(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スタイレットが前記第1の位置にあるときに前記基部部分内に配置される前記スタイレットの前記近位端部分は、前記スタイレットが前記第1の位置にあるときに前記基部部分の外側に配置される前記スタイレットの部分よりも大きな直径を有する、
請求項1に記載の装置。
前記組織アンカは、内腔を規定し、前記第1のリッジ及び前記第2のリッジの間の前記スタイレットの前記部分は、前記スタイレットが前記第1の位置にあるとき、前記組織アンカによって規定される前記内腔を通って延びる、
請求項1に記載の装置。
前記組織アンカは、内腔を規定し、前記スタイレットの前記遠位端部分の前記テーパ部分は、前記スタイレットが前記第1の位置にあるとき、前記組織アンカの前記内腔から遠位方向に延びる、
請求項1に記載の装置。
前記スタイレットの前記近位端部分は、少なくとも1つの係合部材とを含み、前記基部部分は、少なくとも1つの係合部材を含み、前記スタイレットの前記少なくとも1つの係合部材は、前記スタイレットが前記第2の位置にあるとき、前記基部部分の前記少なくとも1つの係合部材と係合する、
請求項1に記載の装置。
前記スタイレットの前記少なくとも1つの係合部材は、リップと、少なくとも1つの戻り止めを含み、前記基部部分の前記少なくとも1つの係合部材は、前記基部部分の前記内腔内に延びる少なくとも1つの突起を含む、
請求項8に記載の装置。
前記少なくとも1つの戻り止めは、第1の戻り止めと第2の戻り止めとを含み、前記少なくとも1つの突起は、第1の突起と第2の突起とを含み、前記第1の突起及び前記第2の突起は、互いに向かって延びるとともに、前記スタイレットが前記第1の位置にあるとき、前記第1の戻り止め及び前記第2の戻り止めにそれぞれ係合する、
請求項9に記載の装置。
前記スタイレットが前記第1の位置にあるときに前記基部部分の前記内腔内に配置される前記スタイレットの前記近位端部分は、前記スタイレットが前記第1の位置にあるときに前記基部部分の前記内腔の外側に配置される前記スタイレットの部分よりも大きな直径を有する、
請求項12に記載の装置。
前記スタイレットが前記第1の位置にあるときに前記基部部分の前記内腔内に配置される前記スタイレットの前記近位端部分は、前記スタイレットが前記第1の位置にあるときに前記基部部分の前記内腔の外側に配置される前記スタイレットの部分よりも大きな直径を有する、
請求項14に記載の装置。
前記スタイレットの前記近位端部分は、少なくとも1つの係合部材を含み、前記基部部分は、少なくとも1つの係合部材を含み、前記スタイレットの前記少なくとも1つの係合部材は、前記スタイレットが前記第2の位置にあるとき、前記基部部分の前記少なくとも1つの係合部材に係合する、
請求項14に記載の装置。
前記スタイレットの前記遠位端部分は、前記スタイレットが前記第1の位置にあるとき、前記組織アンカの全長が前記第1のリッジと前記第2のリッジとの間に配置されるように、前記組織アンカに取り外し可能に連結されるように構成される、
請求項14に記載の装置。
前記第1のリッジは、表面を含み、前記第2のリッジは、表面を含み、前記第1のリッジの前記表面は、前記第2のリッジの前記表面に対向し、前記スタイレットの前記遠位端部分は、前記組織アンカが前記第1のリッジの前記表面と前記第2のリッジの前記表面との間に配置されるように、前記組織アンカを前記遠位端部分に取り外し可能に連結するよう構成される、
請求項14に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、いったんメッシュ担体が組織内に挿入されると、かつ挿入デバイスから除去の際も、メッシュ担体が身体組織内の単一場所に残留し得る構成を有する、挿入デバイスの必要性が存在する。また、挿入デバイスからのメッシュ担体の展開を促進する構成を有する、挿入デバイスの必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
いくつかの実施形態では、挿入デバイスは、細長い部材と、スタイレットと、を含む。細長い部材は、近位端部分と、遠位端部分と、を有し、近位端部分と遠位端部分との間の内腔を規定する。スタイレットは、遠位端部分と、近位端部分と、を有する。スタイレットは、スタイレットが、細長い部材に対して、第1の位置から第2の位置に移動するように構成されるように、細長い部材に摺動可能に連結される。スタイレットの遠位端部分は、メッシュ担体をそこに取り外し可能に連結するように構成される。スタイレットの遠位端部分の一部は、スタイレットがその第1の位置にあるとき、細長い部材の内腔の外側に配置され、スタイレットがその第2の位置にあるとき、内腔内に配置される。
【0008】
他の実施形態では、細長い部材は、近位端部分と、遠位端部分と、を含み、そこを通る内腔を規定する。スタイレットは、遠位端部分と、近位端部分と、を有し、第1の位置から第2の位置に移動するように構成される。スタイレットの遠位端部分は、メッシュ担体をそこに取り外し可能に連結するように構成され、スタイレットがその第1の位置にあるとき、メッシュ担体に連結されるように構成される。細長い部材は、メッシュ担体に接触し、スタイレットがその第1の位置からその第2の位置に移動するのに応じて、メッシュ担体をスタイレットの遠位端部分から分断するように構成される。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
挿入デバイスであって、
近位端部分と遠位端部分とを有する細長い部材であって、該細長い部材は、該細長い部材を通る内腔を規定する、細長い部材と、
遠位端部分と近位端部分とを有するスタイレットであって、該スタイレットは、該細長い部材に摺動可能に連結され、該スタイレットは、該細長い部材に対して、第1の位置から第2の位置に移動するように構成され、該スタイレットの遠位端部分は、組織アンカをそこに取り外し可能に連結するように構成され、該スタイレットの遠位端部分の一部は、該スタイレットがその第1の位置にあるとき該細長い部材の内腔の外側に配置され、該スタイレットの該一部は、該スタイレットがその第2の位置にあるとき内腔内にある、スタイレットと
