(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記索状部材の他方の端部から前記索状部材方向転換機構までに位置する前記アームのうち、前記索状部材方向転換機構に最も近い前記アームから前記収容物が荷下ろしされる前の当該アームの高さと、
前記収容物が荷下ろしされ、前記弾性体の引っ張り力によって前記索状部材が移動したときの、前記索状部材の他方の端部から前記索状部材方向転換機構までに位置する前記アームのうち、前記索状部材方向転換機構に最も近い位置に位置する前記アームの高さとは、略同じであることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のコンテナは、板状のパネルを有している。そのため、パネルより下方に積載された収容物を、コンテナの側方から取り出すことはできるが、上方から取り出すことはできない。また、パネルの昇降にモータを使用するため電源を必要としていた。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で収容物を上昇させることができ、かつ、コンテナの上方からであってもコンテナの下部に積載された収容物をとりだすことができるコンテナを提供することを目的とする。また、そのコンテナを他の車両に容易に積み替えることができるコンテナ移動架台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るコンテナは、
収容物を上昇させる上昇装置を内部に有するコンテナであって、
前記上昇装置は、
前記収容物を支持する複数のアームと、
前記複数のアームの一端が取り付けられる取付部を一定の間隔で有する長尺の索状部材と、
前記索状部材が掛け回される索状部材方向転換機構と、
前記索状部材の一方の端部に引っ張り力を与え、前記索状部材の他方の端部から前記索状部材方向転換機構までに位置する前記アームのうち、前記索状部材方向転換機構に最も近い前記アームから前記収容物が荷下ろしされたときに、当該荷下ろしされたアームが取り付けられる前記取付部を前記引っ張り力によって前記索状部材方向転換機構を介して移動させる弾性体と、
前記取付部が前記索状部材方向転換機構を介して移動する間に、当該取付部に取り付けられる前記アームの長さ方向を、前記コンテナの内側面に垂直な第1の方向と前記内側面に平行な第2の方向との間で方向転換させるアーム方向転換手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
前記索状部材の他方の端部から前記索状部材方向転換機構までに位置する前記アームのうち、前記索状部材方向転換機構に最も近い前記アームから前記収容物が荷下ろしされる前の当該アームの高さと、
前記収容物が荷下ろしされ、前記弾性体の引っ張り力によって前記索状部材が移動したときの、前記索状部材の他方の端部から前記索状部材方向転換機構までに位置する前記アームのうち、前記索状部材方向転換機構に最も近い位置に位置する前記アームの高さとは、略同じであってもよい。
【0008】
下端に、回転軸が前記内側面の板面に平行かつ水平な車輪を有していてもよい。
【0009】
前記索状部材はチェーンであってもよい。
【0010】
前記索状部材方向転換機構は歯車であってもよい。
【0011】
前記弾性体はコイルばねであってもよい。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るコンテナ移動架台は、
本発明の第1の観点に係るコンテナを他の車両に積み替えるための架台であって、
上面に、前記車輪が案内される案内路が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構成で収容物を上昇させることができ、かつ、コンテナの上方からであってもコンテナの下部に積載された収容物をとりだすことができるコンテナを提供することができる。また、そのコンテナを他の車両に容易に積み替えることができるコンテナ移動架台を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の実施形態に係るコンテナ10は、板状の収容物、例えば太陽光発電パネルユニット100(以下、パネルユニット100という)を平積みすることができるコンテナである。また、コンテナ10は、トラック等で搬送することができるコンテナである。
【0016】
まず、本実施形態に係るコンテナ10に積載されるパネルユニット100について説明する。
【0017】
図2(a)乃至
