特許第5972012号(P5972012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5972012
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】マイクロ波組織解剖および凝固
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20160804BHJP
【FI】
   A61B18/18
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-87291(P2012-87291)
(22)【出願日】2012年4月6日
(65)【公開番号】特開2012-217855(P2012-217855A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2015年1月21日
(31)【優先権主張番号】13/083,256
(32)【優先日】2011年4月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513109016
【氏名又は名称】コビディエン エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ,ディー.ブラナン
【審査官】 小川 恭司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−067633(JP,A)
【文献】 特開2011−200649(JP,A)
【文献】 特開昭60−024835(JP,A)
【文献】 特開2008−054925(JP,A)
【文献】 特開平05−084255(JP,A)
【文献】 特開平08−191838(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0181904(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/109908(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取手と、
縦軸を規定し、前記取手から遠位に延在する、心棒であって、前記心棒は、
外部ハイポチューブと、
前記ハイポチューブ内に同軸上に配置され、かつその遠位端を超えて延在する管腔と、
前記管腔内に同軸上に配置され、かつ内部導体および前記内部導体の周りに同軸上に配置された外部導体を有する同軸供給線と、を含む、心棒と、
前記心棒の遠位端に連結された解剖頭部組立体であって、前記解剖頭部組立体は、
実質的に平面状の放射表面および少なくとも1つの非放射表面を有する誘電体核と、
前記誘電体核の前記少なくとも1つの非放射表面上に配置された反射性被膜と、
前記放射表面から延在する刃と、を含む、解剖頭部組立体と、
を備え、
前記実質的に平面状の放射表面は、前記心棒の前記縦軸に対して平行な平面を規定し、前記同軸供給線の前記内部導体および前記外部導体は、前記誘電体核内に配置される、外科器具。
【請求項2】
流入導管および流出導管を形成するように、前記管腔および前記同軸供給線の間に同軸上に配置された冷却剤管をさらに備える、請求項1に記載の外科器具。
【請求項3】
前記流入導管および前記流出導管のうち少なくとも1つの遠位開口が、前記解剖頭部組立体内に画定された冷却室と流動的に連通している、請求項2に記載の外科器具。
【請求項4】
前記解剖頭部組立体の表面が潤滑被膜をさらに含む、請求項1に記載の外科器具。
【請求項5】
前記刃が、前記心棒に沿って画定された縦軸と実質的に整列して配向される、請求項1に記載の外科器具。
【請求項6】
前記刃が、器具が近位方向に引っ張られる際に組織を切断するように構成された切断縁を有する、請求項1に記載の外科器具。
【請求項7】
前記解剖頭部組立体が、概楔様形状、概半球形状、概して伸長した半球形状、概二枚貝形状、概放物形状、概円筒形状、概半円筒形状、概円錐形状、概円盤形状、および概円錐台形状から成る群から選択される形状を有する、請求項1に記載の外科器具。
【請求項8】
前記流入導管の近位端が、冷却剤源に動作可能に連結するように適合される、請求項1に記載の外科器具。
【請求項9】
前記同軸供給線の近位端が、凝固エネルギー源に動作可能に連結するように適合される、請求項1に記載の外科器具。
【請求項10】
マイクロ波凝固エネルギー源と、
前記凝固エネルギー源に動作可能に連結するように適合された外科器具であって、前記器具は、
取手と、
縦軸を規定し、前記取手から遠位に延在する、心棒であって、前記心棒は、
外部ハイポチューブと、
