特許第5971514号(P5971514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5971514
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】シャッタ装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/08 20060101AFI20160804BHJP
   E06B 9/17 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   E06B9/08 A
   E06B9/17 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-12796(P2012-12796)
(22)【出願日】2012年1月25日
(65)【公開番号】特開2013-151809(P2013-151809A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2014年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】野々山 昭紀
【審査官】 仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−144398(JP,A)
【文献】 特開2011−236709(JP,A)
【文献】 特開平11−81840(JP,A)
【文献】 特開2001−271574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に延在し且つ前記左右方向に延びる回動軸をもつ複数のスラットを上下方向に並設した巻き取り可能なシャッタカーテンと、一方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻き取り、逆方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻き下ろす巻取体と、前記巻取体を回転させる駆動機構と、複数の前記スラットを各々回転させ、開閉制御するスラット開閉機構と、を有するシャッタ装置において、
前記スラットは、上下に位置する前記スラット同士の上方と下方とが当接する直立状態から下端側が外側に回動して開状態、その反対方向に回動してほぼ前記直立状態である閉状態に至るように配設されており、前記閉状態近傍にあるときに、重心位置が前記回動軸より下方、且つ、外側に位置し、
前記シャッタカーテンは、前記スラットの左右両端に取り付けられ且つ前記スラットと一体的に動く樹脂キャップを有し、
前記樹脂キャップは前記スラットが閉じるときに上下方向に隣接する前記スラットに当接することに先駆けてそのスラットに取り付けられた前記樹脂キャップに当接するように配置されたことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項2】
記樹脂キャップは前記樹脂キャップ同士が当接した状態を保ったまま前記上下方向に相対移動可能であり、
前記スラットは、前記シャッタカーテンが閉じるときに前記シャッタカーテンの先端が開口の下端に当接して前記スラット同士の間の距離が縮むことで前記スラット同士が当接して完全閉状態に至る請求項に記載のシャッタ装置。
【請求項3】
前記シャッタカーテンは、前記スラット毎の左右両端にそれぞれ取り付けられ且つ直列連結された複数の連結部材からなる線状体を有し、
前記回動軸は前記スラットの回動に連動して回動すると共に、前記スラットの左右両端に位置しており前記連結部材に回動自在に枢支されており、
前記連結部材と前記回動軸とは、両者の相対回転により前記スラットが前記直立状態であるときにそれ以上の前記反対方向への回動を制限するように干渉を生起する突起部と回転ストッパとの組み合わせをもつ請求項1又は2に記載のシャッタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタカーテンを巻取体に巻き取ったり、巻取体からシャッタカーテンを巻き下ろしたりできる方式をもつシャッタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左右方向に延在し、上下方向に並設された複数のスラットを巻き取り可能なシャッタカーテンと、シャッタカーテンを巻き取り且つ巻き下ろす巻取体と、巻取体を回転させる駆動機構とを有するシャッタ装置が開示されている(特許文献1,2)。
【0003】
ところで、特許文献1及び2は、シャッタカーテンが巻き下ろされた状態で、各スラットを回動させて、各スラット間にすき間ができる開状態と、スラット間にすき間がなくなった閉状態とを作ることができる。これらのシャッタ装置では、必要に応じて各スラットに係合して回動させる機構をもつことで、シャッタカーテンが巻き上げ途中であってもスラットの開閉を行うことができるようにしている。そのため、シャッタカーテン巻き取り時や巻き下ろし時などスラットを開閉しないときにはスラットはそのままでは自由に回転してしまう。そこで、各スラットの閉状態を維持する為に、閉方向に常時付勢するスプリングが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−61138号公報
