特許第5971572号(P5971572)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5971572
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】ボトム衣類
(51)【国際特許分類】
   A41C 1/00 20060101AFI20160804BHJP
   A41B 9/04 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   A41C1/00 F
   A41B9/04 G
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-538052(P2014-538052)
(86)(22)【出願日】2012年9月28日
(86)【国際出願番号】JP2012075190
(87)【国際公開番号】WO2014049857
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2014年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】306033379
【氏名又は名称】株式会社ワコール
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100129137
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 ゆみ
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】杉野 菜穂子
(72)【発明者】
【氏名】隈井 順子
【審査官】 間中 耕治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−107844(JP,A)
【文献】 特開2004−156153(JP,A)
【文献】 特開2011−017116(JP,A)
【文献】 特開2011−214188(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0186001(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 1/00
A41B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補整機能を有するボトム衣類であって、
ボトム本体部と、着圧生成部とを含み、
前記ボトム本体部は、ヒップに密着するために伸縮性を有し、
前記着圧生成部は、前記ボトム本体部の背面側において、着用時におけるヒップトップの位置よりも上側であって後中心から左右両脇に至る領域の少なくとも一部に設けられ、
前記着圧生成部は、前記ボトム本体部の着丈方向の伸縮性と比べて少なくとも着丈方向に低伸縮であり、
前記着圧生成部は、着用時におけるヒップとの間の単位面積当たりの摩擦抵抗力が前記ボトム本体部よりも相対的に大きいことを特徴とするボトム衣類。
【請求項2】
前記着圧生成部が、着用時における腸骨の位置の少なくとも一部を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1記載のボトム衣類。
【請求項3】
前記着圧生成部が、前記ボトム本体部の背面側から脇側を通り、前側に至るように配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のボトム衣類。
【請求項4】
前記衣類がガードルであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のボトム衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトム衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のヒップアップ機能を有するショーツおよびガードル等のボトム衣類では、ヒップの肉を下から支えるために、ヒップ下部にパワー部が設けられていた。前記パワー部は、例えば、他の部位よりも伸縮性を低くするといった手法によって形成されていた。例えば、特許文献1では、ウエストラインの背面部に於ける中央付近から、臀部と臀部の間を通り下に向かい、それぞれの臀部の輪郭に沿いながら臀部のおよそ下方と臀部のおよそ側面部を通り、ウエストラインに至る部分に釣り上げ用サポーターを設けたガードルが提案されている。また、特許文献2では、下着本体の裏側の前中心上端から脚部の付け根部分を巻いて左右対称に縫付けられた伸縮性生地からなる1対のヨーク部材が配置され、前記ヨーク部材には引っ張り力が掛けられている体型補整用下着が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−316902号公報
