(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、平台において、棚板に対して支柱を螺子込みにより固定する方法は、依然として、簡単な取り付け方法とは言えず、特に樹脂製のパイプ部材にボルト螺子を形成することは製造工程を複雑にするものであった。また、特開2010−233769号公報の組立棚は、棚板の端部を支柱で支持しているため、棚板の端から内側に入ったところで支持することはできないものであった。また、特開2005−211573号公報の組立棚用固定装置や特開2006−14791号公報の棚板取付装置は、いずれも固定部材として、特定形状のピンやボルトを使用するため、組み付けが簡単とは言えない。
【0007】
従って、本発明の目的は、ピンやボルトを使用せず、パイプ同士の圧入による嵌合のみでガタ付きのない支柱継手が得られる支柱継手構造体及びこれを用いた平台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、上記課題を解決するものであって、パイプ状の第1支柱本体部の一端に、該第1支柱本体部の外周面から外側に延びる第1鍔部と嵌合側方向に延びるパイプ状の第1嵌合部を有する第1支柱と、パイプ状の第2支柱本体部の一端に、該第2支柱本体部の外周面から外側に延びる第2鍔部と嵌合側方向に延びるパイプ状の第2嵌合部を有する第2支柱と、該第1嵌合部が圧入により嵌る貫通孔を有する棚板と、を備え、該第1嵌合部の外周面と内周面に凹凸を形成するか、又は該第1嵌合部の外周面と該第2嵌合部の外周面に凹凸を形成するものであり、該棚板の貫通孔に該第1嵌合部を圧入により嵌め、該第1嵌合部の中に第2嵌合部を圧入により嵌め、該第1鍔部と該第2鍔部で棚板を挟むことで得られることを特徴とする支柱継手構造体を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、パイプ状の支柱本体部の一端に、該支柱本体部の外周面から外側に延びる鍔部と嵌合側方向に延びるパイプ状の嵌合部を有する支柱と、キャップ天板の裏面から嵌合側の方向に延びる該キャップ天板の外径より小の外径を有するパイプ状の嵌合部を有するキャップと、該支柱の嵌合部が圧入により嵌る貫通孔を有する棚板と、を備え、該支柱の嵌合部の外周面と内周面に凹凸を形成するか、又は該支柱の嵌合部の外周面と該キャップの嵌合部の外周面に凹凸を形成するものであり、該棚板の貫通孔に該支柱の嵌合部を圧入により嵌め、該支柱の嵌合部の中に該キャップの嵌合部を圧入により嵌め、該支柱の鍔部と該キャップの天板で棚板を挟むことで得られることを特徴とする支柱継手構造体を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、パイプ状の支柱本体部の一端に、該支柱本体部の外周面から外側に延びる鍔部と嵌合側方向に延びるパイプ状の嵌合部を有する支柱と、基台の表面から嵌合側の方向に延びる該基台の外径より小の外径を有するパイプ状の嵌合部を有するベースキャップと、該ベースキャップの嵌合部が圧入により嵌る貫通孔を有する棚板と、を備え、該支柱の嵌合部の外周面と内周面に凹凸を形成するか、又は該支柱の嵌合部の外周面と該ベースキャップの嵌合部の外周面に凹凸を形成するものであり、該棚板の貫通孔に該ベースキャップの嵌合部を圧入により嵌め、該ベースキャップの嵌合部の中に該支柱の嵌合部を圧入により嵌め、該支柱の鍔部と該ベースキャップの基台で棚板を挟むことで得られることを特徴とする支柱継手構造体を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1支柱の第1嵌合部の中に第2支柱の第2嵌合部を圧入する。この圧入による嵌合は、第1嵌合部の内周面と該2嵌合部の外周面の凹凸との圧接による嵌合であるか、あるいは第1嵌合部の内周面の凹凸と該2嵌合部の外周面との圧接による嵌合であるため、第1支柱と第2支柱はガタ付きのない嵌合が得られる。