(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の磁気コネクタシステムは、細かに位置決めをしなくてもよいため、利便性が高い。しかし、既存のDCプラグおよびDCジャックは、磁気コネクタシステムを利用できない。
【0006】
そこで、この発明は、特殊な磁気コネクタを持たない既存の情報処理装置であっても、コネクタと当該情報処理装置との電気的な接続を容易にするコネクタ変換器具および磁気コネクタ変換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレセプタクル変換器具は、情報処理装置のレセプタクルの電気接点に接触される第1の端子と、前記第1の端子と電気的に接続され、かつ前記第1の端子のある箇所と異なる箇所に設けられる第2の端子と、を備える。
【0008】
また、本発明のレセプタクル変換器具は、前記第2の端子に隣接する位置に磁性体を備え、前記第1の端子側が前記
レセプタクルに嵌合されることを特徴とする。
【0009】
情報処理装置のレセプタクルとして、他の情報処理装置と通信するための通信ソケット(例えばUSBソケット)や、当該情報処理装置の充電のための充電ソケット(例えばDCジャック)がある。情報処理装置は、通信ソケットに通信プラグ(例えばUSBプラグ)が挿入されることによって、他の情報処理装置と通信する。また、情報処理装置は、充電ソケットに充電プラグ(例えばDCプラグ)が挿入されることによって、充電される。
【0010】
第2の端子は、第1の端子と異なる箇所に設けられているため、レセプタクル変換器具の第1の端子側が情報処理装置のレセプタクルと嵌合されると、第2の端子が第1の端子に代わって外部に露出する。したがって、ユーザは、通信または充電のためのプラグを第2の端子に接続できる。第1の端子と第2の端子が電気的に接続されることから、情報処理装置のレセプタクルの電気接点は、第2の端子に接続された通信または充電のためのプラグの電気接点と、電気的に接続される。
【0011】
また、磁性体は、第2の端子に隣接する位置に設けられているため、第2の端子および磁性体は、一体で磁気プラグに磁力吸引される。そして、第2の端子と当該磁気プラグの電気接点は、電気的に接続される。
【0012】
よって、既存の情報処理装置のレセプタクルが磁気プラグに対応しなくても、ユーザは、レセプタクル変換器具を既存のDCジャックに取り付けるだけで、磁気プラグを用いて電気接点を容易に接続することができる。
【0013】
また、レセプタクル変換器具の前記磁性体は、永久磁石や電磁石といった磁石を用いることができる。磁性体として磁石を用いる場合、プラグ側を磁性体(鉄など)とすることができる。
【0014】
また、レセプタクル変換器具は、前記第1の端子側にスイッチを設け、前記第1の端子側に前記情報処理装置が接続されると、前記スイッチがONされ、前記第1の端子および前記第2の端子が電気的に接続されることを特徴とする。
【0015】
第2の端子は、スイッチがONされていない場合、第1の端子と電気的に接続されない。したがって、スイッチがONされていない場合、第1の端子のうち異なる電位が与えられる端子同士が、クリップ等により電気的に接続されても、異なる電位を有する部品同士を短絡させない。したがって、レセプタクル変換器具の第1の端子側は、意図しない短絡を防止することができる。
【0016】
また、レセプタクル変換器具は、前記第1の端子側に前記情報処理装置が接続されたことを示す電気的な信号を前記第2の端子の一部の端子から出力することを特徴とする。
【0017】
レセプタクル変換器具に接続されるプラグは、当該レセプタクル変換器具の第2の端子から出力される当該レセプタクル変換器具に情報処理装置のレセプタクルが接続されたことを示す電気な信号に応じて、レセプタクル変換器具に電力を与えるか否か切り替えることができる。よって、プラグは、レセプタクル変換器具が情報処理装置に適切に接続された場合に限り、当該レセプタクル変換器具に電力を与えるため、意図しない短絡を防止することができる。
【0018】
さらに、レセプタクル変換器具は、前記情報処理装置の少なくとも一部を覆う保護ケースを構成する。
【0019】