前記ハイポチューブ内に同軸上に配置され、かつその遠位端を超えて延在する管腔と、
前記管腔内に同軸上に配置され、かつ内部導体および前記内部導体の周りに同軸上に配置された外部導体を有する同軸供給線と、を含む、心棒と、
前記心棒の遠位端に連結された解剖頭部組立体であって、前記解剖頭部組立体は、
実質的に平面状の放射表面および少なくとも1つの非放射表面を有する誘電体核と、
前記誘電体核の前記少なくとも1つの非放射表面上に配置された反射性被膜と、
前記放射表面から延在する刃と、を含む、解剖頭部組立体と、
を備え、
前記実質的に平面状の放射表面は、前記心棒の前記縦軸に対して平行な平面を規定し、前記同軸供給線の前記内部導体および前記外部導体は、前記誘電体核内に配置される、外科器具と、
を備える、外科解剖および凝固システム。
【請求項11】
流入導管および流出導管を形成するように、前記管腔および前記同軸供給線の間に同軸上に配置された冷却剤管をさらに備える、請求項10に記載の外科解剖および凝固システム。
【請求項12】
前記流入導管および前記流出導管のうち少なくとも1つの遠位開口が、前記解剖頭部組立体内に画定された冷却室と流動的に連通している、請求項11に記載の外科解剖および凝固システム。
【請求項13】
前記刃が、前記心棒に沿って画定された縦軸と実質的に整列して配向される、請求項10に記載の外科解剖および凝固システム。
【請求項14】
前記刃が、器具が近位方向に引っ張られる際に組織を切断するように構成された切断縁を有する、請求項10に記載の外科解剖および凝固システム。
【請求項15】
冷却剤源をさらに備える、請求項10に記載の外科解剖および凝固システム。
【請求項16】
前記流入導管の近位端が、前記冷却剤源に動作可能に連結するように適合される、請求項15に記載の外科解剖および凝固システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
1.技術分野
本開示は、生物組織にエネルギーを提供するためのシステムおよび方法に、より具体的には、解剖処置と同時に標的組織の凝固を行うように適合された電気外科器具に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の背景
エネルギーに基づく組織治療は、当該技術分野で十分に知られている。様々な種類のエネルギー(例えば、電気、超音波、マイクロ波、極低温、熱、レーザー等)が、所望の結果を実現するために組織に印加される。電気外科術は、組織を切断、焼灼、凝固、または封止する外科部位への高無線周波数電流の印加を伴う。組織焼灼の電気外科術では、無線周波数エネルギーをアンテナまたは探針により標的組織に送達することができる。
【0003】
用いられているいくつかの種類のマイクロ波アンテナ組立体、例えば、単極、双極、および螺旋形があり、それらを組織焼灼用途にて用いることができる。単極および双極のアンテナ組立体では、マイクロ波エネルギーは、一般的に、導体の軸から離れて垂直に放射する。単極アンテナ組立体は、典型的に、単一で伸長した導体を含む。典型的な双極アンテナ組立体は2つの伸長した導体を含み、それらは直線的に整列され、かつそれらの間に配置された電気絶縁体と互いに対して端々に位置付けられる。螺旋形アンテナ組立体は、接地面に接続された螺旋形状の導体を含む。螺旋形アンテナ組立体は、螺旋により放射される場が螺旋軸に対する垂直面内で最大である通常モード(ブロードサイド)と、最大の放射線が螺旋軸に沿っている軸モード(エンドファイア)と、を含む、いくつかのモードにおいて動作することができる。螺旋形アンテナ要素の物理的特性、例えば、螺旋の直径、螺旋の線輪間の螺距つまり距離、および、それが搭載される探針組立体に関連する螺旋の位置により、螺旋形アンテナ組立体の同調を少なくとも部分的に決定することができる。
【0004】
典型的なマイクロ波アンテナは、探針の縦軸に沿って延在し、かつ誘電性材料に包囲され、かつ、外部導体も探針の軸に沿って延在するように、誘電性材料の周りにある外部導体にさらに包囲される、長く薄い内部導体を有する。効果的なエネルギーの外方放射つまり加熱を提供する探針の別の変化形では、外部導体の一部または複数部を選択的に撤去することができる。この種類の構造物は、典型的に、「漏れ導波路」または「漏れ同軸」アンテナと称される。マイクロ波探針における別の変化形は、効果的な放射のために必要な構成を提供する、螺旋等の均一の渦巻パターンで形成された先端を有することを伴う。この変化形を用いて、特定の方向、例えば、軸に垂直な方向に、順方向に(すなわち、アンテナの遠位端に向かって)、またはそれらの組み合わせにエネルギーを指向することができる。組織焼灼の場合では、約300MHz乃至約10GHzの範囲内の高無線周波数電流が、ある焼灼容積を創出するように標的組織部位に印加され、それは特定の規模および形状を有することがある。焼灼容積は、アンテナの設計、アンテナの同調、アンテナのインピーダンス、および組織のインピーダンスに相関される。
