(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る監視システム10の構成例を示す。
図2は、監視システム10の使用態様の一例を示す。
図3は、駅のプラットホームにおける撮影装置100の設置例を示す。
図4は、複数の駅に設置されたデータ管理装置200の接続例を示す。
【0015】
監視システム10は、到着する予定の列車(以下、到着列車)の乗客数を前の停車駅の監視システム10から受信するとともに、出発した列車(以下、出発列車)の乗客数を次の停車駅の監視システム10に送信する。監視システム10は、到着列車のそれぞれのドア付近又はそれぞれの車両に乗車している乗客数に基づいて到着列車の混雑度を表示することにより、プラットホームの乗客が、比較的空いているドア位置から乗車できるようにする。
【0016】
監視システム10は、例えばデイジーチェーン接続された複数の撮影装置100(撮影装置100−1、撮影装置100−2、・・・、撮影装置100−n、ただしnは3以上の自然数)と、複数の撮影装置100に接続されたデータ管理装置200とを備える。データ管理装置200は、例えばサーバである。複数の撮影装置100とデータ管理装置200との間は、通信線50により接続されている。通信線50は、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)用の8芯ケーブルである。
【0017】
監視システム10は、データ管理装置200と撮影装置100−1との間にハブ300を備えてもよい。それぞれの撮影装置100は、ハブ300を介してデータ管理装置200に接続してもよい。監視システム10は、ハブ300に接続された複数の撮影装置100の群を複数備えてもよい。例えば、それぞれの撮影装置100の群は、駅のそれぞれのプラットホームに設けられる。監視システム10は、撮影装置100が撮影した画像を表示するモニタ400を備えてもよい。
【0018】
複数の撮影装置100の各々は、駅に停車中の列車のドアを含むドア周辺画像を撮影する。
図2及び
図3に示すように、撮影装置100は、駅のプラットホームの上部に取り付けられている。したがって、それぞれの撮影装置100は、駅に停車中の列車のドア画像及びその周辺の画像を俯瞰的に撮影することができる。ドア周辺画像には、列車を待つ乗客やプラットホームの様子、及び、ドアの周辺の車両の一部を撮影した画像が含まれてもよい。
図2に示したモニタ400においては、駅に停車中の列車のドア及びドア周辺の乗降客を含むドア周辺画像が表示されている。
【0019】
図4に示す例において、列車の進行方向が矢印で示されており、列車は駅aを出発して駅eに向かう。駅aから駅eまでのそれぞれの駅には、複数の撮影装置100とともに、データ管理装置200−aからデータ管理装置200−eが設置されている。データ管理装置200は、一部の駅にのみ設置されていてもよい。それぞれのデータ管理装置200は、通信回線を介して接続されており、互いにデータを送受信する。通信回線は、専用回線であってもインターネット回線であってもよく、有線通信回線であっても無線通信回線であってもよい。
【0020】
[監視システム10を構成する撮影装置100及びデータ管理装置200の構成例]
図5は、第1の実施形態の撮影装置100及びデータ管理装置200の構成例を示す。撮影装置100は、撮影部110、乗降人数算出部120、送受信部130及び出力部140を有する。データ管理装置200は、駅間受信部210、送受信部220、集計部230、駅間送信部240及び混雑度算出部250を有する。
【0021】
まず、撮影装置100の構成例について説明する。撮影部110は、駅に停車している列車のドア位置のドア周辺画像を撮影する。撮影部110は、複数のドアを撮影してもよい。撮影部110は、例えばレンズ及びCCD(電荷結合素子)を有する。撮影部110は、撮影したドア周辺画像を乗降人数算出部120に入力する。撮影部110は、CCDから出力される信号をアナログ/デジタル変換してドア周辺画像を生成し、乗降人数算出部120に入力してもよい。
【0022】
撮影装置100は、複数のレンズにより複数の異なる方向から列車のドアを撮影するステレオカメラであることが好ましい。撮影装置100の撮影部110が複数のレンズを有することにより立体的なドア周辺画像を撮影できるので、乗降人数算出部120は、乗降人数を高い精度で算出することができる。
【0023】