情報処理装置のレセプタクルが保護ケースにより塞がれても、ユーザは、第2の端子に磁気プラグを接続することができる。また、レセプタクルは、第1の端子と電気的に接続されるため、ユーザは、保護ケースを介して、磁気プラグの電気接点と情報処理装置のレセプタクルを電気的に接続することができる。以上のように、保護ケースは、情報処理装置を保護しつつ、磁気プラグと情報処理装置の接続を容易にすることができる。
【0020】
また、情報処理装置の少なくとも一部を覆う保護ケースは、情報処理装置のレセプタクルを露出するように設けられた開口部と、前記開口部に隣接する位置に磁性体と、を備えることを特徴とする。
【0021】
情報処理装置のレセプタクルが磁気プラグに対応していなくても、ユーザは、保護ケースに備えられた磁性体が磁気プラグに磁気吸引されることにより、保護ケースの開口部で露出された情報処理装置の電気接点と磁気プラグの電気接点を容易に接続することができる。
【0022】
プラグ変換器具は、プラグの電気接点に接触される第1の端子と、前記第1の端子と電気的に接続され、かつ前記第1の端子のある箇所と異なる箇所に設けられる第2の端子と、を備える。
【0023】
さらに、プラグ変換器具は、前記第2の端子に隣接する位置に磁性体を備え、前記第1の端子側が前記プラグに接続されることを特徴とする。
【0024】
プラグとして、例えば当該情報処理装置と通信するために接続されるUSBプラグや、当該情報処理装置の充電のために接続されるDCプラグがある。
【0025】
第2の端子は、第1の端子と異なる箇所に設けられているため、プラグ変換器具の第1の端子側がプラグと接続されていても、第2の端子は、第1の端子に代わって、外部に露出する。したがって、ユーザは、レセプタクルを第2の端子に接続できる。第1の端子と第2の端子が電気的に接続されることから、プラグの電気接点は、第2の端子に接続されるレセプタクルの電気接点と、電気的に接続される。
【0026】
また、磁性体は、第2の端子に隣接する位置に設けられているため、第2の端子および磁性体は、一体で磁気レセプタクルに磁力吸引される。そして、第2の端子と当該磁気レセプタクルの電気接点は、電気的に接続される。
【0027】
よって、既存のプラグが磁気レセプタクルに対応しなくても、ユーザは、プラグ変換器具を既存のDCプラグに取り付けるだけで、磁気レセプタクルを用いて電気接点を容易に接続することができる。
【0028】
また、プラグ変換器具は、前記第2の端子側にスイッチが設けられ、前記第2の端子側にレセプタクルが接続されると、前記スイッチがONされ、前記第1の端子および前記第2の端子が電気的に接続されることを特徴とする。
【0029】
プラグ変換器具は、スイッチがONとならない限り、クリップ等が第2の端子側に接触しても短絡せず、意図しない短絡を防止できる。
【0030】
さらに、プラグ変換器具は、レセプタクル変換器具から出力される電気的な信号に基づいて前記第1の端子および前記第2の端子が電気的に接続されることを特徴とする。
【0031】
プラグ変換器具は、レセプタクル変換器具から出力される当該レセプタクル変換器具の情報処理装置との接続状態を示す電気的な信号を受け取り、当該信号に応じて、第1の端子および第2の端子を電気的に接続する。よって、プラグ変換器具は、レセプタクル変換器具が情報処理装置に適切に取り付けられていない場合、レセプタクル変換器具に電力を与えず、意図しない短絡を防止することができる。
【発明の効果】
【0032】
この発明によれば、特殊な磁気コネクタ持たない情報処理装置であっても、当該情報処理装置とコネクタとの電気的な接続を容易にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1(A)乃至
図1(C)は、保護ケース1の外観図を示す図である。以下、保護ケース1の右面をX方向とし、保護ケース1の正面をY方向とし、保護ケース1の上面をZ方向として説明する。
図1(A)は、保護ケース1をZ方向から−Z方向へ見たときの上面図(平面図)である。
図1(B)は、保護ケース1を−Z方向からZ方向に見たときの下面図である。
図1(C)は、保護ケース1を−X方向からX方向に見たときの左面図である。
図1(D)は、保護ケース1を−X方向からX方向に見たA−A断面図である。
【0035】
保護ケース1は、
図1(A)乃至
図1(D)に示すように、直方体の箱形状であり、Z側の面が全て開口している。また、保護ケース1は、縦方向(
図1(A)中Y方向、−Y方向)に長く、高さ方向(
図1(A)中Z方向、−Z方向)に短い形状である。