図2(c)に示すように、パネルユニット100は、11枚の太陽光発電パネル110と、2本のパネル支持フレーム120と、を備える。
【0018】
太陽光発電パネル110は、上面に太陽電池モジュールを有する、例えば、縦1985mm、横999mmで形成された矩形状のパネルである。
図2(c)に示すように、太陽光発電パネル110の裏側には、パネル支持フレーム120と連結するための連結部111が形成されている。
【0019】
図2(c)に示すように、パネル支持フレーム120は、各太陽光発電パネル110の長辺が当接するように一列に並べて縦1985mm×横10989mmとした11枚の太陽光発電パネル110を、一体化させるための連結部材である。パネル支持フレーム120は、断面がC字形に形成された、チタン製の長尺フレームである。パネル支持フレーム120は、各太陽光発電パネル110の連結部111に、例えば図示しないボルト及びナットによって、連結されている。尚、パネル支持フレーム120は、鋼、ステンレス鋼又はアルミニウムといった金属や樹脂などで形成さえていてもよく、また断面がH形などに形成されていてもよい。
【0020】
次に、本実施形態に係るコンテナ10について説明する。
図1、
図3、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、コンテナ10は、筐体20と、蓋40と、キャスタ50と、磁石60と、パネル上昇装置70と、を備えている。
【0021】
筐体20は、例えば、直方体状に形成されたISO40フィートのコンテナである。尚、理解を容易にするため、
図1に示すように、筐体20の長さ方向をX方向、筐体20の幅方向をY方向、X方向及びY方向に垂直な方向をZ方向と定義し、適宜参照して説明する。
【0022】
筐体20は、例えば鋼、ステンレス鋼又はアルミニウムなどの金属から形成されている。筐体20は、前板31と、後板32と、左側板33と、右側板34と、を備え、上面及び下面が開口している。前板31と、左側板33及び右側板34は、溶接等によって接続されている。また、後板32と、左側板33及び右側板34は、溶接等によって接続されている。
【0023】
図3及び
図4(a)に示すように、前板31及び後板32の左側板33側の上部には、蓋支持金具35が配設されている。蓋支持金具35は、筐体20に対して蓋40を開閉可能に支持する部材である。本実施形態では、蓋支持金具35として、公知のヒンジが使用されている。
【0024】
蓋40は、例えば鋼、ステンレス鋼又はアルミニウムなどの金属から形成されている。蓋40は、筐体20の上面の開口よりわずかに大きい矩形板状に形成されている。蓋40は、例えばコンテナ10が輸送されている時に、コンテナ10の上面の開口を覆うための蓋である。
【0025】
図3、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、左側板33及び右側板34の下端の、前板31及び後板32の近傍には、キャスタ50が配設されている。
図4(a)に示すように、キャスタ50は、ブラケット51と、車輪52と、を有している。ブラケット51は、左側板33及び右側板34の下端に溶接などによって接続されており、X方向を向く回転軸51aを有している。回転軸51aには、車輪52が回転可能に支持されている。これにより、コンテナ10は、左側板33及び右側板34の板面に垂直な方向、すなわちY方向に移動可能に構成されている。
【0026】
キャスタ50は、
図4(a)に示すように、車輪52の下端部が、左側板33及び右側板34の下端部とほぼ面一になるように形成されている。尚、キャスタ50は、図示しない油圧シリンダやガスシリンダなどの公知の昇降機構により、その下端部が左側板33及び右側板34の下端部より下方に突出するように構成されていてもよい。
【0027】
図4(a)に示すように、左側板33及び右側板34の下端には、所定の極を下側に向けた複数の磁石60が配設されている。磁石60は、後述するコンテナ移動架台210の上面に配設された磁石と反発することにより、コンテナ10を他の車両へ容易に移動させるための部材である。
【0028】
図4(a)に示すように、パネル上昇装置70は、パネルユニット100を一枚ずつ支持する装置である。パネル上昇装置70は、コンテナ10の上方から最上段のパネルユニット100がクレーンなどで荷下ろしされると、2段目以降のパネルユニット100を上昇させるように構成されている。本実施形態では、左側板33の内側面に、4つのパネル上昇装置70が配設されている。以下、説明を簡単にするため、1つのパネル上昇装置70の構造及び動作について説明する。
