特許第5971907号(P5971907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5971907
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】直膨コイルを使用した空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/14 20060101AFI20160804BHJP
【FI】
   F24F3/14
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-202329(P2011-202329)
(22)【出願日】2011年9月15日
(65)【公開番号】特開2013-64519(P2013-64519A)
(43)【公開日】2013年4月11日
【審査請求日】2014年8月21日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390003333
【氏名又は名称】新晃工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111442
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 英一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 和美
(72)【発明者】
【氏名】長崎 匡洋
(72)【発明者】
【氏名】才野 忠敬
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 義高
(72)【発明者】
【氏名】眞下 公一
【審査官】 小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−007954(JP,A)
【文献】 特開2003−130388(JP,A)
【文献】 特開2010−159928(JP,A)
【文献】 特開平04−006332(JP,A)
【文献】 実開昭48−100057(JP,U)
【文献】 特開2010−007961(JP,A)
【文献】 特開2001−082763(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0146306(US,A1)
【文献】 特開2007−285594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を導入して冷媒により冷却あるいは加熱する第1直膨コイル群を配置するとともに、その下流に第2直膨コイル群を配置し、
前記第1直膨コイル群は複数並列に配列し、前記第2直膨コイル群も複数並列に配列し、
前記第1直膨コイル群の複数の直膨コイル、及び、前記第2直膨コイル群の複数の直膨コイルはそれぞれ独立して制御可能とし、
前記第1直膨コイル群又は前記第2直膨コイル群の一方のコイル群の一部の直膨コイルが故障した場合、故障していない他方のコイル群の直膨コイルの全てを稼動させることを特徴とする直膨コイルを使用した空気調和機。
【請求項2】
前記第2直膨コイルの下流には再熱コイル及び加湿器を配置したことを特徴とする請求項1に記載の直膨コイルを使用した空気調和機。
【請求項3】
前記第1直膨コイル群は2台の直膨コイルを並列に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の直膨コイルを使用した空気調和機。
【請求項4】
前記第2直膨コイル群は4台の直膨コイルを並列に配置したことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の直膨コイルを使用した空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の直膨コイルを使用した空気調和機に関し、特に、直列2段の直膨コイル群をそれぞれ複数の並列する直膨コイルとする空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水コイルを使用する空気調和機の熱媒は冷水、温水、蒸気などであるが、直膨コイルの空気調和機の冷媒コイルの熱媒は水以外の冷媒である。
従来、クリーンルームでは厳格な空調管理が要求されているが、通常、設定温度・湿度の許容範囲は、温度では±3℃以内、湿度では10%以内の制御が求められている。
ところで、水コイルを使用する空気調和機の熱媒は冷水、温水、蒸気などであり、直膨コイルの空気調和機の冷媒コイルの熱媒は冷媒であるが、以下に述べるように、それぞれに利点や欠点がある。
【0003】
クリーンルームでの水コイル使用の基本的な空調システムは、図1に示すようなものであるが、戸外からの空気OAは、冷水コイルaをバルブiで制御して熱交換され、目標の大凡の温度・湿度以下に冷房(暖房)され、再熱コイルbと加湿器cとで微調整して求められる供気SAを得ている。
