【文献】
スマホやスキャナーを大活用、仕事に役立つ メモ&文書総デジタル化の極意,日経パソコン,日本,日経BP社,2011年12月12日,第639号,p.50−53
【文献】
PCでスマホを100%使いこなす!! Win100的100倍面白くなるスマホ活用塾 【3時間目】,Windows100%,日本,株式会社晋遊舎,2012年 1月13日,第15巻,第2号,p.66−67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
記録媒体が配置される第1の筐体と、前記第1の筐体と開閉可能に連結された第2の筐体と、前記第1の筐体に対向する前記第2の筐体の位置に設けられ前記記録媒体を撮影して撮影画像を生成する撮像手段とを備える情報処理装置のコンピュータを、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが予め定められた角度まで閉じられたことを検出する検出手段、
前記検出手段により前記第1の筐体と前記第2の筐体とが前記予め定められた角度まで閉じられたことが検出されたタイミングで前記撮像手段に撮影を行わせる撮影制御手段、
前記撮像手段により生成された前記撮影画像から所定のマークを認識する認識手段、
前記認識手段により前記所定のマークが認識された場合は予め定めた送信先に前記撮影画像を送信させる送信制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1の実施の形態〕
まず、
図1〜
図16を参照して、本発明に係る情報処理装置の第1の実施の形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0012】
図1は、第1の実施の形態における情報処理装置1の外観斜視図である。情報処理装置1は、タブレット型端末装置であり、本体部10と、バインダ30と、から構成されている。
本体部10には、画面表示及びタッチ入力のためのタッチ表示部14、撮像手段としての撮像部15等が設けられている。
【0013】
バインダ30は、第1の筐体としての第1のカバー30aと第2の筐体としての第2のカバー30bとがヒンジ部30cを回転軸として開閉可能に連結されて構成されている。第1のカバー30aには記録媒体40が配置され、第2のカバー30bには本体部10が設けられている。本体部10、記録媒体40は、留め具、フック等により、バインダ30に着脱可能に装着されている。
【0014】
なお、本実施の形態において、記録媒体とは、撮影すべき情報が記録されている媒体を示すものであり、情報が記録されている被写体を意味している。また、記録媒体には、情報を電子的に表示可能な電子ペーパーも含まれる。
【0015】
第1のカバー30a及び第2のカバー30bは、平板長方形状に構成され、ヒンジ部30cにより、本や手帳を開閉するように、開閉可能となっている。
図1は、第1のカバー30aと第2のカバー30bとのなす角度が180°である状態(開いた状態)を図示している。ユーザは、この状態でタッチ表示部14に表示される画面の参照及びタッチ入力を行い、記録媒体40に文字や図表等を記入する。
【0016】
ヒンジ部30cには、第1のカバー30aと第2のカバー30bとのなす角度を検出する開閉角度センサ20が設けられている。開閉角度センサ20は、ヒンジ部30cの軸の回転を検出するロータリーエンコーダや、ホール素子等を用いて開閉状態を検出する磁気センサによって構成されている。
【0017】
記録媒体40は、ユーザがメモを取る際に使用するノートやレポート用紙、資料が印刷されている用紙、書籍等である。ただし、記録媒体40は、撮影すべき情報が記録されている媒体であればよく、素材は紙に限定されない。記録媒体40は、1枚のシート状の用紙であってもよいし、冊子状に綴じられていてもよい。
【0018】
図2は、バインダ30を構成する第1のカバー30a及び第2のカバー30bを閉じる途中の図である。撮像部15は、本体部10の第1のカバー30aに対向する位置に設けられており、第1のカバー30aと第2のカバー30bとのなす角度が所定の角度(例えば、70°等)になった場合に、撮像部15により記録媒体40が撮影される。所定の角度は、撮影に最適な角度に予め設定されており、この角度に合わせてフォーカス、露出等の撮影条件が設定されている。ユーザが第1のカバー30a及び第2のカバー30bを閉じると(第1のカバー30aと第2のカバー30bとのなす角度を0°にすると)、閉じる途中で所定の角度を通過するため、ユーザが意識することなく撮影を行うことができる。
【0019】
図3は、情報処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。