【特許文献2】特開2008−8038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スプリングで付勢するということは、少なくともスラットの枚数分のスプリングが部品として必要であり、各スラットにスプリングを取り付けるための工程も必須であったため、コストがかかる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、部品点数や組み付け工数を低減してスラットが閉状態を維持することができるシャッタ装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の構成上の特徴は、左右方向に延在し且つ前記左右方向に延びる回動軸をもつ複数のスラットを上下方向に並設した巻き取り可能なシャッタカーテンと、一方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻き取り、逆方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻き下ろす巻取体と、前記巻取体を回転させる駆動機構と、複数の前記スラットを各々回転させ、開閉制御するスラット開閉機構と、を有するシャッタ装置において、
前記スラットは、上下に位置する前記スラット同士の上方と下方とが当接する直立状態から下端側が外側に回動して開状態、その反対方向に回動してほぼ前記直立状態である閉状態に至るように配設されており、前記閉状態近傍にあるときに、重心位置が前記回動軸より下方、且つ、外側に位置し、
前記シャッタカーテンは、前記スラットの左右両端に取り付けられ且つ前記スラットと一体的に動く樹脂キャップを有し、
前記樹脂キャップは前記スラットが閉じるときに上下方向に隣接する前記スラットに当接することに先駆けてそのスラットに取り付けられた前記樹脂キャップに当接するように配置されたことにある。
【0008】
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、記樹脂キャップは前記樹脂キャップ同士が当接した状態を保ったまま前記上下方向に相対移動可能であり、
前記スラットは、前記シャッタカーテンが閉じるときに前記シャッタカーテンの先端が開口の下端に当接して前記スラット同士の間の距離が縮むことで前記スラット同士が当接して完全閉状態に至ることである。
【0009】
また請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記シャッタカーテンは、前記スラット毎の左右両端にそれぞれ取り付けられ且つ直列連結された複数の連結部材からなる線状体を有し、
前記回動軸は前記スラットの回動に連動して回動すると共に、前記スラットの左右両端に位置しており前記連結部材に回動自在に枢支されており、
前記連結部材と前記回動軸とは、両者の相対回転により前記スラットが前記直立状態であるときにそれ以上の前記反対方向への回動を制限するように干渉を生起する突起部と回転ストッパとの組み合わせをもつことである。
【0010】
全閉状態とは、シャッタカーテンが巻き下ろされており、スラットが直立状態でスラット間の間隔が狭まるだけでなく、スラットが直立状態で更にスラットの上下端が上下に位置する別のスラットと係合又は当接することで、スラットが回動することができない状態のことである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明においては、スラットが直立状態で、スラットの重心位置が回動軸より下方、且つ、外側に位置するため、スラットには重心位置の外側へのずれに起因して生じるモーメントによって、重心が回動軸の下方に移動しようとする方向、すなわち、重心より下方に位置するスラットの下端が内側に移動する方向である閉方向に常に付勢される。請求項1に係る発明によれば、スラットが常に閉方向に付勢されるため、スプリングは必要がなくなり、部品点数が低減できる。そして、スプリングを取り付ける工程も必要なくなり組み付け工数も低減できる。更には、スプリングの分、シャッタカーテンの重量が減少できる。
【0012】
また、請求項に係る発明においては、上下に位置するスラット同士で当接することで、スラットの自重によって内側に移動しようとする下端の移動を制限できるため、スラットの直立状態を維持することができる。また、先述したように、直立状態においては閉方向に付勢されるため、巻き取り時、巻き下ろし時などのスラットを操作しないときにおいてスラットをばたつかせたりすることが防止できる。
【0013】
請求項3に係る発明においては、回動軸をスラットの回動に連動して動くように構成し、回動軸と連結部材との間に直立状態を超えて閉方向に移動できないような突起部と回転ストッパとをもうけることにより回動軸の回動を規制する。よって、回動軸の回動が規制されるため、連動するスラットの回動が規制され、スラットが直立状態を超えて閉方向に回動することが防止できる。
【0014】
更に、請求項に係る発明においては、スラットが回動して直立状態に至る際、スラット同士が当接する前に、樹脂製の部材である樹脂キャップが当接するように構成している。スラットは剛性及び防犯性向上を考慮し、金属製である場合が多い。そのため、スラットが開状態から閉状態に移行する際に、スラット同士が当接すると比較的大きな当接音が発生するが、樹脂製部材がスラットに先駆けて当接することで、金属同士の当接による当たり音を緩和することができる。そして、その後に樹脂キャップ同士が当接した状態を保ったままスラットを閉めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係るシャッタ装置の正面図である。