乗降人数算出部120は、撮影部110が撮影したドア周辺画像に基づいて、撮影部110が撮影するドアの位置における乗降人数を算出する。具体的には、乗降人数算出部120は、所定の間隔で撮影されたドア周辺画像内の乗降客の位置の変化を検出することにより、列車が駅に停車している間に、到着した列車のドアの内側からドアの外側に移動した降車人数、到着した列車のドアの外側からドアの内側に移動した乗車人数を算出する。乗降人数算出部120は、乗車人数から降車人数を差し引くことにより、ドア周辺画像に写っているドアにおける乗降人数を算出する。撮影部110が複数のドアを撮影する場合には、乗降人数算出部120は、それぞれのドアごとに乗降人数を算出する。
【0024】
図6A、
図6B及び
図6Cは、第1の実施形態における撮影装置100が撮影したドア周辺画像の一例を示す。
図6A、
図6B及び
図6Cの3つの図は、時間の経過とともに乗降客の位置が変化する様子を示す。
図6Aは、列車が到着してドアが開いた直後の様子を表している。
図6Bは、車両内にいた人の一部が降車したときの様子を表している。
図6Cは、列車のドアが閉まる直前の様子を表している。
図6A、
図6B及び
図6Cにおける○は駅のプラットホームにいる人を示し、□は車両内にいる人を示す。
【0025】
一例として、乗降人数算出部120は、
図6Aのドア周辺画像と
図6Bのドア周辺画像との間の差に基づいて、降車人数を4人と算出する。乗降人数算出部120は、
図6Bのドア周辺画像と
図6Cのドア周辺画像との間の差に基づいて、乗車人数を6人と算出する。乗降人数算出部120は、乗車人数6人から降車人数4人を差し引くことで、乗降人数を2人と算出する。乗車人数が降車人数よりも少ない場合には、乗降人数は負の値になる。
【0026】
乗降人数算出部120は、到着列車のドアが開いてからドアが閉まるまでの間に撮影されたドア周辺画像に写っている人の位置を結ぶことにより得られる移動ベクトルに基づいて、乗車人数及び降車人数を算出してもよい。例えば、乗降人数算出部120は、移動ベクトルの始点が列車内にあるとともに移動ベクトルの終点が列車外にある人は降車したと判断する。乗降人数算出部120は、移動ベクトルの始点が列車外にあるとともに移動ベクトルの終点が列車内にある人は乗車したと判断する。
【0027】
送受信部130は、例えば、データの経路を切り替えるハブを有し、他の撮影装置100、データ管理装置200、撮影部110、乗降人数算出部120及び出力部140との間でデータを送受信する。例えば、送受信部130は、撮影部110が撮影した画像データ、乗降人数算出部120が算出した乗降人数、他の撮影装置100から受信した画像データ又は乗降人数をデータ管理装置200に送信する。送受信部130は、前の駅のデータ管理装置200から受信した乗客数をデータ管理装置200から受信して、出力部140又は他の撮影装置100に送信する。
【0028】
出力部140は、到着列車における、撮影装置100が撮影するドア位置付近に乗車している乗客数に対応する混雑情報を出力する。具体的には、出力部140は、前停車駅の監視システム10から受信した到着列車の乗客数に基づいて生成された混雑情報を出力する。出力部140は、例えば発光部を有し、混雑の度合を示す混雑レベルに応じた数又は色の発光部を点灯することにより、到着列車における撮影装置100が設置された付近の混み具合を、プラットホームで列車を待つ乗客に通知する。出力部140は、到着列車に乗車している乗客数を出力してもよい。出力部140は、混雑情報を音声で出力してもよく、ディスプレイに表示してもよい。出力部140は、次に到着する予定の列車の混雑情報とともに、さらに次に到着する予定の列車の混雑情報を出力してもよい。
【0029】
続いて、データ管理装置200の構成例について説明する。駅間受信部210は、前停車駅の監視システム10から、駅に到着する予定の到着列車のそれぞれのドア位置付近に乗車している乗客数を受信する。駅間受信部210は、前停車駅の監視システム10から、到着列車の乗客数に基づいて算出された混雑情報を受信してもよい。
【0030】
駅間受信部210は、直前の停車駅以外の停車駅から乗客数又は混雑情報を受信してもよい。例えば、駅間受信部210は、乗降客数が多い主要駅の監視システム10から乗客数を受信し、乗降客数が少ない駅の監視システム10からは乗客数を受信しないでもよい。乗降客数が少ない駅においては列車内の乗客数の変化が小さいので、データ管理装置200は、主要駅において算出された乗客数を受信することにより、十分な精度を有する乗客数を取得できる。
【0031】
