(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5971776
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】プラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20160804BHJP
H01R 13/629 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R13/629
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-513103(P2014-513103)
(86)(22)【出願日】2012年5月15日
(65)【公表番号】特表2014-519164(P2014-519164A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】EP2012059007
(87)【国際公開番号】WO2012163669
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2015年4月2日
(31)【優先権主張番号】102011076568.9
(32)【優先日】2011年5月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(72)【発明者】
【氏名】ホテア ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ミュンペル グエンサー
(72)【発明者】
【氏名】リッペル ハルトムット
【審査官】
片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−115443(JP,A)
【文献】
特開2010−108872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
H01R 13/629
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップ(120)を有するハウジング(110)を有するプラグコネクタ(100)であって、
前記キャップ(120)が、第1の位置(210)と第2の位置(220)とを取ることができるレバー(200)を有し、
前記ハウジング(110)が、前記レバー(200)の前記第1の位置(210)で開放し、且つ前記レバー(200)の前記第2の位置(220)で閉鎖され、
前記プラグコネクタ(100)が、前記レバー(200)を前記第2の位置(220)へロックするように意図される阻止位置(310)を取ることができるロックデバイス(300)を有し、
前記ロックデバイス(300)が、前記第2の位置(220)にある前記レバー(200)をロック解除するために、前記阻止位置(310)から解除位置(320)へ弾性的に移動可能である、プラグコネクタ(100)において、
前記ロックデバイス(300)は、前記レバー(200)にかけられる力が設定値を超えると、前記第2の位置(220)にあるレバー(200)をロック解除するために、前記阻止位置(310)から過負荷位置(330)へ弾性的に移動可能であり、
前記過負荷位置(330)は、前記解除位置(320)とは異なり、
前記ロックデバイス(300)は、ラッチ突起(340)及びバー形状部(350)を有し、
前記ラッチ突起(340)は、前記バー形状部(350)の長手方向端部に配置され、
前記ロックデバイス(300)は、前記バー形状部(350)と前記キャップ(120)の頂壁(123)との間の遷移領域において、前記バー形状部(350)に対して平行に延出し且つ前記ロックデバイス(300)の幅方向中央に配置される中間凹所(360)を有することを特徴とするプラグコネクタ(100)。
【請求項2】
前記第2の位置(220)にある前記レバー(200)は、前記ラッチ突起(340)に抗した状態にある請求項1に記載のプラグコネクタ(100)。
【請求項3】
前記ロックデバイス(300)は、前記ラッチ突起(340)を押し込むことによって前記阻止位置(310)から前記解除位置(320)へ移動可能である請求項1又は2に記載のプラグコネクタ(100)。
【請求項4】
前記ロックデバイス(300)は、補強リブ(370,371,372,373)を有する請求項1乃至3の一項に記載のプラグコネクタ(100)。
【請求項5】
前記レバー(200)は、回転スピンドル(230)の回りに旋回可能である請求項1乃至4の一項に記載のプラグコネクタ(100)。
【請求項6】
前記レバー(200)は、前記回転スピンドル(230)の回りの円の円弧に沿って配置される歯(240)を有する請求項5に記載のプラグコネクタ(100)。
【請求項7】
前記ロックデバイス(300)は、前記キャップ(120)に配置される請求項1乃至6の一項に記載のプラグコネクタ(100)。