また、棚板と第1支柱の嵌合は、棚板の貫通孔の内周面と第1嵌合部の凹凸との圧接による嵌合であること、更に第1鍔部と第2鍔部とで棚板を挟むことから、ガタ付きのない嵌合が得られる。また、第2支柱の第2嵌合部の圧入により、第1支柱の第1嵌合部が外側に少し拡がるため、第1嵌合部と棚板との嵌合がより強くなり、嵌合強度が安定する。また、上記の接合は、第1支柱と同じ構造の支柱と特定のキャップと棚板で構成される支柱継手構造体及び第2支柱と同じ構造の支柱と特定のベースキャップと棚板で構成される支柱継手構造体についても同様の作用効果を奏する。このように、本発明によれば、ピンやボルト等の金属類を使用せず、パイプ同士の圧入による嵌合のみでガタ付きのない支柱継手が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の実施の形態における支柱継手構造体を
図1〜
図8を参照して説明する。支柱継手構造体10は、第1支柱1、第2支柱2及び棚板3を組み付けて得られるものであり、第1支柱1及び第2支柱2は樹脂製である。
【0014】
第1支柱1は、パイプ状の第1支柱本体部11の一端(第2支柱2との嵌合側)に、第1支柱本体部11の外周面から外側に延びる第1鍔部12と、先端側(第2支柱2との嵌合側)に延びる外周面に周方向に所定のピッチで複数形成された第1縦リブ131(第1凹凸)を有する筒状の第1嵌合部13を備えるものである。縦リブとは、所定高さと所定幅を有する長さ方向に延びる縦状の突起を言う。
【0015】
すなわち、第1支柱1は、一端から他端に向けて貫通する中空部132を有する全体がパイプ状のものである。第1支柱本体部11のパイプ形状は、本例では四角形断面形状である。また、第1支柱本体部11の他端(第2支柱2との反嵌合側)の構造は、本例では、第1支柱本体部11のパイプ形状であって、更にその外周面に周溝14を形成したものである。周溝14は、第2支柱2の他端に形成された長さ調整機能24と係合するものであり、長さ方向において所定のピッチで3個形成されている。
【0016】
第1鍔部12は、第2鍔部22と協働により棚板3を挟んで支持するものである。第1鍔部12の外径は、特に制限されないが、第1嵌合部13の外径の1.5倍〜3倍程度でよい。第1鍔部12の外径が余り大き過ぎると、第1支柱1を棚板3の載置面側で使用する場合、棚板3上の平坦面部分が占める割合が制限される。また、第1鍔部12の外径が余り小さ過ぎると、棚板3を安定に支持できなくなる。第1鍔部12の形状は、半円錐形状であって、先端側裏面はリブ構造となっている。第1鍔部12の先端側裏面をリブ構造とすることで、軽量化と高強度化を図ることができる。
【0017】
第1嵌合部13は、第1支柱本体部11と連続する中空部132を有する直管の円筒形状である。第1嵌合部13の外径は、棚板3の貫通孔31の内径と同じか、又は棚板3の貫通孔31の内径よりやや大である。このような寸法差ゼロ又は寸法差をプラスとすることで、手で強く押さなければ入らない圧入嵌合を実現している。また、第1嵌合部13の外周面に縦リブのような凹凸を形成しているため、圧入を容易にすると共に、ガタ付きを防止することができる。寸法差プラスとは、第1嵌合部13の外径が、棚板3の貫通孔31の内径より大であることを意味し、具体的には、棚板3の貫通孔31の内径より最大で2.0mm、好適には1.0mm大きい寸法である。このような寸法差プラスで圧入嵌合を得るためには、材質として、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂等の硬化性樹脂を使用すればよい。このような硬質性樹脂であれば、高い強度を有すると共に、押し込みにより少し弾性変形して圧入することが可能である。なお、第1嵌合部13の外径とは、本例では第1縦リブ131における最大外径を言う。また、第1嵌合部13の長さh
1は、特に限定されないが、本例では、棚板3の厚みと略同じであり、第2嵌合部23の長さより短いものである。第1嵌合部13の長さh
