(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5971278
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システム
(51)【国際特許分類】
G08B 13/12 20060101AFI20160804BHJP
G08B 13/22 20060101ALI20160804BHJP
G06K 19/00 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
G08B13/12
G08B13/22
G06K19/00
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-99467(P2014-99467)
(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公開番号】特開2015-215829(P2015-215829A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2014年5月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596126627
【氏名又は名称】株式会社ジーネット
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】古里 龍平
【審査官】
白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−206838(JP,A)
【文献】
特開2007−157054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K17/00−19/18
G08B13/00−15/02
19/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
盗難防止システムにおいて、
盗難防止対象に相当する商品に設けられるものであって、
盗難有無をワイヤ断線またはスイッチアラームによって感知する感知部、
指定された識別コードを保存する保存部、
前記識別コードを受信するため、および売り場出入口感応装置の信号を受信するために無線信号を受信する第1信号受信部、
前記感知部において盗難を感知した場合、または前記第1信号受信部において前記売り場出入口感応装置の信号を受信した場合に、感知信号を外部に送信する第1信号送信部、および
ランプ出力及び音出力を実現する警報表示部、を有するタグ部と、
前記タグ部に設けられた第1信号送信部から送信される信号を受信する第2信号受信部、および
前記第2信号受信部を介して受信された前記タグ部の情報に相当する保存された識別コードを出力する表示部、を有する遠隔警報受信器、とを備え、
前記タグ部において盗難を感知した場合、または前記第1信号受信部において前記売り場出入口感応装置の信号を受信した場合に、感知信号の外部への送信、音出力による警報発信、およびランプ出力による警報発信を所定の間隔をおいて順次実行することを特徴とする無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システム。
【請求項2】
前記盗難防止システムは、
許可されたユーザが手軽に前記タグ部の保存部に保存されるべき識別コードを生成して前記第1信号受信部に送信して当該識別コードがタグ部に保存されるように無線信号として識別コード信号を提供するコード信号発生器をさらに備える請求項1に記載の無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システム。
【請求項3】
前記タグ部は、
タグの生成時に任意的に識別コードを付加されて保存するか、あるいは、前記コード信号発生器を介して受信して前記タグ部の保存部に保存することを特徴とする請求項2に記載の無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システム。
【請求項4】
前記第1信号受信部は、
外部信号装置から信号を受信するときに、EM信号、RF信号、AM信号、LF信号のうちのいずれか一つの信号を受信することを特徴とする請求項1に記載の無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システム。
【請求項5】
前記遠隔警報受信器は、
任意の前記タグ部が有する識別コードを保存する保存部をさらに備え、前記遠隔警報受信器の保存部に保存された識別コードに対応するタグ部から受信信号が発生する場合に警報信号を出力するように構成される請求項1に記載の無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システム。
