【実施例】
【0015】
(パチンコ機)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞口30,32へのパチンコ球の入賞)を契機として図柄を変動表示させて図柄変動演出を行う図柄表示装置17が着脱可能に配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0016】
前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、操作レバー16aの回動量に応じて打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、上球受け皿14は、前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0017】
(遊技盤20)
図2に示すように、前記遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に、図柄表示装置17が取り付けられた設置部材22(
図3参照)が着脱可能に組み付けられている。遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール24が配設されており、該案内レール24により画成される略円形の遊技領域20aに、中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には枠状装飾体26、特別入賞装置34、普通入賞装置36等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口25が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0018】
前記遊技盤20には、
図2に示すように、案内レール24で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体26が取り付けられ、該枠状装飾体26の表示窓口26aを介して図柄表示装置17の画像表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、遊技盤20には、遊技領域20a内に多数の遊技釘が設けられており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、遊技盤20における枠状装飾体26の右側下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口34aを有する特別入賞装置34が取り付けられている。
【0019】
(枠状装飾体)
前記遊技盤20に配設される枠状装飾体26は、
図2に示すように、図柄表示装置17の画像表示部17aを前側に臨ませる表示窓口26aを画成する上枠部26bの下側に、各種の遊技部品を前側に臨ませる演出用窓口26cを画成する下枠部26dが連設されている。なお、下枠部26dは、上枠部26bに対して左右方向の寸法が小さく設定されて、該下枠部26dの左右両側の遊技領域20aに、特別入賞装置34や普通入賞装置36を設置するスペースを確保するよう構成される。
【0020】
前記枠状装飾体26(上枠部26bおよび下枠部26d)は、その全周に亘って遊技盤20の前面から前方へ突出するよう形成されて、遊技領域20aと表示窓口26aおよび演出用窓口26cとを区画するよう構成されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が枠状装飾体26の窓口内側に進入しないようになっている。すなわち、実施例の遊技領域20aは、枠状装飾体26の左側に画成される第1球流下経路と、当該枠状装飾体26の右側に画成される第2球流下経路とに区画されて、遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されるパチンコ球の位置や発射強度に応じて、該第1球流下経路または第2球流下経路をパチンコ球が流下するようになっている。
【0021】
実施例のパチンコ機10では、始動入賞口30に入賞して演出用窓口26cの内側に案内された全てのパチンコ球は、球遊びユニット28に導入されるよう構成される。そして、当該球遊びユニット28で所定の球遊び遊技に供されたパチンコ球は、再び遊技領域20aに排出されることなく機外に排出されるよう構成される。
【0022】
前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口30,32,34a,36aが適宜の位置に設けられており、各入賞口30,32,34a,36aへのパチンコ球の入賞を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。実施例のパチンコ機10では、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立すると共に図柄変動演出の開始条件が成立する始動入賞口30,32と、当り遊技の発生を契機としてパチンコ球の入賞が可能となると共にパチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する特別入賞口34aと、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する普通入賞口36aとが設けられている。具体的に、始動入賞口30,32は、枠状装飾体26の左右側部に夫々設けられ、特別入賞口34aは、遊技領域20aの第2球流下経路に設けられると共に、普通入賞口36aは、遊技領域20aの第1球流下経路および第2球流下経路の夫々に設けられている。
【0023】
(設置部材)
図3に示すように、前記設置部材22は、略矩形状の背面板23aと、該背面板23aの外周縁部から前方に突出する画壁部23bとから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部23bの開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材22とがネジにより固定される。そして、設置部材22において遊技盤20との間に画成される空間に、可動演出装置40などの各種装置が設置されて、設置部材22を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、設置部材22の背面板23aには、枠状装飾体26の表示窓口26aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部22aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板23aの裏側に図柄表示装置17が着脱自在に取付けられて、該開口部22aを介して図柄表示装置17の画像表示部17aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
【0024】
(可動演出装置)
図3に示すように、設置部材22における開口部22aの上側には、可動演出装置40が背面板23aの前面に取り付けられ、可動演出装置40が枠状装飾体26の表示窓口26aの内側に臨んでいる。可動演出装置40は、表示窓口26aを介して前側から視認可能になっており、該表示窓口26aに臨む図柄表示装置17の画像表示部17aの上側に配置される(
図1参照)。可動演出装置40は、ベース本体42と、このベース本体42に支持された複数の可動演出手段K1,K2と、ベース本体42に配設され、複数の可動演出手段K1,K2を動作させる駆動機構DMとを備えている。可動演出装置40は、遊技演出に応じて、駆動機構DMによって複数の可動演出手段K1,K2を駆動することで、各可動演出手段K1,K2が所定の動作演出を行うようになっている。ここで、パチンコ機10で実行される遊技演出とは、図柄表示装置17の画像表示部17aにおいての各種図柄が変動する図柄変動演出、リーチ演出、リーチ予告演出、大当り演出等の表示による演出、スピーカからの音声出力による演出、光を照射し得る装置による光による演出などを指す。なお、パチンコ機10で実行される遊技演出は、パチンコ機10の外側に現れない内部的であっても、パチンコ機10の外側に現れる外部的であっても何れであってもよい。
【0025】
図4〜
図7に示すように、前記可動演出装置40は、設置部材22に取り付けられるベース本体42に、複数の可動演出手段K1,K2および駆動機構DM等が配設されて、ベース本体42を介して設置部材22への着脱等を一体的に行い得る1つのユニットとして構成される。また、実施例の可動演出装置40は、第1可動演出手段K1と、この第1可動演出手段K1に重複可能に配設された第2可動演出手段(可動演出手段)K2との2つを有し、これらの可動演出手段K1,K2が駆動機構DMの1つの駆動モータ(駆動手段)Mによって動作するようになっている。また、可動演出装置40は、第1可動演出手段K1の可動部材60がベース本体42の内部から出没するように動作すると共に、ベース本体42の前側に支持された第2可動演出手段K2の可動物76,78,80,82が、第1可動演出手段K1の所定範囲の動作に連動して所定の動作を行うよう構成される(
