(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1の粉体噴射装置10は、加圧剤が充填されたガス容器11と、粉体Aが充填された
パウダー容器12と、パウダー容器12を着脱自在に収容し、ガス容器11が連結される加圧容器13と、ガス容器11および加圧容器13を支持および保護する外部容器14とを有する。
【0011】
ガス容器11は、エアゾール容器17と、そのエアゾール容器17内に充填される加圧剤Bとからなる。エアゾール容器17は、耐圧容器17aと、定量噴射型のエアゾールバルブ17bとからなる従来公知のものである。つまり、エアゾール容器17のエアゾールバルブ17bのステム18aを下降させることにより、耐圧容器17a内と大気とが連通し、一定量の加圧剤Bが噴射される。エアゾールバルブ17bはカップ状のマウンティングカップ18bで耐圧容器17aの開口部を覆わせ、その開口部の近辺を下端でカシメることにより耐圧容器17aに固着している。
加圧剤Bとしては、例えば、二酸化炭素、亜酸化窒素、窒素、酸素、空気およびこれらの混合ガスなどの圧縮ガス、液化石油ガス、ジメチルエーテル、ハイドロフルオロオレフィンおよびこれらの混合ガスなどの液化ガスなどが挙げられ、繰り返し何度も使用できること、内容量が減少しても噴射圧力が一定であることから、液化ガスを用いることが好ましい。
【0012】
パウダー容器12は、
図2aに示すように、可撓性の包装容器19と、その包装容器内に充填される粉体Aとからなる。
包装容器19は、粉体が充填される袋部19aと、その上端に設けられパウダー容器12に装着する筒状の口部19bとを備えている。袋部19aは、縦長の略楕円球状となっており、外部より圧力を受けることにより、
図3に示すように、半径方向に収縮するように構成されている。このような包装容器19は、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂、シリコーンゴム、合成ゴムなどから成形される。また残量が目視で分かるように包装容器を透明または半透明にすることが好ましい。
粉体Aとしては、砂糖、ココアパウダー、チョコレートパウダー、サプリメントなどの食品用粉体;喘息薬などの医薬用吸入粉体;傷薬、水虫薬、消炎鎮痛剤、制汗剤、紫外線散乱剤などの皮膚用粉体などが挙げられる。
このパウダー容器12は、用法・用量に応じて適宜容積を調整することができる。パウダー容器12は、一回の使用で交換するようにしてもよく、1日分、3日分など複数回の
使用で交換するようにしてもよい。なお、口部19bの開口部には、使用時に開封するキャップやシールなどの蓋を設けることが好ましい。
【0013】
加圧容器13は、
図2bに示すように、耐圧性の容器本体21と、その容器本体21を閉じる蓋材22と、その蓋材22を容器本体に固定する固定部材23とからなる。
容器本体21は、円板状の底部21aと、円筒状の胴部21bと、円錐台状の肩部21cと、円筒状の首部21dとからなり、首部21dの外周に雄ねじが形成されている。また、底部21aの中央下面には、前記エアゾール容器17のステム18aと係合する凹状のステム係合部24が形成されており、ステム係合部24の中心には、ガス容器11の加圧剤Bを導入する導入孔24aが形成されている。エアゾール容器17は、容器本体21の下端に同軸にして連結される。容器本体21の胴部外径と、エアゾール容器の耐圧容器17aの胴部外径とは実質的に同じにしてある。
蓋材22は、容器本体21の首部21dの上に配置されるものであり、円板状の蓋部22aと、その中央を上下に貫通する筒状の吐出部22bと、蓋部22aを貫通する排出孔22cとを有する。排出孔22cには、従来公知の流量調整弁(絞り弁)25が設けられている。この吐出部22bの下端(容器本体内部に挿入する側)を包装容器19の口部19bに挿入することにより、包装容器19内と容器本体21内とを独立した状態で包装容器19の内部と大気とを連通させる。また、包装容器19内の粉体Aは、吐出部22bの上端から吐出され、加圧剤は排出孔22cから排出される。このときの排出スピードは流量調整弁25により調整することができ、粉体の噴射量や勢いを調整することができる。
固定部材23は、筒状のものであり、内面に前記容器本体21の雄ねじと嵌合する雌ねじが形成されている。固定部材23の段部(雌ねじの上端)と容器本体21の上端との間に蓋材22を挟むことによって、容器本体21を密閉する。
【0014】
