【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの例示的な偏光板は、順次配置された偏光子と;活性エネルギー線硬化型接着剤層と;単一層の粘着剤層と;を含み、上記粘着剤層は、第1表面と第2表面を有し、上記第1表面及び第2表面は、無アルカリガラスに対する剥離力が異なっている。
【0006】
本明細書で2個以上の要素が順次配置されているということ、例えば、順次配置された「A及びB」という用語は、上記要素AとBが上記順に配置されており、且つAとBとの間に他の要素が介在されている場合、例えば、A、C及びBが上記順に配置されている場合をも含まれる。
【0007】
また、本明細書で2個の要素が互いに付着または直接付着されているということ、例えば、「AにBが直接付着されているということ」は、Aの少なくとも1つの主表面に他の要素が介在されず、Bが直接付着されている場合を意味することができる。
【0008】
上記例示的な偏光板は、順次配置された偏光子、接着剤層及び粘着剤層を含む。上記偏光板の他の例示としては、上記偏光子に上記接着剤層が直接付着されており、また、上記粘着剤層は、上記接着剤層に直接付着されていてもよい。
図1は、例示的な偏光板の構造1を示すものであり、上記構造では、偏光子11、接着剤層12及び粘着剤層13が順次配置されている。
【0009】
偏光子は、通常、ポリビニルアルコールなどのような親水性樹脂で製造されるので、一般的に水分に脆弱な特性を示す。また、偏光子の製造時には、延伸工程を経ることが一般的なので、加湿条件の下では、収縮などが起きやすくて、これにより、偏光板の光学特性などが悪くなる問題点がある。したがって、通常、偏光子の物性補強などのために、TAC(Triacetylcellulose)フィルムなどと代表される保護フィルムを偏光子の両面に付着することが一般的であり、保護フィルムが存在しなければ、偏光子の脆弱な寸法安定に起因して耐久性及び光学物性が大きく劣化し、耐水性が顕著に脆弱になる問題点がある。
【0010】
このために、本発明の偏光板の1つの例示的な構造では、偏光子の少なくとも1つの主表面において保護フィルムを付着せずに、さらに薄くて且つ軽い構造を具現すると同時に、上記保護フィルムが付着されない偏光子の主表面に直接接着剤層と粘着剤層を連続的に付着する構造を採用している。また、本発明の例示的な偏光板は、上記粘着剤層の両方の主表面で異なる剥離力を示すようにして、偏光子の脆弱な寸法安定性に起因する上記問題点を解決することができる。本明細書で、上記のように偏光子の少なくとも一面において保護フィルムの付着が省略された偏光板は、薄型偏光板(thin polarizer)と称されることもできる。
【0011】
上記偏光子としては、特に制限されず、この分野で通常使用されるものを使用することができる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系の偏光子などを使用することができる。このような偏光子は、ポリビニルアルコール系の樹脂フィルムに二色性色素が吸着及び配向されている形態であることができる。偏光子を構成するポリビニルアルコール系の樹脂は、例えば、ポリビニルアセテート樹脂をゲル化して得ることができる。ポリビニルアセテート樹脂としては、ビニルアセテートの単独重合体;及びビニルアセテート及び上記と共重合可能な他の単量体の共重合体などを使用することができる。ビニルアセテートと共重合可能な単量体の例としては、不飽和カルボン酸類、オレフイン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類及びアンモニウム基を有するアクリルアミド類などの一種または二種以上の混合を挙げることができるが、これに制限されるものではない。ポリビニルアルコール樹脂のゲル化度は、通常、85モル%〜100モル%程度、好ましくは、98モル%以上であることができる。ポリビニルアルコール樹脂は、さらに変性されてよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールまたはポリビニルアセタールなどが使用されることができる。
【0012】
上記偏光子の一側には、活性エネルギー線硬化型接着剤層が配置される。上記接着剤層は、上記偏光板が薄型偏光板の場合、偏光板の物性確保に主な役目をすることができる。例えば、上記粘着剤層は、第1表面と第2表面を有し、1つの例示で、上記第1表面が第2表面に比べて高い引張弾性率を示し、また、上記第1表面が上記接着剤層に付着される場合がある。このような場合、上記第1表面は、第2表面に比べて低い剥離力を示し、偏光子から容易に剥離されることができる。しかし、本発明では、接着剤が偏光子と粘着剤との間に配置され、上記接着剤層が硬化する前に、上記接着剤の単分子形態の反応性物質が粘着剤の内部に浸透または拡散された後、硬化し、上記接着剤は、粘着剤層の第1表面を膨潤させるか、または上記表面の粗度(roughness)を増加させることができると共に、これにより、粘着剤層と偏光子との密着性が確保され、優れた物性を有する偏光板の提供が可能である。さらに、水系接着剤の代わりに、活性エネルギー線硬化型接着剤が使用され、偏光板の製造過程で水系接着剤の熱乾燥及び熱硬化過程での熱による偏光子及び保護フィルムの変形による偏光板のカール(curl)の発生を防止することができ、また、偏光子の保護を効果的に行い、耐熱または熱衝撃条件でも偏光子のクラック(crack)の発生を防止することができる。
【0013】
本明細書で用語「接着剤組成物または粘着剤組成物の硬化」は、上記組成物の成分の物理的作用または化学的反応などによって接着剤組成物または粘着剤組成物が接着または粘着特性を発現することができるように変化する過程を意味する。また、本明細書で用語「活性エネルギー線」は、マイクロ波(microwaves)、赤外線(IR)、紫外線(UV)、X線及びγ線は勿論、α粒子線(α particle beam)、プロトンビーム(proton beam)、中性子ビーム(neutron beam)及び電子線(electron beam)のような粒子ビームなどを意味することができ、通常、紫外線または電子線などであることができる。また、上記で「活性エネルギー線硬化型」というのは、上記のような硬化が活性エネルギー線の照射によって誘導されることができるということを意味することができる。1つの例示で、上記接着剤組成物の硬化は、活性エネルギー線の照射による自由ラジカル重合または陽イオン反応を通じて行われることができ、好ましくは、自由ラジカル重合及び陽イオン反応が同時または順次に一緒に進行されることによって行われることができる。
【0014】
上記接着剤層は、エポキシ化合物またはアクリル系単量体を含む組成物を硬化した状態で含むことができ、好ましくは、エポキシ化合物及びアクリル系単量体を含む組成物を硬化した状態で含むことができる。
【0015】
例えば、上記接着剤組成物は、上記エポキシ化合物5重量部〜80重量部及び上記アクリル系単量体10重量部〜200重量部、好ましくは、上記エポキシ化合物15〜60重量部及び上記アクリル系単量体20〜150重量部を含むことができる。上記含量内にエポキシ化合物及びアクリル系単量体が含まれる場合、接着剤組成物のさらに効果的な硬化を誘導することができ、また、活性エネルギー線の照射を終了した状態でも、暗反応が起きることができる陽イオン反応のリービング特性に起因して硬化をさらに効率的に進行し、物性を向上させることができる。本明細書で単位「重量部」は、各成分間の重量比率を意味する。接着剤組成物の成分の比率を上記のように調節し、硬化効率及び硬化した後の物性に優れた接着剤組成物を提供することができる。
【0016】
本明細書で用語「エポキシ化合物」は、1つ以上、好ましくは、2個以上のエポキシ基を含む単量体性、オリゴマー性またはポリマー性化合物を意味することができる。
【0017】
エポキシ化合物は、接着剤層の耐水性や接着力などの物性を向上させることができる。
上記エポキシ化合物としては、例えば、陽イオン反応によって架橋または重合されることができるものを使用することができる。
【0018】
1つの例示で、エポキシ化合物としては、重量平均分子量(Mw;Weight Average Molecular Weight)が1000〜5000、好ましくは、2000〜4000のエポキシ樹脂を使用することができる。本明細書で重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatograph)で測定された標準ポリスチレンに対する換算数値を意味し、特に別途規定しない限り、用語「分子量」は、「重量平均分子量」を意味する。分子量を1000以上にして、接着剤層の耐久性を適切に維持することができ、5000以下にして組成物のコーティング性などの作業性を効果的に維持することができる。
【0019】
上記エポキシ化合物としては、例えば、脂環式エポキシ化合物またはグリシジルエーテルタイプエポキシ化合物を使用することができ、好ましくは、脂環式エポキシ化合物とグリシジルエーテルタイプエポキシ化合物の混合物を使用することができる。
【0020】
本明細書で用語「脂環式エポキシ化合物」というのは、エポキシ化脂肪族環基を1つ以上含む化合物を意味することができ、用語「グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物」は、グリシジルエーテル基を少なくとも1つ以上含む化合物を意味することができる。
【0021】
上記エポキシ化合物に脂環式エポキシ化合物が含まれることによって、接着剤組成物のガラス転移温度が高くなって、上記接着剤層が十分な耐久性を確保するようにして、保護フィルムが一方の面にのみ形成されても、耐熱または熱衝撃条件でも偏光子のクラックの発生を防止することができる。
【0022】
エポキシ化脂肪族環基を含む上記脂環族エポキシ化合物において、上記エポキシ化脂肪族環基は、例えば、脂環式環に形成されたエポキシ基を有する化合物を意味することができる。上記で脂環式環を構成する水素原子は、任意的にアルキル基などの置換基によって置換されていてもよい。脂環式エポキシ化合物としては、例えば、以下で具体的に例示される化合物を使用することができるが、使用することができるエポキシ化合物が下記の種類に制限されるものではない。
