特許第5971787号(P5971787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5971787
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】切断具付き定規
(51)【国際特許分類】
   B26B 29/06 20060101AFI20160804BHJP
【FI】
   B26B29/06
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-76147(P2016-76147)
(22)【出願日】2016年3月17日
【審査請求日】2016年3月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316002224
【氏名又は名称】野田 孔明
(74)【法定代理人】
【識別番号】316002213
【氏名又は名称】野田 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】野田 孔明
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−140892(JP,U)
【文献】 米国特許第4679476(US,A)
【文献】 登録実用新案第3143912(JP,U)
【文献】 特開平10−156060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 29/06
B26D 7/01
B43L 7/00
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙等を正確且つ安全に切断することが出来る切断具付き定規であって、
2枚の可動軸を介して展開可能な定規板1と、
空洞がありその中に中板が入る2枚の支持板2と、
ガイドがありバネを取り付けるための溝がある2枚の中板3と、
切断具4とを備え、
該中板はその両端にバネ5を備え、該バネを介して支持板と連接し、
2枚の支持板は固定板6により空隙を開けて固定され、
定規版と支持板は蝶番7により連接され、
切断具はその一部にローラー8を備え、
中板はその内側に溝部を有し、
該溝部がローラーを挟持して切断具を安定して動かすことが出来ることを特徴とする、
切断具付き定規。
【請求項2】
該定規板は、蝶番を介して支持板と連接されており、
使用時には紙等の切断対象上に定規板を展開して、該定規の目盛を基準に該切断具により切断を行い、
非使用時には定規版を畳むことにより可搬性を向上せしめたことを特徴とする、
請求項1記載の切断具付き定規。
【請求項3】
該中板はその両端にバネを備え、該バネを介して支持板と連接し、
使用時に切断具を押圧した場合、支持板を介して定規板に圧力が加わって紙等の切断対象と定規板の摩擦が増加し、
紙等の切断対象のズレを防止することを特徴とする、
請求項1又は2記載の切断具付き定規。
【請求項4】
該切断具はその一部にローラーを備え、中板の備える溝にローラーを挟持して動かすことが出来、
且つ、該切断具は非使用時に2枚の中板の間隙に収納することが出来ることを特徴とする、
請求項1乃至3の何れか一に記載の切断具付き定規。
【請求項5】
該切断具は、
市販のカッターナイフであることを特徴とする、
請求項4記載の切断具付き定規。
【請求項6】
該切断具は、
上部に突起を有し、
該突起により非使用時の収納状態から引き上げることにより使用状態とすることを特徴とする、
請求項1乃至5の何れか一に記載の切断具付き定規。
【請求項7】
該突起は、
カッターナイフの刃のスライドヘッドを兼ねることを特徴とする、
請求項5記載の切断具付き定規。
【請求項8】
該定規板は、
展開時に支持板と突き当たることによって水平位置に規定されることを特徴とする、
請求項1乃至7の何れか一に記載の切断具付き定規。
【請求項9】
該定規板は、
展開時に水平位置に於いて空隙を有するようにその長さが規定され、
該空隙により切断具の刃が安定に可動することを特徴とする、
請求項1乃至8の何れか一に記載の切断具付き定規。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は切断具付き定規に関するものである。
【背景技術】
カッターナイフを用い、定規をガイドにして紙類等を切断することは通常行われているが、通常では物を切る際に刃がぶれることが多くきれいに切ることができない。この際に便宜な工夫を行ったものとして、意匠登録第1107270号が開示されている。また、同様にカッターナイフ側の工夫として特許文献1に記載のカッターナイフの取付具及びガイド兼用定規が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】実用新案登録第3130267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従前、切断する際に切りやすく、刃がぶれずにきれいに切るための工夫が行われて来たが、正確に切断できるのみならず、かかる機能持つものをできる限り小型化し持ち運びやすいものにすることが求められている。
【0004】
通常のものでは使用者がカッターを手で持って力を入れつつ手前に引っ張り移動することにより切断物(紙など)を直線的に切断する。また、直線的に切る場合には定規などのガイドとなる物を用いる。しかし、これは慣れた者でなければ途中からゆがんだり、力がうまく入らず切ることができなかったり、定規がずれたり定規に刃が食い込んだりして真っ直ぐに切れないことが多い。さらに、指を切るなど怪我をすることもある。