図4,
図9および
図13参照)。
【0026】
前記可動演出装置40は、初期状態において、第1可動演出手段K1の可動部材60がベース本体42に収容されると共に、第2可動演出手段K2の可動物76,78,80,82がまとまるようになっている(
図4(a)参照)。また、可動演出装置40は、初期状態および中間状態の間において、第1可動演出手段K1と第2可動演出手段K2とが連動して動作するよう構成され、中間位置において、第1可動演出手段K1の可動部材60がベース本体42から突き出ると共に、第2可動演出手段K2の可動物76,78,80,82が広がるようになっている(
図9(a)および
図19(b)参照)。可動演出装置40は、中間状態および最大動作状態の間において、第2可動演出手段K2の可動物76,78,80,82が中間状態の姿勢を保ち第1可動演出手段K1の可動部材60が動作するよう構成され、最大動作位置においてベース本体42から中間状態より更に突き出た可動部材60が中間状態から姿勢を変えるようになっている(
図13(a)参照)。実施例の可動演出装置40は、初期状態において図柄表示装置17の画像表示部17aの上側に退避しており(
図2(a)参照)、初期状態から中間状態になると前記可動部材60および可動物76,78,80,82が画像表示部17aの前側に迫り出し、中間状態から最大動作状態になると中間状態よりも可動部材60と画像表示部17aとの重なりが大きくなる(
図2(b)参照)。
【0027】
(ベース本体)
前記ベース本体42は、内部に各種部材の設置スペースが画成された箱状体であり、複数のベース44,46,48,50を組み合わせて構成される(
図16および
図17参照)。ベース本体42は、第1後ベース44と、この第1後ベース44の後側に取り付けられ、第1後ベース44との間に設置スペースに画成する第2後ベース46とからなる後ベース組を有し、この後ベース組44,46に第1可動演出手段K1および駆動機構DMが主に配設される。また、ベース本体42は、第1前ベース48と、この第1前ベース48の前側に取り付けられ、第1前ベース48との間に設置スペースを画成する第2前ベース50とからなる前ベース組を有し、この前ベース組48,50に第2可動演出手段K2が主に配設される。第2前ベース50の前面には、装飾カバー52が取り付けられ、この装飾カバー52が機前側から視認可能なベース本体42の意匠面を構成している。なお、装飾カバー52には、第2前ベース50に部材の挿通のために設けられる開口50b,50c,50e,50f,50gに対応して開口が形成される。
【0028】
前記第1後ベース44の前側には、第1前ベース48が取り付けられ、第1後ベース44と第1前ベース48との間に画成された設置スペースに、前方へ向けて光を照射し得るベース発光手段54が収納されている(
図7および
図11参照)。そして、ベース本体42は、ベース発光手段54の前側に配置される前ベース組48,50が少なくとも光を透過し得るよう構成され、実施例では、前ベース組48,50だけでなく後ベース組44,46も透明な合成樹脂の成形品が用いられる。すなわち、ベース本体42は、後ベース組44,46の設置スペースに配設された部材や、第1後ベース44の前側に配設された部材を、該ベース本体42の後側から視認可能になっている。また、後ベース組44,46から取り外した前ベース組48,50は、該前ベース組48,50の設置スペースに配設された部材を、第1前ベース48の後側から視認可能になっている。そして、可動演出装置40は、可動演出手段K1,K2や駆動機構DMなどを取り外すことなく、第1後ベース44と第1前ベース48とを分離可能に構成される。従って、可動演出装置40は、後ベース組44,46、第1可動演出手段K1および駆動機構DMをひとまとまりのユニットとして取り扱い可能であり、前ベース組48,50および第2可動演出手段K2をひとまとまりのユニットとして取り扱い可能になっている。
【0029】
(第1可動演出手段)
図8(a)、
図12(a)および
図15に示すように、前記第1可動演出手段K1は、第1後ベース(ベース)44にスライド可能に配設された支持部材56と、この支持部材56にスライド可能に配設された連係部材58と、この連係部材58に動作可能に配設された可動部材60とを備えている。第1可動演出手段K1は、駆動機構DMの駆動モータMによって作動される作動部材62によって連係部材58が移動されるのに伴って、可動部材60が所定の動作を行うように構成される。ここで、可動部材60は、連係部材58の移動方向に動く態様と、支持部材56に設けられた規制部64との当接関係の変動に伴う重心の変化によって、該連係部材58の移動方向と同じ方向に動きつつ姿勢変位する態様(
図18参照)との2つのパターンで動作するようになっている。
【0030】
(支持部材)
前方に開口する略箱状に形成された前記第1後ベース44の後壁前面に、一対の支持部材56,56が左右に離間して配設される(
図7参照)。各支持部材56は、例えば透明な合成樹脂からなる板状の部材であり、上下方向に長く形成される(
図8(a),
図12(a)および
図15参照)。なお、両支持部材56,56は、左右対称な形状である。支持部材56は、第1後ベース44の後壁より前方に立ち上がる内側壁44aから内側方へ延出する固定支持片44bと該後壁との間に、該支持部材56の外側縁が板厚方向に挟まれると共に、該内側壁44aから内側に離間して設置された設置支持片45と該後壁との間に、該支持部材56の内側縁が板厚方向に挟まれて支持される。これにより、支持部材56は、前後左右方向の移動が規制される一方、上下方向のスライド移動が許容され、高位置(
図6および
図8(a)参照)およびこの高位置よりも下降した低位置(
図10および
図12参照)の間で上下変位可能になっている。ここで、支持部材56は、自重による下降が許容されるように、第1後ベース44に支持されており、該支持部材56に接続される連係部材58の動きに応じて上下変位するよう構成される。
【0031】
前記高位置にある支持部材56は、その下端部を除く大部分が第1後ベース44に対して前後に重なって、ベース本体42の内側(第1後ベース44と第1前ベース48との間の設置スペース)に大部分が収容される(
図4,
図5および
図6参照)。低位置にある支持部材56は、第1後ベース44の下縁から下方へ延出して、ベース本体42の内側から突き出るようになっている(
図9および
図10参照)。なお、実施例では、低位置にある支持部材56におけるベース本体42から突出した突出部分に、動作した第2可動演出手段K2の可動装飾体が前側に重なり、当該突出部分が機前側から視認され難くなっている。支持部材56の上端部には、左右両側に夫々延出する掛止片56aが形成され(
図8(a)参照)、固定支持片44bが形成された内側壁44aの上端および設置支持片45の上端に、前記低位置で掛止片56aが引っ掛かることで支持部材56の下降が規制される。また、支持部材56は、その上端が第1後ベース44の上縁に延在する上壁下面に当接することで上昇が規制される。支持部材56には、上下方向に長手が延在する長尺なスライド孔56bが、上部から下部に亘って形成される(
図8(a)参照)。
【0032】
前記支持部材56には、可動部材60に当接可能な規制部64が設けられている(
図8(a)参照)。規制部64は、支持部材56の下端部内側に、可動部材60側となる内方へ向けて膨出するように形成され、可動部材60との当接面が湾曲している。ここで、規制部64は、連係部材58に対して揺動可能に支持された可動部材60との当接面が、上方から下方に向かうにつれて該可動部材60の揺動中心から離れるように湾曲形成される。
【0033】
(連係部材)
前記連係部材58は、例えば透明な合成樹脂からなる板状の部材であり、左右方向に長く形成されている(
図8(a),
図12(a)および
図15参照)。連係部材58は、右側部が右側の支持部材56によって支持されると共に、左側部が左側の支持部材56によって支持され、両支持部材56がベース本体42に対して上下変位可能な範囲を上下変位するだけでなく、支持部材56自体に対しても上下変位が可能に構成される。具体的には、支持部材56におけるスライド孔56bの前側に重ねた連係部材58の側部に、スライド孔56bの後側から挿通した連係部材ボス(図示せず)を介して連係部材取付片57をネジ止め固定し、連係部材58と連係部材取付片57との間に支持部材56を挟んでいる。これにより、連係部材58は、連係部材取付片57との支持部材56の挟持により前後方向の移動が規制されると共にスライド孔56bの左右側縁により左右方向の移動が規制され、スライド孔56bの長手辺に沿った上下方向の移動が許容されるようになっている。連係部材58は、支持部材56に対しては、該支持部材56の上部に位置する上部位置(