を備える、デバイス。
(項目2)
前記スタイレットは、湾曲部分を含む、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目3)
前記スタイレットの遠位端部分は第1の直径を有し、該スタイレットの近位端部分は、第2の直径を有し、該第2の直径は、該第1の直径より大きい、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目4)
前記スタイレットの遠位端部分は、リッジと、先端と、該リッジと該先端との間に延びるテーパ部分とを規定し、該リッジは、前記組織アンカと相互作用するように構成される、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目5)
前記スタイレットの遠位端部分は、前記組織アンカの遠位端部分の外側に配置され、それに接触するように構成されるリッジを規定する、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目6)
前記スタイレットの遠位端部分は、前記組織アンカによって規定される内腔を通って延びるように構成される、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目7)
前記スタイレットの遠位端部分は、前記組織アンカの遠位端部分の外側に延びるように構成される、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目8)
前記細長い部材の近位端部分は少なくとも1つの突起を有する基部部分を含み、前記スタイレットの近位端は、該基部部分の少なくとも1つの突起に係合するように構成される、停止部分を有する、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目9)
前記スタイレットの近位端部分は、リップを有する停止部分を含み、該リップは、該スタイレットがその第1の位置からその第2の位置に移動されると、前記細長い部材の突起に係合するように構成される、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目10)
前記細長い部材の遠位端部分は、前記スタイレットがその第1の位置からその第2の位置に移動されると、前記組織アンカに接触するように構成される、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目11)
前記細長い部材の遠位端部分は、前記スタイレットがその第1の位置からその第2の位置に移動されると、前記組織アンカの近位端部分に接触し、該組織アンカを該スタイレットから分断するように構成される、項目1に記載の挿入デバイス。
(項目12)
挿入デバイスであって、
近位端部分と遠位端部分とを有する細長い部材であって、該細長い部材は、該細長い部材を通る内腔を規定する、細長い部材と、
遠位端部分と近位端部分とを有するスタイレットであって、該スタイレットは、第1の位置から第2の位置に移動するように構成され、該遠位端部分は、組織アンカをそこに取り外し可能に連結するように構成され、該遠位端部分は、該スタイレットがその第1の位置にあるとき該組織アンカに連結され、該細長い部材は、該スタイレットがその第1の位置からその第2の位置に移動されると、該組織アンカに接触し、該組織アンカを該スタイレットの遠位端部分から分断するように構成される、スタイレットと
を備える、デバイス。
(項目13)
前記スタイレットの遠位端部分は、リッジと、先端と、該リッジと該先端との間に延びるテーパ部分とを規定し、該リッジは、前記組織アンカと相互作用するように構成される、項目12に記載の挿入デバイス。
(項目14)
組織アンカであって、
近位端部分と遠位端部分とを備え、該近位端部分と該遠位端部分との間の内腔を規定し、該近位端部分は、その中にフィラメントの一部を受容するように構成される開口を規定し、該近位端部分は、該組織アンカに対して、該フィラメントの部分を固着するための保持部分を含み、該内腔は、その中にスタイレットを受容するように構成され、該スタイレットは、該フィラメントに隣接して配置され、該遠位端部分は、該スタイレットと相互作用するように構成される、アンカ。
(項目15)
前記保持部分は、前記フィラメントの部分を穿刺するように構成される突起を含む、項目14に記載の組織アンカ。
(項目16)
患者の身体組織内に前記組織アンカを係留するように構成されるアンカ部分をさらに備える、項目14に記載の組織アンカ。
(項目17)
組織アンカを挿入デバイスのスタイレットの遠位端部分に連結することであって、該スタイレットは、細長い部材に移動可能に連結される、ことと、
該挿入デバイスを患者の体内に挿入することと、
該細長い部材に対して、該スタイレットを第1の位置から第2の位置に移動させ、該組織アンカを該挿入デバイスのスタイレットから分断することと、
該挿入デバイスを該身体から除去することと
を含む、方法。
(項目18)
前記組織アンカを連結することは、前記スタイレットの遠位端部分が、前記細長い部材の遠位端部分を越えて延びるように、該スタイレットをその第1の位置に移動させることを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記組織アンカの連結は、前記スタイレットの遠位端部分によって規定されるリッジが、該組織アンカと相互作用するように、該組織アンカによって規定される内腔内に該スタイレットを挿入することを含む、項目17に記載の方法。
(項目20)
前記スタイレットの該スタイレットの第2の位置への移動は、該スタイレットを遠位方向に移動させることを含む、項目17に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
本明細書に説明される、挿入デバイスおよびメッシュ担体は、身体組織内等、患者の体内に挿入可能である。例えば、挿入デバイスは、身体組織に対して、移植片(また、本明細書では、「フィラメント」、「テープ」、「移植片」、「メッシュ」、「スリング」、または「ストラップ」とも称される)を選択的に保持するように構成される、第1のメッシュ担体を送達するように構成可能である。複数のそのようなメッシュ担体は、患者の体内の離間された場所に係留しながら、複数のメッシュ担体との間にフィラメントを保持し、身体の他の部分(例えば、器官または器官の一部)に対して、支持を提供することが可能である。
