(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主の装置は、前記従の装置の表示装置に表示された送信先情報についてのユーザによる選択操作を受け付けたとき、さらに、前記従の装置から取得した送信先情報を、前記主の装置に登録する、請求項2に記載の情報処理システム。
前記連携管理装置は、前記判定手段により前記情報処理装置が主の装置として判定されている場合において、前記主の装置で所定の処理が実行されるとき、前記携帯端末の表示制御手段に、前記検出手段で検出された操作に対応する表示を前記携帯端末の表示装置で表示させる、請求項1から3のいずれかに記載の情報処理システム。
前記連携管理装置は、前記判定手段により前記情報処理装置が主の装置として判定されている場合において、前記検出手段で検出された操作に対応する表示が前記携帯端末の表示装置で行われているとき、前記ユーザにより行われた操作に基づいて、前記情報処理装置及び前記携帯端末のそれぞれの表示制御手段に、前記検出手段で検出された操作に対応する表示を前記情報処理装置の表示装置で行うように切り替えさせる、請求項4から6のいずれかに記載の情報処理システム。
前記判定手段は、前記情報処理装置及び前記携帯端末のうち、前記検出手段により検出された送信方法に対応する送信先情報が多く登録されている装置を主の装置として判定する、請求項16に記載の情報処理システム。
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な携帯端末と、前記情報処理装置及び前記携帯端末のそれぞれと通信可能な連携管理装置とを備え、前記連携管理装置の制御に基づいて前記情報処理装置と前記携帯端末とが連携して動作可能な情報処理システムの制御方法であって、
前記情報処理装置と前記携帯端末とは、それぞれ、表示装置を有し、
前記情報処理システムの制御方法は、
前記情報処理装置と前記携帯端末とが連携した状態で、前記情報処理装置に対して行われたユーザによる操作及び前記携帯端末に対して行われたユーザによる操作のうち少なくともいずれか一方を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出内容に応じて、前記情報処理装置及び前記携帯端末のうち一方を主の装置とし、他方を従の装置とする判定を行う判定ステップと、
前記情報処理装置と前記携帯端末との少なくとも一方において、前記判定ステップによる判定内容に基づいて、前記表示装置の表示内容を切り替える表示制御ステップと、
情報送信機能を実行する実行ステップとを備え、
前記情報送信機能を実行させるためのユーザによる操作が前記検出ステップにより検出されたとき、
前記表示制御ステップは、前記情報処理装置及び前記携帯端末のうち前記判定ステップにより判定された主の装置において、前記主の装置の表示装置に、前記主の装置に予め登録されている送信先情報を表示し、前記情報処理装置及び前記携帯端末のうち前記判定ステップにより主の装置として判定されなかった従の装置において、前記従の装置の表示装置に、前記従の装置に予め登録されている送信先情報であって、前記主の装置に登録されていない送信先情報を表示し、
前記実行ステップは、前記主の装置の表示装置に表示された送信先情報及び前記従の装置の表示装置に表示された送信先情報についてのユーザによる選択操作を受け付け、前記受け付けた選択操作に対応する送信先情報に基づいて、前記主の装置で前記情報送信機能を実行する、情報処理システムの制御方法。
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な携帯端末と、前記情報処理装置及び前記携帯端末のそれぞれと通信可能な連携管理装置とを備え、前記連携管理装置の制御に基づいて前記情報処理装置と前記携帯端末とが連携して動作可能な情報処理システムに含まれるコンピュータに実行させるための制御プログラムであって、
前記情報処理装置と前記携帯端末とは、それぞれ、表示装置を有し、
前記情報処理システムの制御プログラムは、
前記情報処理装置と前記携帯端末とが連携した状態で、前記情報処理装置に対して行われたユーザによる操作及び前記携帯端末に対して行われたユーザによる操作のうち少なくともいずれか一方を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出内容に応じて、前記情報処理装置及び前記携帯端末のうち一方を主の装置とし、他方を従の装置とする判定を行う判定ステップと、
前記情報処理装置と前記携帯端末との少なくとも一方において、前記判定ステップによる判定内容に基づいて、前記表示装置の表示内容を切り替える表示制御ステップと、
情報送信機能を実行する実行ステップとをコンピュータに実行させ、
前記情報送信機能を実行させるためのユーザによる操作が前記検出ステップにより検出されたとき、
前記表示制御ステップは、前記情報処理装置及び前記携帯端末のうち前記判定ステップにより判定された主の装置において、前記主の装置の表示装置に、前記主の装置に予め登録されている送信先情報を表示し、前記情報処理装置及び前記携帯端末のうち前記判定ステップにより主の装置として判定されなかった従の装置において、前記従の装置の表示装置に、前記従の装置に予め登録されている送信先情報であって、前記主の装置に登録されていない送信先情報を表示し、
前記実行ステップは、前記主の装置の表示装置に表示された送信先情報及び前記従の装置の表示装置に表示された送信先情報についてのユーザによる選択操作を受け付け、前記受け付けた選択操作に対応する送信先情報に基づいて、前記主の装置で前記情報送信機能を実行する、情報処理システムの制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態の一例に係る画像形成システム(情報処理システムの一例)について説明する。
【0037】
画像形成システムは、画像形成装置(情報処理装置の一例)と携帯端末(携帯情報端末)とで構成されている。
【0038】
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。スキャナ機能は、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)等に蓄積する機能である。複写機能は、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する機能である。プリンタとしての機能は、PC等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う機能である。ファクシミリ機能は、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する機能である。データ通信機能は、接続された外部機器との間でデータを送受信する機能である。サーバ機能は、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする機能である。
【0039】
携帯端末は、例えば、データ通信機能、及び情報記憶、閲覧、出力機能など、種々の機能を備えた、タブレット型端末である。データ通信機能は、例えば携帯電話網やその他のネットワークを介して、他の装置との間でデータ通信を行う機能である。データ通信機能は、例えば、無線通信により行うことができる。情報記憶、閲覧、出力機能は、外部装置から送られた情報や、ユーザから入力された情報を記憶したり、記憶した情報を表示器に表示したり、外部装置へ送信したりすることを可能にする機能である。携帯端末は、携帯電話網を介して他の電話機との間で音声通話を行う電話機能をさらに備えた、多機能型携帯電話機であってもよい。
【0040】