図8(a)および
図12(a)参照)および該支持部材56の下部に位置する下部位置(
図15参照)の間において、上下変位が可能になっている。ここで、連係部材58は、上部位置で連係部材ボスがスライド孔56bの上縁に引っ掛かることで、支持部材56に対する上部位置を越えた上方変位が規制され、下部位置で連係部材ボスがスライド孔56bの下縁に引っ掛かることで、支持部材56に対する下部位置を越えた下方変位が規制される。また、連係部材58は、下部位置において、支持部材56の前側にも延出する規制部64によって下縁が引っ掛かり、該規制部64によっても下方変位が規制される。
【0034】
前記連係部材58は、第1後ベース44(ベース本体42)に対しては、高位置にある支持部材56の上部位置に位置する上昇位置(
図8(a)参照)および低位置にある支持部材56の下部位置に位置する下降位置(
図15参照)の間で上下変位するよう構成される。上昇位置にある連係部材58は、第1後ベース44に対して前後に重なって、ベース本体42の内側(第1後ベース44と第1前ベース48との間の設置スペース)に収容され、下降位置にある連係部材58は、第1後ベース44の下縁から延出してベース本体42の内側から下方へ突き出るようになっている。なお、実施例では、下降位置にある連係部材58におけるベース本体42から突出した突出部分に、動作した第2可動演出手段K2の可動演出体76および可動装飾体78が前側に重なり、当該突出部分が機前側から視認され難くなっている。
【0035】
両支持部材56,56は、自重による下降が許容される構成であるので、連係部材58の連係部材ボスがスライド孔56bの上縁に引っ掛かった状態(連係部材58が支持部材56の上部位置にある状態)において、連係部材58の上下変位に連動して両支持部材56,56も上下変位する。第1可動演出手段K1は、上部位置にある連係部材58の上下変位に連動して両支持部材56,56が高位置および低位置の間で上下変位する第1作動範囲において、連係部材58および両支持部材56,56と、第1後ベース44(ベース本体42)との相対的な位置関係が変位するものの、連係部材58と両支持部材56,56との相対的な位置関係が変化しないように構成される。また、両支持部材56,56が低位置で下降規制された状態よりも下方では、停止した両支持部材56,56に対して連係部材58がスライド孔56bに沿って上部位置および下部位置の間で上下変位する。第1可動演出手段K1は、低位置で下降規制された両支持部材56,56に対して連係部材58が上下変位する第2作動範囲において、両支持部材56,56と第1後ベース44(ベース本体42)との相対的な位置関係が変化しないものの、連係部材58と第1後ベース44との相対的な位置関係が変位すると共に、連係部材58と両支持部材56,56との相対的な位置関係が変化するように構成される。
【0036】
このように、連係部材58の上昇位置および下降位置の間の上下変位に際して、連係部材58と両支持部材56,56との連動関係が、低位置にある支持部材56の上部位置に連係部材58が位置する中間位置で切り替わる。なお、可動演出装置40は、連係部材58の上昇位置で前記初期状態にあり、連係部材58の下降位置で前記最大動作状態にあり、連係部材58の中間位置で前記中間状態にある。ここで、連係部材58が上昇位置および中間位置の間で動く第1作動範囲での変位距離は、支持部材56における高位置および低位置の間の距離と同じであり、連係部材58が中間位置および下降位置の間で動く第2作動範囲での変位距離は、該連係部材58の上部位置および下部位置の間の距離と同じである。なお、実施例の連係部材58は、第1作動範囲において、第1後ベース44の前側に重なってベース本体42の内側に収容された範囲で上下変位し、第2作動範囲において、第1後ベース44の下縁から出没してベース本体42に対して出入りするように上下変位する。
【0037】
(可動部材)
前記連係部材58には、一対の可動部材60,60が該連係部材に対して揺動可能に配設される(
図8(a),
図12(a)および
図15参照)。可動部材60は、連係部材58の変位方向と交差する軸周りに揺動可能に配設され、実施例では前後の軸周りに揺動するようになっている(
図18参照)。両可動部材60,60は、下降位置でベース本体42から露出する連係部材58の下部に、左右方向に離間して配設され、互いに近接・離間する方向に揺動するよう構成される。なお、可動部材60は、板状の部材である。可動部材60は、連係部材58に重ねた上部が板厚方向に貫通する支軸61によって支持され、連係部材58から吊り下がって該連係部材58の下縁から延出するようになっている。可動部材60は、連係部材58の上昇位置において大部分がベース本体42(第1後ベース44と第1前ベース48との間の設置スペース)に収容され(
図4(a)参照)、連係部材58の上下変位に伴ってベース本体42の下端から出没して、少なくとも連係部材58の下降位置において機前側から視認可能になっている(
図13(a)参照)。可動部材60は、その重心が支軸61を通る鉛直ラインを越えて対応する側(右側の可動部材60であれば右側の支持部材56、左側の可動部材60であれば左側の支持部材56を指す)の支持部材56より離間するようにずれた第1姿勢(
図8(a)および
図12(a)参照)と、重心が該第1姿勢よりも対応する側の支持部材56に近づいた第2姿勢(
図13および
図15)との間で姿勢変位可能に構成される。可動部材60は、自重により第1姿勢から第2姿勢へ向けて付勢される。そして、両可動部材60,60は、第1姿勢から第2姿勢および第2姿勢から第1姿勢へ向けて同期して動作するように構成され、片方の可動部材60が第1姿勢であれば他方の可動部材60も第1姿勢にあり、片方の可動部材60が第2姿勢にあれば他方の可動部材60も第2姿勢になっている。
【0038】
図8(a),
図12(a)および
図15に示すように、右側の可動部材60には、右側の支持部材56の下端部に設けられた規制部64が当接し、左側の可動部材60には、左側の支持部材56の下端部に設けられた規制部64が当接するようになっている。実施例では、第1姿勢にある両可動部材60,60が、互いに近づいてまとまり(
図8(a)参照)、第2姿勢にある両可動部材60,60が互いに離間するように広がって、対応する側の支持部材56の下側まで延在するようになっている(
図13参照)。ここで、可動部材60は、下部が左右に二股に分かれた形状で形成され、対応の支持部材56よりも遠い側に延在する第1分岐片60aが、該支持部材56に近い側に延在する第2分岐片60bと比べて大きく形成されている。すなわち、実施例の可動部材60は、第1分岐片60a側を第2分岐片60b側よりも重くして、第1分岐片60a側に重心があるよう形成される。そして、可動部材60は、支持部材56に設けられた規制部64やその他の部材に当てることなく支軸61から吊り下げた自然状態において、支軸61を通る鉛直ラインに沿って第1分岐片60aが延在すると共に、この第1分岐片60aに対して第2分岐片60bが斜め下方へ向けて延在するようになっている。なお、可動部材60は、前記下降位置での第2姿勢において、規制部64やその他の部材から離れて、前記自然状態になっている(
図13(b)および
図15参照)。可動部材60は、第2姿勢から第1姿勢へ向かうにつれて、第1分岐片60aが支軸61を通る鉛直ラインから外れるように変位して、第1姿勢において該鉛直ラインから第1分岐片60aが外れて、該鉛直ラインに第2分岐片60bがかかっている(
図8(a)参照)。実施例の可動部材60は、規制部64に対して当接する支持部材56側の側縁が、揺動中心側から第2分岐片60bの延出端(可動部材60の揺動端)側にかけて直線的に形成されて、当接面が湾曲した規制部64に対する可動部材60の摺動負荷を低減している。
【0039】
(規制部)
前記規制部64は、上部位置から下部位置へ向けた連係部材58の変位の所定範囲に亘って可動部材60の第1姿勢から第2姿勢へ向けた揺動軌跡に重なるように設けられる。また、規制部64は、連係部材58の上部位置で可動部材60を第1姿勢で保持するように当接すると共に、連係部材58の下部位置で可動部材60の第2姿勢を許容するよう構成される。規制部64は、少なくとも連係部材58の上部位置で可動部材60に当接すると共に、上部位置から下部位置へ向けた連係部材58の変位の前記所定範囲に亘って可動部材60に当接する。ここで、規制部64は、連係部材58の上部位置および下部位置の間の全範囲に亘って可動部材60に当接してもよいが、実施例では、連係部材58が上部位置から下部位置に至る手前で、可動部材60の第1姿勢から第2姿勢へ向けた揺動軌跡から規制部64が外れるようになっている。すなわち、実施例では、連係部材58の上部位置と下部位置との変位距離よりも前記所定範囲が狭く設定される。そして、第1可動演出手段K1は、連係部材58の前記第1作動範囲において、前述の如く連係部材58と支持部材56との相対的な位置関係が変化しないから、可動部材60と規制部64との相対的な位置関係が保たれて、連係部材58の上下変位につれて可動部材60が上下変位するものの、該可動部材60が第1姿勢で保持される。