【0029】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、パネル上昇装置70は、底板71と、支柱72と、回転軸73と、歯車74と、チェーン75と、パネル支持具76と、コイルばね80と、チェーン巻き取り装置81と、カバー82と、を備えている。
【0030】
底板71は、Z軸に対して垂直な面を有する半円形状の板である。底板71は、パネルユニット100が積載されたパネル上昇装置70の荷重に耐えられるように、溶接又は金具などによって左側板33の下部に強固に固定されている。
【0031】
底板71の上面には、2本の支柱72がZ方向を向くように配設されている。2本の支柱72の上部には、回転軸73が水平に架設されている。尚、パネル上昇装置70の理解を容易にするため、
図5(a)に示すように、回転軸73の軸の向きをx方向、x方向及びZ方向に垂直な方向をy方向と定義し、適宜参照して説明する。尚、+x方向は、+X方向を、
図5(a)の左回りに45°回転した方向である。
【0032】
回転軸73には、平歯車から形成された歯車74が回転可能に支持されている。歯車74は、後述するチェーン75の方向を転換する部材である。
【0033】
歯車74には、所定の長さのチェーン75が掛け回されている。
図6(a)及び
図6(b)に示すように、チェーン75には、一定の間隔Hで、複数の一対のL字金具75aが配設されている。尚、間隔Hについては、後述する。
【0034】
図6(c)に示すように、一対のL字金具75aには、それぞれ、パネル支持具76が取り付けられている。パネル支持具76は、取付部76aと、アーム76bと、を有している。取付部76aは、L字金具75aに接続される部位である。取付部76aには、パネルユニット100を支持する、四角柱状のアーム76bが片持ち梁状に形成されている。
図5(a)に示すように、アーム76bは、回転軸73の向き、すなわちx方向から45°回転した向きに、水平に延びている。
【0035】
図5(b)に示すように、底板71には、ばね定数kの一巻のコイルばね80が配設されている。コイルばね80は、その下端が底板71に接続され、その上端がチェーン75の歯車74より+y側の端部、すなわちチェーン75の左側板33に近い側の端部に接続されている。コイルばね80は、引張力に比例して伸長するように形成されており、Fの力で引っ張ると長さh伸長し、2Fの力で引っ張ると長さ2h伸長するように形成されている。
【0036】
図5(b)に示すように、チェーン75の歯車74より−y側の端部、すなわち左側板33から遠い側の端部には、チェーン巻き取り装置81が接続されている。チェーン巻き取り装置81は、チェーン75が弛むのを防止するために、チェーン75を巻き取る装置である。チェーン巻き取り装置81は、チェーン75が巻き取られる方向に付勢する、図示しないゼンマイ式のばねを有している。尚、ゼンマイ式のばねがチェーン75を巻き取る力は、コイルばね80がチェーン75を引っ張る力に影響を与えない程度に小さく形成されている。
【0037】
図5(a)及び
図7に示すように、左側板33には、中空の半円柱状のカバー82が配設されている。カバー82は、支柱72と、回転軸73と、歯車74と、チェーン75と、取付部76aと、コイルばね80と、チェーン巻き取り装置81と、を覆う部材である。カバー82の側面には、アーム76bを突出させるためのスリット82aが形成されている。
【0038】
次に、
図8を用いてパネル上昇装置70の動作について説明する。尚、一例として、パネル上昇装置70がアーム76bを8本有しており、全てのアーム76bにパネルユニット100が載置されている場合について説明する。また、アーム76bが、1枚のパネルユニット100から受ける荷重をFとして説明する。
【0039】
図8(a)に示すように、全てのアーム76bにパネルユニット100が載置されている状態では、全てのアーム76bは、パネルユニット100を支持するために、Y方向を向いている。また、
図5(b)に示すコイルばね80には、8Fの荷重が加わっているので、コイルばね80は、8h伸長している。このとき、最も上に位置する1番目のアーム76b(1)に載置されている、1枚目のパネルユニット100(1)は、荷下ろし位置に位置している。
【0040】
1枚目のパネルユニット100(1)が、上方から図示しないクレーンなどによって荷下ろしされると、コイルばね80に加わる荷重がF減少するので、上述のとおり、コイルばね80の伸びは長さh分だけ小さくなる。このとき、Y方向を向いていた1番目のアーム76b(1)は、
図5(a)及び
図5(b)の二点鎖線で示す軌道を通って、