画像形成装置と携帯端末とは、共にネットワークに接続されており、互いにネットワークを介して通信できる。画像形成装置と携帯端末とは、共に、例えばタッチパネルなどの表示装置を有している。画像形成装置と携帯端末とが互いに通信することで、各装置の表示装置に互いに関連する操作用画像などを表示させ、画像形成装置と携帯端末とを連携させて画像形成システムを使用可能である。
【0041】
本実施の形態において、画像形成装置と携帯端末とのいずれかに対して行われたユーザによる操作に基づいて、それぞれの装置が主の装置であるか従の装置であるかが判定される。そして、各装置において、その装置が主の装置であるか従の装置であるかに応じて、表示装置の表示内容が切り替えられる。これにより、各表示装置に主と従との関係を反映した表示を行った状態で、画像形成装置と携帯端末とを連携させて使用することができるようになる。
【0043】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【0044】
本実施の形態において、画像形成システム901は、画像形成装置101と、携帯端末201とで構成されている。画像形成システム901において、画像形成装置101は、画像形成装置101と携帯端末201とを連携して動作させる連携管理装置としての動作を行う。換言すると、画像形成装置101は、画像形成装置101と携帯端末201とが連携して動作するように制御する連携管理装置を備えている。画像形成システム901において、画像形成装置101の連携管理装置の制御に基づいて、画像形成装置101と携帯端末201とが連携して動作可能である。
【0045】
図1に示されるように、画像形成システム901において、画像形成装置101と携帯端末201とは、ネットワーク801を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク801は、例えば、構内情報通信網(LAN)である。画像形成装置101は、いわゆる有線LAN経由でネットワーク801に接続されている。他方、携帯端末201は、いわゆる無線LAN経由でネットワーク801に接続されている。すなわち、ネットワーク801には、無線LANアクセスポイントである接続装置401が接続されている。携帯端末201は、接続装置401に無線接続することで、接続装置401を介して、ネットワーク801に接続されている。
【0046】
なお、各装置の接続態様は、これに限られるものではない。例えば、画像形成装置101と携帯端末201とが、近距離無線通信技術などを利用して機器間相互通信可能に接続されるようにしてもよい。
【0048】
図2は、画像形成装置101を示す斜視図である。
【0049】
図2に示すように、画像形成装置101は、給紙カセット103と、排紙トレイ105と、操作パネル(検出手段の一例)111と、制御部(判定手段の一例)121と、画像形成部131と、スキャナ部141とを備える。制御部121は、画像形成装置101の動作を制御する。制御部121、画像形成部131、及びスキャナ部141などは、画像形成装置101の筐体の内部に配置されている。
【0050】
この画像形成装置101は、3つの給紙カセット103(給紙カセット103a,103b,103c)を有している。それぞれの給紙カセット103には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット103は、画像形成装置101の下部に、画像形成装置101の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット103に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット103から給紙され、画像形成部131に送られる。なお、給紙カセット103の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
【0051】
排紙トレイ105は、画像形成装置101の筐体のうち画像形成部131が収納されている部位の上方でスキャナ部141が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ105には、画像形成部131により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
【0052】
画像形成部131は、大まかに、トナー像形成部(図示せず)と、用紙搬送部(図示せず)と、定着装置(図示せず)とを有している。画像形成部131は、例えば電子写真方式で用紙に画像を形成する。すなわち、画像形成装置101は、印刷出力可能である。
【0053】
用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ソーラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット103から給紙して、画像形成装置101の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置101の筐体から排紙トレイ105などに排出する。
【0054】
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
【0055】
スキャナ部141は、画像形成装置101の筐体の上部に配置されている。スキャナ部141は、ADF(Auto Document Feeder)143を有している。スキャナ部141は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャナ部141は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャナ部141は、原稿トレイにセットされた複数の原稿を1枚ずつADF143により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサにより原稿を読み取り、画像データとする。
【0056】
スキャナ部141により読み取られた画像は、制御部121により、仕上がり画像に変換される。制御部121は、生成した仕上がり画像を外部装置などに送信したり、仕上がり画像に基づいて画像形成部131により用紙に画像を形成したりできる。例えば、制御部121は、読み取られた画像を、携帯端末201に送り、携帯端末201で表示させたりすることができる。
【0057】
操作パネル111は、画像形成装置101の上部前面(
図2において正面)側に配置されている。操作パネル111には、ユーザにより押下操作可能な操作ボタンが配置されている。また、操作パネル111には、情報をユーザに表示する表示パネル(表示装置の一例)112が配置されている。
【0058】
表示パネル112は、タッチパネルである。表示パネル112は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル112は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル112は、制御部121の制御の下、表示制御部153により制御されて表示を行う。操作パネル111は、ユーザにより操作ボタンや表示パネル112へなされる操作入力を受け付ける。操作パネル111は、操作ボタンや表示パネル112がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドを制御部121に送信する。すなわち、ユーザは、操作ボタンや表示パネル112に操作を行うことにより、画像形成装置101に種々の動作を実行させることができる。
【0059】
図3は、画像形成システム901の各装置の制御ブロックを示すブロック図である。
【0060】