【0036】
保護ケース1はZ側の面が開口しているため、ユーザは、携帯端末3を保護ケース1の当該開口部にはめ込んで、携帯端末3を使用できる(
図2(A)を参照。)。
【0037】
ユーザは、
図2(A)において、Y軸(またはX軸)に沿って、携帯端末3をスライドさせて保護ケース1にはめ込むこともできる。
【0038】
保護ケース1は、電極10A、電極10B、配線パターン11、孔12、スイッチ13、および磁性レセプタクル2を有している。磁性レセプタクル2は、2つの鉄板21、電極20A、電極20B、および電極20Cからなる。
【0039】
スイッチ13は、押されている間だけONとなる自動復帰型スイッチである。スイッチ13は、
図2(A)に示すように、携帯端末3が保護ケース1にはめ込まれると、携帯端末3の筐体により−Z側に押し込まれてONとなる。
【0040】
そして、電極10Aおよび電極10Bは、
図1(A)に示すように、保護ケース1の−Z側の内側の面に設けられる。電極10Aは、正電圧用の電極であり、電極10Bは、負電圧用の電極である。
【0041】
電極10Aおよび電極10Bの極性は、取り付ける携帯端末3(
図2(A)を参照)の電極の極性に対応する。
図1(E)は、保護ケース1の各電極の電気的な接続関係を示す回路図である。配線パターン11により、電極10Aは、スイッチ13がONとなる場合、電極20Bに接続され、スイッチ13がOFFの場合、電極20Bに接続されない。電極10Bは、電極20Aおよび電極20Cに接続される。
【0042】
電極10Aは、携帯端末3が保護ケース1にはめ込まれていない場合、電極20Bからの電力を受けることはない。この場合、保護ケース1は、電極10Aと電極10Bがクリップ等により接触されても、短絡しない。よって、保護ケース1は、スイッチ13により、意図しない短絡を防止することができる。
【0043】
また、保護ケース1には、
図1(C)に示すように、孔12が設けられる。
図2(B)に示すように、携帯端末3の通信端子31は、孔12を介して、保護ケース1の外部に露出する。その結果、ユーザは、通信プラグを通信端子31に接続することができる。
【0044】
磁性レセプタクル2は、保護ケース1の−X側の外側の面の−Y側に設けられている。以下、磁性レセプタクル2の形状を、
図3を用いて詳細に説明する。
図3(A)は、磁性レセプタクル2を−X方向からX方向に見たときの拡大図を示す図である。
図3(B)は、磁性レセプタクル2を−Z方向からZ方向に見たときのB−B断面図である。
図3(C)は、磁性レセプタクル2を−Y方向からY方向に見たきのC−C断面図である。
【0045】
電極20A、電極20B、および電極20Cは、
図3(A)に示すように、Y軸に沿って配置される。各電極は、非磁性体の導電体(例えば銀メッキ)からなる。電極20Bは、正電圧用の電極であり、電極20Aおよび電極20Cは、負電圧用の電極である。電極20Aおよび電極20Cは、電極20Bを挟んで対象に配置される。この配置によりX軸を中心に磁性レセプタクル2を180度回転させても、負電圧用の電極が電極20BのY側および−Y側に配置されることに変わりはない。したがって、プラグの回転により負電圧用の電極が誤って、正電圧用の電極に接触されることはない。
ただし、3つの電極が設けられる構成、および、正電圧用の電極を中心に負電圧用の電極が対象に配置される構成は、本発明の必須の構成ではない。
【0046】
2つの鉄板21は、
図3(A)に示すように、電極20A、電極20B、および電極20Cを挟むようにY軸に沿って配置される。鉄板21は、磁性体であり、磁気プラグの磁力に吸引されるため、磁性レセプタクル2は、磁気プラグに磁力吸引される。
【0047】
2つの鉄板21は、電極20A、電極20B、および電極20Cよりも保護ケース1の内側(
図3(B)および
図3(C)中X方向)に、かつ各電極と電気的に接触しないように設けられている。したがって、磁気プラグ(その他磁石を含むもの)が鉄板21に接触しても、磁気プラグにより各電極を電気的に接続してしまうことはない。
【0048】
次に、携帯端末3を保護ケース1に取り付けた場合の説明を行う。
図2(A)および
図2(B)は、保護ケース1の携帯端末3への取り付けを示す図である。保護ケース1の大きさ(保護ケース1の内寸)は、携帯端末3の大きさと適合するため、保護ケース1は、携帯端末3の背面を覆うことができる。
