【0007】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明における第1の実施の形態の機器制御システム1の構成の一例を
図1に示す。
図1において、機器制御システム1は、機器制御装置10と、制御対象機器90とを含む。機器制御装置10及び制御対象機器90は、機器制御装置10が制御対象機器90を制御できるように接続する。また、制御対象機器90は、機器制御装置10が管理対象とする空間(以下、「管理対象空間」とも言う)に位置する。
なお、
図1には、1つの制御対象機器90を示しているが、これは、本発明の第1の実施の形態の機器制御システム1に含まれる制御対象機器90の数を限定するものではない。機器制御装置10は、2以上の制御対象機器90と接続し、各機器を制御可能である。
制御対象機器90は、機器制御装置10から出力される制御情報にしたがって動作状態を変更可能な機器である。制御対象機器90は、例えば、照明、ブラインド、プリンタ、又は、コンピュータ装置である。また、制御対象機器90の動作状態とは、例えば、制御対象機器90の機能を動作するオン状態、機能を停止するオフ状態である。また、制御対象機器90の動作状態は、省電力状態等でもよい。また、制御対象機器90がブラインドの場合、その動作状態は、ルーバーを開いた開状態、ルーバーを閉じた閉状態、又は、ルーバーを半開した半開状態でもよい。なお、制御対象機器90が取れる動作状態の数は、限定されない。あるいは、制御対象機器90が取れる動作状態は、オン状態とオフ状態との間で無段階に変化可能な中間状態でもよい。
機器制御装置10を構成する各装置のハードウェアの構成の一例を
図2に示す。
図2において、機器制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)1001と、RAM(Random Access Memory)1002と、ROM(Read Only Memory)1003と、ハードディスク等の記憶装置1004と、インタフェース1005と、センサ機器1006とを含む。機器制御装置10は、例えば、コンピュータ装置を構成してもよい。
CPU1001は、ROM1003又は記憶装置1004に記憶されたコンピュータ・プログラム(又はプログラム・モジュール)を読み込み、RAM1002を作業領域として、プログラムを実行し、本実施の形態の機器制御装置10としての機能を実現する。
インタフェース1005は、機器制御装置10及び制御対象機器90の間で情報を受け渡す装置である。インタフェース1005は、制御対象機器90に応じた専用インタフェースでもよい。あるいは、インタフェース1005は、制御対象機器90がLAN(Local Area Network)に接続可能な機器であれば、LANインタフェースでもよい。
センサ機器1006は、管理対象空間における利用者に関する情報を検出可能な装置である。例えば、センサ機器1006は、利用者が装着した無線タグを読み取るRFID(Radio Frequency Identification)リーダ、管理対象空間を撮像する撮像装置、その他利用者に関する情報を検出可能なセンサ装置、又は、これらの装置の組み合わせでもよい。
なお、インタフェース1005及びセンサ機器1006は、機器制御装置10の外部に接続された装置でもよい。
次に、機器制御装置10の機能的なブロック構成の一例について、
図3を参照して説明する。
図3において、機器制御装置10は、機器配置情報記憶部11と、関連ID情報記憶部12と、ID付動線情報取得部13と、機器制御部14とを含む。また、機器制御部14は、制御対象機器90と接続する。
ここで、
図3に示す構成と
図2の構成と対応は、例えば、次のようになる。
機器配置情報記憶部11及び関連ID情報記憶部12は、記憶装置1004を用いて構成できる。また、ID付動線情報取得部13は、センサ機器1006、及び、ROM1003又は記憶装置1004に記憶されたコンピュータ・プログラムを読み込んで実行するCPU1001を用いて構成できる。また、機器制御部14は、インタフェース1005、及び、ROM1003又は記憶装置1004に記憶されたコンピュータ・プログラムを読み込んで実行するCPU1001を用いて構成できる。なお、機器制御装置10の各機能ブロックを構成するハードウェア構成は、上述の説明の構成に限定されない。
機器配置情報記憶部11は、機器配置情報を記憶する。ここで、機器配置情報とは、制御対象機器90の管理対象空間における物理的な配置(位置)を表す情報(位置情報)である。例えば、機器配置情報は、制御対象機器90の識別情報と制御対象機器90が設置されている位置を表す座標とを組み合わせた情報である。なお、機器配置情報記憶部11は、あらかじめ、機器配置情報を記憶する。ただし、座席移動やフロアのレイアウト変更のように制御対象機器90の配置が変更された場合、機器配置情報記憶部11は、機器配置情報を更新してもよい。
関連ID情報記憶部12は、関連ID情報を記憶する。ここで、関連ID情報とは、制御対象機器90の識別情報と、制御対象機器90の利用者に付与された識別子(ID:Identification)との対応関係を表す情報である。ここで、関連ID情報は、1つの制御対象機器90の識別情報に対して1つのIDが対応付けられてもよく、複数のIDが対応付けられてもよい。例えば、制御対象機器90が照明やブラインドの場合、関連ID情報は、照明やブラインドを識別する情報と、照明やブラインドが影響する範囲に席や作業エリアがある利用者のIDとを対応付けた情報である。あるいは、制御対象機器90がパソコンやプリンタなど認証を必要とする機器の場合、関連ID情報は、パソコンやプリンタを識別する情報と、その機器を使う権限がある利用者のIDとを対応付けた情報である。なお、関連ID情報記憶部12は、あらかじめ、関連ID情報を記憶する。ただし、組織変更や異動のように関連ID情報に変更が発生した場合、関連ID情報記憶部12は、関連ID情報を更新してもよい。
ID付動線情報取得部13は、ID付動線情報を取得する。ここで、ID付動線情報とは、利用者のIDが付与された動線情報である。また、動線情報とは、管理対象空間における利用者の位置情報を時系列で表した情報である。例えば、オフィスや工場のフロア上の一点を原点に取り、時刻tにおける利用者の位置座標を「X(t)、Y(t)」で表すと、動線情報は、位置座標(X(t)、Y(t))の時系列データである。そして、ID付動線情報は、例えば、この位置座標の時系列データと利用者のIDとを組み合わせた情報である。このID付動線情報は、所定の時間長の時系列データでもよいし、利用者の動きに合わせて適応的に時間長が調節された時系列データでもよい。なお、ID付動線情報取得部13は、管理対象空間に複数の利用者を検出した場合、人数分のID付動線情報を取得する。なお、ID付動線情報取得部13は、複数のID付動線情報を、同時に取得してもよく、異なるタイミングで取得してもよい。
ここで、ID付動線情報取得部13の具体的構成の一例について、
図4を参照して説明する。
図4に示すID付動線情報取得部13は、センサ機器1006と、ID特定部132と、動線抽出部133と、ID動線対応付け部134とを含む。
ここで、
図4に示す構成と
図2の構成と対応は、例えば、次のようになる。
ID特定部132と、動線抽出部133と、ID動線対応付け部134とは、ROM1003又は記憶装置1004に記憶されたコンピュータ・プログラムを読み込んで実行するCPU1001を用いて構成できる。
ID特定部132は、管理対象空間において検出された利用者のIDを特定する。
例えば、ID特定部132は、センサ装置1006がRFIDリーダを含む場合、RFIDリーダを用いて利用者が装着する無線タグに記憶されたIDを受信してもよい。
あるいは、ID特定部132は、センサ装置1006が撮像装置を含む場合、撮像装置を用いて利用者のIDを特定してもよい。この場合、ID特定部132は、撮像装置で撮影された映像における人物の顔が映された領域を検出する。そして、ID特定部132は、検出した領域と、あらかじめIDとともに登録された利用者の顔画像とを照合し、利用者のIDを特定してもよい。
動線抽出部133は、管理対象空間において検出された利用者の位置(位置情報)を算出する。例えば、動線抽出部133は、センサ装置1006が撮像装置を含む場合、撮像装置を用いて利用者の位置を算出してもよい。この場合、動線抽出部133は、撮像装置で撮影された映像から人物が映された領域を抽出する。そして、動線抽出部133は、映像の座標と実空間である管理対象空間の座標とを対応付けた情報(例えば、キャリブレーション情報)を用いて、管理対象空間における利用者の位置を算出する。
ID動線対応付け部134は、ID特定部132が特定したIDと、動線抽出部133が算出した位置(位置情報)との対応関係を特定する。そして、ID動線対応付け部134は、ID毎に、対応付けた位置情報を時系列で並べたID付動線情報を生成する。例えば、ID動線対応付け部134は、ID特定部132がIDの特定に用いるRFIDリーダを用いて推定したRFIDの概略位置と、動線抽出部133が撮像装置を用いて算出する位置との距離に基づいて、対応関係を特定してもよい。あるいは、ID特定部132及び動線抽出部133が撮像装置を用いる場合、ID動線対応付け部134は、ID特定部132が顔画像領域に付随して取得する服装情報と、動線抽出部133が人物画像領域に付随して取得する服装情報とを照合し、対応関係を特定してもよい。このように、ID動線対応付け部134は、ID特定部132及び動線抽出部133の両方が取得可能な同種の情報を照合し、対応付け可能である。
なお、ID付動線情報取得部13は、上述の構成に限らない。ID付動線情報取得部13は、管理対象空間における利用者のIDと位置とを連続的に検出する一般的な技術を適用可能である。
また、ID付動線情報取得部13は、取得したID付動線情報を機器制御部14に出力する。この出力において、ID付動線情報取得部13は、新たなID付動線情報が追加されて更新されるたびにID付動線情報を出力してもよい。あるいは、ID付動線情報取得部13は、あらかじめ定められた時間間隔で、ID付動線情報を出力してもよい。
