(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内燃機関用回転電機の径方向に関して、前記脚部は、前記ロータの径方向外側縁より径方向内側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の内燃機関用回転電機。
前記センサユニットは、対称軸(SYM)を有し、前記脚部は前記対称軸に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の内燃機関用回転電機。
前記対称軸は、前記ステータを前記ボディに固定するための隣り合う2つの固定ボルト(34)の間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関用回転電機。
前記脚部は、前記ボディに押し付けられることにより塑性変形可能な部位(64、264、664、764、864)を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の内燃機関用回転電機。
前記脚部は、前記ボディに押し付けられることにより弾性変形可能な部位(63、64、264、564、664、764、864)を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の内燃機関用回転電機。
前記センサユニットは、前記ボディとの嵌め合いにより周方向および/または径方向に関して前記ボディに対して位置決めされることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の内燃機関用回転電機。
前記センサユニットは、前記脚部と前記ボディとの嵌め合いにより周方向および/または径方向に関して前記ボディに対して位置決めされることを特徴とする請求項11に記載の内燃機関用回転電機。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照しながら、ここに開示される発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については他の形態の説明を参照し適用することができる。
【0018】
(第1実施形態)
図1において、内燃機関用回転電機(以下、単に回転電機という)10は、発電電動機10、または交流発電機スタータ(AC Generator Starter)10とも呼ばれる。回転電機10は、インバータ回路(INV)と制御装置(ECU)とを含む電気回路11と電気的に接続されている。電気回路11は、三相の電力変換回路を提供する。
【0019】
電気回路11は、回転電機10が発電機として機能するとき、出力される交流電力を整流し、バッテリを含む電気負荷に電力を供給する整流回路を提供する。電気回路11は、回転電機10から供給される点火制御用の基準位置信号を受信する信号処理回路を提供する。電気回路11は、点火制御を実行する点火制御器を提供してもよい。電気回路11は、回転電機10をスタータモータとして機能させる駆動回路を提供する。電気回路11は、回転電機10を電動機として機能させるための回転位置信号を回転電機10から受信し、検出された回転位置に応じて回転電機10への通電を制御することにより回転電機10をスタータモータとして機能させる。
【0020】
回転電機10は、内燃機関12に組み付けられている。内燃機関12は、ボディ13と、ボディ13に回転可能に支持され、内燃機関と連動して回転する回転軸14とを有する。回転電機10は、ボディ13と回転軸14とに組み付けられている。ボディ13は、内燃機関12のクランクケース、ミッションケースなどの構造体である。回転軸14は、内燃機関12のクランク軸、またはクランク軸と連動する回転軸である。回転軸14は、内燃機関12が運転されることによって回転し、回転電機10を発電機として機能させるように駆動する。回転軸14は、回転電機10が電動機として機能するとき、回転電機10の回転によって内燃機関12を始動可能な回転軸である。
【0021】
回転電機10は、ロータ21と、ステータ31と、センサユニット41とを有する。
【0022】
ロータ21は、全体がカップ状である。ロータ21は、その開口端をボディ13に向けて位置付けられる。ロータ21は、回転軸14の端部に固定される。ロータ21は、回転軸14とともに回転する。ロータ21は、永久磁石によって界磁を提供する。
【0023】
ロータ21は、カップ状のロータヨーク22を有する。ロータヨーク22は、内燃機関12の回転軸14に連結される。ロータヨーク22は、回転軸14に固定される内筒と、内筒の径方向外側に位置する外筒と、内筒と外筒との間に拡がる環状の底板とを有する。ロータヨーク22は、後述する永久磁石のためのヨークを提供する。ロータヨーク22は、磁性金属製である。
【0024】
ロータ21は、ロータヨーク(22)の内面に配置された永久磁石23を有する。永久磁石23は、外筒の内側に固定されている。永久磁石23は、複数のセグメントを有する。それぞれのセグメントは、部分円筒状である。永久磁石23は、その内側に、複数のN極と複数のS極とを提供する。永久磁石23は、少なくとも界磁を提供する。また、永久磁石23は、点火制御のための基準位置信号を提供するための部分的な特殊磁極を提供する。特殊磁極は、界磁のための磁極配列とは異なる部分的な磁極によって提供される。永久磁石23は、径方向内側に配置された保持カップ24によって軸方向および径方向に関して固定されている。保持カップ24は、薄い非磁性金属製である。保持カップ24は、ロータヨーク22に固定されている。
