまたは加圧ベルトと、で構成される。未定着のトナー像の定着プロセスは、例えば、定着ローラと加圧ローラまたは加圧ベルトとの間に未定着のトナー像が転写された記録媒体Aを挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
【0098】
なお、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限られず、例えば、中間転写体を利用した中間転写方式の画像形成装置、各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを並列配置させた所謂タンデム方式の画像形成装置であってもよい。
【0099】
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、
図5に示すように、上記
図4に示す画像形成装置において、露光のための開口部24A、除電露光のための開口部24Bおよび取り付けレール24Cが備えられた筐体24により、像保持体10と、像保持体を帯電する帯電装置12と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去する清掃装置20と、を一体的に組み合わせて保持して構成したプロセスカートリッジ102である。そして、プロセスカートリッジ102は、上記
図4に示す画像形成装置101に脱着自在に装着されている。
【実施例】
【0100】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
【0101】
−整泡剤(1)の調製−
ポリプロピレングリコールエーテル単位を有するエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体よりなる整泡剤(1)を以下の方法により調製した。
重量平均分子量が200の分子鎖両末端メチルハイドロジェンポリシロキサン化合物100部、平均構造式:CH
2=CHCH
2O(C
2H
4O)
10(C
3H
6O)
10CH
2CH=CH
2で表されるポリオキシアルキレンアリルブチルエーテル100部およびイソプロピルアルコール50部に白金触媒を加えて80℃で5時間付加反応を行い、ポリエーテル変性シリコーン化合物である整泡剤(1)を得た。
得られた整泡剤の、エーテル部に対するシリコーン部の構成モル比率は100構成モル%、重量平均分子量は1500であった。
【0102】
−整泡剤(2)の調製−
ポリプロピレングリコールエーテル単位を有するエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体よりなる整泡剤(2)を以下の方法により調製した。
重量平均分子量が200の分子鎖両末端メチルハイドロジェンポリジメチルシロキサン化合物200部、平均構造式:CH
2=CHCH
2O(C
2H
4O)
10(C
3H
6O)
10CH
2CH=CH
2で表されるポリオキシアルキレンアリルブチルエーテル100部およびイソプロピルアルコール50部に白金触媒を加えて80℃で5時間付加反応を行い、ポリエーテル変性シリコーン化合物である整泡剤(2)を得た。
得られた整泡剤の、エーテル部に対するシリコーン部の構成モル比率は200構成モル%、重量平均分子量は3000であった。
【0103】
−整泡剤(3)の調製−
ポリプロピレングリコールエーテル単位を側鎖に有するエーテル部とシリコーン部とを有する櫛形共重合体(側鎖変性型共重合体)よりなる整泡剤(3)を以下の方法により調製した。
重量平均分子量が1500の分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン化合物200部、平均構造式:CH
2=CHCH
2O(C
2H
4O)
10(C
3H
6O)
10CH
2CH=CH
2で表されるポリオキシアルキレンアリルブチルエーテル100部およびイソプロピルアルコール50部に白金触媒を加えて80℃で5時間付加反応を行い、ポリエーテル変性シリコーン化合物である整泡剤(3)を得た。
得られた整泡剤の、エーテル部に対するシリコーン部の構成モル比率は300構成モル%、重量平均分子量は2000であった。
【0104】
−整泡剤(4)の調製−
ポリエチレングリコールエーテル単位を有し且つポリプロピレングリコールエーテル単位を有さないエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体よりなる整泡剤(4)を以下の方法により調製した。
重量平均分子量が200の分子鎖両末端メチルハイドロジェンポリシロキサン化合物100部、平均構造式:CH
2=CHCH
2O(C
2H
4O)
20CH
2CH=CH
2で表されるポリオキシアルキレンアリルブチルエーテル100部およびイソプロピルアルコール50部に白金触媒を加えて80℃で5時間付加反応を行い、ポリエーテル変性シリコーン化合物である整泡剤(4)を得た。
得られた整泡剤の、エーテル部に対するシリコーン部の構成モル比率は200構成モル%、重量平均分子量は2000であった。
【0105】
−清掃ロール(1)の作製−
(1)2官能ポリプロピレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20部
(平均分子量2000、商品名:アクトコールP23、三井化学ポリウレタン製)
(2)3官能ポリプロピレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80部
(平均分子量3000、商品名:アクトコールP31、三井化学ポリウレタン製)
(3)ポリプロピレングリコールエーテル単位を有するエーテル部とシリコーン部
とを有するブロック共重合体よりなる整泡剤(1)・・・・・・・・・・・・・1部
(4)触媒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5部
(商品名:カオライザーNo31、花王株式会社製)
(5)発泡剤(水)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
(6)イソシアネート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66.2部
(商品名:コスモネートT−80、三井化学ポリウレタン製)
上記(1)〜(5)の組成物を混合し、更に(6)を混合し発泡させた。更に、この発泡体を80℃にて1時間加熱し、常温(25℃)にて放置、冷却してウレタンフォームを作製した。
このウレタンフォームを、15mm×15mm×350mmの大きさにカットして、中心に貫通穴をあけ、接着材を塗布した芯金(外径:6mm、シャフト長さ:337mm、シャフト両端部の長さ6mm、のみ外径4mm)を挿入、接着してから、ウレタンフォームの外径を研磨し、弾性層の軸方向長さ320mm,外径φ10mmの清掃ロール(1)を得た。