【0023】
脂環式エポキシ化合物としては、まず、下記化学式1で表示されるエポキシシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレート系化合物が例示されることができる。
【0024】
【化1】
【0025】
上記化学式1で、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基を示す。
【0026】
本明細書で用語アルキル基は、特に別途規定しない限り、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4の直鎖状、分岐鎖状または環状アルキル基を意味することができ、上記アルキル基は、任意的に1つ以上の置換基によって置換されているか、または非置換された状態であることができる。
【0027】
脂環式エポキシ化合物の他の例示としては、下記化学式2で表示されるアルカンジオールのエポキシシクロヘキサンカルボキシレート系化合物を挙げることができる。
【0028】
【化2】
【0029】
上記化学式2でR
3及びR
4は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基を示し、nは、2〜20の整数を示す。
【0030】
また、脂環式エポキシ化合物のさらに他の例示としては、下記化学式3で表示されるジカルボン酸のエポキシシクロヘキシルメチルエステル系化合物を挙げることができる。
【0031】
【化3】
【0032】
上記化学式3でR
5及びR
6は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基を示し、pは、2〜20の整数を示す。
【0033】
脂環式エポキシ化合物のさらに他の例示としては、下記化学式4で表されるポリエチレングリコールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル系化合物を挙げることができる。
【0034】
【化4】
【0035】
上記化学式4でR
7及びR
8は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基を示し、qは、2〜20の整数を示す。
【0036】
脂環式エポキシ化合物のさらに他の例示としては、下記化学式5で表されるアルカンジオールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル系化合物を挙げることができる。
【0037】
【化5】
【0038】
上記化学式5でR
9及びR
10は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基を示し、rは、2〜20の整数を示す。
【0039】
脂環式エポキシ化合物のさらに他の例示としては、下記化学式6で表される、ジエポキシトリスピロ系化合物を挙げることができる。
【0040】
【化6】
【0041】
上記化学式6でR
11及びR
12は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基を示す。
【0042】
脂環式エポキシ化合物のさらに他の例示としては、下記化学式7で表される、ジエポキシモノスピロ系化合物を挙げることができる。
【0043】
【化7】
【0044】
上記化学式7でR
13及びR
14は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基を示す。
【0045】
脂環式エポキシ化合物のさらに他の例示としては、下記化学式8で表される、ビニルシクロヘキセンジエポキシド化合物を挙げることができる。
【0046】
【化8】
【0047】
上記化学式8でR
15は、水素またはアルキル基を示す。
【0048】
脂環式エポキシ化合物のさらに他の例示としては、下記化学式9で表わされる、エポキシシクロペンチルエーテル化合物を挙げることができる。
【0049】
【化9】
【0050】
上記化学式9でR
16及びR
17は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基を示す。
【0051】
脂環式エポキシ化合物の他の例示としては、下記化学式10で表示される、ジエポキシトリシクロデカン化合物を挙げることができる。
【0052】
【化10】
【0053】
上記化学式10でR
18は、水素またはアルキル基を示す。
【0054】
脂環式エポキシ化合物としては、より具体的に、エポキシシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレート化合物、アルカンジオールのエポキシシクロヘキサンカルボキシレート化合物、ジカルボン酸のエポキシシクロヘキシルメチルエステル化合物またはアルカンジオールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル化合物を使用することが好ましく、7−オキサビシクロ[4、1、0]ヘプタン−3−カルボキシ酸と(7−オキサ−ビシクロ[4、1、0]ヘプト−3−イル)メタノールとのエステル化物(上記化学式1でR
1及びR
2が水素である化合物);4−メチル−7−オキサビシクロ[4、1、0]ヘプタン−3−カルボキシ酸と(4−メチル−7−オキサ−ビシクロ[4、1、0]ヘプト−3−イル)メタノールとのエステル化物(上記化学式1で、R
1が4−CH
3であり、R
2が4−CH
3である化合物);7−オキサビシクロ[4、1、0]ヘプタン−3−カルボキシ酸と1、2−エタンジオールとのエステル化物(上記化学式2でR
3及びR
4が水素であり、nが1である化合物);(7−オキサビシクロ[4、1、0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸のエステル化物(上記化学式3でR
5及びR
6が水素であり、pが2である化合物);(4−メチル−7−オキサビシクロ[4、1、0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸のエステル化物(上記化学式3でR
5及びR
6が4−CH
3であり、pが2である化合物);及び(7−オキサビシクロ[4、1、0]ヘプト−3−イル)メタノールと1、2−エタンジオールのエーテル化物(上記化学式5でR
9及びR
10が水素であり、rが1である化合物)よりなる群から選択された1つ以上が好ましく使用されることができるが、これに制限されるものではない。
【0055】
また、上記エポキシ化合物に上記グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物が含まれることによって、グリシジルエーテル反応基が硬化反応後、接着剤層内でソフトな且つ極性を有するチェーンを形成し、接着剤層のPVA偏光子に対する接着力を向上させることができる。
【0056】
上記グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物には、例えば、脂肪族の多価アルコールまたはそのアルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物のポリグリシジルエーテルが含まれることができる。
【0057】
1つの例示で上記エポキシ化合物として脂環式エポキシ化合物及びグリシジルエーテルタイプエポキシ化合物の混合物が使用される場合、上記で脂環式エポキシ化合物は、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル、3、4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートジシクロペンタジエンジオキシド、リモネンジオキシドまたは4−ビニルシクロヘキセンジオキシドなどが例示されることができ、上記グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物としては、脂環式エポキシ基以外のエポキシ基を有するエポキシ化合物が使用されることができる。すなわち、具体的なグリシジルエーテルタイプエポキシ化合物としては、ノボラックエポキシ、ビスフェノールA系エポキシ、ビスフェノールF系エポキシ、ブロム化ビスフェノールエポキシ、n−ブチルグリシジルエーテル、脂肪族グリシジルエーテル(炭素数12〜14)、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、o−クレシル(cresyl)グリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルまたはグリセリントリグリシジルエーテルなどが例示されることができ、また、1、4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルなどのような環状脂肪族骨格を有するグリシジルエーテルまたは芳香族エポキシ化合物の水素添加化合物などが例示されることができ、好ましくは、環状脂肪族骨格を有するグリシジルエーテル、好ましくは、炭素数3〜20、好ましくは、炭素数3〜16、より好ましくは、炭素数3〜12の環状脂肪族骨格を有するグリシジルエーテルが使用されることができるが、これに制限されるものではない。
【0058】