【0025】
ロータ21は、回転軸14に固定されている。ロータ21と回転軸14とは、キー嵌合などの回転方向の位置決め機構を介して連結されている。ロータ21は、固定ボルト25によって回転軸14に締め付けられることによって固定されている。
【0026】
ステータ31は、環状の部材である。ステータ31は、ロータ21とボディ13との間に配置されている。ステータ31は、回転軸14とロータヨーク22の内筒とを受け入れることができる貫通孔を有する。ステータ31は、ロータ21の内面とギャップを介して対向する外周面を有する。外周面には、複数の磁極が配置されている。これら磁極は、ロータ21の界磁と対向して配置されている。ステータ31は、電機子巻線を有する。ステータ31は、多相の電機子巻線を有する。ステータ31は、ボディ13に固定される。ステータ31は、複数の磁極と、三相の巻線とを有する三相多極ステータである。
【0027】
ステータ31は、ステータコア32を有する。ステータコア32は、内燃機関12のボディ13に固定されることによってロータ21の内側に配置される。ステータコア32は、永久磁石23と対向する複数の磁極を径方向外側に形成する。ステータコア32は、複数の磁極を形成するように所定の形状に成形された電磁鋼板を積層することにより形成されている。ステータコア32は、永久磁石23の内面と対向する複数の磁極を提供する。ステータコア32の複数の磁極の間には、隙間が設けられている。
【0028】
ステータ31は、ステータコア32に巻かれたステータコイル33を有する。ステータコイル33は、電機子巻線を提供する。ステータコア32とステータコイル33との間には絶縁材料製のインシュレータが配置されている。ステータコイル33は、三相巻線である。
【0029】
ステータ31は、ボディ13に固定されている。ステータ31とボディ13とは、回転方向の位置決め機構、例えば固定ボルト34を介して連結されている。ステータ31は、複数の固定ボルト34によってボディ13に締め付けられることによって固定されている。
【0030】
センサユニット41は、ステータ31に固定される。センサユニット41は、ロータ21に設けられた永久磁石23が供給する磁束を検出することにより、ロータ21の回転位置を検出する回転位置検出器である。センサユニット41は、磁極の間に配置され、永久磁石23の磁束を検出することによりロータ21の回転位置を検出する回転位置センサ43を有する。
【0031】
永久磁石23が提供する特殊磁極の位置によって点火制御のための基準位置が示される。ロータ21の回転位置は、回転軸14の回転位置でもある。よって、ロータ21の回転位置を検出することにより、点火制御のための基準位置信号を得ることができる。
【0032】
永久磁石23が提供する界磁の回転方向の位置によってロータ21の回転位置が示される。よって、ロータ21の回転位置を検出し、検出された回転位置に応じて電機子巻線への通電を制御することにより、回転電機10を電動機として機能させることができる。
【0033】
センサユニット41は、回路部品42を収容する。回路部品42は、基板と、基板に実装された電気素子、および電線などを含む。センサユニット41は、回転位置センサ43を収容する。センサユニット41は、固定ボルト44によってステータ31に固定されている。センサユニット41は、その径方向内側の部位において、ステータ31に固定されている。さらに、センサユニット41は、その径方向外側の部位において、ステータ31とボディ13との間に位置付けられている。センサユニット41は、ステータ31とボディ13との間において、弾性的に加圧されて、それら両者の間に固定されている。
【0034】
センサユニット41は、ケース51を有する。ケース51は、樹脂材料製である。ケース51は、部分的に金属部分をもつことができる。ケース51は、回路部品42と回転位置センサ43とを収容し、保持する。回転位置センサ43は、回路部品42と接続される。ケース51は、多角形筒、例えば台形筒の断面に相当する形状をもち、ステータ31の径方向外側縁におおよそ対応して延びる外縁をもつ。
【0035】
ケース51は、回路部品42を収容するための容器52を有する。容器52は樹脂材料製である。容器52は、ボディ13に対向する面が開口した箱状である。回路部品42は、容器52内に収容され、固定されている。
【0036】
ケース51は、少なくともひとつの回転位置センサ43を収容するための少なくともひとつのカバー53を有する。回転位置センサ43は、カバー53内に固定されている。カバー53は、容器52の底面から延び出すように形成された有底筒状の部材である。カバー53は、径方向外側に設けられている。カバー53は、磁極の間の隙間に挿入される。カバー53は、容器52と同じ樹脂材料によって容器52から連続するように、一体成形されている。
【0037】
カバー53の内部は、容器52の内部に連通している。センサユニット41は、複数のカバー53を有する。カバー53は、容器52から延び出す指状、または舌状と呼びうる形状である。カバー53は、回転位置センサ43のための鞘とも呼ぶことができる。複数のカバー53は、点火制御のための基準位置検出用の回転位置センサのためのひとつのカバー53と、モータ制御のための回転位置センサのための3つのカバー53とを有する。
【0038】