【0049】
携帯端末3の充電端子30Aおよび充電端子30Bは、携帯端末3の表面から携帯端末3の内部側(
図2(A)中Z方向)に設けられている。電極10Aおよび電極10Bは、
図1(A)および
図1(D)に示すようにZ方向に凸となる円錐形状である。そして、電極10Aおよび電極10Bは、それぞれ充電端子30Aおよび充電端子30Bの位置に対応するよう配置されている。したがって、携帯端末3に保護ケース1が取り付けられることにより、充電端子30Aは、電極10Aに接触され、同時に充電端子30Bは、電極10Bに接触される。充電端子30Aおよび充電端子30Bは、保護ケース1が取り付けられることによって塞がれるが、代わりに電極20A、電極20B、および電極20Cが保護ケース1の外部に露出する。また、電極10Aは、スイッチ13が−Z側に押し込まれONとなることにより、電極20Bと接続される。その結果、充電電圧は、電極20A、電極20B、電極20C、配線パターン11、電極10A、および電極10Bを順に通じて、充電端子30Aおよび充電端子30Bに印加される。
【0050】
以上のように、携帯端末3の充電端子30Aおよび充電端子30Bが磁気プラグに対応しなくても、保護ケース1を取り付けるだけで、容易に磁気プラグを接続する端子に変換することができる。
【0051】
次に、
図4(A)乃至
図4(D)は、保護ケース1と一体に用いる磁気プラグ変換器具4の外観を示す図である。磁気プラグ変換器具4は、本体部40、電極41A、電極41B、電極41C、2つの磁石42、プッシュスイッチ43、およびUSBソケット5から構成される。
【0052】
本体部40は、直方体形状であり、横方向(
図4(A)中X方向、−X方向)に長く、高さ方向(
図4(A)中Z方向、−Z方向)に短い形状である。ただし、本体部40の直方体形状は、本発明の必須の構成ではない。電極41A、電極41B、電極41C、2つの磁石42、およびプッシュスイッチ43は、本体部40から
図4(A)中Y方向に凸となるように、配置される。また、プッシュスイッチ43は、電極20A、電極20B、および電極20CのX方向側に隣接する位置に配置される。
【0053】
電極41A、電極41B、および電極41Cは、
図4(B)に示すようにX軸に沿って配置される。電極41Bは、正電圧用の電極であり、電極41Aおよび電極41Cは、負電圧用の電極である。電極41A、電極41B、および電極41Cは、磁性レセプタクル2の電極20A、電極20B、および電極20Cの配置に対応するように、配置される。2つの磁石42は、
図4(B)に示すように、電極41A、電極41B、および電極41Cを挟むように−X軸に平行に配置される。2つの磁石42は、同じ直方体形状であり、
図4(A)中−X方向からX方向に長い。
【0054】
プッシュスイッチ43は、押されている間だけONとなる自動復帰型スイッチである。プッシュスイッチ43は、
図4(A)中のY方向から−Y方向への押圧により、−Y方向に押し込まれONとなる。磁気プラグ変換器具4に適合しないレセプタクルや導電体が電極41A、電極41B、および電極41Cに接触しても、プッシュスイッチ43は、押し込まれる方向(Y方向から−Y方向)に押圧されないためOFFのままとなる。
図4(E)は、磁気プラグ変換器具4の各電極の電気的な接続関係を示す回路図である。本体部40の内部にある配線パターン(不図示)により、電極41Bは、プッシュスイッチ43がONの場合、USBピン50Aに接続される。電極41Bは、プッシュスイッチ43がOFFの場合、USBピン50Aと接続されない。電極41Aおよび電極41Cは、USBピン50Eに接続される。
【0055】
プッシュスイッチ43がOFFの場合、電極41BとUSBピン50Aは電気的に接続されないため、電極41Bと電極41A(または電極41C)が、例えば磁石42に磁力吸引された導電性磁性体のクリップ等によって短絡しても、USBピン50AとUSBピン50Eとは短絡しない。
【0056】
USBソケット5は、本体部40のうち電極41A、電極41B、および電極41Cが設けられた面と対向する面(
図4(A)中の−Y方向)に設けられる。USBソケット5は、マイクロUSBAプラグが差し込まれるように、本体部40の内部側(
図4(A)中のY方向)にくぼんだ形状である。USBピン50Aは、USB電源(VBUS)用の電極である。USBピン50B、USBピン50C、およびUSBピン50Dは、USB信号線用の電極である。USBピン50Eは、GND用の電極である。