【請求項6】
前記遠隔警報受信器は、
前記タグ部から発生された送信信号に基づいて警報信号の種類を決定する警報設定部をさらに備える請求項1または請求項5に記載の無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システム。
【請求項7】
前記遠隔警報受信器は、
外部端末と有線または無線で接続される外部機器通信部をさらに備えて、前記外部機器通信部を介して受信された信号を外部端末に提供することを特徴とする請求項5に記載の無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システム。
【請求項8】
前記タグ部は、
前記保存部に保存された固有の識別コードは固定型識別コードと可動型識別コードとしてそれぞれ保存され、
前記固定型識別コードは、前記タグ部の製作時に最初に入力される識別コードに当該するか、あるいは、前記コード信号発生器を介して入力され、
前記可動型識別コードは、前記固定型識別コードが既に入力された後に前記コード信号発生器によってさらに入力されてそれぞれが別々に識別できるように構成される、請求項2に記載の無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムに係り、さらに詳しくは、商品の盗難防止機能をより一層強化させるための方法によって遠隔地から盗難防止を監視することのできる無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、盗難防止のために用いられる警報発生装置(盗難防止装置)とは、比較的に高価な物品に盗難防止タグを取り付け、未許可の検索台を通過すれば警報音を鳴らす装置のことをいう。これは、主として、電磁誘導現象を用いて警報を鳴らすように構成されるが、電磁誘導現象とは、ソレノイド(コイル)の内部において磁場が変化すれば、ソレノイドに電流が発生することをいう。
【0003】
流通店舗(大型スーパー)、図書館、音盤などの売り場から製品を搬出しようとするときには感知器付き検索台を通過することを余儀なくされるが、感知器にはコイルが巻き付けられているため感知器間の磁場領域内に発生する僅かな磁場の変化も感知することができる。
【0004】
このため、本や物品には磁場の性質を帯びる盗難防止タグを取り付けて、磁場の感知性質をなくさずに搬出すれば電磁誘導現象を引き起こしてこれを信号として受信して検索台から警報が鳴る。
【0005】
一方、最近発達しつつあるRFID技術は、ユビキタスネットワーク環境下において無線認識技術を用いて各種の物事の情報内容を自動的に認識するための技術である。
【0006】
RFIDシステムは、基本的に、タグ・カードと、リーダと、ホストコンピュータ(またはアプリケーション)と、から構成される。タグは、無線周波数(Radio Frequency:RF)機能と、メモリと、アンテナ若しくは電源と、から構成され、タグのメモリ上のID・情報を無線周波数を用いてインタフェースする。
【0007】
タグメモリ上のID・情報と無線周波数インタフェースを適用する対象と、活用する方法及び与えられた環境に応じて、RFIDシステムの様々なアプリケーションが開発されて商用化されている。
【0008】
しかしながら、既存の様々な盗難防止装置は、製品に取り付けられたタグが単に感知器を通過すれば、感知域(主として出入り地域)においてしか警報ベルを鳴らさない方式を採用しているため、売り場内にある製品からタグを取り外す場合、盗難に全く対応することができないという大きな問題点がある。
【0009】
また、タグと感知装置との間の無線通信を用いてタグ状態及びタグの取付有無を認識する方式ではなく、感知器の感知領域内のタグの存否による感知領域内の磁気特性などの物理的な特性の変化を感知する方式のみを採用するため、売り場が広い場合または売り場が混んでいる場合に管理者がリアルタイムにて盗難状況を認識する可能性が低下するという危険要素に露出されており、全ての製品及び売り場に共用タグが適用されるため、売り場別に独立的または体系的なセキュリティレベルを達成することができない結果、売り場の商品盗難防止のセキュリティレベルが低下するという欠点があった。
【0010】
売り場内において盗難防止機能を与えるために、既存のRF方式のEAS主装置を活用する自鳴式タグの製作に関するものが提案されているが(例えば、下記の特許文献1参照)、端末からしか警報が鳴らないため、売り場内の陰影地域における非印加者による警報音の除去及び端末警報機能の無力化に非常に弱い。