【0005】
特定の外科処置は、腫瘍および/または他の壊死病変を切除するために、切断器具、例えば、メスまたは大鋏の使用を必要とし、それは1つ以上の血管を切断することを余儀なくさせ、そのため望ましくない出血を引き起こすことがある。このような出血により、今度は、外科医の外科部位の視界が覆い隠され、一般的に、外科医が主要な外科目的よりむしろ、出血を制御することに気を遣う必要があることがある。これは、今度は、増加した手術時間および準最適な外科予後に繋がることがある。
【発明の概要】
【0006】
概要
本開示は、同時の組織の凝固および解剖のためにマイクロ波エネルギーを利用する外科器具を対象とする。一実施形態では、当該器具は湾曲して伸長した心棒を有する手持ち式の外科機器である。当該心棒の遠位端は、組織を解剖するように適合された刃を有する指向性マイクロ波放射組立体を含む。当該心棒の近位端は、取手および1つ以上の作動器、例えば、凝固エネルギーの送達を始動させるように適合された押しボタンを含むことがある。焼灼エネルギーは、当該心棒の中に配置された同軸供給線によりマイクロ波開口に提供される。
【0007】
当該マイクロ波開口は、半球形状、伸長した杯の形状、二枚貝貝殻の形状、円筒形状、丸みのある円筒形状、放物形状、および/またはそれらの様々な組み合わせを有することがある。当該開口は、マイクロ波凝固エネルギーの組織への目標とされる送達を可能にするように非遮蔽のままである底面の他全てに金属遮蔽を含む。刃の使用は、凝固エネルギーの同時の印加と共に、手術部位での出血を制御または除去するように、外科医が組織に凝固を同時に行いながら刃を用いて解剖を行うことを可能にする。このように用いられると、本開示の一実施形態に従う外科器具は、医師が高度に灌流した固形臓器、例えば、肝臓を同時にかつ迅速に凝固および解剖することを可能にすることができ、それは、今度は、手術時間を低減し、危険因子を減少させ、回復時間を短縮し、かつ患者予後を改善することができる。
【0008】
一実施形態では、当該外科器具は、取手と、当該取手から遠位に延在する心棒と、を備える。当該心棒は、外部ハイポチューブと、当該ハイポチューブ内に同軸上に配置されかつその遠位端を超えて延在する管腔と、当該管腔内に同軸上に配置され、かつ内部導体および当該内部導体の周りに同軸上に配置された外部導体を有する同軸供給線と、流入導管および流出導管を形成するように当該管腔および当該同軸供給線の間に同軸上に配置された冷却剤管と、を含む。当該器具は、心棒の遠位端に連結された解剖頭部組立体をさらに含む。当該解剖頭部組立体は、実質的に平面状の放射表面および少なくとも1つの非放射表面を有する誘電体核と、当該誘電体核の当該少なくとも1つの非放射表面上に配置された反射性被膜と、当該放射表面から延在する刃と、を含む。
【0009】
本開示は、外科解剖および凝固システムも対象とする。一実施形態では、当該外科解剖および凝固システムは、マイクロ波凝固エネルギー源と、当該マイクロ波凝固エネルギー源に動作可能に連結するように適合される上文に記載されているとおりの外科器具と、を備える。開示されている外科解剖および凝固システムは冷却剤源を含むことがあり、そこで、当該外科器具は当該冷却剤源に動作可能に連結するように適合される。
【0010】
また開示されているのは、解剖および凝固を同時に行うための方法である。当該方法は、組織の全体に外科器具の解剖頭部を位置付けることを備え、そこで、当該解剖頭部は、凝固エネルギーを組織に印加するように構成された組織接触表面と、当該組織接触表面から突出する刃と、を含む。当該組織接触表面は、切開を始めるために標的組織と接触され、凝固エネルギーは当該標的組織に印加され、当該解剖頭部は当該切開を継続するために当該標的組織を横切って引っ張られる。
【0011】
図面の簡単な記載
本開示の上記および他の態様、特徴、および利点は、添付図面と併用されることにより、以下の詳細な記載に照らしてより明白となるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一実施形態に従う凝固および解剖システムの一実施形態の図表を示す。
図2】本開示の一実施形態に従う解剖器頭部の一実施形態の側面図を示す。
図3】本開示の一実施形態に従う解剖器頭部の一実施形態の下面図を示す。
図4】本開示の一実施形態に従う解剖器頭部の一実施形態の側面の切り取り図を示す。
図5】本開示の一実施形態に従う取手組立体の一実施形態の側面の切り取り図を示す。
