特許第5971497号(P5971497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5971497
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20160804BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20160804BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
   H04W72/04 111
   H04W92/20
【請求項の数】26
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2014-520417(P2014-520417)
(86)(22)【出願日】2012年10月29日
(65)【公表番号】特表2014-534652(P2014-534652A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】JP2012078551
(87)【国際公開番号】WO2013069579
(87)【国際公開日】20130516
【審査請求日】2014年4月25日
(31)【優先権主張番号】1119207.7
(32)【優先日】2011年11月7日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】アワード,ヤシン アデン
(72)【発明者】
【氏名】セオ,ケイ
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 NTT DOCOMO,Performance Evaluations of Heterogeneous Networks,R1-101226,フランス,3GPP,2010年 2月16日,paragraph 5
【文献】 InterDigital Communications, LLC,eICIC Macro-Femto: Time-domain muting and ABS,R1-105951,フランス,3GPP,2010年11月 9日,paragraph 3.2
【文献】 ZTE,Considerations on CSI-RS configuration signaling,R1-104554,フランス,3GPP,2010年 8月17日,p.6
【文献】 Ericsson, ST-Ericsson,Remaining Details for CA-based HetNets,R1-105321,フランス,3GPP,2010年10月 5日,paragraph 2.3
【文献】 LG Electronics,Considerations on measurement mismatch problem,R1-110545,フランス,3GPP,2011年 1月21日,paragraph 1,2
【文献】 Texas Instruments,System Performance Gains with Rel-10 ICIC and Het-Net Enhancements for Rel-11,R1-112154,フランス,3GPP,2011年 8月16日,paragraph 4
【文献】 Qualcomm Incorporated,On transmitter based solutions for eICIC,R1-113384,フランス,3GPP,2011年10月 4日,paragraph 2
【文献】 Research In Motion UK Limited,PSS/SSS Detection in Heterogeneous Networks,R1-112369,フランス,3GPP,2011年 8月16日,paragraph 2.1.2
【文献】 NTT DOCOMO,Views on eICIC Schemes for Rel-10,R1-105724,フランス,3GPP,2010年10月14日,paragraph 2.1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で複数の移動通信デバイスと通信する基地局であって、該基地局は、
関連するコンポーネントキャリア上で通信セルを運用する手段と、
前記コンポーネントキャリアを用いて前記通信セルにおいて送信されることになる無線フレーム内の構成された相対的な場所において少なくとも1つの同期信号を含む信号を通信するように該基地局を構成する手段であって、前記構成された相対的な場所は、前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所である、構成手段と、
前記無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において信号を通信する通信手段と、
を備え、
前記少なくとも1つの同期信号の前記場所は、前記構成手段が、前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所の第1の場所、又は、前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所の第2の場所において前記信号を通信する該基地局を構成するように動作可能であるように、周波数分割多重(FDD)及び時分割多重(TDD)の一方を用いて運用している時に、基地局ごとに、前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所のいずれかであるように設定可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で複数の移動通信デバイスと通信する基地局。
【請求項2】
請求項1に記載の基地局であって、前記運用する手段はそれぞれのコンポーネントキャリア上で複数の通信セルを運用するように構成され、
前記通信手段は、第1のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて送信される第1の無線フレーム内で第1の信号を通信するように動作可能であり、前記第1の信号は、前記第1の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第1の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する、前記無線フレーム内の所定の相対的な場所において送信され、
前記構成手段は、第2のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第2のセル内で送信される第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所において第2の信号を通信するよう該基地局を構成するように動作可能であり、前記構成された相対的な場所は、前記第2の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第2の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所であり、
前記通信手段は、前記第2の無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において第2の信号を通信するように更に動作可能であり、
前記第1の信号及び前記第2の信号は互いに同じタイプであり、それぞれ少なくとも1つの同期信号を含み、
前記構成手段は、前記第1の無線フレーム内の前記所定の相対的な場所とは異なる、前記第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所において前記第2の信号を通信するよう該基地局を構成するように動作可能である、請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基地局であって、各無線フレームは、時間に関して異なるサブフレーム場所の範囲に及ぶ複数のサブフレームを含み、
前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号、又は前記第2の信号を通信するよう該基地局を構成するように動作可能であり、前記複数の場所はそれぞれ、サブフレーム場所の前記範囲内の異なるサブフレーム場所を含む、請求項1又は2に記載の基地局。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の基地局であって、各無線フレームは、時間に関して異なるスロット場所の範囲に及ぶ複数のスロットを含み、
前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号、又は前記第2の信号を通信するよう該基地局を構成するように動作可能であり、前記複数の場所はそれぞれ、スロット場所の前記範囲内の異なるスロット場所を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の基地局であって、各サブフレーム又はスロットは、時間に関して異なるシンボル場所の範囲に及ぶ複数のシンボルを含み、
前記構成手段は、前記信号又は前記第2の信号が通信された各サブフレーム又はスロット内の所定のシンボル場所において前記信号又は前記第2の信号を通信するよう該基地局を構成するように動作可能であり、前記所定のシンボル場所は前記サブフレーム又はスロットの制御領域内に位置する、請求項3又は4に記載の基地局。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の基地局であって、各サブフレーム又はスロットは、時間に関して異なるシンボル場所の範囲に及ぶ複数のシンボルを含み、
前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号又は前記第2の信号を通信するよう該基地局を構成するように動作可能であり、複数の場所はそれぞれ、シンボル場所の前記範囲内の異なるシンボル場所を含む、請求項3又は4に記載の基地局。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の基地局であって、各無線フレームは周波数に関して異なるサブキャリア場所の範囲に及ぶ複数のサブキャリアを含み、
前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号又は前記第2の信号を通信するよう該基地局を構成するように動作可能であり、前記複数の場所はそれぞれ、サブキャリア場所の前記範囲内のサブキャリア場所の異なる部分範囲を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の基地局であって、各無線フレームは周波数に関して異なるリソースブロック場所の範囲に及ぶ複数のリソースブロックを含み、
前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号又は前記第2の信号を通信するよう該基地局を構成するように動作可能であり、前記複数の場所はそれぞれ、リソースブロック場所の前記範囲内のリソースブロック場所の異なる部分範囲を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項9】
前記構成手段は、更なる基地局によって用いられる更なる無線フレーム内の更なる相対的な場所を識別し、前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号)と同じタイプの信号を通信し、更なる無線フレーム内の前記識別された更なる相対的な場所とは異なる関連する無線フレーム内の構成された相対的な場所において前記信号(又は前記第2の信号)を構成するように構成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項10】
前記構成手段は、X2インターフェースを介して前記更なる基地局と通信することによって前記更なる無線フレーム内の前記更なる相対的な場所を識別するように動作可能である、請求項9に記載の基地局。
【請求項11】
前記構成手段は、自動隣接関係(ANR)手順中に前記更なる無線フレーム内の前記更なる相対的な場所を識別するように動作可能である、請求項9に記載の基地局。
【請求項12】
当該基地局は、前記構成された相対的な場所を識別する情報を、前記移動通信デバイスに通信する手段を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項13】
前記構成された相対的な場所を識別する前記情報は、前記構成された相対的な場所をそこから導出することができる構成インデックスを含む、請求項12に記載の基地局。
【請求項14】
請求項13に記載の基地局であって、取り得る構成インデックスと、取り得る構成された相対的な場所との間の関連は該基地局のメモリ内のルックアップテーブルによって表される、請求項13に記載の基地局。
【請求項15】
前記ルックアップテーブルは、以下の表1:
【表1】
のように、取り得る構成インデックスと、取り得る構成された相対的な場所との間の関連を含む、請求項14に記載の基地局。
【請求項16】
請求項13又は14に記載の基地局であって、取り得る構成インデックスと、取り得る構成された相対的な場所との間の関連は該基地局のメモリ内の1つ又は複数の式によって表される、請求項13又は14に記載の基地局。
【請求項17】