それぞれのカバー53内には、ひとつの回転位置センサ43が収容される。回転位置センサ43は、永久磁石23が供給する磁束を検出する。回転位置センサ43は、ホールセンサ、MREセンサなどによって提供される。この実施形態は、点火制御のためのひとつの回転位置センサと、モータ制御のための3つの回転位置センサとを有する。回転位置センサ43は、カバー53内の空洞に配置された電線によって回路部品42と電気的に接続される。
【0039】
ケース51は、締付部54を有する。締付部54は、内燃機関用回転電機10の径方向に関して径方向内側に設けられている。締付部54は、固定ボルト44によってステータ31に締め付けられる。容器52と締付部54との間には、それらの間を連結するための連結部55が設けられている。締付部54および連結部55は、容器52から径方向内側に延び出し、ステータコア32の径方向内側に形成された環状部分に位置付けられている。締付部54は、容器52と同じ樹脂材料によって容器52から連続するように、一体成形されている。連結部55は、容器52と同じ樹脂材料によって容器52から連続するように、一体成形されている。締付部54は、ステータコア32のボディ13に対向する面に位置付けられている。締付部54には、固定ボルト44を受け入れる雌ねじ部分が設けられている。雌ねじ部分は、樹脂材料に直接に雌ねじを形成することにより、または、樹脂材料にナット部材を埋設することにより提供することができる。固定ボルト44は、締付部54をステータコア32に締め付ける。固定ボルト44は、ステータコア32のボディ13と反対側の面からステータコア32を貫通して配置されている。固定ボルト44のステータコア32から突出する先端部は、締付部54の雌ねじ部分に螺合される。これにより、センサユニット41は、ステータコア32に固定される。
【0040】
ケース51は、脚部61を有する。脚部61は、ボディ13に押し付けられることにより回転電機の軸方向へ変形可能である。脚部61は容器52の開口端の縁に設けられている。脚部61は、センサユニット41の位置をボディ13に対して位置決めするための部材である。
【0041】
脚部61は、容器52からボディ13に向けて突出して設けられている。脚部61は、センサユニット41のうち、径方向外側の部位に位置付けられている。脚部61は、ボス部またはダボ部とも呼ばれる。脚部61は、容器52と同じ樹脂材料によって容器52から連続するように、一体成形されている。脚部61は、ボディ13に対向する容器52の面のうち、一部分だけに設けられている。脚部61の先端は、センサユニット41が内燃機関12に組み付けられた状態では、ボディ13に接触している。センサユニット41は、径方向外側では脚部61のみにおいてボディ13と接触する。
【0042】
回転電機10の径方向に関して、脚部61は、容器52の最も外側の縁よりも内側に配置されている。径方向に関して、脚部61は、回転位置センサ43およびカバー53にほぼ対応する位置に位置付けられている。脚部61は、回転位置センサ43およびカバー53に対して僅かに径方向外側に位置付けられている。脚部61は、ステータ31の径方向外側縁よりわずかに径方向外側に配置されている。脚部61は、ロータ21の径方向外側縁より径方向内側に配置されている。この実施形態では、センサユニット41の全体がロータ21より径方向内側に配置されている。
【0043】
回転電機10の軸方向に関して、回転位置センサ43およびカバー53と、脚部61とは、容器52の反対側に設けられている。回転位置センサ43およびカバー53と、脚部61とは、容器52の両面から互いに軸方向の反対へ向けて延び出すように形成されている。
【0044】
図2は、ステータ31とセンサユニット41とを径方向外側から見た図を示している。図中には、ステータ31の複数の磁極32aと、周方向に隣接する2つの磁極32aの間の複数の隙間32bとが図示されている。隙間32bは、軸方向に沿って真っ直ぐの隙間である。ステータコア32上には、複数の隙間32bが設けられている。カバー53が挿入される隙間32bと、カバー53が挿入されていない隙間とは、同じ形状である。
【0045】
容器52から延び出すカバー53は、その内部に回転位置センサ43を収容している。回転位置センサ43の軸方向の位置は、検出対象となる磁束を検出できるように設定されている。この実施形態における点火制御およびモータ制御のための永久磁石23に関連する細部、および複数の回転位置センサ43に関連する細部については、特許第5064279号、特開2013−233030号公報、または特開2013−27252号公報に記載の内容を援用することができ、同記載を参照により引用することができる。
【0046】
カバー53は、周方向に関する幅が太い基部53aと、基部53aより細い先端部53bとを有する。基部53aの幅は、隙間32bの幅より大きい。先端部53bの幅は、隙間32bの幅と等しいかやや小さい。先端部53bの幅は、先端部53bを隙間32b内に配置可能であって、かつ、先端部53bが周方向に関して隙間32b内を過剰に移動しない程度の幅である。基部53aと、先端部53bとの間には、段差部53cが形成されている。
【0047】
段差部53cは、ステータコア32の磁極32aの軸方向端面に接触している。これにより、カバー53は、隙間32b内に所定の量だけ軸方向に挿入される。段差部53cは、ステータ31に対して、カバー53および回転位置センサ43を所定の位置に位置付けるための位置決め部を提供する。段差部53cは、ステータ31に接触することによりカバー53の挿入量を規制する。段差部53cは、ステータコア32の端面と隙間32bとの間の段差を利用してカバー53の挿入量を規定している。この結果、カバー53、すなわちセンサユニット41は、軸方向に関してステータコア32に位置決めされる。