【0011】
挿入デバイスは、メッシュ担体を患者の身体組織内に留置、配置、または別様に挿入するように構成される。フィラメントは、1つのメッシュ担体によって、フィラメントが患者内に保持されると、身体組織または器官を懸架あるいは支持するように構成される。したがって、一実施形態では、挿入デバイスは、失禁治療のために、外閉鎖筋内にメッシュ担体を留置可能である。具体的には、第1および第2のメッシュ担体が、患者の外閉鎖筋内に留置され、フィラメントが、第1と第2のメッシュ担体との間に延在され、患者の尿道または膀胱頸部を支持する。挿入デバイスは、種々の異なる構成であって、種々の異なる構成要素を有することが可能である。
【0012】
本明細書で使用される場合、「近位」および「遠位」とは、それぞれ、手技の際、挿入デバイスまたは治療デバイスを使用するであろう、操作者(例えば、外科医、医師、看護士、技術者等)により近い方向と、そこからより離れた方向と、を指す。例えば、患者の身体に最初に接触する、挿入デバイスの端部は、遠位端である一方、挿入デバイスの反対側端部(例えば、操作者によって操作される挿入デバイスの端部)は、挿入デバイスの近位端となるであろう。同様に、患者の身体内の最も深くまで移植される、挿入デバイスの端部は、遠位端である一方、挿入デバイスの反対側端部(例えば、体内に最小量のみ移植される挿入デバイスの端部、または身体の外側に配置される挿入デバイスの端部)は、近位端となるであろう。
【0013】
図1は、本発明のある実施形態による、挿入デバイス100の略図である。挿入デバイス100は、身体組織内等、患者の体内に挿入可能である。
【0014】
挿入デバイス100は、近位端部分102と、遠位端部分104と、を有する。挿入デバイス100は、細長い部材110と、スタイレット130と、を含む。細長い部材110の少なくとも一部およびスタイレット130の一部は、患者の体内に挿入されるように構成される。細長い部材110は、近位端部分112と、遠位端部分113と、を含み、スタイレット130に対して、移動するように構成される。
【0015】
スタイレット130は、いくつかの実施形態では、近位端部分132と、遠位端部分134と、を含む。遠位端部分134は、メッシュ担体と相互作用するように構成される。スタイレット130は、細長い部材110に対して、第1の位置から第2の位置に移動するように構成される。
【0016】
スタイレット130が、その第1の位置にあるとき、スタイレット130の遠位端部分134の一部は、細長い部材110の遠位端部分113を越えて延び、メッシュ担体に連結されるように構成される。スタイレット130が、その第1の位置からその第2の位置に、近位に移動されるのに伴って、細長い部材110の遠位端部分113は、メッシュ担体に接触し、メッシュ担体のさらなる近位移動を防止する。スタイレット130が、その第2の位置にあるとき、スタイレット130が、その第1の位置にあったとき、細長い部材110の遠位端部分113を越えて延びた、スタイレット130の遠位端部分134の一部は、細長い部材110の内腔内に配置される。したがって、スタイレット130が、その第1の位置からその第2の位置に移動されるのに伴って、メッシュ担体は、スタイレット130の遠位端部分134から分断または除去され、身体組織内に解放される。
【0017】
いくつかの実施形態では、細長い部材は、近位端部分と遠位端部分との間に延びる、内腔を規定する。そのような実施形態では、内腔は、スタイレットを受容するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、スタイレットの近位端部分は、ハンドルに連結されるように構成可能である。
【0019】
メッシュ担体は、上述に開示された実施形態に説明されるように、挿入デバイス100と併用されるが、いくつかの実施形態では、組織アンカを使用可能であることを理解されたい。
【0020】
図2−16および20は、挿入デバイスの一実施形態を例証する。挿入デバイス200は、近位端部分202と、遠位端部分204(細長い部材210およびスタイレット230の両方の一部を含む)と、を有する。細長い部材210およびスタイレット230は、患者の体内に少なくとも部分的に挿入されるように構成される。
【0021】
細長い部材210は、近位端部分212と、遠位端部分213と、を含み、近位端部分212と遠位端部分213との間に延び、スタイレット230の少なくとも一部を受容するように構成される、内腔218(例えば、
図13に図示される)を規定する。例証される実施形態では、挿入デバイス200の細長い部材210は、実質的可撓性材料を備え、それによって、細長い部材210をスタイレット200の形状と適合させる。
【0022】
図4b、9、および10に示されるように、細長い部材210は、その近位端部分212に連結される、基部部材250を含む。基部部材250は、遠位端部分252と、近位端部分254と、を含み、細長い部材210の内腔218の一部をさらに規定する。具体的には、基部部材250は、スタイレット230(以下に詳述される)の少なくとも一部の周囲に配置される、またはそれに摺動可能に連結されるように構成される。遠位端部分252は、細長い部材210の近位端部分212に固定して連結されるように構成される。基部部材250の遠位端部分252は、任意の好適な連結機構によって、細長い部材210に固定して連結可能である。例えば、いくつかの実施形態では、基部部材250および細長い部材210は、一体的に構築可能である。
【0023】
基部部材250の近位端部分254は、スタイレット230が、第1の位置にあるとき(例えば、
図2および11に図示される)、ハンドル270の遠位端部分274に近接して配置されるように構成され、スタイレット230が、第2の位置にあるとき(例えば、