少なくとも1つの式は、
構成インデックス=(Cell_ID mod 5)+1
のようなセル識別子(Cell_ID)と構成インデックスとの間の関連を表す、請求項16に記載の基地局。
【請求項18】
前記構成された相対的な場所を識別する前記情報は前記構成された相対的な場所の明示的な指示を含む、請求項12に記載の基地局。
【請求項19】
前記構成された相対的な場所を識別する前記情報は、前記信号又は第2の信号が通信されるセルのセル識別子を含む、請求項12に記載の基地局。
【請求項20】
前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号のそれぞれ)は同期信号を含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項21】
前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号のそれぞれ)は一次同期信号又は二次同期信号を含む、請求項20に記載の基地局。
【請求項22】
複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で基地局と通信する移動通信デバイスであって、該移動通信デバイスは、
通信セル内で、前記基地局によって制御される関連するコンポーネントキャリア上で通信する手段と、
無線フレーム内の構成された相対的な場所を識別する手段であって、前記構成された相対的な場所内で少なくとも1つの同期信号を含む信号が送信されることになり、前記構成された相対的な場所は、前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所である、識別手段と、
前記無線フレーム内の前記識別された構成された相対的な場所において前記信号を受信する手段と、
を備え、
前記少なくとも1つの同期信号の前記構成された相対的な場所は、前記構成された相対的な場所が、第1の基地局用の前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所の第1の場所、及び、第2の基地局用の前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所の第2の場所を含むことができるように、周波数分割多重(FDD)及び時分割多重(TDD)の一方を用いて運用している時に、基地局ごとに、前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所のいずれかであるように設定可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で基地局と通信する移動通信デバイス。
【請求項23】
複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内の複数の移動通信デバイスと通信するために基地局によって実行される方法であって、該方法は、
関連するコンポーネントキャリア上で通信セルを運用することと、
前記コンポーネントキャリアを用いて前記通信セル内で送信されることになる無線フレーム内の構成された相対的な場所において少なくとも1つの同期信号を含む信号を通信するよう前記基地局を構成することであって、前記構成された相対的な場所は前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所であることと、
前記無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において信号を通信することと、
を含み、
前記少なくとも1つの同期信号の前記場所は、前記構成するステップが、前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所の第1の場所、又は、前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所の第2の場所において前記信号を通信するよう前記基地局を構成することを含むように、周波数分割多重(FDD)及び時分割多重(TDD)の一方を用いて運用している時に、基地局ごとに、前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所のいずれかであるように設定可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内の複数の移動通信デバイスと通信するために基地局によって実行される方法。
【請求項24】
複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で基地局と通信するために移動通信デバイスによって実行される方法であって、該方法は、
通信セル内で、前記基地局によって制御される関連するコンポーネントキャリア上で通信することと、
無線フレーム内の構成された相対的な場所を識別することであって、前記構成された相対的な場所内で少なくとも1つの同期信号を含む信号が送信されることになり、前記構成された相対的な場所は、前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所であることと、
前記無線フレーム内の前記識別された構成された相対的な場所において前記信号を受信することと、
を含み、
前記少なくとも1つの同期信号の前記構成された相対的な場所は、前記構成された相対的な場所が、第1の基地局用の前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所の第1の場所、及び、第2の基地局用の前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所の第2の場所を含むことができるように、周波数分割多重(FDD)及び時分割多重(TDD)の一方を用いて運用している時に、基地局ごとに、前記無線フレーム内の複数の異なる相対的な場所のいずれかであるように設定可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で基地局と通信するために移動通信デバイスによって実行される方法。
【請求項25】
プログラマブルプロセッサを、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基地局として機能させるように動作可能な命令を含む非一時的コンピュータプログラム。
【請求項26】
プログラマブルプロセッサを、請求項22に記載の移動通信デバイスとして機能させるように動作可能な命令を含む非一時的コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動電気通信デバイス及び移動電気通信ネットワークに関し、限定はしないが、特に、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)標準規格又はその均等物若しくは派生物に従って動作する移動電気通信デバイス及び移動電気通信ネットワークに関する。本発明は、限定はしないが、特に、UTRANのロングタームエボリューション(LTE)(発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)と呼ばれる)に関連する。
【0002】
本出願は、2011年11月7日に出願された英国特許出願第1119207.7号を基礎としており、この英国特許出願の優先権の利益を主張する。この英国特許出願の開示は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0003】
3GPP標準化プロセスの一部として、20MHzを超えるシステム帯域幅の場合のダウンリンク動作は、種々の周波数にある複数のコンポーネントキャリアのアグリゲーションに基づくものと決定された。そのようなキャリアアグリゲーションを用いて、連続的なスペクトルを有するシステム、及び連続的なスペクトルを有しないシステムの両方における動作をサポートすることができる(例えば、非連続的なシステムは800MHz、2GHz及び3.5GHzのコンポーネントキャリアを含む場合がある)。レガシー移動デバイスは、単一の、後方互換性があるコンポーネントキャリアを用いてのみ通信できる場合があるが、更に進んだマルチキャリア対応端末であれば、複数のコンポーネントキャリアを同時に使用することができる。
【0004】
キャリアアグリゲーションは、複数のキャリアによって異なる電力クラスのセル間、及びオープンアクセスセルとクローズド加入者グループ(CSG)セルとの間の干渉を管理できるようになるので、システム帯域幅が連続的であり、20MHzを超えない場合であっても、異機種ネットワーク(HetNet)において特に利益をもたらすことができる。或る特定の電力クラスのセル(マクロ/ピコ/CSG)にキャリアを排他的に専用化することによって、長期のリソース分割を実行することができる。
【0005】
さらに、同一の地理的エリア又は重なり合う地理的エリア内で同じ周波数のコンポーネントキャリア上で動作する異なるセル間の干渉管理が必要であることが、できる限り多くのレガシー制御及びパイロットシグナリング(共通基準シグナリングを含む)が除去される拡張キャリアの提案(リリース11)及び開発につながってきた。干渉管理に関する恩恵に加えて、これはオーバーヘッドを最小化するのも助ける。これは、拡張キャリアがリリース10及び更に早期の移動通信デバイスに一般的に適合しないことを意味する。
【0006】
より詳細には、マルチキャリア対応基地局は、その基地局のキャリアのうちの少なくとも1つを拡張キャリアとして動作させることができ、拡張キャリア上では、制御チャネル(例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)等のリソーススケジューリング情報を搬送するチャネル)、共通基準信号(CRS)(セル固有基準信号と呼ばれる場合もある)及び他の情報を送信することはできない。拡張キャリアの使用を可能にするには、マルチキャリア基地局によって用いられるコンポーネントキャリアセットの少なくとも1つの更なるコンポーネントキャリアが、拡張キャリアのスケジューリング情報を送信するのに用いることができるスタンドアローンキャリアでなければならない。
【0007】
したがって、第1の基地局がコンポーネントキャリアを拡張キャリアとして動作させているとき、別の基地局は、第1の基地局と概ね同じ地理的エリアにおいて、同じ周波数のコンポーネントキャリアを、制御チャネル、CRS及び他のそのような情報をより確実に送信するように動作させることができ、第1の基地局によって動作する拡張キャリア上には対応する制御チャネル、CRS及び他のそのような情報が存在しないので、著しい干渉は生じない。
【0008】
設計によって、又は無線環境条件の結果として第1のコンポーネントキャリア及び第2のコンポーネントキャリアの範囲が異なるために、一次セル及び二次セルによってカバーされる地理的エリアが同一場所に存在しない可能性がある。場合によっては、一次セル及び二次セルが全く異なる地理的場所に存在する場合もある。さらに、上記で言及されたように、一次セル及び二次セルは互いに異なる周波数帯において動作する場合がある。そのような場合に、一次セル及び二次セルが同じ基地局から制御されるという事実にもかかわらず、一次セルと二次セルとの間に、それでもタイミング誤差及びキャリア周波数ドリフトが生じる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ、本発明の例示的な実施形態は、上記の問題を克服するか、少なくとも緩和する移動通信システム、移動通信デバイス、通信ノード及び関連する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で複数の移動通信デバイスと通信する通信装置であって、該通信装置は、
関連するコンポーネントキャリア上で通信セルを運用する手段と、
前記コンポーネントキャリアを用いて前記通信セルにおいて送信されることになる無線フレーム内の構成された相対的な場所において同期信号及び基準信号のうちの少なくとも1つを含む信号を通信するように該装置を構成する手段であって、前記構成された相対的な場所は、前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所である、構成手段と、
前記無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において信号を通信する通信手段と、
を備え、
前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて前記信号を通信するように該装置を構成するように動作可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で複数の移動通信デバイスと通信する通信装置が提供される。
【0011】