【0011】
また、別途のLF信号を発することにより多重ゲートを区別する機能が提案されているが(例えば、下記の特許文献2参照)、この場合、端末からしか警報が鳴らない。
【0012】
さらに、既存のRF方式のEAS主装置を活用する自鳴式盗難防止システムが提案されており(例えば、下記の特許文献3参照)、同文献には主装置の低電力方法が開示されているが、同様に、端末からしか警報が鳴らないため、セキュリティ強度が顕著に低下するという問題点がある。
【0013】
さらにまた、自鳴式タグに関する技術が提案されているが(例えば、下記の特許文献4参照)、同様に、端末からしか警報が鳴らないため、売り場内の陰影地域における非印加者による警報音の除去や端末警報機能の無力化に非常に弱いという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際特許出願第PCT/JP99/06498号公報
【特許文献2】特開平04−242892号公報
【特許文献3】国際特許公開第WO2010/127293号公報
【特許文献4】特開平11−353562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述した問題点を解消するために、本発明は、商品に取り付けられたタグを無断で破損したり、商品から取り外そうとしたりするときに、タグがLEDランプの動作やビープ音を用いて警報を自ら鳴らして管理職員に音を伝えることにより商品の盗難を知らせている既存のシステムにおける、売り場が広い場合または売り場が混んでいる場合にタグの警報音が聞こえない問題や、特に、タグの音発生回路が故障したときに商品の盗難危険性が高くなるという問題を解消すべく、商品の盗難行為を感知したときにその状態を正確にリアルタイムにて管理者に伝えることにより、売り場内の商品の盗難を極力抑えることのできる盗難防止システムを提供するところにその目的がある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、同じ空間内の異なるブランドや管理体系の異なる多数の売り場に同じセキュリティ体系を適用しようとするときに、他の売り場の警報を区別して誤報の発生を極力抑えることができ、しかも、同じ管理体系を有する複数の地域の多数の売り場の警報を一元的に管理することにより管理人件費の節減効果を奏することのできる盗難防止システムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した目的を達成するために、本発明は、盗難防止システムにおいて、盗難防止対象に相当する商品に設けられるものであって、盗難有無をワイヤまたはスイッチ構造によって感知する感知部と、指定された識別コードを保存する保存部と、前記識別コードを保存するために無線信号を受信する第1信号受信部と、前記商品盗難感知部において感知された信号をはじめとする感知信号を外部に送信する第1信号送信部とを有するタグ部と、前記タグ部に設けられた第1信号送信部から送信される信号を受信する第2信号受信部と、前記第2信号受信部を介して受信された前記タグ部に情報に相当する保存された識別コードを出力する表示部とを有する遠隔警報受信器と、を備える無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムを提供する。
【0018】
また、好ましくは、前記盗難防止システムは、許可されたユーザが手軽に前記タグ部の保存部に保存されるべき識別コードを生成して前記第1信号受信部に送信して当該識別コードがタグ部に保存されるように無線信号として識別コード信号を提供するコード信号発生器をさらに備える。
【0019】
さらに、好ましくは、前記タグ部は、ランプ出力または音出力を実現する警報表示部をさらに備える。
【0020】
さらに、好ましくは、前記タグ部は、タグの生成時に任意的に識別コードを付加されて保存するか、あるいは、前記コード信号発生器を介して受信して前記保存部に保存する。
【0021】
さらに、好ましくは、前記第1受信部は、外部信号装置から信号を受信するときに、EM信号、RF信号、AM信号、LF信号のうちのいずれか一つの信号を受信する。
【0022】
さらに、好ましくは、前記遠隔警報受信器は、任意の前記タグ部が有する識別コードを保存する保存部をさらに備え、前記保存部に保存された識別コードに対応するタグ部から受信信号が発生する場合に警報信号を出力するように構成される。
【0023】
さらに、好ましくは、前記遠隔警報受信器は、前記タグ部から発生された送信信号に基づいて警報信号の種類を決定する警報設定部をさらに備える。
【0024】