【特許文献2】特開2007−77566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記ガードルおよび体型補整用下着を含めたヒップアップ機能を有する従来のボトム衣類では、着用直後はヒップアップ可能であるが、動いているうちにヒップ下部にガードル等が着崩れて食い込んでしまい、ヒップアップしたシルエットを保つことができないという問題があった。また、前記従来のボトム衣類では、着用時に締め付け感があり、動いて着崩れることによって食い込みが生じてさらに締め付け感が増すという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、着用して動いても着崩れることなく、ヒップアップしたシルエットを保持することができ、かつ、締め付け感を軽減することができるボトム衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のボトム衣類は、
補整機能を有するボトム衣類であって、
ボトム本体部と、着圧生成部とを含み、
前記ボトム本体部は、ヒップに密着するために伸縮性を有し、
前記着圧生成部は、前記ボトム本体部の背面側において、着用時におけるヒップトップの位置よりも上側であって後中心から左右両脇に至る領域の少なくとも一部に設けられ、
前記着圧生成部は、前記着圧生成部が設けられている領域の着圧を高めるために、少なくとも着丈方向に低伸縮であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のボトム衣類によれば、着用して動いても着崩れることなく、ヒップアップしたシルエットを保持することができ、かつ、締め付け感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係るガードル100を示す図である。図1(a)は、ガードル100の正面斜視図、図1(b)は、ガードル100の背面斜視図、図1(c)は、ガードル100の背面図である。
図2図2は、前記第1の実施形態に係るガードル100の着圧のかかり方のイメージを説明する図である。図2(a)は、ガードル100を着用した状態を示す模式図であり、図2(b)は、従来のヒップアップ機能を有するガードル着用した状態を示す模式図である。
図3図3は、前記第1の実施形態に係るガードル100のヒップの持ち上げ方を説明する図である。図3(a)は、ガードル100におけるヒップの持ち上げ方を説明する図であり、図3(b)は、従来のガードルにおけるヒップの持ち上げ方を説明する図である。
図4図4(a)および(b)は、前記第1の実施形態に係るガードル100および従来のガードルについて、皮膚の伸縮の仕方とガードルの生地の伸縮の仕方の対応を説明する図である。
図5図5は、前記第1の実施形態に係るガードル100の着用の仕方を説明する図である。
図6図6(a)〜(d)は、本発明における着圧生成部のバリエーションを示す図である。
図7図7は、前記第1の実施形態に係るガードル100における着圧生成部の位置を説明する図である。
図8図8は、前記第1の実施形態に係るガードル100の変形例を示す図である。
図9図9は、本発明の評価における着圧の測定位置を示す図である。
図10図10は、本発明の評価の結果を示すグラフである。
図11図11は、本発明の評価における着圧の測定位置を示す図である。
図12図12は、本発明の評価の結果を示すグラフである。
図13図13(a)〜(d)は、本発明の着用評価の結果を示す図である。
図14図14(a)および(b)は、本発明の着用評価の結果を示す背面図である。
図15図15は、本発明の第2の実施形態に係るガードル200を示す背面斜視図である。
図16図16は、臀部の皮膚の上下方向への伸びを説明する図である。
図17図17(a)および(b)は、前屈動作時の臀溝部の皮膚の上下方向への伸び率を観察した図である。
図18図18は、ヒップ周辺部のランゲルラインの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者は、ガードル等のヒップ下部への食い込みが生じる原因を解明するため、鋭意研究を行った。その結果、後述のとおり、臀溝部の皮膚が非常に伸びやすいことが判明した。そして、食い込みの原因は、ガードル等の着用時に臀溝部に該当する位置の生地が、着用者の動作または姿勢変化に伴う前記臀溝部の皮膚の伸縮に追随できないことにあることがわかった。
【0010】