外部容器14は、
図1に戻って、円板状の底部14aと、円筒状の胴部14bとからなる。胴部14bの内径は、容器本体21の外径およびエアゾール容器の外径と実質的に同じにしており、これにより加圧容器13およびガス容器11の横ずれを防止し、かつ、加圧容器13を摺動自在に収納する。つまり、外部容器14は、上下同軸上に連結された加圧容器13およびガス容器11を、加圧容器13の上部が突出するようにして支持し、かつ、加圧容器13およびガス容器11を保護する。また、外部容器14の側面には、加圧容器13から漏れた加圧剤Bを排出するための排出孔14cが形成されている。また、外部容器14の底部には、ガス容器11を交換するときに取り出すための孔14dが形成されている。
【0015】
このように構成された粉体噴射装置10の操作は、
図3に示すように、外部容器14から突出した加圧容器13の肩部を下方(矢印方向)に押し下げることにより行う。つまり、粉体噴射装置10を操作することにより、ガス容器11のステム18aが下方に押圧され、定量噴射型のエアゾールバルブ17bが開放される。それによりガス容器11内の加圧剤Bが加圧容器13の容器本体21内に導入孔24aを介して定量で導入される。そのため、容器本体21内(圧力室)の圧力が瞬間的に上がり、包装容器19を半径方向に収縮せしめ、その勢いで包装容器19内の粉体Aを吐出部22bの上端から大気に噴射させる。また、加圧容器13内に導入された加圧剤Bは、流量調整弁25を介して排出孔22cより徐々に外部に排出される。そのため、包装容器19も元の形状に戻る。
このように本発明の粉体噴射装置10は、パウダー容器12内の粉体Aと導入された加圧剤Bとが包装容器19により隔離されておりそれぞれが大気と連通しているため、粉体Aを加圧剤Bと別に噴射させることができる。また、粉体Aには容器本体21内(圧力室)に充填された加圧剤Bの圧力が包装容器19を介して伝わるため、吐出部22bから粉体Aを対象物に対して柔らかく噴射させることができる。例えば、粉体Aを口内に直接噴射させるときでも、粉体を口内に柔らかく噴射させることができ、加圧剤Bを吸引してむせることがない。
また、この固定部材23と容器本体21とはねじ嵌合によって連結されているため、固定部材23と容器本体21との連結を外すことによってパウダー容器12を取り外すことができる。これにより、包装容器19内に粉体Aを再充填してもよく、パウダー容器12を別途購入して、再度連結することにより、繰り返し使用することができる。
なお、粉体の噴射量は一回の噴射操作で0.0001〜1g、好ましくは0.0005〜0.5gであることが好ましい。粉体の噴射量や勢いの調整は、包装容器19の容積、包装容器19の材料、加圧容器の容積、加圧剤Bの圧力室内への噴射量、加圧剤の排出スピードなどで適宜設計することができる。
【0016】
この
参考例では、ガス容器11のエアゾールバルブ17bとして定量バルブを用いているが、通常のエアゾールバルブを用いても良い。この場合も、粉体噴射装置10を操作することにより、加圧容器13内に加圧剤Bが導入され、包装容器19はその加圧剤Bの圧力により収縮され、粉体Aが噴射される。また、加圧容器13内に加圧剤Bが大量に導入されても、加圧容器13内の圧力が大気圧以上になっているため、一度収縮した包装容器19は元に戻らなく、吐出孔から噴射される粉体Aの量は大きく変わらない。そのため、通常のエアゾールバルブを用いても、包装容器19の容積、加圧容器13の容積、加圧剤Bの圧力室内への噴射量または加圧剤を排出するスピードを適宜設定することにより、粉体Aの噴射量や勢いをコントロールすることができる。この場合も、操作後は、排出孔より加圧剤Bは排出されるので、繰り返しの操作が可能である。しかし、加圧剤の無駄を省く意味で定量バルブとするのが好ましい。
さらに、この
参考例の加圧容器13の排出孔22cに流量調整弁25を設けているが、操作することにより包装容器19を瞬時に収縮させることができる程度に排出孔22cを小さくしておけば、流量調整弁25は設けなくても良い。
【0017】
図4a、bには
、噴射装置10に用いることができる包装容器26、27を示す。これらは、想像線で示すように、加圧容器13内において上下軸方向に収縮するものである。
包装容器26は、略球状の袋部26aと、その上端に設けられた筒状の口部26bとを備えている。
包装容器27は、筒状の袋部27aと、その上端に設けられた筒状の口部27bとを備えており、袋部27aには、上下方向に形成された蛇腹部27cが形成されている。