さらに、好ましくは、前記遠隔警報受信器は、任意の前記タグ部が有する識別コードを保存する保存部をさらに備え、前記保存部に保存された識別コードに対応するタグ部から受信信号が発生する場合に警報信号を出力するように構成される。
【0025】
さらに、好ましくは、前記遠隔警報受信器は、外部端末と有線または無線で接続される外部機器通信部をさらに備えて、前記外部機器通信部を介して受信された信号を外部端末に提供する。
【0026】
さらに、好ましくは、前記タグ部は、前記保存部に保存された固有の識別コードは固定型識別コードと可動型識別コードとしてそれぞれ保存され、前記固定型識別コードは、前記タグ部の製作時に最初に入力される識別コードに当該するか、あるいは、前記コード信号発生器を介して入力され、前記可動型識別コードは、前記固定型識別コードが既に入力された後に前記コード信号発生器によってさらに入力されてそれぞれが別々に識別できるように構成される。
【発明の効果】
【0027】
上述した構成を有する本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムは、遠隔地から商品盗難を監視することができるという特徴を有する。すなわち、本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムは、タグ警報に依存する単一の監視体系に両者間(端末と遠隔情報受信器)の通信技術を適用して、盗難防止システムをタグと遠隔地受信装置において同時に盗難有無を感知することのできる多重監視体系にして高いレベルのセキュリティシステムを構築することができるというメリットがある。
【0028】
これにより、本発明は、自鳴式盗難防止システムの商品盗難防止機能を強化させることにより商品盗難を極力抑えることができ、少ない人手でより広い売り場の盗難を防止する機能を提供することにより売り場の収益率の向上に寄与することができ、遠隔警報受信体系により多重方式の警報監視体系を構築することができるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおけるコード信号発生器のブロック図である。
【
図2】Aは、本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおけるタグ部のブロック図であり、Bは、本発明に係るタグ部の保存部の詳細図である。
【
図3】本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおける遠隔警報受信器の例を示すブロック図である。
【
図4】本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおける警報受信設定機能付き遠隔警報受信器の例を示すブロック図である。
【
図5】本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおける外部機器との有/無線通信機能付き遠隔警報受信器の例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面に基づき、本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムの好適な実施形態について詳述する。
【0031】
本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムは、盗難防止システムにおいて、盗難防止対象に相当する商品に設けられるものであって、盗難有無をワイヤまたはスイッチ構造によって感知する感知部と、指定された識別コードを保存する保存部と、前記識別コードを保存するために無線信号を受信する第1信号受信部と、前記商品盗難感知部において感知された信号をはじめとする感知信号を外部に送信する第1信号送信部とを有するタグ部100と、前記タグ部に設けられた第1信号送信部から送信される信号を受信する第2信号受信部と、前記第2信号受信部を介して受信された前記タグ部に情報に相当する保存された識別コードを出力する表示部とを有する遠隔警報受信器300と、を備える。
【0032】
また、本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムは、盗難防止対象に相当する商品に設けられるものであって、盗難有無をワイヤまたはスイッチ構造によって感知するワイヤ断線感知部110と、指定された識別コードを保存する保存部130と、前記識別コードを保存するために無線信号を受信する第1信号受信部140及び前記商品盗難感知部において感知された信号をはじめとする感知信号を外部に送信する第1信号送信部150を有するタグ部100と、前記タグ部の保存部に保存されるべき識別コードを生成して前記第1信号受信部に送信して当該識別コードを保存するように無線信号として識別コード信号を提供するコード信号発生器200と、前記タグ部に設けられた無線送信部から送信される信号を受信する第2信号受信部及び前記第2信号受信部を介して受信された前記タグ部に情報に相当する保存された識別コードを出力する表示部を有する遠隔警報受信器300と、を備える。