機器制御部14は、ID付動線情報と、関連ID情報とを照合する。この照合を基に、機器制御部14は、ID付動線情報で示されるIDに対応付けられた制御対象機器90を表す情報を取得する。そして、機器制御部14は、制御対象機器90に関する機器配置情報と、ID付動線情報とに基づいて、制御対象機器90の状態を決定する。例えば、機器制御部14は、制御対象機器90の位置から所定範囲に、ID付動線情報に含まれる所定期間の位置情報が含まれるか否かを基に、制御対象機器90をオン状態にするかオフ状態にするかを決定してもよい。そして、機器制御部14は、制御対象機器90の状態を、決定した状態に制御するための制御情報を生成し、制御対象機器90へ出力する。なお、機器制御部14は、ID付動線情報で示されるIDに対応付けられた制御対象機器90が関連ID情報記憶部12に記憶されていない場合、制御対象機器90の状態を決定しない(又は、制御情報を出力しない)。
以上のように構成された機器制御システム1の動作について、
図5を参照して説明する。なお、
図5において、機器配置情報記憶部11及び関連ID情報記憶部12は、機器配置情報及び関連ID情報を既に記憶しているとする。
まず、ID付動線情報取得部13は、ID付動線情報を取得する(ステップS1)。
次に、機器制御部14は、ステップS1で取得されたID付動線情報のIDが対応付けられた制御対象機器90があるか否かを、関連ID情報記憶部12を参照し判断する(ステップS2)。
該当する制御対象機器90がない場合(ステップS2でNo)、機器制御システム1は、動作を終了する。
該当する制御対象機器90がある場合(ステップS2でYes)、機器制御部14は、機器配置情報記憶部11に記憶された機器配置情報及びステップS1で取得されたID付動線情報に基づいて、その制御対象機器90の状態を決定する(ステップS3)。
次に、機器制御部14は、ステップS3で決定した状態に制御対象機器90を制御するための制御情報を生成し、制御対象機器90に出力する(ステップS4)。
制御対象機器90は、制御情報にしたがって状態を変更する。
以上で、機器制御システム1は、動作を終了する。
次に、このような機器制御システム1において、制御対象機器90に照明を適用した場合について説明する。
機器配置情報記憶部11は、あらかじめ、オフィス(管理対象空間)において各座席に配置された照明の識別情報と、照明の位置情報との対応関係を機器配置情報として記憶する。
関連ID情報記憶部12は、照明の識別情報と、その照明が設置されたオフィスの座席を用いる利用者のIDとの対応関係を関連ID情報として記憶する。
そして、機器制御部14は、ID付動線情報取得部13が取得したID付動線情報のIDに対応付けられた照明の識別情報を取得する。そして、機器制御部14は、その照明の位置と、ID付動線情報とに基づいて、照明の状態を決定する。例えば、機器制御部14は、該当する照明の位置から所定範囲に、ID付動線情報に含まれる所定期間の位置情報が含まれる場合、照明をオン状態と決定し、制御情報を出力する。一方、機器制御部14は、この所定範囲に位置情報が含まれない場合、照明をオフ状態と決定し、制御情報を出力する。この制御に基づき、機器制御部14は、各席に配置された照明に対して、その席の利用者が近づいたか遠ざかったかを検知し、照明のオンオフを制御できる。また、機器制御部14は、各照明にそのオフィスの座席の利用者以外の人が近づいても、照明をオン状態に制御しない。
また、このような機器制御システム1において、制御対象機器90にPC(パーソナルコンピュータ)を適用した場合について説明する。
この場合、機器配置情報記憶部11は、オフィス(管理対象空間)において各座席に配置されたPCの識別情報と、その位置情報との対応関係を機器配置情報として記憶する。
また、関連ID情報記憶部12は、あらかじめ、各PCに対する使用権限を持つ利用者のIDを記憶する。
そして、機器制御部14は、ID付動線情報取得部13が取得したID付動線情報のIDに対応付けられたPCに対して、照明の場合と同様に制御する。この制御を基に、機器制御部14は、PCに対して使用権限のある利用者が近づいたか遠ざかったかを検知し、PCのオン状態と省電力状態との切り替えを制御できる。さらに、機器制御部14は、PCを省電力状態に制御してから所定期間経過しても使用権限のある利用者が近づかないことをID付動線情報に基づいて判断した場合、そのPCをオフ状態に制御可能である。また、機器制御部14は、各PCに使用権限のある利用者以外の人が近づいても、PCをオン状態に制御しない。
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第1の実施の形態の機器制御システム1は、利用者の検出に応じて適切な制御対象機器90を制御できる。
その理由は、次のとおりである。
機器制御装置10のID付動線情報取得部13が、利用者のIDが付与されたID付動線情報を取得する。そして、機器制御部14が、関連ID情報記憶部12を参照し、ID付動線情報のIDに対応付けられた制御対象機器90を特定する。そして、機器制御部14が、特定した制御対象機器90に、ID付動線情報及び機器配置情報に基づいて決定した状態となるよう制御情報を出力するからである。
この制御を基に、本実施の形態の機器制御システム1は、制御対象機器90に対応付けられていないIDの利用者を検出しても、制御対象機器90の状態を制御しない。したがって、本実施の形態の機器制御システム1は、例えば、プリンタを利用しない人が通っただけでは、プリンタをオン状態にしない。
また、本実施の形態の機器制御システム1は、利用者のある時点での位置情報ではなく、位置情報の時系列であるID付動線情報に基づいて制御対象機器90の状態を決定する。このため、本実施の形態の機器制御システム1は、機器から所定範囲の境界付近を利用者が通過する場合、制御対象機器90の状態を変更しないように制御できる。
また、本実施の形態の機器制御システム1は、制御対象機器90に近づく動線を検出した時点で機器の状態を制御できる。したがって、本実施の形態の機器制御システム1は、例えば、利用者が自席についてから設定時間以上経過しなくても、自席に対する空調制御を開始できる。
また、本発明の第1の実施の形態の機器制御システム1は、制御対象機器90の省電力効果を高められる。
その理由は、機器制御部14が、利用者のある時点での位置情報でなく、ID付動線情報を用いて機器をオン状態にするか否かを決定するからである。この制御に基づき、本発明の第1の実施の形態の機器制御システム1は、利用者を検出した場合でも、適切でない場合、制御対象機器90へのオン状態の制御情報の出力を抑制できるからである。
また、本発明の第1の実施の形態の機器制御システム1は、制御対象機器90のセキュリティを向上できる。
その理由は、関連ID情報記憶部12が、機器に対する使用権限のある利用者のIDを対応付けて関連ID情報を記憶するため、機器制御部14は、関連ID情報に基づいて、IDに対応付けられた機器をオン状態に制御するからである。この制御に基づき、本発明の第1の実施の形態の機器制御システム1は、例えば、PCやプリンタの使用権限のない利用者を検出した場合、制御対象機器90をオン状態にしないからである。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明で参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同様の構成及び同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
まず、本発明の第2の実施の形態の機器制御システム2の構成の一例を
図6に示す。
図6において、機器制御システム2は、機器制御装置20と、制御対象機器91とを含む。ここで、機器制御装置20は、例えば、本発明の第1の実施の形態と同様に
図2を参照して説明したコンピュータ装置を用いて構成できる。なお、
図6には、1つの制御対象機器91を示しているが、これは、本発明の第2の実施の形態の機器制御システム2に含まれる制御対象機器91の数を限定するものではない。機器制御装置20は、2以上の制御対象機器91と接続し、各機器を制御可能である。
制御対象機器91は、本発明の第1の実施の形態における制御対象機器90と同様の構成に加えて、自装置において動的に変化する利用者のIDを表す情報を、機器制御装置20に出力する。ここで、動的に変化する利用者のIDとは、例えば、制御対象機器91がプリンタ装置の場合、現在プリントキューに溜まっているタスクの利用者のIDである。
機器制御装置20は、本発明の第1の実施の形態における機器制御装置10に対して、関連ID情報記憶部12に替えて関連ID情報記憶部22を含む点が異なる。
関連ID情報記憶部22は、制御対象機器91から取得した利用者のIDと、制御対象機器91の識別情報とを対応付け、関連ID情報として記憶する。また、関連ID情報記憶部22は、制御対象機器91から更新された利用者のIDが出力されるたびに、既に記憶した関連ID情報を更新する。
以上のように構成された機器制御システム2の動作は、
図5を参照して説明した本発明の第1の実施の形態の機器制御システム1の動作と同様である。ただし、機器制御システム2は、
図5のステップS2において、関連ID情報が動的に更新されている関連ID情報記憶部22を参照する点が、本発明の第1の実施の形態の機器制御システム1の動作と異なる。この動作に基づき、機器制御システム2は、ID付動線情報のIDの利用者がその時点で利用可能な制御対象機器91の状態を制御する。
次に、このような機器制御システム2において、制御対象機器91に認証機能付きプリンタ装置を適用した場合について説明する。
機器配置情報記憶部11は、認証機能付きプリンタ装置の位置情報を記憶する。
認証機能付きプリンタ装置は、通信可能に接続されたPC等からプリント対象のタスクを受信すると、プリントキューにタスクを追加する。そして、認証機能付きプリンタ装置は、プリントキューに溜まったタスクの利用者のIDを機器制御装置20に送信する。
関連ID情報記憶部22は、認証機能付きプリンタ装置から受信した利用者のIDを、認証機能付きプリンタ装置の識別情報に対応付けて、関連ID情報として記憶する。
そして、ID付動線情報取得部13からID付動線情報を取得すると、機器制御部14は、取得したID付動線情報と関連ID情報記憶部22の関連ID情報とを照合する。