この場合、上記エポキシ化合物は、上記脂環式エポキシ化合物5重量部〜40重量部及び上記グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物5重量部〜30重量部を含むことができ、好ましくは、脂環式エポキシ化合物15〜40重量部及びグリシジルエーテルタイプエポキシ化合物15〜30重量部を含むことができ、さらに好ましくは、上記脂環式エポキシ化合物20重量部〜30重量部及び上記グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物20重量部〜30重量部を含むことができる。上記脂環式エポキシ化合物が5重量部以上で含まれる場合、接着剤層の耐久性を充分に確保することができ、40重量部以下で含まれる場合、PVA偏光子に対する接着力が減少する問題がなく、上記グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物が5重量部以上で含まれる場合、接着力向上効果があり、30重量部以下で含まれる場合、接着剤層の耐久性が脆弱になる問題が発生しない。
【0059】
上記で脂環式エポキシ化合物及びグリシジルエーテルタイプエポキシ化合物は、3:1〜1:3の重量部で含まれることができ、上記範囲内で、接着剤層の耐久性及びPVA偏光子に対する接着剤層の接着力向上効果を極大化することができる。
【0060】
また、上記接着剤組成物は、ラジカル重合性化合物を含む。例えば、上記ラジカル重合性化合物は、アクリル系単量体であることができる。本明細書で用語ラジカル重合性化合物は、分子構造内に架橋反応、好ましくは、自由ラジカル重合反応に参加することができる重合性官能基を1つ以上含む化合物を意味することができる。上記重合性官能基としては、アリル基、アリルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基またはアクリロニトリルなどが例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0061】
1つの例示で上記アクリル系単量体は、親水性アクリル系単量体または疎水性アクリル系単量体を含むことができ、好ましくは、親水性アクリル系単量体と疎水性アクリル系単量体の混合物であることができる。
【0062】
例えば、上記接着剤層のPVA偏光子に対する接着力を向上させるために、上記アクリル系単量体に上記親水性アクリル系単量体が含まれることができる。
【0063】
上記で用語「親水性アクリル系単量体」は、分子構造中に重合性官能基と極性官能基を同時に含んで親水性を示すアクリル系単量体を意味することができ、上記で極性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基またはアルコキシ基などが例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0064】
上記親水性アクリル系単量体としては、例えば、下記化学式11〜13で表示される化合物のうち1つ以上を使用することができ、好ましくは、下記化学式11で表示される化合物を使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0065】
【化11】
【0066】
上記化学式11で、R
19は、水素またはアルキル基を示し、A及びBは、それぞれ独立して、アルキレン基またはアルキリデン基(alkylidene group)を示し、nは、0〜5の数を示す。
【0067】
【化12】
【0068】
上記化学式12で、Rは、水素またはアルキル基を示し、R
20は、水素または−A
3−C(=O)−OHを示し、上記でA
3は、アルキレン基またはアルキリデン基を示す。
【0069】
【化13】
【0070】
上記化学式13で、Rは、水素またはアルキル基を示し、R
21は、アルキル基を示し、A
1及びA
2は、それぞれ独立して、アルキレン基またはアルキリデン基を示す。
【0071】
本明細書で用語アルキレン基またはアルキリデン基は、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4の直鎖状、分岐鎖状または環状の置換または非置換のアルキレン基またはアルキリデン基であることができ、好ましくは、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基またはアルキリデン基であることができる。
【0072】
上記化学式11で、nは、より好ましくは、0〜3、さらに好ましくは、0〜2の数であることができる。
【0073】
また、上記化学式12の化合物で、R
1は、好ましくは、水素または−(CH
2)
m−C(=O)−OH(mは、1〜4の整数)を示すことができる。
【0074】
また、上記化学式13の化合物で、R
3は、炭素数1〜4のアルキルであり、A
1及びA
2は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキレンであることができる。
【0075】
上記化学式11の化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが例示されることができ、化学式12の化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸またはβ−カルボキシエチル(メタ)アクリレートなどが例示されることができ、化学式13の化合物としては、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどが例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0076】
1つの例示で、上記親水性ラジカル重合性単量体としては、上記化学式11で表示される化合物が使用されることができる。
【0077】
上記アクリル系単量体は、上記親水性単量体10重量部〜80重量部を含むことができ、好ましくは、上記親水性単量体20重量部〜60重量部を含むことができる。上記範囲で含まれる場合、粘着剤層のPVA偏光子に対する接着力を向上させることができる。
【0078】
また、1つの例示で、上記アクリル系単量体は、付着力、相溶性及びガラス転移温度などの調節のために、1つ以上の疎水性アクリル系単量体を含むことができる。
【0079】
上記で疎水性アクリル系単量体としては、例えば、芳香族化合物のアクリル酸エステル、芳香族化合物のメタクリル酸エステル、長鎖アルキル基、例えば、炭素数9以上、好ましくは、炭素数9〜15のアルキル基を有するアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートまたは脂環式化合物のアクリル酸エステルまたは脂環式化合物のメタクリル酸エステルなどが使用されることができる。
【0080】
1つの例示で、上記疎水性アクリル系単量体としては、下記化学式14で表示される化合物及び/または下記化学式15で表示される化合物が使用されることができる。
【0081】
【化14】
【0082】
上記化学式14で、R
22は、水素またはアルキル基を示し、Dは、アルキレン基またはアルキリデン基を示し、Qは、単一結合、酸素原子または硫黄原子を示し、Arは、アリール基を示し、pは、0〜3の数を示す。
【0083】
【化15】
【0084】
上記化学式15で、Rは、水素またはアルキル基を示し、R
23は、炭素数9以上のアルキル基または脂環族化合物から由来する1価残基を示す。
【0085】
上記化学式14で、用語「単一結合」は、Qで表示された部分に別途の原子が存在しない場合であって、DまたはC(=O)の炭素原子とArが直接連結されている場合を意味する。
【0086】
また、上記化学式14で、アリール基は、ベンゼンまたは2個以上のベンゼンが互いに結合されているか、または縮合されている構造を含む化合物またはその誘導体から由来する1価残基を意味する。上記アリール基は、例えば、炭素数6〜22、好ましくは、炭素数6〜16、より好ましくは、炭素数6〜13のアリール基であることができ、例えば、フェニル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基(xylyl group)またはナフチル基などであることができる。
また、上記化学式14で、pは、好ましくは、0または1であることができる。
【0087】
また、化学式15の化合物で、R
23は、好ましくは、炭素数9〜15のアルキル基であるか、炭素数3〜20、好ましくは、炭素数6〜15の脂環族化合物から由来する1価残基であることができる。
【0088】
上記化学式14の化合物としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルチオ−1−エチル(メタ)アクリレート、6−(4、6−ジブロモ−2−イソプロピルフェノキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、6−(4、6−ジブロモ−2−sec−ブチルフェノキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、2、6−ジブロモ−4−ノニルフェニル(メタ)アクリレート、2、6−ジブロモ−4−ドデシルフェニル(メタ)アクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)−1−エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ナフチルオキシ)−1−エチル(メタ)アクリレート、6−(1−ナフチルオキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、6−(2−ナフチルオキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、8−(1−ナフチルオキシ)−1−オクチル(メタ)アクリレート及び8−(2−ナフチルオキシ)−1−オクチル(メタ)アクリレートなどが例示されることができ、通常、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート2−フェニルチオ−1−エチルアクリレート、8−(2−ナフチルオキシ)−1−オクチルアクリレート及び2−(1−ナフチルオキシ)−エチルアクリレート、好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートなどが使用されることができるが、これに制限されるものではない。
【0089】