包装容器26、27は、共に上下軸方向に収縮し、それにより内部に充填される粉体Aを噴射する。しかし、包装容器としては、外力を受けることにより容積が減少するものであれば、その形状、構成、材料等は特に限定されるものではない。
【0018】
図5の粉体噴射装置30は、加圧剤が充填されたガス容器11と、粉体Aが充填されたパウダー容器31と、そのパウダー容器31を収容し、ガス容器11が連結される加圧容器32と、ガス容器11および加圧容器32を支持する外部容器33とを有する。ガス容器11は、
図1のガス容器11と実質的に同じものである。また、パウダー容器31は、
図4bの包装容器27および粉体Aからなり、他の構成は、
図1のパウダー容器12と実質的に同じものである。
【0019】
加圧容器32は、容器本体21と、その容器本体21の開口部を閉じる蓋材36とを備えている。容器本体21は、
図1の容器本体21と実質的に同じものである。
蓋材36は、円筒状の装着部36aと、その上部から上方に延びるドーム部36bと、そのドーム部36bの頂点を上下軸方向に貫通する筒状の吐出部36cと、ドーム部36bの側面にそのドーム部を水平方向に貫通する排出孔36dとを有する。装着部36aは、内面に容器本体21の雄ねじと嵌合する雌ねじが形成された筒状の本体37aと、その上端から半径方向内側に延びるリング状のフランジ部37bとからなり、フランジ部37bの下面は容器本体21の上端開口部で支持される。ドーム部36bは、前記フランジ部37bの内縁から上方に、かつ、半径方向内側にその開口を閉じるように延びる。吐出部36cは、ドーム部36bと同軸上に設けられており、その下端は包装容器27に挿入される。排出孔36dには、容器本体21内に導入される加圧剤の排出流量を調整する流量調整弁(絞り弁)39が設けられている。
【0020】
外部容器33は、円板状の底蓋33aと、円筒状の胴部33bと、胴部33bを上下に分ける隔壁部33cとからなる。また胴部33bの内径は、容器本体21の外径およびエアゾール容器の外径と実質的に同じにしてある。底蓋33aの側縁は、胴部33bの下端と取り外し自在に連結される係合部となっている。隔壁部33cの中央には、ガス容器11のエアゾールバルブ17bと係合する筒状のバルブ係合部33dが形成されている。つまり、隔壁部33cは、底蓋33aにエアゾール製品11を載置したとき、バルブ係合部33dと係合する高さに形成されており、底蓋33aおよびバルブ係合部33dがガス容器11を支持する。加圧容器32は、ステム18aに支持され、隔壁部33cの上面より若干上に配置される。
【0021】
このように構成された粉体噴射装置30も、
図1の粉体噴射装置10と同様に、粉体噴射装置の操作(加圧容器32を下方に押し下げる)を行うことにより、ガス容器11のエアゾールバルブ17bが開放され、加圧容器の容器本体21内に加圧剤Bが導入される。それにより、包装容器27が瞬間的に軸方向に収縮され、その勢いで包装容器27内の粉体Aが吐出部36cより噴射される。また、加圧容器32内に導入された加圧剤Bは、排
出孔36dより徐々に排出される。
この粉体噴射装置30も、粉体Aを加圧剤Bと別に噴射させることができ、粉体Aを対象物に対して柔らかく噴射させることができる。
【0022】
図6の粉体噴射装置35は、加圧剤が充填されたガス容器11と、粉体Aが充填されたパウダー容器31と、パウダー容器31を収容し、ガス容器11が連結される加圧容器38とを有する。また、加圧容器38の下部には、ガス容器11を摺動自在にして保護する筒状のカバー部38aが形成されている。つまり、この粉体噴射装置35は、
図1の粉体噴射装置10と異なり、外部容器を備えておらず加圧容器38がガス容器11を兼ねている。ガス容器11、パウダー容器31は
図5のガス容器11、パウダー容器31と実質的に同じものである。
加圧容器38は、容器本体21と、その容器本体21の下端から下方に延びる円筒状のカバー部38aとを備えている。カバー部38aの内径は、ガス容器11の胴部の外径と実質的に同じとなっている。また、カバー部38aの下端は、ガス容器11の下端より上方にくるように構成されている。つまり、カバー部38aの下端からガス容器11の下端が突出しているように構成されている。容器本体21の胴部21bの外径がガス容器11の胴部外径より若干大きくなっており、その他の容器本体21の構成は、