ID付動線情報のIDを含む関連ID情報がある場合、このIDの利用者のプリントタスクが、認証機能付きプリンタ装置に溜まっていることになる。そのため、機器制御部14は、このID付動線情報と認証付プリンタ装置の位置情報とに基づいて、IDの利用者が認証機能付きプリンタ装置に近いと判断すると、認証機能付プリンタ装置を省電力状態からオン状態に復帰させる。
一方、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報がない場合、機器制御部14は、認証機能付きプリンタ装置の状態を変更させる制御情報を出力しない。すなわち、プリントキューにタスクのない利用者が認証機能付きプリンタ装置に近づいても、認証機能付きプリンタ装置は、省電力状態のままとなる。
次に、本発明の第2の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第2の実施の形態の機器制御システム2は、制御対象機器91を利用可能な利用者が動的に変更される場合も、適切な利用者のID付動線情報に基づいて、制御対象機器91の状態を制御できる。
その理由は、関連ID情報記憶部22が、動的に変更される制御対象機器91の利用者のIDを制御対象機器91から取得し、関連ID情報を更新するからである。この更新に基づき、本発明の第2の実施の形態の機器制御システム2は、例えば、認証機能付プリンタ装置のプリントキューにタスクのない利用者の動線を認証機能付プリンタ装置の近傍で検出しても、認証機能付プリンタ装置をオン状態にしない。したがって、本発明の第2の実施の形態の機器制御システム2は、制御対象機器91の適正な利用者が動的に変更される場合も、適切な利用者に対して、制御対象機器91が利用可能となるように、制御対象機器91の状態を制御できる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明で参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同様の構成及び同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
まず、本発明の第3の実施の形態の機器制御システム3の構成の一例を、
図7に示す。
図7において、機器制御システム3は、機器制御装置30と、制御対象機器90とを含む。ここで、機器制御装置30は、例えば、本発明の第1の実施の形態の機器制御装置10と同様に、
図2に示すようなコンピュータ装置を用いて構成できる。なお、
図7には、1つの制御対象機器90を示しているが、これは、本発明の第3の実施の形態の機器制御システム3に含まれる制御対象機器90の数を限定するものではない。機器制御装置30は、2以上の制御対象機器90と接続し、各機器を制御可能である。
機器制御装置30は、本発明の第1の実施の形態の機器制御装置10に対して、機器配置情報記憶部11に替えて機器配置情報記憶部31を、及び、機器制御部14に替えて機器制御部34を含む点が異なる。
機器配置情報記憶部31は、本発明の第1の実施の形態における機器配置情報記憶部11と同様に、管理対象空間における制御対象機器90の位置情報を含む機器配置情報を記憶する。また、機器配置情報記憶部31は、制御対象機器90の位置を基準とした方向を表す情報を機器配置情報に含めて記憶可能である。この方向を表す情報とは、制御対象機器90を利用する利用者の位置する方向の情報である。制御対象機器90が、その位置を基準として特定の方向に利用者が位置するか否かに基づいて制御されることが適切な場合、その特定の方向を表す情報が、あらかじめ、方向を表す情報として設定される。例えば、プリンタ装置は、その操作パネル側の方向に利用者が位置する場合にオン状態となることが望ましい。そこで、制御対象機器90がプリンタ装置であれば、機器配置情報記憶部31は、プリンタ装置の識別情報と、その位置情報と、その位置から操作パネル側の方向を表すベクトル情報とを対応付けて記憶する。
さらに、機器配置情報記憶部31は、制御対象機器90の管理対象空間における利用領域を表す情報を機器配置情報に含めて記憶可能である。この利用領域とは、制御対象機器90を利用する利用者が制御対象機器90を利用するときに位置する領域である。制御対象機器90が、管理対象空間において、ある領域内に利用者が位置する場合に制御されることが適切である場合、その領域を表す情報が、あらかじめ、利用領域を表す情報として設定される。例えば、制御対象機器90がブラインドであれば、機器配置情報記憶部31は、ブラインドの識別情報と、その位置情報と、ブラインドが設置されている窓近傍に配置された座席を含む利用領域を表す情報とを対応付けて記憶する。
さらに、機器配置情報記憶部31は、管理対象空間における通路領域を表す情報(通路情報)を、機器配置情報に含めて記憶してもよい。通路情報は、制御対象機器90が制御されることが好ましい利用者の位置を含む領域が、通路領域を基に左右される場合、あらかじめ設定される。例えば、制御対象機器90の位置から所定範囲の一部に座席等が配置されている場合、その座席の利用者の在席を基に制御対象機器90が制御されることは、好ましくない。しかし、制御対象機器90の位置から所定範囲の通路領域内に利用者を検知した場合、制御対象機器90は、制御されることが望ましい。このような場合、機器配置情報記憶部31は、機器配置情報に通路情報を含める。
機器制御部34は、関連ID照合部341と、特定領域立入検出部342と、制御情報生成部343とを含む。
関連ID照合部341は、ID付動線情報取得部13が取得したID付動線情報と、関連ID情報記憶部12が記憶する関連ID情報とを照合する。そして、関連ID照合部341は、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報があるか否かを表す照合結果情報を出力する。なお、ID付動線情報取得部13が複数のID付動線情報を取得する場合、関連ID照合部341は、各ID付動線情報について照合結果情報を出力する。
特定領域立入検出部342は、機器配置情報記憶部31を参照し、制御対象機器90の特定領域を決定する。ここで、特定領域とは、管理対象空間において、利用者が立ち入った際に制御対象機器90の状態を変化させる領域を表す。
ここで、特定領域立入検出部342が機器配置情報記憶部31を参照して決定する制御対象機器90の特定領域の具体例について、
図8A乃至
図8Cを参照して説明する。
例えば、
図8Aに示すように、特定領域立入検出部342は、機器配置情報に含まれる制御対象機器90の位置情報を用いて、その位置から所定距離以内の領域を特定領域としてもよい。
また、
図8Bに示すように、特定領域立入検出部342は、機器配置情報に含まれる制御対象機器90の位置情報及び方向を表す情報を用いて、非等方の特定領域を決定してもよい。例えば、プリンタ装置の位置情報と、その位置から操作パネル側の方向(正面方向)を表すベクトル情報とを参照できる場合、特定領域立入検出部342は、プリンタ装置の位置からそのベクトル方向に、所定幅で所定距離までの領域を特定領域としてもよい。この特定領域を用いて、プリンタ装置の背面側の領域を利用者が通過する場合、特定領域立入検出部342は、特定領域に利用者が立ち入っていないと判断できる。そして、プリンタ装置の正面側の領域に利用者が位置する場合、特定領域立入検出部342は、特定領域に利用者が立ち入ったと判断できる。
また、
図8Cに示すように、特定領域立入検出部342は、機器配置情報に含まれる制御対象機器90の位置及び通路情報を用いて、特定領域を決定してもよい。例えば、特定領域立入検出部342は、制御対象機器90の位置から通路側の所定範囲を、特定領域としてもよい。
また、特定領域立入検出部342は、機器配置情報に制御対象機器90の利用領域の情報が含まれている場合、その利用領域を特定領域としてもよい。
なお、特定領域立入検出部342は、
図8A−
図8Cに例示した情報を組み合わせて特定領域を決定してもよい。
さらに、特定領域立入検出部342は、ある制御対象機器90の特定領域を決定するために、他の制御対象機器90の位置情報も参照してもよい。
また、特定領域立入検出部342は、このように決定した制御対象機器90の特定領域を、所定の記憶装置(例えば、
図2の記憶装置1004)に記憶する。そして、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報が取得されたとき、そのIDの利用者の特定領域に対する立ち入り状況を検出するため、記憶した特定領域を表す情報を用いる。
具体的には、特定領域立入検出部342は、関連ID照合部341から照合結果情報を受け取る。そして、照合結果情報がID付動線情報のIDを含む関連ID情報があることを表す場合、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報が、IDに対応付けられた制御対象機器90の特定領域に対し、所定の立入判定基準を満たすか否かを判定する。そして、特定領域立入検出部342は、判定結果に基づいて、ID付動線情報のIDが付与された利用者の特定領域への立ち入り状況を表す特定領域立入情報を生成する。
例えば、所定の立入判定基準は、ID付動線情報に含まれる過去の所定期間の位置情報が、特定領域内に含まれるか否かである。なお、所定期間を適切に設定すると、特定領域立入検出部342は、立入判定基準を用いて、IDの利用者が特定領域に立ち入っているか否かの判定結果の頻繁な変化を防止できる。
また、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報に基づいて、利用者が特定領域の境界を横切る際の通過速度を算出し、算出した通過速度に応じて上述の立入判定基準を変更してもよい。また、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報に基づいて、利用者が特定領域外部から内部に立ち入るか、内部から外部に向けて立ち去るかを表す境界の通過方向を算出し、算出した通過方向に基づいて上述の立入判定基準を変更してもよい。