また、上記化学式15の化合物としては、イソボルニル(メタ)アクリレート(isobornyl(meth)acrylate)、シクロヘキシル基(メタ)アクリレート、ノルボルナニル(norbornanyl)(メタ)アクリレート、ノルボルネニル(norbornenyl)(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、エチニルシクロヘキサン(メタ)アクリレート、エチニルシクロヘキセン(メタ)アクリレートまたはエチニルデカヒドロナフタレン(メタ)アクリレートなどが例示されることができ、好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0090】
上記アクリル系単量体は、上記疎水性アクリル系単量体を、例えば、60重量部以下、好ましくは、10重量部〜60重量部の比率で使用されることができる。上記疎水性アクリル系単量体が10重量部未満で含まれる場合、親水性作用基が多くなって、偏光板の耐水特性が脆弱になり、60重量部を超過して使用する場合、PVA偏光素子に対する付着力が脆弱になることができる。
【0091】
また、例えば、上記疎水性化合物として上記化学式14の化合物が使用される場合、上記化合物は、例えば、0重量部〜40重量部、好ましくは、10重量部〜30重量部で含まれることができる。また、化学式15の化合物が使用される場合、上記化合物は、例えば、0重量部〜30重量部、好ましくは、5重量部〜20重量部で含まれることができる。上記のような重量比率で、基材、例えば、後述するアクリル保護フィルムに対する付着力を極大化することができる。
【0092】
1つの例示で、上記接着剤組成物は、また、反応性オリゴマーをさらに含むことができる。用語「反応性オリゴマー」は、2つ以上の単量体が重合された形態の化合物であって、架橋反応に参加することができる重合性官能基、例えば、上記ラジカル重合性化合物の項目で説明した類型の重合性官能基を有する化合物を総称する意味である。
【0093】
反応性オリゴマーとしては、当業界でいわゆる光反応性オリゴマーと称されるものであって、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレートまたはエポキシアクリレートなどを使用することができ、好ましくは、ウレタンアクリレートを使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0094】
接着剤組成物において上記反応性オリゴマーは、例えば、1重量部〜40重量部、好ましくは、5重量部〜20重量部で含まれることができる。このような重量比率で、接着剤層のガラス転移温度の上昇効果を極大化することができる。
【0095】
上記接着剤組成物は、硬化反応を開始させるための開始剤として、陽イオン開始剤をさらに含むことができる。陽イオン開始剤としては、光の印加や照射によって陽イオン反応を開始させることができるものなら、特別な制限なしに使用することができ、例えば、活性エネルギー線の照射によって陽イオン反応を開始させる陽イオン光開始剤を使用することができる。
【0096】
1つの例示で陽イオン性光開始剤としては、オニウム塩(onium salt)または有機金属塩(organometallic salt)系のイオン化陽イオン開始剤または有機シランまたは潜在性硫酸(latent sulfonic acid)系やその他の非イオン化化合物などのような非イオン化陽イオン光開始剤を使用することができる。オニウム塩系の開始剤としては、ジアリールヨードニウム塩(diaryliodonium salt)、トリアリールスルホニウム塩(triarylsulfonium salt)またはアリールジアゾニウム塩(aryldiazonium salt)などが例示されることができ、有機金属塩系の開始剤としては、鉄アレン(iron arene)などが例示されることができ、有機シラン系の開始剤としては、o−ニトリルベンジルトリアリールシリルエーテル(o−nitrobenzyl triaryl silyl ether)、トリアリールシリルペルオキシド(triaryl silyl peroxide)またはアシルシラン(acyl silane)などが例示されることができ、潜在性硫酸系の開始剤としては、α−スルホニルオキシケトンまたはα−ヒドロキシメチルベンゾインスルフォネートなどが例示されることができるが、これに制限されるものではない。また、上記陽イオン開始剤としては、ヨード系の開始剤と光増感剤の混合物を使用することもできる。
【0097】
陽イオン開始剤としては、イオン化陽イオン光開始剤を使用することが好ましく、オニウム塩系のイオン化陽イオン光開始剤を使用することがさらに好ましく、トリアリールスルホニウム塩系のイオン化陽イオン光開始剤を使用することがさらに好ましいが、これに制限されるものではない。
【0098】
接着剤組成物は、上記陽イオン開始剤0.01重量部〜10重量部を含むことができ、好ましくは、0.1重量部〜5重量部を含むことができる。上記比率で、硬化効率及び硬化した後の物性に優れた接着剤組成物を提供することができる。
【0099】
上記接着剤組成物は、また、アクリル系単量体などの重合または架橋反応を開始させることができるラジカル開始剤として、光開始剤をさらに含むことができる。光開始剤としては、例えば、ベンゾイン系、ヒドロキシケトン化合物、アミノケトン化合物またはホスフィンオキシド化合物などのような開始剤を使用することができ、好ましくは、ホスフィンオキシド化合物などを使用することができる。光開始剤としては、より具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2、2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4、4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン(thioxanthone)、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2、4−ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタル、アセトフェノンジメチルケタル、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド及び2、4、6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシドなどが例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0100】
接着剤組成物において光開始剤は、0.1重量部〜10重量部、好ましくは、0.5重量部〜5重量部で含まれることができ、この範囲で効果的な重合または架橋を誘導し、反応残留物による物性低下などを防止することができる。
【0101】
上記接着剤組成物は、また、ラジカル開始剤として長波長の活性エネルギー線を吸収し、ラジカルを生成する開始剤、いわゆる長波長の光開始剤を使用することができる。このような開始剤は、単独で使用されるか、あるいは、他の種類の開始剤と配合されて使用されることができる。
【0102】
すなわち、偏光板に含まれる保護フィルムには、紫外線から偏光子を保護するために紫外線遮断剤などが配合されていてもよい。このような場合、接着剤組成物の硬化のための電磁気波の照射時に短波長、例えば約365nm以下の範囲の電磁気波は、保護フィルムによって吸収され、適切な硬化反応が進行されないことがある。したがって、このような点を防止するために、上記ラジカル開始剤は、少なくとも長波長、例えば、約365nm以上の波長範囲の電磁気波を吸収し、ラジカルを生成することができる開始剤を含むことが好ましい。
【0103】
上記長波長の光開始剤としては、例えば、ジフェニル(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドなどを使用することができる。例えば、スイス国チバガイギー社のDarocur TPO、Irgacure 819などが例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0104】
上記接着剤組成物は、また、必要に応じて、光増感剤、酸化防止剤または付着増進剤などの添加剤や接着性能及びブリトルリス(brittleness)などを調節するための公知のオリゴマー成分などをさらに含むことができる。
【0105】
1つの例示で、上記接着剤組成物は、無溶剤タイプで組成されることができる。無溶剤タイプは、接着剤組成物を構成する成分を希釈するなどの用途で使用される有機系または水系溶媒成分を含まない類型の接着剤組成物を意味することができる。接着剤組成物が無溶剤タイプで組成されることによって、接着剤層の形成過程で溶剤の揮発工程が不要であり、厚さ均一度などを効果的に維持することができ、また、偏光子にカールなどが誘発される現象を効果的に防止することができる。
【0106】
接着剤組成物は、25℃での粘度が5cps〜1,000cps、好ましくは、10cps〜100cpsであることができる。粘度を上記範囲に調節し、工程効率性、厚さ調節の容易性及び厚さ均一性などを確保し、接着特性などの物性を効果的に維持することができる。
【0107】
偏光子に上記組成物を使用して接着剤層を形成する方法は、特に制限されず、例えば、接着剤組成物を偏光子に塗布して硬化させるか、あるいは、偏光子に接着剤組成物を塗布し、さらに上記粘着剤層をラミネートした後に、上記塗布された接着剤組成物を硬化させる方式を使用することができる。この場合、接着剤組成物の硬化は、各成分を考慮して上記成分の重合乃至架橋反応が誘導され得るように適切な強さの活性エネルギー線を照射する方式で行うことができる。
【0108】
上記接着剤層は、厚さが0.1μm〜30μm、好ましくは、0.5μmm〜15μmmであり、より好ましくは、1μm〜10μmであることができる。接着剤層の厚さを0.1μm以上に調節し、偏光板の耐水性を優秀に維持することができ、また、30μm以下に調節し、均一な接着剤層及び優れた物性の薄型偏光板の形成が可能であることができる。