図6A】本開示の一実施形態に従う凝固および解剖システムを利用するために行われる凝固および解剖処置を示す。
図6B】本開示の一実施形態に従う凝固および解剖システムを利用するために行われる凝固および解剖処置を示す。
図6C】本開示の一実施形態に従う凝固および解剖システムを利用するために行われる凝固および解剖処置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な記載
本開示の特定の実施形態は、添付図面を参照して下文に記載されているが、開示されている実施形態は単に本開示の例であり、それらを様々な形態で具現することができる。十分に知られている機能または構造および繰り返しの事柄は、不要または冗長な詳細にて本開示を分かりにくくすることを避けるために、詳細には記載されていない。従って、本明細書に開示されている具体的な構造上および機能上の詳細は、限定的であると解釈されるものではないが、単に、請求の範囲の基礎として、かつ、当業者に事実上いかなる適切に詳細な構造においても本開示を様々に使用することを教示するための代表的な基礎として解釈されるものである。本記載で、ならびに図面では、同じように参照される番号は、同じ、同様、または同等の機能を果たすことができる要素を表す。
【0014】
図面内で、および続く記載では、「近位」という用語は、従来通りに、使用者により近い器具の端を指すものとし、一方で、「遠位」という用語は、使用者からより遠い端を指すものとする。加えて、本明細書で用いられる際に、配向に言及する用語、例えば、「頂」、「底」、「上」、「下」、「左」、「右」、「時計回り」、「反時計回り」、および同様のものは、そこで示されている図および特徴を参照して例解目的のために用いられる。本開示に従う実施形態を、制限なく任意の配向にて実施することができる。
【0015】
電磁エネルギーは、一般的に、エネルギーを増加させるかまたは波長を減少させることにより、無線波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、およびガンマ線に分類される。本記載において用いられる際に、「マイクロ波」は、概して、300メガヘルツ(MHz)(3×10周波/秒)乃至300ギガヘルツ(GHz)(3×1011周波/秒)の周波数範囲にある電磁波を指す。本記載において用いられる際に、「焼灼処置」は、概して、マイクロ波焼灼、無線周波数(RF)焼灼、またはマイクロ波焼灼により支援される切除等の、任意の焼灼処置を指す。本記載において用いられる際に、「伝送線」は、概して、ある地点から別の地点への信号の伝播のために用いることができる任意の伝送媒体を指す。
【0016】
本開示の様々な実施形態は、組織を治療するための指向性反射器組立体と動作可能に関連する電気外科機器と、組織の標的容積に電磁放射線を指向する方法と、を提供する。マイクロ波周波数で、または、他の周波数で電磁放射線を用いて、実施形態を実施することができる。指向性反射器組立体と動作可能に関連するエネルギー印加器を含む開口組立体を有する電気外科システムは、様々な実施形態に従い、指向性放射パターンをもって約300MHzおよび約10GHzの間で動作するように構成される。
【0017】
目下開示されている電気外科機器と、それに対する指向性反射器組立体と、同一物を含む電気外科システムとの様々な実施形態は、マイクロ波焼灼に、および、マイクロ波焼灼により支援される外科切除のために組織を前凝固させる使用に適している。下文に記載されている様々な方法は、マイクロ波焼灼および標的組織の破壊および/または切除を対象とするが、標的組織が、例えば、心臓組織内の電気インパルスの伝導を防ぐために、部分的に破壊、損傷、または解剖される他の療法と共に、電磁放射線を指向するための方法を用いることができる。加えて、本開示の教示は、双極、単極、螺旋形、または他の適した種類のマイクロ波アンテナに当てはまることがある。
【0018】
図1は、本開示の一実施形態に従うマイクロ波解剖および凝固システム10を示す。解剖および凝固システム10は、同軸ケーブル15により接続器21に動作可能に接続される焼灼器具12を含み、それはさらに器具12を発電機組立体20に動作可能に接続する。器具12は、流体連結器19により冷却剤源18に連結される冷却剤供給管14により、冷却剤源18、例えば、生理食塩水または脱イオン水に動作可能に連結される。冷却剤は、流体連結器17により冷却剤戻り容器16に連結される冷却剤排出管13を介して、器具12を出る。流体連結器17および19は、制限なくルアーロック連結を含む、任意の適した流体連結機器を含むことがある。使用済みの冷却剤を、後続の再使用のために(例えば、熱交換器、放射器、冷凍剤に基づく機器、ペルチェモジュール、および同様のものにより冷却された後に)冷却剤戻り16から冷却剤供給18へ再循環させることができるか、あるいは、単に使用後に廃棄することができる。流速感知器(明示せず)により、流体流速を監視することもできる。