前記運用する手段はそれぞれのコンポーネントキャリア上で複数の通信セルを運用するように構成することができる。前記通信手段は、第1のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて送信される第1の無線フレーム内で第1の信号を通信するように動作可能とすることができ、前記第1の信号は、前記第1の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第1の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する、前記無線フレーム内の所定の相対的な場所において送信される。前記構成手段は、第2のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第2のセル内で送信される第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所において第2の信号を通信するよう前記装置を構成するように動作可能とすることができ、前記構成された相対的な場所は、前記第2の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第2の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所である。前記通信手段は、前記第2の無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において第2の信号を通信するように更に動作可能とすることができる。前記第1の信号及び前記第2の信号は互いに同じタイプとすることができ、それぞれ同期信号及び基準信号及び/又は別の制御信号のうちの少なくとも1つを含み、前記構成手段は、前記第1の無線フレーム内の前記所定の相対的な場所とは異なる場合がある、前記第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所において前記第2の信号を通信するよう前記装置を構成するように動作可能とすることができる。
【0012】
各無線フレームは、時間に関して異なるサブフレーム場所の範囲に及ぶ複数のサブフレームを含むことができ、前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号、又は前記第2の信号を通信するように前記装置を構成するよう動作可能とすることができ、前記複数の場所はそれぞれ、サブフレーム場所の前記範囲内の異なるサブフレーム場所を含むことができる。
【0013】
各無線フレームは、時間に関して異なるスロット場所の範囲に及ぶ複数のスロットを含むことができ、前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号、又は前記第2の信号を通信するように前記装置を構成するよう動作可能とすることができ、前記複数の場所はそれぞれ、スロット場所の前記範囲内の異なるスロット場所を含むことができる。
【0014】
各サブフレーム又はスロットは、時間に関して異なるシンボル場所の範囲に及ぶ複数のシンボルを含むことができ、前記構成手段は、前記信号又は前記第2の信号が通信された各サブフレーム又はスロット内の所定のシンボル場所において前記信号又は前記第2の信号を通信するよう前記装置を構成するように動作可能とすることができ、前記所定のシンボル場所は前記サブフレーム又はスロットの制御領域内に位置することができる。
【0015】
各サブフレーム又はスロットは、時間に関して異なるシンボル場所の範囲に及ぶ複数のシンボルを含むことができ、前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号又は前記第2の信号を通信するよう前記装置を構成するように動作可能とすることができ、複数の場所はそれぞれ、シンボル場所の前記範囲内の異なるシンボル場所を含むことができる。
【0016】
各無線フレームは周波数に関して異なるサブキャリア場所の範囲に及ぶ複数のサブキャリアを含むことができ、前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号又は前記第2の信号を通信するよう前記装置を構成するように動作可能とすることができ、前記複数の場所はそれぞれ、サブキャリア場所の前記範囲内のサブキャリア場所の異なる部分範囲を含むことができる。
【0017】
各無線フレームは周波数に関して異なるリソースブロック場所の範囲に及ぶ複数のリソースブロックを含むことができ、前記構成手段は、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて、前記信号又は前記第2の信号を通信するよう前記装置を構成するように動作可能とすることができ、前記複数の場所はそれぞれ、リソースブロック場所の前記範囲内のリソースブロック場所の異なる部分範囲を含むことができる。
【0018】
前記構成手段は、更なる通信装置によって用いられる更なる無線フレーム内の更なる相対的な場所を識別し、前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号)と同じタイプの信号を通信し、更なる無線フレーム内の前記識別された更なる相対的な場所とは異なる場合がある関連する無線フレーム内の構成された相対的な場所において前記信号(又は前記第2の信号)を構成するように構成することができる。
【0019】
前記構成手段は、X2インターフェースを介して前記更なる通信装置と通信することによって前記更なる無線フレーム内の前記更なる相対的な場所を識別するように動作可能とすることができる。
【0020】
前記構成手段は、自動隣接関係(ANR)手順中に前記更なる無線フレーム内の前記更なる相対的な場所を識別するように動作可能とすることができる。
【0021】
当該通信装置は、前記構成された相対的な場所を識別する情報を、前記移動通信デバイスに通信する手段を更に含むことができる。
【0022】
前記構成された相対的な場所を識別する前記情報は、前記構成された相対的な場所をそこから導出することができる構成インデックスを含むことができる。取り得る構成インデックスと、取り得る構成された相対的な場所との間の関連は前記装置のメモリ内のルックアップテーブルによって表すことができる。前記ルックアップテーブルは、以下の表1:
【表1】
のように、取り得る構成インデックスと、取り得る構成された相対的な場所との間の関連を含むことができる。
【0023】
取り得る構成インデックスと、取り得る構成された相対的な場所との間の関連は前記装置のメモリ内の1つ又は複数の式によって表すことができる。少なくとも1つの式は、
構成インデックス=(Cell_ID mod 5)+1
のようなセル識別子(Cell_ID)と構成インデックスとの間の関連を表すことができる。
【0024】
前記構成された相対的な場所を識別する前記情報は前記構成された相対的な場所の明示的な指示を含むことができる。前記構成された相対的な場所を識別する前記情報は、前記信号又は第2の信号を通信することができるセルのセル識別子を含むことができる。
【0025】
前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号のそれぞれ)は同期信号を含むことができる。前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号のそれぞれ)は一次同期信号又は二次同期信号を含むことができる。前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号のそれぞれ)は基準信号を含むことができる。前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号のそれぞれ)は復調基準信号(DMRS)を含むことができる。前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号のそれぞれ)は共通又はセル特有基準信号(CRS)を含むことができる。
【0026】
当該通信装置は基地局を含むことができる。
【0027】
本発明の一態様によれば、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で複数の移動通信デバイスと通信する通信装置であって、該通信装置は、
それぞれのコンポーネントキャリア上で複数の通信セルを運用する手段と、
第1のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて送信される第1の無線フレーム内で第1の信号を通信する手段であって、前記第1の信号は、前記第1の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第1の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の所定の相対的な場所において送信される、通信手段と、
第2のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第2のセルにおいて送信される第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所において第2の信号を通信するよう該装置を構成する手段であって、前記構成された相対的な場所は、前記第2の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第2の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所である、構成手段と、
を備え、
前記通信手段は、前記第2の無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において第2の信号を通信するように更に動作可能であり、
前記第1の信号及び前記第2の信号は互いに同じタイプであり、それぞれ同期信号及び基準信号のうちの少なくとも1つを含み、
前記構成手段は、前記第1の無線フレーム内の前記所定の相対的な場所とは異なる前記第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所において前記第2の信号を通信するよう該装置を構成するように動作可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で複数の移動通信デバイスと通信する通信装置が提供される。
【0028】
本発明の一態様によれば、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で通信装置と通信する移動通信デバイスであって、該移動通信デバイスは、
通信セル内で、前記通信装置によって制御される関連するコンポーネントキャリア上で通信する手段と、
無線フレーム内の構成された相対的な場所を識別する手段であって、前記構成された相対的な場所内で同期信号及び基準信号のうちの少なくとも1つを含む信号が送信されることになり、前記構成された相対的な場所は、前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所である、識別手段と、
前記無線フレーム内の前記識別された構成された相対的な場所において前記信号を受信する手段と、
を備え、
前記構成された相対的な場所は、複数の相対的な場所のいずれかを含むことができ、前記識別手段は、前記構成された相対的な場所が、前記複数の相対的な場所のいずれを含むかを判断するように動作可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で通信装置と通信する移動通信デバイスが提供される。
【0029】
本発明の一態様によれば、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で通信装置と通信する移動通信デバイスであって、該移動通信デバイスは、
複数の通信セルのいずれかにおいて通信する手段であって、前記通信セルはそれぞれ、前記通信装置によって運用されるそれぞれのコンポーネントキャリア上で与えられる、通信手段と、
第1のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて送信される第1の無線フレーム内で第1の信号を受信する手段であって、前記第1の信号は、前記第1の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第1の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の所定の相対的な場所において送信される、受信手段と、
無線フレーム内の構成された相対的な場所を識別する手段であって、前記場所において第2の信号が送信されることになり、前記構成された相対的な場所は、前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所である、識別手段と、
を備え、
前記受信手段は、前記第2の無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において第2の信号を受信するように更に動作可能であり、
前記第1の信号及び前記第2の信号は互いに同じタイプであり、それぞれ同期信号及び基準信号のうちの少なくとも1つを含み、
前記識別手段は、前記第1の無線フレーム内の前記所定の相対的な場所とは異なる前記第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所を識別するように動作可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で通信装置と通信する移動通信デバイスが提供される。
【0030】
前記識別手段は、前記第1の信号から得られたタイミング情報に基づいて、前記第2の信号の前記構成された相対的な場所を推測するように動作可能とすることができる。前記識別手段は、前記構成された相対的な場所を識別するために前記通信装置によって通信された情報から前記構成された相対的な場所を識別するように動作可能とすることができる。