【0109】
上記偏光板に含まれる粘着剤層は、第1表面と第2表面を有し、上記第1表面及び第2表面での無アルカリガラスに対する剥離力が相異に現われる。1つの例示で、上記第2表面は、上記第1表面に比べて無アルカリガラスに対して高い剥離力を示し、上記第1表面が上記接着剤層に付着されており、上記第2表面は、偏光板を液晶パネルに付着させるための粘着表面であることができる。本明細書で「無アルカリガラス」は、アルカリ成分がほとんどないガラスであって、アルカリ成分の代わりに、酸化アルミニウムを含有しているガラスを意味する。
【0110】
1つの例示で、上記粘着剤層は、第1表面及び第2表面を有する単一層の粘着剤層であることができる。上記で、単一層は、粘着剤層が1つの粘着剤層で形成される場合を意味し、よって、例えば、2層以上の粘着剤が積層された構造の粘着剤層は、単一層の粘着剤層から排除される。
【0111】
図2は、第1表面10Aと第2表面10Bを有する単一層の粘着剤層10を例示的に表示する。
【0112】
上記粘着剤層において偏光子に付着する第1表面の無アルカリガラスに対する剥離力を低く設定し、高温または高湿条件のような苛酷条件で偏光子の収縮または膨脹現象を抑制することができる。また、偏光板を液晶パネルに付着する第2表面10Bは、高い剥離力を有するようにして、被着体に対して優れた濡れ性を有するようにすることができ、接着信頼性を向上させることができる。
【0113】
1つの例示で、上記粘着剤層は、上記第1表面の無アルカリガラスに対する剥離力と上記第2表面の無アルカリガラスに対する剥離力の差が下記一般式1を満たすように制御されることができる。
【0114】
[一般式1]
X
2−X
1>50gf/25mm
【0115】
上記一般式1で、上記X
1は、第1表面の無アルカリガラスに対する剥離力を示し、上記X
2は、第2表面の無アルカリガラスに対する剥離力を示す。
【0116】
1つの例示で、上記第1表面は、無アルカリガラスに対する剥離力が5gf/25mm〜100gf/25mm、好ましくは、8gf/25mm〜70gf/25mm、より好ましくは、10gf/25mm〜60gf/25mm、さらに好ましくは、15gf/25mm〜50gf/25mmであることができる。また、上記第2表面は、無アルカリガラスに対する剥離力が100gf/25mm〜1,000gf/25mm、好ましくは、150gf/25mm〜800gf/25mm、より好ましくは、200gf/25mm〜700gf/25mm、さらに好ましくは、250gf/25mm〜650gf/25mmであることができる。上記で剥離力は、後述する実施例で規定する方式で測定した剥離力である。上記第2表面の無アルカリガラスに対する剥離力を第1表面の無アルカリガラスに対する剥離力より50gf/25mm超過範囲で高く制御すると同時に、第1表面及び第2表面の剥離力を前述した範囲にそれぞれ制御することによって、高温または高湿条件で偏光子の収縮及び膨脹現象を効果的に抑制しながら、液晶パネルに対して優れた濡れ性を示すようにすることができる。
【0117】
上記のように、単一層であり、且つ第1表面及び第2表面で剥離力が異なる粘着剤層は、例えば、上記粘着剤層の厚さ方向に沿って弾性率が変化する勾配を形成することによって製造することができる。
図2を参照すれば、1つの例示で、上記粘着剤層10は、第1表面10Aから第2表面方向10Bに厚さ方向(
図3の矢印(T)方向)に沿って引張弾性率の勾配が形成されていてもよい。上記で厚さ方向に沿って引張弾性率が変化するということは、粘着剤層の引張弾性率が厚さ方向に沿って連続的または断続的に増加または減少する場合を意味する。具体的には、第1表面10Aでは、最も高い引張弾性率が現われ、第2表面10Bでは、最も低い引張弾性率が現われるように厚さ方向に沿って引張弾性率が変化していてもよい。
【0118】
上記のように、粘着剤層の引張弾性率に厚さ方向に沿った変化を与えるためには、例えば、粘着剤層の硬化度を厚さ方向に沿って異なるように制御する方法を使用することができる。例えば、後述するように、紫外線硬化型粘着剤組成物を使用して粘着剤層を構成する場合、粘着剤組成物が塗布される厚さ及び上記組成物の硬化時に加えられる紫外線の光量などを適切に制御すれば、厚さ方向に沿って貯蔵弾性率が変化する粘着剤層を製造することができる。すなわち、上記のような方式で粘着剤層を製造すれば、照射された紫外線は、粘着剤組成物の厚さ方向に透過され、且つ内部の光開始剤などと反応して消滅するかまたは吸収するようになり、このような程度を適切に調節する場合、粘着剤組成物の厚さ方向に沿って下部に降りるほど硬化反応を誘導する紫外線の強度が弱くなり、硬化度が厚さ方向によって異なるように制御されることができる。本発明では、また、場合によって、上記光硬化型粘着剤組成物に紫外線吸収剤などを適正量配合する方法で、厚さ方向に硬化度が変化する粘着剤層の具現が可能である。すなわち、粘着剤組成物に配合された紫外線吸収剤は、硬化過程で組成物に加えられる紫外線を吸収するようになり、その結果、厚さ方向に沿って紫外線照射量の偏差を誘発し、硬化度を相異に制御することができる。
【0119】
上記のように、引張弾性率が厚さ方向に沿って変化するように制御されるとき、上記粘着剤の平均引張弾性率は、25℃で0.1MPa〜500MPa、好ましくは、10MPa〜400MPa、さらに好ましくは、20MPa〜300MPa、より好ましくは、45MPa〜200MPaの範囲内にあり得る。引張弾性率の平均値を上記範囲に制御し、偏光板が光漏れ現象などを効果的に抑制し、高温または高湿条件で優れた耐久性を示すようにすることができる。一方、上記引張弾性率は、後述する実施例に記載した方式で測定する。
【0120】
上記のように具現される粘着剤層の厚さは、特に制限されず、例えば、20μm〜80μm、好ましくは、25μmm〜60μmの範囲内で制御されることができる。粘着剤層の厚さが20μm未満なら、偏光子の収縮または膨脹の抑制効率が低下するか、または前述した硬化過程によって厚さ方向に硬化度が異なる粘着剤層を具現する効率が低下するおそれがあり、80μmを超過すれば、偏光板の薄型化に障害になるおそれがある。
【0121】
粘着剤層を形成する方法は、特に制限されない。例えば、通常的な常温硬化型、湿気硬化型、熱硬化型または光硬化型粘着剤組成物を硬化させて形成することができ、好ましくは、紫外線硬化型粘着剤組成物を硬化させて形成することができる。
【0122】
1つの例示で、上記粘着剤層は、いわゆる相互浸透高分子ネットワーク(Interpenetrating Polymer Network;以下、「IPN」と称する場合がある。)を含むことができる。用語「IPN」は、粘着剤層内に少なくとも2種類以上の架橋構造が存在する状態を意味することができ、1つの例示で、上記架橋構造は、絡み合っている状態(entanglement)、または互いに連結(linking)または浸透(penetrating)している状態で存在することができる。粘着剤層がIPNを含む場合、苛酷条件で耐久性に優れていて、また、作業性、光学特性及び光漏れ抑制能に優れた偏光板が具現されることができる。
【0123】
粘着剤層がIPN構造を含む場合、上記粘着剤層は、例えば、架橋状態で存在するアクリル重合体を含む架橋構造及び重合された光重合性化合物を含む架橋構造を含むことができる。
【0124】
上記でアクリル重合体としては、例えば、重量平均分子量(M
w:Weight Average Molecular Weight)が50万以上であるアクリル重合体を使用することができる。重合体の分子量を50万以上にして、苛酷条件下で優れた耐久性を有する粘着剤層を形成することができる。上記分子量の上限は、特に制限されず、例えば、粘着剤の耐久性や、組成物のコーティング性を考慮して、250万以下の範囲で調節することができる。
【0125】
1つの例示で、上記アクリル重合体は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合単位で含む重合体であることができる。
【0126】
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを使用することができ、凝集力、ガラス転移温度及び粘着性の調節を考慮して、炭素数が1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することができる。このような単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレートなどが例示されることができ、上記のうち一種または二種以上の混合を使用することができる。
【0127】
上記重合体は、また、架橋性単量体を重合単位でさらに含むことができ、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル系単量体50重量部〜99.9重量部及び架橋性単量体0.1重量部〜50重量部を重合された形態で含む重合体であることができる。上記で「架橋性単量体」は、分子内に共重合性官能基と架橋性官能基を同時に含み、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び下記化学式16の単量体と共重合されることができる単量体であって、共重合後に重合体の側鎖または末端に架橋性官能基を提供することができる単量体を意味する。
【0128】