図3および12に図示される)、ハンドル270の遠位端部分274から離間するように構成される。例証される実施形態では、基部部材250は、スタイレット230の近位端部分232に配置され、それに摺動可能に連結される。
【0024】
例証される実施形態では、基部部材250は、スタイレット230(本明細書に詳述される)に対して、細長い部材の過度の近位または遠位移動を防止するために、そこから延びる、突起256および257を含む(
図10−12に図示される)。基部部材250は、任意の好適な材料から構築可能である。一実施形態では、基部部材250は、ポリマーから構築可能である。例えば、基部部材250は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)から構築可能である。
【0025】
スタイレット230は、遠位端部分234と、近位端部分232と、を含む。スタイレット230は、細長い部材210によって規定される、内腔218内に摺動可能に配置される。
図13に示されるように、スタイレット230の遠位端部分234は、第1のリッジ235と、第2のリッジ236と、先端237と、第2のリッジ236と先端237との間に延びる、テーパ部分238と、を規定する。先端237は、種々の形状であることが可能であって、例えば、一実施形態では、スタイレット先端は、尖頭である。別の実施形態では、スタイレット先端は、鋭利であることが可能である。さらに別の実施形態では、先端は、鈍頭である。
【0026】
スタイレット230の遠位端部分234は、メッシュ担体290によって規定される、内腔291(例えば、
図15a、15b、16、20に図示される)を通って延びるように構成される。第1のリッジ235は、メッシュ担体290の近位端部分294と相互作用するように構成される。第2のリッジ236は、内腔291の外側に配置され、メッシュ担体290(以下に詳述される)の遠位端部分293と相互作用するように構成される。
【0027】
スタイレット230の近位端部分232は、細長い部材210に摺動可能に連結され、細長い部材210の内腔218を通って延びる。例証される実施形態では、近位端部分232は、戻り止め231aおよび231bと、リップ233(例えば、
図7および8に図示される)と、を含む。戻り止め231aは、スタイレット230が、その第1の位置にあるとき(
図11に図示される)、細長い部材210の基部部材250の突起256、257と嵌合するように構成される。戻り止め231bおよびリップ233は、スタイレット230が、第1の位置から第2の位置に、近位に移動されると(
図12に図示される)、基部部材250の突起256、257と相互作用および/または接触するように構成される。
【0028】
図13に示されるように、スタイレット230の少なくとも一部は、第1の直径を規定する。近位端部分232の一部は、遠位端部分234の第1の直径と異なる、第2の直径を規定する。例証される実施形態では、第2の直径は、第1の直径より大きい。
【0029】
スタイレット230の近位端部分232は、ハンドル270に連結される。ハンドル270は、近位端部分272と、遠位端部分274と、を含む。図示されるように、例えば、
図3、4a、および5では、ハンドル270の遠位端部分274は、スタイレットの近位端部分232に固定して連結される。したがって、細長い部材210に対して、近位方向におけるハンドルの移動は、スタイレットを近位方向に移動させ、細長い部材210に対して、遠位方向における移動は、スタイレットを遠位方向に移動させる。
【0030】
ハンドル270は、クリップ、接着剤、締まり嵌め、嵌合陥凹等を含むが、それらに限定されない、任意の周知の連結機構によって、スタイレット230に連結可能である。別の実施形態では、ハンドルは、上述の周知の連結機構の任意の組み合わせによって、送達アセンブリに連結される。他の実施形態では、ハンドルおよびスタイレットは、一体的に構築可能である。さらに他の実施形態では、例えば、ハンドルは、スタイレットに挿入成形可能である。
【0031】
ハンドル270は、起伏形状(例えば、
図2および3に図示される)を規定するように例証されるが、ハンドル270は、円筒形形状等、種々の形状、サイズ、および構成を規定可能である。さらに、ハンドル270は、任意の好適な材料から構築可能である。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドル270は、少なくとも1つのポリマーから構築可能である。他の実施形態では、例えば、ハンドル270は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)から構築可能である。他の実施形態では、ハンドル270は、その外側表面の一部を被覆し、施術者に快適または確実な握持面積を提供する、熱可塑性エラストマー(TPE)材料を含むことが可能である。
【0032】
スタイレット230は、例えば、
図2に図示される、第1の位置(すなわち、延在位置)と、例えば、
図3に図示される、第2の位置(すなわち、退縮位置)と、を有する。スタイレット230が、その第1の位置にあるとき、スタイレット230の遠位端部分234の少なくとも一部は、細長い部材210の遠位端部分213における内腔218から延びる。
【0033】
遠位端部分234の一部は、内腔291を通って、メッシュ担体290によって規定される、開口部291bから延びるようにさらに構成される。具体的には、スタイレット230は、第1のリッジ235が、メッシュ担体290の近位端部分294と相互作用し、スタイレット230の遠位端部分234によって規定される、第2のリッジ236が、メッシュ担体290の遠位端293と相互作用するように、内腔291を通って、メッシュ担体290(例えば、
図6、15a−16、および20に図示される)の開口部291bから延びるように構成される。第1のリッジ235および第2のリッジ236のメッシュ担体との相互作用は、メッシュ担体290をスタイレット230の遠位端部分234に保持するのを支援する。スタイレット230が、その第1の位置からその第2の位置に移動されるのに伴って、細長い部材210の遠位端部分213は、メッシュ担体290の近位端294に接触し、メッシュ担体290の近位移動を防止する。スタイレット230が、その第2の位置にあるとき、例えば、