【0040】
前記第1可動演出手段K1は、連係部材58の第2作動範囲において前述の如く連係部材58と支持部材56との相対的な位置関係が変化するから、該第2作動範囲のうちの規制部64が可動部材60に当接する前記所定範囲において、連係部材58の下降につれて規制部64の当接部位が可動部材60の揺動端側から揺動中心側にずれて、該可動部材60の第1姿勢から第2姿勢へ向けた姿勢変位を許容するよう構成される。ここで、実施例では、連係部材58が下降位置に至る手前で、規制部64と可動部材60との当接が解除されて、下降位置に至る前に可動部材60が第2姿勢になると共に、可動部材60が第2姿勢で僅かな距離下降するようになっている。また、第1可動演出手段K1は、前記第2作動範囲での連係部材58の上昇につれて、規制部64の当接部位が可動部材60の揺動中心側から揺動端側にずれて、可動部材60が第2姿勢から第1姿勢へ向けて押されるよう構成される。実施例では、連係部材58が下降位置から上昇位置に向かう僅かな範囲で、規制部64から可動部材60が離れているので、第2姿勢のまま可動部材60が下降位置から僅かな範囲上昇した後に、可動部材60が規制部64に当接して第2姿勢から第1姿勢へ向けて姿勢変位される。
図18に示すように、可動部材60は、前記第2作動範囲において規制部64との当接により規制されたもとで上下変位につれて徐々に姿勢変位して、例えば作動範囲のどこか一点で瞬時に姿勢が切り替わるものではない。
【0041】
両可動部材60,60は、連係部材58の第1作動範囲において、両支持部材56,56の規制部64,64の間に左右外側から挟まれて、互いに近づいた第1姿勢で保持されており、ベース本体42の内側に左右の幅が小さくまとまった状態で収容される(
図8(a)参照)。すなわち、可動演出装置40は、初期状態に対応した上昇位置で両可動部材60が第1姿勢に保持されてベース本体42の内側に収容され、連係部材58が第1作動範囲で上下変位する初期状態および中間状態の間において(
図4,
図8(a)および
図9,
図12(a)参照)、両可動部材60,60が第1姿勢を保ったままベース本体42の下端から画像表示部17aの前側に出没するよう構成される。また、両可動部材60,60は、連係部材58の第2作動範囲において、連係部材58の下降につれてベース本体42の下縁から下方へ延出するに伴って両支持部材56,56の規制部64,64の間から下方に外れることで、互いに離間するように左右に拡開して、左右の幅が大きく広がる。そして、両可動部材60,60は、連係部材58の第2作動範囲において、連係部材58の上昇につれてベース本体42の内側に収容されるに伴って両支持部材56,56の規制部64,64の間に挟まれることで、互いに近接するように中央部に向けて縮まって、左右の幅が小さくなる。すなわち、可動演出装置40は、連係部材58が第2作動範囲で上下変位する中間状態および最大動作状態の間において(
図9,
図12(a)および
図13,
図15参照)、両可動部材60,60が姿勢変位しつつベース本体42の下端から画像表示部17aの前側に出没するよう構成される。
【0042】
(駆動機構)
前記駆動機構DMは、ステッピングモータなどの正逆駆動可能な駆動モータMと、この駆動モータMの出力軸に固定された出力歯車66に噛み合った作動歯車(回転体)68と、作動歯車68および連係部材58の間に設けられ、連係部材58を上昇位置および下降位置の間で移動させる前記作動部材62とから構成される(
図16および
図17参照)。駆動モータMは、第1後ベース44の右側部に該第1後ベース44の後壁から間をあけて設置されたモータ設置板70の前面に、出力軸を後方を向けた姿勢で取り付けられ、該後壁とモータ設置板70との間に臨む出力軸の先端に出力歯車66が固定されている。作動歯車68は、モータ設置板70の後面に、前記出力歯車に隣り合うように回転可能に軸支され、第1後ベース44の後壁に該作動歯車68に合わせて開設された作動歯車開口44cを介して該第1後ベース44の後側に臨んでいる(
図5(b)参照)。また、作動歯車68における作動歯車開口44cを介して第1後ベース44の後側に臨む後面には、回転中心より半径方向外側にずれた偏心位置に、円柱状の作動軸69が後方へ突出するように形成されている。そして、作動歯車68は、駆動モータにより正逆回転される。
【0043】
前記作動部材62は、長細い板状部材であり、長手方向の一端部が第1後ベース44に対して前後方向の軸周りに揺動可能に軸支されると共に、長手方向の他端部が連係部材58に接続される(
図5(b)参照)。作動部材62の一端部には、円形状の作動支持軸孔62aが形成され、この作動支持軸孔62aを、第1後ベース44の後面に後方へ突出形成された円柱状の作動支持軸44dに嵌め合わせて、作動部材62が第1後ベース44の後側に配設される。ここで、作動支持軸44dは、第1後ベース44の後面右側の角隅部に設けられて、作動歯車68の作動軸69を挟んで連係部材58における作動部材62との接続部位と反対側(作動軸69よりも外側)に配置される。また、作動部材62の他端部には、該作動部材62の長手に沿って長手が延在する長孔形状の連係溝62bが形成され、この連係溝62bを、第1後ベース44の後側に突出する連係部材58の連係軸58aに係合することで、作動部材62と連係部材58とが接続される。連係軸58aは、連係部材58の後面上部中央に後方へ突出するように形成されて、第1後ベース44の左右方向中央部に形成された連係軸開口44eを挿通して、第1後ベース44の後側に突出するようになっている。連係軸開口44eは、上下方向に長手が延在する長孔形状に形成され、連係部材58の上昇位置および下降位置の間の上下変位に伴う連係軸58aの上下変位を許容する上下長さで形成される。
【0044】
図5(b)に示すように、前記作動部材62には、一端部および他端部の間に作動溝62cが設けられ、前記作動歯車68の作動軸69が作動溝62cに係合するようになっている。作動溝62cは、作動部材62の長手に沿って長手が延在する長孔形状に形成され、作動軸69に合わせて作動部材62の他端部側に設けられる。作動部材62は、駆動モータMによって回転する作動歯車68に伴って回転変位する作動軸69に、作動溝62cの長手辺が引っ掛かって該作動軸69の上下方向の変位成分に応じて作動支持軸44dを中心に揺動される。この際に、作動溝62cの延在長さによって、作動軸69の左右方向の変位が許容されて、作動軸69の回動が作動部材62の傾動動作に変換される。そして、作動部材62は、作動支持軸44dを中心に揺動するのに伴って、連係溝62bの長手辺に引っ掛かった連係軸58aを上下方向に移動し、これにより連係部材58が上下方向に変位される。なお、作動支持軸44dを中心に揺動する作動部材62の連係溝62bと連係軸58aとの左右方向のずれは、長孔形状の連係溝62bで許容される。このように、駆動モータMの回転駆動が、作動歯車68および作動部材62によって連係部材58を上下変位させるように変換されて伝達される。作動部材62は、第1後ベース44と第2後ベース46との間に挟まれて前後方向の移動が規制され(
図6参照)、作動支持軸孔62aに対する作動支持軸44dの嵌合、作動溝62cに対する作動軸69の係合および連係溝62bに対する連係軸58aの係合が保たれている。
【0045】
前記駆動機構DMは、駆動モータMの正駆動により作動歯車68を正回転させて、作動軸69を作動歯車68の上部から下部に変位することで、作動部材62を下方へ傾動して連係部材58を上昇位置から下降位置へ向けて移動する。また、駆動機構DMは、駆動モータMの逆駆動により作動歯車68を逆回転させて、作動軸69を作動歯車68の下部から上部に変位することで、作動部材62を上方へ傾動して連係部材58を下降位置から上昇位置へ向けて移動する。そして、駆動機構DMは、作動軸69が作動歯車68における回転中心の直上または該直上よりも作動部材62の一端部側または他端部側に偏倚した初期位置において、作動歯車68の逆回転に伴う作動軸69の変位を作動溝62cによって規制する一方、作動歯車68の正回転に伴う作動軸69の変位を作動溝62cによって許容するよう構成される。実施例の駆動機構DMでは、作動軸69が初期位置において作動歯車68の回転中心の直上にあり、作動部材62は、初期位置にある作動軸69に支持されて、作動支持軸44dから左右方向に延びて連係部材58を上昇位置とする姿勢が保持される(