【0057】
磁気プラグ変換器具4にマイクロUSBAプラグを挿入しても、電極41A、電極41B、および電極41Cは、USBソケット5と異なる位置に設けられているため、外部に露出している。また、電極41A、電極41B、および電極41Cは、電気的にUSBピン50AおよびUSBピン50Eに接続されることによって、磁気プラグ変換器具4は、USBプラグを磁気プラグに変換する変換器具として用いることができる。
【0058】
図5(A)は、マイクロUSBAプラグ50、保護ケース1および磁気プラグ変換器具4の接続を示す図である。マイクロUSBAプラグ50は、磁気プラグ変換器具4のUSBソケット5に挿入されて接続される。その結果、USBピン50Aは、ACアダプタ51からVBUS電圧が印加され、USBピン50Eは、GNDに接続される。磁気プラグ変換器具4の電極41A、電極41B、および電極41Cが設けられた面と保護ケース1の磁性レセプタクル2は、磁力吸引で接続される。
【0059】
図5(B)および
図5(C)は、磁気プラグ変換器具4と保護ケース1の接続部分の状態を示す図である。
図5(B)に示すように、電極20Aは、電極41Aに接触されることによって、電気的に接続される。同様に、電極20Bは、電極41Bに接触され、電極20Cは、電極41Cに接触され、それぞれ電気的に接続される。したがって、USBピン50Eは、電極10Bと電気的に接続される。プッシュスイッチ43は、保護ケース1の
図5(B)中の−X側の面によって−X方向に押圧され、ONとなる。その結果、USBピン50Aは、電気的に電極10Aに接続される。このように、携帯端末3の充電端子30Aおよび30Bは、保護ケース1および磁気プラグ変換器具4を介して、マイクロUSBプラグ50から充電電圧を印加される。
【0060】
図5(C)に示すように、磁性体である鉄板21は、磁石42によって磁力吸引される。したがって、ユーザは、細かに磁気プラグ変換器具4の位置決めをしなくても、磁気プラグ変換器具4を磁性レセプタクル2に近づけるだけで、磁気プラグ変換器具4を磁性レセプタクル2に接続することができる。また、磁気プラグ変換器具4と磁性レセプタクル2は、従来のDCプラグおよびDCジャックのように軸を深く挿入して接続されていない。すなわち、2つの磁石42、電極41A、電極41B、および電極41Cからなるプラグ部分の、軸の深さ(
図5(C)中−X方向からX方向)は、当該軸の幅(
図5(C)中−Z方向からZ方向)および当該軸の奥行(
図5(C)中−Y方向からY方向)よりも短い。したがって、磁気プラグ変換器具4は、接続する方向と異なる方向に外部から強い力が加わっても、容易に外れることにより、磁性レセプタクル2が当該外部からの力により変形することはない。
【0061】
なお、鉄板21は、2つに限らず複数設けられていてもよい。また、材質も鉄板に限らず、磁性体であればよく、磁石、電磁石を用いることもできる。磁石42も、2つに限らず、電磁石であってもよい。鉄板21の代わりに、磁石が磁性レセプタクル2に設けられる態様であってもよい。また、磁石が磁性レセプタクル2に設けられ、鉄板がプラグ変換器具4に設けられる態様であってもよい。
【0062】
短絡防止のためのスイッチ13およびプッシュスイッチ43は、それぞれ本発明の必須の構成ではない。また、スイッチ13およびプッシュスイッチ43は、それぞれ1つに限らず、複数設けられてもよい。プッシュスイッチ43が複数設けられる場合、すべてのプッシュスイッチ43がONとなった時だけ、USBピン50Aおよび電極41Bを電気的に接続する。他にも、スイッチ13およびプッシュスイッチ43は、自動復帰型スイッチであれば、どのような機構・形状のスイッチでも構わない。例えば、スイッチ43を凹形状のスイッチとし、磁性レセプタクル2の凸形状部分で押し込む態様であってもよい。
【0063】
スイッチ13が設置される場所は、保護ケース1の内側であり、かつ携帯端末3がはめ込まれるとONとなれば、
図1(A)に示す場所に限らない。
【0064】
また、USBソケット5は、電極41A、電極41B、および電極41Cが設けられる面に対向する面に限らず、各電極が設けられた面以外のその他の面に設けられる態様でもよい。
【0065】