図3に例証されるように、スタイレット230がその第1の位置にあったとき、内腔218の外側に配置された、スタイレット230の遠位端部分234の一部は、細長い部材210の内腔218内に配置される。具体的には、例証される実施形態では、スタイレット230が、その第1の位置から近位に移動されると、細長い部材210の遠位端部分213は、メッシュ担体290の近位端294に接触し、身体組織内のその場所を維持する。それによって、メッシュ担体290は、スタイレット230の遠位端部分234から分断または除去され、身体組織内に解放される。
【0034】
スタイレット230は、患者の体内への挿入に好適な任意の材料から構築可能である。例えば、いくつかの実施形態では、スタイレットは、ステンレス鋼から構築可能である。他の実施形態では、スタイレットは、ポリマーから構築可能である。
【0035】
図17および18は、上述の挿入デバイス200と併用可能なメッシュ担体290の斜視図である。メッシュ担体290は、近位端294と、遠位端293と、を有し、近位端294から遠位端293に延びる、内腔291を規定する。メッシュ担体290は、例えば、
図5、6、15a−16、および20に図示されるように、スタイレット230の遠位端部分234に取り外し可能に連結される。近位端部分294は、内腔291と連通する、開口部291aを規定する。開口部291aは、スタイレット230の遠位端部分234を受容するように構成される。メッシュ担体290の近位端294は、スタイレット230が、その第1の位置にあるとき、挿入デバイス200の細長い部材210の遠位端部分213に近接する。近位端294は、スタイレット230がその第1の位置からその第2の位置に移動される間、遠位端部分213に接触する。したがって、その第1の位置からその第2の位置に、スタイレット230を近位方向に移動させることによって、メッシュ担体290は、スタイレット230から分断され、身体組織に固定される。
【0036】
さらに、メッシュ担体290の近位端部分294は、保持部分295と、アンカ部分298と、を含み、開口292を規定する。保持部分295は、そこから延びる、4つの突起295a、295b、295c、および295dを含む。保持部分295は、メッシュ担体290に対して、フィラメント205の少なくとも一部を保持または固着するように構成される。具体的には、例証される実施形態では、突起295a−295dは、メッシュ担体290が、身体組織内に留置されると、メッシュ担体290の開口292に対して、フィラメント205の移動を防止するのを支援するように構成される。突起295a−295dは、フィラメント205の一部が、開口292内に延びると、突起295a−295dが、フィラメント205を穿刺し、フィラメント205をメッシュ担体290の開口292内に個着するように構成される。したがって、フィラメント205は、保持部分295とのその相互作用によって、メッシュ担体290に対して、定置に保持される。
【0037】
保持部分295は、4つの突起295a−295bを含むように、例証および説明されるが、一実施形態では、保持部分295は、3つの突起を含む。別の実施形態では、保持部分295は、1つまたは2つの突起を含む。代替として、保持部分295は、5つ以上の突起を含むことが可能である。
【0038】
保持部分295は、フィラメント205に係合または固着するように構成される、突起295a−295dを含むように例証されるが、一実施形態では、保持部分295は、メッシュ担体290に対して、フィラメント205を保持するための異なる機構を含む。例えば、一実施形態では、保持部分295は、クリップ、接着剤等を含む。別の実施形態では、保持部分295は、突起、クリップ、接着剤等の任意の組み合わせを含む。
【0039】
メッシュ担体290のアンカ部分298は、患者の体内にメッシュ担体290の少なくとも一部を保持するのを支援するように構成される。アンカ部分298は、メッシュ担体290が、留置される身体組織を通って移動するのを防止するのを支援するように構成される。例えば、一用途では、アンカ部分298は、内閉鎖筋または外閉鎖筋のうちの1つ内に、メッシュ担体290を保持あるいは係留するように構成される。
図17および18に例証されるように、アンカ部分298は、メッシュ担体290の近位端部分294またはそれに近接して配置される。アンカ部分298は、突起298a、298b、298c、298dを含む。突起298a−298dは、いったんメッシュ担体290が身体組織内に留置されると、患者の身体組織内にメッシュ担体290を係留するのを支援するように構成される。
【0040】
図17および18に例証される実施形態では、突起298a−298dは、メッシュ担体290が、身体組織内に留置され、挿入デバイスが除去されると、身体組織が、メッシュ担体290の後方に退行し、したがって、メッシュ担体290を身体組織内に係留するのを支援し得るように、メッシュ担体290から外向きに延びるように構成される。
【0041】
開口292は、フィラメント205が、スタイレット230(図示せず)に隣接して配置されるように、フィラメント205(
図19−21に図示される)の少なくとも一部を受容するように構成される。開口292は、フィラメント205の移動または調節に対して、ほとんどまたは全く抵抗を提供しないように構成可能である。例えば、開口292は、フィラメント205の幅または厚さよりサイズが大きい開口部を有することが可能である。そのような実施形態では、フィラメント205が、突起295a−295dによって穿刺される前に、フィラメント205は、ほとんどまたは全く抵抗を受けることなく、開口292内に容易に留置可能である。
【0042】
別の実施形態では、開口292は、開口292を通って通過される(または、その中に受容される)、フィラメント205との摩擦嵌合を提供するように構成可能である。例えば、開口292は、フィラメント205の厚さより若干小さい(または、より狭小である)ように構成可能である。そのような実施形態では、開口292を通してフィラメント205を移動させるために、力が印加されなければならない。本構成は、メッシュ担体290によって、フィラメント205をさらに固着させるであろう。