【0033】
本発明に係る盗難防止システムに設けられる自鳴式タグは、自体的に固有識別コード(それぞれの固有ID)を有し、それぞれのタグ自体から信号を送信すれば、遠隔警報受信器はタグから当該信号を受信して警報信号を出力するが、固有識別コードを介して別々に認識可能なシステムを構築することができるということを主な技術的要旨とする。
【0034】
特に、前記タグは、個別の固有識別コードを管理者が選択的に入力して製品の種類、売り場の種類などタグを分類することができ、識別コードを用いてグループ分け機能を付加することができるため、これを用いて当該信号も一緒に分類することができる。すなわち、それぞれのタグを別々に管理、検出することができるため、商品の個別盗難防止システムに最適化されたシステムを実現する。
【0035】
一方、本発明に係る盗難防止システムは、監視範囲内に設けられる受信装置に他の売り場に登録されたタグ情報が認識または表示されるという誤りを識別コードの情報を用いて防止することができ、能動タグ付き商品の盗難類型別に警報信号を区別することができるため、盗難情報管理の効率性を極大化させることができるというメリットがある。
【0036】
盗難防止タグのシステムに相当する電子物品監視システム(EAS:Electronic Article Surveillance System)は、タグ(商品への取付け用)にバッテリがない受動型EASと、タグにバッテリが入っている能動型EASとに分けられる。受動型EASは、使用信号の発生技術に応じて、RF方式のEASと、AM方式のEASと、EM方式のEASとに分類することができ、前記能動型EASの場合、タグから警報を発生する特徴を有するので、通常、「自鳴式盗難防止システム」と称する。
【0037】
本発明に係るタグ部100は、非接触式無線方式によって識別コードを与えるコード信号発生器200を介してタグ部それぞれの固有識別コードを入力することができ、自鳴式タグ部100は、指定されたコードを保存し、タグから生成された警報を遠隔受信装置に送る第1信号送信部150を備える。本発明に係る遠隔警報受信器300は、タグ部100が送信した警報信号を受信して表示し、且つ、管理者に音、光、遠隔通信を用いて知らせる受信データ表示部320と警報発生部330を備える。
【0038】
図1は、本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおけるコード信号発生器のブロック図である。
【0039】
本発明に係るコード信号発生器200は、任意の識別コードを生成して商品に取り付けられるタグ部100に無線方式によって識別コードを入力する装置に相当する。前記識別コードとは、同じ場所に多数の売り場が存在するとき、売り場別に警報を管理できるように与えられた各売り場別の固有のコード(固有ID)である。
【0040】
前記コード信号発生器200において特定のコード番号(通常、1〜2バイト)を設定すれば、任意的に設定された番号に相当する信号(固有識別コードに相当する)を生成する。このとき、売り場に設けるタグをコード信号発生器の信号送信範囲に近づけることにより、タグに売り場別のコードを非接触方式によって設定する。前記コード信号発生器はコード設定部240を備え、例えば、好ましくは、受動スイッチ素子に相当するDIPスイッチを用いて管理者が手軽に変更できるようにする。コード信号発生部100においては、設定されたコード番号に適した信号を磁場信号(LF)または無線信号(RF)として予め定義されたプロトコールに基づいて周期的に発信する。
【0041】
また、前記コード信号発生器200は、タグにコード番号を与える機能を有するだけではなく、必要に応じて、タグのモード情報(境界モード設定、警報解放など)を設定/解放する制御機能を有する。
【0042】
一方、前記コード信号発生器は、状態表示部220と、保存部230と、制御部(MCU)250と、を備える。前記状態表示部220は、機器の動作状態を出力するものであり、例えば、ディスプレイウィンドウを備えて、コードの発生により、タグに信号を入力するときに正常入力や誤りなどの情報を表示する機能を有し、前記保存部230はメモリ素子に相当し、それぞれの固有識別コードを保存していて、当該情報をデータ化できるように保存する。
【0043】