次に、保護ケース1および磁気プラグ変換器具4の短絡防止のスイッチの変形例について説明する。
【0066】
図6(A)および
図6(B)は、変形例に係るスイッチ14を備える保護ケース1Aを示す図である。
図1および
図2に示す保護ケース1と重複する構成については、説明を省略する。
図6(A)および
図6(B)に示す保護ケース1Aは、
図1および
図2に示す保護ケース1と、スイッチ14を備える点、および磁性レセプタクル2Aに電極20D・20Eが設けられる点において異なる。
【0067】
スイッチ14は、スイッチ13と同様に保護ケース1Aの内側に設けられる自動復帰型スイッチであり、携帯端末3が保護ケース1Aにはめ込まれるとONとなる。
【0068】
電極20Dおよび電極20Eは、
図6(B)に示すように、電極20A~電極20Cを挟むように、それぞれY軸に平行に配置される。
【0069】
図6(C)は、
図6(A)および
図6(B)に示す保護ケース1Aの各電極の電気的な接続関係を示す回路図である。電極20Dは、スイッチ14がONとなると電極20Eに電気的に接続される。よって、電極20Dおよび電極20Eの導通状態は、保護ケース1Aに携帯端末3が適切にはめ込まれているか否かを示す。
【0070】
図7(A)は、変形例に係る磁気プラグ変換器具4Aを示す図である。
図4に示す磁気プラグ変換器具4と重複する構成については、説明を省略する。
図7(A)に示す磁気プラグ変換器具4Aは、
図4に示す磁気プラグ変換器具4と、電極41D・41Eが設けられる点、プッシュスイッチ43Aが接続する電極、および本体部40の内部にリレー44が設けられる点において、異なる。
【0071】
電極41Dおよび電極41Eは、
図7(A)に示すように、電極41A~電極41Cを挟むように、それぞれX側に平行に配置される。
【0072】
プッシュスイッチ43Aは、ONとなると、USBピン50Aおよび電極41Dを電気的に接続する。リレー44は、内部のコイルが励磁されると接点を閉じる電磁継電器である。
【0073】
図7(B)は、磁気プラグ変換器具4Aの各電極の電気的な接続関係を示す回路図である。以下、
図7(B)および
図6(C)を用いて、保護ケース1Aの各電極と磁気プラグ変換器具4Aの各電極との電気的な接続について説明する。
【0074】
磁性レセプタクル2Aの電極20Dは、
図6(C)に示すように、保護ケース1Aに携帯端末3がはめ込まれると、スイッチ14がONとなることにより、電極20Eと導通する。そして、磁性レセプタクル2Aと磁気変換プラグ4Aが接続されると、電極20Dと電極41Dは、接触されて電気的に接続される。同時に、USBピン50Aは、
図7(B)に示すように、プッシュスイッチ43AがONとなることにより、電極41Dに電気的に接続される。
【0075】
よって、USBピン50Aに印加される電圧は、電極41D、電極20D、電極20Eを順に通じて、電極20Eと接触される電極41Eに印加される。
【0076】
電極41Eに印加された電圧は、リレー44のコイルを励磁し、接点を閉じる。すると、電極50Aと電極41Bは、電気的に接続される。
【0077】
以上のように、携帯端末3が保護ケース1Aにはめ込まれ、かつ磁性レセプタクル2Aが磁気プラグ変換器具4Aに接続された場合に限り、USBピン50Aに印加された充電電圧が電極41B、電極20B、および電極10Aに印加される。すなわち、USBピン50Aに印加される充電電圧は、携帯端末3が保護ケース1Aにはめ込まれていない場合や、磁気プラグ変換器具4Aが磁性レセプタクル2Aに接続されていない場合、電極41Bにかからないため、クリップ等が電極41Bと電極41A(または電極41C)を接触させても、短絡しない。よって、磁性レセプタクル2Aを備えた保護ケース1Aおよび磁気プラグ変換器具4Aは、意図しない短絡を防止することができる。
【0078】
なお、リレー44は、1つに限らず複数設けられる態様であっても構わないし、電極41Eからの電気的な信号を用いてUSBピン50Aおよび電極41Bを電気的に接続するものであれば、他の機構の部品であってもよいし、プログラムで接続を切り替える態様であっても構わない。プッシュスイッチ43Aも複数設けられても構わない。さらに、スイッチ14に加えて、保護ケース1Aに
図1に示すスイッチ13を設ける態様であっても構わない。また、電極41A~41Eと5つの電極を設けるのは、本発明の必須の構成ではない。
【0079】