例えば、特定領域立入検出部342は、通過方向が立入方向で、かつ、通過速度が所定速度以上である場合、過去の所定期間の位置情報を調べないで、即座に特定領域に立ち入ったと判定してもよい。一方、特定領域立入検出部342は、通過方向が立入方向で、かつ、通過速度が所定速度未満である場合、その時点から所定期間経過までの位置情報の時系列が特定領域に含まれるか否かを判定する。そして、所定期間経過しても含まれる場合、特定領域立入検出部342は、特定領域に立ち入ったと判定してもよい。このように通過速度及び通過方向を用いた判定基準の変更に基づき、特定領域立入検出部342は、一定の速度以上で制御対象機器90に近づく利用者を、制御対象機器90を利用する意図のある利用者であるとみなす。そのため、特定領域立入検出部342は、立入判定の遅延を防げる。一方、特定領域立入検出部342は、一定の速度未満で制御対象機器90に近づく利用者は制御対象機器90の特定領域内の所定期間の位置を確認してから、制御対象機器90を利用する利用者であるとみなす。そのため、特定領域立入検出部342は、立入判定の精度を向上できる。
また、例えば、特定領域立入検出部342は、通過方向が立入方向の場合、特定領域をその境界より所定のマージン分縮小した領域内部に利用者の最新の位置が入った時点で、特定領域に立ち入ったと判定してもよい。一方、特定領域立入検出部342は、通過方向が立去方向の場合、特定領域をその境界より所定のマージン分拡大した領域外部に利用者の最新の位置が入った時点で、特定領域から立ち去ったと判定してもよい。この判定を基に、特定領域立入検出部342は、特定領域の境界付近に人物が存在する場合、利用者の立ち入りの判定結果の頻繁な変化を防止できる。
また、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報に基づいて、利用者の特定領域立入情報に対する立ち入りの程度を表すパラメータを特定領域立入情報に含めて生成してもよい。このパラメータは、例えば、制御対象機器90の位置から利用者の最新の位置までの距離を表すものでもよい。例えば、制御対象機器90の特定領域の境界の位置にパラメータの値を0、制御対象機器90の位置のパラメータの値を1とする。この場合のパラメータは、利用者の最新の位置と制御対象機器90の位置との距離に応じて0から1の間の値を取り、制御対象機器90の位置に近いほど1に近い値となる。
なお、特定領域立入検出部342は、複数のID付動線情報が取得された場合、各ID付動線情報のIDの利用者に関する特定領域立入情報を生成する。
制御情報生成部343は、特定領域立入情報に基づいて、制御対象機器90を制御する制御情報を生成する。このため、例えば、制御情報生成部343は、特定領域立入情報及び制御対象機器90の状態の対応関係をあらかじめ記憶してもよい。そして、制御情報生成部343は、制御対象機器90が、特定領域立入検出部342が生成した特定領域立入情報に対応づけられた状態となる制御情報を生成すればよい。
例えば、特定領域へ立ち入りを表す特定領域立入情報は、制御対象機器90の稼動状態が対応付けられてもよい。この特定領域立入情報を基に、制御情報生成部343は、制御対象機器90を稼動状態に保つ制御情報を生成する。例えば、制御対象機器90が照明であれば、制御情報生成部343は、照明を点灯した状態に保つ制御情報を照明に出力する。
一方、特定領域に立ち入っていないを表す特定領域立入情報は、制御対象機器90の停止状態が対応付けられてもよい。この特定領域立入情報を基に、制御情報生成部343は、制御対象機器90を停止状態に保つ制御情報を生成する。例えば、制御対象機器90が照明の場合、制御情報生成部343は、照明を消灯した状態に保つ制御情報を照明に出力する。
なお、制御情報生成部343が生成する制御情報は、制御対象機器90に対応して異なる。
また、制御情報生成部343は、制御対象機器90に対して前回出力した制御情報を記憶し、制御情報に変更がある場合に、制御情報を制御対象機器90に出力してもよい。例えば、制御情報生成部343は、制御対象機器90に対応付けられたIDの利用者が特定領域に立ち入っていない状態から、立ち入ったと判定された時点で、制御対象機器90をオン状態にする制御情報を出力する。この場合、制御情報生成部343は、利用者が引き続き特定領域に立ち入っている間、制御情報を出力しない。そして、制御情報生成部343は、利用者が特定領域から立ち去ったと判定された時点で、制御対象機器90をオフ状態にする制御情報を出力する。制御情報生成部343は、利用者が引き続き特定領域に立ち入っていない間、制御情報を出力しない。
また、制御情報生成部343は、特定領域立入情報に含まれるパラメータに、制御対象機器90のオンオフ以外の中間的な状態を対応付けてもよい。この場合、制御情報生成部343は、特定領域立入情報に含まれるパラメータに基づいて、制御対象機器90の状態を、オンからオフ、又は、オフからオンに切り替える際に、中間的な状態を経て状態を遷移させる制御情報を出力する。例えば、制御対象機器90が照度を制御可能な照明である場合、制御情報生成部343は、照明までの利用者の距離を表すパラメータの大小に照度の大小を対応付けてもよい。この対応を基に、制御情報生成部343は、この照明に対応付けられたIDの利用者が照明の位置に近いほど(パラメータが1に近いほど)照度を最大に近づけ、特定領域の境界に近いほど(パラメータが0に近いほど)照度を0に近づける制御が可能である。
また、制御情報生成部343は、1つの制御対象機器90に対して対応付けられた複数のIDに関する特定領域立入情報が得られた場合、特定領域立入情報に対応付けられたIDの数(立入人数)を用いて、制御情報を生成してもよい。この場合、制御情報生成部343は、あらかじめ、この立入人数と制御対象機器90の状態とを対応付けを記憶しておく。
例えば、制御対象機器90が空調である場合、制御情報生成部343は、次に説明するように動作する。立入人数が所定の閾値より少ない場合、制御情報生成部343は、間欠運転の状態を対応付ける。また、立入人数が閾値以上の場合、制御情報生成部343は、通常運転の状態を対応付ける。
以上のように構成された機器制御システム3の動作について、
図9を参照して説明する。
なお、
図9において、機器配置情報記憶部31及び関連ID情報記憶部12は、機器配置情報及び関連ID情報を既に記憶しているとする。また、特定領域立入検出部342は、機器配置情報記憶部31に記憶された機器配置情報を参照し、既に制御対象機器90の特定領域を決定して、記憶しているとする。
まず、ID付動線情報取得部13は、ID付動線情報を取得する(ステップS11)。
次に、関連ID照合部341は、ID付動線情報と、関連ID情報記憶部12に記憶されている関連ID情報との照合を基に、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報があるか否かを表す照合結果情報を出力する(ステップS12)。
照合結果情報が、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報がない場合(ステップS13でNo)、機器制御システム3は、動作を終了する。
照合結果情報が、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報があることを表す場合(ステップS13でYes)、特定領域立入検出部342は、その関連ID情報が示す制御対象機器90の特定領域を取得する。そして、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報及び特定領域に基づいて、特定領域立入情報を生成する(ステップS14)。
このとき、前述のように、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報に含まれる所定期間の位置情報が特定領域に含まれるか否かを判断してもよい。また、その場合、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報に基づいて、該当するIDの利用者の領域境界を横切る際の通過速度や通過方向を用いて、立入判定基準となる所定期間を変更、或いは、特定領域を拡大又は縮小してもよい。
特定領域立入検出部342は、ID付動線情報が特定領域に対して所定の立入判定基準を満たすと判断した場合、特定領域に立ち入っていることを表す特定領域立入情報を生成する。一方、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報が特定領域に対して所定の立入判定基準を満たしていないと判断した場合、特定領域に立ち入っていないことを表す特定領域立入情報を生成する。なお、特定領域立入検出部342は、該当するIDの利用者の特定領域に対する立入の程度を表すパラメータを特定領域立入情報に含めてもよい。
次に、制御情報生成部343は、ステップS14で生成された特定領域立入情報に基づいて、該当する制御対象機器90の状態を決定する。(ステップS15)。このとき、制御情報生成部343は、ステップS14で生成された特定領域立入情報を基に、該当するIDの利用者が特定領域に立ち入っているか否かを判定し、該当する制御対象機器90のオン状態又はオフ状態を決定してもよい。また、制御情報生成部343は、ステップS14で生成された特定領域立入情報に含まれるパラメータに基づいて、該当する制御対象機器90の中間状態を決定してもよい。また、制御情報生成部343は、該当する制御対象機器90の特定領域に立ち入っていることを表す特定領域立入情報に対応付けられた立入人数に基づいて、制御対象機器90の状態を決定してもよい。
次に、制御情報生成部343は、該当する制御対象機器90に、ステップS15で決定した状態に制御する制御情報を出力する(ステップS16)。
そして、制御対象機器90は、制御情報にしたがって状態を変更する。
以上で、機器制御システム3は、動作を終了する。
次に、このような機器制御システム3において、制御対象機器90にブラインドを適用した場合について説明する。
機器配置情報記憶部31は、各ブラインドの位置情報に加えて、そのブラインドが設置された窓際に配置された座席を含む利用領域を記憶する。
関連ID情報記憶部12は、各ブラインドの識別情報と、そのブラインドが設置された窓際に配置された各座席の利用者のIDとを対応付けた関連ID情報を記憶する。