【0031】
前記構成された相対的な場所を識別する前記情報は、前記構成された相対的な場所をそこから導出することができる構成インデックスを含むことができる。
【0032】
取り得る構成インデックスと、取り得る構成された相対的な場所との間の関連は前記移動通信デバイスのメモリ内のルックアップテーブルによって表すことができる。
【0033】
取り得る構成インデックスと、取り得る構成された相対的な場所との間の関連は前記移動通信デバイスのメモリ内の1つ又は複数の式によって表すことができる。
【0034】
前記構成された相対的な場所を識別するための前記情報は、前記構成された相対的な場所の明示的な指示を含むことができる。前記構成された相対的な場所を識別する前記情報は、前記信号又は第2の信号が通信される前記セルのセル識別を含むことができる。
【0035】
前記識別手段は、同期信号及び基準信号のうちの前記少なくとも1つを含む信号の探索を実行し、前記探索中に検出された信号から前記構成された相対的な場所を識別することによって、前記構成された相対的な場所を識別するように動作可能であるとすることができる。
【0036】
前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号のそれぞれ)は同期信号を含むことができ、前記移動通信デバイスは、前記同期信号に応じて前記通信装置と同期する手段を更に備えることができる。
【0037】
前記信号(又は前記第1の信号及び前記第2の信号のそれぞれ)は一次同期信号又は二次同期信号を含むことができる。
【0038】
本発明の一態様によれば、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内の複数の移動通信デバイスと通信するために通信装置によって実行される方法であって、該方法は、
関連するコンポーネントキャリア上で通信セルを運用することと、
前記コンポーネントキャリアを用いて前記通信セル内で送信されることになる無線フレーム内の構成された相対的な場所において同期信号及び基準信号のうちの少なくとも1つを含む信号を通信するよう前記装置を構成することであって、前記構成された相対的な場所は前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所であることと、
前記無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において信号を通信することと、
を含み、
前記装置を構成するステップは、前記無線フレーム内の複数の相対的な場所のいずれかにおいて前記信号を通信するよう前記装置を構成することを含む、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内の複数の移動通信デバイスと通信するために通信装置によって実行される方法が提供される。
【0039】
本発明の一態様によれば、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内の複数の移動通信デバイスと通信するために通信装置によって実行される方法であって、該方法は、
それぞれのコンポーネントキャリア上で複数の通信セルを運用することと、
第1のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて送信される第1の無線フレーム内で第1の信号を通信することであって、前記第1の信号は、前記第1の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第1の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の所定の相対的な場所において送信されることと、
第2のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第2のセルにおいて送信される第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所において第2の信号を通信するよう前記装置を構成することであって、前記構成された相対的な場所は、前記第2の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第2の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所であることと、
前記第2の無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において第2の信号を通信することと、
を含み、
前記第1の信号及び前記第2の信号は互いに同じタイプであり、それぞれ同期信号及び基準信号のうちの少なくとも1つを含み、
前記装置を構成するステップは、前記第1の無線フレーム内の前記所定の相対的な場所とは異なる前記第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所において前記第2の信号を通信するよう前記装置を構成することを含む、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内の複数の移動通信デバイスと通信するために通信装置によって実行される方法が提供される。
【0040】
本発明の一態様によれば、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で通信装置と通信するために移動通信デバイスによって実行される方法であって、該方法は、
通信セル内で、前記通信装置によって制御される関連するコンポーネントキャリア上で通信することと、
無線フレーム内の構成された相対的な場所を識別することであって、前記構成された相対的な場所内で同期信号及び基準信号のうちの少なくとも1つを含む信号が送信されることになり、前記構成された相対的な場所は、前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所であることと、
前記無線フレーム内の前記識別された構成された相対的な場所において前記信号を受信することと、
を含み、
前記構成された相対的な場所は複数の相対的な場所のいずれかを含むことができ、前記識別するステップは、前記構成された相対的な場所が前記複数の相対的な場所のいずれを含むかを判断するように動作可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で通信装置と通信するために移動通信デバイスによって実行される方法が提供される。
【0041】
本発明の一態様によれば、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で通信装置と通信するために移動通信デバイスによって実行される方法であって、
複数の通信セルのいずれかにおいて通信することであって、前記通信セルはそれぞれ前記通信装置によって運用されるそれぞれのコンポーネントキャリア上で与えられることと、
第1のコンポーネントキャリアを用いて前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて送信される第1の無線フレーム内で第1の信号を受信することであって、前記第1の信号は、前記第1の無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記第1の無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の所定の相対的な場所において送信されることと、
無線フレーム内の構成された相対的な場所を識別することであって、前記場所において第2の信号が送信されることになり、前記構成された相対的な場所は、前記無線フレームが及ぶ時間範囲と、前記無線フレームが及ぶ周波数範囲との両方に対する前記無線フレーム内の場所であることと、
前記第2の無線フレーム内の前記構成された相対的な場所において第2の信号を受信することと、
を含み、
前記第1の信号及び前記第2の信号は互いに同じタイプであり、それぞれ同期信号及び基準信号のうちの少なくとも1つを含み、
前記識別するステップは、前記第1の無線フレーム内の前記所定の相対的な場所とは異なる前記第2の無線フレーム内の構成された相対的な場所を識別するように動作可能である、複数の無線フレームを用いてセルラー通信システム内で通信装置と通信するために移動通信デバイスによって実行される方法が提供される。
【0042】
本発明の態様は、上記で示した、又は特許請求の範囲において記載される態様及び可能な形態において記述されるような方法を実行するようにプログラマブルプロセッサをプログラムするように、及び/又は特許請求の範囲のいずれかの請求項において記載される装置を提供するように適切に構成されたコンピューターをプログラムするように動作可能である、その上に記憶された命令を有するコンピューター可読記憶媒体のようなコンピュータプログラム製品にまで及ぶ。
【0043】
本明細書(特許請求の範囲を含む)において開示され、及び/又は図面において示される各特徴は、開示され、及び/又は図示される任意の他の特徴から独立して(又はそれらと組み合わせて)本発明に組み込まれる場合がある。詳細には、限定はしないが、特定の独立請求項に従属する請求項のうちのいずれかの特徴は、任意の組み合わせにおいて又は個々に、その独立請求項に取り込まれる場合がある。
【0044】
次に、本発明の実施形態を、単に例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】電気通信システムの概略図である。
図2図1の電気通信システムの基地局の簡略化されたブロック図である。
図3図1の電気通信システムの移動通信デバイスの簡略化されたブロック図である。
図4図1の電気通信システムにおいて通信のために用いられる通常の無線フレームの図である。
図5図1の電気通信システムにおいて通信のための用いられる無線フレームの通常のサブフレームの一部の図である。
図6図1の電気通信システムの一次セル及び二次セルにおいて同期信号をいかに送信することができるかに関する図である。
図7図1の電気通信システムの移動通信デバイスが無線フレーム内の同期シグナリングの場所を判断するためにいかに動作することができるかに関する簡略化された流れ図である。
図8図1の電気通信システムの基地局が無線フレーム内で同期シグナリングが送信されるべき場所を判断するためにいかに動作することができるかに関する簡略化された流れ図である。
図9図1の電気通信システムの一次セル及び二次セルにおいて同期信号をいかに送信することができるかに関する別の例の図である。
図10図1の電気通信システムの一次セル及び二次セルにおいて同期信号をいかに送信することができるかに関する別の例の図である。
図11図1の電気通信システムの移動通信デバイスが無線フレーム内の同期シグナリングの場所を判断するためにいかに動作することができるかに関する別の例の簡略化された流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
概説
図1は、移動(セルラー)電気通信システム1を概略的に示しており、そのシステムでは、複数の移動通信デバイス3−1、3−2、3−3、3−4のうちのいずれかのユーザーが、複数の基地局5−1、5−2及び5−3のうちの1つ又は複数を介して、他のユーザーと通信することができる。図1に示されるシステムでは、図示される各基地局5は、マルチキャリア環境において動作することができる発展型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)基地局である。
【0047】
図1において、5−1を付された基地局は、いわゆる「マクロ」基地局を含み、コンポーネントキャリアセットのそれぞれのコンポーネントキャリア(CC)C1、C2を用いて、地理的に相対的に大きな複数の「マクロ」セル7、8を動作させる。この実施形態では、マクロ基地局5−1は、コンポーネントキャリアC1を一次セル(PCell)7が提供される一次コンポーネントキャリアとして、コンポーネントキャリアC2を二次セル(SCell)8が提供される二次コンポーネントキャリアとして動作させる。PCell7はSCell8よりも地理的に大きなカバレッジを有する。PCell7とSCell8とのサイズの違いは設計による場合があるか(例えば、コンポーネントキャリアC2に低い送信電力を用いる結果として)、又は一次キャリアC1及び二次キャリアC2に異なる程度に影響を及ぼす1つ又は複数の無線環境要因から生じる場合がある(例えば、高い周波数の二次キャリアC2よりも、低い周波数の一次キャリアC1に及ぼす影響が小さい経路損失)。
【0048】
図1に示される他の基地局5−2及び5−3はそれぞれ、いわゆる「ピコ」基地局(又は場合によってはいわゆる「無線リモートヘッド(RRH)」)を含み、周波数に関してマクロ基地局5−1によって用いられるコンポーネントキャリアに対応するコンポーネントキャリア(CC)C1、C2を有するコンポーネントキャリアセットを用いて、複数の「ピコ」セル9−2、9−3、10−2、10−3を動作させる。各ピコ基地局5−2、5−3は、コンポーネントキャリアC2においてそれぞれのピコ一次セル(PCell)9−2、9−3を、コンポーネントキャリアC1においてそれぞれのピコ二次セル(SCell)10−2、10−3を動作させる。したがって、ピコPCell9は、マクロSCell8と実質的に同じ周波数帯を共有し、ピコSCell10は、マクロPCell7と実質的に同じ周波数帯を共有する。図1に示されるように、ピコセル9、10を提供するために用いられるキャリアC1、C2の電力は、この例のピコPCell9の地理的カバレッジがピコSCell10の地理的カバレッジと概ね同じ場所を占めるように設定される。