図8(b)に示すように、X方向を向く。すなわち、1番目のアーム76b(1)は、2枚目のパネルユニット100(2)が荷下ろしされるときに干渉しない、待避位置に移動する。また、2番目以降のアーム76bは、高さhずつ上方に移動する。そして、2番目のアーム76b(2)に載置されている、2枚目のパネルユニット100(2)は、荷下ろし位置に位置する。
【0041】
図8(c)に示すように、2枚目のパネルユニット100(2)が荷下ろしされた場合も、パネル上昇装置70は上記と同様に動作する。図は省略するが、3枚目以降のパネルユニット100が荷下ろしされた場合も、パネル上昇装置70は上記と同様に動作する。
【0042】
このように、パネル上昇装置70は、最上段のパネルユニット100が荷下ろしされると、そのパネルユニット100を支持していたアーム76bが、歯車74とチェーン75とコイルばね80とを有するアーム方向転換手段によって、後続のパネルユニット100が荷下ろしされる際に干渉しない位置に待避するように構成されている。また、パネル上昇装置70は、最上段のパネルユニット100が荷下ろしされると、後続のパネルユニット100が、上昇するように構成されている。
【0043】
次に、チェーン75に配設されているL字金具75aの間隔H(
図6(a)参照)について説明する。
【0044】
上述のとおり、1枚のパネルユニット100は、4つのパネル上昇装置70で支持されている。すなわち、1枚のパネルユニット100は、4本のアーム76bで支持されている。このとき、1本のアーム76bにかかる荷重Fは、パネルユニット100の1枚あたりの質量Mをアーム76bの本数4で除して、重力加速度gを乗じた値、すなわちF=Mg/4である。そうすると、コイルばね80の伸びhは、荷重Fをばね定数kで除した値、すなわちh=Mg/4k、である。
【0045】
上述のとおり、コイルばね80は、パネルユニット100が1枚荷下ろしされると、長さh伸縮する。従って、チェーン75に配設されているL字金具75aの間隔Hを、コイルばね80が1枚のパネルユニット100の荷重で伸びる長さh(=Mg/4k)と等しくすることによって、最上部のアーム76bに載置されているパネルユニット100を、常に同じ高さに保持することができる。これにより、最上部のアーム76bに載置されているパネルユニット100を、コンテナの上部からクレーンなどを用いて、容易に取り出すことができ、作業効率を向上させることができる。つまり、クレーンなどがパネルユニット100の把持を開始する位置をほぼ一定とすることができる。
【0046】
次に、
図9、
図10(a)乃至
図10(d)を用いて、トラックに積載されたコンテナ10を、他の車両、例えばパネルユニット100を吊すためのクレーンなどを有する重機250(二点差線)に積み替えるために、トラックと重機250との間に配設するコンテナ移動ユニット200について説明する。
【0047】
図9、
図10(a)乃至
図10(d)に示すように、コンテナ移動ユニット200は、コンテナ移動架台210と、上げ底台220と、を備える。
【0048】
コンテナ移動架台210は、X方向の長さがコンテナ10の長さよりわずかに長い直方体状の架台である。コンテナ移動架台210の+X側及び−X側の端部近傍の上面には、コンテナ10のキャスタ50をY方向に案内するレール211が配設されている。
図10(c)に示すように、レール211は、Y方向から見て凹状に形成されている。また、レール211の表面は、キャスタ50の車輪52との摩擦を低減させるために、フッ素によりコーティングされている。尚、コンテナ移動架台210の上面は、+Y側から−Y側に向かうにつれて、僅かに下がるような傾斜面で形成されていてもよい。
【0049】
コンテナ移動架台210の上面には、磁石212が配設されている。詳しくは、磁石212は、コンテナ10がコンテナ移動架台210の上を移動しているときに、コンテナ10の磁石60と対向する位置に配設されている。磁石212は、磁石60が下側に向けている極と同じ極を上側に向けて配設されている。磁石212は、コンテナ10の磁石60と反発して、コンテナ10の重機250側への移動を促す部材である。
【0050】
上げ底台220は、スロープ台221と、水平台222と、を備えている。スロープ台221は、トラックを水平台222に移動させるための斜路を有する台である。水平台222は、トラックをほぼ水平に保って所定の高さで維持すると共に、トラックの荷台の高さをコンテナ移動架台210の上面とほぼ面一にするための台である。
【0051】