次に、保護ケース1および磁気変換プラグ4の形状の変形例について説明する。
【0080】
図8(A)および
図8(B)は、変形例に係る保護ケース1Bを示す図である。
図1および
図2に示す保護ケース1と重複する説明については、説明を省略する。
図8(A)および
図8(B)に示す保護ケース1Bは、
図1および
図2に示す保護ケース1と、電極10A・10Bおよび配線パターン11を有さない点、磁性レセプタクル2Bの位置、形状、および構成が異なる。
【0081】
磁性レセプタクル2Bは、
図8(A)および
図8(B)に示すように、保護ケース1Bの−Z側の面に設けられる。また、磁性レセプタクル2Bは、
図8(B)に示すように、携帯端末3の充電端子30Aおよび充電端子30Bを覆うように配置される。
【0082】
磁性レセプタクル2Bは、孔15および2つの鉄板21からなる。孔15は、X軸に平行な底辺と上辺を有する等脚台形形状である。2つの鉄板21は、孔15を挟むように孔15のY側に平行に配置される。
【0083】
磁性レセプタクル2Bが充電端子30Aおよび充電端子30Bを覆う位置に設けられるが、孔15によって、充電端子30Aおよび充電端子30Bは、外部に露出する。よって、ユーザは、携帯端末3を保護ケース1Bにはめ込んでも、充電端子30Aおよび充電端子30Bにプラグを接続することができる。
【0084】
図8(C)および
図8(D)は、変形例に係る磁気変換プラグ4Bを示す図である。
図4に示す磁気変換プラグ4と重複する構成については、説明を省略する。
図8(C)および
図8(D)に示す磁気変換プラグ4Bは、
図4に示す磁気変換プラグ4と、凸部45を設ける点、電極41Cを設けない点、電極41A・41Bおよび磁石42が設けられる位置において、異なる。
【0085】
凸部45は、本体部40からY方向に凸となるように設けられ、
図8(D)に示すように、Y方向から−Y方向に見ると、Z軸に平行な上辺および底辺を有する等脚台形形状である。凸部45の等脚台形形状は、磁性レセプタクル2の孔15の等脚台形形状に適合するように形成される。
【0086】
電極41Aおよび電極41Bは、凸部45のY側の面に設けられる。2つの磁石42は、凸部45を挟むようにX軸に平行に配置される。
【0087】
ユーザは、同じ等脚台形形状である凸部45の底辺を磁性レセプタクル2Bの孔15の底辺に合わせてはめ込むことにより、電極41Aを充電端子30Bに、電極41Bを充電端子30Aに、それぞれ接触させることができる。よって、磁性レセプタクル2Bおよび磁気変換プラグ4Bは、等脚台形形状により、ユーザが誤って逆向きに接続することを防止する。
【0088】
次に、既存のDCプラグを磁気DCプラグに(または、既存のDCジャックを磁気DCジャックに)変換する変換器具の例を以下に示す。
【0089】
図9は、DCジャック変換器具6の外観図である。DCジャック変換器具6は、DCプラグ60、および磁性レセプタクル2から構成される。磁性レセプタクル2は、
図3で示したものと同じである。DCプラグ60は、DCプラグピン61、およびDCプラグ内側面62からなる。DCプラグ60は、ノートパソコン(不図示)等の情報処理装置のDCジャックに挿入されて用いられる。DCプラグピン61は、ノートパソコンのDCジャックの正電圧端子と接触され、DCプラグ内側面62は、ノートパソコンのDCジャックの負電圧端子と接触され、それぞれ電気的に接続される。
【0090】
磁性レセプタクル2は、DCプラグ60と異なる位置に設けられている。DCプラグピン61およびDCプラグ内側面62は、内部配線(不図示)により、磁性レセプタクル2の電極20A、電極20B、および電極20Cに、電気的に接続されている。DCプラグ60がノートパソコンのDCジャックに挿入されても、磁性レセプタクル2は、外部に露出しているため、磁気プラグを磁性レセプタクル2に接続することができる。
【0091】
図10は、DCプラグ変換器具8の外観図である。DCプラグ変換器具8は、DCジャック80、電極41A、電極41B、電極41C、および2つの磁石42から構成される。DCジャック80は、DCジャックピン81、およびDCジャック内側面82からなる。電極41A、電極41B、電極41C、および2つの磁石42は、