図16は、臀部の皮膚の上下方向への伸びを説明する図である。図16において、Xで示す部分は、右足を上げた時の、皮膚の伸び率が最も大きい箇所である。図16に示すように、腰部、臀部および大腿部の中で、臀溝部の皮膚が最も伸び率が大きくなっている。また、図17(a)および(b)は、前屈動作時の臀溝部の皮膚の上下方向への伸び率を観察した図である。図17(a)は、前屈時の皮膚の状態を示す図であり、図17(b)は、直立時の皮膚の状態を示す図である。図17(a)において黒点1〜5および白点1〜5を付した箇所と、図17(b)において黒点1〜5および白点1〜5を付した箇所とは、同じ箇所である。まず、図17(b)に示す直立時では、黒点と白点との距離が狭く、臀溝部の皮膚が折り畳まれるように内に入り込んでいることがわかる。一方、図17(a)に示す前屈時では、黒点と白点との間の距離が開き、皮膚が大きく伸びていることがわかる。このように、臀溝部の皮膚は非常に伸び易く、運動による変化が大きい箇所といえる。
【0011】
従来のヒップアップ機能を有するボトム衣類では、前述のとおり、ヒップ下部にパワーの強い部位(パワー部)が設けられており、臀溝部に該当する位置が伸びにくくなっていた。そのため、前述のように運動時に大きく変化する臀溝部の皮膚の動きに衣類の生地が追随できず、食い込みが生じていた。そこで、本発明者は、ヒップを下から支えるのではなく、ヒップ上部での着圧を高め、ヒップ上部でヒップの肉を保持することで、食い込みを効果的に防止し、ヒップアップしたシルエットを保持することができることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明のボトム衣類について、例をあげて説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定および制限されない。
【0013】
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係るガードル100を示す。図1(a)は、ガードル100の正面斜視図であり、図1(b)は、ガードル100の背面斜視図であり、図1(c)は、ガードル100の背面図である。本実施形態のガードル100は、補整機能を有するボトム衣類であって、ボトム本体部(以下「本体部」ともいう。)101と、着圧生成部102とを含む。ここで、「着圧」とは、着用者の着用した部位にかかる圧力をいう。本実施形態において、ガードル100は、大腿部までを覆うロングタイプのガードルである。なお、本発明において、「補整機能」とはヒップアップ機能をいい、その他の機能については、あってもなくてもよい。なお、図1(a)に示す符号L1は、着丈(上下)方向を示しており、符号L2はわたり(左右)方向を示すものである。着丈方向およびわたり方向については、図1(a)以降の図においても同様であるが、図面の簡略化のため、図1(a)以外の図では、符号L1および符号L2は省略している。
【0014】
本実施形態では、着圧生成部102は、図1(c)に示すように、本体部101の背面側において、着用時におけるヒップトップの位置Pよりも上側であって後中心Tから左右両脇SおよびS´に至る領域の少なくとも一部に設けられている。ここで、「後中心」とは、本例のガードルを着用者が着用したときに、着用者の臀裂付近となる位置をいう。また、「左右」とは、前から見た左右であっても、後から見た左右であってもよい。
【0015】
本発明では、前述のとおり、着用時におけるヒップトップの位置よりも上側の位置に着圧生成部102が設けられていることにより、ヒップ上部の着圧が、従来のガードルと比較して高くなっている。ここで、「ヒップ上部」とは、着圧生成部102が設けられている領域をいう。また、本発明では、ヒップトップの位置よりも上部に着圧生成部102が形成されていることにより、ガードル100における着圧のバランスが、従来のガードルと比較して変化している。図2に、本実施形態に係るガードル100の着圧のかかり方のイメージを説明する図を示す。図2(a)は、本実施形態に係るガードル100を着用した状態を示す模式図であり、図2(b)は、従来のヒップアップ機能を有するガードルを着用した状態を示す模式図である。まず、図2(b)に示すように、従来のガードルでは、ヒップを下から押し上げるように形成されていたため、ヒップ下部のみに大きな着圧がかかっていた。一方、図2(a)に示すように、本実施形態のガードル100では、着圧生成部102の位置の着圧が高まっている。ここで、発明者らが研究を重ねたところ、図2(a)に示すように、従来のガードルと比較してヒップ上部の着圧が高くなるように着圧生成部を形成し、ヒップを引き上げることによって、補整機能が得られるとの知見を得た。また、この知見によれば、従来のガードル等の補整機能を有する衣類のように、皮膚が伸び易いヒップ下部に対して大きな着圧が作用しないため、ヒップ下部に対して本体部が食い込みにくいという利点がある。
【0016】