特定領域立入検出部342は、機器配置情報記憶部31を参照し、各ブラインドの特定領域として、そのブラインドの窓際の領域を決定し、保持する。
そして、ID付動線情報取得部13がID付動線情報を取得すると、関連ID照合部341は、ID付動線情報と、関連ID情報記憶部12に記憶されている関連ID情報とを照合する。ここで、ID付動線情報のIDに対応付けられたブラインドがある場合、特定領域立入検出部342は、ID付動線情報とブラインドの特定領域とに基づいて、そのIDの特定領域立入情報を生成する。ここで、オフィス(管理対象空間)に複数の利用者がいる場合、複数のID付動線情報が取得される場合がある。複数のID付動線情報を取得した場合、特定領域立入検出部342は、複数の特定領域立入情報を生成する。そして、制御情報生成部343は、あるブラインドの特定領域に、立ち入っていることを表す特定領域立入情報が1つもない場合、そのブラインドを開状態とする制御情報を出力する。一方、あるブラインドの特定領域について立ち入っていることを表す特定領域立入情報が1つ以上ある場合、制御情報生成部343は、そのブラインドを閉状態とする制御情報を出力する。このような制御を基に、機器制御システム3は、窓際付近の座席に利用者がいる場合、その窓に設置されたブラインドを閉じ、その窓際付近の座席に1人も利用者がいない場合、ブラインドを開く制御ができる。この制御を基に、機器制御システム3は、窓際付近の座席に1人も利用者がいないときにはブラインドを開いて照明を不要とし、照明に基づく電力消費を抑える。一方で、機器制御システム3は、窓際付近の座席に利用者がいる場合、ブラインドを閉じ、ディスプレイの視認性を向上させる。そして、機器制御システム3は、窓際付近の座席の利用者以外の利用者がブラインドに近づいても、ブラインドを制御しない。
次に、本発明の第3の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第3の実施の形態の機器制御システム3は、利用者の検出に応じて適切な制御対象機器90を制御できる。
その理由は、関連ID情報記憶部12が、制御対象機器90に関連する利用者のIDを記憶することに加えて、特定領域立入検出部342は、制御対象機器90が状態を制御される場合の利用者の位置として適切な特定領域を決定するからである。そして、制御情報生成部343は、制御対象機器90に対応付けられたIDの利用者のID付動線情報が、特定領域に対して立入判定基準を満たすか否かに基づいて、その制御対象機器90の状態を制御するからである。
この制御を基に、本発明の第3の実施の形態の機器制御システム3は、適切な利用者が利用のために近づいたときに制御対象機器90を制御するため、より効果的な消費電力の削減を実現できる。また、本発明の第3の実施の形態の機器制御システム3は、制御対象機器90の配置等を考慮して特定領域を柔軟に決定できるため、制御対象機器90を利用しない利用者の検出に基づき、無駄な制御対象機器90の制御を防ぐことができ、省エネ効果をより高めることが可能である。
なお、本発明の第3の実施の形態において、機器制御部34は、
図10に示すように、制御対象機器90の現在の機器状態情報を考慮して、制御対象機器90の状態を決定してもよい。ここで、制御対象機器90の現在の機器状態情報とは、例えば、制御対象機器90が稼働状態であるか、停止状態であるか、あるいは、中間状態であるかという現在の制御対象機器90の状態を特定可能な情報である。この場合、制御情報生成部343は、制御対象機器90から現在の状態を取得して、特定領域立入検出部342に機器状態情報を出力する。なお、特定領域立入検出部342は、制御対象機器90の現在の機器状態情報に基づいて、立入判定基準を変更してもよい。例えば、特定領域立入検出部342は、制御対象機器90の現在の機器状態情報に基づいて、特定領域の境界を変更してもよい。
具体的には、特定領域立入検出部342は、制御対象機器90が停止状態のときの特定領域の境界を、制御対象機器90が稼働状態のときの特定領域の境界より外側に変更してもよい。
このように構成を基に、本発明の第3の実施の形態の機器制御システム3は、制御対象機器90が停止状態の場合、特定領域を大きく設定した立入判定基準を用いて近づいてくる利用者を早めに検出し、稼動状態に制御できる。
一方で、本発明の第3の実施の形態の機器制御システム3は、制御対象機器90が稼働状態の場合、特定領域を小さく設定した立入判定基準を用いて、立ち去る利用者を即座に検出し、停止状態に制御できる。
例えば、制御対象機器90が照明のとき、特定領域立入検出部342は、次のように制御できる。
現在の照明の状態がオンの場合、特定領域立入検出部342は、特定領域の境界を所定マージン分内側に設定し、離席する利用者を早めに検出して照明をオフできる。
一方で、現在の照明状態がオフの場合、特定領域立入検出部342は、特定領域の境界を所定マージン分外側に設定し、着席しようとする利用者を早めに検出して照明をオンできる。
制御対象機器90がPCやプリンタ、ブラインドの場合も、機器制御システム3は、同様に制御可能である。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明で参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同様の構成及び同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
まず、本発明の第4の実施の形態の機器制御システム4の構成を、
図11に示す。
図11において、機器制御システム4は、機器制御装置40と、制御対象機器90とを含む。ここで、機器制御装置40は、例えば、本発明の第1の実施の形態の機器制御装置10と同様に、
図2に示すようなコンピュータ装置を用いて構成できる。なお、
図11には、1つの制御対象機器90を示しているが、これは、本発明の第4の実施の形態の機器制御システム4に含まれる制御対象機器90の数を限定するものではない。機器制御装置40は、2以上の制御対象機器90を接続し、各機器を制御可能である。
機器制御装置40は、本発明の第1の実施の形態の機器制御装置10に対して、機器制御部14に替えて機器制御部44を含む点が異なる。
機器制御部44は、関連ID照合部341と、行動解析部442と、制御情報生成部443とを含む。
関連ID照合部341は、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報があるか否かを表す照合結果情報を出力する。
行動解析部442は、関連ID照合部341が、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報があると判断した場合、ID付動線情報及び機器配置情報を解析する。そして、行動解析部442は、該当するIDの利用者の制御対象機器90に対する行動の種別を表す行動解析情報を、制御情報生成部443へ出力する。
例えば、行動解析部442は、制御対象機器90の位置情報に対するID付動線情報の位置情報の時系列が、行動パタン辞書に記憶されている行動パタンのいずれかに該当するか否かを判定する。そして、行動解析部442は、いずれかの行動パタンに該当すると判定した場合、その行動パタンに付与されたインデックスを行動解析情報として出力する。
例えば、行動解析部442は、制御対象機器90がパーソナルコンピュータや照明等の利用者の座席付近に設置される機器である場合、次のように動作する。
制御対象機器90近傍の領域で、制御対象機器90に対応付けられたIDのID付動線情報に含まれる各位置情報が略同一である場合、行動解析部442は、着席して仕事をしている行動パタンに合致すると判定する。そして、行動解析部442は、着席ワーク中という行動を表すインデックスを行動解析情報として出力する。
また、例えば、機器配置情報に含まれる2つの制御対象機器90の各近傍領域が隣接する境界付近において、各制御対象機器90に対応付けられたIDのID付動線情報がそれぞれ含まれる場合、行動解析部442は、隣の席の人同士で互いに相談していると判定する。そして、行動解析部442は、相談中という行動を表すインデックスを行動解析情報として出力する。
また、例えば、行動解析部442は、ID付動線情報及び機器配置情報に基づいて、制御対象機器90から一時的に離れた一時的離席であるか、長期的な離席であるかを判定してもよい。
制御情報生成部443は、行動解析部442から出力された行動解析情報に基づいて、制御対象機器90の状態を決定する。そして、制御情報生成部443は、制御対象機器90が、決定した状態となる制御情報を生成し、出力する。
例えば、制御対象機器90が照度を制御可能な照明である場合、制御情報生成部443は、次に説明するように動作する。
行動解析情報が着席ワーク中を表す場合、制御情報生成部443は、照明の照度を100%にする制御情報を生成する。一方、制御情報生成部443は、行動解析情報が着席ワーク中を表さない場合、着席ワーク中より低い照度(例えば、70%)にする制御情報を生成する。さらに、例えば、行動解析情報が長期的離席を表す場合、制御情報生成部443は、照明をオフ状態にする制御情報を生成する。一方、行動解析情報が一時的離席を表す場合、制御情報生成部443は、照明をオフ状態にせず、照度を落とす制御情報を生成する。
以上のように構成された機器制御システム4の動作について、
図12を参照して説明する。なお、
図12において、機器配置情報記憶部11及び関連ID情報記憶部12は、機器配置情報及び関連ID情報を既に記憶しているとする。
まず、ステップS11〜S13まで本発明の第3の実施の形態と同様に動作し、機器制御システム4は、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報があるか否かを表す照合結果情報を出力する。
ここで、照合結果情報が、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報がない場合(ステップS13でNo)、機器制御システム4は、動作を終了する。
照合結果情報が、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報があることを表す場合(ステップS13でYes)、行動解析部442は、ID付動線情報及び機器配置情報を解析し、行動解析情報を出力する(ステップS24)。