図4で示したものと同じである。DCジャック80は、ノートパソコン用充電器(不図示)のDCプラグが挿入されて用いられる。DCジャックピン81は、充電器のDCプラグピンの正電圧用端子と接触され、DCジャック内側面82は、充当該プラグピンの負電圧用端子と接触され、それぞれ電気的に接続される。
【0092】
電極41A、電極41B、および電極41Cは、DCジャック80と異なる位置に設けられている。DCジャックピン81およびDCジャック内側面82は、内部配線(不図示)により、電極41A、電極41B、および電極41Cに、電気的に接続されている。DCジャック80にノートパソコン用充電器のDCプラグが挿入されても、電極41A、電極41B、および電極41Cは、外部に露出しているため、磁性レセプタクルを電極41A、電極41B、および電極41Cに接続することができる。
【0093】
磁気ジャック変換器具8の2つの磁石42は、磁気プラグ変換器具6の磁性レセプタクル2に磁力吸引される。そして、
図5(B)に示すように、各電極が接触され、それぞれ電気的に接続される。その結果、ノートパソコンのDCジャックと、ノートパソコン用充電器のDCプラグは、電気的に接続される。
【0094】
以上のように、既存のノートパソコン用のDCプラグおよびDCジャックであっても、DCジャック変換器具6およびDCプラグ変換器具8を用いることによって、磁気コネクタのように容易にDCプラグとDCジャックを接続することができる。
【0095】
なお、電極41A、電極41B、および電極41Cが設けられる面にプッシュスイッチ43が設けられる態様であってもよい。
【0096】
また、DCプラグ60に隣接する位置に、
図1に示すスイッチ13または
図6に示すスイッチ14を設け、DCプラグがノートパソコンのDCジャックに挿入されると、それぞれのスイッチがONとなる態様であっても構わない。スイッチ13が備えられる場合、DCプラグピン61は、スイッチ13がONとなると、電極20Bに電気的に接続される。スイッチ14が設けられる場合、DCジャック変換器具6に磁性レセプタクル2Bが備えられ、DCプラグ変換器具8の内部にプッシュスイッチ43Aおよびリレー44も備えられる。この場合、電極20Dおよび電極20Eが導通すると、ノートパソコン用充電器のDCプラグからの電圧は、電極41Bに印加される。
【0097】
図11(A)は、変形例に係る磁性レセプタクル7を示す図である。磁気レセプタクル7は、電極70A、電極70B、磁石71A、および磁石71Bから構成される。電極70Aおよび電極70BはY軸に沿って、かつ電極70AがY側に位置するように設けられる。磁石71Aは、N極性を有し、電極70AからY側に配置される。磁石71Bは、S極性を有し、電極70Bから−Y側に配置される。
【0098】
図11(B)は、変形例に係る磁気プラグ9を示す図である。磁気プラグ9は、電極90A、電極90B、磁石91Aおよび磁石91Bから構成される。電極90Aおよび電極90Bは、Y軸に沿って、かつ電極90AがY側に位置するように設けられる。磁石91Aは、S極性を有し、電極90AからY側に配置される。磁石91Bは、N極性を有し、電極90Bから−Y側に配置される。
【0099】
N極性の磁石71Aは、S極性の磁石91Aを磁力吸引し、S極性の磁石71Bは、N極性の磁石91Bを磁力吸引する。磁力吸引により、電極70Aは、電極90Aに、電極70Bは、電極90Bに、それぞれ接触される。接触により、電極70Aは、電極90Aに、電極70Bは、電極90Bに、それぞれ電気的に接続される。
【0100】
また、N極性の磁石71Aは、N極性の磁石91Bに磁力反発する。したがって、この構成は、ユーザが誤って電極70Aと電極90Bを接触させることを防止できる。
【0101】
図11(C)は、変形例に係る磁気レセプタクル72を示す図である。磁気レセプタクル72は、
図11(C)に示すように、X軸に平行な底辺と上辺を有する等脚台形形状である。磁気レセプタクル72は、電極74A、電極74B、および2つの磁石73から構成される。電極74Aおよび電極74BはY軸に沿って、かつ電極74AがY側に位置するように設けられる。2つの磁石73は、電極74Aおよび電極74Bを挟むようにY軸に沿って配置される。
【0102】
磁気レセプタクル72は、等脚台形形状であるため、同じ等脚台形形状である磁性プラグの底辺を磁気レセプタクル72の底辺に合わせれば、当該磁性プラグに接続される。したがって、磁気レセプタクル72は、等脚台形形状により、ユーザが誤って逆向きに接続することを防止する。