上述したコード信号発生器は、タグ部100に識別コードを付加するためのさらなる付加装置に相当する。もちろん、前記コード信号発生器を用いて多数のタグ部を手軽に管理(識別コードの付加)することができるが、必ずしもコード信号発生器のみを用いて多数のタグ部を管理するとは限らない。例えば、タグ部の生成中に、出庫時に決定されたコード番号を永久的に用いるように固有コードを管理できるようにする。
【0044】
図2Aは、本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおけるタグ部のブロック図であり、
図2Bは、タグ部の保存部の詳細図である。
【0045】
本発明に係る自鳴式タグ部100は、自体的に警報出力機能を有し、警報の発生時に後述する遠隔警報受信器300に当該信号を送信する。
【0046】
前記タグ部100は、商品の盗難有無をワイヤまたはスイッチ構造によって感知するワイヤ断線感知部110と、盗難防止の感知による信号処理及び情報処理を司る制御部(MCU)160と、固有識別コードを保存する保存部130と、売り場出入口感応装置及びコード信号発生器の信号を受信する感応装置第1信号受信部140と、タグにおいて感知された商品盗難感知情報及び感応装置信号受信情報を遠隔地の受信装置に送る第1信号送信部150と、を備える。なお、前記タグ部100は、タグ部自体的に警報信号が発生したときに警報音や警報などを出力する警報表示部120をさらに備える。
【0047】
このとき、前記タグ部100に保存される固有識別コードは、上述したように、タグ部の生成時に指定してプログラミングして保存部に保存してもよく、前記コード信号発生器200において発生される信号を受信して前記保存部130に保存してもよいが、好ましくは、前記コード信号発生器を用いて盗難防止システムに適用される現場において管理者が管理規定に基づいて個別識別性を有する固有識別コードを自ら入力することが好ましい。これにより、管理し易さ(当該区域における管理者の識別コードの管理しやすさ)を確保することができる。
【0048】
また、前記タグ部100は、電力の消耗を極力抑えるために、無線送信−音(ビープ)−ランプ(LED)の順に動作を実現する。このとき、各機能間の間隔は、バッテリの充放電にかかる最小時間以上を使用するために、前記制御部160によって無線送信の手続きを制御する。
【0049】
さらに、前記制御部160は、無線送信時に連続する感応装置信号による信号の混線及び余計な重複警報処理によるバッテリの消耗を防止するため、前記第1信号受信部140の電源供給を遮断する低電力通信機能を実現する。
【0050】
一方、タグ部の個別的な識別のために、保存部に保存される固有識別コードは、固定型識別コード131保存領域と、可動型識別コード132保存領域と、から構成されている。
【0051】
前記固定型識別コード131と可動型識別コードは、タグの識別情報の効率性を付加するためのものであり、固定型識別コードが上位概念の識別コードとして指定され、可動型識別コードは補助型識別コードとして決定される。
【0052】
例えば、固定型識別コードの場合には、工場からの出庫時にローカル領域の識別コードを有し、不揮発性構造として入力されて上位概念において区別可能な識別コードを提供する。
【0053】
これに対し、前記可動型識別コードは、前記コード信号発生器を介して管理者が簡単に変更可能な識別コードであって、例えば、売り場自体的に固定型識別コード+可動型識別コードを入力する下位概念の識別コードとして入力されるものである。
【0054】
このため、前記タグ部の保存部に保存される識別コードは固定型識別コードと可動型識別コードから構成され、二つの識別コード領域は揮発性/不揮発性として決定されて、盗難防止システムの特性からみて、識別領域の拡張性を確保することができる。
【0055】
また、それぞれの識別コード領域の決定は、システムの設計方式に応じて種々に行われるが、固定型識別コードの場合、タグ部の生成時に入力されるように構成してもよく、あるいは、固定型と可動型の両方ともコード信号発生器を介して制御したりセキュリティ運営によって制御したりするようにシステム的に設計して決定するように設定する。
【0056】
図3は、本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおける遠隔警報受信器の例を示すブロック図であり、
図4は、本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおける遠隔警報受信器の例を示すブロック図であり、
図5は、本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムにおける遠隔警報受信器の例を示すブロック図である。