次に、制御情報生成部443は、ステップS24で生成された行動解析情報に基づいて、該当する制御対象機器90の状態を決定する。(ステップS25)。
次に、制御情報生成部443は、該当する制御対象機器90を、ステップS25で決定した状態とする制御情報を出力する(ステップS16)。
そして、制御対象機器90は、制御情報にしたがって状態を変更する。
以上で、機器制御システム4は、動作を終了する。
次に、本発明の第4の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第4の実施の形態の機器制御システム4は、利用者の行動に応じてさらに適切な制御対象機器90を制御できる。
その理由は、関連ID情報記憶部12が、制御対象機器90に関連する利用者のIDを記憶することに加えて、行動解析部442が、その利用者のID付動線情報と機器配置情報とを解析し、利用者の行動の種別を解析するからである。そして、制御情報生成部443が、行動の種別に基づいて、制御対象機器90の状態を制御するからである。
この制御を基に、本発明の第4の実施の形態の機器制御システム4は、制御対象機器90の適切な利用者が、機器に対してどの場所でどのような行動を取っているのかに応じて、きめ細かに制御対象機器90の状態を制御できるからである。
なお、本発明の第4の実施の形態において、機器制御部44は、
図13に示すように、制御対象機器90の現在の機器状態情報を考慮し、制御対象機器90の状態を決定してもよい。ここで、制御対象機器90の現在の機器状態情報とは、例えば、制御対象機器90が稼働状態であるか、停止状態であるか、又は、中間状態であるかといった状態の情報である。
図13に示す制御情報生成部443は、制御対象機器90から現在の機器状態情報を取得し、行動解析部442に出力する。そして、行動解析部442は、制御対象機器90の現在の機器状態情報に基づいて、行動解析に用いる行動パタン辞書を切り替えてもよい。
例えば、行動解析部442が、行動パタンのモデルとして、利用者が機器に近づく行動パタンを記憶した辞書Aと、機器から遠ざかる行動パタンを記憶した辞書Bとをあらかじめ記憶しているとする。このとき、行動解析部442は、機器が停止状態の場合、ID付動線情報に辞書Aを当てはめ、利用者が機器に近づいているか否かを検出する。一方、行動解析部442は、機器が稼動状態の場合、ID付動線情報に辞書Bを当てはめ、利用者が機器から遠ざかっているか否かを検出する。
なお、このような行動パタンのモデルは、典型的な行動パタンに対応するID付動線情報を学習する図示しない識別器を用いて構築可能である。
このような構成を基に、本発明の第4の実施の形態の機器制御システム4は、制御対象機器90が停止状態の場合、機器に近づく行動パタンの辞書を用いて、機器を利用する利用者の行動を適切に解析し、機器を稼動状態に制御可能である。一方で、本発明の第4の実施の形態の機器制御システム4は、制御対象機器90が稼働状態の場合、機器から遠ざかる行動パタンの辞書を用いて、機器の利用を終えた利用者の行動を適切に解析し、機器を停止状態に制御可能である。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明で参照する各図面において、本発明の第3の実施の形態と同様の構成及び同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
まず、本発明の第5の実施の形態の機器制御システム5の構成を、
図14に示す。
図14おいて、機器制御システム5は、機器制御装置50と、制御対象機器90とを含む。ここで、機器制御装置50は、例えば、本発明の第3の実施の形態の機器制御装置30と同様に、
図2に示すようなコンピュータ装置を用いて構成できる。なお、
図14には、1つの制御対象機器90を示しているが、これは、本発明の第5の実施の形態の機器制御システム5に含まれる制御対象機器90の数を限定するものではない。機器制御装置50は、2以上の制御対象機器90に接続し、各機器を制御可能である。
機器制御装置50は、本発明の第3の実施の形態の機器制御装置30に対して、機器制御部34に替えて機器制御部54を含み、さらに映像取得部56を含む点が異なる。また、機器制御部54は、本発明の第3の実施の形態における機器制御部34に対して、制御情報生成部343に替えて制御情報生成部543を含み、さらに人物状態判定部544を含む点が異なる。
映像取得部56は、図示しない撮像装置から映像を取得する。この撮像装置は、管理対象空間を撮像するよう設置されている。なお、映像取得部56は、複数の撮像装置から複数の映像を取得してもよい。
人物状態判定部544は、ID付動線情報取得部13が取得したID付動線情報と、映像取得部56が取得した映像とを対応付ける。なお、人物状態判定部544は、映像の各座標値と管理対象空間の座標との対応関係をあらかじめ算出しておき、ID付動線情報と映像とを対応付ける。そして、人物状態判定部544は、映像におけるID付動線情報に対応する人物領域を抽出する。
人物状態判定部544における人物領域の抽出処理は、各種関連技術を適用可能である。例えば、人物状態判定部544は、背景のモデルとなる画像(背景モデル)を作成しておき、背景モデルと映像との差分を基に、前景領域を抽出し、前景領域の中から人物領域を検出してもよい。あるいは、人物状態判定部544は、頭や上半身など、人物の体の部位の識別を基に、人物領域を抽出してもよい。人物状態判定部544は、それ以外にも、様々な技術を用いて人物領域を抽出可能である。
また、人物状態判定部544は、映像から抽出した人物領域の時系列変化を解析し、時系列変化に基づいて人物の状態を判定する。例えば、人物状態判定部544は、人物の状態として、立っている、又は、座っているという姿勢の状態を判定してもよい。あるいは、人物状態判定部544は、上着の着脱や上着の種類の判別を基に、その人物が外出又は帰宅する状態であるか否かを判定してもよい。あるいは、人物状態判定部544は、バッグなどの持ち物を持った状態であるか否かを判定してもよい。このような判定を基に、人物状態判定部544は、映像を用いて検出した人物の状態を表す人物状態情報を、制御情報生成部543に出力する。
制御情報生成部543は、特定領域立入検出部342から出力される特定領域立入情報と、人物状態判定部544から出力される人物状態情報とに基づいて、制御対象機器90の状態を決定する。このため、制御情報生成部543は、あらかじめ、特定領域立入情報及び人物状態情報の組み合わせと制御対象機器90の状態との対応を記憶する。そして、制御情報生成部543は、決定した状態になるよう、制御対象機器90を制御する制御情報を生成し、制御対象機器90に出力する。
以上のように構成された機器制御システム5の動作について、
図15を参照して説明する。
なお、
図15において、機器配置情報記憶部31及び関連ID情報記憶部12は、機器配置情報及び関連ID情報を既に記憶しているとする。また、特定領域立入検出部342は、機器配置情報記憶部31に記憶された機器配置情報を参照し、既に制御対象機器90の特定領域を特定し、記憶しているとする。
まず、映像取得部56は、管理対象空間が撮像された映像を取得する(ステップS31)。
次に、ステップS11からステップS14まで、本発明の第3の実施の形態の機器制御システム3と同様に動作し、特定領域立入検出部342は、特定領域立入情報を生成する。
次に、人物状態判定部544は、ステップS11で取得されたID付動線情報と、ステップS31で取得された映像とを対応付け、人物領域を抽出し、人物の状態を表す人物状態情報を生成する(ステップS32)。
次に、制御情報生成部543は、ステップS14で生成された特定領域立入情報と、ステップS32で生成された人物状態情報とに基づいて、該当する制御対象機器90の状態を決定する。(ステップS33)。
次に、制御情報生成部543は、該当する制御対象機器90が、ステップS33で決定した状態となる制御情報を生成し、出力する(ステップS16)。
そして、制御対象機器90は、制御情報にしたがって状態を変更する
以上で、機器制御システム5は、動作を終了する。
次に、このような機器制御システム5において、制御対象機器90にブラインドを適用した場合について説明する。
特定領域立入検出部342は、ブラインドに対応付けられたIDの利用者がこのブラインドの特定領域(窓際付近)に立ち入っていることを表す特定領域立入情報を生成したとする。この場合、人物状態判定部544は、映像を用いて、そのブラインドが設置された窓際付近の座席の人がディスプレイに向かって作業をしているか否かを判定する。ここで、制御情報生成部543は、ディスプレイに向かって作業している人物状態との判定の場合、ブラインドを閉じる制御情報を出力する。一方、制御情報生成部543は、ディスプレイに向かって作業していると判定されない場合、ブラインドを開けておく制御情報を出力する。この制御に基づき、ブラインドに対応付けられたIDの利用者が窓際付近に存在しても、その利用者がディスプレイに向かっていない場合、ブラインドは、開いた状態に制御される。あるいは、人物状態判定部544は、ブラインドの窓際付近の人物が立っているか座っているかを判定してもよい。この判定の場合、制御情報生成部543は、そのブラインドに対応付けられたIDの利用者を特定領域内に検出しても、人物状態が立っている状態と判定した場合、ブラインドを開ける制御情報を出力してもよい。
機器制御システム5は、照明などブラインド以外の制御対象機器90に対しても同様に、人物状態を考慮した制御が可能である。ただし、制御対象機器90がブラインドである場合、頻繁にオンオフを繰り返すと、その制御に基づき多くの電力を消費するため、機器制御システム5は、照明等の他の装置を適用する場合に比べ、制御の粒度を粗く設定してもよい。
次に、本発明の第5の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第5の実施の形態の機器制御システム5は、人物の状態に応じてさらに適切な制御対象機器90を制御できる。