送受信部220は、駅間受信部210、集計部230、駅間送信部240、混雑度算出部250及び複数の撮影装置100との間でデータを送受信する。例えば、送受信部220は、駅間受信部210が前停車駅の監視システム10から受信した到着予定の列車の乗客数を集計部230に入力するとともに、集計部230において生成された出発列車の乗客数を駅間送信部240に入力する。さらに、送受信部220は、駅間受信部210が前停車駅の監視システム10から受信した乗客数を、複数の撮影装置100に送信する。
【0032】
集計部230は、駅間受信部210が前停車駅の監視システム10から受信した到着列車に乗車している乗客数と乗降人数算出部120がドア周辺画像に基づいて算出した乗降人数とを集計して、駅を出発した列車のドア周辺画像に対応するドア位置付近に乗車している乗客数を算出する。具体的には、集計部230は、撮影装置100が撮影するドア付近における「到着した列車に乗車している乗客数−現停車駅での降車人数+現停車駅での乗車人数」を、次停車駅に向かって出発した列車に乗車している乗客数として算出する。集計部230は、データ管理装置200が接続されている複数の撮影装置100が撮影するそれぞれのドアごとに、出発列車の乗客数を算出する。集計部230は、算出した乗客数に応じた混雑度を示す混雑情報をさらに算出してもよい。
【0033】
例えば、始発の駅aにおいて、乗降人数算出部120が、撮影部110が撮影したドア周辺画像に含まれるドア1の位置における乗降人数を10人と算出したとする。この場合には、駅aの駅間送信部240は、駅bの駅間受信部210に対して、駅bに到着する列車のドア1付近の乗客数を10人であると通知する。
【0034】
次の駅bで、ドア1の位置において5人が降車して2人が乗車して、乗降人数算出部120が乗降人数を3人と算出したとする。この場合に、駅bの集計部230は、前停車駅aの乗降人数算出部120から取得した乗客数10人に乗降人数算出部120が取得した乗降人数3人を加算することにより、駅cに向かう列車のドア1付近の乗客数が7人であると算出する。このようにして、それぞれの駅に設置されたデータ管理装置200の集計部230は、それぞれの駅を出発した列車のそれぞれのドア付近に乗車している乗客数を順次算出することができる。
【0035】
集計部230は、データ管理装置200に接続されている複数の撮影装置100から受信した乗降人数に基づいて、駅を出発した列車のそれぞれの車両に乗車している乗客数を算出してもよく、列車全体に乗車している乗客数を算出してもよい。
【0036】
駅間送信部240は、集計部230が算出した出発列車に乗車している乗客数を次停車駅の監視システム10に送信する。例えば、駅間送信部240は、複数の撮影装置100が撮影するドアの位置と乗客数とを対応づけて送信する。駅間送信部240は、出発列車のそれぞれのドア位置付近に乗車している乗客数を、次停車駅の対応するドア位置付近に設置された撮影装置100に送信してもよい。
【0037】
混雑度算出部250は、前停車駅の監視システム10から受信した、到着列車に乗車している乗客数と所定の閾値との関係に基づいて、複数の混雑レベルを示す混雑度を算出する。例えば、混雑度算出部250は混雑度を前停車駅の集計部230から取得した駅における乗客数に応じて、混雑度の低いほうからA、B、Cのように複数のレベルに分けて混雑度を算出する。
【0038】
図7は、第1の実施形態の監視システム10における通信シーケンスの一例を示す。具体的には、
図7は、駅bに設置されたデータ管理装置200−b、撮影装置100−1、撮影装置100−2、駅bの前の駅aに設置されたデータ管理装置200−a、及び、駅bの次の駅cに設置されたデータ管理装置200−cの間でのデータの送受信シーケンスを示す。
【0039】
駅aに設置されたデータ管理装置200−aは、集計部230が集計した乗客数を駅bに設置されたデータ管理装置200−bに送信する。データ管理装置200−bは、受信した乗客数に基づいて混雑情報を生成して、撮影装置100−1及び撮影装置100−2に送信する。撮影装置100−1及び撮影装置100−2は、受信した混雑情報に基づいて、到着列車の混雑状況を出力する。
【0040】
列車が到着すると、撮影装置100−1及び撮影装置100−2の乗降人数算出部120は乗降人数を算出してデータ管理装置200−bに送信する。データ管理装置200−bは、撮影装置100−1及び撮影装置100−2から受信した乗降人数とデータ管理装置200−aから受信した乗客数とを加算することにより、駅cに向かう出発列車のそれぞれのドア位置付近の乗客数を算出して、データ管理装置200−cに送信する。