【請求項8】
前記ロックデバイス(300)と前記キャップ(120)は、一体物に形成される請求項7に記載のプラグコネクタ(100)。
【請求項9】
前記キャップ(120)及び/又は前記ロックデバイス(300)は、プラスチック材料よりなる請求項1乃至8の一項に記載のプラグコネクタ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に従うロックデバイスを備える閉鎖可能ハウジングを有するプラグコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気プラグコネクタ及びプラグコネクタシステムは、従来の技術から種々の実施形態において知られている。プラグコネクタのハウジングを閉鎖するため及び/又は電気接続を行うためにレバーを入れなければならないプラグコネクタがある。また、そのようなレバーをロック機構によって閉鎖位置へロックすることも知られている。閉鎖位置にロックされたレバーをその開放位置へ戻すように動かすためには、まず、ロック機構が解除されなければならない。そのようなプラグコネクタの不正確な操作、例えば、予めロック機構を解除することなくロックされたレバーを開放位置へ移動しようとすることは、ロック機構の、従って、プラグコネクタ全体の損傷となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、改良されたプラグコネクタを提供することである。この目的は、請求項1の特徴を有するプラグコネクタによって達成される。好適な発展形は、従属請求項において述べられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に従うプラグコネクタは、キャップを備えるハウジングを有し、一方、このキャップは、第1の位置と第2の位置を取ることができるレバーを有する。この場合、ハウジングは、レバーの第1の位置で開放され、且つレバーの第2の位置で閉鎖される。更に、プラグコネクタは、レバーを第2に位置にロックするよう意図される阻止位置を取ることができるロックデバイスを有する。更に、ロックデバイスは、第2の位置にあるレバーをロック解除するためにその阻止位置から解除位置へ弾性的に移動可能である。また、ロックデバイスは、レバーへかけられる力が設定値を超えると、第2の位置にあるレバーを解除するためにその阻止位置から過負荷位置へ弾性的に移動可能である。この場合、過負荷位置は、解除位置とは異なっている。有利なことに、このプラグコネクタでは、ロックデバイスが事前に解除位置へ移動されていないが、レバーへかけられる力が設定された最小値を超えると、レバーが第2の位置から解除される。これは、そうでないとリスクとなるプラグコネクタのロックデバイス、レバー又は他のコンポーネントへの損傷を有利に回避する。有利なことに、プラグコネクタは、レバーの不正な操作や不注意による開放の後でさえ、なお、動作する。
【0005】
プラグコネクタの好適な実施形態において、ロックデバイスは、ラッチ突起を有する。有利なことに、ラッチ突起は、レバーをその第2の位置へロックするのに極めて適する。
【0006】
第2の位置にあるレバーがラッチ突起に抗した状態にあることは好都合である。有利なことに、次に、ラッチ突起は、第2の位置にあるレバーの信頼できるロックをもたらす。
【0007】
プラグコネクタの特に好適な実施形態において、ロックデバイスは、ラッチ突起を押し込むことによって、阻止位置から解除位置へ移動されることができる。有利なことに、この実施形態は、レバーの第2の位置においてロックデバイスの単純で直感的なロック解除を許容する。
【0008】
ロックデバイスがバー形状部分を有し且つラッチ突起がこのバー形状部分の長手方向の端部に配置されることが好都合である。有利なことに、次に、ロックデバイスのバー形状部分は、ロックデバイスをその阻止位置から解除位置へ及び過負荷位置への両方へ移動するために、ロックデバイスの弾性変形を許容する。ロックデバイスの弾性変形性のおかげで、有利に、ロックデバイスの損傷が回避される。
【0009】
特に好ましくは、ロックデバイが凹所を有する。有利なことに、この凹所は、ロックデバイスの弾性変形性を増大させ、それによって、ロックデバイスの非弾性で不可逆性変形が阻止される。
【0010】
同様に、ロックデバイスが補強リブを有することが好ましい。有利なことに、補強リブは、ロックデバイスの弾性特性も向上する。更に、補強リブは、ロックデバイスに働く力をロックデバイスの回りの領域へ有利に部分的に散らすことができ、それによって、ロックデバイスへの損傷が有利に効果的に防止される。
【0011】
プラグコネクタの一実施形態において、レバーは、回転スピンドルの回りに旋回できる。有利なことに、次に、レバーは、回転スピンドルの回りに旋回によって第1の位置と第2の位置との間に移動されることができる。
【0012】