図5(b)参照)。また、駆動モータMの正駆動による作動歯車68の正回転に伴って作動軸69が初期位置から作動部材62の他端部側(実施例では反時計回り)に回動変位し、これにより作動軸69が下降することで、作動部材62は、該作動部材62の他端部側が下降するように姿勢変位される(
図9(b)参照)。作動軸69が前記初期位置よりも下側にある動作位置において、作動部材62が作動支持軸44dから内側へ向かうにつれて下方傾斜して、連係部材58の下降位置を許容する姿勢となる(
図13(b)参照)。そして、駆動モータMの逆駆動による作動歯車68の逆回転に伴って作動軸69が前記初期位置よりも下側にある動作位置から作動部材62の一端部側(実施例では時計回り)に回動変位するにつれて、作動部材62は、該作動部材62の他端部が上昇するように姿勢変位される。
【0046】
前記初期位置において、作動溝62cにおける作動軸69よりも作動部材62の一端部側は、作動歯車68の回転に伴う作動軸69の左右方向の変位距離よりも溝長さが短くなるように設定されるか(実施例:
図5(b)参照)、または作動溝62cにおける作動部材62の一端部側の開口端に作動軸69が当接するように設定される。すなわち、初期位置にある作動軸69は、不正な方向である作動歯車68の逆回転方向に移動しようとしても作動溝62cの開口端に引っ掛かって僅かな距離しか回転変位できないか、または全く回転変位できないようになっている。また、前記初期位置において、作動溝62cにおける作動軸69よりも作動部材62の他端部側は、作動歯車68の回転に伴う作動軸69の左右方向の変位距離と溝長さが同じか、または該変位成分よりも溝長さが長くなるように設定される。従って、初期位置にある作動軸69は、駆動モータMの正駆動による作動歯車68の正回転方向の回転時に、作動溝62cの開口端に引っ掛かることなく、前記動作位置へ向けた所定の回動変位が許容される。このように、駆動機構DMには、初期位置にある作動軸69と作動溝62cとの関係により、駆動モータの正常な駆動によらない作動部材62の傾動を防ぐロック構造が構成され、このロック構造によって連係部材58を介して作動部材62にかかる可動演出手段K1,K2の荷重を適切に支持し得るようになっている。
【0047】
(原位置検知手段)
前記可動演出装置40は、連係部材58の上部に配設された検知片72と、第1後ベース44に配設され、検知片72の有無を検知するセンサ74とからなる原位置検知手段を備えている(
図8(a),
図12(a)および
図15参照)。原位置検知手段は、センサ74としてフォトセンサが用いられ、連係部材58の上昇位置で検知片72がセンサ74における発光部と受光部との間に位置して該センサ74に検知され、連係部材58が上昇位置から外れると、検知片72がセンサ74から外れて非検知となる。可動演出装置40は、原位置検知手段の検知状態を基準として駆動モータMが停止等の駆動制御され、作動軸69が初期位置で停止されて、初期位置の作動軸69に支持されて略水平姿勢になった作動部材62によって、連係部材58が上昇位置に保持される。ここで、第1可動演出手段K1は、可動部材60がベース本体42に収容される連係部材58の上昇位置で、動作演出を行わないときに待機するように構成される。また、第1可動演出手段K1は、遊技演出に応じて図示しない制御手段によって駆動モータMが駆動制御されて、作動部材62により連係部材58が上昇位置および下降位置の間で上下変位されるのに伴って両可動部材60,60が動作される。
【0048】
(第2可動演出手段)
図6,
図9(a),
図10および
図19(b)に示すように、前記第2可動演出手段K2は、ベース本体42に沿って移動しつつベース本体42に対して近接・離間するように動作する可動演出体76を少なくとも備えている。実施例では、可動演出体76に加えて該可動演出体76に連動して動作する複数の可動装飾体78,80,82を備えている。実施例の可動演出体76は、前記可動部材60のベース本体42に対する出没方向と同じ上下方向に該ベース本体42の前面に沿って移動しつつ、ベース本体42の前面に対して近接・離間する方向である前後方向に進退するようになっている。ここで、第2可動演出手段K2は、第1作動範囲での可動部材60の下降に連動して、可動演出体76が下降しつつ前進すると共に、第1作動範囲での可動部材60の上昇に連動して、可動演出体76が上昇しつつ後退するように構成される。第2可動演出手段K2は、前記可動演出体76を支持して該可動演出体76に所定の動作を行わせる連係機構として、前べース組48,50に往復移動可能に配設されたスライド部材84と、このスライド部材84に揺動されるリンク部材86とを備えている(
図6,
図10,
図16および
図17参照)。
【0049】
(スライド部材)
図8(b)および
図12(b)に示すように、前記スライド部材84は、上下方向に長手が延在する細長い板状に形成されている。スライド部材84は、第2前ベース50の左右方向中央部に上下に延在するよう形成されたスライド溝50aに係合して左右方向の移動が規制されると共に、第1前ベース48と第2前ベース50との間に挟まれて前後方向の移動が規制された状態で保持される(
図7および
図11参照)。スライド部材84は、スライド溝50aの長手辺に沿って上下方向にスライド移動可能に構成され、スライド溝50aの上部側に位置する第1位置(
図8(b)参照)と、スライド溝50aの下部側に位置して前記第1位置よりも下がった第2位置(
図12(b)参照)との間で往復移動するようになっている。スライド部材84は、第1位置において、前ベース組48,50の設置スペースに下端部を除く大部分が収容される(
図6参照)。また、スライド部材84は、第2位置において、前ベース組48,50の下縁から下方へ突出するようになっている(
図10参照)。ここで、スライド部材84における前ベース組48,50から突出した部分は、該スライド部材84の前側に配設された可動演出体76によって機前側から視認できないように隠される。
【0050】
前記スライド部材84は、第1作動範囲にある連係部材58に係合して、第1作動範囲での連係部材58の上下変位に連動して第1位置と第2位置との間で上下変位する一方(
図6および
図10参照)、第2作動範囲にある連係部材58から分離して、第2作動範囲での連係部材58の上下変位時に、第2位置において停止した状態で維持される(
図14参照)。具体的には、スライド部材84は、後面の上下方向中央部に後方に突出するよう形成された連係突片85を有し、この連係突片85が第1前ベース48の左右方向略中央部に上下に延在するように形成された連係開口48aを介して第1前ベース48の後側に突出している。なお、連係開口48aは、連係突片85の上下変位によりスライド部材84の第1位置と第2位置との間の上下変位が可能な上下寸法で形成される。これに対して、連係部材58の前面下部には、左右方向略中央に前方に突出形成された連係段部59が設けられ、この連係段部59の上側にスライド部材84の連係突片85が重なるようになっている。スライド部材84は、上昇位置にある連係部材58の連係段部59に連係突片85が支持されて第1位置で保持され(
図6参照)、該スライド部材84および該スライド部材84に配設された可動演出体76の重さによって、上昇位置にある連係部材58が中間位置へ向けて下降するのに追従して下降する。また、スライド部材84は、連係部材58が中間位置から上昇位置へ向けて上昇するにつれて上昇する連係段部59に連係突片85が支持されて、連係部材58の上昇に連動して上昇する。更に、スライド部材84は、第2位置において連係突片85が連係開口48aの下縁に引っ掛かって下方変位が規制されることで、中間位置を越えて下降位置へ向けて下降する連係部材58の連係段部59から分離し(
図14参照)、連係部材58の第2作動範囲の上下変位とは連動しないようになっている。
【0051】
(リンク部材)
前記リンク部材86は、第2前ベース50の前面左右方向略中央の上部に前方へ突出するように形成された支持部としての固定装飾体88との接続部位86aを支点として揺動可能に配設され、ベース本体42の前側に設置されている(
図6(a)および
図10参照)。実施例のリンク部材86は、略「L」字状に折れ曲がった棒状の部材であり、一方の片部が他方の片部よりも長く形成されると共に、長手の一方の片部が先端に向かうにつれて他方の片部の先端側に湾曲している。リンク部材86は、一端(実施例では一方の片部の先端)が、固定装飾体88における前側(突出側)に偏倚した部位の下面側に、左右方向の軸周りに揺動可能に接続され、この接続部位86aを支点として他端側(実施例では他方の片部の先端)となる揺動端部86bが、ベース本体42の前面に対して近接・離間する方向へ変位するよう構成される。リンク部材86における前記接続部位86aと揺動端部86bとの間には、スライド部材84の上端部前面に前方に突出するように形成されたリンク突片90が揺動軸86cを介して接続され、スライド部材84の上下変位に連動してリンク部材86が揺動される。ここで、第2前ベース50の左右方向略中央部には、上下方向に延在するリンク開口50bが形成され、このリンク開口50bを介してリンク突片90がベース本体42の前側に臨んでいる。なお、スライド部材84の上下変位に伴うリンク突片90の上下変位は、リンク開口50bにより許容される。また、リンク突片90には、前後方向に長手が延在する長孔からなるリンク溝90aが設けられ、このリンク溝90aに前記揺動軸86cを係合させて、リンク部材86における前記一方の片部がリンク突片90に接続される。