【0048】
脚部61はカバー53より変形しやすく設定されている。この実施形態では、ひとつのカバー53に力が集中することがあっても、脚部61がカバー53より変形しやすいように、それらの形状、断面積などが設定されている。段差部53cは、ステータ31に接触することによって内燃機関用回転電機10の軸方向に力を受ける。さらに、脚部61は、ボディ13に接触することによって回転電機の軸方向に力を受ける。このような組み付け作業中の状態において、脚部61を変形させるために、段差部53c、すなわちカバー53よりも、脚部61が変形しやすく設定される。この結果、回転位置センサ43の位置ずれが抑制され、検出精度の変動が抑制される。
【0049】
図3は、ボディ13から見たセンサユニット41の平面図である。図中には、ステータ31のステータコア32の中央環状部分も図示されている。ステータコア32には、中央貫通孔32cと、固定ボルト34を配置するための3つの貫通孔32dとが設けられている。さらに、ステータコア32には、固定ボルト44を貫通配置するための図示されない貫通孔が設けられている。
【0050】
容器52内には、回路部品42を封止するための封止樹脂56が流し込まれている。図中には、回路部品42の一部である電線42aが図示されている。電線42aは、回転位置センサ43からの信号を伝えるための電線である。電線42aは、図示されないワイヤハーネスを経由して電気回路11に接続される。
【0051】
容器52と締付部54との間には、それらの間を連結するための2つの連結部55が設けられている。連結部55は、回転電機10の径方向に沿って延びている。連結部55は、径方向内側の締付部54と容器52とを連結している。連結部55は、回転電機10の軸方向に関して十分に高い強度をもって締付部54と容器52とを連結するために、軸方向に関して比較的厚い厚さを有する。これにより、締付部54がステータコア32に締め付けられた場合に、カバー53の段差部53cが、ステータコア32の磁極32aに強く押し付けられる。この結果、カバー53およびその中に収容された回転位置センサ43がステータコア32に対して正確に位置決めされる。
【0052】
容器52は、ステータ31の径方向外側の部位に沿って、ほぼ円弧状の範囲に拡がっている。容器52が広がる周方向範囲内に、複数の回転位置センサ43と複数のカバー53とが配置されている。複数の回転位置センサ43と複数のカバー53とは、等間隔に配置されている。
【0053】
センサユニット41は、対称軸SYMをもつ。容器52は、対称軸SYMに対して周方向へ対称に拡がっている。複数の回転位置センサ43と、複数のカバー53とは、対称軸に対して周方向へ対称に配置されている。2つの連結部55は、対称軸SYMに対して周方向の対象位置に配置されている。締付部54において、固定ボルト44は、対称軸SYM上に配置されている。
【0054】
脚部61は、周方向に拡がる容器52をバランス良く支えるために、周方向に関して対称に配置されている。この実施形態では、唯一の脚部61が、対称軸SYM上に配置されている。これにより、脚部61は、センサユニット41をバランス良く支えることができる。
【0055】
対称軸SYMは、3つの貫通孔32dの対称軸でもある。対称軸SYMは、ひとつの貫通孔32dを通り、かつ、2つの貫通孔32dの中央に位置している。脚部61は、貫通孔32dに配置された固定ボルト34が締め付けられることによって、軸方向沿ってボディ13に押し付けられる。3つの固定ボルト34が締め付けられるとき、ひとつの固定ボルト34だけが強く締め付けられ、ステータ31が傾くことがあっても、脚部61がボディ13に過剰に押し付けられることが回避される。脚部61が対称軸SYM上に配置されること、すなわち脚部61が対称軸SYMに関して対称に配置されることは、脚部61がボディ13に過剰に押し付けられることを抑制する。
【0056】
容器52は、脚部61に対応して、補強部分57を有する。補強部分57は、容器52の壁の一部に設けられている。補強部分57の厚さは、容器52の他の壁の厚さより厚い。補強部分57は、容器52における応力の集中を緩和する。
【0057】
図4は、容器52の部分的な断面を示す。図中には、脚部61が設けられた部分の断面が図示されている。補強部分57は、容器52の開口端から底部に向けて徐々に厚さが増加する斜面を有する。
図5は、脚部61の先端を示す平面図である。
【0058】
脚部61は、比較的太い基部62を有する。基部62は、容器52の開口端から突出するように設けられている。基部62は、脚部61がボディ13に押し付けられても塑性変形することがない程度の断面積を有する。脚部61は、基部62より細いテーパ部63を有する。テーパ部63は、基部62の先端からさらに突出するように設けられている。テーパ部63は、基部62から先端に向けて徐々に断面積が小さくなる断面積減少部分を提供する。テーパ部63は、脚部61がボディ13に押し付けられても塑性変形することがない程度の断面積を有する。テーパ部63は、脚部61がボディ13に押し付けられると、弾性変形することがある。テーパ部63は、弾性変形部とも呼ぶことができる。基部62とテーパ部63とは、ステータ31がボディ13に取り付けられることによって脚部61がボディ13に押し付けられても塑性変形することがない部位として計画された非塑性変形部を提供する。ただし、基部62とテーパ部63とは、弾性変形することができる。