図3に示されるように、画像形成装置101は、制御部121のほか、データ管理部151、表示制御部153、メイン・サブフラグ155(以下、単にフラグ155ということがある)、及び記憶エリア161などを有している。これらの各部は、制御部121と通信し、制御部121による制御の下で動作する。
【0061】
制御部121は、例えば、CPU,ROM,RAMなどで構成されている。
【0062】
記憶エリア161は、例えば、HDDである。記憶エリア161には、制御部121などで実行される制御プログラム165が設けられている。本実施の形態においては、制御部121により制御プログラム165が実行されることにより、データ管理部151や表示制御部153などが機能する。
【0063】
データ管理部151は、画像形成装置101で用いられる種々のデータを管理する。データ管理部151は、例えば、予めユーザにより登録されたファクシミリ送信の送信先情報(ファクシミリ番号など)などをデータベースとして管理する。データの管理は、例えば、記憶エリア161に情報を記憶させつつ行われればよい。
【0064】
このような送信先情報は、例えば、画像形成装置101が有するファクシミリ送信機能や、メール送信機能などの情報送信機能で用いられる。メール送信機能では、例えば、スキャナ部141により読み取られた画像を電子メールに添付して送信するScan to Email機能などで用いられる。
【0065】
表示制御部153は、制御部121の制御に基づき、表示パネル112の表示内容を制御する。
【0066】
フラグ155は、後述のように、画像形成システム901において画像形成装置101が主の装置として動作するか従の装置として動作するかを設定するために用いられる。
【0067】
なお、画像形成装置101は、ユーザ認証機能を有している。ユーザ認証は、画像形成装置101を利用するユーザを識別し、認証するジョブである。ユーザは、ユーザ認証による認証を経て、画像形成装置101にログインし、画像形成装置101を利用することができる。
【0068】
ユーザ認証では、例えば記憶エリア161に記憶されている認証データベース(図示せず)が用いられる。認証データベースには、ユーザ認証可能なユーザの情報とそのユーザの認証に必要な認証情報とが対応付けられて記録されている。認証情報は、例えばユーザ毎に設定されたパスワードである。認証データベースには、各ユーザについて実行を許可する機能に関する情報が、そのユーザに対応付けて記録されている。
【0069】
ユーザ認証は、例えば、次に示すようにして行われる。すなわち、まず、ユーザに、ユーザ認証画面が提示される。ユーザ認証画面は、表示パネル112に表示される。ユーザは、操作パネル111を操作し、画像形成装置101にそのユーザの情報(例えば、アカウント名など)とパスワードとを入力する。操作パネル111にこれらの情報が入力されると、制御部121は、認証データベースを参照し、入力されたデータに基づいて、そのユーザの認証可否を判断する。認証可能であれば、制御部121は、そのユーザについて認証成立とし、認証が成立した認証ユーザについて実行を許可されている機能を実行可能とする。このとき、認証ユーザは画像形成装置101にログインした状態になる。これにより、画像形成装置101は、画像形成装置101を用いるユーザを識別できる。
【0070】
ユーザ認証を行ってユーザを識別することで、表示パネル112の表示や利用可能な機能などを認証されたユーザに適合するものにして、画像形成装置101の利便性を高められる。また、認証されたユーザが画像形成装置101の近くにいるときに、他のユーザの目に触れないようにして印刷物を出力できるなど、高いセキュリティ効果が得られる。
【0071】
画像形成装置101において、制御部121は、ユーザ認証により識別したユーザに応じて、画像形成装置101の機能についてのユーザの使用権限を管理する。使用権限の管理が行われることで、ユーザ毎に、所定の機能の使用を制限することができ、高いセキュリティ効果が得られる。
【0072】
なお、ユーザ認証の方式は上記に限られるものではなく、公知の方法を適宜採用することができる。認証情報の参照先や認証を行う主体などは、上記のものとは異なっていてもよい。例えば、画像形成装置101自身がユーザ認証を行うための認証情報を保有しており、画像形成装置101がユーザからの認証要求を受け付けて、認証情報に基づいて、そのユーザを認証してもよい。また、ユーザにアカウント名などの情報やパスワードの入力を要求しないようにしてもよい。すなわち、例えば、接触式・非接触式のIDカードを用いたカード認証方式や、ユーザの指紋情報や静脈情報などを利用した生体認証方式などを採用することができる。認証データベースは、画像形成システム901を構成するサーバ(図示せず)などで管理されていてもよい。
【0073】
ここで、本実施の形態において、画像形成装置101は、ウェブ閲覧機能を有している。ウェブ閲覧機能では、制御部121が所定の制御プログラム165を実行し、ウェブブラウザを動作させる。ウェブブラウザは、指定されたウェブサーバからウェブページの情報を取得し、ウェブページを表示パネル112に表示させる。これにより、ユーザは、表示パネル112に表示されたウェブページを閲覧できる。
【0075】
携帯端末201は、例えばいわゆるタブレット型端末である。携帯端末201は、スマートフォン(多機能型携帯電話機)であってもよい。
図1に示すように、携帯端末201は、表示パネル(表示装置の一例、検出手段の一例)212を有している。表示パネル212は、例えばタッチパネルである。ユーザは、表示パネル212に表示される表示に基づいて、表示パネル112をタッチ操作することで、種々の機能を実行させることができる。
【0076】
例えば、携帯端末201は、電子メール送信機能(情報送信機能の一例)や、電話機能を有している。携帯端末201は、事前に実行可能に設定されたアプリケーションプログラム(単にアプリということがある。)を実行可能である。種々の動作を行うアプリを実行させることで、携帯端末201を多様な用途に利用可能である。
【0077】
図3を参照して、携帯端末201は、ファイル制御部221と、撮影部(撮像手段の一例)251と、表示制御部253と、メイン・サブフラグ255(以下、フラグ255ということがある)と、記憶エリア261とを備えている。
【0078】
ファイル制御部221は、撮影部251、表示制御部253、フラグ255、及び記憶エリア261の各部に接続されている。ファイル制御部221は、制御部121と同様に、CPU,ROM,RAMなどを有しており、携帯端末201の動作を制御する。
【0079】
記憶エリア261は、例えば、いわゆるフラッシュメモリである。記憶エリア261には、アドレスブックが記憶されている。すなわち、記憶エリア261には、携帯端末201で情報の送信先として用いられる電子メールアドレスや電話番号などの情報が整理されて記憶されている。
【0080】
また、記憶エリア261には、ファイル制御部221などで実行される制御プログラム265が設けられている。本実施の形態においては、ファイル制御部221により制御プログラム265が実行されることにより、表示制御部253などが機能する。
【0081】
表示制御部253は、ファイル制御部221の制御に基づき、表示パネル212の表示内容を制御する。フラグ255は、後述のように、画像形成システム901において携帯端末201が主の装置として動作するか従の装置として動作するかを設定するために用いられる。
【0082】
撮影部251は、撮像素子を有している。すなわち、携帯端末201は、カメラ付きのものであり、周囲の様子を撮像可能である。なお、撮影部251は、静止画のみを撮像可能であってもよいし、静止画に加えて動画を撮像可能であってもよい。撮影部251は、ファイル制御部221による制御に基づいて、ユーザの操作などに応じて動作する。