プラグコネクタの特に好適に実施形態において、レバーは、回転スピンドルの回りの円の円弧に沿って配置される歯を有する。有利なことに、レバーを回転スピンドルの回りに旋回することは、回転スピンドルの回りに歯を旋回することをもたらし、それによって、レバーの移動がレバーの歯と係合するプラグコネクタの別のコンポーネントへ伝達される。有利なことに、次に、レバーの移動は、プラグコネクタを閉鎖し且つ開放するため、及びプラグコネクタによってもたらされる電気接続を行い且つ解除するために働くことができる。
【0013】
プラグコネクタの好都合な実施形態において、ロックデバイスは、キャップ上に配置される。有利なことに、この実施形態は、プラグコネクタの特に簡単な操作を可能とする。その理由は、プラグコネクタのハウジングの別の部分上へキャップを配置すること及びハウジングを閉鎖することが結合(一体)操作で行われることができるからである。
【0014】
特に好適なことに、ロックデバイスとキャップが一体物に形成されている。有利なことに、これは、プラグコネクタの操作を単純化する。その理由は、プラグコネクタを閉鎖するために単に共通のコンポーネントを操作すれば足りるからである。有利なことに、ロックデバイスとキャップの一体物構成は、更に、コンポーネントの一つが配線やメンテナンス作業中に失われることを防止する。ロックデバイスとキャップの一体物構成は、有利に製造コスト及び輸送コストと保管コストを更に減少する。
【0015】
キャップ及び/又はロックデバイスがプラスチック材料からなることは好都合である。有利なことに、プラスチック材料は、安価な材料を意味し、適切の弾性特性を提供する。
【0016】
プラグコネクタの一実施形態において、キャップ及び/又はロックデバイスは、射出成形によって製造される。有利なことに、射出成形は、大量生産に適する安価な製造方法を意味する。
【0017】
本発明は、図面を参照してより詳細に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1の位置にあるレバーを有するプラグコネクタのハウジングのキャップの部分の斜視図である。
【
図2】第2の位置にあるレバーを有するプラグコネクタのハウジングのキャップの斜視図である。
【
図3】阻止位置と解除位置にあるロックデバイスを有するハウジングのキャップの断面図である。
【
図4】阻止位置と過負荷位置にあるロックデバイスを有するキャップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、プラグコネクタ100のハウジング110のキャップ120の部分の斜視図である。プラグコネクタ100は、例えば、自動車における電気接続を行うために働くことができる。プラグコネクタ100は、例えば、電気車両やハイブリッド車両の電気エネルギー貯蔵手段との電気接続を行うために働くことができる。
【0020】
プラグコネクタ100は、複数部品のハウジング110を有し、そのキャップ120のみが
図1に描かれている。プラグコネクタ100によって電気接続を行うために、キャップ120は、ハウジング110の他の部分へ接続され、ハウジング110が閉鎖される。ハウジング110は、レバー200によって閉鎖される。ハウジング110を閉鎖することによって、電気接続は、従来の技術で知られている種々の方法で行われる。
【0021】
プラグコネクタ100のハウジング110のキャップ120は、第1の側壁121、第1の側壁121の反対側に位置される第2の側壁122、及び第1の側壁121と第2の側壁122との間に延出する頂壁123を有する。更に、ハウジング110のキャップ120は、例えば、電気ケーブルを案内し且つ保持することができるストレインリリーフデバイス130を有する。
【0022】
レバー200は、略U字形状であり、第1のアーム201と第1のアーム201に平行な第2のアーム202を有する。第1のアーム201と第2のアーム202は、操作領域203を介して一緒に接続されている。レバー200の第1のアーム201は、キャップ120の第1の側壁121に平行に配向され、第1の側壁121に隣接し、且つ回転スピンドル230の領域において第1の側壁121に対して回転可能に接続される。レバー200の第2のアーム202は、キャップ120の第2の側壁122に平行に配向され、第2の側壁122に隣接し、且つ回転スピンドル230の領域において第2の側壁122に対して回転可能に接続される。操作領域203は、キャップ120の頂壁123を横切るように延出する。
【0023】
レバー200は、回転スピンドル230の回りに回転可能であり、第1の位置210と第2の位置220との間で前後に移動されることができる。
図1は、第1の位置210にあるレバー200を示す。
図2は、プラグコネクタ100のハウジング110のキャップ120の別の斜視図を示し、そこでは、レバー200が第2の位置にある。レバー200の第1の位置210において、ハウジング110が開放され、プラグコネクタ100によって行われることができる電気接続が切断される。このように、第1の位置210は、開放位置と呼ぶことができる。レバー200の第2の位置220において、ハウジング110が閉鎖され、プラグコネクタ100によって行われることができる電気接続が同様に閉鎖される。このように、第2の位置220が閉鎖位置と呼ばれることができる。