【0049】
ピコセル9、10を提供するために用いられる電力は、マクロセル7、8のために用いられる電力に比べて低く、それゆえ、ピコセル9、10はマクロセル7、8に比べて小さい。図1に示されるように、この例では、各ピコセル9、10の地理的カバレッジはマクロPCell7の地理的カバレッジ内に完全に入り、マクロSCell7の地理的カバレッジと部分的に重なり合う。
【0050】
セル間干渉の問題を緩和するために、マクロSCell8のために用いられるコンポーネントキャリアC2は、送信することができる情報の性質が限定される拡張キャリアとしてマクロ基地局5−1によって動作する。具体的には、そのコンポーネントキャリアは、拡張キャリアとして動作するときに、以下のうちのいずれかを送信するのに用いることはできない。
・物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)
・物理ハイブリッドARQインジケーターチャネル(PHICH)
・物理制御フォーマットインジケーターチャネル(PCFICH)
・物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、又は
・共通基準信号/セル固有基準信号(CRS)
【0051】
したがって、拡張キャリアは、事実上、単一(スタンドアローン)キャリアとして動作させることができない「PDCCHレス(PDCCH-less)」キャリアであり、それゆえに、セット内のキャリアのうちの少なくとも1つがスタンドアローン対応キャリアであるコンポーネントキャリアセットの一部として動作させなければならない。マクロ基地局5−1は、スタンドアローンキャリアとしてキャリアC1を動作させ、このスタンドアローンキャリア上において、PDCCHは、移動通信デバイス3がマクロSCell8内で動作しているときに当該移動通信デバイスによって通信目的で用いられるコンポーネントキャリアC2のリソースをスケジューリングするのに用いられる。
【0052】
ピコSCell10のそれぞれに用いられるそれぞれのコンポーネントキャリアC1は、関連付けられたピコ基地局5−2、5−3によって(前述したような)拡張キャリアとしてもそれぞれ動作される。ピコPCell9のそれぞれに用いられるそれぞれのコンポーネントキャリアC2は、関連付けられたピコ基地局5−2、5−3によってスタンドアローンキャリアとして動作され、移動通信デバイス3が関連付けられたピコSCell10内で動作しているときに当該移動通信デバイスによって通信目的で用いられるコンポーネントキャリアC1のリソースのクロスキャリアスケジューリングに用いられる。
【0053】
また、各基地局5は、一次(後方互換)コンポーネントキャリアにおいて各無線フレーム210内で信号を与えるように構成され、それにより、移動通信デバイス3は関連するPCell7、9に対して基地局5との同期を達成することができる。具体的には、基地局5は、3GPP TS 36.211 V10.2.0において設定されるような各無線フレーム内の所定の(周波数及び時間の両方に関して)固定された場所において、一次(後方互換)コンポーネントキャリア上で一次同期信号(PSS)及び二次同期信号(SSS)を送信する。
【0054】
SCell8、10との同期のために一次コンポーネントキャリア上で送信される信号に頼るのではなく、各基地局5はまた、二次(拡張)コンポーネントキャリアにおいて各無線フレーム210(図4を参照)内で別の同期信号を与えるように構成され、それにより、移動通信デバイス3は、関連するSCell8、10に対して基地局5との同期を達成することができる。具体的には、基地局5は、二次コンポーネントキャリア上でも一次同期信号(PSS)及び二次同期信号(SSS)を送信する。しかしながら、一次コンポーネントキャリア上で送信されるPSS及びSSSとは異なり、各無線フレーム内のPSS及びSSSの場所は基地局5ごとに(そして、複数の二次キャリアが用いられる場合にはキャリアごとに)設定可能である。隣接する基地局5と、そのセルが共通の地理的エリア及び/又は周波数帯を共用する基地局5とが、一方の基地局5によって送信されるPSS/SSSと別の基地局5によって送信されるPSS/SSSとの間のセル間干渉を回避できるようになるので、PSS及びSSSの設定可能な場所は特に有益である。
【0055】
しかしながら、SCell8、10内でのPSS及びSSSの再利用は(無線フレーム内の異なる場所にある場合であっても)、レガシー(例えば、リリース10移動通信デバイス)がセル探索手順中にその信号を検出する場合があり、それを通常のリリース10セルと間違えるという危険をもたらすことは理解されよう。これを回避するために、リリース11移動通信デバイス3の場合に要求される同期性能を保持しながら、リリース10移動通信デバイスがPSS/SSSを無視するように、SCell8、10のためのPSS/SSSの構造が変更される。具体的には、この実施形態では、その予想される(例えば、一次コンポーネントキャリア上で送信されるような)位置と比べて、PSS及びSSSの相対的な位置が入れ替えられる。
【0056】
基地局
図2は、図1に示す基地局5の主要な構成要素を示すブロック図である。明確にするために、基地局は、マクロ基地局5−1に関して説明されるが、ピコ基地局5−2、5−3のそれぞれが同様に構成されてもよいことが理解されよう。マクロ基地局5−1は、送受信機回路31を備えるE−UTRANマルチキャリア対応基地局を含む。この送受信機回路は、少なくとも1つのアンテナ33を介して信号を移動通信デバイス3に対して送受信するように動作可能である。基地局5−1は、ネットワークインターフェース35を介してコアネットワークに対して、及び基地局(又はいわゆる「X2」)インターフェースを介して特定の他の基地局に対して、信号を送受信するように動作可能でもある。送受信機回路31の動作は、メモリ39に記憶されたソフトウェアに従ってコントローラー37によって制御される。
【0057】
このソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム41、通信制御モジュール42、コンポーネントキャリア管理モジュール43及び同期モジュール47を含む。
【0058】
通信制御モジュール42は、そのコンポーネントキャリアセットのコンポーネントキャリア(CC)C1、C2上での移動通信デバイス3との通信と、それぞれネットワークインターフェース35及びX2インターフェース36を介してのコアネットワーク及び他の基地局との通信とを制御するように動作可能である。コンポーネントキャリア管理モジュール43は、コンポーネントキャリアC1、C2の使用、詳細にはコンポーネントキャリアC1、C2の構成及び動作を、PCell7の場合に後方互換スタンドアローンキャリアとして、又はSCell8の場合に拡張キャリアとして管理するように動作可能である。同期モジュール47は、各無線フレーム210内の適切な場所において同期信号の送信を管理する。
【0059】
上記の説明では、理解するのを容易にするために、基地局5−1は、幾つかの別個のモジュールを有するものとして説明される。これらのモジュールは、或る特定の応用形態の場合、例えば、本発明を実施するために既存のシステムが変更された場合には、このようにして設けられてもよいが、他の応用形態、例えば、最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されるシステムでは、これらのモジュールはオペレーティングシステム又はコード全体の中に組み込むことができるので、これらのモジュールは別個の実体として区別可能でない場合もある。
【0060】
移動通信デバイス
図3は、図1に示される移動通信デバイス3の主要構成要素を示すブロック図である。各移動通信デバイス3は、マルチキャリア環境において動作することができる移動(又は「セル」電話)を含む。移動通信デバイス3は、少なくとも1つのアンテナ53を介して、基地局5との間で信号を送受信するように動作可能である送受信機回路51を備える。送受信機回路51の動作は、メモリ59内に記憶されたソフトウェアに従ってコントローラー57によって制御される。
【0061】
ソフトウェアは、中でも、オペレーティングシステム52、通信制御モジュール62及び同期モジュール67を含む。
【0062】
通信制御モジュール62は、関連するコンポーネントキャリア(CC)C1、C2上の基地局5との通信を管理するように動作可能である。同期モジュール67は、移動通信デバイス3と基地局5の無線フレーム/サブフレームタイミング、例えば、PCell7、9及びSCell8、10のフレーム/サブフレームタイミングとの同期を管理する。また、同期モジュール67は、各無線フレーム210内のPSS/SSSの場所のような、SCell8、10のための同期構成の識別情報を管理する。
【0063】
上記の説明では、理解するのを容易にするために、通信デバイス3は、幾つかの別個のモジュールを有するものとして説明される。これらのモジュールは、或る特定の応用形態の場合、例えば、本発明を実施するために既存のシステムが変更された場合には、このようにして設けられてもよいが、他の応用形態、例えば、最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されるシステムでは、これらのモジュールはオペレーティングシステム又はコード全体の中に組み込むことができるので、これらのモジュールは別個の実体として区別可能でない場合もある。
【0064】
同期信号構成
ここで、本実施形態において同期信号が構成される方法が、一例にすぎないが、図4図6を参照しながら更に詳細に説明される。
【0065】
図4は、通信システム1の基地局5及び移動通信デバイス3によって通信するために用いられるタイプの無線フレーム210の構造を示す。図4において見られるように、各基地局5は無線フレーム210を用いて、関連する移動通信デバイスに制御情報及びデータを送信するように構成される。この実施形態では、各無線フレーム210は10ms長であり、図4において見られるように、複数の直交周波数分割多重(OFDM)サブフレーム230を含む(この実施形態では、「0」〜「9」のインデックスを付された10個の1msサブフレームが1つの無線フレーム210を構成する)。各サブフレームは一対のスロット232a及び232bを含む(この実施形態では、0.5ms長)。参照するために、スロット232は通常、時系列で(図4において左から右に)「0」から「9」に及ぶインデックス番号によって参照され、各サブフレーム230の第1のスロット232aは偶数番号を有し、第2のスロット232bは奇数番号を有する。各サブフレーム230の第1の(「偶数番号を付された」)スロットの一部は、制御情報を送信するために一般的に予約された、いわゆる「制御」領域231を含む。各サブフレーム230の第1の(「偶数番号を付された」)スロットの残りの部分、及び各サブフレーム230の第2の(「奇数番号を付された」)スロットは、例えば、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)において、データを送信するために一般的に用いられる、いわゆる「データ」領域233を含む。
【0066】
図5は、図4のOFDMサブフレーム230のうちの1つのリソースグリッドを示す。図示されるリソースグリッドは、リソースブロック(RB)対310a、310b(網掛け領域によって表される)に関するものであり、その対の各RB310a、310bは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)技術標準規格(TS)36.211 V10.2.0の6.2節において記述され、その標準規格の図6.2.2−1に示されるのに類似のリソースグリッドを有する。
【0067】
図5において見られるように、各リソースブロック310a及び310bはサブフレーム230のそれぞれのスロット232a及び232bの一部である。各リソースブロック310a、310bは、周波数に関して12サブキャリア周波数(行)、時間に関して7シンボル(列)によって定義される1組のリソース要素335を含む。この実施形態では、制御領域231は、各サブフレーム230の第1のスロット232aの最初の3つのOFDMシンボルのリソース要素335を含む。第1のスロット232aの残りのリソース要素335と、第2のスロット232bのリソース要素335とはデータ領域333を形成する。
【0068】
上記のように、各基地局5は、移動通信デバイス3が基地局5との同期を達成できるようにするために、各無線フレーム210内の(周波数及び時間に関して)特定の場所において同期信号(PSS/SSS)を与えるように構成される。PSSは、各シンボル、スロット及びサブフレームの受信及び送信を基地局5の対応するシンボル、スロット及び/又はサブフレームタイミングと同期させるために移動通信デバイス3によって用いられる。さらに、PSSは、移動通信デバイス3が関連するセルについての他の情報、例えば、物理層セル識別子(PCI:Physical layer cell identity)のようなセル識別子情報を識別するためにも移動通信デバイス3によって用いられる。SSSは、各無線フレーム210(図4)の受信及び送信と、基地局5の関連するフレームタイミングとを同期させるために移動通信デバイス3によって用いられる。また、SSSは、移動通信デバイス3が関連するセルについての他の情報、例えば、基地局5に関する物理層セル識別子群のような、セル群識別子情報を識別するためにも移動通信デバイス3によって用いられる。