次に、トラックに積載されたコンテナ10を重機250に積み替える、コンテナの移動方法について説明する。
【0052】
まず、
図9に示すように、重機250の横に、コンテナ移動架台210と、上げ底台220とを、密着させて配置する。そして、コンテナ10を積載したトラックを、スロープ台221を経由して水平台222の上に移動させる。このとき、トラックとコンテナ移動架台210との間に隙間ができないように、トラックをコンテナ移動架台210に近接させて停車させる。また、トラックに積載されているコンテナ10のキャスタ50のX方向の位置が、コンテナ移動架台210のレール211のX方向の位置と等しくなるように、トラックを停車させる。
【0053】
次に、コンテナ10が有している車輪52のうち、コンテナ移動架台210側の車輪52が、コンテナ移動架台210のレール211の上に載るように、コンテナ10をコンテナ移動架台210方向に押す。尚、このとき、車輪52の下端をコンテナ10の下端より下方に突出させておいてもよい。レール211の表面にはフッ素がコーティングされているので、車輪52がレール211の上に載ると、コンテナ10は、スムースに重機250方向に移動する。また、コンテナ10の磁石60が、コンテナ移動架台210の磁石212と反発するので、コンテナ10は、さらにスムースに重機250方向に移動する。
【0054】
そして、コンテナ移動架台210とは反対側の車輪52も、レール211の上を移動して重機250に到達することで、コンテナ10は、トラックから重機250に積み替えられる。
【0055】
以上説明したとおり、本実施形態に係るコンテナ10は、パネル上昇装置70を備えている。パネル上昇装置70は、パネルユニット100が荷下ろしされると、そのパネルユニット100を支持していたアーム76bが後続のパネルユニット100が荷下ろしされる際に干渉しない位置に待避するように構成されている。また、パネル上昇装置70は、後続のパネルユニット100を後続のアーム76bが上昇させるように構成されている。これにより、コンテナ10の上方からであっても、コンテナ10の下部に積載されたパネルユニット100を荷下ろしすることができる。
【0056】
また、コンテナ10には、キャスタが配設されているので、クレーン等の重機を使用しなくても容易に移動させることができる。
【0057】
また、コンテナ移動架台210の上面には、コンテナ10のキャスタ50を案内するレール211が配設されているので、コンテナ10を容易にクレーンなどを有する他の車両に積み替えることができる。また、コンテナ10には磁石60が配設され、コンテナ移動架台210の上面には磁石60に反発する磁石212が配設されているので、コンテナ10をスムースに他の車両に積み替えることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0059】
コンテナ10の基本的な構成は、第1の実施形態と同様である。この実施形態では、パネル上昇装置が第1の実施形態とは異なる。
【0060】
図11(a)及び
図11(b)に示すように、パネル上昇装置270は、底板271と、支柱272と、回転軸273と、歯車274と、チェーン275と、パネル支持具276と、コイルばね280と、チェーン巻き取り装置281と、カバー282と、を備えている。
【0061】
底板271は、第1の実施形態の底板71と同様に、Z軸に対して垂直な面を有する半円形状の板である。底板271は、パネルユニット100が積載されたパネル上昇装置270の荷重に耐えられるように、溶接又は金具などによって左側板33の下部に強固に固定されている。
【0062】
底板271の上面には、2本の支柱272がZ方向を向くように配設されている。2本の支柱272の上部には、回転軸273が水平に架設されている。尚、本実施形態では、回転軸273の軸の向きがX方向を向く点で第1の実施形態とは異なる。
【0063】
回転軸273には、第1の実施形態の歯車74と同様の、歯車274が回転可能に支持されている。また、歯車274には、第1の実施形態のチェーン75と同様の、複数の一対のL字金具275aを有するチェーン275が掛け回されている。
【0064】
図12に示すように、L字金具275aには、パネル支持具276が取り付けられている。パネル支持具276は、取付部276aと、アーム276bと、を有している。取付部276aは、L字金具275aに接続される部位である。取付部276aには、パネルユニット100を支持する、四角柱状のアーム276bが片持ち梁状に形成されている。アーム276bは、Z方向から見て、取付部276aに対して90°回転するように支持されており、取付部276aの内部に配設された図示しないねじりコイルばねによって、