図2】本実施形態に係るシャッタ装置のシャッタカーテンの一部を裏面から見た説明図である。
図3】本実施形態に係るシャッタ装置のシャッタカーテンを構成するスラットと樹脂キャップ(ボス部)との関係(線状体が伸びており隣接するスラットの間に隙間が生じている状態)を示した概略断面図である。
図4】本実施形態に係るシャッタ装置のシャッタカーテンを構成するスラットと樹脂キャップ(ボス部)との関係(線状体が縮んでおり隣接するスラットの間が嵌合している状態)を示した概略断面図である。
図5】本実施形態におけるボス部とリンクとの接合の様子を示す概略下面図である。
図6】本実施形態に係るシャッタ装置のシャッタカーテンを構成するスラットと樹脂キャップ(ボス部)との関係(線状体が伸びており隣接するスラットの間に隙間が生じ且つ隣接するスラットの間で当接して回動が制限されている状態)を示した概略断面図である。
図7】本実施形態におけるボス部とリンクとの接合の様子を示す概略裏面図(a)、(a)のA−A断面図である。
図8】本実施形態の樹脂キャップとスラットとの位置関係を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。複雑化を避けるため、図面ではハッチングが一部省略されている場合がある。図1は、建築物等の構造物の開口を開閉するように、構造物に据え付けられるシャッタ装置の正面図を模式的に示す。シャッタ装置は、スラット1を上下方向に沿って複数個並設して形成されたシャッタカーテン21と、シャッタカーテン21を巻き取る巻取体22と、巻取体22を回転させる駆動機構の主要素であるモータ23と、巻取体22を回転可能に保持し、スラット1を収納する収納体24と、シャッタカーテン21の両側の側方に設けられた2個のガイドレール25とを備えている。シャッタ装置には、モータ23を制御する制御装置(図示略)が設けられている。制御装置に設けられた操作用のスイッチ(図略)を操作することによりモータ23が駆動し、巻取体22が一方向へ回転すると、シャッタカーテン21は巻取体22に巻き取られる。スイッチによりモータ23が逆動し、巻取体22が逆方向に回転すると、巻取体22に巻き取られていたシャッタカーテン21が巻き下ろされる。ガイドレール25は、シャッタカーテン21の端部の昇降を案内する。スラット1は、2個のガイドレール25間において、左右方向(矢印X方向)に沿って延設されている。図1はあくまで模式図を示しており、スラット1の数は図1に限定されるものではない。図1に示されるように、シャッタカーテン21の左右両側には、チェーン状の線状体26がそれぞれ設けられている。線状体26は、シャッタ装置の上下方向(矢印Y方向)に隣接する各スラット1の端部を連結すると共に、上下方向に沿って伸縮可能とされている。
【0017】
図2は、シャッタカーテン21の裏面(内側)を示す。シャッタカーテン21は、スラット1と、各スラット1の左右両端部に取り付けられる樹脂キャップ3と、各樹脂キャップ3を介して各スラット1の左右両端部のそれぞれに取り付けられるリンク(連結部材)4とを備える。リンク4が直列に連結したものが線状体26である。線状体26はその直列方向に一定の長さだけ伸縮可能である。
【0018】
スラット1は、図3に示されるように、上下方向で中央に向かうほど外側に緩やかに出ている弧形状をしている。スラット1の重心10は、スラット1が直立状態のとき、スラット1の上方に位置する回動軸(樹脂キャップ3のボス部32)より下方に位置し、且つ、外側に位置する。スラット1は、シャッタカーテン21が最後まで巻き下ろされたときに、線状体26が縮んで直立状態の上下に隣接するスラット1同士の距離も縮まって嵌合する。そして、シャッタカーテン21を巻取る時には、まず線状体26が伸びていき、それに従い上下方向に隣接するスラットの間の距離が開いてその間の嵌合が外れる。このように上下方向に隣接するスラット1間で嵌合できるように、スラット1の下方11の構造は、緩やかに内側に傾斜し端部11aが水平に曲がった形状をしている。スラット1の上方12の構造は、内側に緩やかに膨らんだ形状をしている。上下に位置するスラット1同士が嵌合する際、スラット1の下方11が下に位置するスラット1の上方12の外面12aに当接し、線状体26が縮んで行くのに伴って、外面12aの形状に沿って、上下位置を詰めていくことになる。図4に示されるように、スラット1は、下方11の端部11aが下に位置するスラット1の上方12の平坦部12bに当接する。また、上方12は、上に位置するスラット1の下方11より上側に位置する内側に突出した水平突出部13に当接する。スラット1は、隣接するスラット1間で嵌合して形成する上下端部が略三角形状を為すため、ガタがなく、しっかりと嵌合される。
【0019】
本実施形態のシャッタ装置は、シャッタカーテン21が巻き下ろされている状態(図3:巻き下ろしのときにシャッタカーテン21の先端が開口の下に至った瞬間の状態。線状体26は伸びきった状態であり、上下方向に隣接するスラット1の間は嵌合していない)で、スラット1がスラット毎に回動して、閉状態から開状態へと操作可能である。シャッタカーテン21を更に巻き下ろしていくとシャッタカーテン21の先端が開口の下に当接しているため、線状体26が縮んで行くことになる。その結果、スラット1の間の距離も縮む。
【0020】