1が棚板3の厚みと略同じであれば、棚板3との嵌合は十分である。第1嵌合部13の厚みは、第1縦リブ131が形成されていない部分で、1.5〜2.5mm程度である。
【0018】
第1嵌合部13の外周面に形成される第1縦リブ131は、幅w
1が3〜8mm、本例では5mm、高さが0.6〜1.5mm、本例では1mmであり、周方向に任意又は等ピッチで6〜10個、本例では等ピッチで8個形成される。第1縦リブ131の断面形状としては、例えば四角形、台形、半楕円形等が挙げられる。本例では、第1嵌合部13の内周面に凹凸は形成されていない。
【0019】
第2支柱2は、第1支柱1と嵌合するものであり、パイプ状の第2支柱本体部21の一端(第1支柱1との嵌合側)に、第2支柱本体部21の外周面から外側に延びる第2鍔部22と、先端側(第1支柱1との嵌合側)に延びる外周面に周方向に所定のピッチで複数形成された第2縦リブ231(第2凹凸)を有する筒状の第2嵌合部23を備えるものである。縦リブとは、所定高さを有する長さ方向に延びる縦状の突起を言う。第2嵌合部23は、第1嵌合部13の中に嵌るものである。
【0020】
すなわち、第2支柱2は、一端から他端に向けて貫通する中空部232を有する全体がパイプ状のものである。第2支柱本体部21のパイプ形状は、本例では四角形断面形状である。また、第2支柱本体部21の他端(第1支柱1との反嵌合側)は、本例では、パイプの外周面に薄肉部241を形成し、その薄肉部241内の下方に可撓性係合片242を形成したものである。可撓性係合片242は、先端に内側に突出する突起243を有する。この突起243は、第1支柱1と同じ構造の支柱の他端が嵌ることで、第1支柱1の周溝14と係合し、支柱の長さが決定される(
図17参照)。
【0021】
第2鍔部22は、第1鍔部12と協働により棚板3を挟んで支持するものである。第2鍔部22の外径は、特に制限されないが、第2嵌合部23の外径の1.5倍〜3倍程度でよい。第2鍔部22の外径が余り大き過ぎると、棚板3上の平坦面部分が占める割合が制限される。また、第2鍔部22の外径が余り小さ過ぎると、棚板3を安定に支持できなくなる。第2鍔部22の形状は、半円錐形状であって、先端側裏面はリブ構造となっている。第2鍔部22の先端側裏面をリブ構造とすることで、軽量化と高強度化を図ることができる。
【0022】
第2嵌合部23は、第2支柱本体部21と連続する中空部232を有する直管の円筒形状である。第2嵌合部23の外径は、第1嵌合部13の内径と同じか、又は第1嵌合部13の内径よりやや大である。このような寸法差ゼロ又は寸法差をプラスとすることで、手で強く押さなければ入らない圧入嵌合を実現している。また、第2嵌合部23の外周面に縦リブのような凹凸を形成したため、圧入を容易にすると共に、ガタ付きを防止することができる。寸法差プラスの意味、具体的寸法、第2嵌合部23の外径の定義及び第2支柱2の材質は、第1支柱1の場合と同様である。また、第2嵌合部23の長さh
2は、第1嵌合部13の長さより長いものである。第2嵌合部23の長さh
2を、少し長く採ることで、第1支柱1との嵌合強度を高めている。第2嵌合部23の厚みは、第2縦リブ23が形成されていない部分で、1.5〜2.5mm程度である。
【0023】
第2嵌合部23の外周面に形成される第2縦リブ23は、幅w
2が3〜8mm、本例では5mm、高さが0.6〜1.5mm、本例では1mmであり、周方向に任意又は等ピッチで6〜10個、本例では等ピッチで8個形成される。第2縦リブ23の断面形状としては、例えば四角形、台形、半楕円形等が挙げられる。
【0024】
棚板3は、第1支柱1の第1嵌合部13が圧入により嵌る貫通孔31を有する。棚板3の棚板本体部32は、例えば展示商品が載置される載置面を形成するものであり、載置面積が大きな大平板であれば、本発明の効果が顕著に表われる。なお、
図1〜
図4において、棚板3は簡略化して小さく描かれているが、実際には大きなものである。棚板3の貫通孔31は、棚板本体部32の概ね四隅、あるいは概ね四隅と中央部に形成される。棚板3の貫通孔31は円形状であり、その内径は、第1嵌合部13の外径と同じか、又は第1嵌合部13の外径よりやや小である。棚板3の材質としては、特に制限されず、木材、金属あるいは硬化性樹脂のいずれであってもよい。棚板3の材質が木材の場合、棚板3の板厚は、10〜20mm程度である。