【0059】
脚部61は、先端に最も細い先端部64を有する。先端部64は、テーパ部63の先端からさらに突出するように設けられている。先端部64は、ステータ31がボディ13に取り付けられることによって脚部61がボディ13に押し付けられると、その一部が塑性変形するように計画された塑性変形部を提供する。先端部64は、上記組み付けによって塑性変形するような断面積を有する。先端部64の一部は弾性変形することがある。先端部64は、段差部53cと、先端部64との間に位置する容器52およびカバー53のすべての部位よりも変形しやすい形状と断面積とを有する。先端部64は、カバー53の段差部53cよりも弾性変形しやすい形状と断面積とを有する。先端部64は、薄い板状の突片によって提供されている。
【0060】
図6、
図7は、ステータ31がボディ13に取り付けられる組み付け工程を示す部分断面図である。図中には、先端部64が塑性変形する前後の状態が図示されている。段差部53cと先端部64の先端面との間の距離は、ステータコア32の端面とボディ13との間の距離よりわずかに大きく設定されている。段差部53cとテーパ部63の先端面との間の距離は、ステータコア32の端面とボディ13との間の距離にほぼ等しく設定されている。このため、ステータ31がボディ13に組み付けられると、段差部53cは、ステータコア32に押し付けられる。同時に、先端部64は、ボディ13に押し付けられる。先端部64は、カバー53より塑性変形しやすいから、塑性変形する。これにより、ステータ31とボディ13との間の距離の誤差を吸収しながら、センサユニット41がステータコア32とボディ13との間に位置付けられ、両方から加圧されて保持される。このとき、脚部61のテーパ部63の一部、および先端部64の一部は弾性変形する。
【0061】
センサユニット41は、径方向内側においては締付部54によって固定される。センサユニット41は、径方向外側においては、段差部43cがステータ31に接触し、脚部61がボディ13に接触することによって、ステータ31とボディ13との間に保持される。ステータコア32の端面とボディ13との間の距離は、温度変化、経年変化、振動による摩耗などによって変動することがある。しかし、先端部64の一部の塑性変形と、脚部61の一部の弾性変形とによって、センサユニット41は、軸方向に関して加圧された状態に維持され、保持状態が安定的に維持される。
【0062】
以上に述べた実施形態によると、ステータ31に固定されたセンサユニット41は、ステータ31がボディ13に取り付けられ、固定されることによってステータ31とボディ13との間に保持され、固定される。このとき、脚部61はボディ13に押し付けられることによって回転電機の軸方向へ変形する。よって、センサユニット41は、ステータ31とボディ13との両方に接触する。センサユニット41は、脚部61の変形によってステータ31とボディ13との間の距離の誤差を吸収して、ステータ31とボディ13との両方への接触を提供する。
【0063】
脚部61は、ボディ13に押し付けられることにより塑性変形可能な部位64を有する。この構成によると、ステータ31とボディ13との間の距離の誤差があっても、脚部61が塑性変形することにより、ステータ31とボディ13との両方への接触が提供される。
【0064】
脚部61は、ボディ13に押し付けられることにより弾性変形可能な部位63、64を有する。センサユニット41は、ステータ31とボディ13との間において、これら両者から締め付けられる。しかも、センサユニット41が弾性変形可能な部位を備えるから、例えば振動などに起因して、ステータ31とボディ13との間の距離の変動があっても、センサユニット41の弾性力によって、ステータ31との接触と、ボディ13との接触との両方が維持される。振動環境下においても回転位置センサ43を安定的に位置決めすることができる。
【0065】
センサユニット41は、径方向外側では脚部61のみにおいてボディ13と接触する。この構成によると、センサユニット41をボディ13に直接的に固定する手段を要しない。このため、内燃機関12への組み付け作業が容易な内燃機関用回転電機10を提供することができる。例えば、センサユニット41をボディ13に直接的に固定するための締付トルクの管理が不要な内燃機関用回転電機10を提供することができる。また、センサユニット41をボディ13に固定するためのボルトを配置する領域も要しないから、内燃機関12上に占める範囲が小さい内燃機関用回転電機10を提供することができる。また、センサユニット41とボディ13との位置決めが樹脂製の脚部61によって提供されるから、ロータ21またはステータ31からの磁束漏洩を生じるおそれがない。このため、磁束漏洩を生じないアルミ製固定ボルトや、磁束漏洩を生じないボルトの配置などの特別な配慮が不要である。
【0066】
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、先端部64は板状の突片によって提供される。これに代えて、この実施形態では、先端部264は、十字形状の突片によって提供される。
【0067】
図8は、