情報処理装置1は、検索手段、実行手段、検出手段、撮影制御手段、管理手段、切り出し手段、記憶制御手段、表示制御手段、読み出し手段、コマンド実行手段、送信制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、電源部12と、操作部13と、タッチ表示部14と、撮像部15と、無線通信部16と、RAM(Random Access Memory)17と、ROM(Read Only Memory)18と、記憶部19と、開閉角度センサ20と、計時部21と、を備える。
【0020】
CPU11は、操作部13やタッチ表示部14から入力される操作信号又は無線通信部16により受信される指示信号に応じて、情報処理装置1の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU11は、ROM18に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM17に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0021】
電源部12は、情報処理装置1を構成する各部に電力を供給する。
操作部13は、電源をオン/オフさせる電源キー等の操作キーを備え、各操作キーに対応する操作信号をCPU11に出力する。
【0022】
タッチ表示部14は、表示手段としての表示パネル14aにタッチパネル14bが積層されて構成されている。表示パネル14aは、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、CPU11からの表示制御信号に従って画面表示を行う。タッチパネル14bは、ユーザの指等によるタッチ操作の位置を検出し、その位置に応じた操作信号をCPU11に出力する。タッチパネル14bは、ユーザによる操作指示を受け付ける。
【0023】
撮像部15は、光学レンズ、撮像素子、各種センサ等を備え、被写体の撮影を行うデジタルカメラである。撮像部15は、記録媒体40を撮影して撮影画像を生成する。
無線通信部16は、無線LAN(Local Area Network)ルータを介してインターネットに接続し、データ通信を行う無線通信モジュールである。
【0024】
RAM17は、揮発性のメモリである。RAM17には、CPU11により実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等が一時的に格納される。
ROM18は、各種プログラム及び各種データを記憶する読み出し専用の半導体メモリである。ROM18には、マーク認識処理プログラム181等が記憶されている。
【0025】
記憶部19は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリ等により構成され、情報を読み出し及び書き込み可能に記憶する。具体的には、記憶部19には、分類用マーク対応テーブル191、コマンドマーク対応テーブル192、撮影画像データベース193、分類リスト194a,194b,194c,・・・等が記憶されている。
【0026】
図4に、分類用マーク対応テーブル191のデータ構成例を示し、
図5に、コマンドマーク対応テーブル192のデータ構成例を示す。
分類用マーク対応テーブル191には、分類用に予め用意されている複数種類の手書きマーク(以下、マークという。)毎に、マークに対応する画像パターン(テンプレート)と、分類項目と、が対応付けられて格納されている。
コマンドマーク対応テーブル192には、コマンドマークとして予め用意されている複数種類のマーク毎に、マークに対応する画像パターン(テンプレート)と、マークが意味するコマンドと、が対応付けられて格納されている。
マークは、他のマークや文字と区別して、容易に認識することができる形であることが望ましい。
【0027】
図6に、撮影画像データベース193のデータ構成例を示す。撮影画像データベース193には、撮影により生成された撮影画像の画像データと、撮影画像に付与されたタグと、作成日時と、が対応付けられて格納される。撮影画像の画像データは、JPEG、TIFF等のデータ形式で生成される。
【0028】
図7に、分類リスト194a,194b,194c,・・・のデータ構成例を示す。
分類リスト194aには、「アイデア」マーク(
図4参照)が記録された撮影画像から切り出された領域の画像データと、当該領域が切り出された元画像を示す情報(ファイル名、格納場所等)と、撮影画像から切り出された領域の座標データと、が対応付けられて格納される。
分類リスト194bには、「決定事項」マーク(
図4参照)が記録された撮影画像から切り出された領域の画像データと、当該領域が切り出された元画像を示す情報と、撮影画像から切り出された領域の座標データと、が対応付けられて格納される。