【0005】
本発明は、これらの課題を解決し、簡便な構成で切断する際に切りやすく、また、きれいに切れ、且つこれを小型化し持ち運びやすいものにした、新規な切断具付き定規を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、慣れた者でなくても安定にかつ、安全に簡単に紙などの切断物を切ることができる切断具付き定規である。
【0007】
本発明に於いては、二枚の板の間に切断具が固定されている。固定部はローラーになっているため奥と手前に動かすことができる。そのため切断具の刃や定規がずれることが無く、また、刃が食い込むこともない。それに加え、切断具を挟んでいる二枚の板は両端に固定用の小さい板でも固定されているので、それがストッパーとなるため指を切るなどの怪我をすることも無くなる。
【0008】
切断するときは切断具を挟んでいる板にあるヒンジ部で90度に開く。開かれた板には目盛が記してある。完全に開ききると切断具の刃がきれいに通るぐらいの隙間ができる。その隙間とローラーがガイドに沿って動くため途中でずれることもなく真っ直ぐに切ることができる。また、切断具を挟んでいる板の中には一周り小さい板が入っている。その板の両端にはバネが取り付けられている。バネは上から切断物を押さえる補助の役割を持つ。これにより切断物を一定の力で安定して押さえることができる。
【0009】
切断具は切る場合は斜めに立てて使う。この際、力がかかり易い角度で軽くロックがかかる。
【0010】
具体的には、本発明は、紙等を正確且つ安全に切断することが出来る切断具付き定規であって、2枚の可動軸を介して展開可能な定規板1と、空洞がありその中に中板が入る2枚の支持板2と、ガイドがありバネを取り付けるための溝がある2枚の中板3と、切断具4とを備え、該中板はその両端にバネ5を備え、該バネを介して支持板と連接し、2枚の支持板は固定板6により空隙を開けて固定され、定規版と支持板は蝶番7により連接され、切断具はその一部にローラー8を備え、中板はその内側に溝部を有し、該溝部がローラーを挟持して切断具を安定して動かすことが出来ることを特徴とする切断具付き定規である。
【0011】
また本発明は、該定規板は、蝶番を介して支持板と連接されており、使用時には紙等の切断対象上に定規板を展開して、該定規の目盛を基準に該切断具により切断を行い、非使用時には定規版を畳むことにより可搬性を向上せしめたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、該中板はその両端にバネを備え、該バネを介して支持板と連接し、使用時に切断具を押圧した場合、支持板を介して定規板に圧力が加わって紙等の切断対象と定規板の摩擦が増加し、紙等の切断対象のズレを防止することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、該切断具はその一部にローラーを備え、中板の備える溝にローラーを挟持して動かすことが出来、且つ、該切断具は非使用時に2枚の中板の間隙に収納することが出来ることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、該切断具が市販のカッターナイフであることを特徴とする。さらに本発明は、該切断具が上部に突起を有し、該突起により非使用時の収納状態から引き上げることにより使用状態とすることを特徴とし、さらに、該突起はカッターナイフの刃のスライドヘッドを兼ねることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、該定規板が展開時に支持板と突き当たることによって水平位置に規定されることを特徴とし、さらに、該定規板は展開時に水平位置に於いて空隙を有するようにその長さが規定され、該空隙により切断具の刃が安定に可動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る切断具付き定規は、簡便な構成で折りたたむことができるため持ち運ぶことが容易で、目盛付きの板が左右にあるため利き手は関係なく扱え、慣れた者でなくても安定にかつ、安全に簡単に紙などの切断物を切ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係る切断具付き定規の機能を説明するための概念図である。
図2図2は、本発明に係る切断具付き定規の収納時の形態を示す概念図である。
図3図3は、本発明に係る切断具付き定規に用いる切断具の一例を示す図である。
図4図4は、支持板と定規板の連接形態を示す図である。
図5図5は、中板の形態を示す図である。
図6図6は、支持板の断面図である。
図7図7は、切断具と中板の関係を示す断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る切断具付き定規を、図面を用いて具体的に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明に係る切断具付き定規の機能を説明するための概念図である。二枚の支持板2の間隙に切断具4が保持される。また、支持板2は蝶番7を介して定規板1と連接されている。使用時には切断具4を立て、定規板1を90度展開し、紙等の切断対象をその定規板で押さえながら切断具をガイドに沿って動かし、切断を行う。
【0020】