【0069】
図6は、一次セル7、9及び二次セル8、10に関してそれぞれ無線フレーム210内の同期信号がいかに構成されるかを示す。
【0070】
図6において見られるように、一次セル7、9の場合、各基地局5は、第1のサブフレーム230(サブフレーム#0)内の第1の(「偶数番号を付された」)スロット232aの最後の2シンボルにおいて、及び第6のサブフレーム230(サブフレーム#5)内の第1の(「偶数番号を付された」)スロット232aの最後の2シンボルにおいて常に同期信号(PSS/SSS)を与える。PSSは第1及び第6のサブフレームの第1のスロット232aの最後のシンボルにおいて送信され、一方、SSSは第1及び第6のサブフレーム230の第1のスロット232aの最後から2番目のシンボル(すなわち、スロット#0及びスロット#10の最後のシンボル)において送信される。
【0071】
PSS及びSSSはそれぞれ、それらの同期信号がそれぞれ位置するシンボルに属する中央の62サブキャリアを割り当てられる。同期信号の上下にある5リソース要素は送信のために使用されない。それらのリソース要素は不連続送信(DTX)の周期を表す。したがって、PSS及びSSS送信はそれぞれ6リソースブロックを使用し(10リソース要素は使用されていない)、一次コンポーネントキャリアによってカバーされる周波数帯内のリソースブロックのインデックス(リソースブロック番号)は常に同じである。
【0072】
PSSのために使用される系列d(n)は、以下のような周波数領域Zadoff−Chu系列から生成される。
【数1】
ただし、Zadoff−Chuルート系列インデックスuはPCIによって決まり、インデックス25、29及び34のうちの1つである。
【0073】
SSSのために用いられる系列d(0)、...、d(61)は、2つの31長2値系列を交互に連結したものを含む。連結された系列はPSSによって与えられるスクランブル用系列を用いてスクランブルされる。
【0074】
二次同期信号を定義する2つの31長の組み合わせは、以下の式に従って、サブフレーム#0とサブフレーム#5とでは異なる。
【数2】
ただし、0≦n≦30である。インデックスm及びmは物理層セル識別子群から導出される。
【0075】
したがって、無線フレーム210内の2つのPSS送信は同一である。しかしながら、各無線フレーム210内の2つのSSS送信は異なる系列を使用し、移動通信デバイス3が、第1の送信と第2の送信とを区別できるようにし、それにより、移動通信デバイス3がフレーム同期を達成できるようにする。
【0076】
当業者には理解されるように、PSS及びSSSの実施態様に関する更なる詳細は、TS36.211の6.11.1節及び6.11.2節においてそれぞれ確認することができる。
【0077】
一実施形態では、二次セル8、10の場合、各基地局5は、2つの異なるサブフレーム(サブフレーム#n及び#n+5、ただし、「n」は第1のサブフレームのインデックスである)のそれぞれ第1の(「偶数番号を付された」)スロット232aの最後の2シンボルにおいて依然として同期信号(PSS/SSS)を与える。しかしながら、一次セル7、9の場合とは異なり、使用される実際のサブフレーム230は、異なる基地局5がその同期信号を送信するために異なるサブフレーム230を使用することができるように設定可能である。さらに、この実施形態では、PSS及びSSSのために用いられるシンボル位置は、一次セル7、9のために用いられるシンボル位置に対して入れ替えられる。具体的には、PSSはサブフレーム#n及びサブフレーム#(n+5)の第1のスロット232aの最後から2番目のシンボルにおいて送信され、一方、SSSはサブフレーム#n及びサブフレーム#(n+5)の第1のスロット232aの最後のシンボルにおいて送信される。
【0078】
したがって、1つの基地局5は関連するSCell8、10における同期信号のために第1及び第6のサブフレーム230(サブフレーム#0及び#5)を使用することができ、一方、別の基地局5は第2及び第7のサブフレーム230(サブフレーム#1及び#6)を使用することができ、更に別の基地局5は第3及び第8のサブフレーム230(サブフレーム#2及び#7)を使用することができる。このようにして、異なる基地局5によって送信される同期信号間の干渉は都合良く回避される。
【0079】
さらに、PSS及びSSSのために用いられる位置は一次セル7、9の場合に用いられるシンボル位置に対して入れ替えられるので、拡張キャリアで動作するように構成されないレガシー移動通信デバイス3(例えば、リリース10タイプデバイス)は、セル探索手順中に二次セル8、10に関するPSS及びSSSを間違って検出することはなく、それゆえ、通常のリリース10セルと間違えることはない。
【0080】
SCellのための同期構成を識別すること
ここで、移動通信デバイスが特定のSCell8、10のための同期構成を識別する方法が、一例にすぎないが、図7を参照しながら説明される。
【0081】
図7は、移動通信デバイス3が、SCell8、10のPSS及びSSSの場所を識別することができる1つの方法を示す流れ図である。
【0082】
この実施形態では、移動通信デバイス3が最初にS1において、SCell9、10を運用する基地局5のPCell7、8に入るとき、その移動通信デバイスは、S2において、基地局5によってシグナリングされる、SCell8、10のPSS及びSSS構成を識別するための情報を検出する。
【0083】
有利には、この実施形態では、基地局5は構成インデックスをシグナリングし、その構成インデックスから、同期信号の場所を導出することができ、それにより、不要なシグナリングオーバーヘッドを回避することができる。構成インデックスと、PSS及びSSSを送信するために用いられるサブフレーム230のインデックスとの間の取り得る関係の一例が以下の表2に示される。
【0084】
【表2】
【0085】
この実施形態では、構成インデックスと、PSS及びSSSを送信するために用いられるサブフレーム230のインデックスとの間の関連は、移動通信デバイス3及び基地局5のメモリ内にルックアップテーブルとして表される。
【0086】
構成情報を受信すると、移動通信デバイス3は、S3において、SCell8、10のためのPSS及びSSSの場所を特定する。その後、移動通信デバイス3は、SCell8、10の二次コンポーネントキャリア上でPSS及びSSSを受信し、解釈するのに成功し、それにより、タイミング誤差等に起因してPCell7、9とは異なる場合であっても、SCell8、10のフレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルタイミングとの同期を達成することができる。
【0087】
適切な同期構成を選択すること
ここで、基地局5がSCell8、10のために適したPSS及びSSS構成を特定する方法が、一例にすぎないが、図8を参照しながら説明される。
【0088】
最初に、基地局5は、PSS/SSS送信のために付近の(例えば、隣接するセル又は重なり合うセルを運用する)基地局5によって使用される無線フレームの場所(例えば、サブフレームインデックス)を識別する。この実施形態では、これは、S81において、X2インターフェースによる基地局5間シグナリングを介して、無線フレームの場所を表す情報を収集し、その後、収集された情報から場所を特定することによって達成される。
【0089】
その後、S82において、基地局5は、SCell8、10内で自らのPSS/SSSを送信するのに適した無線フレームの場所を選択し、その付近の他の基地局5によって送信されるPSS/SSS間のセル間干渉の潜在的影響を回避又は低減する。基地局は、S83において、選択された無線フレームの場所においてPSS/SSSの送信を開始し、この実施形態では、S84において、用いられる無線フレームの場所を識別する際に使用するための情報をシグナリングする。
【0090】
変更形態及び代替形態
上記で詳細な実施形態が説明された。当業者であれば理解するように、上記の実施形態及び変形形態に対し、これらの実施形態及び変形形態において具現化される本発明から依然として利益を受けながら、複数の変更及び代替を行うことができる。
【0091】
例えば、図9を参照すると、別の実施形態では、SCell8、10内のPSS及びSSS送信のために用いられるサブフレーム230が設定可能であることに加えて(又はその代わりに)、PSS及び/又はSSS送信のために用いられる(用いられるリソースブロックのインデックスによって定義されるような)周波数を設定可能にすることができ、それにより、PSS及びSSSを構成する更なる自由度を与えることができ、それにより、セル間干渉に対する保護を高めることができる。さらに、SCell8、10内のPSS及びSSS送信のために用いられるサブフレーム230(及び/又は周波数)が設定可能であることに加えて(又はその代わりに)、シンボルも潜在的に設定可能にすることができる。
【0092】
図10を参照すると、別の実施形態では、SCell8、10内のPSS及びSSS送信のために用いられるサブフレーム230(及び/又は周波数)が設定可能であることに加えて(又はその代わりに)、有利な使用法は、制御領域が制御チャネル及び他のシグナリングのために用いられないという事実からなる場合がある。具体的には、サブフレーム#n及び#n+5内の偶数スロットの最後の2シンボルを用いる代わりに、制御領域からの2シンボル(例えば、最初の2シンボル)を用いることができる。例えば、FDDでは、SSSはサブフレーム#n及び#n+5(例えば、サブフレーム#1及び#6)の第1のOFDMシンボル上に置くことができ、PSSはそれらのサブフレーム230の第2のOFDMシンボル上に置くことができる。
【0093】
基地局5が同期構成情報を移動通信デバイス3に直接シグナリングする場合、そのシグナリングは同期信号の場所(時間及び/又は周波数に関して)を識別するための情報のブロードキャストを含むことができるか、又は移動通信デバイス専用シグナリングを含むことができる。
【0094】
SCell8、10内でPSS及びSSSが与えられる2つのサブフレーム230間を5サブフレームギャップだけ空けておくことが有利であるが、異なる間隔にすることもできる(又は単一のサブフレームを使用することもできる)。さらに、上記の実施形態では、構成インデックスがシグナリングされ、構成インデックスから、同期信号の場所を導出することができるが、時間(及び/又は周波数)の場所は明示的にシグナリングすることができる。
【0095】
さらに、PSS及びSSSを送信する基地局5が構成インデックスをシグナリングする代わりに、同期信号の場所を識別するための情報は、基地局5によって送信されるセル識別情報を含むことができる(例えば、基地局5によって与えられる隣接セルリストの一部として与えることができるSCell8、10のセルID)。この場合、移動通信デバイス3は、セルIDから、SCell8、10のための構成インデックス、それゆえ、SCell8、10内のPSS及びSSSのために用いられるサブフレームのインデックスを推測することができる(代替的には、隣接するSCell8、10内のPSS及びSSSのために用いられるサブフレームのインデックスはセルIDから直接特定することができる)。例えば、構成インデックス(C)は以下の式を用いてセルIDから導出することができるか、
【数3】
又は直接導出することができる。ただし、i及びiはそれぞれ以下のような第1のサブフレーム及び第2のサブフレームのインデックスである。
【数4】
【0096】
構成インデックスと、PSS及びSSSを送信するために用いられるサブフレーム230のインデックスとの間の関連は、移動通信デバイス3及び/又は基地局5のメモリ内で、ルックアップテーブルの代わりに(又はそれに加えて)、式、ソフトウェアアルゴリズム等によって表される。例えば、第1のサブフレーム及び第2のサブフレームの構成インデックス(C)は基地局5において以下の式によって表すことができる。
【数5】
【0097】
逆に、サブフレームインデックスは、移動通信デバイスにおいて以下の式によって表すことができる。
【数6】
【0098】
上記の表2(及び上記の式)は、SCell8、10内のPSS/SSS送信のためのサブフレーム番号の導出及び/又は符号化のみに関連するが、PSS/SSS送信のために用いられる周波数(例えば、物理リソースブロックインデックス)も構成インデックス(及び/又はセルID)から直接導出できるように、同じ原理を拡張できることは理解されよう。
【0099】
基地局5が、PCell通信を用いて直接SCell8、10上のPSS/SSSの時間及び周波数の場所を移動通信デバイス3に通知することは、速度(すなわち、SCellPSS/SSSの場所のより迅速な識別)に関して有益であるが、それは更なるシグナリングを必要とする。図11は、移動通信デバイス3が同期構成を識別することができる別の方法を示しており、潜在的には低速であるが、更なる基地局シグナリングが不要であるという利点を有する。
【0100】