分類リスト194cには、「やる事」マーク(
図4参照)が記録された撮影画像から切り出された領域の画像データと、当該領域が切り出された元画像を示す情報と、撮影画像から切り出された領域の座標データと、が対応付けられて格納される。
すなわち、分類リスト194a,194b,194c,・・・は、分類用マークの種類の数だけ用意されている。
【0029】
また、記憶部19には、「自動投稿」マーク(
図5参照)と対応付けられて、自動投稿処理(
図14参照)において撮影画像の送信先となる共有ストレージを示す情報が予め記憶されている。また、記憶部19には、「クリッピング」マーク(
図5参照)と対応付けられて、クリッピング処理(
図15参照)において切り出し領域の送信先となる共有ストレージを示す情報が予め記憶されている。共有ストレージは、通信ネットワークと接続され、情報処理装置1との間でデータ通信可能なデータ保管装置であり、登録されたメンバーに対して保管しているデータの閲覧を許可する。送信先(共有ストレージ)は、パス、メールアドレス等により指定される。コマンドに応じて複数の送信先が設定されていてもよい。
【0030】
開閉角度センサ20は、第1のカバー30aと第2のカバー30bとのなす角度を検出し、検出した角度をCPU11に出力する。
【0031】
計時部21は、計時回路(RTC:Real Time Clock)を有し、この計時回路により現在日時を計時してCPU11に出力する。
【0032】
CPU11は、開閉角度センサ20から出力された角度に基づいて、第1のカバー30aと第2のカバー30bとが所定の状態まで閉じられたことを検出する。
CPU11は、第1のカバー30aと第2のカバー30bとが所定の状態まで閉じられたことが検出されたタイミングで、撮像部15に撮影を行わせる。
【0033】
CPU11は、撮像部15により生成された撮影画像の全領域について所定のマークが記録されているかを検索する。具体的には、CPU11は、撮影画像の画像データに対し、光学式マーク認識処理(OMR:Optical Mark Recognition)を行い、記録媒体40に記録されたマークを検出する。まず、CPU11は、撮影画像に対して二値化処理、ノイズ除去処理を行っておく。そして、CPU11は、記憶部19に記憶されている分類用マーク対応テーブル191、コマンドマーク対応テーブル192から各マークに対応するテンプレートを読み出し、撮影画像上を順次走査して、撮影画像内にテンプレートと一致する領域があるか否かを調べる。テンプレートとの比較は、一定の幅をもって行われる。テンプレートに対して拡大・縮小・回転等を施してもよい。
CPU11は、撮影画像の全領域における検索により認識されたマークに応じた所定の処理を実行する。
【0034】
認識されたマークが分類用マークであった場合には、CPU11は、撮影画像から認識されたマークに対応する領域を切り出し、切り出された領域をマークの種類毎に分類して記憶部19の分類リスト194a,194b,194c,・・・に記憶させる。また、CPU11は、切り出された領域をマークの種類毎にリスト化して表示パネル14aに表示させる。
【0035】
認識されたマークがコマンドマークであった場合には、CPU11は、認識されたマークに対応付けられたコマンドを記憶部19に記憶されているコマンドマーク対応テーブル192から読み出し、当該読み出されたコマンドを撮影画像について実行する。
認識されたコマンドマークが「自動投稿」マークであった場合には、CPU11は、無線通信部16を制御して、撮影画像を所定の共有ストレージに送信する。
認識されたコマンドマークが「クリッピング」マークであった場合には、CPU11は、撮影画像から記録媒体40に記録された線で囲まれた領域を切り出し、無線通信部16を制御して、切り出された領域を所定の共有ストレージに送信する。
【0036】
CPU11は、撮影画像に、当該撮影画像から認識されたマークの種類を示すタグを付与し、タグ毎に撮影画像を管理する。
【0037】
次に、情報処理装置1における動作について説明する。
図8は、情報処理装置1において実行されるマーク認識処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11とROM18に記憶されているマーク認識処理プログラム181との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0038】
まず、CPU11は、所定のタイミングであるか否かを判断する(ステップS1)。第1の実施の形態では、CPU11は、開閉角度センサ20により出力された第1のカバー30aと第2のカバー30bとのなす角度に基づいて、開閉角度が所定の角度(例えば、70°等)以下であるか否かを判断する。すなわち、CPU11は、バインダ30を構成する第1のカバー30aと第2のカバー30bとが所定の状態まで閉じられたか否かを判断する。所定のタイミングでない場合には(ステップS1;NO)、ステップS1に戻る。