【0019】
発電機組立体20は、焼灼エネルギー、例えば、約915MHz乃至約25.0GHzの範囲内にあるマイクロ波またはRFエネルギーの源であり得る。様々な実施形態では、発電機20は、915MHz、2450MHz、および/または5800Mhzで動作する。器具12は、様々な外科処置における使用に、具体的には、解剖および凝固処置における使用に適合される。器具12は、心棒40の近位端に連結された取手組立体30と、心棒40の遠位端に連結された解剖頭部50と、を含む。解剖頭部50は、下記にさらに詳細に記載されているように、同時の組織の解剖および凝固を可能にするように構成される。器具12を、低侵襲(例えば、腹腔鏡下)または開放外科処置にて用いることができる。
【0020】
図2−4は、本開示に従う心棒40および解剖頭部50の一実施形態の詳細をさらに例解する。心棒40は、実質的に剛性の耐熱性材料から形成される外部ハイポチューブ60を含む。いくつかの実施形態では、ハイポチューブ60をステンレス鋼から形成することができる。例解されている実施形態では、心棒40は、取手30および解剖頭部50を、外科処置においてそれらの使用を容易にする人間工学的に有利な配向に配置する、概して湾曲した輪郭を有する。取り付けフランジ73は、ハイポチューブ60の遠位端に連結され、かつハイポチューブ60を解剖頭部50に連結するように適合される。いくつかの実施形態では、フランジ73は締結具66により解剖頭部50に固定され、それはねじ込み式締結具(例えば、ネジ)であり得る。制限なく蝋付け、溶接、ねじ込み締結を含む任意の適した方法により、フランジ73をハイポチューブに固定することができるか、あるいは、フランジ73およびハイポチューブ60を一体的に形成することができる。別の想定される実施形態では、接着剤、過成形、または一体形成を含む任意の適した方法により、ハイポチューブ60を解剖頭部50に連結することができる。
【0021】
心棒40は、電気外科エネルギーおよび冷却剤を解剖頭部50に送達し、かつ冷却剤を解剖頭部50から除去するように適合される、その中に同心円状に配列されたいくつかの要素を含む。下記に詳細に記載されているように、電気外科(例えば、マイクロ波)エネルギーは同軸供給線55により送達され、冷却剤は流体流出導管75を介して除去される。
【0022】
管腔71はハイポチューブ60内に配置され、かつハイポチューブ60の遠位端を超えて解剖頭部50の誘電性領域67に延在する。制限なく、ポリイミド等の熱硬化性重合体から、管腔71を形成することができる。心棒40は、その縦軸に沿って配置された同軸供給線55を含む。同軸供給線55は、それらの間に配置された絶縁体64を有する外部導体内に同軸上に配置された内部導体78を含む。冷却剤管70は、管腔71および供給線55の間に同心円状に配置され、それらの間の容積を流体流入導管74および流体流出導管75に分割する。それらのそれぞれの遠位端にて、流入導管74および流出導管75は、解剖頭部50内の管腔71の遠位領域内に画定された冷却室76と流動的に連通している。使用の最中に、冷却剤は流入導管74を通じて遠位に循環し、冷却剤室76に流れ込み、流出導管75を通じて近位に排出する。
【0023】
バラン誘電体63は、供給線55の周りに同心円状に配置される。一実施形態では、バラン誘電体63は、ハイポチューブ60の遠位端および解剖頭部50の近位側の接合点またはその近くにある管腔71内に位置付けられる。低い電気伝導性を有する任意の適した耐熱性材料、例えば制限なく、ポリテトラフルオロエチレン(アメリカ合衆国、デラウェア州、ウィルミントンのE.I. du Pont de Nemours and Co.により製造されているPTFEまたはTeflon(登録商標)としても知られている)から、バラン誘電体63を形成することができる。バラン外部導体61は、バラン誘電体63の周りに同心円状に配置される。いくつかの実施形態では、バラン誘電体63の遠位部分56は、バラン外部導体61の遠位端を超えて遠位に延在する。任意の適した電気伝導性材料、例えば、圧延銅箔、銅管材、および同様のものから、バラン外部導体61を形成することができる。いくつかの実施形態では、アメリカ合衆国、コネチカット州、ノーウォークのPolyflon Companyにより流通されている、Polyflon(商標)で電気鍍金されたPTFEから、バラン外部導体61を形成することができる。バラン誘電体63およびバラン外部導体61は、4分の1波長短絡バランを形成し、解剖頭部50の組織接触放射表面77の下方、および/または解剖頭部50の反射性外部層69内の領域への放射されたマイクロ波エネルギーを含有するように配列される。同軸供給線55の遠位端の近くでは、内部導体78および絶縁体64は外部導体62を超えて延在する。内部導体78は、絶縁体64の遠位端を超えて延在し、かつ遠位放射部分65に動作可能に連結される。遠位放射部分65の近位に間近に位置する絶縁体64の曝露部分57は、供給地点および/またはそれに対する供給間隙としての役割を果たす。