【0052】
図6に示すように、リンク部材86は、スライド部材84の第1位置において、前記接続部位86aの後側に揺動端部86bが前後方向に略揃うように保持されて、このときリンク部材86は、揺動端部86bがベース本体42の前面に近接する近接姿勢になる。また
図10に示すように、リンク部材86は、スライド部材84の第2位置において、前記接続部位86aの下側に揺動端部86bが上下方向に略揃うように保持されて、このときリンク部材86は、揺動端部86bがベース本体42の前面から離間する離間姿勢になる。このように、リンク部材86は、スライド部材84の第1位置から第2位置への下降に連動して、前記接続部位86aを支点として揺動端部86bがスライド部材84の変位方向と同じ方向(下方)に移動しつつベース本体42から離れる方向(前側)に変位するよう回動して、近接姿勢から離間姿勢へ向けて姿勢変位する。また、リンク部材86は、スライド部材84の第2位置から第1位置への上昇に連動して、前記接続部位86aを支点として揺動端部86bがスライド部材84の変位方向と同じ方向(上方)に移動しつつベース本体42に近づく方向(後側)に変位するよう回動して、離間姿勢から近接姿勢へ向けて姿勢変位する。
【0053】
前記固定装飾体88は、ベース本体42の前面から離間するにつれて下方に湾曲するように形成される(
図6参照)。また、固定装飾体88は、機前側から視認可能な外面が、可動装飾体78,80,82と共通する意匠形状で形成される。そして、固定装飾体88は、前記初期状態において隣り合う可動装飾体80,82と合わさって一体的な集合装飾体をなし、この集合装飾体の上部を構成する(
図4および
図19(a)参照)。
【0054】
(可動演出体)
前記可動演出体76は、リンク部材86の揺動端部86bに支持されると共に、スライド部材84に支持されて、ベース本体42の前側に配設される(
図6参照)。具体的には、可動演出体76は、その上部(スライド部材84の第1位置側)がリンク部材86の揺動端部86bに左右方向の軸周りに回動可能に接続される。また、可動演出体76は、その下部(スライド部材84の第2位置側)を、スライド部材84の下端部に前方に突出するよう設けられた接続突片91に形成されたガイド溝(ガイド部)92に接続軸93を介して係合し、該ガイド溝92に沿った移動および左右方向の軸周りの回動が可能に接続される。なお、第2前ベース50の左右方向略中央部には、前記リンク開口50bの下側に位置して上下方向に延在する接続開口50cが形成され、この接続開口50cを介して接続突片91がベース本体42の前側に臨み、スライド部材84の上下変位に伴う接続突片91の上下変位が接続開口50cにより許容される。可動演出体76は、スライド部材84の往復移動方向(上下方向)に離間したリンク部材86の揺動端部86bとガイド溝92によって姿勢変位可能に支持される。そして、可動演出体76は、スライド部材84の変位に伴うリンク部材86の揺動端部86bの揺動に連動して動作すると共に、接続軸93がガイド溝92に沿って案内されて、その姿勢が規定される。
【0055】
(ガイド溝)
図6,
図10および
図14に示すように、前記ガイド溝92は、ベース本体42に対して近接・離間する方向に延在する第1案内部位92aを有し、実施例の第1案内部位92aは、ベース本体42の前面から前方に離間するにつれてスライド部材84の第1位置側(上側)に傾斜するように延在している。また、ガイド溝92には、スライド部材84の往復移動方向に沿った方向に延在する第2案内部位92bが、前記第1案内部位92aにおけるベース本体42に近接する側の端部に連続して形成される。ここで、第2案内部位92bは、第1案内部位92aのベース本体42に近接する側の端部から下方(スライド部材84が第1位置から第2位置へ向かう向き)に延在している。
【0056】
前記可動演出体76は、スライド部材84の第1位置において、近接姿勢にあるリンク部材86および該スライド部材84のガイド溝92に支持されて、ベース本体42の前面に近づくと共にベース本体42の前側に重なった退避姿勢に保持される(
図6参照)。退避姿勢にある可動演出体76は、ガイド溝92における第1案内部位92aのベース本体42側の端部に接続軸93が位置し、リンク部材86の揺動端部86bと接続軸93とが上下方向に揃っている。可動演出体76は、スライド部材84の第1位置から第2位置への下降につれて下方(第2位置側)に移動しつつ、リンク部材86の姿勢変位に伴ってガイド溝92に沿ってベース本体42から離れるように姿勢変位して、スライド部材84の第2位置において前記退避姿勢よりも突き出た突出姿勢で保持される(
図10参照)。突出姿勢にある可動演出体76は、離間姿勢にあるリンク部材86および該スライド部材84のガイド溝92に支持されて、ベース本体42の前面から遠ざかると共にベース本体42の下縁から下方に延出するように下方変位した状態になる。また、突出姿勢にある可動演出体76は、ガイド溝92における第1案内部位92aのベース本体42から離間する側の端部に接続軸93が位置し、実施例では、リンク部材86の揺動端部86bよりも接続軸93が後側に位置して、可動演出体76全体として上部が前側に傾いた傾斜状態になっている。そして、可動演出体76は、スライド部材84の第2位置から第1位置への上昇につれて上方(第1位置側)に移動しつつ、リンク部材86の姿勢変位に伴ってガイド溝92に沿ってベース本体42に近づくように姿勢変位して、前記退避姿勢に戻るようになっている。
【0057】
このように、可動演出体76は、ベース本体42に対して近接・離間する方向に延在するガイド溝92の第1案内部位92aに案内されて、リンク部材86の揺動端部86bにおけるベース本体42に対する近接・離間する方向の変位に伴って、該リンク部材86の揺動端部86bに接続した上部だけでなく下部もベース本体42に対して近接・離間する方向の変位が許容される。また、リンク部材86の近接姿勢と離間姿勢との間の姿勢変位に伴う揺動端部86bの上下方向の変位は、ガイド溝92の第2案内部位92bにより許容される。なお、可動演出装置40は、スライド部材84の第1位置で前記初期状態にあり、スライド部材84の第2位置で前記中間状態にあり、初期状態と中間状態との間で可動演出体76が姿勢変位する。
【0058】
(補助装飾体)
前記可動演出体76の下部には、ベース本体42の前面から前方に離間するにつれて上方へ向けて僅かに湾曲するように延在する板状の補助装飾体94が配設されている(
図6および
図16参照)。補助装飾体94は、機前側から視認可能な外面が、可動装飾体78,80,82と共通する意匠形状で形成されている。そして、補助装飾体94は、可動演出体76の退避姿勢において、隣り合う可動装飾体78,78と合わさって一体的な集合装飾体を構成するようになっている(
図4および
図19(a)参照)。ここで、補助装飾体94は、前記集合装飾体の下部を構成している。また、補助装飾体94は、突出姿勢において前傾する可動演出体76に伴って前記退避姿勢での姿勢よりも傾いている。
【0059】
(演出体発光手段)
図6に示すように、前記可動演出体76は、LED等の発光体96aが実装された基板96bからなる演出体発光手段96と、この演出発光手段96の前側を覆うように設けられて、光を透過可能な演出体カバー98とを備え、演出体発光手段96から照射した光によって演出体カバー98を発光演出し得るよう構成される。演出体カバー98は、可動演出体76の機前側から視認可能な意匠面を構成し、実施例では半球状の本体部分の外周および中央に所定の装飾が施されている。また、演出体カバー98は、ダイヤモンドカットの如く多数の面を組み合わせた光拡散加工が施されており、演出体発光手段96から照射した光による該演出体カバー98全体の発光が図られている。演出発光手段96の基板96bに繋がる配線としては、フラットケーブル100が用いられている(
図6および
図10参照)。このフラットケーブル100は、可動演出体76の後側から第2前ベース50のリンク開口50b、スライド部材84における連係突片85の上側に形成された配線開口84
aおよび第1前ベース48の連係開口48aを介して第1前ベース48の後側に取り回され、第1前ベース48の後面に配設された中継基板101に接続される。
【0060】