架橋性単量体は、粘着剤の耐久性、粘着力及び凝集力を調節する役目をすることができ、例えば、重合体にヒドロキシ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基またはアミノ基のような窒素含有官能基などを提供することができ、また、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合が可能な単量体が使用されることができる。この分野には、上記のような役目をする多様な単量体が公知されており、本発明では、このような単量体がすべて使用されることができる。架橋性単量体の具体的な例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのようなヒドロキシ基含有単量体;(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ酢酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ酪酸、アクリル酸二量体、イタコン酸、マレイン酸及びマレイン酸無水物などのカルボキシル基含有単量体、グリシジル(メタ)アクリレートなどのようなエポキシ基含有単量体または(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドンまたはN−ビニルカプロラクタムなどの窒素含有単量体などを挙げることができ、上記のうち一種または二種以上の混合を使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0129】
上記アクリル重合体は、上記記述したもの以外にも、適切な共単量体をさらに含むことができる。
【0130】
例えば、上記重合体は、下記化学式16で表示される単量体を重合単位でさらに含むことができる。
【0131】
【化16】
【0132】
上記化学式16で、Rは、水素またはアルキル基を示し、Aは、アルキレンを示し、R
24は、アルキル基またはアリール基を示し、nは、1〜50の数を示す。
【0133】
上記化学式16の単量体は、重合体にアルキレンオキシド基を付与する。1つの例示で、上記アルキレンオキシド基は、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖または環状アルキレンオキシドであることができる。このようなアルキレンオキシド基は、粘着剤層が低いヘイズを示し、また、偏光板に適用されたとき、光漏出(light leakage)を効果的に抑制するようにすることができる。また、上記アルキレンオキシド基は、粘着剤層の弾性率が増加した状態でも、剥離力が適正水準に維持されるようにすることができる。
【0134】
上記化学式16で、Rは、好ましくは、水素または炭素数1〜4のアルキル基であることができ、さらに好ましくは、水素またはメチル基であることができる。
【0135】
また、上記化学式16で、Aは、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8、または炭素数1〜4の置換されるか、または非置換されたアルキレン基であることができ、このようなアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状または環状構造を有することができる。
【0136】
また、上記化学式16で、R
24がアルキル基の場合、上記アルキル基は、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8、または炭素数1〜4の置換されるか、または非置換されたアルキル基であることができ、このようなアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状構造を有することができる。
【0137】
また、上記化学式16で、R
24がアリール基の場合、上記アリール基は、炭素数6〜20、炭素数6〜16または炭素数6〜12のアリール基であることができる。
【0138】
また、上記化学式16で、nは、より好ましくは、1〜25、さらに好ましくは、1〜15、より好ましくは、1〜6であることができる。
【0139】
化学式16の単量体の具体的な例としては、アルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、アルコキシジアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、アルコキシトリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、アルコキシテトラアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、フェノキシアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、フェノキシジアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、フェノキシトリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、フェノキシテトラアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルまたはフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができ、このような単量体の一種または二種以上が重合体に含まれることができる。
【0140】
アクリル重合体が上記化学式16の単量体を含む場合、上記アクリル重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体40重量部〜99.9重量部;化学式16の単量体10重量部〜50重量部及び架橋性単量体0.01重量部〜30重量部の比率で含むことができる。このような重量比率で含まれる場合、光漏出(light leakage)を効果的に抑制することができると共に、粘着剤層の弾性率が増加した状態でも、剥離力が適正水準に維持することができる。
【0141】
上記重合体は、また、ガラス転移温度の調節やその他機能性付与の観点で下記化学式17で表示されるゴング単量体をさらに含むことができる。
【0142】
【化17】
【0143】
上記化学式17で、R
25〜R
27は、それぞれ独立して、水素またはアルキルを示し、R
28は、シアノ;アルキルで置換または非置換されたフェニル;アセチルオキシ;またはCOR
29を示し、この際、R
29は、アルキルまたはアルコキシアルキルで置換または非置換されたアミノまたはグリシジルオキシを示す。
【0144】
上記化学式17の単量体の具体的な例としては、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドまたはN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドのような窒素含有単量体;スチレンまたはメチルスチレンのようなスチレン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート;またはビニルアセテートのようなカルボン酸ビニルエステルなどの一種または二種以上を挙げることができるが、これに制限されるものではない。
アクリル重合体が上記化学式17の単量体を含む場合、その比率は、20重量部以下であることが好ましい。
【0145】
上記のようなアクリル重合体は、この分野で公知された通常の重合方法を通じて製造することができる。例えば、前述したような、(メタ)アクリル酸エステル単量体、架橋性単量体及び/または化学式16の単量体などを目的する重量比率によって適切に配合して単量体混合物を製造し、これを溶液重合(solution polymerization)、光重合(photo polymerization)、塊状重合(bulk polymerization)、懸濁重合(suspension polymerization)または乳化重合(emulsion polymerization)のような通常の重合方式に適用して製造することができる。この過程で必要な場合、適合な重合開始剤または鎖移動剤などが一緒に使用されることもできる。
【0146】
粘着剤層は、上記アクリル重合体を架橋させている多官能性架橋剤をさらに含むことができ、このような架橋剤としては、例えばイソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤及び金属キレート架橋剤のような一般的な架橋剤を使用することができ、イソシアネート架橋剤の使用が好ましいが、これに制限されるものではない。イソシアネート架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソボロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートまたはナフタレンジイソシアネートなどの多官能性イソシアネート化合物や、あるいは、上記多官能性イソシアネート化合物をトリメチロールプロパンなどのようなポリオール化合物と反応させた化合物などを挙げることができ、エポキシ架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N、N、N’、N’−テトラグリシジルエチレンジアミン及びグリセリンジグリシジルエーテルよりなる群から選択された1つ以上を挙げることができ、アジリジン架橋剤としては、N、N’−トルエン−2、4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、N、N’−ジフェニルメタン−4、4’−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)及びトリ−1−アジリジニルホスフィンオキシドよりなる群から選択された1つ以上を挙げることができるが、これに制限されるものではない。また、金属キレート系架橋剤としては、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、チタン、アンチモン、マグネシウム及び/またはバナジウムのような多価金属がアセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルなどに配位している化合物などを挙げることができるが、これに制限されるものではない。
【0147】