【0083】
本実施の形態において、携帯端末201は、ウェブ閲覧機能や動画再生機能など、種々の機能を有している。例えばウェブ閲覧機能では、ファイル制御部221が所定の制御プログラム265を実行し、ウェブブラウザを動作させる。ウェブブラウザは、指定されたウェブサーバからウェブページの情報を取得し、ウェブページを表示パネル212に表示させる。これにより、ユーザは、表示パネル212に表示されたウェブページを閲覧できる。
【0085】
画像形成システム901において、画像形成装置101と携帯端末201とは、画像形成装置101による制御に基づいて、連携動作を行うことができる。以下、連携動作について説明する。
【0086】
連携動作では、画像形成装置101と携帯端末201とが互いに通信することで、各装置の表示パネル112,212に互いに関連する操作用画像などが表示される。これにより、ユーザは、画像形成装置101の表示パネル112と携帯端末201の表示パネル212との両方を用いて、便利に所望の機能を利用できる。例えば、ユーザは、画像形成装置101の機能を用いるとき、携帯端末201の表示パネル212に、その機能に関連する情報を表示させて、表示パネル212をリモートパネルとして用いることができる。
【0087】
なお、画像形成装置101と携帯端末201との連携は、例えば、携帯端末201の撮影部251で画像形成装置101を撮像することなどにより開始させることができる。すなわち、画像形成装置101には、携帯端末201が撮影部251で撮像することにより認識できるように予め調整された識別標識が付されている。携帯端末201が識別標識を撮像することにより、携帯端末201は、その画像形成装置101を連携相手として認識できる。これにより、携帯端末201と画像形成装置101とが、ネットワーク801を介して、お互いに連携可能となる。なお、識別標識としては、機種名などの特定の文字であったり、バーコードなどの図形であったりすればよい。AR(Argumented Reality)技術を用いて、携帯端末201により撮像している撮像画像とそれに基づき表示される画像とを組み合わせて携帯端末201に表示させ、ユーザが、その表示結果に基づいて適当な操作を行うことで、容易に特定の携帯端末201と画像形成装置101とを組み合わせて、互いに通信可能に接続させることができる。
【0089】
本実施の形態においては、このように連携動作が行われる場合において、画像形成装置101の表示パネル112と携帯端末201の表示パネル212とのどちらをメインのディスプレイとし、どちらをサブのディスプレイとするかが、自動的に切り替えられる。換言すると、画像形成装置101と携帯端末201とのどちらが「主」の装置となり、どちらが「従」の装置となるか、が自動的に切り替えられる。ユーザが主として操作入力を行ったり、取り扱ったりしている側が主の装置として設定される。例えば、印刷を行う場合、印刷指示が入力される方が、「主」となる。
【0090】
そして、表示パネル112,212のそれぞれの表示内容が、画像形成装置101が主の装置となるか携帯端末201が主の装置となるかに応じて切り替えられる。これにより、各表示パネル112,212に主と従との関係を反映した表示を行った状態で、画像形成装置101と携帯端末201とを連携させて便利に使用することができるようになる。すなわち、画像形成装置101と携帯端末201との表示パネル112,212の表示の主従を動的に切り替えることで、ユーザの操作性を改善できる。
【0091】
図4は、第1の実施の形態において連携動作が行われるときの画像形成システム901の動作を説明するフローチャートである。
図5は、主従設定処理及び宛先表示処理の動作を説明するフローチャートである。
【0092】
図4及び
図5に示されるような画像形成システム901の動作において、連携管理装置としての画像形成装置101は、例えば、制御部121が制御プログラム165を実行することにより制御に基づいて動作する。以下の処理は、情報送信機能を実行させるためのユーザによる操作が行われた場合において行われる。
【0093】
図4に示されるように、ステップS101において、制御部121は、携帯端末201がリモートパネルとして画像形成装置(MFP)と連携しているか否かを判断する。連携している場合は、ステップS102の処理へと進む。
【0094】
ステップS102において、制御部121は、画像形成装置101でファクシミリ送信操作、又はスキャン操作が行われたことを検出する。このような操作は、例えば、操作パネル111を介して行われる。
【0095】
ステップS103において、制御部121は、主従設定処理及び宛先表示処理を行う。この処理については、
図5を参照して説明する。
【0096】
図5に示されるように、ステップS131において、制御部121は、ステップS102の処理が行われた後、画像形成装置101側の表示パネル112が操作されたか否かを判断する。
【0097】
ステップS131で表示パネル112が操作されたときには、ステップS132〜S134の処理が行われる。
【0098】
すなわち、ステップS132において、制御部121は、画像形成装置101を主の装置であるとしてフラグ155の設定を行う(メインフラグを立てる)。他方、制御部121は、携帯端末201を従の装置であるとして、フラグ255の設定を携帯端末201に求める。これにより、携帯端末201において、ファイル制御部221は、携帯端末201を従の装置であるとしてフラグ255の設定を行う(サブフラグを立てる)。これにより、フラグ155は、主の装置であることを示すものとなり、フラグ255は、従の装置であることを示すものとなる。画像形成装置101や携帯端末201は、フラグ155やフラグ255を見ることで、画像形成装置101が主の装置であり、携帯端末201が従の装置であることを判別できる。
【0099】
ステップS133において、制御部121は、画像形成装置101に登録されている送信先の選択を受け付ける画面を、主の装置である画像形成装置101の表示パネル112に表示する。表示は、制御部121が表示制御部153を制御することにより行われる。
【0100】
ステップS134において、制御部121は、携帯端末201に従の装置としての表示を実行させる。このとき、ファイル制御部221は、携帯端末201に登録されている送信先であって、画像形成装置101に登録されていないものを表示させる。表示は、ファイル制御部221が表示制御部253を制御することにより行われる。
【0101】
これに対し、ステップS131で操作パネル111が操作されなかったときには、ステップS135〜S137の処理が行われる。
【0102】
すなわち、ステップS135において、制御部121は、携帯端末201を主の装置であるとして、フラグ255の設定を携帯端末201に求める。これにより、携帯端末201において、ファイル制御部221は、携帯端末201を主の装置であるとしてフラグ255の設定を行う(メインフラグを立てる)。他方、制御部121は、画像形成装置101を従の装置であるとしてフラグ155の設定を行う(サブフラグを立てる)。これにより、フラグ155は、主の装置であることを示すものとなり、フラグ255は、従の装置であることを示すものとなる。画像形成装置101や携帯端末201は、フラグ155やフラグ255を見ることで、画像形成装置101が従の装置であり、携帯端末201が主の装置であることを判別できる。
【0103】
ステップS136において、制御部121は、携帯端末201に主の装置としての表示を実行させる。ファイル制御部221は、携帯端末201に登録されている送信先を、表示パネル212に表示する。表示は、ファイル制御部221が表示制御部253を制御することにより行われる。