【0043】
開口292は、フィラメント205を受容するように構成される、任意の好適なサイズまたは形状を有することが可能であって、例えば、形状は、フィラメント205を受容するように構成される、U形状、正方形、四角形、または任意の他の形状であることが可能である。
【0044】
メッシュ担体290は、身体組織内への移植のために好適な任意の材料から構築可能である。例えば、メッシュ担体290は、移植可能等級ポリプロピレン、移植可能等級金属、ポリマー、生体適合性材料、またはそれらの任意の組み合わせから構築可能である。好適な生体適合性材料は、生体吸収性、死体、およびウシ由来材料を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、メッシュ担体290は、製造施設において、フィラメント205と予め組み立て可能である。予め組み立てられたセットは、2つのメッシュ担体290および390と、指定または周知の長さのフィラメント205と、を含むことが可能である。例えば、
図21に示されるように、フィラメント205の第1の端部部分205aは、製造施設において、第1のメッシュ担体290に対して、挿入および固着可能である。加えて、フィラメント205の第2の端部部分205bは、第2のメッシュ担体390に対して、挿入および固着可能である。具体的には、例証される実施形態では、フィラメント205の第1の端部部分205は、第1のメッシュ担体290の突起295aおよび295b(他は図示せず)によって穿刺され、それによって、フィラメント205の第1の端部部分205aを第1のメッシュ担体290の保持部分295内に保持する。フィラメント205の第2の端部部分205bは、第2のメッシュ担体390の突起395cおよび395d(他は図示せず)によって穿刺され、それによって、フィラメント205の第2の端部部分205aを第2のメッシュ担体390の保持部分395内に保持する。フィラメント205は、第1のメッシュ担体290と第2のメッシュ担体390との間に延び、フィラメント205の固定長Lを生成する。
【0046】
フィラメント205は、上述のように、多くの異なる好適な材料から構築され、多くの異なる好適な構成を有することが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、尿道を支持するために使用可能なポリマーメッシュ移植片が使用され得る。他の実施形態では、ポリフォーム材料を使用可能である。
【0047】
いくつかの実施形態では、フィラメントの少なくとも一部は、補強材料等によって、補強可能である。補強材料またはフィラメントの補強部分は、身体組織または器官を懸架または支持するのを補助するように構成可能である。一実施形態では、フィラメントは、縫合糸によって、補強可能である。
【0048】
いくつかの実施形態では、フィラメントの少なくとも一部は、身体組織の一部を握持または取着するために、凸縁または凸縁状部分を含むことが可能である。「凸縁状」または「凸縁」とは、本明細書で使用されるように、織布または編地メッシュ材料あるいはフィラメントを切断する際に生じ得るような、粗面またはギザギザ縁あるいは面積を意味する。凸縁は、恥骨尿道組織等、身体組織内におけるフィラメントの係留を向上させる。一実施形態では、フィラメントは、フィラメントの全長に沿った縁に凸縁を含む。別の実施形態では、凸縁は、フィラメントの端部部分にのみある。
【0049】
他の実施形態では、フィラメントは、溶解し、玉状化し、平滑な仕上がりを形成するように、ポリマーメッシュ上の凸縁を加熱する等によって、非凸縁化または凸縁を除去可能である。
【0050】
いくつかの実施形態では、フィラメントは、コーティングを含むことが可能である。例えば、フィラメントは、ポリマーコーティングを含むことが可能である。別の実施例では、フィラメントは、治療剤コーティングを含むことが可能である。
【0051】
いくつかの実施形態では、フィラメントは、多孔性であることが可能である。多孔性フィラメントは、フィラメント内またはフィラメントを形成する材料の束間に開口部または気孔を規定する。例えば、一実施形態では、フィラメントは、メッシュである。フィラメントは、開口部または気孔が小さい、微小孔性メッシュであることが可能である。
【0052】
図21は、患者の骨盤領域の身体組織T内に係留される、第1のメッシュ担体290および第2のメッシュ担体390の実施例を例証する。フィラメント205の第1の端部部分205aは、第1のメッシュ担体290によって保持され、フィラメント205の第2の端部部分205bは、第2のメッシュ担体390によって保持される。具体的には、フィラメント205は、第1のメッシュ担体290と第2のメッシュ担体390との間に延び、尿道等の標的組織Tまたは器官に支持を提供する。
【0053】
スタイレット230は、
図2−6に例証されるように、湾曲構成を有するが、他の構成も可能であることを理解されたい。例えば、
図23および24に図示されるように、スタイレット330は、実質的に直線または線形構成を有することが可能である。そのような実施形態では、遠位端部分334の一部は、メッシュ担体(図示せず)を通って延びるように構成される。具体的には、スタイレット330は、スタイレット330の遠位端部分334によって規定される、第2のリッジ336が、メッシュ担体の遠位端と相互作用し、メッシュ担体をスタイレット330の遠位端部分334に保持するのを支援するように、内腔を通って、メッシュ担体の開口部から延びるように構成される。スタイレット330が、その第1の位置からその第2の位置に移動されるのに伴って、細長い部材310の遠位端部分313は、メッシュ担体の近位端に接触し、メッシュ担体の近位移動を防止する。スタイレット330が、その第2の位置にあるとき、例えば、