この場合の空気の状態変化を、図2の空気線図を参照して図1のシステムを説明すると、外気OAが図2でのA点の状態であると、水コイルaは冷凍機hやチラーから冷水(温水、蒸気)が供給されていて、バルブdを制御することにより、コイル出口空気温度を設定した露点温度、実際は、露点温度の設定値は余裕をみて目標絶対湿度より低い露点温度まで(図2の目標絶対湿度線以下)温度をさげ、B点に移行する。
その後、ボイラeにより高温の温水或いは蒸気をバルブfにより制御して再加熱コイルbに供給し、露点温度から加湿可能温度まで再熱し、空気温度を図2のC点まで上昇させる。 更に、ボイラeからの蒸気を加湿器cから噴霧して、最終目標の湿度にして図2のD点まで上昇させている。
【0004】
しかしながら、図1に示すような、従来の水コイル使用の基本的な空調システムは、(1)冷却・再熱のための熱源機器を設置するための熱源機械室が必要であり、(2)バックアップを考えた場合もう1セットのシステム設置が必要であり、(3)分散している空気調和機の運転台数に関わらず大型の熱源機器が運転し、冷水の搬送動力が低減し難く、(4)熱源機器、冷水・再熱コイル・加湿のバルブ制御が異なる工事区分となり、施工後の管理項目が煩雑となるといった問題点があった。
【0005】
また、直膨コイルは間接的な熱の受け渡しがないため、直膨コイルのシステムの冷暖房効率は水コイルを上回させるはずであるが、直膨コイルは水以外の冷媒であることから、液体や気体といった異なった相にするための圧力・温度の制御が難しく、きめ細かい制御の管理が厄介であるといった問題点があった。
例えば、クリーンルームでの直膨コイル使用の基本的な空調システムは、図3に示すようなものであるが、図1の水コイルaの使用と異なるのは、水コイルaの変わりに、3台の直膨コイルg1,g2,g3を並列配置し構成である。直膨コイルで広範囲な空調制御が難しく、そこで、直膨コイルを3台並列にして、低負荷の場合は1台稼働にし、高負荷の場合には全台を稼働して、広範囲の空調制御を可能としている。
【0006】
この場合の空気の状態変化を、図2の空気線図を参照して図3のシステムを説明すると、外気OAが図4でのA点の状態であると、ファンと圧縮機からなる室外機k1,k2,k3の全機運転し、直膨コイルg1,g2,g3のコイル出口空気温度を設定した露点温度以下、露点温度の設定値は余裕をみて目標絶対湿度より低い露点温度にさげ、B点に移行する。
その後は、水コイルの空調機と同様に、ボイラeにより高温の温水或いは蒸気をバルブfにより制御して再加熱コイルbに供給し、露点温度から加湿可能温度まで再熱し、空気温度を図2のC点まで上昇させる。更に、ボイラeからの蒸気を加湿器cから噴霧して、最終目標の湿度にして図2のD点まで上昇させている。
【0007】
しかしながら、図3に示すような、直膨コイル使用の基本的な空調システムは、(1)直膨コイルが並列設置の為、除湿能力を考慮すると負荷による室外機の停止が困難となり、台数制御運転やメンテナンス時・故障時の対応が出来ない。例えば、図4の空気線図で説明すると、直膨コイルg2,g3が停止してバイパス状態であって、直膨コイルg1だけが稼働してる場合は、直膨コイルg1の出口空気温度はB点にはなるが、直膨コイルg2,g3がバイパス状態であるので、これらを混合した空気は、Bmix点となり設定した露点温度以下にはならない。したがって、常時全数運転する必要がある。
また、(2)直膨コイル出口温度を目標露点温度以下にするため、常時すべての室外機が運転が必要となり、低負荷時はコイル出口空気温度は目標値よりもかなり低くなる。そのため、B→Cの再熱能力及びC→Dの加湿能力が大きくなる為、結果として、省エネルギー運転とならない。
【0008】
このため、直膨コイルは空気の温度・湿度管理の要求が厳格ではない家庭用の空気調和機等の室内機1個に対し室外機も1個ずつ使っている小型のエアコンを部屋ごとに設置する方法がむしろ好まれる傾向にあり、直膨コイルだけの空調設備は大きな工場等では採用され難い傾向にあり、特許文献1、2に開示されているように、直膨コイルと水コイルとの併用によって大きな工場等でも採用できる空気調和システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−292300号公報
【特許文献2】特開2008−75978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、直膨コイルだけを使用した空気調和機として、水コイルのための冷水をつくる熱源機が不要で省スペース化とし、ローテーション運転を可能として耐久性を向上させ、また、故障時のバックアップ運転が容易に対応でき、かつ、従来の冷水コイルや並列配置と同様に、広範囲での温度・湿度をきめ細かく制御が可能で、再熱コイル・加湿器を設置し恒温恒湿条件を満足できる空気調和機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、外気を導入して冷媒により冷却あるいは加熱する第1直膨コイル群を配置するとともに、その下流に第2直膨コイル群を配置し、