図1の容器本体21と実質的に同じものである。またこの実施形態では、容器本体21は、容器本体の底部21aおよび胴部21bからなる下部体と、肩部21cより上の構成からなる上部体とをそれぞれ成形し、下部体の上端に上部体の下端を溶着などで固定して製造する。
【0023】
この粉体噴射装置35は、下端が突出したガス容器11を上方に押し上げ、エアゾール容器17をカバー部38a内で摺動させることにより操作する、
図1の粉体噴射装置10と同様に、粉体噴射装置の操作(加圧容器32を下方に押し下げる)を行うことにより、よりステム18aは、容器本体21の底部21aとエアゾール容器17との間で押圧され、エアゾールバルブ17bが開放される。それにより、加圧容器の容器本体21内に加圧剤Bが導入され、包装容器27が瞬間的に上下方向に収縮し、その勢いで包装容器27内の粉体Aが吐出部36cより噴射される。同様に、加圧容器32内に導入された加圧剤Bは、排出孔36dより徐々に排出される。
【0024】
図7の粉体噴射装置40は、加圧剤が充填されたガス容器11と、粉体Aが充填されたパウダー容器41と、パウダー容器41を収容し、ガス容器11が連結される加圧容器42と、ガス容器11および加圧容器42を支持する外部容器14とを有する。ガス容器11、外部容器14は
図1のガス容器11、外部容器14と実質的に同じものである。
パウダー容器41は、可撓性を有する包装容器43と、その内部に収納される粉体Aとからなる。包装容器43は、筒状のものであり、その上端に半径方向外側に突出するフランジ部43aを備えている。また、フランジ部43aの上面には、蓋材43bが接着されており使用時には蓋材43bを取り外す。蓋材43bは、例えば、アルミ箔や合成樹脂膜によって構成される。
加圧容器42は、耐圧性のものであり、円板状の底部42aと、円板状の底部42aの周縁に設けられた円筒状の胴部42bと、円錐台状の肩部42cと、円筒状の首部42dと、その首部上端に閉じるように設けられた天面42eと、その天面42eの中央を貫通する筒状の口部42fとからなる。この加圧容器42は、底部42aおよび胴部42bからなる下部体と、肩部42cより上の構成からなる上部体とを成形し、下部体の上端に上部体の下端を溶着して製造される。また、天面42eには、天面を貫通する排出孔42gが形成されており、その排出孔42gには、
図1と同様に調整弁25が設けられている。また、底部42aの中央下面には、前記エアゾール容器17のステム18aと係合する凹状のステム係合部44が形成されており、ステム係合部44の中心には、ガス容器11の加圧剤Bを導入する導入孔44aが形成されている。これもエアゾール容器17が下端に同軸にして連結される。さらに、口部42fの内径と、包装容器43の外径とは実質的に
同じ大きさとなっており、口部42f内に包装容器43を挿入することにより、包装容器43を口部42f内に保持することができる。
【0025】
このように構成されているため、加圧容器42を下方に押し下げると、エアゾール容器17の加圧剤Bが加圧容器内に導入され、包装容器43が瞬間的に収縮され、粉末Aを口部42fから吐出させることができる。このとき、包装容器43と口部42fとは十分に嵌合しているため、包装容器43が飛び出すこともない。また、パウダー容器を取り替える際、パウダー容器を差し替えるのみで良いので取替えが容易にできる。
【0026】
図8の粉体噴射装置45は加圧剤が充填されたガス容器11と、粉体Aが充填されたパウダー容器12と、パウダー容器12を着脱自在に収容し、ガス容器11が連結される加圧容器32と、ガス容器11および加圧容器32を保護する外部容器46とを有する。ガス容器11、パウダー容器12は、
図1のガス容器11、パウダー容器12と実質的に同じものである。また、加圧容器32は、流量調整弁を備えていないことを除いて、
図5の加圧容器32と実質的に同じものである。
外部容器46は、上下に連結されたガス容器11と加圧容器32の上から覆うように取り付けられる筒状のものであり、円筒状の胴部46aと、テーパー状の肩部46bと、円筒状の首部46cとからなる。また、首部46cの上端開口部に半径方向内側に突出したフランジ部47が形成されている。さらに、首部46cの側面には、水平方向に向いている加圧容器32の排出孔36dと同軸上に配置されるように貫通孔48が形成されている。