図24に例証されるように、スタイレット330の遠位端部分334の少なくとも一部は、細長い部材310の内腔内に配置される。具体的には、例証される実施形態では、スタイレット330が、その第1の位置から近位に移動されると、細長い部材310の遠位端部分313は、メッシュ担体の近位端に接触し、身体組織内のその場所を維持する。それによって、メッシュ担体は、スタイレット330の遠位端部分334から分断または除去され、身体組織内に解放される。
【0054】
線形構成を有するスタイレットを伴う、そのような挿入デバイスのさらなる実施例は、Chuの米国特許出願公開第2006/0089524号およびMacLeanの米国特許出願公開第2007/0015953号に記載されている。米国特許出願公開第2006/0089524号および第2007/0015953号の開示は、全体として、参照することによって本明細書に援用される。また、サイズ、形状、および構成の付加的変形例も、上述の刊行物に記載されている。
【0055】
図25は、本発明のある実施形態による、挿入デバイスを使用して、メッシュ担体を患者の身体組織内に送達するための方法400の工程図である。
【0056】
410では、メッシュ担体は、挿入デバイスのスタイレットに連結される。例えば、メッシュ担体の遠位端部分は、スタイレットの遠位端部分と係合される。
【0057】
いくつかの実施形態では、フィラメントの少なくとも一部は、メッシュ担体のスタイレットへの連結に先立って、メッシュ担体によって規定される開口内に挿入される。
【0058】
いくつかの実施形態では、メッシュ担体は、スタイレットがその第1の位置にあるとき、スタイレットの遠位端部分に連結される、またはそれと係合される。そのような実施形態では、スタイレットの遠位端部分は、メッシュ担体によって規定される内腔を通って延び、メッシュ担体の保持部分(例えば、突起)内に保持される、フィラメントに隣接して配置される。
【0059】
420では、挿入デバイスは、患者の体内に挿入される。例えば、一実施形態では、挿入デバイスは、身体組織内に生成される切開を通して、患者の体内に挿入される。尿失禁のための手技では、経膣アプローチを使用して、患者の体内に送達器具を挿入してもよい。
【0060】
430では、メッシュ担体は、身体組織の所望の部分に近接して位置付けられ、メッシュ担体は、身体組織内に挿入される。例えば、女性尿失禁のための手技では、メッシュ担体は、内閉鎖筋または外閉鎖筋のうちの1つ内に挿入される。一実施形態では、前膣切開が生成され、メッシュ担体が、そのような切開を通して、身体組織内に挿入される。
【0061】
440では、スタイレットは、その第1の位置からその第2の位置に移動される。具体的には、例証される実施形態では、スタイレットは、スタイレットの遠位端部分が、メッシュ担体の内腔から脱抜されるように、その第1の位置からその第2の位置に、近位方向に移動される。スタイレットの遠位端部分をメッシュ担体の内腔から脱抜し、遠位端部分を細長い部材の内腔内に配置することによって、細長い部材の遠位端部分は、メッシュ担体の内腔から除去されるのに伴って、メッシュ担体の近位端部分に接触し、それによって、身体組織内のメッシュ担体の位置を維持する。したがって、メッシュ担体は、スタイレットから分断または除去され、それによって、メッシュ担体およびフィラメントを身体組織内に固定する。例えば、一手技では、施術者は、並行して、細長い部材のハンドルを近位方向に引きながら、細長い部材の基部部分を実質的に定置に保持する。
【0062】
いくつかの実施形態では、細長い部材は、第1の位置から第2の位置に移動される一方、スタイレットを実質的に定置に保持する。細長い部材は、細長い部材の遠位端部分が、メッシュ担体の近位端部分に接触し、メッシュ担体をスタイレットから分断するように、スタイレットに対して、第1の位置から第2の位置に、遠位方向に移動する。例えば、一手技では、施術者は、並行して、スタイレットのハンドルを実質的に定置に保持する一方、細長い部材の基部部材を遠位方向に押動し、細長い部材をその第2の位置に移動させる。
【0063】
450では、挿入デバイスは、患者の身体から脱抜される。
【0064】
身体組織内にメッシュ担体を送達する方法は、ある順番で例証および説明されるが、作業は、異なる順番で生じることも可能である。例えば、いくつかの実施形態では、メッシュ担体は、メッシュ担体によって規定される開口内へのフィラメントの挿入に先立って、挿入デバイスのスタイレットと係合される。
【0065】
患者の身体組織内にメッシュ担体を送達するための方法は、フィラメントを身体組織に固着するために、2つ以上のメッシュ担体を送達することを含むことが可能である。例えば、一実施形態では、
図22に例証されるように、2つのメッシュ担体が、患者の身体組織内に送達される。代替として、3つ、4つ、またはそれ以上のメッシュ担体が、患者の身体組織内に送達可能である。2つ以上のメッシュ担体を伴う実施形態では、第1のメッシュ担体は、上述のように送達される。フィラメントの張力は、第2のメッシュ担体を患者内の特定の場所に挿入することによって、調節可能である。
【0066】
一実施形態では、挿入デバイスは、細長い部材と、スタイレットと、を含む。細長い部材は、近位端部分と、遠位端部分と、を有し、そこを通る内腔を規定する。スタイレットは、遠位端部分と、近位端部分と、を有し、細長い部材に摺動可能に連結される。スタイレットは、細長い部材に対して、第1の位置から第2の位置に移動するように構成される。スタイレットの遠位端部分は、メッシュ担体をそこに取り外し可能に連結するように構成される。スタイレットの遠位端部分の一部は、スタイレットがその第1の位置にあるとき、細長い部材の内腔の外側に配置され、スタイレットがその第2の位置にあるとき、内腔内に配置される。
【0067】
いくつかの実施形態では、スタイレットは、湾曲部分を含む。スタイレットの遠位端部分は、第1の直径を有し、スタイレットの近位端部分は、第2の直径を有する。第2の直径は、第1の直径より大きい。スタイレットの遠位端部分は、リッジと、先端と、リッジと先端との間に延びる、テーパ部分と、を規定する。リッジは、メッシュ担体と相互作用するように構成され、メッシュ担体の遠位端部分の外側に配置され、それと接触するように構成される。スタイレットの遠位端部分は、メッシュ担体によって規定される、内腔を通って延び、メッシュ担体の遠位端部分の外側に延びるように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、細長い部材の近位端部分は、少なくとも1つの突起を有する、基部部分を含む。スタイレットの近位端部分は、基部部分の少なくとも1つの突起に係合するように構成される、停止部分を含む。スタイレットの近位端部分は、リップを有する、停止部分を含むリップは、スタイレットが、その第1の位置からその第2の位置に移動されると、細長い部材の突起に係合するように構成される。