(集合装飾体)
前記第2可動演出手段K2は、スライド部材84に連動して動作し、該スライド部材84の第1位置において可動演出体76の退避姿勢から突出姿勢への姿勢変位方向前側を覆う複数の可動装飾体78,80,82を備えている(
図4、
図9および
図19参照)。また、第2可動演出手段K2は、退避姿勢にある可動演出体76が、該可動演出体76を基準に集合した複数の可動装飾体78,80,82と、固定装飾体88および補助装飾体94とによって画成されるスペースに収容される(
図6参照)。すなわち、第2可動演出手段K2は、可動演出体76が退避姿勢にあるときに、複数の可動装飾体78,80,82、固定装飾体88および補助装飾体94が集合して、可動演出体76を覆う1つの集合装飾体を構成するようになっている(
図4および
図19参照)。実施例では、退避姿勢にある可動演出体76が、ベース本体42の前面から前側へ膨らんだ半球状の集合装飾体に隠されて機前側から見えなくなっている。複数の可動装飾体78,80,82は、可動演出体76の退避姿勢から突出姿勢へ向けた姿勢変位につれて、該可動演出体76を基準に互いに離間するように動作し、可動演出体76は、退避姿勢から突出姿勢へ向かうにつれて該可動演出体76の姿勢変位方向前側から退避する可動装飾体78,80,82の裏側より現れるよう構成される(
図9(a)および
図19(b)参照)。また、複数の可動装飾体78,80,82は、可動演出体76の突出姿勢から退避姿勢へ向けた姿勢変位につれて、該可動演出体76を基準に互いに集合するように動作し、可動演出体76は、突出姿勢から退避姿勢へ向かうにつれて該可動演出体76の前側に被さる可動装飾体78,80,82の裏側に隠される(
図4および
図19(a)参照)。ここで、可動演出装置40では、初期状態において集合装飾体が構成され、初期状態と中間状態との間で可動装飾体78,80,82が集合・離散するように動作し、中間状態と最大動作状態との間において可動装飾体78,80,82が互いに離間した展開姿勢で保たれる。
【0061】
実施例の第2可動演出手段K2は、可動演出体76を左右に挟むように配設され、集合装飾体の下部を構成する一対の第1可動装飾体(第1の可動装飾体)78,78と、可動演出体76を左右に挟むように第1可動装飾体78の上側に配設され、集合装飾体の中間部を構成する一対の第2可動装飾体(第2の可動装飾体)80,80と、固定装飾体88を左右に挟むように配設され、集合装飾体の上部を構成する一対の第3可動装飾体(第3の可動装飾体)82,82とを備えている。両第1可動装飾体78,78は、可動演出体76を挟んで左右対称な形状であると共に、該第1可動装飾体78を動作させる機構についても可動演出体76を挟んで左右対称な構成となっている。同様に、両第2可動装飾体80,80は、可動演出体76を挟んで左右対称な形状であると共に、該第2可動装飾体80を動作させる機構についても可動演出体76を挟んで左右対称な構成となっている。更に、両第3可動装飾体82,82は、可動演出体76を挟んで左右対称な形状になっている。このように、左右の可動装飾体78,80,82および該可動装飾体78,80,82を動作させる機構は、配置が対称であるものの同一構成であるので、可動装飾体78,80,82および該可動装飾体78,80,82を動作させる機構については、一方(右側)の構成について基本的に説明する。
【0062】
(第1可動装飾体)
前記スライド部材84の両側縁上部には、スライド歯部84bが設けられている(
図8(b)参照)。スライド部材84の横側には、第2前ベース50の後面に突出形成された回動軸50dに、前後の軸周りに回動可能に軸支されて回動アーム(回動部材)102が配設され、軸支部位より内側に向けて延在する回動アーム102の揺動端に形成された回動歯部102aが、前記スライド歯部84bに噛み合っている。すなわち、回動アーム102は、スライド部材84の上下変位に連動して回動し、スライド部材84の第1位置において該回動アーム102が第1回動状態になり(
図8(b)参照)、スライド部材84の第2位置において前記第1回動状態よりも揺動端側が下方傾斜した第2回動状態となる(
図12(b)参照)。なお、回動アーム102は、前ベース組48,50の設置スペースに収容されて前後方向に位置決めされている。回動アーム102における軸支部分側に偏倚した部位に、前方に突出する回動突部102bが設けられ、第2前ベース50に形成された回動開口50eを介して回動突部102bがベース本体42の前側に突出している(
図7(a)および
図11参照)。回動開口50eは、回動アーム102の第1回動状態および第2回動状態の間の回動変位に伴う回動突部102bの変位を許容する大きさで形成される。回動突部102bは、回動アーム102が第1回動状態から第2回動状態に向かうにつれて外側方に向けて斜め下側に回動変位して可動演出体76側から離れる一方、回動アーム102が第2回動状態から第1回動状態に向かうにつれて内側方に向けて斜め上側に回動変位して可動演出体76側に近づくようになっている。第1可動装飾体78は、可動演出体76側が凹になるように湾曲形成された板状部材であり、その後縁部側部が、ベース本体42の前側に突出する回動突部102bの前端部に対してベース本体42の前面に沿った軸周りに回動可能に軸支される。また、第1可動装飾体78には、後縁からベース本体側(後方)に突出する軸部79が設けられ、この軸部79が第2前ベース50に形成された軸開口50fに挿入されている(
図7(b)および
図11参照)。すなわち、第1可動装飾体78は、回動アーム102の回動につれて、軸開口50fに係合する軸部79を支点として回動突部102bとの接続部位を中心に揺動するよう構成される。そして、第1可動装飾体78は、スライド部材84の第1位置に対応した回動アーム102の第1回動状態で可動演出体76の退避姿勢から突出姿勢への姿勢変位方向前側に位置すると共に、該スライド部材84の第2位置に対応した回動アーム102の第2回動状態で可動演出体76の退避姿勢から突出姿勢への姿勢変位方向前側から退避するよう構成される。
【0063】
前記第1可動装飾体78は、回動突部102bとの接続部位を中心に前端部が可動演出体76から離れる方向に倒れようとするように重心が設定される。第1可動装飾体78は、前記第1回動状態において、回動突部102bとの接続部位が軸開口50fよりも可動演出体76側に位置し、自重により前記接続部位を中心に変位するのが軸開口50fに軸部79が引っ掛かることで規制されて、可動演出体76側に近づくように倒れた被覆姿勢で保持される(
図7(b)参照)。また、第1可動装飾体78は、前記第2回動状態において、回動突部102bとの接続部位が軸開口50fよりも可動演出体76から離れた側に位置し、自重により軸部79を支点として前記接続部位を中心に変位するのが軸開口50fにより許容され、可動演出体76側から離れるように倒れた展開姿勢で保持される(
図11参照)。ここで、第1可動装飾体78は、軸部79が前後方向になる姿勢を挟んで、被覆姿勢と展開姿勢とで反対側に傾くようになっている。そして、第1可動装飾体78は、被覆姿勢において可動演出体76の前側を覆って他の可動装飾体80,82と共通する意匠が施された意匠面
(表面)が機前側に臨み、展開姿勢において可動演出体76の前側から退避するように横側に開いて、前記被覆姿勢において可動演出体76に臨んでいた裏面が機前側から視認可能になる。すなわち、第1可動装飾体78は、被覆姿勢と展開姿勢との間で姿勢変位するだけでなく、被覆姿勢と展開姿勢とで機前側から見える面が切り替わるようになっている。
【0064】
前記第1可動装飾体78は、回動突部102bとの接続部位を中心とした揺動だけでなく、回動アーム102の回動に伴って全体として可動演出体76に対して近接・離間するように回動するようになっている。すなわち、第1可動装飾体78は、回動アーム102が第1回動状態から第2回動状態に向かうにれて可動演出体76側から全体として離間しつつ該可動演出体76から退避するように傾動して展開姿勢となり、回動アーム102が第2回動状態から第1回動状態に向かうにつれて可動演出体76側に向けて全体として近接しつつ該可動演出体76を覆うように傾動して被覆姿勢となる。
【0065】
(第2可動装飾体)
前記第2可動装飾体80は、回動アーム102の回動につれて回動する回動体104の前側に設けられている。回動体104は、第2前ベース50に前後方向の軸周りに回動可能に支持されて、前ベース組48,50の設置スペースに収容される。回動体104は、回動アーム102の上側に配置され、回動アーム102の揺動基部に形成されたアーム歯部102cに噛み合う連動歯車106に、周縁に形成された連動歯部104aが噛み合って、回動アーム102の回動に連動して回動するよう構成される(
図8(b)および