【0025】
次に、第1支柱1、第2主柱2及び棚板3を組み付けて、支柱継手構造体10を得る方法の一例を以下に説明する。
図1に示すように、棚板3を挟んで、第1支柱1を第1支柱10の第1嵌合部13が棚板側となるように、棚板3の下側に配置し、第2支柱2を第2支柱2の第2嵌合部23が棚板側となるように、棚板3の上側に配置する。次いで、棚板3の貫通孔31に第1支柱1の第1嵌合部13を第1鍔部12が棚板3に当接するまで、手で強く押し込む。棚板3の貫通孔31の内径と第1支柱1の第1嵌合部13の外径は、寸法差ゼロ又は第1支柱1の第1嵌合部13の外径の寸法の方が大であるため、手で強く押し込むことで、第1支柱1の第1嵌合部13の第1縦リブ131が僅かに弾性変形して、第1嵌合部13が棚板3の貫通孔31に嵌め込まれる(
図5)。
【0026】
次いで、第1支柱1の第1嵌合部13の中に、第2支柱2の第2嵌合部23を第2鍔部22が棚板3に当接するまで、手で強く押し込む。第1支柱1の第1嵌合部13の内径と第2支柱2の第2嵌合部23の外径は、寸法差ゼロ又は第2支柱2の第2嵌合部23の外径の方が大であるため、手で強く押し込むことで、第2支柱2の第2嵌合部23の第2縦リブ231が僅かに弾性変形して、第2嵌合部23が第1支柱1の第1嵌合部13の内に嵌め込まれる(
図6〜
図8)。また、この嵌合により、第1嵌合部13は、外側に僅かに変形して、棚板3の貫通孔31の内周面を強く押圧する。このため、棚板3と第1嵌合部13との嵌合は一層強いものとなる。また、第1支柱1の第1鍔部12と第2支柱2の第2鍔部22が協働して棚板3を挟み込んでいるため、第1支柱1及び第2支柱2のガタ付きはなくなる。
【0027】
次に、支柱継手構造体10を用いた平台を、
図9を参照して説明する。3段の平台20は、支柱継手構造体10bを棚板3の略四隅と中央の5箇所に有する。すなわち、多段の平台20において、中間の棚板3bを挟んで下側の第1支柱1と上側の第2支柱2で本発明の第1の実施の形態例の支柱継手構造体10を形成する。また、第2支柱2の上方側には、第1支柱1と同じ構造の支柱(以下「第3支柱1a」と言う。)が嵌合により接続されている。このため、上段の棚板3aを挟んで下側の第3支柱1aと上側のキャップ4で本発明の第2の実施の形態である支柱継手構造体10aを形成する。また、第1支柱1の下方側には、第2支柱2と同じ構造の支柱(以下「第4支柱2a」と言う。)が嵌合により接続されている。このため、下段の棚板3cを挟んで下側のベースキャップ5と上側の第4支柱2aで本発明の第3の実施の形態である支柱継手構造体10bを形成する。なお、平台20において、5つの支柱継手構造体10a、5つの支柱継手構造体10bは、全て同じ構造であるため、ひとつの支柱継手構造体10a及びひとつの支柱継手構造体10bについて説明する。
【0028】
前記の通り、支柱継手構造体10の第2支柱2の反嵌合側(
図9中、符号U方向)は、第1支柱1と同じものである第3支柱1aが嵌め込まれる。第3支柱1aの嵌め込み姿勢は、
図1に描かれた第1支柱1の姿勢と同じであり、上段の棚板3aの貫通孔には、第3支柱1aの第3嵌合部13aが嵌め込まれる。第3嵌合部13aは、第1嵌合部13と同じであるので、その説明を省略する。また、上段の棚板3aにおける、棚板3aの貫通孔と第3支柱1aの第3嵌合部13aとの嵌合は、前記の棚板3の貫通孔31と第1支柱1の第1嵌合部13との嵌合と同様であるのでその説明を省略する。
【0029】
支柱継手構造体10aにおいて、棚板3aに嵌め込まれた第3支柱1aの第3嵌合部13aの端部には、