図11(a)の右回り及び
図12の矢印方向に付勢されている。
【0065】
図11(b)に示すように、底板271には、ばね定数kの一巻のコイルばね280が配設されている。コイルばね280は、その下端が底板271に接続され、その上端がチェーン275の歯車274より+Y側の端部、すなわちチェーン275の左側板33に近い側の端部に接続されている。
【0066】
図11(b)に示すように、チェーン275の歯車274より−Y側の端部、すなわち左側板33から遠い側の端部には、第1の実施形態のチェーン巻き取り装置81と同様の、チェーン巻き取り装置281が接続されている。
【0067】
図11(a)及び
図13に示すように、左側板33には、中空の半円柱状のカバー282が配設されている。カバー282は、支柱272と、回転軸273と、歯車274と、チェーン275と、取付部276aと、コイルばね280と、チェーン巻き取り装置281と、を覆う部材である。カバー282には、アーム276bを突出させるためのスリット282aが形成されている。詳しくは後述するが、スリット282aは、アーム276bと当接して、アーム276bの回動を規制する回動規制部としての役割を果たす。
【0068】
次に、
図14を用いてパネル上昇装置270の動作について説明する。尚、一例として、パネル上昇装置270がアーム276bを8本有しており、全てのアーム276bにパネルユニット100が載置されている場合について説明する。また、アーム276bが、1枚のパネルユニット100から受ける荷重をFとして説明する。
【0069】
図14(a)に示すように、全てのアーム276bにパネルユニット100が載置されている状態では、全てのアーム276bは、パネルユニット100を支持するために、Y方向を向いている。また、
図11(b)に示すコイルばね280には、8Fの荷重が加わっているので、コイルばね280は、8h伸長している。このとき、最も上に位置する1番目のアーム276b(1)に載置されている、1枚目のパネルユニット100(1)は、荷下ろし位置に位置している。
【0070】
1枚目のパネルユニット100(1)が、上方から図示しないクレーンなどによって荷下ろしされると、コイルばね280に加わる荷重がF減少するので、上述のとおり、コイルばね280の伸びは長さh分だけ小さくなる。このとき、Y方向を向いていた1番目のアーム276b(1)は、ねじりコイルばねによって
図11(a)の右回りに付勢されているので、スリット282aの縁部と当接しながら、
図11(a)、
図11(b)及び
図13の二点鎖線で示す軌道を通って、
図14(b)に示すように、X方向を向く。すなわち、1番目のアーム276b(1)は、2枚目のパネルユニット100(2)が荷下ろしされるときに干渉しない、待避位置に移動する。また、2番目以降のアーム276bは、高さhずつ上方に移動する。そして、2番目のアーム276b(2)に載置されている、2枚目のパネルユニット100(2)は、荷下ろし位置に位置する。
【0071】
図14(c)に示すように、2枚目のパネルユニット100(2)が荷下ろしされた場合も、パネル上昇装置270は上記と同様に動作する。図は省略するが、3枚目以降のパネルユニット100が荷下ろしされた場合も、パネル上昇装置270は上記と同様に動作する。
【0072】
以上説明したとおり、本実施形態に係るコンテナ10は、パネル上昇装置270を備えている。パネル上昇装置270は、パネルユニット100が荷下ろしされると、そのパネルユニット100を支持していたアーム276bが、歯車274とチェーン275とコイルばね280とを有するアーム方向転換手段によって、後続のパネルユニット100が荷下ろしされる際に干渉しない位置に待避するように構成されている。また、パネル上昇装置270は、後続のパネルユニット100を後続のアーム276bが上昇させるように構成されている。これにより、コンテナ10の上方からであっても、コンテナ10の下部に積載されたパネルユニット100を荷下ろしすることができる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【0074】
例えば、上記の実施形態では、パネル上昇装置にコイルばねを使用したが、これに限定されるものではない。引張された力に比例して伸長する部材であれば、ガススプリングやゴム等であってもよい。
【0075】
例えば、上記の実施形態では、パネル上昇装置70を左側板33に配設したが、それに限定されるものではなく、前板31、後板32又は右側板34に配設してもよい。