図3において、本実施形態に係るガードル100のヒップの持ち上げ方を説明する。図3(a)は、本実施形態に係るガードル100におけるヒップの持ち上げ方を説明する図であり、図3(b)は、従来のガードルにおけるヒップの持ち上げ方を説明する図である。図3(a)および(b)では、手でヒップの肉を持ち上げることにより、それぞれのガードルのヒップの持ち上げ方を示している。図3では、皮膚の動きが分かりやすくなるように、臀部に格子状の線を描いている。まず、図3(b)に示すように、従来のガードルでは、臀溝部を臀裂側から脇側上方向へ(図中に矢印で示す方向)に押し上げるようにしてヒップの肉を持ち上げていた。しかし、この方法では、図中において破線で囲んだ部分にヒップの肉が残ってしまい、ヒップ全体を持ち上げることができていなかった。特に、加齢によりヒップに弛みが生じている場合、持ち上げることができずヒップ下部に残る肉が多くなっていた。これに対し、図3(a)に示すように、本発明のガードル100では、着圧生成部102により、ヒップ上部において、ヒップを上方向(図中に矢印で示す方向)に引き上げて保持することができる。そのため、ヒップ全体を引き上げることができ、弛んだ肉が臀溝部に残らない。したがって、本発明によれば、従来のガードルのようにヒップ下部を支えるパワーの強い部位を設けなくても高いヒップアップ効果を実現することができ、よりきれいなシルエットに整えることができる。
【0017】
本実施形態において、着圧生成部102は、着丈方向に低伸縮である。一方、本体部101は、着丈方向に相対的に伸び易い。ここで、一般に人体のヒップ上部の皮膚は着丈方向に伸び難い。このため、着圧生成部102によって、伸び難いヒップ上部の皮膚が上方に引き上げられると、その引き上げ力がヒップ下部の皮膚の伸び易い部分にも伝達されるため、ヒップ下部も引き上げることができる。また、ヒップ下部を覆う本体部101は、着圧生成部102と異なり着丈方向に伸縮し易いため、ヒップ下部の皮膚の伸縮に容易に追随することができ、着崩れを抑制することも可能となる。このため、ガードル100によれば、着崩れを防止しつつ、ヒップアップ効果をも得ることができる。また、本実施形態において、本体部101は、伸縮性を有し、着用時にヒップに密着する。そして、本体部101は、ヒップ上部で着圧生成部102によってずり下がらないように支えられているため、本体101のヒップへの密着性も高まる。
【0018】
図4に、本実施形態に係るガードル100および従来のガードルについて、皮膚の伸縮の仕方とガードルの生地の伸縮の仕方の対応を説明する図を示す。図4(a)は、本実施形態に係るガードル100を着用した状態を示す模式図であり、図4(b)は、従来のヒップアップ機能を有するガードルを着用した状態を示す模式図である。同図において、白抜き矢印は生地の伸びを示し、黒矢印は皮膚の伸びを示す。まず、図4(b)に示すように、ヒップ下部は上下方向への皮膚の伸びが大きいにもかかわらず、従来のガードルでは、当該位置には前述のとおり補整力を得るためにパワーの強い部位が設けられていたため、生地の上下方向への伸びが小さくなっていた。このように、従来のガードルでは、皮膚の伸びに衣類の生地の伸びが対応していないことが、食い込み、または、ずれ等の着崩れを発生させる原因となっていた。これに対し、図4(a)に示すように、本実施形態のガードル100では、皮膚の伸びが小さいヒップ上部に、上下方向に低伸縮である着圧生成部102が配置され、皮膚の伸びが大きいヒップ下部に位置する本体部101には、伸縮性を有する生地が用いられている。これにより、本実施形態では、皮膚の伸びに衣類の生地の伸びが対応しているため、着崩れを防止することができる。
【0019】
本実施形態において、着圧生成部102が着丈方向に「低伸縮」であるとは、本体部101のその他の部分の着丈方向の伸縮性と比べて、着圧生成部102の伸縮性が低いことを意味する。
【0020】
前述のように、ヒップ下部の皮膚は上下方向への伸びが大きいため、この皮膚の伸びに追随可能となるように、本体部101は、上下方向に伸縮性が高いことが好ましい。
【0021】
次に、本実施形態に係るガードル100の好ましい着用の仕方を説明する。図5に、ガードル100の着用の仕方を、左側から順に時系列で表す図を示す。図5に示すように、ガードル100を穿きこむ際には、ガードル100がヒップから離れないようにヒップのボリュームに沿わせた(密着した)状態を保持しつつ穿きこむことが好ましい。こうすることにより、ヒップの肉が全体的に持ちあがり、持ち上げたヒップの肉をヒップ上部に位置する着圧生成部102によって保持するため、効果的にヒップアップすることが可能となる。
【0022】
このように、本発明によれば、着圧生成部によって、ヒップ上部でヒップ全体を保持することができるため、効果的にヒップアップすることが可能となる。また、本発明によれば、ヒップ下部からの支えがなくても、着圧生成部によってヒップ上部でヒップの肉を保持することができるため、臀溝部の位置に皮膚の動きに追随できない生地を配置する必要がなく、食い込みを防止することができる。また、本発明は、ヒップ下部にはヒップを持ち上げるための緊締部等を設ける必要がないため、着用時の圧迫感を軽減することができる。
【0023】