スラット1は、図5に示されるように、樹脂キャップ3を介してリンク4に枢支されており、樹脂キャップ3のボス部32を回動軸としてリンク4に対して相対回動する。閉状態はスラット1が直立しており、開状態は直立状態のスラット1の下端が外側に移動した所定角度で停止した状態である。スラット1は、様々な角度で回動を停止できる仕様としたり、何種類かの所定角度で停止できる仕様とすることができる。なお、スラット1の回動は、図示されていない別の開閉機構によって随時行われる。例えば、図2のようにスラット1の係止ピン34をガイドレール25内に設けられた制御板(図示せず)によって係止する。そして、モータ23によって巻取体22を回転させて巻き取り操作を行うと、シャッタカーテン21が上昇し、スラット1が係止ピン34を軸に回動する。
【0021】
本実施形態のシャッタ装置は、巻き上げ途中や巻き下ろし途中において線状体26が伸びきった状態では、図6に示されるように、上下に位置するスラット1同士の上方12と下方11とが当接することで、スラット1が直立状態を維持することができる。
【0022】
リンク4は、図7に示されるように、長穴41と、ピン33が挿入される係合穴42と、長穴41に挿入される長穴挿入部43と、壁44とを有する。長穴41は、リンク4の上方に位置し、上下方向に細長い形状をもつ。係合穴42は、左右方向に延設されるピン33が挿入される。長穴挿入部43は、左右方向外側に向けて突出しており、下方に位置する別のリンク4の長穴41に左右方向内側から挿入される。壁44は、上下方向でリンク4の中央部分且つ外側に位置する外側壁441と内側に位置する内側壁442とをもつ。壁44はそれぞれスラット1側に突出している。樹脂キャップ3は、スラット1の両端部の一方に係合する本体部31と、本体部31から左右方向外側(リンク4側)に向けて突出するボス部32とを有する。ボス部32には、軸心にリンク4側からピン33が挿入されている。ピン33はリンク4側の端部がリンク4の係合穴42に挿入される。スラット1は樹脂キャップ3の本体部31にその端部が固定される。樹脂キャップ3はボス部32にてリンク4に枢支されている。従ってスラット1はリンク4に対して樹脂キャップ3のボス部32(ピン33)を回動中心として枢支される。ボス部32は、リンク4側の端部に拡径方向において外側に突出した突起部321を有する。突起部321はスラット1が直立状態でリンク4の外側壁441の上方に開状態から閉状態に向けて回動する方向で当接し、それ以上の回動を制限する。その結果、直立状態のスラット1の下端がそれ以上内側に移動するのを規制する。逆に、スラット1の下端が外側に移動するのは規制しない。
【0023】
樹脂キャップ3の本体部31は、図8に示されるように、下方がスラット1の端部11aより下側に若干突出している樹脂下方311をもち、更には上方がスラット1の平坦部12bより上方に若干突出している樹脂上方312を有する。図8では、部材を見分けやすいように、断面で表されているスラット1を断面を示す斜線で表示している。スラット1が直立状態となる際、上下に位置する樹脂キャップ3の本体部31同士がスラット1よりも先に当接する。樹脂下方311及び樹脂上方312の形状は、スラット1同士の嵌合を邪魔するほど突出しておらず、また、スラット1同士が当接後、嵌合するまでの間を邪魔しない形状である。なお、樹脂上方312と樹脂下方311とはいずれか一方だけが形成されているような形態であってもスラット1よりも先に当接するような関係であれば良い。
【0024】
本実施形態のシャッタ装置によれば、スラット1は、直立状態における重心位置が回動軸より下方で外側に位置するため、自重によるモーメントによって常時、重心が回動軸の下方に移動しようとする。そのため、重心より下方に位置するスラットの下端が内側に移動するため、スラットは閉方向に常に付勢される。本実施形態の1シャッタ装置には、スラット1を一方向に常時付勢するスプリングなどは取り付けられていない。よって、スプリングなどの部品点数が削減でき、スプリングなどを取り付ける組み立て工数も削減できる。
【0025】
また、スラット1は、以下の(1)及び(2)の構成のうち少なくとも1つを有することで、スラット1の直立状態を維持することができる。(1)上下に位置するスラット同士が当接する。(2)リンク4の壁44が樹脂キャップ3のボス部32の突起部321に当接する。
【0026】
その他に、樹脂キャップ3がスラット1同士よりも先に当接することで、スラット1同士の当たり音を緩和することができる。
【0027】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、スラット1はソリッド形状をもつもので説明を行ったが、ホロー形状をもつスラットを採用しても良い。
【符号の説明】
【0028】
1:スラット、 10:重心、 11:上方、 11a:端部、 12:下方、
12a:外面、 12b:平坦部、 13:水平突出部、
21:シャッタカーテン、 22:巻取体、 23:モータ、 24:収納体、
25:ガイドレール、 26:線状体、
3:樹脂キャップ、 31:本体、 311:樹脂下方、 312:樹脂上方、
32:ボス部、 321:突起部、 33:ピン、 34:係止ピン、
4:リンク、 41:長穴、 42:係合穴、 43:長穴挿入部、 44:壁、
441:外側壁、 442内側壁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8