図5に対応する平面図である。脚部261は、先端部264を有する。先端部264は、フィリップス型のスクリュードライバのような十字形状の突片によって提供される。先端部264の形状は、塑性変形のしやすさを調節することを可能とする。また、先端部264の形状は、弾性変形による弾性力の強さを調節することを可能とする。
【0068】
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、唯一の脚部61を設けた。これに代えて、この実施形態では、複数の脚部が設けられる。
【0069】
図9は、
図3に対応する平面図である。容器52は、複数の脚部361a、361bを有する。複数の脚部361a、361bのそれぞれは、脚部61と同じ形状をもつ。複数の脚部361a、361bは、対称軸SYMに関して周方向に対称の位置に設けられている。それらの位置は、2つの貫通孔32dの間において周方向に対称である。容器52は、複数の脚部361a、361bのそれぞれに対応して、補強部分357a、357bを有する。
【0070】
別の観点では、脚部361a、361bは、センサユニット41上におけるカバー53に対応する位置に設けられている。カバー53と脚部361a、361bとは、ケース51の上において互いに反対側に位置している。よって、脚部361a、361bは、カバー53とは反対側において、カバー53に対応する位置の近傍に設けられている。具体的には、図示されるように、ステータ31の径方向線の上に、カバー53と脚部361a、361bとが位置づけられている。ステータ31が固定ボルト34によって締め付けられるとき、軸力は、カバー53を通して脚部361a、361bに向けて短距離で伝達される。この結果、脚部361a、361bを変形させるための力が効率的に伝達される。なお、脚部は、カバー53より径方向外側、または径方向内側、複数のカバー53の群よりも周方向外側、または周方向内側といった多様な位置に設けることができる。
【0071】
この実施形態によると、センサユニット41は、対称軸SYMを有し、脚部361a、361bは対称軸SYMに対して対称に配置されている。この構成によると、安定的な保持が可能となる。さらに、対称軸SYMは、ステータ31をボディ13に固定するための隣り合う2つの固定ボルト34の間に配置されている。この構成によると、組み付け作業時のステータ31の傾きによる脚部361a、361bの過剰な変形が抑制される。複数の脚部361a、361bは、センサユニット41とボディ13との接触部位を分散させることを可能とする。また、脚部361a、361bの塑性変形のしやすさを低く維持しながら、それらが提供する弾性力を増加させることができる。
【0072】
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、平面状のボディ13に脚部61が接触する。これに代えて、この実施形態では、脚部を径方向および/または周方向に位置決めする位置決め部がボディ13に設けられる。
【0073】
図10は、
図7に対応する部分断面図である。容器52は、脚部61を有する。ボディ13は、脚部61と嵌め合わされることにより脚部61と径方向および周方向の両方に関して位置決めする位置決め部415を有する。位置決め部415は、脚部61よりわずかに大きい内径をもつ丸穴である。脚部61が位置決め部415に嵌め合わされることにより、センサユニット41は、径方向および周方向の両方に関してボディ13に位置決めされる。この実施形態では、ケース51とボディ13との嵌め合いによってセンサユニット41が径方向および/または周方向に関して位置決めされている。これにより、振動下におけるセンサユニット41の径方向および周方向への移動が抑制される。
【0074】
この実施形態によると、脚部61は、ボディ13との嵌め合いにより周方向および/または径方向に関してボディに対して位置決めされる。よって、センサユニット41は、回転電機の周方向および/または径方向に関してボディ13に対して位置決めされる。これにより、点火制御のための回転位置センサが、ボディ13に対して、所定の周方向位置に正確に位置決めされる。また、この構成は、特別の位置決め作業を要さないから、内燃機関への組み付け作業が容易になる。
【0075】
(第5実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、容器52と同じ材料によって変形可能な脚部61が提供される。これに代えて、この実施形態では、容器52より変形しやすい弾性材料製の部分が脚部に設けられる。
【0076】
図11および
図12は、
図6および
図7に対応する部分断面図である。図中には、脚部561の断面が図示されている。脚部561は、基部562と、その先端に設けられた弾性突部564とを有する。基部562と弾性突部564とは、連結されている。弾性突部564は、容器52を作る樹脂よりも弾性変形しやすい材料で作られている。弾性突部564は、ゴムなどの弾性材料製である。ステータ31が内燃機関12に組み付けられると、脚部561がボディ13に押し付けられる。弾性突部564は、それ自身が弾性変形することにより、センサユニット41をステータコア32に押し付けた状態で、ステータコア32とボディ13との間にセンサユニット41を固定する。この実施形態によると、センサユニット41を確実に弾性的に保持することができる。
【0077】
(第6実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。
図13および
図14は、
図6および