本実施形態において、着圧生成部102は、着用時における腸骨の位置の少なくとも一部を覆うように設けられていることが好ましい。これにより、腸骨の位置の皮膚は上下方向に伸びにくいため、着圧生成部の位置をより安定させることができる。ただし、本発明において、着圧生成部の位置は、着用時におけるヒップトップの位置よりも上側であれば特に制限されず、例えば、ローライズタイプのガードルの場合、ハイウエストタイプのガードルの場合等、衣類のデザインに応じて配置する箇所を決定することができる。
【0024】
本実施形態において、着圧生成部102は、滑り止め機能を有することが好ましい。前記滑り止め機能の例として、例えば、着圧生成部102は、着用時において、単位面積あたりのヒップとの間の摩擦抵抗力が本体部101の単位面積あたりのヒップとの間の摩擦抵抗力よりも相対的に大きいことが好ましい。この場合には、ガードル100を着用する際に、摩擦抵抗力でヒップの肉を持ち上げることができ、かつ、持ち上げた肉を滑らずに保持することができる。
【0025】
本実施形態において、前記摩擦抵抗力は、着用時にヒップの肉を持ち上げ、かつ、持ち上げた肉を保持できる程度であれば、特に制限されず、着圧生成部102としては、例えば、樹脂プリント、または、ナノ繊維等を用いてもよい。また、着圧生成部102を本体部101の編地の一部として形成する場合も考えられるが、このような場合には、本体部101の編組織を着圧生成部102に相当する領域だけ変更して形成するようにしてもよいし、着圧生成部102に相当する領域だけ糸種を変更するようにしてもよい。
【0026】
本実施形態において、着圧生成部102は、着用時に、わたり方向に引き伸ばされるため、着圧生成部102には、生地が引き伸ばされた状態でも滑り止め効果を有する生地を使用することが好ましい。このような生地の例として、例えば、経編によって編成された伸縮性を有する基本組織と、圧縮力の作用によって撓みが生じると表面積が増加する特性を有する長繊維または短繊維から成る浮かし糸とで構成され、浮かし糸が基本組織に対して経方向に編み込まれる毎に異なる方向に振られ、かつ、幅方向の両端側で基本組織に編み込まれる部分以外が基本組織の表側に露出する浮かし編み(パイル)組織を備えている編地が挙げられる(以下、この編地を「素材W」ともいう。)。この素材Wでは、浮かし編み組織が、編地の編み込み方向と直交する方向の両端側以外では基本組織に編み込まれておらず、基本組織の表側に露出している。そのため、素材Wが経(編み込み)方向に引っ張られて幅方向に縮むと、浮かし糸のループを形成する部分以外の部分に撓みが生じ、その結果編地の表側に膨らんだ状態となる。これにより、素材Wは、経方向に引き伸ばされても表面積が大きい状態を保つことができるため、肌と接したときの摩擦抵抗を向上させて、滑りにくくすることができる。そこで、このような素材Wを、その経方向が本体部101のわたり方向に一致する、または、図1に示す着圧生成部102のように本体部101のわたり方向に沿うように配置することにより、着用状態で引き伸ばされたときも肌に接したときに高い摩擦抵抗力が生じるため、好ましい。
【0027】
本実施形態において、着圧生成部102は、別部材を本体部101に取り付けて形成されている。ただし、本発明はこれに限られず、例えば樹脂を本体部101に塗布して伸縮性を下げることにより着圧生成部102を形成してもよいし、さらには、本体部101の組織を部分的に変更することによって伸縮性を下げることにより着圧生成部102を形成してもよい。また、着圧生成部102は、抜染または抜蝕加工を利用して形成してもよいし、編地の形成する糸種を部分的に変更するといった手法によって編地の伸縮性を変化させることによって形成してもよい。
【0028】
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態では、着圧生成部102は、本体部101の背面側から脇側を通り、前側に至るように配置されている。皮膚は、体の前側、脇側および後側において全て繋がっているため、このように着圧生成部を背面側のみではなく前側まで配置することにより、前側および脇側も含めて広い範囲で皮膚を保持することができ、より安定してヒップを保持することができるため、好ましい。ただし、本発明はこれに限られず、着圧生成部は、前述のとおり、本体部の背面側において、着用時におけるヒップトップの位置よりも上側であって後中心から左右両脇に至る領域の少なくとも一部に設けられていればよい。また、本実施形態では、着圧生成部102は、後中心で連結されておらず、左右別々に設けられているが、本発明はこれに限られず、左右の着圧生成部が連結されていてもよい。
【0029】