【0069】
いくつかの実施形態では、挿入デバイスは、スタイレットに連結される、ハンドルを含む。細長い部材の近位端部分は、スタイレットがその第1の位置にあるとき、ハンドルの遠位端部分に接触するように構成され、スタイレットがその第2の位置にあるとき、ハンドルの遠位端部分から離間するように構成される。
【0070】
いくつかの実施形態では、細長い部材の遠位端部分は、スタイレットが、その第1の位置からその第2の位置に移動されると、メッシュ担体に接触するように構成される。細長い部材の遠位端部分は、スタイレットが、その第1の位置からその第2の位置に移動されると、メッシュ担体の近位端部分に接触し、メッシュ担体をスタイレットから分断するように構成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、スタイレットは、ステンレス鋼を含む。
【0072】
別の実施形態では、挿入デバイスは、細長い部材と、スタイレットと、を含む。細長い部材は、近位端部分と、遠位端部分と、を有し、そこを通る内腔を規定する。スタイレットは、遠位端部分と、近位端部分と、を有し、第1の位置から第2の位置に移動するように構成される。スタイレットの遠位端部分は、メッシュ担体をそこに取り外し可能に連結するように構成される。スタイレットの遠位端部分は、スタイレットがその第1の位置にあるとき、メッシュ担体に連結される。細長い部材は、スタイレットが、その第1の位置からその第2の位置に移動されると、メッシュ担体に接触し、メッシュ担体をスタイレットの遠位端部分から分断するように構成される。
【0073】
いくつかの実施形態では、細長い部材の遠位端部分は、スタイレットがその第1の位置にあるとき、メッシュ担体の近位端部分に接触するように構成される。スタイレットの遠位端部分は、リッジと、先端と、リッジと先端との間に延びる、テーパ部分と、を規定し、リッジは、メッシュ担体と相互作用するように構成される。細長い部材の近位端部分は、基部部分を含む。基部部分は、少なくとも1つの突起を有する。スタイレットは、基部部分の少なくとも1つの突起に係合するように構成される、停止部分を有する。
【0074】
さらに別の実施形態では、メッシュ担体は、近位端部分と、遠位端部分と、を有し、近位端部分と遠位端部分との間の内腔を規定する。近位端部分は、その中にフィラメントの一部を受容するように構成される、開口を規定する。近位端部分は、保持部分を含み、メッシュ担体に対して、フィラメントの一部を固着する。内腔は、その中にスタイレットを受容するように構成され、スタイレットは、フィラメントに隣接して配置される。メッシュ担体の遠位端部分は、スタイレットと相互作用するように構成される。
【0075】
いくつかの実施形態では、メッシュ担体の近位端部分の保持部分は、フィラメントの一部を穿刺するように構成される、突起を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、メッシュ担体は、患者の身体組織内にメッシュ担体を係留するように構成される、アンカ部分を含む。
【0077】
別の実施形態では、方法は、メッシュ担体を挿入デバイスのスタイレットの遠位端部分に連結するステップであって、スタイレットが、細長い部材に移動可能に連結される、ステップと、挿入デバイスを患者の体内に挿入するステップと、細長い部材に対して、スタイレットを第1の位置から第2の位置に移動させ、メッシュ担体を挿入デバイスのスタイレットから分断するステップと、挿入デバイスを身体から除去するステップと、を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、メッシュ担体の連結は、スタイレットの遠位端部分が、細長い部材の遠位端部分を越えて延びるように、スタイレットをその第1の位置に移動させるステップを含む。メッシュ担体また、メッシュ担体の連結は、スタイレットの遠位端によって規定されるリッジが、メッシュ担体と相互作用するように、メッシュ担体によって規定される内腔内にスタイレットを挿入するステップを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、スタイレットをその第2の位置に移動させるステップは、スタイレットを遠位方向に移動させるステップを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、方法は、第2のメッシュ担体をスタイレットの遠位端部分に連結するステップと、患者の体内に挿入デバイスを挿入するステップと、細長い部材に対して、スタイレットをその第1の位置からその第2の位置に移動させ、第2のメッシュ担体を挿入デバイスから分断するステップと、挿入デバイスを身体から除去するステップと、を含む。
【0081】
本発明の種々の実施形態が、上述されたが、それらは、一例として提示されているにすぎず、制限ではないことを理解されたい。したがって、発明の範疇および範囲は、上述の実施形態のいずれかによって制限されるべきではなく、以下の請求項およびその均等物に従ってのみ定義されるべきである。本発明は、特に、その特定の実施形態を参照して、図示および説明されたが、形態および詳細における種々の変化が成され得ることを理解されるであろう。
【0082】
実施形態の上述の説明は、当業者が本発明を作製または使用することが可能となるように提供される。本発明は、特に、その実施形態を参照して、図示および説明されたが、当業者は、形態および詳細における種々の変化が成され得ることを理解されるであろう。例えば、送達器具は、本明細書に説明される種々の実施形態の種々の組み合わせおよび副次的組み合わせを含むことが可能である。