【0104】
ステップS137において、制御部121は、主の装置としての表示を実行させる。このとき、制御部121は、画像形成装置101に登録されている送信先であって、携帯端末201に登録されていないものを表示させる。表示は、制御部121が表示制御部153を制御することにより行われる。
【0105】
ステップS134の処理又はステップS137の処理が終わると、主従設定処理及び宛先表示処理が終了し、
図4のフローチャートに戻る。
【0106】
主従設定処理及び宛先表示処理が終了すると、ステップS104において、主の装置は、従の装置で送信先が選択されたか否かを判別する。従の装置で送信先が選択されないとき、すなわち主の装置で送信先が選択されたときには、ステップS106に進む。従の装置で送信先が選択されたときには、ステップS105の処理を経て、ステップS106に進む。
【0107】
従の装置で送信先が判別された場合には、ステップS105において、主の装置は、選択された送信先に関する送信先情報のみを従の装置から主の装置にコピーさせる。このとき送信される情報は、例えば、ファクシミリ番号や、電子メールアドレスなどである。なお、主の装置は、従の装置の送信先情報のすべてを主の装置にコピーさせてもよい。
【0108】
ステップS106において、主の装置は、ユーザによる選択操作に応じて、送信先を設定する。そして、設定した送信先に、ステップS102で行われた操作に応じて、情報の送信等を行う。このとき、行う処理についての設定を主の装置側で表示させてもよい。例えば、ファクシミリ送信機能やスキャンした画像を電子メールで送信するScan to Email機能が画像形成装置101で行うときには、その解像度やサイズ、倍率などを表示パネル112を用いて設定できるようにすればよい。
【0109】
情報の送信が完了すると、一連の動作が終了する。
【0110】
このように、本実施の形態では、ユーザにより行われた操作を検出し、その操作の内容に応じて、画像形成装置101及び携帯端末201のうちその操作が行われた装置を主の装置として他方を従の装置とすることにより、ユーザは、直感的にかつ容易に、主として操作している装置を主の装置として操作を行うことができる。例えば、画像形成装置101においてメール送信機能(Scan to Email機能など)を実行するとき、携帯端末201に記憶されている電子メールアドレス情報を用いて、送信先を決定できる。また、画像形成装置101においてファクシミリ送信機能を実行するときには、画像形成装置101の表示パネルを用いて、携帯端末201の表示パネルを補助的に用いながら、操作等を行うことができる。主の装置と従の装置とで表示内容を動的に切り替えることができるので、ユーザの操作性を向上させ、ユーザが快適に画像形成システム901を利用できるようになる。
【0111】
従の装置から選択された送信先情報のみを主の装置に転送することで、すべての情報を送信し主の装置で保持させる場合と比較して、ネットワーク801の負荷や主の装置での記憶領域の使用量(メモリの使用量)を少なくすることができる。
【0112】
ここで、ステップS107において、従の装置で送信先が選択されている場合において、主の装置は、従の装置で選択された送信先に関する情報を、主の装置に登録するようにしてもよい。
【0113】
図6は、
図4の処理が完了した場合に行われる処理の一例を示す。
【0114】
図6に示される処理は、
図4のステップS107において従の装置で送信先が選択された場合にのみ行われるようにすればよい。
【0115】
すなわち、
図6に示されるように、ステップS111において、主の装置は、従の装置で選択された送信先に関する情報を、主の装置に登録するか否かを判断する。この判断は、例えば、表示パネル112,212のうち主の装置のものに、登録するか否かをユーザに選択させるための選択画面を表示させた上で受け付けた、ユーザによる選択操作に基づいて行われる。
【0116】
ステップS111で登録すると判断されたときには、ステップS112において、主の装置は、従の装置からコピーした送信先を主の装置に登録する。
【0117】
他方、ステップS111で登録しないと判断されたときには、ステップS113において、主の装置は、従の装置からコピーした送信先を破棄する。
【0118】
このように従の装置で選択された送信先の情報が主の装置に登録されることで、以後同じ送信先に情報の送信を行うときに、主の装置に記憶されている情報にのみ基づいてこれを行うことができる。換言すると、主の装置に従の装置を連携させることなく、主の装置単独で、その送信先に情報の送信を行うことができる。
【0119】
また、情報を主の装置に登録するかどうかを選択できるので、主の装置に所望の情報のみを登録させた状態を保つことができ、便利である。
【0120】
なお、
図4におけるステップS103の主従設定処理及び宛先表示処理では、画像形成装置101か携帯端末201のいずれか一方にのみ設けられている機能を実行させるための操作が行われたか否かに応じて、主従の判断が行われるようにしてもよい。
【0121】
図7は、主従設定処理及び宛先表示処理の動作の一変型例を説明するフローチャートである。
【0122】
図7では、例えば、携帯端末201にはなく、画像形成装置101でのみ行うことができるファクシミリ送信機能を行うための操作が行われたかどうかに基づいて、主従の設定が行われる場合の処理例が示されている。
【0123】
すなわち、ステップS151において、制御部121は、ファクシミリ送信を行うための操作が操作パネル111で受け付けられたか否かを判断する。
【0124】
ステップS151でファクシミリ送信に対応する操作が行われたときには、画像形成装置101を主の装置とするステップS152〜ステップS154の処理が行われる。ステップS152〜S154の処理は、それぞれ、
図5のステップS132〜S134の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0125】
他方、ステップS151でファクシミリ送信に対応する操作が行われないときには、携帯端末201を主の装置とするステップS155〜ステップS157の処理が行われる。ステップS155〜S157の処理は、それぞれ、
図5のステップS135〜S137の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0126】
このように実行対象となる機能に応じて主従の設定が行われることでも、上述と同様の効果が得られる。すなわち、ユーザは、直感的にかつ容易に、主として操作している装置を主の装置として操作を行うことができ、快適に画像形成システム901を利用できるようになる。
【0128】
第2の実施の形態における画像形成システムの基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、画像形成装置101が主の装置であって画像形成装置101でユーザの操作に基づく機能を実行中である場合において、主の装置で優先度の高い所定のジョブが投入されると、必要に応じて従の装置である携帯端末201を用いて、上記実行中の機能を行う。これにより、画像形成システム901において、効率的に複数の動作を実行できる。
【0129】
図8は、第2の実施の形態において連携動作が行われるときの画像形成システム901の動作を説明するフローチャートである。
図9は、ウェブ接続・表示処理の動作を説明するフローチャートである。
【0130】
図8及び
図9に示されるような画像形成システム901の動作において、連携管理装置としての画像形成装置101は、例えば、制御部121が制御プログラム165を実行することにより制御に基づいて動作する。
【0131】