【0024】
図2、3、および4に示されているように、解剖頭部50は、その上部分、例えば、その頂点および全ての側面上に配置された反射性外部層69を有する中実誘電性領域67を含む。誘電性領域67は、概して平面状で、曝露された、底放射表面77を含む。制限なく、陶器材料、PTFE、Teflon(登録商標)、または、アメリカ合衆国、マサチューセッツ州、ピッツフィールドのSABIC Innovative Plasticsにより流通されている、Ultem(商標)非晶質熱可塑性ポリエーテルイミド(PEI)樹脂を含む、外科処置に関連する状態に耐えるのに十分な力学および生体適合特性を有する低損失の誘電負荷特性を有する任意の適した誘電性材料から、誘電性領域67を形成することができる。制限なく、銅鍍金、銅箔、またはPolyflon(商標)で電気鍍金されたPTFE等の、マイクロ波エネルギーを反射する能力を有する任意の適した材料から、反射性外部層69を形成することができる。
【0025】
図示されているように、解剖頭部50は概楔様形状を有するが、当該解剖頭部が、制限なく、概半球形状、概して伸長した半球形状、概二枚貝形状、概放物形状、概円筒形状、概半円筒形状、概円錐形状、概円盤形状、および概円錐台形状を含む、解剖および凝固を容易にするその任意の適した形状および部分を有することがあることが想定される。
【0026】
解剖頭部50は、底放射表面77から下方に延在し、かつ器具12の縦軸と実質的に整列して配向された刃68も含む。図示されているように、刃68は、器具12が近位方向に引っ張られる際に組織を切断するように構成された切断縁68aを有するが、刃68および/または切断縁68aを他の方向に配向すること、例えば、器具12が遠位に、側方に(左または右)、またはそれらの間の任意の角度に引っ張られる際に組織を切断するように配列することができることが想定される。いくつかの実施形態では、刃68は可動である。例えば、かつ制限なく、刃68はその垂直軸の周りに回転可能であり得、かつ/または刃68は引き込み可能であり得る。
【0027】
解剖頭部50は、制限なく、ポリテトラフルオロエチレン、テレフタル酸ポリエチレン、およびパリレン被膜等の、耐熱性かつ生体適合性であり、かつ、解剖頭部50に接着することからの組織および他の生体材料の可能性を低減する任意の適した潤滑材料から形成することができる、反射性外部層69および/または低放射表面77の複数部分上に、潤滑被膜(明示せず)を含むことがある。
【0028】
ここで図5に目を向けると、取手組立体30は、任意の適した取り付け方法、例えば、溶接(レーザー、音波、化学物質等)、接着剤、機械的締結具、クリップ、ねじ込み式締結具、および同様のものにより共通の縁に沿って接合される、2個組(左および右半)の二枚貝型組立体から組み立てることができる筐体80を含む。心棒40の近位端およびその中の関連する内部構成部は、心棒40を筐体80に連結し、かつ、発電機20、冷却剤供給18、および冷却剤戻り16への心棒40および解剖頭部50の電気的および流動的連結を容易にするように、筐体80の遠位端91に延在する。
【0029】
冷却剤多岐管81は筐体80内に配置され、冷却剤多岐管81は、流入導管74と流動的に連通している流入プレナム96と、流出導管75と流動的に連通している流出プレナム97と、を有する。流入口98は、器具12を通じる冷却源18からの冷却剤の循環を容易にするように、流入プレナム96と流動的に連通している。同様に、流出口99は、器具12からの冷却剤の排出を容易にするように、流出プレナム97と流動的に連通している。管腔70の近位端は、流入導管74への冷却剤の流れを増進するために発光器82を含むことがある。
【0030】