上記多官能性架橋剤は、例えば、前述したアクリル重合体100重量部に対して0.01重量部〜10重量部、より好ましくは、0.01重量部〜5重量部で粘着剤に含まれていてもよい。このような範囲で粘着剤の凝集力や耐久性を優秀に維持することができる。
【0148】
上記多官能性架橋剤は、例えば、熟成工程のような粘着剤層の形成過程でアクリル重合体の架橋性官能基と反応して、上記重合体を架橋させることができる。
【0149】
IPN構造の粘着剤層では、上記多官能性架橋剤によって架橋されたアクリル重合体によって具現される架橋構造とともに重合された光重合性化合物を含む架橋構造が含まれていてもよい。
【0150】
すなわち、上記粘着剤組成物は、上記アクリル重合体が架橋されて具現される架橋構造とは異なる種類の架橋構造を具現するための成分として光重合性化合物をさらに含むことができる。用語「光重合性化合物」は、光の照射によって重合されて架橋構造を具現することができるように、分子構造中に光重合性官能基を少なくとも2個以上含む化合物を意味する。また、上記光重合性官能基は、光の照射によって重合または架橋されることができる官能基であって、その例としては、アクリロイル基またはメタクリロイル基などのようなエチレン性不飽和二重結合を含む官能基などを挙げることができるが、これに制限されるものではない。また、上記で用語「光の照射」は、電磁気波の照射を意味し、上記電磁気波の例には、マイクロ波(micro waves)、赤外線(IR)、紫外線(UV)、X線及びγ線や、α−粒子線(α−particle beam)、プロトンビーム(proton beam)、中性子ビーム(neutron beam)及び電子線(electron beam)のような粒子ビームなどが含まれることができる。
【0151】
上記光重合性化合物としては、例えば、多官能性アクリレート(MFA;Multifunctional acrylate)を使用することができる。
【0152】
多官能性アクリレートとしては、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物なら、制限なしに使用することができる。例えば、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペート(neopentylglycol adipate)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバル酸(hydroxyl puivalic acid)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(dicyclopentanyl)ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート、アリル(allyl)化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンタン(adamantane)ジ(メタ)アクリレートまたは9、9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどのような2官能性アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、3官能型ウレタン(メタ)アクリレートまたはトリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレートなどの3官能型アクリレート;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレートまたはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能型アクリレート;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能型アクリレート;及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレート(例えば、イソシアネート単量体及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの反応物などの6官能型アクリレートなどを使用することができ、場合によって、この分野において光硬化型オリゴマーとして知られているものとして、各種ウレタンアクリレート、ポリカーボネートアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレートまたはエポキシアクリレートなども使用されることができる。
【0153】
上記多官能性アクリレートは、一種または二種以上が混合して使用されることができ、分子量が1,000未満であり、3官能性以上であるアクリレートを使用することが、耐久性具現の側面で好ましいが、これに制限されるものではない。
【0154】
上記多官能性アクリレートとして、骨格構造中に環構造を含むことを使用することが好ましい。このようなアクリレートを使用することによって、偏光子の収縮または膨脹をさらに効果的に抑制することができ、また、光漏れ抑制効果が向上することができる。多官能性アクリレートに含まれる環構造は、炭素環式構造または複素環式構造;または単環式または多環式構造のいずれでもよい。環構造を含む多官能性アクリレートの例としては、トリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレートなどのイソシアヌレート構造を有する単量体及びイソシアネート変性ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、イソシアネート単量体及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの反応物など)などの6官能型アクリレートなどを挙げることができるが、これに制限されるものではない。
【0155】
粘着剤層または粘着剤組成物内で上記多官能性アクリレートは、アクリル重合体100重量部に対して、20重量部〜200重量部で含まれることができ、これにより、粘着剤層の引張弾性率をさらに効果的に調節し、また、耐久性を優秀に維持することができる。
【0156】
上記粘着剤層は、紫外線吸収剤をさらに含むことができ、これは、前述した第1表面及び第2表面で剥離力が異なる単一層の粘着剤を形成する効率を向上させることができる。すなわち、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物の硬化のために光の照射、例えば、紫外線の照射を行う必要がある。例えば、シート形状の粘着剤を形成するために、粘着剤組成物を所定の厚さにコーティングし、上記コーティング層の一側で紫外線を照射すれば、上記紫外線が照射されるコーティング層の面は、充分に硬化し、高い弾性率を示すようになるが、紫外線が厚さ方向に沿ってコーティング層の下部に進行するにつれて、コーティング層に存在する紫外線吸収剤によって上記紫外線がコーティング層に吸収される。したがって、紫外線が照射されるコーティング層の面を始まりに厚さ方向に沿って下部に降りるほど到逹する紫外線の量が少なくなり、最も下部のコーティング層は、紫外線の到達量が最も少なくて、硬化の程度が最も少なくなる。その結果、シート形状のコーティング層では、厚さ方向に沿って弾性率が変化する弾性率の勾配が形成される。上記で弾性率は、引張弾性率または貯蔵弾性率を意味する。上記のようにシート形状の粘着剤層で厚さ方向に沿って弾性率が変化すれば、弾性率が高い側、すなわち硬化時に紫外線が照射されるコーティング層の面は、低い剥離力を示すが、その反対面は、高い剥離力を示すことができる。
【0157】
紫外線吸収剤としては、粘着剤層の光学物性、弾性率、再剥離性、作業性または剥離力などを阻害しないものなら、特別な制限なしに使用することができる。
【0158】
紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’、5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−(1、1、3、3、テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’、5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル−5’−メチルフェニル)−5−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニルフェニル)−5−ベンゾトリアゾールまたは2−(3’、5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどの2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール系の化合物のようなベンゾトリアゾール化合物;4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4、2’、4’−トリヒドロキシまたは2’−ヒドロキシ−4、4’−ジメトキシ官能基を有する2−ヒドロキシベンゾフェノン系の化合物のようなベンゾフェノン化合物;4−tert−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチル−ベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2、4−ジ−tert−ブチルフェニル−3、5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3、5−ジ−tert−ブチル−4−4ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートまたは2−メチル−4、6−ジ−tert−ブチルフェニル3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどの置換されたベンゾイン酸エステル構造を有する化合物のようなベンゾイン酸エステル化合物;またはトリアジン化合物などを使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0159】