図9に示されるように、ステップS201において、制御部121は、携帯端末201がリモートパネルとして画像形成装置と連携しているか否かを判断する。連携している場合は、ステップS202の処理へと進む。
【0132】
ステップS202において、制御部121は、画像形成装置101でウェブアクセス操作が行われたことを検知する。ウェブアクセス操作は、画像形成装置101でウェブ閲覧機能を実行させるための操作である。
【0133】
ステップS203において、制御部121は、画像形成装置101が主の装置となり、携帯端末201が従の装置となるように、制御する。これにより、画像形成装置101でメインフラグが立てられ、携帯端末201でサブフラグが立てられる。
【0134】
ステップS204において、ウェブ接続・表示処理が行われる。ウェブ接続・表示処理は、
図9に示されるようにして行われる。
【0135】
ステップS221において、主の装置すなわち画像形成装置101では、制御部121が、実行中のジョブよりも優先度の高いジョブが他のユーザから投入されているか否かを判断する。そのようなジョブが投入されていなければ、ステップS226の処理に進む。ここで、制御部121は、ウェブ閲覧機能を実行させたユーザを、上述のユーザ認証機能により認識した上で、それとは異なるユーザからのジョブが投入されているか否かを判別してもよい。また、単に直接画像形成装置101を操作するのとは異なる方法で、例えば外部のパーソナルコンピュータ等からジョブが投入されているときに、他のユーザからジョブが投入されていると判定するようにしてもよい。また、ジョブの優先度は、例えば、そのジョブの種別毎に予め設定されていればよい。例えば、ファクシミリ送信機能やプリント機能を用いるジョブは、ウェブ閲覧機能を用いるジョブよりも優先度が高くなるように設定されていてもよい。
【0136】
ステップS221で優先度の高いJOBがある場合には、ステップS222において、制御部121は、実行中の優先度の低いジョブに関する表示を従の装置すなわち携帯端末201の表示パネル212で実行させる。例えば、主の装置においてウェブ接続処理が行われていたり、ウェブ接続処理に伴う動画再生処理が行われていたりしたときには、それらのジョブが携帯端末201で実行され、表示パネル212に表示される。この処理は、制御部121がファイル制御部221と通信し、ファイル制御部221が画像形成装置101側で行われていた処理の続きを実行するように制御することにより、行われる。なお、ウェブ接続処理を伴わない、画像若しくは動画の閲覧処理などの、他種の優先度が比較的低いジョブが主の装置において行われていた場合であっても、これと同様にすればよい。
【0137】
これに伴い、制御部121は、優先度の高いジョブを画像形成装置101で実行させる。
【0138】
ステップS223において、制御部121は、優先度の高いジョブが終了するまで待機する。
【0139】
ステップS223において優先度の高いジョブが終了したら、ステップS224において、制御部121は、携帯端末201で実行されている処理を、元のように画像形成装置101で実行させるか否かを判断する。この判断は、例えば、携帯端末201又は画像形成装置101で選択画面を表示させてユーザの選択操作を受け付けることにより行われる。
【0140】
ステップS224で処理を元に戻すと判断した場合には、ステップS225において、制御部121は、携帯端末201で実行させている表示を画像形成装置101で行うように、表示を切り替えさせる。
【0141】
ステップS226において、制御部121は、主の装置で実行中のウェブ接続等の処理が終了したか否かを判断する。終了したと判断しない場合には、ステップS221の処理に戻る。終了したと判断した場合には、ウェブ接続・表示処理を終了する。
【0142】
他方、ステップS224で処理を元に戻さないと判断した場合には、ステップS227において、制御部121は、そのまま携帯端末201でウェブ接続等の処理を継続して実行させる。この場合、制御部121は、ウェブ接続・表示処理を終了する。
【0143】
このように、第2の実施の形態においては、主の装置である画像形成装置101で優先度が低いジョブが実行中であるときに、優先度が高いジョブが画像形成装置101に投入されると、優先度が低いジョブが自動的に従の装置である携帯端末201で実行される。これにより、実行中の優先度が低いジョブを継続して実行させた状態で、画像形成装置101で優先度が高いジョブを行うためのリソースを確実に確保し、そのジョブを画像形成装置101で実行させることができる。
【0144】
なお、主の装置で実行中の処理を従の装置で実行させるか否かは、ジョブの優先度に代えて、実行中の処理(ウェブ接続処理など)や投入されたジョブが実行時に画像形成装置101に与える負荷の大きさ(例えば、CPU占有率など)に応じて判断するようにしてもよい。すなわち、比較的負荷が大きい、ウェブブラウザを用いるウェブ閲覧機能や動画再生処理を行っているときには、従の装置でそれを実行させるようにすることで、画像形成装置101において行われる処理の負荷を軽くできる。これにより、画像形成装置101のシステムパフォーマンスの低下を防止し、確実に、投入されたジョブが画像形成装置101で行われるようにすることができる。
【0145】
なお、このように従の装置で表示を行うようにした場合において、主の装置である画像形成装置101側で、ユーザによる入力操作を受け付けるようにしてもよい。例えば、主の装置で行っていたウェブ閲覧機能が従の装置で行われるように切り替えられたとき、画像形成装置101の操作パネル111ではURLの入力操作などのキー入力が受け付け可能であるようにしてもよい。この場合、受け付けられた操作の情報が画像形成装置101から携帯端末201に送られ、携帯端末201で、ブラウザ表示や動画表示が行われるようにすればよい。
【0146】
ここで、第1の実施の形態や第2の実施の形態において、いったん上述のように主従の設定が行われた後でも、繰り返して主従の設定が行われるようにしてもよい。
【0147】
すなわち、制御部121は、主の装置についての判定を行った後、ユーザによる操作が操作パネル111や表示パネル212により検出されたとき、画像形成装置101及び携帯端末201のうちその操作が行われた装置を主の装置として判定し直す。
【0148】
図10は、主従設定の一例を説明するフローチャートである。
【0149】
図10に示される処理は、継続して繰り返し行われればよい。
【0150】
ステップS171において、制御部121は、画像形成装置101が操作されたか否かを判断する。操作されていなければ、ステップS173に進む。
【0151】
ステップS171において画像形成装置101が操作されれば、ステップS172において、制御部121は、画像形成装置101が主の装置となり、携帯端末201が従の装置となるように、フラグ155,255の設定を行う。その後、ステップS173に進む。
【0152】
ステップS173において、制御部121は、携帯端末201が操作されたか否かを判断する。操作されていなければ、ステップS171に戻る。
【0153】
ステップS173で携帯端末201が操作されれば、ステップS174において、制御部121は、携帯端末201が主の装置となり、画像形成装置101が従の装置となるように、フラグ155,255の設定を行う。その後、ステップS171に戻る。
【0154】
このように主従設定が行われることで、随時主の装置と従の装置とを適切に設定できる。これに応じて連携中の表示パネル112,212の表示を切り替えることで、ユーザの利便性をより高めることができる。
【0156】