図11を参照すると、別の実施形態では、移動通信デバイス3が無線フレーム内で(時間及び/又は周波数に関して)PSS/SSSの場所を特定できるようにするために、情報が基地局5によって明示的にシグナリングされる代わりに(又はそれ加えて)、移動通信デバイスは、探索手順中に検出されたPSS/SSSからPSS/SSSの場所を推測するように構成することができる。例えば、図11において見られるように、移動通信デバイス3は、探索手順(S11)に関わることができ、その最中に、移動通信デバイスは、付近の基地局によって送信される任意のPSS/SSSを検出する(S12)。この例では、探索手順が開始されるとき、移動通信デバイス3は、その探索手順が関連する各SCell8、10のセル識別子(セルID)を既に保有している(例えば、関連するPCell7、9において一次コンポーネントキャリア上で基地局がシグナリングすることによる)。したがって、移動通信デバイス3が複数の候補PSS及び/又はSSSを(例えば、隣接する/重なり合うセルから)検出する場合には、移動通信デバイス3は、既知のセルID(複数の場合もある)と、検出されたPSS及びSSSから復号化されたセルIDとを比較することによって、それらの複数の候補PSS及び/又はSSSのうちのいずれが、その探索手順が関連するSCell(複数の場合もある)8、10に属するかを判断することができる。このようにして、移動通信デバイス3は、PSS/SSSが属するSCell8、10のためのPSS/SSSの場所を推測することができ(S13)、SCell8、10内の無線フレーム/サブフレーム/スロット/シンボルタイミングと適切に同期することができる(S14)。
【0101】
例えば、図11のPSS/SSS識別手順では、PSS/SSS送信のために用いられるサブフレーム番号(インデックス)を、SCell8、10と関連するPCell7、9との間のタイミング誤差が常に1サブフレームよりはるかに小さいという妥当な仮定に基づいて推測することができる。具体的には、PCell7、9のサブフレームタイミングは、PCell7、9上での標準的なPSS/SSS送信から移動通信デバイスには既知であるので、関連するSCell8、10のためのPSS/SSSが検出されるとき、SCell8、10内のPSS/SSSとPCell7、9内のPSS/SSSのとの間の相対的なタイミング差を1サブフレームの精度内で特定することができる。したがって、SCell8、10内のPSS/SSSのサブフレームインデックスは、PCell7、9内のPSS/SSSに対するSCell8、10内のPSS/SSSの検出された位置から特定することができる。
【0102】
しかしながら、PSS/SSSの場所に自由度があるという概念は、拡張キャリアでない(すなわち、特定のPCell8、10に関連付けられない)キャリアにも適用できる場合があることは理解されよう。この場合、移動通信デバイス3は、PSS/SSS送信だけからPSS/SSSのために用いられるサブフレーム番号を特定できない場合があり、それゆえ、移動通信デバイス3は、PSS/SSS送信からサブフレーム及び無線フレームタイミングを確立できない場合がある。しかしながら、上記で論じられたように、既存のリリース10PSS/SSS構造によれば、UEは、PSS/SSS送信からセルIDを特定できるようになる。したがって、PSS/SSSが拡張キャリアでないキャリアに適用される場合、セルIDがわかると、PSS/SSSの時間/周波数の場所を推測することができるように、セルIDと、PSS/SSSの時間及び/又は周波数の場所との間の一定の関係を保持することができる。例えば、PSS及びSSSのために用いられるサブフレームのインデックス(i及びi)を(上記で論じられた方法のうちのいずれかを用いて)そこから特定することができる構成インデックス(C)は、以下のように推測することができる。
【数7】
【0103】
代替的には(又はさらには)、第1のサブフレーム及び第2のサブフレームのインデックスは、以下のように直接推測することもできる。
【数8】
【0104】
上記の実施形態では、SCell8、10のためのPSS及びSSSの位置はPCell7、9のための予想される位置に対して入れ替えられているように説明されたが、レガシー移動通信デバイスによる誤検出の問題を回避するために、PSS及び/又はSSSを異なる方法で変更することができる。例えば、二次キャリア上で送信されるPSSのルートインデックスを、異なる同期系列が生成されるように変更することができる。例えば、Zadoff−Chuルート系列インデックスu=25、29及び34(上記で記述された)を用いて生成された3つの取り得るPSS信号系列のいずれかを使用するのではなく、1つ又は複数の異なるZadoff−Chuルート系列インデックスを用いることができる。そのような場合、PSSが最初に検出されない場合には、レガシー移動通信デバイス3はSSSを探索しないので、(SSSを変更してもよいが)PSSのみを変更すれば十分である。
【0105】
上記の実施形態では、基地局5が隣接する基地局5によって送信されるPSS/SSSのために用いられる無線フレーム場所を識別するときに、任意の適切な手段によって、これを果たすことができる。例えば、無線フレームの場所がセル識別子と明示的に結び付けられる場合には、基地局5は、隣接する基地局5によって送信されるPSS/SSSのために用いられる無線フレームの場所を、(例えば、X2インターフェースを介して送信される)それらの基地局のセル識別子から、識別することができる。しかしながら、隣接する基地局5によって送信されるPSS/SSSのために用いられる無線フレームの場所を識別する際に用いるための情報は、他の手段によって、例えば、ANR(自動隣接関係)手順中等に収集される場合もあることは理解されよう。
【0106】
上記の実施形態では、SCellのための同期は、帯域内キャリアアグリゲーションの場合に、設定可能な場所を有する拡張キャリア上でPSS/SSSを用いて与えられるが、PCell及びSCellの送信点が同じ場所に位置する(例えば、PCell及びSCellが同じ地理的領域をカバーする)場合、時間及び周波数同期は、後方互換キャリア上で送信されるPSS/SSSに基づくことができる。したがって、帯域内キャリアアグリゲーションにおいて、PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する場合、拡張キャリア上のサブフレームにおいてレガシー同期信号(PSS/SSS)を送信する必要はない場合がある。それにもかかわらず、帯域内キャリアアグリゲーション(そして、PCell及びSCellの送信点が地理的に離れている場合の帯域間キャリアアグリゲーション)の場合、PSS/SSSを拡張キャリアの無線フレームにおいて与えることが特に有益である。
【0107】
拡張キャリアは、主にリリース11(そして、それ以降の)移動通信デバイス3によって用いることを目的としているが、レガシー(例えば、リリース10又はそれ以前の)移動通信デバイス3も拡張キャリアを使用できるようにする方法を提供することが有利な場合がある(すなわち、PCell7、9及びSCell8、10が同じ周波数帯内にあり、かつ実質的に同じ地理的場所を有する場合)。これを可能にする1つの方法は、拡張キャリア上で或る特定の数のリリース10後方互換サブフレームを送信し、これらのサブフレームをレガシーデバイスが使用できるようにすることである。しかしながら、これは、レガシーデバイスによって必要とされる全ての制御領域シグナリングを有する専用の後方互換サブフレームを定義する必要があり、それにより、シグナリングオーバーヘッドを追加する可能性があり、結果として望ましくないセル間干渉を生じるおそれがあるという不都合がある。
【0108】
その通信システムの特に有利な実施形態では、PCell7、9及びSCell8、10が同じ周波数帯内にあり、かつ実質的に同じ地理的場所を有する場合、拡張キャリア上の幾つかのサブフレームは、レガシー移動通信デバイスとの後方互換性を有する、いわゆる「マルチメディアブロードキャスト単一周波数ネットワーク」(MBSFN)サブフレームとして設定可能である。それゆえ、この実施形態では、拡張キャリア上の各MBSFNサブフレームの物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のリソースは、一次コンポーネントキャリアからスケジューリングされる(拡張キャリアと同じ周波数帯内で動作している)クロスキャリアとすることができる。このようにして、サブフレームのうちの幾つかを後方互換MBSFNサブフレームとして構成することは、共通基準信号(CRS)がMBSFNサブフレーム内で送信されず、それゆえ、セル間干渉及びシグナリングオーバーヘッドを低減することができるという利点を有する。
【0109】
拡張キャリア上での同期シグナリングの場所に関して設定可能性を与えるという着想は、有利には、他の制御/基準シグナリングにも拡張することができる。例えば、拡張キャリアの場合、レガシー共通基準シグナリング(CRS)の送信帯域幅は、拡張キャリア上の各サブフレームの制御領域においてのみ送信される6リソースブロック(72サブキャリア)に削減することができる(例えば、CRSの場所を各サブフレームの第1のOFDMシンボル及び第2のOFDMシンボルに限定する)。しかしながら、セル間干渉のリスクを緩和するために、共通基準シグナリングを搬送する6リソースブロックの場所は、有益には、上記の実施形態のPSS/SSSの場合に記述されたのと同じようにして設定可能にすることができる。
【0110】
さらに、拡張キャリア上の特定の制御/基準/同期シグナリングの場所に関して設定可能性を与える原理は、有利には、復調基準信号(DMRS)の場合に拡張することができる。具体的には、SCell8、10の時間及び周波数同期を保持するために非プリコードレガシーDMRSを用いることもできる。非プリコードDMRSパターンの帯域幅は、例えば、拡張キャリア上(すなわち、サブフレームの第1のOFDMシンボル及び第2のOFDMシンボル上)の各サブフレームの制御領域内の6リソースブロックに削減することができる。これによれば、サブフレームの制御領域のために新たなDMRSパターンを導入することができる。さらに、セル間干渉のリスクを緩和するために、非プリコードDMRSを搬送する6リソースブロックの場所は、12リソースブロック以上のシステム帯域幅にわたって設定可能にすることができる。さらに、非プリコードDMRSを搬送するために予約される6リソースブロックは、拡張キャリアを監視する全ての移動通信デバイス3のための或る共通制御情報を送信するために用いることもできる。
【0111】
通信システム1は、マクロ基地局又はピコ基地局として動作する基地局5に関して説明されているが、同じ原理は、フェムト基地局として動作する基地局、基地局機能の要素を提供する中継ノード、又は他のそのような通信ノードに適用することができることが理解されよう。
【0112】
上記の実施形態では、移動電話ベースの電気通信システムが説明された。当業者であれば理解するように、本出願において説明されるシグナリング技法は、他の通信システムにおいて用いることができる。他の通信ノード又はデバイスには、例えば、携帯情報端末、ラップトップコンピューター、ウェブブラウザー等のようなユーザーデバイスを含めることができる。当業者であれば理解するように、上述された中継システムが移動通信デバイスのために用いられることは必須ではない。システムを用いて、基地局のカバレッジを、移動通信デバイスとともに、又はその代わりに、1つ又は複数の固定の演算デバイスを有するネットワークにおいて拡張することができる。
【0113】
上記の実施形態では、基地局5及び移動通信デバイス3は、それぞれ送受信機回路部を備える。通常、この回路部は専用ハードウェア回路によって形成される。しかしながら、幾つかの実施形態では、送受信機回路部の一部を、対応するコントローラーによって実行されるソフトウェアとして実装することができる。
【0114】
上記の実施形態では、複数のソフトウェアモジュールが説明された。当業者であれば理解するように、それらのソフトウェアモジュールは、コンパイル済みの形式又は未コンパイルの形式において与えることができ、コンピューターネットワークを介して信号として、又は記録媒体において基地局又は中継局に供給することができる。さらに、このソフトウェアの一部又は全部によって実行される機能は、1つ又は複数の専用のハードウェア回路を用いて実行することもできる。
【0115】
種々の他の変更は当業者には明らかであり、ここでは、これ以上詳しくは説明しない。
【0116】
以下は、現在提案されている3GPP標準規格において本発明の方法を実施することができる方法の詳細な記述である。種々の特徴が不可欠であるか、又は必要であるものとして説明されるが、これは、例えば、その標準規格によって課せられる他の要件に起因して、提案された3GPP標準規格の場合にのみ当てはまる場合がある。それゆえ、これらの陳述は、本発明を多少なりとも限定すると解釈されるべきではない。
【0117】
序論
最近の会合において、スペクトル効率を高める、HetNetのサポートを改善する、及びエネルギー効率を改善するという動機から、リリース11において少なくとも1つの新たなキャリアタイプを導入するという合意に達した。その結論及び合意された作業仮説は以下の通りである。
【0118】
結論
RAN1の観点から、キャリアアグリゲーションのための新たなキャリアタイプを導入するために確認された主な動機は以下の通りである。
・高いスペクトル効率
・HetNetに対する改善されたサポート