【0039】
ステップS1において、所定のタイミングである場合(ステップS1;YES)、すなわち、第1のカバー30aと第2のカバー30bとが所定の状態まで閉じられた場合には、CPU11は、撮像部15を制御して、記録媒体40に記録された手書きメモの撮影を行わせ、撮像部15により生成された撮影画像を取得する(ステップS2)。例えば、CPU11は、撮影画像から記録媒体40の領域を抽出し、抽出した領域に対して台形歪みを補正する処理等を行う。また、CPU11は、撮影画像の画像データを記憶部19の撮影画像データベース193に記憶させるとともに、計時部21から現在日時を取得し、取得した現在日時を作成日時として、撮影画像の画像データと対応付けて撮影画像データベース193に記憶させる。
【0040】
次に、CPU11は、撮影画像の画像データを解析し、撮影画像の全領域について所定のマークが記録されているかを検索する(ステップS3)。具体的には、CPU11は、記憶部19に記憶されている分類用マーク対応テーブル191、コマンドマーク対応テーブル192を参照して、撮影画像からマークを認識する。
【0041】
次に、CPU11は、処理していないマークがあるか否かを判断する(ステップS4)。処理していないマークがある場合には(ステップS4;YES)、CPU11は、撮影画像に、当該撮影画像から認識されたマークの種類を示すタグを付与する(ステップS5)。具体的には、CPU11は、この撮影画像に記録されているマークに対応するタグ(アイデア、決定事項、やる事、自動投稿、クリッピング等)を、撮影画像の画像データと対応付けて撮影画像データベース193に記憶させる。
【0042】
次に、CPU11は、撮影画像において認識されたマークがコマンドマークであるか否かを判断する(ステップS6)。認識されたマークがコマンドマークでない場合(ステップS6;NO)、すなわち、認識されたマークが分類用マークである場合には、CPU11は、撮影画像からマークに対応する領域を切り出す(ステップS7)。マークに対応する領域は、マーク付近の線で囲まれた領域であってもよいし、マーク付近の空行で挟まれた範囲の領域であってもよい。
【0043】
次に、CPU11は、切り出された領域をマークの種類毎のリストに追加する(ステップS8)。具体的には、CPU11は、切り出し領域の画像データを、マークに対応する分類リスト194a,194b,194c,・・・(例えば、「アイデア」マークの場合には、分類リスト194a)に記憶させるとともに、切り出し領域の元画像(1ページ分の撮影画像)を示す情報及び切り出し領域の座標データを、切り出し領域の画像データと対応付けて分類リスト194a,194b,194c,・・・に記憶させる。
【0044】
ステップS6において、認識されたマークがコマンドマークである場合には(ステップS6;YES)、CPU11は、記憶部19に記憶されているコマンドマーク対応テーブル192を参照して、マークに対応付けられたコマンドを読み出し(ステップS9)、読み出されたコマンドを撮影画像について実行する(ステップS10)。
【0045】
ステップS8又はステップS10の後、ステップS4に戻り、処理が繰り返される。
ステップS4において、撮影画像に記録されている全てのマークについて処理が終了した場合には(ステップS4;NO)、マーク認識処理が終了する。
【0046】
図9に、手書き文字及びマークが記録された記録媒体40を撮影して得られた撮影画像41の例を示す。撮影画像41中のマークM1は、線で囲まれた領域A1を「アイデア」に分類するために記録されたものである。撮影画像41中のマークM2は、線で囲まれた領域A2を「アイデア」に分類するために記録されたものである。撮影画像41中のマークM3は、線で囲まれた領域A3を「決定事項」に分類するために記録されたものである。
【0047】
図9に示す例の場合、撮影画像データベース193に、撮影画像41(1ページ分)の画像データと、「アイデア」及び「決定事項」というタグと、撮影画像41の作成日時と、が対応付けられて格納される。また、「アイデア」に対応する分類リスト194aの「切り出し領域」に領域A1の画像データが格納されるとともに、領域A1の画像データと対応付けられて、「元画像」には撮影画像41を示す情報が格納され、「領域座標データ」には撮影画像41から切り出された領域A1の座標データが格納される。同様に、「アイデア」に対応する分類リスト194aの「切り出し領域」に領域A2の画像データが格納されるとともに、領域A2の画像データと対応付けられて、「元画像」には撮影画像41を示す情報が格納され、「領域座標データ」には撮影画像41から切り出された領域A2の座標データが格納される。また、「決定事項」に対応する分類リスト194bの「切り出し領域」に領域A3の画像データが格納されるとともに、領域A3の画像データと対応付けられて、「元画像」には撮影画像41を示す情報が格納され、「領域座標データ」には撮影画像41から切り出された領域A3の座標データが格納される。