【0057】
遠隔警報受信器300は、前記タグ部において発生される警報信号に基づいて無線通信を介して直接的に信号を受信して警報を出力するものであり、盗難防止システムが設けられた当該区域内に設けられて前記タグ部から受信された警報信号を遠隔地から出力及びモニタリングする。
【0058】
前記遠隔警報受信器300は、タグ部から出力される無線信号を受信する第2信号受信部310と、受信した情報を分類したり遠隔警報受信器の全体を制御する制御部(MCU)360と、分類された情報(各タグの固有番号や固有番号に整合される任意的なデータ情報)をテキスト出力など自体的に出力するための受信データ表示部320と、受信信号に基づいて警報信号を出力する警報発生部330と、を備える。
【0059】
さらに、前記遠隔警報受信器300には、売り場毎に与えられたコード番号を指定できるようにDIPスイッチ(前記コード信号発生器と同様)または通信手段を介してコード番号を設定するコード設定部350が設けられる。前記コード設定部350は、遠隔警報受信器の受信可用コードを決定するものであり、例えば、任意の固有識別コード以外はタグ部と動作されないように動作範囲を設定することにより担当タグ部とそれ以外の残りのタグ部(非領域の識別コードを有するタグ部)に自体的に警報が動作しても前記遠隔警報受信器は動作しないように設定するのである。
【0060】
前記コード設定部350としては、DIPスイッチなどの入力手段を採用することが一般的であるが、受信装置の制御部(MCU)に直接的にプログラミングする方法も採用することができ、これもまた、外部入力手段を介してコード番号が設定されるものと認められる。
【0061】
コードが設定されれば、前記遠隔警報受信器300は、第2信号受信部310を介して受信した情報をMCUにおいて分類するときに設定されたコード番号が入っているタグ情報のみを処理するようにする。このような過程を経て他の売り場の盗難警報を選別することが可能になる。すなわち、設定されたコード番号と同じ番号が含まれている警報であるときに限って受信器において警報を発生することが特徴である。
【0062】
そして、警報の種類に関する受信器の警報発生動作をユーザが手軽に設定できるように警報設定部331を付設することを特徴とする。警報の種類としては、ワイヤ断線またはスイッチアラーム、全体出入口アラーム、出入口別のアラームが挙げられ、警報の設定は、警報の種類別に単一または複数が組み合わせられて行われ、設定された種類の警報のみをMCUにおいて処理して警報発生部に出力することを特徴とする。
【0063】
このため、前記警報設定部331を用いて、警報の種類に応じて出力警報を設定することにより、当該警報がどのような理由によって発生するかが分かる。
【0064】
また、付加的な機能としては、発生された警報情報を別途の通信(有/無線通信)を用いてコンピュータなどの外部機器に送ることを特徴とする。このために、前記遠隔警報受信器300には、外部機器有/無線通信部370が付設され、このような外部機器有/無線通信部370の付設によって売り場管理者の携帯電話やページャー、モバイル機器に手軽に警報を表示するサービスの提供が可能になる。
【0065】
このような構成を有する本発明に係る無線通信機能付き自鳴式商品盗難防止システムは、タグ自体的に警報が出力可能であり、それぞれのタグ部には識別コードが与えられているため、警報信号が発生したタグ部から受信する遠隔警報受信器を介してタグ部の識別コードを認識することから、より体系的な盗難防止管理を行うことができるというメリットがある。
【0066】
以上、本発明の原理を例示するための好適な実施形態について説明及び図示したが、本発明はこのように図示されて説明されたそのままの構成及び作用に何ら限定されるものではない。むしろ、添付の請求範囲の思想及び範囲から逸脱することなく本発明に対する多数の変更及び修正が可能であるということは当業者であれば理解できる筈である。よって、このようなあらゆる適切な変更及び修正と均等物もまた本発明の範囲に属するものと見なすべきである。
【符号の説明】
【0067】
100:タグ部
110:ワイヤ断線感知部
120:警報表示部
130:保存部
140:第1信号受信部
150:第1信号送信部
160:制御部(MCU)
200:コード信号発生器
210:コード信号発生部
220:状態表示部
230:保存部
240:コード設定部
250:制御部
300:遠隔警報受信器
310:第2信号受信部
320:受信データ表示部
330:警報発生部
331:警報設定部
340:保存部
350:コード設定部
360:制御部
370:外部機器有/無線通信部
380:携帯機器
390:PC