・エネルギー効率
【0119】
RAN4は、改善された帯域幅拡張性をサポートするために新たなRF帯域幅が必要であるか否かを判断する。
【0120】
作業仮説
−Rel−11において少なくとも1つの新たなキャリアタイプを導入し(RAN1の視点から帯域幅はわからない)、レガシー制御のシグナリング及び/又はCRSを少なくとも削減するか、又は除去する。
○少なくともダウンリングの場合(又はTDDの場合、キャリア上のダウンリンクサブフレーム)
○後方互換キャリアに関連付けられる
○更なる調査
・同期/追従(PSS/SSSが送信されるか否かを含む)及び測定/モビリティの問題
・リソース割当て方法
・どのRSが必要とされるか
−FDDの場合、新たなタイプのダウンリンクキャリアがレガシーアップリンクキャリアと結び付けられる場合があり、TDDの場合、キャリアが新たなタイプのダウンリンクサブフレームと、レガシーアップリンクサブフレームとを含むことができる。
【0121】
上記の作業仮説から、主な問題は、レガシー制御シグナリング及び共通基準信号(CRS)によって引き起こされるオーバーヘッドの低減又は解消を実現する方法、及びリリース11における新たなキャリアタイプ(すなわち、拡張キャリア)における時間−周波数同期及びモビリティ測定の影響を低減する方法である。
【0122】
この寄稿において、本発明者らはリリース11における拡張キャリアにおける時間−周波数同期及びモビリティ測定の問題に対する幾つかの取り得る解決策を論じる。
【0123】
拡張キャリアにおける時間周波数同期
最近の会合からの合意された作業仮説に基づいて、拡張キャリアは後方互換キャリアと関連付けられなければならない。それゆえ、本発明者らは、リリース11UEにとって時間及び周波数の同期が必要とされる2つのCA(通信装置)シナリオが存在すると考える。
・PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例
・PCell及びSCellの送信点が地理的に離れている帯域間CA及び帯域内CAの事例
【0124】
PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例
PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例に関するこのシナリオでは、時間及び周波数同期は、後方互換キャリア上に位置する同期信号及び基準信号から導出することができる。これは、キャリア周波数、セルID及びシステム情報が一次セルからUEにシグナリングされることを意味する。さらに、SCellのダウンリンクサイクリックプレフィックス長(標準及び拡張)をUEにRRCシグナリングできるようにすることが提案されており[2]、また、UEはSCellの時間及び周波数同期を達成し、保持するためにPCellの同期を使用すべきである。
提案1:PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例では、時間及び周波数同期は、後方互換キャリアに基づくべきである。
提案2:PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例では、拡張キャリア上のサブフレーム内でレガシー同期信号(PSS/SSS)及び共通基準信号(CRS)を送信する必要はない。
【0125】
PCell及びSCellの送信点が地理的に離れている帯域間CA及び帯域内CAの事例
PCell及びSCellの送信点が地理的に離れている帯域間CA及び帯域内CAの事例に関するこのシナリオでは、周波数誤差及びタイミング誤差は各送信点からの伝搬チャネル条件によって決まるので、リリース11UEのためのSCell同期を与える仕組みはない。それゆえ、本発明者らは、SCellの時間及び周波数同期を保持するために、或る種の既知の信号が必要であると考える。以下のように、拡張キャリア(すなわち、SCell)上でどの信号が送信されるかによって幾つかの可能性がある。
【0126】
オプション1:拡張キャリア上でRel−8 PSS/SSS信号が送信される:SCellの時間及び周波数同期を保持するために、Rel−8 PSS/SSSを用いることができる。このオプション1において、不都合なのは、PSS/SSSの場所が固定されることであり、それは異なるセルが同じ場所において送信し、互いに著しい干渉を引き起こすことを意味する。FDDでは、PSS及びSSS信号は時間領域において、かなり離れているサブフレーム0及び5において常に送信されるので、リリース11UEの場合に、時間及び周波数追従の性能が評価され、検証されなければならない。
【0127】
オプション2:PSS/SSS信号に対する場所に自由度がある:SCellの時間及び周波数同期を保持するために、PSS/SSS信号に対して新たな自由度のある場所を導入する。同期信号のセル間干渉を回避するために、PSS/SSS信号を幾つかのサブフレームの制御領域内に置くことができる。例えば、FDDでは、SSSは時間領域においてサブフレーム1及び6の第1のOFDMシンボル上に置くことができ、PSSは時間領域においてサブフレーム1及び6の第2のOFDMシンボル上に置くことができる。さらに、以下の表3に示されるように、異なるセルの同期信号を時間領域において異なるサブフレーム上に置くことによって複数の構成を設計することができる。
【0128】
【表3】
【0129】
以下のように、UEがPSS/SSS信号の場所をいかに発見するかに関して2つの取り得る代替形態がある。
a)時間及び周波数の場所を明示的にシグナリングすることによって、又は時間及び周波数の場所を推測することができる所定の「構成インデックス」をシグナリングすることによって、あらかじめ、PCellがPSS/SSSの場所をUEに通知する。構成インデックスの一例が表3に示される。
b)PCellはPSS/SSSの場所をUEにシグナリングする必要はなく、代わりに、UEが、式:構成インデックス=(セルID mod 5)+1に基づいてセルIDから算出することができる。ただし、UEはあらかじめセルIDを知っており、構成インデックスの一例が表3に示される。
【0130】
オプション3:リリース8CRSを削減する:レガシーCRSの送信帯域幅は、拡張キャリア上で各サブフレームの制御領域においてのみ送信される6RBに削減される(すなわち、CRSを置く場所をサブフレームの第1のOFDMシンボル及び第2のOFDMシンボルに保持する)。セル間干渉を回避するために、CRSを搬送する6RBの場所を12PRB以上のシステム帯域幅にわたって設定可能にすることもできる。
【0131】
オプション4:非プリコードDMRS:SCellの時間及び周波数同期を保持するために、非プリコードRel−10DMRSを用いることができる。非プリコードDMRSパターンの帯域幅は、例えば、拡張キャリア上(すなわち、サブフレームの第1のOFDMシンボル及び第2のOFDMシンボル上)での各サブフレームの制御領域上の6RBまで更に削減することができる。これは、[7]において提案されるように、サブフレームの制御領域上に新たなDMRSパターンを導入することを意味する。さらに、セル間干渉を回避するために、非プリコードDMRSを搬送する6RBの場所を12PRB以上のシステム帯域幅にわたって設定可能にすることもできる。また、非プリコードDMRSを搬送するこれらの6RBを用いて、拡張キャリアを監視する全てのUEのための或る共通の制御情報を送信することもできる。
【0132】
提案3:帯域内及び帯域間CAのシナリオの場合、PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置するか、又は地理的に離れているかにかかわらず、SCell(拡張キャリア)のキャリア周波数、セルID、サイクリックプレフィックス長及びシステム情報が一次セルからUEに常に送信されるべきである。
【0133】
提案4:PCell及びSCellの送信点が地理的に離れている帯域間CAの事例及び帯域内CAの事例では、拡張キャリア(SCell)の時間及び周波数同期を保持するために、上記のオプション1〜4のうちの1つ、又はそれらのオプションのうちの幾つかの組み合わせを選択することが提案される。
【0134】
拡張キャリア上のRel−10UEとの後方互換性
拡張キャリアに関する別の問題は、Rel−10UEとの後方互換性である。更なるキャリアタイプ上で後方互換サブフレームを構成することが提案されており[3]、これらの構成されるサブフレームはCRSを含む。しかしながら、拡張キャリア上でのCRSオーバーヘッドを回避するために、代わりに、後方互換サブフレームをPDSCH送信のために用いられるMBSFNサブフレームとして構成することが更に良好である。これは、PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例にのみ適用可能である。
【0135】
提案5:Rel−10UEとの後方互換性をサポートするために、PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例において、拡張キャリア上でPDSCHデータを搬送するMBSFNサブフレームを構成し、MBSFNサブフレーム上でRel−10UEのためのクロスキャリアスケジューリングを実施できるようにすべきである。
【0136】
拡張キャリア上での測定
Rel−11UEの場合、拡張キャリアのモビリティ測定は、拡張キャリア及びPCellが帯域内にあり、同一の場所に位置するときに、PCellに基づくことができる。これは、モビリティ測定のために拡張キャリアからのCRSのサポートを不要にする。PCell及び拡張キャリアが地理的に離れている場合の帯域間又は帯域内の事例では、モビリティ測定のために、CSI−RS及び/又はPSS/SSS信号を用いることができる。CSI−RS及び/又はPSS/SSS信号に基づく測定の精度は更なる調査を必要とし、RAN4がこれらの検討に参加すべきである。
【0137】
提案6:モビリティ測定のためにCSI−RS及び/又はPSS/SSS信号を使用することは更に調査すべきである。
【0138】
結論
この寄稿において、本発明者らは、リリース11における拡張キャリア上での時間−周波数同期及びモビリティ測定の問題に対する幾つかの取り得る解決策を論じてきた。以下のことを提案する。
【0139】
提案1:PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例では、時間及び周波数同期は、後方互換キャリアに基づくべきである。
【0140】
提案2:PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例では、拡張キャリア上のサブフレーム内でレガシー同期信号(PSS/SSS)及び共通基準信号(CRS)を送信する必要はない。
【0141】
提案3:帯域内及び帯域間CAのシナリオの場合、PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置するか、又は地理的に離れているかにかかわらず、SCell(拡張キャリア)のキャリア周波数、セルID、サイクリックプレフィックス長及びシステム情報が一次セルからUEに常に送信される。
【0142】
提案4:PCell及びSCellの送信点が地理的に離れている帯域間CAの事例及び帯域内CAの事例では、拡張キャリア(SCell)の時間及び周波数同期を保持するために、セクション2.2で説明したオプション1〜4のうちの1つ、又はそれらのオプションのうちの幾つかの組み合わせを選択することが提案される。
【0143】
提案5:Rel−10UEとの後方互換性をサポートするために、PCell及びSCellの送信点が同一の場所に位置する帯域内CAの事例において、拡張キャリア上でPDSCHデータを搬送するMBSFNサブフレームを構成し、MBSFNサブフレーム上でRel−10UEのためのクロスキャリアスケジューリングを実施できるようにすべきである。
【0144】
提案6:モビリティ測定のためにCSI−RS及び/又はPSS/SSS信号を使用することは更に調査すべきである。
【0145】
参考文献
1)PR-111115「LTE Carrier Aggregation Enhancements」RAN#53
2)R1-111323「Remaining details for CA based HetNet in Rel-10」Ericsson and ST-Ericsson
3)R1-112428「On need of additional carrier type in Rel-11 CA」NTT DOCOMO
4)R1-112926「On time and frequency synchronization on additional carrier types」Ericsson, ST-Ericsson
5)R1-113168「Initial Discussions on New Carrier Types for LTE Rel-11」Renesas Mobile Europe Ltd.
6)R1-113186「Additional Carrier Type for Rel-11」LG Electronics
7)R1-112137「DL Control channel enhancements with carrier aggregation solutions」NEC Group
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