その理由は、特定領域立入検出部342が制御対象機器90を利用する適切な利用者の特定領域に対する立入状況を検出することに加え、人物状態判定部544が、管理対象空間が撮像された映像を利用して利用者の状態を判定するからである。そして、制御情報生成部543は、特定領域立入情報に加えて、人物状態情報を考慮し、制御対象機器90の状態を決定するからである。
この制御に基づき、本発明の第5の実施の形態の機器制御システム5は、例えば、制御対象機器90の適切な利用者が、その制御対象機器90の周辺の特定領域内部から外部に出たという立入状況だけでなく、その際の人物の状態として鞄の所持の有無を考慮して、機器の状態を決定できる。例えば、本実施の形態の機器制御システム5は、制御対象機器90として照明に対して設定された特定領域外部に出た利用者が、鞄を所持している状態の場合、外出として照明をオフ状態にする。一方で、本実施の形態の機器制御システム5は、特定領域外部に出た利用者が、鞄を所持していない場合、一時的な離席として、照明の照度を落とした状態にする。このように、本発明の第5の実施の形態の機器制御システム5は、特定領域への立入状況に加え、人物の状態の考慮を用いて、よりきめ細かに制御対象機器90の状態を制御可能である。
なお、本発明の第5の実施の形態における機器制御部54は、本発明の第3の実施の形態における機器制御部34と同様に、
図16に示すように、制御対象機器90の現在の機器状態情報を考慮して、制御情報を生成してもよい。
図16に示す機器制御部54の場合、制御情報生成部543は、制御対象機器90から現在の機器状態情報(例えば、稼働状態であるか停止状態であるか)を取得し、特定領域立入検出部342及び人物状態判定部544に出力する。そして、特定領域立入検出部342は、制御対象機器90の現在の機器状態情報に基づいて、特定領域の境界を変更してもよい。また、人物状態判定部544は、制御対象機器90の現在の機器状態情報に基づいて、人物状態の判定に用いる判定モデルを変更してもよい。例えば、人物状態判定部544は、制御対象機器90が停止状態の場合、座った姿勢を検出してもよい。また、人物状態判定部544は、制御対象機器90が稼働状態の場合、立った姿勢を検出してもよい。
このような
図16に示す構成に基づき、本発明の第5の実施の形態の機器制御システム5は、制御対象機器90が停止状態の場合、大きめに設定した特定領域内で適切な利用者の座った姿勢を検出できる。そのため、本発明の第5の実施の形態の機器制御システム5は、より適切なタイミングで制御対象機器90を稼動状態へと制御可能である。一方で、本発明の第5の実施の形態の機器制御システム5は、制御対象機器90が稼働状態の場合、小さめに設定した特定領域内で適切な利用者の立った姿勢を検出できる。そのため、本発明の第5の実施の形態の機器制御システム5は、より適切なタイミングで制御対象機器90を停止状態へと制御可能である。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明で参照する各図面において、本発明の第4の実施の形態と同様の構成及び同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
まず、本発明の第6の実施の形態の機器制御システム6の構成を、
図17に示す。
図17において、機器制御システム6は、機器制御装置60と、制御対象機器90とを含む。ここで、機器制御装置60は、例えば、本発明の第4の実施の形態の機器制御装置40と同様に、
図2に示すようなコンピュータ装置を用いて構成できる。なお、
図17には、1つの制御対象機器90を示しているが、これは、本発明の第6の実施の形態の機器制御システム6に含まれる制御対象機器90の数を限定するものではない。機器制御装置60は、2以上の制御対象機器90に接続し、各機器を制御可能である。
機器制御装置60は、本発明の第4の実施の形態の機器制御装置40に対して、機器制御部44に替えて機器制御部64を含み、さらに映像取得部56を含む点が異なる。また、機器制御部64は、本発明の第4の実施の形態における機器制御部44に対して、行動解析部442に替えて行動解析部642を含む点が異なる。
映像取得部56は、本発明の第5の実施の形態における映像取得部56と同様に構成される。
行動解析部642は、関連ID照合部341がID付動線情報のIDを含む関連ID情報があると判断した場合、ID付動線情報及び機器配置情報に加えて映像を用いて、IDの利用者の行動を解析する。そして、行動解析部642は、該当するIDの利用者の制御対象機器90に対する行動の種別を表す行動解析情報を、制御情報生成部443へ出力する。
例えば、行動解析部642が、ID付動線情報及び機器配置情報を行動パタン辞書に当てはめ、制御対象機器90から利用者が遠ざかる行動を検出したとする。
この場合、行動解析部642は、映像を用いて、その遠ざかる行動が長時間離席か一時的離席かを判定する。
例えば、映像から抽出した人物領域の時系列が、ジャケットを着るなどの所定の外出支度の行動を表す場合、行動解析部642は、長時間離席と判定する。
一方、例えば、映像から抽出した人物領域の時系列が、所定の外出支度の行動を表さない場合、行動解析部642は、短時間離席と判定する。
この判定を表す行動解析情報を基に、制御情報生成部443は、長時間離席であれば照明をオフ状態にする制御信号を出力し、一時的離席であれば照明の照度を低くする制御信号を出力できる。
なお、行動解析部642は、行動の解析に、ID付動線情報及び映像に基づく行動パタンをあらかじめ学習させた図示しない識別器を用いてもよい。また、行動解析部642は、ID付動線情報及び映像に基づく行動パタンをオンラインで学習する機能を有する図示しない識別器を用いて、行動を解析してもよい。
以上のように構成された機器制御システム6の動作について、
図18を参照して説明する。
まず、映像取得部56は、管理対象空間が撮像された映像を取得する(ステップS31)。
次に、ステップS11〜S12まで本発明の第3の実施の形態と同様に動作し、機器制御システム6は、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報があるか否かを表す照合結果情報を出力する。
ここで、照合結果情報が、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報がない場合(ステップS13でNo)、機器制御システム6は、動作を終了する。
照合結果情報が、ID付動線情報のIDを含む関連ID情報がある場合(ステップS13でYes)、行動解析部642は、ID付動線情報、機器配置情報及びステップS31で取得した映像を解析し、行動解析情報を出力する(ステップS44)。
次に、制御情報生成部443は、ステップS44で生成された行動解析情報に基づいて、制御対象機器90の状態を決定する。(ステップS45)。
次に、制御情報生成部443は、制御対象機器90が、ステップS45で決定した状態となる制御情報を出力する(ステップS16)。
そして、制御対象機器90は、制御情報にしたがって状態を変更する。
以上で、機器制御システム6は、動作を終了する。
次に、本発明の第6の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第6の実施の形態の機器制御システム6は、利用者の行動に応じてさらに適切な制御対象機器90を制御できる。
その理由は、行動解析部642が、ID付動線情報及び機器配置情報に加え、映像を利用して、制御対象機器90の適切な利用者の行動を解析するからである。この解析に基づき、本発明の第6の実施の形態の機器制御システム6は、例えば、制御対象機器90の適切な利用者の位置の時系列が、制御対象機器90から遠ざかる行動パタンを示すだけでなく、映像から抽出される人物領域が外出支度の行動を表しているか否かに基づいて、制御対象機器90の状態を決定できる。例えば、本実施の形態の機器制御システム6は、制御対象機器90の照明から遠ざかる利用者が、ジャケットを着用している状態の場合、利用者が外出するとして照明をオフ状態にする。一方、本実施の形態の機器制御システム6は、同様に特定領域外部に出た利用者が、ジャケットを着用しない場合、一時的な離席として照明の照度を落とした状態にする。このように、本発明の第6の実施の形態の機器制御システム6は、利用者の位置情報の時系列及び機器の位置情報に加え、映像を考慮した行動解析を基に、よりきめ細かに制御対象機器90の状態を制御できる。
さらに、本発明の第6の実施の形態の機器制御システム6は、より緻密な制御対象機器90の状態の制御を基に、制御対象機器90の消費電力の削減効果をさらに向上できる。
なお、本発明の第6の実施の形態において、機器制御部64は、
図19に示すように、制御対象機器90の現在の機器状態情報を考慮して、制御対象機器90の状態を決定してもよい。例えば、行動解析部642は、本発明の第4の実施の形態における行動解析部442と同様に、制御対象機器90の現在の機器状態情報に基づいて、行動解析に用いる行動パタン辞書を切り替えてもよい。
なお、上述した本発明の各実施の形態は、適宜組み合わせて実施可能である。例えば、本発明の第3〜第6の各実施の形態は、第2の実施の形態における関連ID情報記憶部22及び制御対象機器91を適用し、制御対象機器91の適切な利用者が動的に変化する制御対象機器91にも対応可能である。
例えば、本発明の第6の実施の形態の機器制御システム6に、第2の実施の形態における関連ID情報記憶部22及び制御対象機器91を適用し、制御対象機器91として認証機能付きプリンタ装置を適用した場合について説明する。
この場合、関連ID情報記憶部22は、認証機能付きプリンタ装置に対応付けて、そのプリントキューに溜まっているタスクの利用者のIDを記憶する。行動解析部642は、映像取得部56からの映像を用いて認証機能付きプリンタ装置に利用者が近づく速度を推測し、利用者が認証機能付きプリンタ装置に到達する到達予測時刻を算出する。ここで、認証機能付きプリンタ装置は、省電力モードからオン状態に復帰するまでに復帰時間を要するとする。そして、制御情報生成部443は、その利用者の到達予測時刻にちょうど省電力モードからオン状態への復帰が完了するようにタイミングを調節し、制御情報を認証機能付きプリンタ装置に出力する。この制御を基に、本発明の第2及び第6の実施の形態を組み合わせた機器制御システムは、認証機能付きプリンタ装置にプリントタスクを送信した利用者が認証機能付きプリンタ装置に到達するタイミングで適切に省電力モードからオン状態への復帰を完了するように、認証機能付プリンタ装置を制御できる。