図7に対応する部分断面図である。図中には、脚部661の断面が図示されている。ケース51は、脚部661を有する。脚部661は、三角錐形状に形成されている。脚部661は、三角錐の基部が容器52に接し、三角錐の頂がボディ13に指向するように形成されている。脚部661は、基部662と、その先端に設けられた先端部664とを有する。基部662と先端部664とは、先行する実施形態におけるテーパ部63も提供している。基部662と先端部664との間に明確な境界はない。
【0078】
先端部664は、少なくとも弾性変形可能な部位を提供する。さらに、先端部664は、その頂部分によって塑性変形可能な部位も提供する。ステータ31が内燃機関12に組み付けられると、脚部661は、それ自身の一部が弾性変形することにより、センサユニット41をステータコア32に押し付けた状態で、ステータコア32とボディ13との間にセンサユニット41を固定する。
【0079】
(第7実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。
図15および
図16は、
図6および
図7に対応する部分断面図である。図中には、脚部761の断面が図示されている。ケース51は、脚部761を有する。脚部761は、柱状の基部762と、先細形状である半球形状の先端部764とを有する。基部762は容器52に接している。基部762は円柱形状である。先端部764は、半球の頂がボディ13に指向するように形成されている。基部762と先端部764との間に明確な境界はない。
【0080】
先端部764は、少なくとも弾性変形可能な部位を提供する。さらに、先端部764は、その先端部によって塑性変形可能な部位も提供する。この実施形態でも、脚部761は、それ自身の一部が弾性変形することにより、センサユニット41をステータコア32に押し付ける。
【0081】
(第8実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。
図17および
図18は、
図6および
図7に対応する部分断面図である。図中には、脚部861の断面が図示されている。ケース51は、脚部861を有する。脚部861は、柱状の基部862と、先細形状である円錐形状の先端部864とを有する。基部862は容器52に接している。基部862は円柱形状である。先端部864は、円錐の頂がボディ13に指向するように形成されている。先端部864の基端の直径は、基部862の先端の直径より小さい。よって、基部862と先端部864との間には、明確な境界が設けられている。
【0082】
先端部864は、少なくとも弾性変形可能な部位を提供する。さらに、先端部864は、塑性変形可能な部位も提供する。この実施形態でも、脚部861は、それ自身の一部が弾性変形することにより、センサユニット41をステータコア32に押し付ける。
【0083】
(第9実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。
図10に図示される実施形態では、ケース51とボディ13との嵌め合いが、脚部61と位置決め部415との嵌め合いによって提供されている。センサユニット41を径方向および/または周方向に関して位置決めするための嵌め合いは、様々な部位の多様な形状を利用して提供することができる。この実施形態では、ケース51の周方向の端面959a、959bと、ボディ13のボス部13aに設けられた位置決め部915とによって位置決めのための嵌め合いが提供される。
【0084】
図19は、この実施形態におけるボディ13、ステータコア32、およびセンサユニット41を示す分解斜視図である。図中には、ボディ13のボス部13aとステータコア32とが軸方向に離れている状態が図示されている。ボス部13aは、ボディ13の主要部から軸方向に突き出している。図中において、ボス部13aは、基部において切断された仮想の状態で図示されており、断面がハッチングによって示されている。図中には、脚部661が図示されている。
【0085】
ボディ13は、筒状のボス部13aを有する。ボス部13aは、回転軸14を囲むように配置されている。ボス部13aは円筒状である。ボス部13aは、ステータコア32が固定される固定台でもある。ボス部13aの周囲には、固定ボルト34を受け入れるためのボルト穴が形成された複数のボルト穴形成部13bが設けられている。ボス部13aは、3つのボルト穴形成部13bを有する。
【0086】
隣接する2つのボルト穴形成部13bの間に対応して、ボス部13aには、位置決め部915が設けられている。位置決め部915は、ボス部13aの先端面から軸方向に延びる溝または切欠部と呼びうる部分によって提供されている。位置決め部915の中には、締付部54と連結部55とが位置づけられる。組み付け工程において、締付部54と連結部55とは、軸方向に沿って、位置決め部915内に挿し込まれる。位置決め部915は、センサユニット41をステータコア32の径方向内側の領域に配置することを可能とする。位置決め部915が提供する開口部の大きさは、その開口部がセンサユニット41によって覆われるように設定することが望ましい。
【0087】
位置決め部915は、周方向の両端に位置する2つの端面915a、915bを有する。これら端面915a、915bは、ボス部13aにおいて所定の角度範囲にわたって広がる開口部を区画している。これら端面915a、915bの間の周方向における隙間は、そこに位置付けられるセンサユニット41の幅に対応している。締付部54と連結部55とは、それらの周方向両側に、端面959a、959bを提供している。端面915a、915bが規定する上記隙間は、端面959a、959bが規定する上記幅に対応している。