第3の実施の形態における画像形成システムの基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第3の実施の形態では、携帯端末201が主の装置である場合において、従の装置である画像形成装置101に印刷処理を実行(出力)させるとき、画像形成装置101で設定した設定内容に基づいて、出力が行われる。
【0157】
すなわち、一般に、携帯端末201で実行可能なアプリは、小さなサイズのプログラムであるので、出力時の詳細な設定などを行うことができない場合が多い。ここで出力時の詳細な設定とは、例えば、片面印刷を行うか、両面印刷を行うかどうかなどや、トナーの濃さなどの設定をいう。第3の実施の形態においては、携帯端末201を操作して画像形成装置101を用いた出力を行う場合であっても、画像形成装置101側の表示パネルを利用して、このような細かな設定項目の設定を行うことができる。
【0158】
図11は、本発明の第3の実施の形態において連携動作が行われるときの画像形成システム901の動作を説明するフローチャートである。
図12は、連携時処理の動作の一例を説明するフローチャートである。
【0159】
図11に示されるように、ステップS301において、携帯端末201のアプリが開かれる(起動が開始される)。アプリとしては、種々のものが用いられるが、例えば、文書を閲覧可能に表示パネル212に表示するためのアプリや、写真を表示パネル212に表示するためのアプリなどがある。
【0160】
ステップS302において、制御部121は、画像形成装置101と携帯端末201とが連携しているか否かを確認する。携帯端末201は、確認された結果を知ることができる。
【0161】
ステップS302で連携していなければ、ステップS303において、携帯端末201は、起動が開始されたアプリで、通常動作を実行させる。すなわち、この場合、携帯端末201は、情報の出力のために画像形成装置101を用いることはできない。
【0162】
他方、ステップS302で連携していれば、ステップS304において、連携時処理が行われる。連携時処理については、
図12に示されている。
【0163】
図12を参照して、連携時処理が開始されたとえき、ステップS321において、主の装置すなわち携帯端末201で、画像形成装置101を用いて出力を行うための操作(印刷操作)が行われる。これにより、携帯端末201から画像形成装置101に、出力を行う旨の指示が送られる。
【0164】
ステップS322において、従の装置すなわち画像形成装置101において、表示パネル112には、出力を行うための詳細な印刷設定(印刷条件)を設定するための画面(印刷設定画面、従画面の一例)が表示される。このとき表示される画面は、携帯端末201からの指示に基づいて行われる処理についての補助的な事項を設定するための従画面といえる。従画面は、アプリで選択したデータの出力機器すなわち画像形成装置101に対応する印刷条件を設定できるような画面である。ユーザは、従画面を通して、画質や仕上げなどの設定を行うことができる。
【0165】
ステップS323において、制御部121は、画像形成装置101で表示された従画面を用いた印刷設定が完了したか否かを検知する。印刷設定が完了すると、ステップS324の処理に進む。
【0166】
ステップS324において、携帯端末201で印刷を実行させる操作が行われる。これにより、携帯端末201から画像形成装置101に、出力を行う旨の指示と共に、印刷対象となる、アプリで取り扱っている情報(例えば、画像データなど)が送信される。
【0167】
ステップS325において、画像形成装置101は、携帯端末201から送られた情報を受信する。制御部121は、印刷を実行させるに当たって、ステップS323で設定された印刷設定(印刷条件)を反映した上で、印刷を開始させる。これにより、画像形成部131により、印刷が実行される。
【0168】
ここで、このように画像形成装置101側で印刷条件が設定されている場合において、携帯端末201のアプリ側でも予め印刷条件が設定されている場合がありうる。このような場合において、両者の印刷条件の一部同士又は全部同士が競合するときには、実際に出力を行う画像形成装置101側で設定されている印刷条件が優先して適用される。例えば、携帯端末201側でA2サイズの用紙に印刷する旨の印刷条件が設定されており、画像形成装置101側ではA4サイズの用紙に印刷する旨の印刷条件が設定されている場合には、A4サイズの用紙に印刷が行われる。このような制御が行われることにより、実際の画像形成装置101の状況に適合した印刷条件に基づいて、適正に出力を行うことができる。
【0169】
第3の実施の形態においては、画像形成装置101で設定された印刷条件を携帯端末201に保存し、次回以降同様の条件で印刷を行うとき、これを容易に設定できるようにすることができる。すなわち、アプリ側で、画像形成装置101と連携したワークフローを設定でき、そのワークフローには、印刷条件を記憶させることができる。ワークフローを選択することで、以降の出力時に、容易に印刷条件等の設定を行うことができる。
【0170】
すなわち、ステップS325において印刷が行われると、ステップS326において、制御部121は、画像形成装置101で設定された印刷条件を保存するか否かを決定する。この決定は、例えば、ユーザの意思に応じて行われるようにすればよい。例えば、画像形成装置101及び携帯端末201の表示パネル112,212のうち少なくともいずれか一方に、ユーザに選択させる画面を表示させる。そして、ユーザの選択を受け付けることで、保存するか否かを決定することができる。
【0171】
ステップS326で印刷条件を保存することが決定されると、ステップS327において、制御部121は、携帯端末201でそのときの印刷条件が保存されるように制御を行う。例えば、制御部121は、印刷条件の内容を、携帯端末201に送信する。携帯端末201では、ファイル制御部221が、送信された印刷条件を、別の機会に読み出し可能となるようにして保存する。
【0172】
ステップS326で印刷条件を保存しないと決定されたとき、又はステップS327の処理が終了したとき、連携時処理の一連の動作が終了する。
【0173】
このように、第3の実施の形態においては、主の装置である携帯端末201と連携して動作する従の装置すなわち画像形成装置101を用いて、携帯端末201を単体で用いたときには適用できないような印刷条件を適用させて、出力を行うことができる。例えば、携帯端末201単体では両面印刷やいわゆる「N in 1」印刷などを行うことを指示できない場合であっても、画像形成装置101側でこれを設定し、出力態様に反映させることができる。したがって、ユーザにとってより思い通りの態様で、アプリで取り扱っている情報について出力することができる。
【0174】
また、一般に、画像形成装置101では、その機種の別により、設定可能な印刷条件の内容が異なる場合がある。このような場合であっても、画像形成装置101で印刷条件を設定するための従画面を表示させてそこで設定を行うことができるので、種々の画像形成装置101について、常に適切に出力されるように設定することができる。携帯端末201の設定はそのままで、様々な画像形成装置101に対応可能である。
【0175】
なお、第3の実施の形態において、
図11のステップS304の連携時処理は、印刷条件を設定するものに限られない。例えば、携帯端末201が有する画像(例えば、写真、ドキュメント、又はウェブページなど)について画像形成装置101を用いて出力する場合において、画像形成装置101側で画像を表示パネル112で表示させながらその画像の編集操作を受け付け、携帯端末201からの指示に応じて、編集後の画像について出力が行われるようにしてもよい。
【0176】
図13は、連携時処理の動作の別の例を説明するフローチャートである。
【0177】
図13において、各処理は、
図12に含まれる処理に大まかに対応するものである。