【0024】
レバー200の移動は、キャップ120の第1の側壁121に配置されるストップ140によってレバー200の第1の位置210に制限される。ストップ140は、レバー200が第1の位置210にあるならば、レバー200の第1のアーム201がストップ140に抗した状態にあるように配置される。ストップ140は、レバー200をその第2の位置220から第1の位置210へ移動させることができるが第1の位置210を越えないようにさせる。
図1と
図2には見えないが、また、対応するストップ140がキャップ120の第2の側壁122に配置されることができる。
【0025】
更に、キャップ120の第1の側壁121は、第1の側壁121の丸みが付けられた半球形突起として形成されるノブ150を有する。レバー200の第1のアーム201は、孔250を有し、その寸法は、ノブ150の寸法に対応する。
図1に描かれたレバー200の第1の位置210において、第1の側壁121のノブ150は、レバー200を第1の位置210に固定するために、レバー200の第1のアーム201にある孔250にラッチする。これは、有利に、レバー200がプラグコネクタ100の組み立て中に第1の位置210とその第2の位置220との間で破壊的な方法で前後に搖動するのを防止する。しかしながら、ノブ150と孔250による第1の位置210へのレバー200の固定は、レバー200を第1の位置210から第2の位置220の方向へ押すことによって、大きな力を発揮することなくユーザによって解除されることができる。キャップ120の第2の側壁122は、
図1と
図2に描かれていない、対応するノブ150を有していてもよい。この場合、レバー200の第2のアーム202もまた、対応する孔250を有する。
【0026】
ストップ140及びノブ150と孔250の両方は、単純化された実施形態では、省略されることができる。
【0027】
更に、レバー200の第1のアーム201は、操作領域203とは反対側に、回転スピンドル230に近接し、且つ回転スピンドル230の回りの円の円弧に略沿って位置される第1のアーム201の長手端部に配置される複数の歯240を有する。また、レバー200の第2のアーム202は、対応する歯を有するが、これらの歯は、
図1と
図2には見えない。
【0028】
歯240は、歯車の歯のように形成され、プラグコネクタ100の別の歯又は他のコンポーネントと係合できる。第1の位置210と第2の位置220との間のレバー200の移動は、プラグコネクタ100を閉鎖すること又は開放すること、且つプラグコネクタ100によってもたらされる電気接続を行うことや切断することを実行するために、歯240を介してプラグコネクタ100の他のパーツへ伝達されることができる。適切な機構は、従来の技術から公知である。
【0029】
レバー200の操作領域203は、複数のリブ204を有し、それらのリブ204によって、操作領域203をより容易に握ることができ、且つそれによって、プラグコネクタ100のユーザにとってレバー200の操作を単純にする。しかしながら、これらのリブ204は、省略されてもよいし、操作領域203の他の構成によって置換されてもよい。
【0030】
更に、プラグコネクタのハウジング110のキャップ120は、ロックデバイス300を有する。ロックデバイス300は、レバー200がその第2の位置220にある時に、レバー200をロックするように働き、従って、プラグコネクタ100のハウジング110は、レバー200によって閉鎖される。第2の位置220におけるレバー200のロックは、レバー200がその第1の位置210へは容易には戻るように移動されることができない。従って、プラグコネクタ100のハウジング110は、無意識に開放されることができず、プラグコネクタ100によってもたらされる電気接続が無意識に切断されないことを意味する。
【0031】
ロックデバイス300は、プラグコネクタ100のハウジング110のキャップ120上に配置され、プラグコネクタ100のハウジング110のキャップ120と共に一体物に形成される。しかしながら、ロックデバイス300は、プラグコネクタ100上の異なる点に設けられてもよい。
【0032】
ロックデバイス300は、バー形状部分350を有し、その第1の長手方向端部は、キャップ120の頂壁123に合体しており、その第2の長手方向端部は、ラッチ突起340を有する。一方、ラッチ突起340は、作動領域342と接触表面341を有する