図11に示すようなキャップ4が嵌め込まれる。キャップ4は、キャップ天板42とキャップ天板42の裏面から下方に延びるキャップ天板42の外径より小の外径を有する外周面に第4縦リブ(第4凹凸)411を形成したパイプ状の第4嵌合部41を有する。キャップ4の第4嵌合部41は、支柱継手構造体10における第2支柱2の第2嵌合部23と同じであり、その説明を省略する。キャップ4の嵌め込みは、第3支柱1aの第3嵌合部13aの中に、キャップ4の第4嵌合部41をキャップ天板42が棚板3aに当接するまで、手で強く押し込む。第3支柱1aの第3嵌合部13aの内径とキャップ4の第4嵌合部41の外径は、寸法差ゼロ又はキャップ4の第4嵌合部41の外径の方が大であるため、手で強く押し込むことで、キャップ4の第4嵌合部41の第4縦リブ411が僅かに弾性変形して、第4嵌合部41が第3支柱1aの第3嵌合部13aの内に嵌め込まれる(
図10〜
図12)。また、この嵌合により、第3支柱1aの第3鍔部12aとキャップ4の天板42が協働して棚板3aを挟み込んでいるため、第3支柱1aとキャップ4のガタ付きはなくなる(
図10)。
【0030】
前記の通り、支柱継手構造体10の第1支柱1の反嵌合側(
図13中、符号B方向)は、第2支柱1と同じものである第4支柱2aが嵌め込まれる。第4支柱2aの嵌め込み姿勢は、
図1に描かれた第2支柱2の姿勢と同じである。すなわち、支柱継手構造体10bにおいて、下段の棚板3cの貫通孔には、ベースキャップ5が下段の棚板3cの裏側から嵌め込まれ、次いで、ベースキャップ5の第5嵌合部52の中に、第4支柱2aの第6嵌合部23aを圧入する。
【0031】
ベースキャップ5は、床等の設置面に当接し、且つ第4支柱2aの第6嵌合部23aの端部を保護するものであり、好適には
図15に示すようなベースキャップ5を嵌め込むことが好ましい。ベースキャップ5は、基台51と基台51の上面から上方に延びる基台51の外径より小の外径を有する外周面に第5縦リブ(第5凹凸)521を形成したパイプ状の第5嵌合部52を有する。ベースキャップ5の第5嵌合部52は、支柱継手構造体10における第1支柱1の第1嵌合部13と同様のものであり、その説明を省略する。基台51は、設置面に接する底面と中心部を除く円周部の天面54からなる円盤状物である。また、基台51の内部は、リブ構造とし、軽量化と高強度を図っている。基台51には、任意の構成要素である、キャスター取付け用のボルトが挿通される4つのボルト植え込み孔53が形成されている。ベースキャップ5の棚板3cへの嵌め込みは、支柱継手構造体10における棚板3に対する第1支柱1の第1嵌合部13の嵌め込みと同様の方法及び同様の作用であり、その説明を省略する。
【0032】
次いで、ベースキャップ5の第5嵌合部52の中に、第4支柱2aの第6嵌合部23aを第4鍔部22aが棚板3cに当接するまで、手で強く押し込む。ベースキャップ5の第5嵌合部52の内径と第4支柱2aの第6嵌合部23aの外径は、寸法差ゼロ又は第4支柱2aの第6嵌合部23aの外径の方が大であるため、手で強く押し込むことで、第4支柱2aの第6嵌合部23aの第5縦リブ521が僅かに弾性変形して、第4支柱2aの第6嵌合部23aがベースキャップ5の第5嵌合部52の内に嵌め込まれる(
図14〜
図16)。また、この嵌合により、第4支柱2aの第4鍔部22aとベースキャップ5の基台51の天面54が協働して棚板3cを挟み込んでいるため、第4支柱2aとベースキャップ5のガタ付きはなくなる。
【0033】
本発明の支柱継手構造体10は、上記実施の形態例に限定されず、種々の変形を採ることができる。すなわち、支柱継手構造体10、10a及び10bにおける第1凹凸、第2凹凸及び凹凸としては、上記外周面に縦リブが形成されたものに限定されず、例えば、外周面に横リブが形成されたもの、縦リブと横リブの混在リブが形成されたもの、多数の突起が形成されたもの等が挙げられる。第1凹凸、第2凹凸及び凹凸が多数の突起の場合、突起は外周面の全面に任意又は等ピッチで形成されるが、均一な嵌合強度を得るためには、等ピッチで多数形成することが好ましい。これら例示された第1凹凸、第2凹凸及び凹凸の高さは、前記縦リブの高さと同じである。
【0034】