図18は、ヒップ周辺部のランゲルラインの構成を模式的に示す図である。本発明において、着圧生成部は、体のランゲルラインに沿って配置されていることが好ましい。「ランゲルライン」とは、皮膚割線のことである。発明者らの研究によると、ランゲルラインに沿う方向には、相対的に皮膚が移動しにくく、ランゲルラインに対して直交する方向には、相対的に皮膚が移動し易いとの知見が得られている。本発明において、着圧生成部をランゲルラインに沿って配置することにより、ガードル100を穿き込む際には、ヒップ周辺のランゲルラインと直交する方向である上方向に皮膚を押し上げるため、ヒップのボリュームを効率良く上側へと移動させることができるため好ましい。一方、着用状態においても、着圧生成部102の長手方向がランゲルラインに沿うように配置されているため、ガードル100がずれにくい状態となるので、穿き込み時に上へ移動させたヒップのボリュームをしっかり保持することができるメリットもあり好ましい。
【0030】
図6に、本発明における着圧生成部102のバリエーションの図を示す。本発明において、着圧生成部102は、図6(a)に示すように、帯状の一部材で形成されていてもよいし、図6(b)および(c)に示すように、複数の横長の帯状の部材が間隔を空けて配置されることにより構成されていてもよい。図6(b)および(c)のように着圧生成部102が間隔を空けた複数の横長の帯状の部材で構成されている場合、着圧生成部102が、皮膚の動きに追随しやすくなるため好ましい。また、図6(d)は、図1に示すタイプのガードル100よりも、本体部101の前側において着圧生成部102が設けられている距離が短くなっている。このように、本発明では、本体部の前側における着圧生成部を設ける距離については、デザインまたは実現したい着圧の加え方に応じて適宜決定することができる。なお、本実施形態では、着圧生成部102を帯状に形成する例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、着圧生成部を、花柄、幾何柄等の各種の意匠性の有るデザインの形状としてもよい。
【0031】
本実施形態において、着用時にガードル100がヒップに密着した状態を保持しつつヒップの肉を持ち上げていきながら着用することが可能となるように、ガードル100は、直接肌に触れる、いわゆる直ばきタイプであることが好ましい。ただし、本発明はこれに限られず、例えばショーツ等を着用した上から着用するタイプのガードルであってもよい。
【0032】
本実施形態において、前述のとおり、ヒップの肉を下から持ち上げていきながら着用することが好ましいため、着用時に、着圧生成部102を肌に密着させて着用することが好ましい。そのため、着圧生成部102は、図7に示すように、本体部101の上縁部よりも少し下がった位置に配置されていることが好ましい。これにより、着用時にガードル100を手でつかんで引き上げる際、着圧生成部102ではなく、着圧生成部102の上側の本体部101をつかむことができるため、着圧生成部102を肌に密着させることができ、好ましい。
【0033】
本実施形態は、ヒップ下部には本体部101以外は何も配置しない態様であるが、本発明はこれに限られず、例えば、ヒップアップ機能を有する従来のガードルと本発明とを組み合わせて使用することもできる。図8に、本実施形態の変形例であるガードル100´を示す。図8は、ガードル100´の背面図である。図8に示すように、本例のガードル100´は、着用時の臀溝部に該当する位置に、ヒップを持ち上げるためのライン部103を有する。本例において、ライン部103の態様は、特に制限されず、ヒップアップ機能を有する従来のガードルと同様の構成となっている。このように、従来のガードルに本発明の着圧生成部を設けることにより、ヒップ下部のみでヒップを支えるのではなく、ヒップ上部で肉を保持することができる。そのため、従来のガードルと比較して、本例のガードルでは着圧のバランスが変化し、その結果、臀溝部への生地の食い込みを軽減することができる。
【0034】
(評価1)
本発明の実施形態1に係るガードル100、および、本発明の実施形態1に係るガードル100の変形例(ガードル100´)を作製し、着圧の測定を行った。また、比較例として、従来のヒップアップ機能を有するガードルCおよびDについても、同様にして着圧を測定した。前記従来のガードルCおよびDは、臀溝部にヒップアップのためのライン部を有するタイプのガードルである。
【0035】
本評価において、前記本発明のガードル100および前記本発明のガードル100´ともに、着圧生成部102は、図6(c)に示す3本の横長の帯状の部材が間隔を空けて配置されている態様とした。また、本評価において、着圧生成部102には、前記素材Wを使用した。また、本評価では、前記本発明のガードル100´は、前記従来のガードルCのヒップ上部の位置に着圧生成部102を付けたものとした。
【0036】
本評価では、トルソーに前記本発明のガードル100および前記本発明のガードル100´を着用させ、トルソーとガードルとの間に着圧を図るセンサーを配置して、着圧を測定した。また、前記従来のガードルCおよび前記従来のガードルDについても、同様にして測定した。
【0037】