。図2において、ロックデバイス300のラッチ突起340は、レバー200がその第2の位置220にある時に、従って、プラグコネクタ100のハウジング110がレバー200によって閉鎖される時に、レバー200の操作領域203がロックデバイス300のラッチ突起340の接触表面341のすぐ隣にあるように配置されることが見られる。ラッチ突起340の接触表面341のすぐ隣にレバー200の操作領域203が位置することによって、第2の位置220から第1の位置210へ戻るレバー200の旋回が防止される。レバー200を第1の位置210の方向へ移動しようとすると、レバー200の操作領域203がラッチ突起340の接触表面341に衝突する。このように、レバー200は、第2の位置220にロックされる。
【0033】
図3は、ロックデバイス300を有するプラグコネクタ100のハウジング110のキャップ120を通る第1の断面を示す。ロックデバイス300は、もし外力がロックデバイス300へ働いていないならば、ロックデバイス300が取る阻止位置310にある。第2の位置220にあるレバー200の操作領域203がロックデバイス300のラッチ突起340の接触表面341に抗した状態にあるか又は少なくともラッチ突起340の接触表面341のすぐ隣に位置されることが認められることができる。この状態にあるレバー200を第1の位置210へ移動しようとすると、レバー200の操作領域203がラッチ突起340の接触表面341に当接し、それによって、レバー200の更なる移動が防止される。
【0034】
更に、ロックデバイス300は、
図3には、破線で解除位置320に描かれている。その解除位置320において、ロックデバイス300は、その阻止位置310に対して弾性的に変形される。この場合におけるロックデバイス300の弾性変形は、ロックデバイス300のバー形状部分350によって実質的に達成される。ロックデバイス300は、プラグコネクタ100のハウジング110の内部の方向へ向けられる力をラッチ突起340の作動領域342に対して加えることによってその阻止位置310からその解除位置320へ湾曲されることができる。力は、例えば、プラグコネクタ100のユーザが指でラッチ突起340の起動領域342を押すことによって加えることができる。
【0035】
解除位置320において、ロックデバイス300は、ラッチ突起340が阻止位置310にあるよりも更にプラグコネクタ100のハウジング110内に位置されるように変形される。このことは、解除位置320にあるラッチ突起340の接触表面341がレバー200の操作領域203のすぐ隣にはもはやないことを意味している。その結果、レバー200は、レバー200の操作領域203がロックデバイス300のラッチ突起340の接触表面341に当接することなく、第2の位置220から第1の位置210へ移動されることができる。
【0036】
このように、レバー200は、力を第2の位置220にあるロックデバイス300のラッチ突起340の作動領域342へ加えることによってロック解除されることができる。ラッチ突起340の作動領域342へ力を加えることが中断されると、従って、プラグコネクタ100のユーザがラッチ突起340の作動領域342への押圧を停止すると、ロックデバイス300が、再び、その解除位置320から戻るように弾性的に阻止位置310へ移動する。
【0037】
レバー200を第1の位置210から第2の位置220へ閉鎖すると、レバー200の操作領域203は、ロックデバイス300のラッチ突起340上をスライドし、それによって、ロックデバイス300がレバー200によってその阻止位置310からその解除位置320へ一時的に移動させられる。このことは、レバー200を第2の位置220へ移動すると、レバー200の操作領域203がラッチ突起340を越えてスライドできることを意味する。もし、レバー200が、その第2の位置220に完全に到着していると、ロックデバイス300は、自動的にその阻止位置310へ戻るように弾性的に移動し、それによって、レバー200が第2の位置220にロックされる。
【0038】
図4は、プラグコネクタ100のキャップ120とロックデバイス300を通る更なる断面を示す。再び、ロックデバイス300は、その阻止位置310にあることが示される。更に、ロックデバイス300は、破線で過負荷位置330にあることが示される。
【0039】
もし、レバー200が第2の位置220にあり、予めロックデバイス300を阻止位置310から解除位置320へ移動することなくレバー200を第2の位置220から第1の位置210へ旋回しようとすると、レバー200の操作領域203がラッチ突起340の接触表面341に当接する。それにも拘わらず、レバー200が大きな力で第1の位置210の方向へ更に押されると、ロックデバイス300が折れる可能性があり、従って、プラグコネクタ100が、永続的損傷を受ける可能性がある。このため、ロックデバイス300は、それがその阻止位置310から
図4に示される過負荷位置330へ弾性的に変形し得るように構成される。阻止位置310から過負荷位置330へのロックデバイス300の変形は、好ましくは、阻止位置310から解除位置320へのロックデバイス300の変形よりも多くの力を必要とする。過負荷位置330におけるロックデバイス300の弾性変形は、ロックデバイス300のバー形状部分350によって実質的に達成される。