また、上述した本発明の各実施の形態において、各フローチャートを参照して説明した機器制御装置10乃至機器制御装置60の動作を、本発明のコンピュータ・プログラムとしてコンピュータ装置の記憶装置1004(又は、図示しない記憶媒体)に格納しておき、CPU1001がコンピュータ・プログラムを読み出して実行してもよい。この場合、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコード或いは記憶媒体を含み構成される。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2011年05月09日に出願された日本出願特願2011−104296を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
(付記)
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
管理対象の空間において制御対象となる制御対象機器の位置情報を含む機器配置情報を記憶する機器配置情報記憶手段と、
前記制御対象機器及び該制御対象機器の利用者に付与されたID(identification)の対応関係を表す関連ID情報を記憶する関連ID情報記憶手段と、
前記管理対象の空間における前記利用者の位置情報の時系列に該利用者のIDを対応付けたID付動線情報を取得するID付動線情報取得手段と、
前記ID付動線情報のIDに対応付けられた該制御対象機器を前記関連ID情報に基づいて取得するとともに、該制御対象機器の状態を、前記ID付動線情報及び前記機器配置情報に基づいて制御する制御情報を生成して該制御対象機器に出力する機器制御手段と、
を含む機器制御装置。
(付記2)
前記関連ID情報記憶手段は、前記制御対象機器において動的に変更される前記利用者のIDを表す情報を前記制御対象機器から取得し、前記関連ID情報を更新することを特徴とする付記1に記載の機器制御装置。
(付記3)
前記機器制御手段は、
前記ID付動線情報のIDを含む前記関連ID情報が前記関連ID情報記憶手段に記憶されているか否かを判断する関連ID照合手段と、
前記管理対象の空間において、前記利用者の立ち入り状況に応じて前記制御対象機器の状態を変化させる領域を表す特定領域を、前記機器配置情報に基づいて決定するとともに、前記関連ID照合手段が前記ID付動線情報のIDを含む前記関連ID情報があると判断した場合、前記ID付動線情報及び前記特定領域に基づいて、前記利用者の前記特定領域に対する立ち入り状況を表す特定領域立入情報を生成する特定領域立入検出手段と、
前記特定領域立入検出手段が生成した特定領域立入情報に基づいて前記制御情報を生成する制御情報生成手段と、
を有することを特徴とする付記1又は付記2に記載の機器制御装置。
(付記4)
前記特定領域立入検出手段は、前記管理対象の空間において、前記制御対象機器の位置を基準とする所定範囲を前記特定領域として決定することを特徴とする付記3に記載の機器制御装置。
(付記5)
前記機器配置情報記憶手段は、前記管理対象の空間において、前記制御対象機器の位置を基準とする方向を表す情報を前記機器配置情報に含めて記憶し、
前記特定領域立入検出手段は、前記制御対象機器の位置を基準として前記方向の所定範囲を前記特定領域として決定することを特徴とする付記3に記載の機器制御装置。
(付記6)
前記機器配置情報記憶手段は、前記管理対象の空間における通路領域を表す通路情報を前記機器配置情報にさらに含めて記憶し、
前記特定領域立入検出手段は、前記制御対象機器の位置及び前記通路情報に基づいて前記特定領域を決定することを特徴とする付記3に記載の機器制御装置。
(付記7)
前記機器配置情報記憶手段は、前記管理対象の空間において前記制御対象機器の利用領域を表す情報を前記機器配置情報にさらに含めて記憶し、
前記特定領域立入検出手段は、前記機器配置情報に含まれる前記利用領域を前記特定領域として用いることを特徴とする付記3に記載の機器制御装置。
(付記8)
前記特定領域立入検出手段は、前記ID付動線情報に含まれる所定期間の位置情報が前記特定領域に含まれる場合、前記特定領域への立ち入りを表す特定領域立入情報を生成することを特徴とする付記3から付記7のいずれか1に記載の機器制御装置。
(付記9)
前記特定領域立入検出手段は、前記ID付動線情報に基づいて、前記利用者が前記特定領域の境界を横切る際の通過速度を算出し、前記立ち入り状況を判定するための立入判定基準を前記通過速度に基づいて変更することを特徴とする付記3から付記8のいずれか1に記載の機器制御装置。
(付記10)
前記特定領域立入検出手段は、前記ID付動線情報に基づいて、前記利用者が前記特定領域の外部から内部に立ち入るか、内部から外部に向けて立ち去るかを表す境界の通過方向を算出し、前記立ち入り状況を判定するための立入判定基準を前記通過方向に基づいて変更することを特徴とする付記3から付記9のいずれか1に記載の機器制御装置。
(付記11)
前記制御情報生成手段は、前記制御対象機器の状態を前記制御対象機器から取得して前記特定領域立入検出手段に出力し、
前記特定領域立入検出手段は、前記立ち入り状況を判定するための立入判定基準を前記制御対象機器の状態に基づいて変更することを特徴とする付記3から付記10のいずれか1に記載の機器制御装置。
(付記12)
前記特定領域立入検出手段は、前記ID付動線情報に基づいて、前記利用者の前記特定領域に対する立ち入りの程度を表すパラメータを前記特定領域立入情報にさらに含めて生成し、
前記制御情報生成手段は、前記パラメータに基づいて前記制御情報を生成することを特徴とする付記3から付記11のいずれか1に記載の機器制御装置。
(付記13)
前記制御情報生成手段は、前記特定領域に立ち入っていることを表す特定領域立入情報の数に基づいて前記制御情報を生成することを特徴とする付記3から付記12のいずれか1に記載の機器制御装置。
(付記14)
前記機器制御手段は、
前記ID付動線情報のIDを含む前記関連ID情報が前記関連ID情報記憶手段に記憶されているか否かを判断する関連ID照合手段と、
前記関連ID照合手段が前記ID付動線情報のIDを含む前記関連ID情報があると判断した場合、前記ID付動線情報及び前記機器配置情報を解析し、前記利用者の前記制御対象機器に対する行動の種別を表す行動解析情報を取得する行動解析手段と、
前記行動解析情報に基づいて前記制御情報を生成する制御情報生成手段と
を含むことを特徴とする付記1又は付記2に記載の機器制御装置。
(付記15)
前記制御情報生成手段は、前記制御対象機器の状態を前記制御対象機器から取得して前記行動解析手段に出力し、
前記行動解析手段は、前記ID付動線情報及び前記機器配置情報の解析に用いる行動パタン辞書を前記制御対象機器の状態に基づいて切り替えることを特徴とする付記14に記載の機器制御装置。
(付記16)
前記機器制御手段は、前記ID付動線情報のIDに対応付けられた制御対象機器の現在の機器状態情報を取得し、前記現在の機器状態情報を考慮して前記制御情報を生成することを特徴とする付記1から付記15のいずれか1に記載の機器制御装置。
(付記17)
前記管理対象の空間が撮像された映像を取得する映像取得手段をさらに含み、
前記機器制御手段は、前記映像を考慮して前記制御情報を生成することを特徴とする付記1から付記16のいずれか1に記載の機器制御装置。
(付記18)
前記機器制御手段は、前記映像を解析して前記利用者の状態に関する情報を取得し、前記利用者の状態を考慮して前記制御情報を生成することを特徴とする付記17に記載の機器制御装置。
(付記19)
前記ID付動線情報取得手段は、
前記管理対象の空間において検出される利用者のIDを特定するID特定手段と、
前記管理対象の空間において検出される利用者の位置を算出する動線抽出手段と、
前記ID特定手段が特定したID及び前記動線抽出部が算出した位置の対応関係を特定し、前記ID毎に位置情報の時系列を前記ID付動線情報として生成するID動線対応付け手段と
を含むことを特徴とする付記1から付記18のいずれか1に記載の機器制御装置。
(付記20)
付記1から付記19のいずれか1に記載の機器制御装置と、
前記機器制御装置から出力される制御情報に基づいて状態を変化する制御対象機器と、
を含む機器制御システム。
(付記21)
管理対象の空間における利用者の位置情報の時系列に該利用者のID(identification)を対応付けたID付動線情報を取得し、
前記管理対象の空間において制御対象となる制御対象機器及び該制御対象機器に関連する前記IDの対応関係を表す関連ID情報に基づいて、前記ID付動線情報のIDが関連する制御対象機器を取得し、
前記管理対象の空間における前記制御対象機器の位置情報を含む機器配置情報と、前記ID付動線情報とに基づいて、前記関連する制御対象機器の状態を制御する制御情報を生成し、前記制御対象機器に出力する、機器制御方法。
(付記22)
前記制御対象機器において動的に変更される前記利用者のIDを表す情報を、前記制御対象機器から取得し、前記関連ID情報を更新することを特徴とする付記21に記載の機器制御方法。
(付記23)
管理対象の空間における利用者の位置情報の時系列を該利用者のID(identification)を対応付けたID付動線情報を取得する処理と、
前記管理対象の空間において制御対象となる制御対象機器及び該制御対象機器に関連する前記IDの対応関係を表す関連ID情報に基づいて、前記ID付動線情報のIDが関連する制御対象機器を取得する処理と、
前記管理対象の空間における前記制御対象機器の位置情報を含む機器配置情報と、前記ID付動線情報とに基づいて、前記関連する制御対象機器の状態を制御する制御情報を生成し、前記制御対象機器に出力する処理と
をコンピュータ装置に実行させるコンピュータ・プログラム。
(付記24)
前記制御対象機器において動的に変更される前記利用者のIDを表す情報を、前記制御対象機器から取得し、前記関連ID情報を更新する処理を前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とする付記23に記載のコンピュータ・プログラム。