前記第1直膨コイル群は複数並列に配列し、前記第2直膨コイル群も複数並列に配列し、
前記第1直膨コイル群の複数の直膨コイル、及び、前記第2直膨コイル群の複数の直膨コイルはそれぞれ独立して制御可能とし、
前記第1直膨コイル群又は前記第2直膨コイル群の一方のコイル群の一部の直膨コイルが故障した場合、故障していない他方のコイル群の直膨コイルの全てを稼動させることを特徴とする直膨コイルを使用した空気調和機である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の直膨コイルを使用した空気調和機において、前記第2直膨コイルの下流には再熱コイル及び加湿器を配置したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の直膨コイルを使用した空気調和機において、前記第1直膨コイル群は2台の直膨コイルを並列に配置したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3に記載の直膨コイルを使用した空気調和機において、前記第2直膨コイル群は4台の直膨コイルを並列に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の直膨コイルを使用した空気調和機によれば、従来の水コイル使用の空調機とは異なり、冷水による冷却が必要となくなるため冷水をつくるための熱源機が不要となって、室外機設置スペースだけとなり冷熱源の機械室が不要になる。
また、並列配置の直膨コイル群と並列配置の直膨コイル群を2段の直列設置の組み合わせにより、ローテーション運転を可能として、1部の直膨コイル群や室外機等の運転を休ませることにより装置の長寿命化が可能となり、更に、一部の直膨コイルの故障時のバックアップ運転が容易に対応できる。
しかも、従来の冷水コイルや並列配置の直膨コイルに代えて、複数の並列配置した直膨コイル群を2段に直列に配置して給気露点温度制御を行うので、上流の直膨コイル群で大まかな冷房制御を行った後、下流の直膨コイル群で温度・湿度をきめ細かく制御が可能で、かつ、広範囲の温度・湿度管理が可能であり、更に、風下に従来の水コイルの場合同様に再熱コイル・加湿器を設置し正確に恒温恒湿条件を満足する制御が可能となる。
に、請求項の直膨コイルを使用した空気調和機によれば、図3で説明したように、バイパス状態の直膨コイルがあると、これらを混合した空気が設定した露点温度以下には下がらないとういう不都合があったが、第1直膨コイル群又は第2直膨コイル群の一方のコイル群の一部の直膨コイルが故障した場合、故障していない他方のコイル群の直膨コイルの全てを稼動させるので、外気から給気に至る過程でバイパス状態になる直膨コイルが存在することがなく、設定した露点温度以下にすることができ、除湿が可能となる。

【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来の水コイル使用の空調システムの構成概略図、
図2図1図3の従来の空気の状態変化を説明する空気線図、
図3】従来の直膨コイルを3台並列した空調システムの構成概略図、
図4図3の空気調和機での問題点を説明する空気線図、
図5】本発明の実施例1の直膨コイル群を使用した空気調和機の概略図、
図6】実施例1での外気OAの状態と各直膨コイルの稼働状態を説明する空気線図、
図7】実施例1の外気OAの状態の変化に対応した運転状況の測定結果のグラフの図、
図8】実施例1でのローテーション及びバックアップ運転の組み合わせ例を説明する説明図、
図9】本発明の実施例2の直膨コイル群を使用した空気調和機の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の直膨コイルを使用した空気調和機の好適な実施例を図面に沿って説明する。
[実施例1]
図5は、実施例1の直膨コイルを使用したクリーンルーム用の空気調和機1の全体の系統図で、外気OA(図5で右側から)を導入し、まず、上流側に冷媒により冷却する第1直膨コイル群2を配置し、下流に第2直膨コイル群3を配置し、更に、その下流に再熱コイル4と加湿器5を配置している。なお、本実施例の空気調和機1はクリーンルームに用いるが、通常、室内には加熱機器等が存在して室内温度を上昇させるので、冷却機能を使用した場合で説明する。なお、本発明で「外気」とは、戸外の空気のみを意味するものではなく、空調を対象の空気調和機の外から取り入れる空気のことである。
前記第1直膨コイル群2は、2台の直膨コイルである直膨コイル21と直膨コイル22を空気流の対して並列2段に配置したもので、この2台の直膨コイルにはそれぞれ制御弁211と221を介して圧縮機231とファン232等からなる室外機23に接続され、それぞれ独立して制御される。
【0015】