図9に、本評価において着圧を測定した箇所を示す。図9に示すように、本評価では、臀溝部(X)、および、着圧生成部102が配置されている箇所であるヒップ上部(Y)の着圧を測定した。そして、臀溝部(X)の着圧とヒップ上部(Y)の着圧の比率(Y/X)を求めた。その結果を、図10および表1に示す。図10および表1に示すように、従来のガードルCおよびDと比較して、本発明であるガードル100およびガードル100´は、ヒップ上部(Y)の着圧が高まっていた。特に、本発明のガードル100´と従来のガードルCとを比較すると、ガードル100´ではヒップ上部(Y)の着圧が高まっており、従来の臀溝部にヒップアップのためのライン部を有するタイプのガードルと本発明とを組み合わせることによって、ヒップ上部の着圧を高めることができることがわかった。また、図10および表1に示すように、従来のガードルCおよびDと比較して、本発明であるガードル100およびガードル100´では、Y/Xの値が大きくなり、着圧のバランスが変化していることがわかった。中でも、本発明のガードル100´と従来のガードルCとを比較すると、従来の臀溝部にヒップアップのためのライン部を有するタイプのガードルと本発明とを組み合わせることによって、ガードル内の着圧のバランスが変化することがわかった。ここで、ガードル100と、ガードル100´との着用状態を比較すると、ガードル100´では、ライン部103が臀溝部に設けられているため、運動を行った際にヒップ下部に対して若干、食い込みやすい傾向が見られた。これに対して、ガードル100では、ライン部103に相当する部分がヒップ下部に設けられていないため、運動を行った際にもヒップ下部に対する食い込みが抑制されていた。一方、ガードル100´と、従来のガードルCおよびDとの着用状態を対比すると、いずれも臀溝部にライン部を有する(ガードル100´では、ライン部103が該当)が、ガードル100´の方が、従来のガードルCおよびDよりも臀溝部への食い込みが少なかった。このため、ガードル100´のように、臀部にサポート部を有するガードルの場合において本発明の構成を適用すると、臀部に対するサポート部の食い込みを低減することができるという効果があることが分かった。
【0038】
【表1】
【0039】
(評価2)
着圧を測定した箇所を、図11に示すように、臀溝部脇側(Z)、および、着圧生成部102が配置されている箇所であるヒップ上部(Y)とした以外は、前記評価1と同様にして、各ガードルの着圧を測定した。その結果を、図12および表2に示す。図12および表2に示すように、従来のガードルCおよびDと比較して、本発明であるガードル100およびガードル100´では、Y/Zの値が大きくなり、着圧のバランスが変化していることがわかった。
【0040】
【表2】
【0041】
(着用客観評価)
[着用客観評価1]
本発明の実施形態1に係るガードル100を作製し、着用評価を行った。本評価において、本発明のガードル100の着圧生成部102は、図6(c)に示す3本の横長の帯状の部材が間隔を空けて配置されている態様とした。また、本評価において、着圧生成部102には、前記素材Wを使用した。本評価では、前記ガードル100をモニターが着用して運動し、着用直後(運動前)および運動後の横から見たシルエットを観察した。前記運動の内容は、腿を上に上げてその下で両手を合わせる運動(1セット左右1回ずつを3セット)、屈伸(3回)、前屈および後屈(各1回)、体を横に曲げる運動(左右各1回)とした。また、比較例として、前記評価1での従来のガードルCおよびDについても同一のモニターが着用し、前記と同様にして、着用直後と運動後の横から見たシルエットを観察した。
【0042】
その結果を、図13に示す。図13において、(a)は、ヌードの状態、(b)は、前記本発明のガードル100を着用した状態、(c)は、前記従来のガードルCを着用した状態、(d)は、前記従来のガードルDを着用した状態であり、各図において、上段は着用直後の状態、下段は運動後の状態を示す。
【0043】
まず、着用直後の状態である図13の上段について比較すると、本発明のガードルは、ヒップ下からの支えがないにも関わらず、従来のガードルCおよび従来のガードルDと同程度にヒップアップされていた。これにより、本発明のガードル100には、十分なヒップアップ効果があることがわかった。また、従来のガードルCおよび従来のガードルDと比べ、本発明のガードル100の方が、ヒップラインが滑らかであり、自然できれいな形でヒップアップできることがわかった。
【0044】
次に、運動後の状態である図13の下段について比較すると、従来のガードルCおよび従来のガードルDでは、上段の図と比較してヒップが下に下がっており、図中に破線で囲んだ部分において、食い込みが生じていた。これに対し、本発明のガードル100では、上段の図と比較してもシルエットが変わらず、ヒップ下部に食い込みも生じなかった。これにより、本発明のガードル100は、運動しても着崩れないことがわかった。
【0045】
[着用客観評価2]