【0041】
以上のように、監視システム10によれば、前停車駅の監視システム10から受信する到着列車の乗客数に基づいて到着列車の混雑情報を出力することで、到着列車を待つ乗客が、それぞれのドア位置付近の混雑度を把握することができる。
【0042】
[混雑度が低い車両情報を表示させる]
混雑度算出部250は、到着列車のそれぞれの車両に乗車している乗客数に基づいて、それぞれの車両の混雑度をさらに算出してもよい。例えば、駅間受信部210は、前停車駅の監視システム10の集計部230により算出された到着列車の車両ごとの乗客数を受信し、混雑度算出部250は、当該乗客数を所定の閾値と比較することにより、それぞれの車両の混雑度を算出する。混雑度算出部250は、駅間受信部210が受信した到着列車の同一車両の複数のドア位置付近の乗客数を足し合わせることにより、それぞれの車両の乗客数を算出してもよい。
【0043】
出力部140は、撮影部110が撮影するドアが含まれている車両の混雑度よりも混雑度が低い車両を示す情報を出力してもよい。出力部140は、撮影部110が撮影するドア位置における到着列車の混雑度よりも混雑度が低いドアの位置を示す情報を出力してもよい。出力部140は、混雑度が所定のレベルよりも低いドア又は車両の位置を示す情報を出力してもよい。
【0044】
具体的には、出力部140は、混雑度算出部250が算出した各車両の混雑度を比較して、撮影部110が撮影するドア位置を含む車両の混雑度よりも混雑度の低い車両を特定し、混雑度の低い車両に関する情報を出力部140が出力する。例えば、出力部140は、「3両目が空いていますので、3両目にお廻りください」のように、音声で案内する。出力部140は、撮影装置100が撮影するドアの位置よりも空いているドアの位置を案内してもよい。
【0045】
以上のように、撮影装置100が、混雑していないドア位置又は車両位置を案内することにより、撮影装置100が設置されている付近で列車を待つ乗客が、列車到着前に空いているドア位置に移動することができるようになる。
【0046】
なお、上記の実施形態においては、撮影装置100が乗降人数算出部120を有し、データ管理装置200が駅間受信部210、送受信部220、集計部230、駅間送信部240及び混雑度算出部250を有する構成について説明した。しかし、撮影装置100及びデータ管理装置200のどちらがこれらの各部を有しても同等の作用効果を得ることができる。
【0047】
<第2の実施形態>
[撮影装置100が他の駅の撮影装置100又はデータ管理装置200と通信する]
図8は、第2の実施形態に係る撮影装置100の構成例を示す。
図8に示す撮影装置100は、受信部310、送受信部320、集計部330、送信部340及び混雑度算出部350を有する点で
図5に示した撮影装置100と異なる。受信部310、送受信部320、集計部330、送信部340及び混雑度算出部350は、それぞれ
図5における駅間受信部210、送受信部220、集計部230、駅間送信部240及び混雑度算出部250と同等の機能を有する。
【0048】
図9は、
図8に示した撮影装置100と他の駅に設置された撮影装置100との間の通信シーケンスの一例を示す。駅bにおけるドア1の周辺を撮影する撮影装置100−1−bは、駅aにおけるドア1の周辺を撮影する撮影装置100−1−aから、到着列車のドア1付近の乗客数を受信して、受信した乗客数に基づく混雑情報を生成する。撮影装置100−1−bは、撮影装置100−1−aから撮影装置100−2及び撮影装置100−3に対応するドア2及びドア3付近の乗客数をさらに受信して混雑情報を生成し、撮影装置100−2及び撮影装置100−3に混雑情報を送信してもよい。撮影装置100−2及び撮影装置100−3は、それぞれが撮影するドア付近の混雑情報を出力する。撮影装置100は、駅aのデータ管理装置200から、到着列車の乗客数を受信してもよい。
【0049】
列車が駅に到着してドアが閉まると、撮影装置100−2及び撮影装置100−3は、それぞれが撮影したドアにおける乗降人数を撮影装置100−1−bに通知する。撮影装置100−1−bの集計部330は、撮影装置100−1−aから受信したそれぞれのドア付近における乗客数に撮影装置100−2及び撮影装置100−3から受信した乗降人数のそれぞれを加算することにより駅bを発車した列車のそれぞれのドア付近の乗客数を算出して、撮影装置100−1−cに送信する。撮影装置100は、駅cのデータ管理装置200又はそれぞれの撮影装置100に対して乗客数を送信してもよい。
【0050】