支柱継手構造体10において、棚板3に対する第1支柱及び第2支柱の配置は上記実施の形態例に限定されず、第1支柱1が棚板3の上方に、第2支柱2が棚板3の下方に位置していてもよい。また、支柱継手構造体10において、第1支柱1の第1支柱本体部11の反嵌合側の形状及び第2支柱2の第2支柱本体部21の反嵌合側の形状としては、上記実施の形態例に限定されず、第1支柱1の反嵌合側形状を第2支柱2の第2嵌合部23と同様の嵌合構造とし、第2支柱2の反嵌合側形状を第1支柱1の第1嵌合部13と同様の嵌合構造としてもよい。この場合、支柱の長さ調整はできないものの、本願発明の効果を奏することができる。
【0035】
また、支柱継手構造体10において、第1支柱1の第1支柱本体部11の断面形状及び第2支柱2の第2支柱本体部21の断面形状としては、上記実施の形態例の四角形に限定されず、円形や楕円形であってもよい。また、棚板3の本体部の載置面は、平坦面に限定されず、使用目的に応じて、仕切り用溝、係合用孔等が形成されたものであってもよい。また、第1鍔部12及び第2鍔部22の形状としては、上記以外に、円板形状、扁平形状等が挙げられる。
【0036】
支柱継手構造体10、10a及び10bにおいて、第1支柱1の第1嵌合部13、第3支柱1aの第3嵌合部13a及びベースキャップ5の嵌合部52は、先端(第2支柱との嵌合側)に、長手方向の中途まで延びる切り欠きが形成されていてもよい。切り欠きはパイプの周方向180度毎に都合2つ又は90度毎に都合4つが好適である。これにより、第1支柱1を棚板3の貫通孔31へ押し込む際、第1嵌合部13の弾性変形が起こり易く、押し込みが容易となる。
【0037】
本発明の平台20は、上記実施の形態例に限定されず、種々の変形を採ることができる。すなわち、平台20は、3段以外に、1段、2段又は4段以上であってもよい。また、載置面積が特に大きな棚板においては、支柱継手構造体10を6本以上使用してもよい。1段の平台の場合、支柱継手構造体10、10a、10bのいずれも適用できる。支柱継手構造体10を使用する1段の平台は、第1支柱の下端がそのまま設置面に設置され、第2支柱の上端では、棚板の設置が省略される。支柱継手構造体10aを使用する1段の平台は、支柱の下端がそのまま設置面に設置される。支柱継手構造体10bを使用する1段の平台は、上側の支柱の上端では、棚板の設置が省略される。
【0038】
2段の平台の場合、支柱継手構造体10と支柱継手構造体10aの組み合わせ、支柱継手構造体10と支柱継手構造体10bの組み合わせ、支柱継手構造体10aと支柱継手構造体10bの組み合わせのいずれも適用できる。
【0039】
本発明の第1の実施の形態において、第1嵌合部と該2嵌合部の嵌合形態としては、上記第1嵌合部の外周面と第2嵌合部の外周面に凹凸を形成し、第1嵌合部の内周面には凹凸を形成しないものに限定されず、第1嵌合部の外周面と内周面に凹凸を形成して、第2嵌合部の外周面には凹凸を形成しないものであってもよい。このような嵌合形態であっても、第1の実施の形態例と同様の作用効果を奏する。
【0040】
本発明の第2の実施の形態において、支柱の嵌合部とキャップの嵌合部の嵌合形態としては、上記支柱の嵌合部の外周面とキャップの嵌合部の外周面に凹凸を形成し、支柱の嵌合部の内周面には凹凸を形成しないものに限定されず、支柱の嵌合部の外周面と内周面に縦リブのような凹凸を形成して、キャップの嵌合部の外周面には凹凸を形成しないものであってもよい。このような嵌合形態であっても、第2の実施の形態例と同様の作用効果を奏する。
【0041】
本発明の第3の実施の形態において、支柱の嵌合部とベースキャップの嵌合部の嵌合形態としては、上記支柱の嵌合部の外周面とベースキャップの嵌合部の外周面に凹凸を形成し、支柱の嵌合部の内周面には凹凸を形成しないものに限定されず、支柱の嵌合部の外周面と内周面に縦リブのような凹凸を形成して、ベースキャップの嵌合部の外周面には凹凸を形成しないものであってもよい。このような嵌合形態であっても、第3の実施の形態例と同様の作用効果を奏する。