この外部容器46を、上下に連結されたガス容器11と加圧容器32の上から覆うように取り付けることにより、フランジ部47と、加圧容器32の上端とが当接し、外部容器46が保持され、外部容器の胴部46aの下端は、ガス容器11の下端より上部にくる。また、排出孔33dと貫通孔48とが同軸上に配置されるように取り付けられることにより、加圧剤が上端開口部から排出されないようにでき、加圧剤と粉体とを確実に分離して大気に放出させることができる。
【0027】
図9の粉体噴射装置50は、加圧剤が充填されたガス容器51と、粉体Aが充填されたパウダー容器12と、ガス容器11を収容し、ガス容器11が連結される加圧容器52と、ガス容器11および加圧容器52を保護する外部容器53とを有する。粉体噴射装置50は、ガス容器51と、加圧容器52とが並列に配置されたものである。パウダー容器12は、
図1のパウダー容器12と実質的に同じものである。また、外部容器53には、蓋材53aが取り外し自在に設けられている。
【0028】
ガス容器51は、エアゾール容器17と、加圧剤Bと、エアゾール容器17のステム18aに連結される押ボタン51aとからなる。エアゾール容器17、加圧剤Bは、
図1のエアゾール容器17および加圧剤Bと実質的に同じものである。押ボタン51aは、ステム18aと連通し、エアゾール容器17内の加圧剤Bを吐出するノズル51bを側面に備えている。つまり、押ボタン51aを下方に押し下げることにより、ステム18aも押し下げられノズル51bの先端から加圧剤Bが噴射される。
【0029】
加圧容器52は、容器本体55と、その容器本体55を閉じる蓋材56とを備えている。
容器本体55は、球面状の底部55aと、円筒状の胴部55bと、円錐台状の肩部55cと、円筒状の首部55dとからなる。また、首部55dの外周には雄ねじが形成されており、底部55aの中心には排出孔55eが形成されている。また、排出孔55eには、流量調整弁55fが設けられている。
蓋材56は、円筒状の装着部56aと、その上端を閉じる円板状の上面56bと、上面を貫通するように形成された筒状の導入部56cと、その導入部56cと平行に上面を貫
通するように形成された筒状の吐出部56dとを備えている。
装着部56aは、内面に容器本体55の雄ねじと嵌合する雌ねじが形成されている。上面56bは、容器本体55の首部上端と連結される。導入部56cは、上端で外部に向かって折れており、先端でガス容器51のノズル51bの先端を受け入れるように構成されている。吐出部56dは、上端で外部に向かって、かつ、導入部56cの上端と反対方向に向かって折れている。また、吐出部56dの下端は、包装容器19の首部19bに挿入される。
【0030】
このように構成された粉体噴射装置50も、ガス容器51の押ボタン51aを下方に押圧して操作することにより、ガス容器51の加圧剤Bが、連結された導入部56cを介して容器本体55内に導入される。それにより、包装容器19が瞬間的に半径方向に収縮され、その勢いで包装容器19内の粉体Aが吐出部56dより噴射される。また、加圧容器52内に導入された加圧剤Bは、排出孔55eより徐々に排出される。
この粉体噴射装置50も、粉体Aを加圧剤Bとは別に噴射させることができ、粉体Aを対象物に対して柔らかく噴射させることができる。
【0031】
図10の粉体噴射装置60は、パウダー容器61が、ピストン型の包装容器62と、その内部に充填される粉体Aとからなる。他の構成は、
図9の粉体噴射装置50と実質的に同じものである。
ピストン型の包装容器62は、筒状のシリンダー部66と、そのシリンダー部内に上下動自在に収容されるピストン67と、そのピストン67をシリンダー部内で常時下方に付勢するバネ68と、シリンダー部66の上部に形成された筒状の口部69とから構成される。シリンダー部66の下端には、ピストン67の抜け落ちを防止するべく内側に突出した係止部66aが環状に形成されている。粉体Aは、シリンダー部66内であってピストン67の上部空間に充填される。バネ68は、シリンダー部66の天面と、ピストン67との間で支持される。口部69は、上述した蓋材の吐出部56dの下端と連結される。
【0032】
このように構成されているため、ガス容器51の押ボタン55dを下方に押圧することにより、加圧剤Bが加圧容器52内に導入される。それにより、ピストン67が瞬間的にバネ68の縮む方向(上方向)に移動し、その勢いにより空間内の粉体Aが吐出部56dから噴射される。
この場合も、いずれの
参考例および実施形態と同様に、粉体Aを加圧剤Bと別に噴射させることができ、粉体Aを対象物に対して柔らかく噴射させることができる。