【0106】
−清掃ロール(2)の作製−
前記(3)整泡剤(1)に代わりに、前述のポリプロピレングリコールエーテル単位を有するエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体よりなる整泡剤(2)を配合した以外は、清掃ロール(1)の作製に記載の方法により清掃ロールを作製した。
【0107】
−清掃ロール(3)の作製−
前記(3)整泡剤(1)に代わりに、前述のポリプロピレングリコールエーテル単位を側鎖に有するエーテル部とシリコーン部とを有する櫛形共重合体よりなる整泡剤(3)を配合した以外は、清掃ロール(1)の作製に記載の方法により清掃ロールを作製した。
【0108】
−清掃ロール(4)の作製−
前記(3)整泡剤(1)に代わりに、前述のポリエチレングリコールエーテル単位を有し且つポリプロピレングリコールエーテル単位を有さないエーテル部とシリコーン部とを有するブロック共重合体よりなる整泡剤(4)を配合した以外は、清掃ロール(1)の作製に記載の方法により清掃ロールを作製した。
【0109】
−帯電ロール(1)の作製−
[弾性層の形成]
下記混合物をオープンロールで混練りし、SUS416からなる直径6mmの導電性基体表面に、厚さ3mmとなるように円筒状に被覆し、内径18.0mmの円筒型の金型に入れ、170℃で30分間加硫させ、金型から取り出した後、研磨して、円筒状の導電性弾性層を得た。
・ゴム材・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部
(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、
Gechron3106:日本ゼオン社製を75部、およびニトリルブタジエン
ゴム、N250S:JSR社製を25部)
・導電剤(塩化ベンジルトリエチルアンモニウム:関東化学社製)・・・・・0.9部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製)・・・・・・・・・・・・15部
・加硫剤(硫黄、200メッシュ:鶴見化学工業社製)・・・・・・・・・・・・1部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製)・・・・・・・・・2.0部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製)・・・・・・・・・0.5部
【0110】
[表面層の形成]
下記混合物をビーズミルにて分散し得られた分散液を、メタノールで希釈し、前記導電性弾性層の表面に浸漬塗布した後、140℃で15分間加熱乾燥し、厚さ10μmの表面層を形成し、帯電ロールを得た。表面層の表面粗さRzは10μmであった。尚、ナイロンの溶解度パラメータは27である。
・高分子材料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部
(N−メトキシメチル化ナイロン、F30K:ナガセケムテック社製、
溶解度パラメータ27MPa
1/2)
・導電剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20部
(カーボンブラック、ケッチェンブラックEC:ライオン社製)
・多孔質充填剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30部
(ポリアミド樹脂粒子、2001UDNAT1:アケルマ社製)
・触媒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7部
(燐酸解離、イソプロパノール/イソブタノール触媒、
NACURE4167:キングインダストリーズ社製)
・溶剤(メタノール)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・900部
【0111】
−帯電ロール(2)の作製−
多孔質充填剤(ポリアミド樹脂粒子、2001UDNAT1:アケルマ社製)の量を、30部から15部に変更した以外は、帯電ロール(1)の作製に記載の方法により帯電ロールを作製した。表面粗さRzは7μmであった。
【0112】
−帯電ロール(3)の作製−
多孔質充填剤(ポリアミド樹脂粒子、2001UDNAT1:アケルマ社製)の量を、30部から10部に変更した以外は、帯電ロール(1)の作製に記載の方法により帯電ロールを作製した。表面粗さRzは5μmであった。
【0113】
−帯電ロール(4)の作製−
多孔質充填剤(ポリアミド樹脂粒子、2001UDNAT1:アケルマ社製)の量を、30部から40部に変更した以外は、帯電ロール(1)の作製に記載の方法により帯電ロールを作製した。表面粗さRzは13μmであった。
【0114】
−帯電ロール(5)の作製−
高分子材料(N−メトキシメチル化ナイロン)をポリウレタン樹脂溶液(日本ポリウレタン社製、ニッポラン3113)に変更し、溶剤のメタノールをMEKに変更し、且つ触媒を添加しなかった以外は、帯電ロール(1)の作製に記載の方法により帯電ロールを作製した。尚、ポリウレタンの溶解度パラメータは21MPa
1/2である。
【0115】
−帯電ロール(6)の作製−
高分子材料(N−メトキシメチル化ナイロン)をPMMA(分子量:20万)に変更し、溶剤のメタノールをテトラヒドロフランに変更し、且つ触媒を添加しなかった以外は、帯電ロール(1)の作製に記載の方法により帯電ロールを作製した。尚、PMMAの溶解性パラメータは19MPa
1/2である。
【0116】
(実施例1〜6、比較例1〜3)
・走行後画質評価
下記表1に記載の清掃ロールおよび帯電ロールを、富士ゼロックス社製の画像形成装置DocuCentre−IV C5570に搭載し、温度22℃,湿度55%条件下にて7日間保管した。その後、低温低湿条件(10℃,15%条件)下にて20,000枚のプリントテストを実施し、20000枚プリントテスト後における画像を観察し、画質欠陥(白筋)の発生について下記評価基準で評価した。
【0117】
・高温高湿条件保管後画質評価
下記表1に記載の清掃ロールおよび帯電ロールを搭載したプロセスカートリッジを40℃,90%条件下にて3日間の保管試験を実施し、このプロセスカートリッジを富士ゼロックス社製の画像形成装置DocuCentre−IV C5570に搭載した。プリントテストを実施して画像を観察し、画質欠陥(白筋)の発生について下記評価基準で評価した。
(評価基準)
◎:画質上欠陥が見られなかったもの
○:画質上欠陥はあったものの軽微であったもの
△:画質上の欠陥があり○よりは悪かったが許容範囲であったもの
×:許容範囲を超えたもの
上記2通りの画質評価の結果を下記表1に示す。
【0118】
【表1】