【0048】
次に、
図10を参照して、情報処理装置1において実行されるタグ別検索処理について説明する。タグ別検索処理は、マーク認識処理のステップS5において付与されたタグ毎に、撮影画像を管理する処理の一例である。
【0049】
まず、ユーザのタッチパネル14bからの操作により、検索対象となる日付、タグが選択される(ステップS11)。
次に、CPU11は、記憶部19に記憶されている撮影画像データベース193の作成日時及びタグに基づいて、選択された日付、タグに該当する撮影画像の画像データを抽出する(ステップS12)。
次に、CPU11は、抽出された撮影画像の画像データに基づいて、検索条件に合う撮影画像を表示パネル14aに表示させる(ステップS13)。
【0050】
図11に、表示パネル14aに表示される検索画面141の例を示す。例えば、検索画面141の日付指定欄141aにおいて日付(3月14日)が選択され、タグ指定欄141bにおいてタグ(自動投稿)が選択された状態で、検索ボタンB1が押下されると、撮影画像データベース193から作成日時が「3月14日」であって、タグが「自動投稿」である撮影画像が抽出され、抽出された撮影画像が、それぞれ、検索結果表示欄141c,141d,141eに表示される。検索結果表示欄141c,141d,141eには、撮影画像の上部の領域等、画像の一部が表示される。
【0051】
次に、CPU11は、ユーザのタッチパネル14bからの操作により、表示対象となる撮影画像が選択されたか否かを判断する(ステップS14)。表示対象となる撮影画像が選択された場合には(ステップS14;YES)、CPU11は、選択された撮影画像を表示パネル14aに表示させる(ステップS15)。
例えば、
図11に示す検索画面141において、検索結果表示欄141c,141d,141eに検索結果として表示されている撮影画像(の一部)のうち、いずれかの撮影画像が選択された場合には、選択された撮影画像の1ページ分が表示される。
【0052】
ステップS14において、表示対象となる撮影画像が選択されない場合には(ステップS14;NO)、そのままタグ別検索処理が終了する。
【0053】
次に、
図12を参照して、情報処理装置1において実行されるリスト表示処理について説明する。リスト表示処理は、記憶部19に記憶されている分類リスト194a,194b,194c,・・・に基づいて、マークの種類毎に撮影画像から切り出された領域をリスト化する処理である。
【0054】
まず、CPU11は、分類用マーク(アイデア、決定事項、やる事等)毎に、対応する分類リスト194a,194b,194c,・・・に含まれる切り出し領域の画像データを取得する(ステップS21)。例えば、「アイデア」マークについては、分類リスト194aに含まれる切り出し領域の画像データを取得する。CPU11は、取得した切り出し領域の画像データをRAM17に格納する。
【0055】
次に、CPU11は、分類用マーク毎に、取得された切り出し領域の画像データに基づいて、切り出し領域のリストを表示パネル14aに表示させる(ステップS22)。
【0056】
図13に、表示パネル14aに表示されるアイデアリスト画面142、決定事項リスト画面143、やる事リスト画面144の例を示す。アイデアリスト画面142のリスト表示欄142a,142bには、それぞれ、
図9に示す撮影画像41から切り出された領域A1,A2が表示されている。
図13の例では、
図9において領域A1,A2に含まれていたマークM1,M2を除いた領域が表示されているが、マークM1,M2を含む切り出し領域を表示することとしてもよい。また、予めマークM1,M2を除いた領域を保存することとしてもよい。
【0057】
次に、CPU11は、ユーザのタッチパネル14bからの操作により、表示対象となる切り出し領域が選択されたか否かを判断する(ステップS23)。表示対象となる切り出し領域が選択された場合には(ステップS23;YES)、CPU11は、選択された切り出し領域が含まれる撮影画像を表示パネル14aに表示させる(ステップS24)。具体的には、CPU11は、分類リスト194a,194b,194c,・・・において、選択された切り出し領域に対応付けられている元画像を参照することにより、切り出し領域が含まれる撮影画像を特定する。そして、CPU11は、特定された撮影画像の画像データを記憶部19に記憶されている撮影画像データベース193から読み出し、この撮影画像の画像データに基づいて、撮影画像を表示パネル14aに表示させる。