図2は、本発明に係る切断具付き定規の収納時の形態を示す概念図である。収納時には定規板1を畳み、切断具4を二枚の支持板2の間隙に収納する。
【0021】
図3は、本発明に係る切断具付き定規に用いる切断具の一例を示す図である。切断具4は、収納時には二枚の支持板2の間隙に収納される。突起部は使用する際に切断具の展開を容易にするためのものである。また、かかる突起部は切断具として市販のカッターを用いる際にはカッターの刃の出し入れのための取っ手としても機能する。なお、切断具は市販のカッターに限定されるものではなく、様々な刃物を用いることができる。また、切断具はローラー8を備えている。
【0022】
図4は、支持板と定規板の連接形態を示す図である。支持板2は蝶番7を介し定規板1と連接されている。
【0023】
図5は、中板の形態を示す図である。中板3の両端には溝があり、そこにバネ5を取り付ける。また、中板にはガイドがあり、この溝に前記切断具の備えるローラーを噛み合わせるように組み立てることにより、二枚の中板3の間に切断具4を保持し、ガイドに沿って可動とすることができる。
【0024】
図6は、支持板2の断面図である。支持板2の内面側には中板3の形状に合わせた凹部が形成されており、その中に中板3がバネ5を介して連接される。支持板2の端部は二枚の支持板同士が固定板6により固定されている。ここで、二枚の支持板は固定板により固定されて一定の間隙を保持するが、支持板中に挟持された中板はバネを介して上下に可動域を有し、切断具により切断が行われる際にはその押圧により下端まで移動して支持板及び定規板に下方への圧力を伝達する。これにより、紙等の切断対象物を押さえ、安定した切断に寄与する。
【0025】
図7は、切断具と中板の関係を示す断面概念図である。切断具4のローラーが、中板3の溝部に挟持され、かかる溝部をガイドとして直線的な切断が安全且つ正確に行われる。
【0026】
以上述べてきたように、本発明は、紙等を正確且つ安全に切断することが出来る切断具付き定規であって、2枚の可動軸を介して展開可能な定規板1と、空洞がありその中に中板が入る2枚の支持板2と、ガイドがありバネを取り付けるための溝がある2枚の中板3と、切断具4とを備え、該中板はその両端にバネ5を備え、該バネを介して支持板と連接し、2枚の支持板は固定板6により空隙を開けて固定され、定規版と支持板は蝶番7により連接され、切断具はその一部にローラー8を備え、中板はその内側に溝部を有し、該溝部がローラーを挟持して切断具を安定して動かすことが出来ることを特徴とする切断具付き定規である。
【0027】
また本発明は、該定規板は、蝶番を介して支持板と連接されており、使用時には紙等の切断対象上に定規板を展開して、該定規の目盛を基準に該切断具により切断を行い、非使用時には定規版を畳むことにより可搬性を向上せしめたことを特徴とする。
【0028】
また本発明は、該中板はその両端にバネを備え、該バネを介して支持板と連接し、使用時に切断具を押圧した場合、支持板を介して定規板に圧力が加わって紙等の切断対象と定規板の摩擦が増加し、紙等の切断対象のズレを防止することを特徴とする。
【0029】
また本発明は、該切断具はその一部にローラーを備え、中板の備える溝にローラーを挟持して動かすことが出来、且つ、該切断具は非使用時に2枚の中板の間隙に収納することが出来ることを特徴とする。
【0030】
また本発明は、該切断具が市販のカッターナイフであることを特徴とする。さらに本発明は、該切断具が上部に突起を有し、該突起により非使用時の収納状態から引き上げることにより使用状態とすることを特徴とし、さらに、該突起はカッターナイフの刃のスライドヘッドを兼ねることを特徴とする。
【0031】
また本発明は、該定規板が展開時に支持板と突き当たることによって水平位置に規定されることを特徴とし、さらに、該定規板は展開時に水平位置に於いて空隙を有するようにその長さが規定され、該空隙により切断具の刃が安定に可動することを特徴とする。
【0032】
かかる構成により、簡便な構成で切断する際に切りやすく、また、きれいに切れ、且つこれを小型化し持ち運びやすいものにした、新規な切断具付き定規を提供することができた。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係る切断具付き定規は、簡便な構成で折りたたむことができるため持ち運ぶことが容易で、目盛付きの板が左右にあるため利き手は関係なく扱え、慣れた者でなくても安定にかつ、安全に簡単に紙などの切断物を切ることができるという利点があり、もって産業上の利用可能性は大であるといえる。
【符号の説明】
【0034】
1 定規板
2 支持板
3 中板
4 切断具
5 バネ
6 固定板
7 蝶番
8 ローラー
【要約】
【課題】簡便な構成で切断する際に切りやすく、また、きれいに切れ、且つこれを小型化し持ち運びやすいものにした、新規な切断具付き定規を提供する。
【解決手段】 2枚の可動軸を介して展開可能な定規板1と、空洞がありその中に中板が入る2枚の支持板2と、ガイドがありバネを取り付けるための溝がある2枚の中板3と、切断具4とを備え、該中板はその両端にバネ5を備え、該バネを介して支持板と連接し、2枚の支持板は固定板6により空隙を開けて固定され、定規版と支持板は蝶番7により連接され、切断具はその一部にローラー8を備え、中板はその内側に溝部を有し、該溝部がローラーを挟持して切断具を安定して動かすようにした。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7