【0088】
上記隙間は、上記幅と等しく設定することができる。上記隙間は、上記幅よりわずかに大きく設定することができる。端面915a、915bの間に、締付部54と連結部55とが位置づけられることによって、ボディ13に対するセンサユニット41の周方向位置が規定の位置に位置決めされる。言い換えると、点火制御のための回転位置センサの周方向位置が規定の位置に位置決めされる。
【0089】
上記隙間と、上記幅との間には、センサ−ボス間隙間、すなわち誤差がある。よって、センサユニット41が位置決め部915内に挿入された後も、ステータコア32とセンサユニット41とは、所定のセンサ−ボス誤差角度だけ回転可能である。一方で、センサユニット41が固定されているステータコア32とボディ13(ボス部13a)との間にも、固定ボルト34とボルト穴との隙間に相当するコア−ボディ間隙間、すなわち周方向誤差がある。よって、ステータコア32は、固定ボルト34が挿し込まれているが、締め付けられる前は、ステータコア32とボディ13との間に不可避に生じる所定のコア−ボディ誤差角度だけ回転することができる。上記センサ−ボス誤差角度は、上記コア−ボディ誤差角度より小さく設定されている。上記センサ−ボス誤差角度は、上記コア−ボディ誤差角度の範囲内に位置づけられる。これにより、ステータコア32にセンサユニット41が固定されている構成においても、高い精度でセンサユニット41の周方向位置が規定の位置に位置付けられる。
【0090】
この実施形態によると、ケース51とボディ13との嵌め合いにより、点火制御のための回転位置センサは、ボディ13に対して、所定の周方向位置に正確に位置決めされる。また、この構成によると、特別の位置決め作業を要さないから、内燃機関への組み付け作業が容易になる。
【0091】
(他の実施形態)
ここに開示される発明は、その発明を実施するための実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。開示される発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。実施形態は追加的な部分をもつことができる。実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。開示される発明の技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される発明のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0092】
例えば、上記実施形態では、センサユニットは、モータ制御のための回転位置センサと、点火制御のための回転位置センサとの両方を備える。これに代えて、センサユニットは、モータ制御のための回転位置センサと、点火制御のための回転位置センサとの少なくとも一方を備えるように構成することができる。例えば、センサブロックは、モータ制御のための回転位置センサだけを備えていてもよい。
【0093】
また、先端部64、264は、例えば、円筒状、円柱状、複数の突片状など、種々の形状を採用することができる。上記実施形態に加えて、先端部64以外の部位は、ステータ31がボディ13に固定されるときの押しつけ力では、変形、座屈を生じないように形成してもよい。先端部64以外の部位は、先端部64が完全に変形し、座屈した後に、塑性変形を抑制するように、または塑性変形することがないように、形成することができる。例えば、テーパ部63を設けることなく、先端部64の全体が座屈した後は、太い基部62がボディ13に接触するように構成することができる。
【0094】
上記実施形態では、円錐形状、半球形状などの基部から先端に向けて細くなる脚部が採用される。脚部の形状は、図示される実施形態に限定されることなく多様な形状を採用することができる。例えば、円錐台形状、角錐形状、ピラミッド形状、段付きピラミッド形状などを脚部の形状として採用することができる。
【0095】
また、図示される補強部分57に代えて、より大きい断面積を与えるリブなどの座屈防止部分を設けてもよい。また、ケース51のステータ31と接触する部位、例えばカバー53には、先端部64が完全に座屈した後に生じ得る通常の押しつけ力では座屈することがないような断面積を与えてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、センサユニット41は、径方向外側では脚部61、261、361a、361b、561、661、761、861のみにおいてボディ13と接触する。これに代えて、センサユニット41をボディ13に固定するためのブラケットを付加的に採用してもよい。例えば、ボディ13に取り付けられる板状のブラケットによってセンサユニット41をボディ13に向けて締め付けてもよい。かかる構成でも、脚部は塑性変形することによってステータ31とボディ13との間の距離の誤差を吸収する。
【0097】
また、上記実施形態では、位置決め部415を丸穴によって提供した。これに代えて、位置決め部を、径方向に延びる細長い溝によって提供してもよい。これにより、周方向に関してだけセンサユニット41を位置決めすることができる。また、位置決め部を、周方向に延びる細長い溝によって提供してもよい。これにより、径方向に関してだけセンサユニット41を位置決めすることができる。