【0058】
例えば、
図13に示すアイデアリスト画面142において、リスト表示欄142a,142b,・・・に表示されている切り出し領域のうち、いずれかの切り出し領域が選択された場合には、選択された切り出し領域が含まれる撮影画像の1ページ分が表示される。
【0059】
ステップS23において、表示対象となる切り出し領域が選択されない場合には(ステップS23;NO)、そのままリスト表示処理が終了する。
【0060】
次に、
図14を参照して、情報処理装置1において実行される自動投稿処理について説明する。自動投稿処理は、認識されたマークが「自動投稿」を意味するコマンドマークであった場合の、マーク認識処理のステップS10に相当する処理である。
【0061】
まず、CPU11は、記憶部19から「自動投稿」マークに対応する送信先を読み出す(ステップS31)。
次に、CPU11は、読み出した送信先に基づいて、無線通信部16を制御して、撮像部15により生成された撮影画像を所定の共有ストレージに送信する(ステップS32)。
以上で、自動投稿処理が終了する。
【0062】
共有ストレージでは、情報処理装置1から送信された撮影画像を保存して管理する。撮影画像が共有ストレージに保存された後は、登録された他のメンバーからも自動投稿された撮影画像が閲覧可能となる。
【0063】
次に、
図15を参照して、情報処理装置1において実行されるクリッピング処理について説明する。クリッピング処理は、認識されたマークが「クリッピング」を意味するコマンドマークであった場合の、マーク認識処理のステップS10に相当する処理である。
【0064】
まず、CPU11は、認識された「クリッピング」マークに基づいて、原稿の向きを決定する(ステップS41)。具体的には、CPU11は、
図5のコマンドマーク対応テーブル192に示した「クリッピング」マークの上側が、原稿の上側に対応しているものと判断する。
【0065】
次に、CPU11は、撮影画像からマークに対応する領域、具体的には、マーク付近の線で囲まれた領域を切り出す(ステップS42)。
【0066】
次に、CPU11は、記憶部19から「クリッピング」マークに対応する送信先を読み出す(ステップS43)。
次に、CPU11は、読み出した送信先に基づいて、無線通信部16を制御して、ステップS42において切り出された領域を所定の共有ストレージに送信する(ステップS44)。
以上で、クリッピング処理が終了する。
【0067】
図16に、「クリッピング」を意味するコマンドマークが記録された記録媒体40を撮影して得られた撮影画像42の例を示す。撮影画像42中のマークM4は、線で囲まれた領域A4をクリッピングするために記録されたものである。撮影画像42から切り出された領域A4の画像データが、所定の共有ストレージに送信される。
【0068】
共有ストレージでは、情報処理装置1から送信された切り出し領域を保存して管理する。切り出し領域が共有ストレージに保存された後は、登録された他のメンバーからも切り出し領域が閲覧可能となる。
なお、「クリッピング」マークが記録される記録媒体40としては、手書きメモに限らず、予め印刷されている資料等であってもよい。
【0069】
以上説明したように、第1の実施の形態の情報処理装置1によれば、撮影画像から認識されたマークに応じた所定の処理を実行するので、記録媒体40に記録された内容を有効に活用することができる。
また、撮影画像の全領域について所定のマークが記録されているかを検索するので、ユーザは記録媒体40の任意の領域にマークを記録することができる。
【0070】
また、撮影画像に、当該撮影画像から認識されたマークの種類を示すタグを付与することにより、タグ毎に撮影画像の検索が可能となる等、撮影画像の管理が容易になる。
【0071】
また、認識されたマークが分類用マークであった場合には、撮影画像から認識されたマークに対応する領域を切り出し、切り出された領域をマークの種類毎に分類して記憶部19の分類リスト194a,194b,194c,・・・に記憶させるので、記録媒体40に記録された内容を自動で分類することができる。これにより、マークの種類毎に切り出し領域を抽出したり、検索したりすることが容易になる。
また、切り出し領域をマークの種類毎にリスト化して表示パネル14aに表示するので、マークの種類毎に記録媒体40に記録された内容を確認しやすくなる。
【0072】
また、認識されたマークがコマンドマークであった場合には、マークに対応付けられたコマンドを実行するので、ユーザが直接指示する必要がなく、容易にコマンドに対応する処理を行うことができる。
例えば、「自動投稿」マークに基づいて、撮影画像を所定の共有ストレージに送信するので、ユーザが投稿処理を指示したり、送信先を指定したりする等の手間がかからない。