以上の通り、撮影装置100が受信部310、送受信部320、集計部330、送信部340及び混雑度算出部350を有することにより、撮影装置100は、データ管理装置200を介することなく到着列車の乗客数に応じた混雑度をプラットホーム上の乗客に案内することができる。
【0051】
<第3の実施形態>
[データ管理装置200において乗降人数を算出する]
図10は、第3の実施形態に係るデータ管理装置200の構成例を示す。
図10に示すデータ管理装置200は、画像取得部410、乗降人数算出部420及び出力部440を有する点で、
図5に示したデータ管理装置200と異なり、その他の点で同等である。
【0052】
乗降人数算出部420及び出力部440は、それぞれ
図5における乗降人数算出部120及び出力部140と同等の機能を有する。画像取得部410は、撮影装置100が撮影した列車のドア位置のドア周辺画像を取得する。乗降人数算出部420は、画像取得部410が取得したドア周辺画像に基づいて、当該ドア位置における乗降人数を算出する。出力部440は、混雑度算出部250が算出した混雑度を、それぞれのドア付近に設置されたディスプレイに表示したり、音声で放送したりすることにより、到着列車のそれぞれのドア付近の混雑状況をプラットホーム上の乗客に案内する。
【0053】
図11は、
図10に示したデータ管理装置200−bと他の駅に設置されたデータ管理装置200−a及びデータ管理装置200−cとの間の通信シーケンスの一例を示す。駅bのデータ管理装置200−bは、駅aのデータ管理装置200−aから到着列車のそれぞれのドア付近の乗客数を受信して、受信した乗客数に基づく混雑情報を生成する。データ管理装置200−bは、駅aの複数の撮影装置100から、それぞれのドア位置付近の乗客数を受信してもよい。データ管理装置200−bは、生成した混雑情報を出力する。データ管理装置200−bは、混雑情報を撮影装置100−1及び撮影装置100−2に送信してもよい。
【0054】
列車が駅に到着すると、撮影装置100−1及び撮影装置100−2は、それぞれが撮影したドア周辺画像をデータ管理装置200−bに送信する。データ管理装置200−bの乗降人数算出部420は、撮影装置100−1及び撮影装置100−2から受信したドア周辺画像に基づいて、対応するドア位置における乗降人数を算出する。データ管理装置200−bの集計部230は、データ管理装置200−aから受信した到着列車のそれぞれのドア付近における乗客数に、算出した乗降人数を加算して、駅bを発車した列車のそれぞれのドア付近の乗客数をデータ管理装置200−cに送信する。データ管理装置200は、駅cに設置された複数の撮影装置100に対して、それぞれの撮影装置100に対応するドア位置付近の乗客数を送信してもよい。
【0055】
以上の通り、撮影装置100が乗降人数算出部120を有しない従来の撮影装置である場合においても、データ管理装置200が撮影装置100から取得したドア周辺画像に基づいて乗降人数を算出することにより、データ管理装置200は、到着列車の乗客数に応じた混雑度をプラットホーム上の乗客に案内することができる。
【0056】
<第4の実施形態>
上記の実施形態において、出力部140は、前停車駅の監視システム10から受信した到着列車の乗客数に基づいて生成された混雑情報を出力した。これに対して、出力部140は、前停車駅の監視システム10から受信した到着列車の乗客数とともに、撮影部110が撮影したプラットホーム上の乗客数にも基づいて混雑情報を生成してもよい。
【0057】
具体的には、撮影装置100又はデータ管理装置200は、撮影部110が撮影したドア周辺画像に写っているプラットホーム上の乗客数を算出する乗客数算出部をさらに有する。混雑度算出部250は、到着列車に乗車している乗客数とプラットホーム上の乗客数とを加算し、加算した人数と所定の閾値との関係に基づいて混雑情報を生成する。出力部140は、混雑度算出部250が生成した混雑情報を出力する。
【0058】
このように、出力部140が、到着列車に乗車している乗客数とプラットホーム上の乗客数とに基づいて生成された混雑情報を出力することにより、到着列車の乗客数が多くてもプラットホーム上の乗客数が少ない場合に、到着列車を待っている乗客が他のドア位置に移動することを防ぐことができる。逆に、到着列車の乗客数が少なくてもプラットホーム上の乗客数が多い場合に、到着列車を待っている乗客を他のドア位置に移動させることができる。
【0059】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。