【0040】
ロックデバイス300の過負荷位置330において、ロックデバイス300のラッチ突起340の接触表面341は、第2の位置220にあるレバー200の操作領域203のすぐ隣にはもはや配置されていない。その結果、レバー200の操作領域203は、ロックデバイス300が過負荷位置330にあるならば、ロックデバイス300のラッチ突起340を通過して案内されることができる。もしレバー200が最初に第2の位置220にあり、阻止位置310にあるロックデバイス300によって阻止されるならば、且つもし次にレバー200が設定された最小値を超える力で第1の位置210の方向へ移動されるならば、操作領域203は、ロックデバイス300のラッチ突起340の接触表面341に力を加え、それによって、レバー200の操作領域203が最終的にラッチ突起340を越えてスライドし且つレバー200が第1の位置210へ移動されることができるまで、ロックデバイス300がその阻止位置310からその過負荷位置330へ変形される。次に、ロックデバイス300は、ロックデバイス300が損傷されることなく、過負荷位置330から阻止位置310へ独立して弾性的に移動する。
【0041】
阻止位置310から過負荷位置330へロックデバイス300を移動するために印加される力は、第2の位置220にロックされるレバー200の不注意による開放が排除される程度に大きいように選択されることが好ましい。ただプラグコネクタ100の不正確な操作の場合や他の理由でロックデバイス300への損傷のリスクがある程度の大きな力がレバー200に働く場合に、ロックデバイス300への損傷を回避するために、ロックデバイス300が弾性的に過負荷位置330へ移動すべきである。
【0042】
図5は、ロックデバイス300の詳細を示す図である。ロックデバイス300は、プラグコネクタ100のハウジング110のキャップ120を有する一体物に形成される。バー形状部350とそのバー形状部350の長手方向の一端部に配置されるラッチ突起340は、第1の側部凹所361及び第2の側部凹所362によってキャップ120の頂壁123の他の部分から分離される。
【0043】
バー形状部350は、ハウジング110の内部の方向へ湾曲される凹面部351を有する。凹面部351は、バー形状部350の弾性変形性を増大させる。
【0044】
キャップ120のバー形状部350と頂壁123との間の遷移領域において、バー形状部350に対して平行に延出し且つ第1の側部凹所361と第2の側部凹所362との間に中心があるように配置される中間凹所360が設けられる。また、中間凹所360は、ロックデバイス300のバー形状部350の弾性変形性を向上させる。
【0045】
図6は、プラグコネクタ100のロックデバイス300の更に詳細な図を示す。
図6は、ハウジング110の内部から見たロックデバイス300を示す。第1の補強リブ370と第2の補強リブ371がロックデバイス300のバー形状部350とキャップ120の頂壁123との間の遷移領域に設けられているのがわかる。第1の補強リブ370と第2の補強リブ371は、中間凹所360に平行に配向され且つ中間凹所360に隣接する両側部に配置されている。第1の補強リブ370と第2の補強リブ371は、キャップ120のロックデバイス300と頂部123と共に一体物に形成されている。
【0046】
更に、第3の補強リブ372と第4の補強リブ373がキャップ120のロックデバイス300のバー形状部350と頂壁123との間の遷移領域に設けられている。第3の補強リブ372と第4の補強リブ373は、第1の補強リブ370と第2の補強リブ371に対して直角に配置されている。第3の補強リブ372は、キャップ120の第1の補強リブ370と第1の側壁121との間に延出している。第4の補強リブ373は、キャップ120の第2の補強リブ371と第2の側壁122との間に延出している。
【0047】
これらの補強リブ370,371,372,373は、ロックデバイス300に対する損傷を回避するために、ロックデバイス300にかけられる力を部分的にプラグコネクタ100のハウジング110のキャップ120内へ偏向するように働く。しかしながら、補強リブ370,371,372,373は、中間凹所360と側部凹所361,362でも可能なように、省略されてもよいし又は異なるように形成されてもよい。
【0048】
プラグコネクタ100のハウジング110のキャップ120は、プラスチック材料から形成されことが好ましく且つ射出成形によって製造されることができる。また、レバー200は、射出成形によって製造されるプラスチック材料部品からなることが好ましい。また、安定化補強リブ370,371,372,373と柔軟性を向上させる凹所360,361,362を有するロックデバイス300の構成は、非最適機械特性を有する安価なプラスチックの使用を可能とする。