また、「クリッピング」マークに基づいて、線で囲まれた領域を切り出し、切り出された領域を所定の共有ストレージに送信するので、ユーザがクリッピング処理を指示したり、送信先を指定したりする等の手間がかからない。
【0073】
また、第1のカバー30aと第2のカバー30bとが所定の状態まで閉じられたことが検出されたタイミングで撮影を行うので、容易に撮影を行うことができる。
【0074】
なお、第1のカバー30aと第2のカバー30bの開閉角度の検出方法は、上記の方法に限定されない。例えば、第1のカバー30aの所定の位置に指標を付しておき、撮像部15により取り込まれた画像内の指標の位置に基づいて、第1のカバー30aと第2のカバー30bとが所定の状態まで閉じられたことを検出することとしてもよい。また、第2のカバー30b内に加速度センサを設け、加速度センサにより重力の方向を検出して、第1のカバー30aと第2のカバー30bの開閉角度を検出することとしてもよい。
【0075】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
図17(a)は、第2の実施の形態における情報処理装置1Aが本体カバー50に収納されている状態を示す図であり、
図17(b)及び(c)は、情報処理装置1Aが本体カバー50に立て掛けられた状態を示す図である。情報処理装置1Aにおいて、第1の実施の形態に示した情報処理装置1と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0076】
図18は、情報処理装置1Aが本体カバー50に立て掛けられ、情報処理装置1Aの前に記録媒体40が置かれた状態を示す図である。第2の実施の形態では、記録媒体40は複数のページからなる冊子状に構成されており、記録媒体40のページをめくるタイミングで、撮像部15により記録媒体40が撮影される。情報処理装置1Aの下端と記録媒体40の上端とを合わせるように記録媒体40を置くと、撮像部15の画角及びピントが記録媒体40に合うように予め設定されている。
【0077】
情報処理装置1Aは、第1の実施の形態に示した情報処理装置1との比較において、開閉角度センサ20及びバインダ30が不要である点が異なるが、その他の構成については情報処理装置1と同様であるため、
図3を援用し、説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0078】
CPU11は、撮像部15により連続的に撮影される動画像データを取り込み、この動画像データを解析することにより、撮影されている記録媒体40のページめくり動作を検出する。撮像部15から出力される画像データが変化しつつある間は、記録媒体40の各ページやユーザの指等が移動中であると推測される。CPU11は、撮像部15により撮影された動画像データを取り込み続け、画像が静止した場合に、ページめくり動作が行われたと判断する。
CPU11は、記録媒体40のページめくり動作が検出されたタイミングで、撮像部15に撮影を行わせる。
【0079】
情報処理装置1Aにおいて実行されるマーク認識処理は、第1の実施の形態と撮影を行うタイミングが異なるのみで、それ以外の処理については、
図8に示したマーク認識処理と同様であるため、
図8を援用して説明する。第2の実施の形態では、CPU11は、ステップS1において、撮像部15から連続的に取り込まれた動画像データに基づいて、手書きメモ(記録媒体40)のページめくり動作を検出したか否かを判断する。
【0080】
手書きメモのページめくり動作を検出した場合には(ステップS1;YES)、CPU11は、撮像部15を制御して、記録媒体40に記録された手書きメモの撮影を行わせ、撮像部15により生成されたメモ画像(静止画像)を取得する(ステップS2)。
ステップS3以降の処理は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
また、タグ別検索処理(
図10参照)、リスト表示処理(
図12参照)、自動投稿処理(
図14参照)、クリッピング処理(
図15参照)についても、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
以上説明したように、第2の実施の形態の情報処理装置1Aによれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、記録媒体40のページめくり動作が検出されたタイミングで撮影を行うので、容易に撮影を行うことができる。
【0083】