前記第1直膨コイル2の下流には前記第2直膨コイル群3が配置されるが、この直膨コイル群3は4台の直膨コイルである直膨コイル31乃至34が空気流の対して並列4段に配置されるが、そのうち2台の直膨コイル31と32は、それぞれ制御弁311と321を介して圧縮機351とファン352等からなる室外機35に接続され、それぞれ独立して制御される。同様に、他の2台の直膨コイル33と34は、それぞれ制御弁331と341を介して圧縮機361とファン362等からなる室外機36に接続され、それぞれ独立して制御される。
前記第2直膨コイル群3の下流には 空調状態を微調整して目標の温度・湿度にするために、再熱コイル4と加湿器5が配備されるが、ボイラ6の水を加熱して温水或いは蒸気を作り、これらを制御弁(バルブ)41を介して再熱コイル4に供給し、供給空気SAを加熱し、また、蒸気を制御弁(バルブ)51を介して加湿器5のノズルから噴射して供給空気SAを加湿する。
【0016】
ここで、本実施例1での上記の構成での実験結果を説明する。
運転実験例
設計風量:5000m3/h (外気取入量:20%)
給気目標:12.6℃
コイル組み合わせ:直列・・・2列
段数・・・ (風上側)室外機1台・2段
(風下側)室外機2台・4段
一般に、直膨コイルは、高温源と低温源の温度差が小さいほど理論上の効率は良くなるものであり、定格運転が効率がよい。
【0017】
これを本実施例の6台の直膨コイル21,22,31,32,33,34ついて考えると、図6の空気線図に示すように、外気OAが高温高湿のA領域の状態では、目標温度・湿度にするためには高負荷となり、全直膨コイルを稼働させる。
次に、外気OAが高温高湿のA領域よりも多少湿度が低いB領域の状態では、負荷が多少下がるので、6台のうちどれか1台を休ませることができ、本実施例では直膨コイル34を停止させることができる。
更に、外気OAがB領域よりも更に湿度が低いC領域の状態では、負荷が更に下がるので、6台のうちどれか2台を休ませることができ、本実施例では直膨コイル34,33を停止させることができる。
【0018】
同様に、外気OAがC領域よりも更に湿度と温度が低いD領域の状態では、負荷が更に下がるので、6台のうちどれか3台を休ませることができ、本実施例では直膨コイル34,33,32を停止させることができる。
同様に、外気OAがD領域よりも更に湿度と温度が低いE領域の状態では、負荷も小さくなるので、6台のうちどれか4台を休ませることができ、本実施例では第2直膨コイル群3の直膨コイル31乃至34を停止させ、第1直膨コイル群2だけを稼働して、省エネを実現している。
【0019】
この時の実際の実施例1での運転状態の測定結果をグラフにした図7に沿って説明すると、図7は、空気調和機1での入口空気条件(エンタルピを減少)を変化させた場合の出口での温度・湿度を測定したグラフである。
先ず、湿度について説明すると、図7の上側(細線)は湿度の変化に関するグラフであり、空気調和機1への入口湿度:Vが90〜80%程度であって外気(入口)OAの状態がAからE領域に変化しても、直膨コイル群1,2をこれに対応した運転状態に切り換え、AからE領域に対応して直膨コイルの稼働台数を徐々に減らしていっても、出口湿度:Wは50〜60%を維持していることが判る。
【0020】
次に、温度について説明すると、図7の下側は温度の変化に関するグラフであるが、空気調和機1の入口温度:Yが33℃から18程度まで下がり、外気(入口)OAの状態がAからE領域に変化し、直膨コイルの稼働状態がしそれに伴って切り換え、直膨コイルの稼働台数を徐々に減らしていっても、途中、領域切換えで新たに直膨コイルの運転を停止する際に多少温度が上昇するが、それでも出口温度:Zは10.3〜12.6℃の範囲を維持している。
このように、高温高湿のA領域以外では直膨コイルの1部を停止することができ、ローテンションを組めば効率的に直膨コイルや室外機等を休ませることができ、更に、計画的にローテーション運転を行って直膨コイルや室外機等の長寿命化を実現できる。
【0021】
また、本実施例によれば、故障時のバックアップ運転が容易に対応できるが、これをローテーションの実例と併せて、図8に沿って説明する。
図8において、高温・高湿のA領域においては6台の全直膨コイルを稼働させるが、負荷が減少したC領域においては、各直膨コイル21,22,31,32,33,34は独立して制御可能であるので2台の直膨コイル及びこれらに付随する室外機等を休ませることができる。この場合、各直膨コイル21,22,31,32,33,34は独立して制御可能であるので、能力が同じ場合には2台の選択は任意であり、例えば、C領域運転1のように直膨コイル31,32を休ませることができ、また、C領域運転2のように直膨コイル33,34及びこれらに付随する室外機等を休ませることができ、次のC領域運転1と2を交互に稼働させるようにしてもよい。
【0022】
また、故障時について説明すると、通常運転では、図8の中段の両端に示されるように、E領域で直膨コイル21と22を稼働して直膨コイル31乃至34の4台を停止しているが、図8の下段の両端(a)(f)に示すように、直膨コイル21と22が故障或いは保守で停止せざるを得ない場合は、直膨コイル31乃至34の4台を稼働させれば、通常通りの冷房能力を確保できる。