粘着剤組成物において上記紫外線吸収剤は、上記アクリル重合体100重量部に対して10重量部以下で含まれるか、上記光重合性化合物100重量部に対して、0.1重量部〜5重量部で含まれることができるが、これに制限されるものではない。上記紫外線吸収剤の含量は、粘着剤組成物の硬化条件や、目的する弾性率または剥離力特性を考慮して変更されることができる。但し、紫外線吸収剤の含量が過度に増加すれば、コーティング液の紫外線吸収量が過度に増加し、厚さ方向に沿って弾性率が変化する粘着剤層の具現が難しくなるおそれがある。
【0160】
粘着剤組成物は、上記光重合性化合物の重合反応が効果的に誘導されるようにするラジカル開始剤をさらに含むことができる。1つの例示で、上記ラジカル開始剤は、光開始剤であることができ、光開始剤の具体的な種類は、硬化速度及び黄変可能性などを考慮して適切に選択されることができる。例えば、ベンゾイン系、ヒドロキシケトン系、アミノケトン系またはホスフィンオキシド系光開始剤などを使用することができる。開始剤は、上記のうち一種または二種以上が混合して使用されることができる。
【0161】
粘着剤組成物は、光開始剤を上記アクリル重合体100重量部に対して、0.2重量部〜20重量部、好ましくは、0.5重量部〜10重量部、さらに好ましくは、1重量部〜5重量部で含まれることができる。上記光開始剤は、多官能性アクリレート100重量部に対して0.2重量部〜20重量部の量で含まれることもできる。このような調節を通じて多官能性アクリレートの反応を効果的に誘導し、また、硬化後に残存成分によって粘着剤物性が悪くなることを防止することができる。
【0162】
粘着剤層は、また、シランカップリング剤をさらに含むことができる。シランカップリング剤は、粘着剤の密着性及び接着安定性を向上させて、耐熱性及び耐湿性を改善し、また、苛酷条件で粘着剤が長期間放置された場合にも、接着信頼性を向上させる作用をする。シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−アセトアセテートプロピルトリメトキシシラン、アセトアセテートプロピルトリエトキシシラン、β−シアノアセチルトリメトキシラン、β−シアノアセチルトリエトキシシラン、アセトキシアセトトリメトキシランなどを使用することができ、上記のうち一種または二種以上の混合を使用することができる。本発明では、アセトアセテート基またはβ−シアノアセチル基を有するシラン系カップリング剤を使用することが好ましいが、これに制限されるものではない。粘着剤層内でシランカップリング剤は、アクリル重合体100重量部に対して0.01重量部〜5重量部、好ましくは、0.05重量部〜1重量部で含まれることができ、これを通じて、粘着力及び耐久性を効果的に維持することができる。
【0163】
上記粘着剤層は、また、粘着性付与樹脂をさらに含むことができる。粘着性付与樹脂としては、例えば、ヒドロカーボン系樹脂またはその水素添加物、ロジン樹脂またはその水素添加物、ロジンエステル樹脂またはその水素添加物、テルペン樹脂またはその水素添加物、テルペンフェノール樹脂またはその水素添加物、重合ロジン樹脂または重合ロジンエステル樹脂などの一種または二種以上の混合を使用することができる。粘着性付与樹脂は、アクリル重合体100重量部に対して、1重量部〜100重量部の量で含まれることができる。
【0164】
上記粘着剤層は、また、目的する効果に影響を及ぼさない範囲で、エポキシ樹脂、硬化剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、調色剤、補強剤、充填剤、消泡剤、界面活性剤及び可塑剤よりなる群から選択された1つ以上の添加剤をさらに含むことができる。
【0165】
上記のような成分を含むものとして、第1表面及び第2表面で剥離力が異なる粘着剤層を製造する方法は、特に制限されない。例えば、上記粘着剤層は、前述した各成分を含む粘着剤組成物をシート形状にコーティングし、上記シート形状の一面側で紫外線を照射し、上記コーティング層を硬化させて粘着剤層を製造する段階を含み、上記照射された紫外線がコーティング層の厚さ方向に沿って進行しながら上記コーティング層に吸収されるようにして、上記硬化した粘着剤層の厚さ方向に沿って引張弾性率の勾配を形成する段階を含む方式を製造することができる。
【0166】
すなわち、粘着剤組成物またはそれを使用して製造したコーティング液を適切な工程基材にバーコータまたはコンマコータなどの通常の手段で塗布し、硬化させる方式で上記粘着剤を製造することができる。
【0167】
この場合、上記粘着剤組成物のコーティング厚さ、紫外線の照射程度などを制御するか、必要に応じて紫外線吸収剤を組成物に含ませることによって、照射される紫外線は、コーティング層の厚さ方向に進行する過程で吸収され、これにより、弾性率の勾配が形成されることができる。
【0168】
図3は、1つの例示的な粘着剤の製造過程を模式的に示す図であり、
図3のように、上記粘着剤組成物のコーティング層10に紫外線を照射することによって、粘着剤を形成することができる。この際、紫外線の照射は、例えば、二枚の離型フィルム20の間に上記粘着剤組成物のコーティング層10を形成し、上記コーティング層10の一側面で行うことができる。照射される紫外線は、コーティング層10の厚さ方向に沿って進行する過程で一定の比率で吸収される。これにより、紫外線が直接照射される面10Aは、硬化が充分に進行され、高い弾性率及び低い剥離力を示すが、その反対の面10Bは、硬化の程度が相対的に少なくて、低い弾性率及び高い剥離力を示す。
【0169】
上記のような本発明の粘着剤組成物を使用し、必要に応じて、上記組成物に含まれることができる紫外線吸収剤の種類や含量、またはコーティング層(
図3の10)の厚さ、または照射される紫外線の波長や強さなどを調整し、目的する態様の粘着剤を効果的に具現することができる。
【0170】
一方、上記紫外線の照射は、例えば、高圧水銀ランプ、無電極ランプまたはキセノンランプ(xenon lamp)などの公知の手段を使用して行うことができる。また、紫外線の照射条件などは、特に制限されず、粘着剤組成物の組成を考慮して適切に選択されることができこれにより、厚さ方向に引張弾性率が変化する硬化物を効果的に製造することができる。また、この場合、照度は、約50mW/cm
2〜2,000mW/cm
2であり、光量は、約10mJ/cm
2〜1,000mJ/cm
2であることができるが、これに制限されるものではない。
【0171】
また、本発明において上記製造方法では、粘着剤組成物の硬化効率やIPN構造の形成などのために、上記紫外線の照射工程にさらに加熱、乾燥または熟成などのような工程を行うこともできる。
【0172】
上記のような粘着剤は、IPN構造を具現した状態で下記一般式2で表示されるゲル(gel)含量が80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。
【0173】
[一般式2]
ゲル含量(重量%)=B/A×100
【0174】
上記一般式2で、Aは、IPN構造が具現された粘着剤の質量を示し、Bは、上記と同一の粘着剤を常温でエチルアセテートに48時間沈積した後に収得した上記粘着剤の不溶解分の乾燥質量を示す。
【0175】
上記ゲル含量が80重量%未満なら、高温及び/または高湿条件下で粘着剤の耐久性が低下するおそれがある。上記ゲル含量の上限は、特に制限されず、例えば、粘着剤の応力緩和特性などを考慮して、99%以下の範囲で適切に調節することができる。
【0176】
上記偏光板は、また、偏光子の一面、具体的には、上記粘着剤層が付着されている面とは反対面に付着された保護フィルムをさらに含むことができる。保護フィルムとしては、例えば、TACフィルムなどのようなセルロース系フィルム;PET(poly(ethylene terephthalate))フィルムなどのようなポリエステル系フィルム;ポリカーボネート系フィルム;ポリエーテルスルホン系フィルム;アクリル系フィルム及び/またはポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、シクロ系やノルボルネン構造を含むポリオレフィンフィルムまたはエチレン−プロピレン共重合体フィルムなどのポリオレフィン系フィルムなどを使用することができるが、これに制限されるものではない。上記保護フィルムは、例えば、前述した接着剤層を介して偏光子に付着されることができる。
【0177】
偏光板は、また、上記粘着剤層の下部に付着されている離型フィルムをさらに含むことができる。離型フィルムとしては、この分野の通常の構成を採用することができる。
【0178】
偏光板は、また、必要に応じて、反射防止層、防眩層、位相差板、広視野角補償フィルム及び輝度向上フィルムよりなる群から選択された1つ以上の機能性層をさらに含むこともできる。
【0179】
本発明の例示的な液晶表示装置は、液晶パネル及び上記液晶パネルの一面または両面に付着されている本発明による偏光板を含むことができる。
【0180】
液晶表示装置に含まれる液晶パネルの種類は、特に限定されない。例えば、その種類に制限されず、TN(twisted nematic)型、STN(super twistednematic)型、F(ferroelectic)型またはPD(polymer dispersed)型とのようなパッシブマトリクス方式のパネル;2端子型(two terminal)または3端子型(three terminal)のようなアクティブマトリクス方式のパネル;横電界型(IPS;In Plane Switching)パネル及び垂直配向型(VA;Vertical Alignment)パネルなどの公知のパネルがすべて適用されることができる。
【0181】
また、液晶表示装置を構成するその他の構成、例えば、上部及び下部基板(例えば、カラーフィルタ基板またはアレイ基板)などの種類は、特に制限されず、この分野に公知されている構成が制限なしに採用されることができる。