なお、ページめくり動作の検出方法は、上記の方法に限定されない。例えば、予め記録媒体40の各ページの所定の位置に、ページを特定するためのページ特定用マークを付しておき、取り込んだ画像内の所定の位置からページ特定用マークが検出された場合に、ページめくり動作が行われたと判断することとしてもよい。
【0084】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0085】
例えば、記録媒体40に記録されるマークは、上記の例に限定されない。分類用マークについては、対応する分類項目とともに分類用マーク対応テーブル191に追加可能である。また、コマンドマークついては、対応するコマンドとともにコマンドマーク対応テーブル192に追加可能である。
【0086】
また、自動投稿処理(
図14参照)やクリッピング処理(
図15参照)では、マークに対応する送信先を記憶部19から読み出して、自動的に予め設定された送信先に撮影画像や切り出し領域を送信することとしたが、送信前に送信先を設定するための設定画面を表示させ、ユーザが送信先を選択することとしてもよい。
【0087】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【0088】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
記録媒体を撮影して撮影画像を生成する撮像手段と、
前記撮像手段により生成された撮影画像の全領域について所定の手書きマークが記録されているかを検索する検索手段と、
当該検索により認識された手書きマークに応じた所定の処理を実行する実行手段と、
を備える情報処理装置。
<請求項2>
前記記録媒体が配置される第1の筐体と、
ヒンジ部により前記第1の筐体と開閉可能に連結され、本体部が設けられた第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが所定の状態まで閉じられたことを検出する検出手段と、
を備え、
前記撮像手段は、前記本体部の前記第1の筐体に対向する位置に設けられており、
前記検出手段により前記第1の筐体と前記第2の筐体とが前記所定の状態まで閉じられたことが検出されたタイミングで前記撮像手段に撮影を行わせる撮影制御手段を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記記録媒体は複数のページからなる冊子状に構成されており、
前記記録媒体のページめくり動作を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記記録媒体のページめくり動作が検出されたタイミングで前記撮像手段に撮影を行わせる撮影制御手段と、
を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記撮影画像に前記認識された手書きマークの種類を示すタグを付与し、タグ毎に前記撮影画像を管理する管理手段を備える、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記実行手段は、
前記撮影画像から前記認識された手書きマークに対応する領域を切り出す切り出し手段と、
当該切り出された領域を手書きマークの種類毎に分類して記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
を備える、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記記憶手段に記憶されている前記切り出された領域を前記手書きマークの種類毎にリスト化して表示手段に表示させる表示制御手段を備える、
請求項5に記載の情報処理装置。
<請求項7>
手書きマークの種類毎に当該手書きマークが意味するコマンドを対応付けて記憶する記憶手段を備え、
前記実行手段は、
前記認識された手書きマークに対応付けられたコマンドを前記記憶手段から読み出す読み出し手段と、
当該読み出されたコマンドを前記撮影画像について実行するコマンド実行手段と、
を備える、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記コマンド実行手段は、前記撮影画像を所定の共有ストレージに送信する送信制御手段を備える、
請求項7に記載の情報処理装置。
<請求項9>
前記コマンド実行手段は、
前記撮影画像から前記記録媒体に記録された線で囲まれた領域を切り出す切り出し手段と、
当該切り出された領域を所定の共有ストレージに送信する送信制御手段と、
を備える、
請求項7に記載の情報処理装置。
<請求項10>
コンピュータを、
記録媒体を撮影して撮影画像を生成する撮像手段により生成された撮影画像の全領域について所定の手書きマークが記録されているかを検索する検索手段、
当該検索により認識された手書きマークに応じた所定の処理を実行する実行手段、
として機能させるためのプログラム。