前記着用客観評価1で用いたものと同様の本発明のガードル100について、運動前と運動後とで着崩れの有無を確認した。本発明のガードル100について、運動前にガードル100に引いたラインが、運動後にどの程度ずれているかを観察した。ここでの運動の内容は、前記着用客観評価1と同様とした。また、前記着用客観評価1で用いたものと同様の従来のガードルCについても同様にして、着崩れの有無を確認した。
【0046】
その結果を、図14に示す。図14において、(a)は、本発明のガードル100を着用した状態、(b)は、従来のガードルCを着用した状態であり、各図において、左側は、直立時、右側は前屈時の背面図である。また、各図において、実線で示すラインは、運動前のラインであり、破線で示すラインは、前記運動前のラインの運動後の位置を示すラインである。図14(a)に示すように、本発明のガードル100では、実線と破線とがほぼ重なっており、運動後でも運動前のラインの位置から動いていないことがわかった。特に、図中に矢印で示す臀溝部のラインには、全くずれが見られなかった。これに対し、図14(b)に示すように、従来のガードルCでは、運動前のラインと運動後のラインとが大きくずれていた。これにより、本発明のガードル100では、運動しても、運動前の状態から位置が変わらず、着崩れないことがわかった。なお、上記の破線と実線とでそれぞれ示されるラインは、着用者の臀部に付された基準となるマークを、運動前および運動後において着用状態でガードルの上から適当な方法でそれぞれなぞったものである。なお、この測定方法の場合、運動前のラインは、運動中にガードルと皮膚が多少ずれるため、運動後の位置が運動前の位置とは厳密には一致しないが、運動前後における上記のずれの大きさおよび傾向を大まかに把握することができる点に意義がある。
【0047】
(着用主観評価)
本発明の実施形態1に係るガードル100を作製し、着用評価を行った。本評価において、本発明のガードル100の着圧生成部102は、図6(c)に示す3本の横長の帯状の部材が間隔を空けて配置されている態様とした。また、本評価において、着圧生成部102には、前記素材Wを使用した。本評価において、モニターは9名とした。また、比較例として、同一のモニター9名に、前記着用客観評価1で使用したものと同様の従来のガードルCおよびDを着用してもらった。
【0048】
その結果、従来のガードルCと比較した場合、および、従来のガードルDと比較した場合ともに、9名全員が、本発明のガードル100の方が着崩れないと回答した。また、従来のガードルCと比較した場合、および、従来のガードルDと比較した場合ともに、9名全員が、本発明のガードル100の方が自然なシルエットでヒップアップできると回答した。そして、従来のガードルCと比較した場合、および、従来のガードルDと比較した場合ともに、9名全員が、本発明のガードル100の方が締め付け感がないと回答した。さらに、従来のガードルCと比較した場合、および、従来のガードルDと比較した場合ともに、9名全員が、本発明のガードル100の方がヒップ下部の食い込みが生じず動きやすいと回答した。これにより、本発明のガードル100は、自然なシルエットでヒップアップ可能で、ヒップ下部への生地の食い込みおよび着崩れが生じず、かつ、締め付け感がないことが確認できた。
【0049】
(第2の実施形態)
図15に、本発明の第2の実施形態に係るガードル200を示す。図15は、ガードル200の背面斜視図である。図15において、図1と同一部分には、同一符号を付し、説明を省略している。
【0050】
本実施形態において、ガードル200は、大腿部を覆う部分を有さない、ショーツタイプのガードルである。このように、本発明は、ロングタイプのガードルに限らず、様々なタイプのガードルに適用することができる。
【0051】
以上、実施の形態の具体例として、ガードルをあげて本発明を説明したが、本発明のボトム衣類は、これらの具体例で記載されたもののみに限定されるものではなく、種々の態様が可能である。例えば、ガードルの他、ショーツにも適用可能であるし、さらに、上記の実施形態のようなファンデーション衣類以外にも、レオタード、水着、その他各種の衣類に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、着用して動いても着崩れることなく、ヒップアップしたシルエットを保持することができ、かつ、締め付け感を軽減することができるボトム衣類を提供することができる。したがって、本発明は、体型を補整するための衣類において、有効に利用することができるが、その用途は限定されず、広い分野で使用することができる。
【符号の説明】
【0053】
100、100´、200 ボトム衣類(ガードル)
101 (ボトム)本体部
102 着圧生成部
P ヒップトップ
T 後中心
S、S´ ボトム本体部の左右両脇
L1 着丈(上下)方向
L2 わたり(左右)方向
図1
図2
図3
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