筐体80は、同軸ケーブル15を動作可能に受け、かつ同軸供給線55に電気的に連結するように構成された、90°の同軸連結器組立体100を含む。連結器組立体100は、同軸ケーブル15の外部導体84を係合させるように構成される外部導体転位94と、同軸ケーブル15の内部導体85を係合させるように構成される内部導体転位95と、を含む。内部導体転位95は、同軸ケーブル15の内部導体85を受けるように寸法取られる雌受器86を含むことがある。絶縁領域87および92は、外部導体転位94および内部導体転位95の間に電気的分離を提供し、かつ、陶器または重合材料等の、空隙または固体誘電性材料から形成することができる。絶縁領域87および92が固体誘電性材料から形成される際に、絶縁領域87および92は外部導体転位94および内部導体転位95に物理的支持を提供することができる。
【0031】
図5に示されているように、一対のエラストマーOリング89は、連結器組立体100および流入プレナム96の間に、および心棒40および流出プレナム97の間に流動性封止を提供する。いくつかの実施形態では、連結器組立体100および流入プレナム96、および心棒40および流出プレナム97を、接着剤合成物(例えば、シリコーンまたはエポキシ封止材)、圧縮継手、ねじ込み式継手、または任意の他の適した形態の流動性封止によりそれぞれ封止することができる。筐体80は、筐体80内の取手30の前述の構成部を係合させかつ固定するように構成される、複数の機械的止め具93a−93fも含む。
【0032】
図6A−Cには、本開示の一実施形態に従うマイクロ波解剖および凝固システムを利用する、組織の解剖および凝固を行う方法が示されている。例解されている例を開放外科処置として行うことができるか、あるいは低侵襲(例えば、腹腔鏡下)技術を用いて行うことができる。図6Aで見られるように、器具12の解剖頭部50は、刃68が所望の切開の開始地点に隣接するように、標的組織「T」の全体に位置付けられる。心棒40の湾曲形状により、外科医の手(明示せず)を、取手30を把持しながら所望の切断面より十分に上に位置付けることが有利に可能になることに留意されたい。その後、解剖頭部50の組織接触放射表面77は組織「T」と接触され、それにより、切開を始めるために刃68で組織「T」を貫通する。
【0033】
解剖頭部50の組織接触放射表面77と組織「T」を接触させる際に、外科医は、手術部位における組織への凝固エネルギーの送達を開始するために発電機20を作動させる。発電機20の作動により、上文に記載されている流入および流出構造物を介して、冷却剤が器具12を通じて流れるようにすることもできる。組織への凝固エネルギーの送達と同時に、外科医は、組織「T」の全体に近位方向に解剖頭部50を引っ張ることにより、切開口「I」を創出する。当該切開口が形成される際に、解剖頭部50から放射された凝固エネルギーは、参照文字「C」により概して示される凝固領域内の組織「T」を凝固させる。
【0034】
開示されている方法の1つの実施形態では、解剖および凝固は約3.5mm/secの速度で解剖頭部を動かすことにより行われ、それは約1cmの幅および約1cmの深さを有する凝固領域を提供することができる。
【0035】
凝固領域「C」の規模(例えば、幅および/または深さ)を、個別にも組み合わせても、複数の処置パラメーターのうち1つ以上により決定することができる。例えば、かつ制限なく、凝固領域「C」の規模を解剖頭部50の形状により決定することができる。外科医が外科目的に従い所望の凝固領域「C」の規模を選択することを可能にすることになる様々な形状および規模にて、器具を外科医に提供することができる。送達された凝固エネルギーの電力レベル、送達された凝固エネルギーの周波数、送達された凝固エネルギーの変調、および/または外科医が切開口「I」を創出するために解剖頭部を動かす速度により、凝固規模を決定することもできる。
【0036】
所望の切開口「I」が創出された時点で、外科医は発電機および冷却剤流を停止させ、図6Cに描写されているような外科部位から解剖頭部50を引き抜く。
【0037】
本開示の記載されている実施形態は、制限的よりむしろ例解的であるように意図されており、本開示の全ての実施形態を表すようには意図されていない。本明細書で提供されている方法のステップを、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、組み合わせて、かつ/または、本明細書に提示されているものとは異なる手順で行うことができることを理解されたい。上記に開示されている実施形態および他の特徴および機能のさらなる変形、またはそれらの代替を、文字どおりにおよび法律で認められている均等物での両方にて以下の請求の範囲に明記されているとおりに、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、為すかまたは望ましく組み合わせて多くの他の異なるシステムまたはアプリケーションにすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C