同様に、図8のC領域運転1のように直膨コイル31,32を休ませている場合、図8の下段の(b)に示すように、直膨コイル33と34が故障或いは保守で停止せざるを得ない場合は、直膨コイル31、32、及び、直膨コイル21,22の4台を稼働させれば、通常通りの冷房能力を確保でき、また、図8の下段の(c)に示すように、直膨コイル21と22が故障或いは保守で停止せざるを得ない場合は、直膨コイル31乃至34の4台を稼働させれば、通常通りの冷房能力を確保できる。
【0023】
更に、図8のC領域運転2のように直膨コイル33,34を休ませている場合、図8の下段の(d)に示すように、直膨コイル31と32が故障或いは保守で停止せざるを得ない場合は、直膨コイル33、34、及び、直膨コイル21,22の4台を稼働させれば、通常通りの冷房能力を確保でき、また、図8の下段の(e)に示すように、直膨コイル21と22が故障或いは保守で停止せざるを得ない場合は、直膨コイル31乃至34の4台を稼働させれば、通常通りの冷房能力を確保できる。
【0024】
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。実施例2と実施例1との違いは、図9に示すように、第2直膨コイル群3の構成が直膨コイル37、38の2台を並列に配置するもので、他の構成は実施例1と同じであるので説明は省略する。
実施例2の直膨コイルを使用した空気調和機は、直膨コイルは4台で済み、付随する室外機23、39等の部材(圧縮機231,391、ファン232,392)も少なくてすみ、全体のスペースも少なくて済むので、簡単な構成にも拘わらず、基本的には実施例1と同様に作用・効果が得られ、高温高湿の高負荷領域以外では直膨コイルの1部を停止することができ、効率的に直膨コイルや室外機等を休ませ、計画的にローテーション運転を行えば、直膨コイルや室外機等の長寿命化を実現できる。したがって、構成する部材も少なく、省スペースであるので小規模なクリーンルームの空気調和機には最適ある。
【0025】
以上詳述したように、実施例1及び実施例2によれば、(1)多段(2段)並列の直膨コイル群を更に配置したので、細かな段数制御により直膨コイル出口温度を設定した露点温度に制御可能となる。特に、実施例1では第2直膨コイル群を4段並列としたので、給気に近い位置で正確な温度・湿度の制御が出来る。また、(2)熱源(室外機)やバルブの制御をパッケージ化することができ、施工後の管理が容易、増設・改修に対応しやすい。更に、(3)細かな段数制御により、従来システムよりも少エネルギー成績係数が良く、直膨コイル出口空気温度の誤差が±3℃程度のため、再熱や加湿の使用エネルギーが少ない。なお、この装置では再熱コイルやヒートポンプ(冷媒)にも対応可能である。
【0026】
更に、(4)本実施例の直膨コイルを使用した空気調和機は、従来の水コイル使用の空調機とは異なり、冷水による冷却が必要でなくなるため冷水をつくるための熱源機が不要となって、室外機設置スペースだけとなり、水コイルのための冷熱源の機械室が不要になる。また、(5)並列配置の直膨コイル群と並列配置の直膨コイル群を2段の直列設置の組み合わせにすることにより、ローテーション運転が可能で、ローテーション運転により直膨コイル群や室外機の長寿命化が可能となり、また、一部の直膨コイルや室外機が故障時のバックアップ運転が容易に対応できる。しかも、(6)複数の並列配置した直膨コイル群を2段に直列に配置して給気露点温度制御を行うので、上流の直膨コイル群で大まかな冷房制御を行った後、下流の直膨コイル群で温度・湿度をきめ細かく制御が可能で、かつ、広範囲の温度・湿度管理が可能であり、更に、風下に従来の水コイルの場合同様に再熱コイル・加湿器を設置し正確に恒温恒湿条件を満足する制御が可能となる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の各実施例に限定されるものでないことは勿論である。
【符号の説明】
【0027】
a・・冷水コイル、b・・再熱コイル、c・・加湿器、d・・バルブ、
e・・ボイラ、f・・バルブ、g1,g2,g3・・直膨コイル、
h・・冷凍機、i・・バルブ、k1,k2,k3・・室外機、
1・・空気調和機、
2・・第1の直膨コイル群、21,22・・直膨コイル、
211,221・・制御弁、
23・・室外機、231・・圧縮機、232・・ファン、
3・・第2の直膨コイル群、31,32,33,34・・直膨コイル、
311,321,331,341・・制御弁、
35,36,39・・室外機、351,361,391・・圧縮機、
352,362,392・・ファン、
4・・再熱コイル、41・・制御弁(バルブ)、
5・・加湿器、51・・制御弁(バルブ)、
6・・ボイラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9