【0178】
図13に示されているように、連携時処理が行われると、ステップS341において、主の装置すなわち携帯端末201において、画像のプレビュー表示が行われる。
【0179】
ステップS342において、携帯端末201でプレビュー表示が行われると、従の装置すなわち画像形成装置101においても、画像のプレビュー表示が行われる。これにより、画像形成装置101の表示パネル112を用いて、ユーザは、画像の編集作業を行うことができるようになる。編集作業としては、画像の拡大・縮小・トリミングなどが挙げられる。その他、色彩や明るさ等の編集ができるように構成されていてもよい。ユーザは、表示パネル112に表示される従画面のプレビュー画像を確認しながら、画像が所望の状態になるまで、さらなる編集操作を行うことができる。プレビュー画像は、リアルタイムで編集操作が反映されたものになる。
【0180】
ステップS343において、制御部121は、画像形成装置101で表示された従画面を用いた編集作業が完了したか否かを検知する。編集作業が完了すると、ステップS344の処理に進む。
【0181】
ステップS344において、携帯端末201で印刷を実行させる操作が行われる。これにより、携帯端末201から画像形成装置101に、出力を行う旨の指示と共に、印刷対象となる、アプリで取り扱っている情報(例えば、画像データなど)が送信される。
【0182】
ステップS345において、画像形成装置101は、携帯端末201から送られた情報を受信する。制御部121は、印刷を実行させるに当たって、画像形成装置101で設定された印刷条件を反映した上で、印刷を開始させる。これにより、画像形成部131により、印刷が実行される。なお、このとき、印刷は、ステップS343において画像形成装置101側で行われた編集操作を反映させた画像について行われる。
【0183】
ここで、本変型例においては、画像形成装置101で編集された画像のデータを携帯端末201に保存し、その画像を次回以降の印刷に用いたり、印刷以外の用途に利用したりすることができる。編集後の画像のデータを携帯端末201で記憶することより、以降の出力時に、容易に同様の画像の印刷等を行うことができる。
【0184】
すなわち、ステップS345において印刷が行われると、ステップS346において、制御部121は、画像形成装置101で編集された画像を保存するか否かを決定する。この決定は、例えば、ユーザの意思に応じて行われるようにすればよい。例えば、画像形成装置101及び携帯端末201の表示パネル112,212のうち少なくともいずれか一方に、ユーザに選択させる画面を表示させる。そして、ユーザの選択を受け付けることで、保存するか否かを決定することができる。
【0185】
ステップS346で画像を保存することが決定されると、ステップS347において、制御部121は、携帯端末201で編集後の画像が保存されるように制御を行う。例えば、制御部121は、編集後の画像のデータを、携帯端末201に送信する。携帯端末201では、ファイル制御部221が、送信された画像のデータを保存する。
【0186】
ステップS346で画像を保存しないと決定されたとき、又はステップS347の処理が終了したとき、連携時処理の一連の動作が終了する。
【0187】
このように、従の装置となる画像形成装置101の表示パネル112で画像をプレビュー表示することで、ユーザは、容易に編集を行うことができる。特に、携帯端末201の表示パネル212が表示パネル112よりも小さい場合には、大きな表示パネル112で画像をプレビュー表示させることで、確実に編集を行うことができる。
【0188】
また、必要に応じて、画像形成装置101で編集した画像を記憶させることにより、編集後の画像を別の機会に印刷するのに用いたり、別の用途に用いたりするなど、広く利用できるようになる。編集後の画像を携帯端末201側で保存することで、出力機器に依存することなく、様々な機器で、同一の出力結果を得ることができる。
【0190】
なお、上述のように、画像形成システム901において、電子メール送信やファクシミリ送信など、さらには例えばFTP(ファイル転送プロトコル)送信やその他の通信プロトコルに基づく送信など、複数種類の送信方法で情報送信を実行可能である場合には、主従の設定を例えば次のように行ってもよい。
【0191】
すなわち、この場合には、連携管理装置として機能する画像形成装置101が、画像形成装置101又は携帯端末201に対して行われたユーザによる操作に対応する送信方法の別を検出する。そして、画像形成装置101は、検出された送信方法に基づいて、画像形成装置101及び携帯端末201のうち一方を主の装置とし、他方を従の装置として主従の設定を行う。例えば、ファクシミリ送信を伴う送信方法に対応するユーザの操作が検出されたとき、ファクシミリ送信機能を有する画像形成装置101を主の装置とする。他方、電子メール送信を伴う送信方法に対応するユーザの操作が検出されたとき、比較的に登録されている電子メールアドレスの数が多く電子メール送信を行いやすい装置である携帯端末201を、主の装置とする。
【0192】
このように主従の設定を行うことにより、行われる機能に即して適切と考えられる装置を主の装置として設定することができ、画像形成システム901を便利に利用できる。
【0193】
なお、このとき、画像形成装置101は、ユーザによる操作に対応する送信方法に関する送信先情報がより多く登録されている装置を主の装置として主従設定を行うようにしてもよい。これにより、送信対象となる情報を主の装置に登録されているものの中から取得できる確率を高くすることができ、従の装置と主の装置との間の送信先情報に関する通信が必要とされる回数を減らすことができる。
【0194】
携帯端末が連携管理装置として機能するように構成されていてもよい。画像形成装置と携帯端末とが協働して連携管理装置として機能していてもよい。すなわち、連携管理装置は、画像形成装置と携帯端末とのうち少なくともいずれか一方に内蔵されていればよい。いずれの場合であっても、連携管理装置として機能する装置が他方の装置を適切に制御することで、上述と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0195】
また、画像形成システムにおいて、画像形成装置及び携帯端末とは別に、両者の連携動作を制御する連携管理装置として機能する装置が設けられていてもよい。このような場合であっても、画像形成装置と携帯端末とが連携管理装置による制御に基づいて一方が主の装置となり他方が従の装置となり、両者の表示パネルの表示内容を変更させることで、上述と同様の効果を得ることができる。
【0196】
画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。画像形成装置は、電子写真方式により画像を形成するものに限られず、例えばいわゆるインクジェット方式により画像を形成するものであってもよい。
【0197】
画像形成装置のハードウェア構成は上述に限られるものではなく、画像処理が種々の制御回路により行われるようにしてもよい。
【0198】
また、画像形成システムは、画像形成装置と携帯端末とが連携するものに限られず、それぞれ表示装置を有する2以上の装置が連携するものであればよい。例えば、画像形成装置と画像形成装置とが互いに上述のように連携するように構成されていてもよい。
【0199】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
【0200】
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
【0201】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。