図12(b)参照)。第2可動装飾体80は、第2前ベース50に形成された挿通開口50gを介してベース本体42の前側に臨む回動体104の前側に配設され、回動体104の回動につれて該回動体104を中心として回動変位するようになっている。第2可動装飾体80は、可動演出体76側が凹になるように湾曲形成された板状部材を本体とし、実施例では第1可動装飾体78より幅狭に設定される。第2可動装飾体80は、回動アーム102の第1回動状態に対応した回動体104の回動状態で、第1可動装飾体78の上側に隣接して可動演出体76の退避姿勢から突出姿勢への姿勢変位方向前側に位置する被覆姿勢(
図4,
図6,
図7(a)および図(19(a))参照)になると共に、回動アーム102の第2回動状態に対応した回動体104の回動状態で可動演出体76の退避姿勢から突出姿勢への姿勢変位方向前側から退避する展開姿勢(
図9〜
図11参照)になるように構成される。ここで、実施例の第2可動装飾体80は、回動体104から内側に向けて延在する被覆姿勢から反時計回り(左側の第2可動装飾体80であれば時計回り)に回動することで、可動演出体76の横側に外れて回動体104から下方に延在する展開姿勢になり、展開姿勢から時計回り(左側の第2可動装飾体80であれば反時計回り)に回動することで、被覆姿勢に戻される。なお、第2可動装飾体80は、展開姿勢において先端部が可動演出体76と第1可動装飾体78の間に位置している。
【0066】
(第3可動装飾体)
前記第3可動装飾体82は、前記リンク部材86における一方の片部から左右両側に延出する保持片87の延出端に設けられる。第3可動装飾体82は、リンク部材86の揺動につれて揺動するように構成され、リンク部材86の近接姿勢において、固定装飾体88および被覆姿勢の第2可動装飾体80の間に位置して、可動演出体76の上側を覆う被覆姿勢となる(
図4および
図19(a)参照)。また、第3可動装飾体82は、リンク部材86が近接姿勢より前方に突き出ると共に下方にずれた離間姿勢において、前端部が上方に傾くように傾動して、第2位置側にずれる可動演出体76から相対的に離間した展開姿勢になる(
図9参照)。第3可動装飾体82は、被覆姿勢において他の可動装飾体78,80と共通する意匠が施された意匠面
(表面)が機前側に臨み、展開姿勢において可動演出体76から退避するように上側に開いて、前記被覆姿勢において可動演出体76に臨んでいた裏面が機前側から視認可能になる。すなわち、第3可動装飾体82は、被覆姿勢と展開姿勢との間で姿勢変位するだけでなく、被覆姿勢と展開姿勢とで機前側から見える面が切り替わるようになっている。
【0067】
前記第2可動演出手段K2は、連係部材58に連係したスライド部材84の動きに対して、可動演出体76および全ての可動装飾体78,80,82が連動して動作するように構成される。すなわち、第2可動演出手段K2は、スライド部材84の第1位置において、可動演出体76が退避姿勢に保持されると共に、全ての可動装飾体78,80,82が被覆姿勢に保持されて、可動演出体76、固定装飾体88および補助装飾体94によって形成される半球状の集合装飾体の内側に可動演出体76が隠された初期状態(第1状態)となる。また、第2可動演出手段K2は、スライド部材84を第1位置から第2位置へ向けて変位すると、可動演出体76が退避姿勢から突出姿勢に向けて姿勢変位すると共に、可動装飾体78,80,82が被覆姿勢から展開姿勢に姿勢変位し、スライド部材84の第2位置において、可動演出体76が突出姿勢に保持されると共に、全ての可動装飾体78,80,82が展開姿勢に保持されて、可動演出体76が機前側から視認可能な中間状態(第2状態)となる。そして、第2可動演出手段K2は、スライド部材84を第2位置から第1位置へ向けて変位すると、可動演出体76が突出姿勢から退避姿勢に向けて姿勢変位すると共に、可動装飾体78,80,82が展開姿勢から被覆姿勢に姿勢変位し、集合装飾体に可動演出体76が隠された初期状態に戻る。第2可動演出手段K2では、可動演出体76の退避姿勢から突出姿勢へ向けて姿勢変位させる方向に該可動演出体76の自重がかかり、第1可動装飾体78および第2可動装飾体80の被覆姿勢から展開姿勢へ向けて姿勢変位させる方向に該第1可動装飾体78および第2可動装飾体80の自重がかかり、動作演出前の待機した状態から動作した状態に円滑に移り変わる。ここで、可動装飾体78,80,82は、被覆姿勢で機前側に臨む意匠面が光を反射し得るメッキなどで構成されると共に、固定装飾体88および補助装飾体94の機前側に臨む意匠面が可動装飾体78,80,82の意匠面と同様に光を反射し得るよう構成される。第1および第3可動装飾体78,80は、展開姿勢で機前側に臨む裏面が光を反射し得るものの、ツヤ消し等によって意匠面よりも反射率を下げるなどで、意匠面と裏面との装飾態様を変えている。
【0068】
(ベース発光手段)
前記第1後ベース44には、左右に離間配置された両内側壁44a,44aの前端に支持された基板ベース55が、該第1後ベース44の後壁から前方に離間した状態で設置され、この基板ベース55の前面にベース発光手段54が配設される(
図7(a)参照)。ベース本体42における第1後ベース44と第1前ベース48との設置スペースに収容されたベース発光手段54は、基板54bの前面に、LEDなどの発光体54aが複数実装され、発光体54aから前方へ光を照射し得るようになっている。なお、両支持部材56,56、連係部材58および両可動部材60,60は、基板ベース55と第1後ベース44の後壁との間に収容可能になっている。ベース発光手段54の前側に配置される前ベース組48,50、スライド部材84および回動アームは、光を透過可能に構成され、集合装飾体に覆われる中央領域に合わせて装飾カバー52に設けられたカバー発光部53が、ベース発光手段54から照射された光によって発光される。なお、実施例の装飾カバー52は、カバー発光部53が光を透過可能であるのに対し、集合装飾体の外側になる領域に、光を反射し得るメッキ加工が施される。可動演出装置40は、可動装飾体78,80,82が被覆姿勢から展開姿勢に姿勢変位することで露出する可動演出体76の後側にカバー発光部53が現れ(
図9(a)参照)、カバー発光部53の発光によって、互いに離れるように離散した可動装飾体78,80,82の内側が発光演出される。
【0069】
(実施例の作用)
前記可動演出装置40は、初期状態において、被覆姿勢にある可動装飾体78,80,82、固定装飾体88および補助装飾体94によって構成された集合装飾体に可動演出体76が隠されると共に、両可動部材60,60がベース本体42に収容されて、画像表示部17aの上側で、全体としてコンパクトにまとまっている。この初期状態において、駆動モータMから作動部材62に駆動力を伝える作動歯車68の作動軸69と作動部材62の作動溝62cからなる簡単なロック構造によって、連係部材58を上昇位置とした作動部材62を適切に支持することができるので、下降位置から上昇位置に持ち上げた連係部材58を支持するために別途のストッパなどを必要とせず、部品点数を減らすことができる。そして、連係部材58に可動部材60が設けられると共に、連係部材58に支持された連係機構を介して第2可動演出手段K2の可動物76,78,80,82が設けられているので、前記ロック構造により可動部材60および可動物76,78,80,82、これらの連係する機構の荷重が支持され、可動部材60および可動物76,78,80,82の姿勢が適切に保持される。
【0070】
前記可動演出装置40は、初期状態から中間状態に移行するにつれて、両可動部材60,60が第1姿勢を保ったままベース本体42から下方に突き出て、可動装飾体78,80,82が被覆姿勢から展開姿勢へ姿勢変位することで中央部から互いに離れるように開くと共に、可動装飾体78,80,82の裏側から可動演出体76が下降しつつ前方へ迫り出して表側に現れる。可動演出装置40は、中間状態において、突出姿勢となった可動演出体の上側から横側を囲うように、展開姿勢となった可動装飾体78,80,82が互いに離散して、可動演出体76の意匠面全体が前側から視認可能となる。このときに、ベース本体42から下方に突き出た両可動部材60,60が第1姿勢を保っており、可動演出体76と第1可動装飾体78との間に各可動部材60の下端部が位置して機前側から視認できる。このように、可動演出装置40は、初期状態から中間状態に移行に際して、可動装飾体78,80,82の姿勢変位によって集合装飾体があたかもくす玉が割れるように形状を変え、この割れた集合装飾体の中から可動演出体76が飛び出してくるような動作演出を行うことができる。ここで、複数の可動装飾体78,80,82は、初期状態から中間状態に移行する際の可動演出体76におけるベース本体42に沿う変位方向である下側に配置されたもの程、可動演出体76から離れるように姿勢変位して、初期状態から中間状態に移行に伴って下降する可動演出体76の変位方向前側が開かれるような印象を与える。ここで、中間状態において、可動演出体76が画像表示部17aの前側にかかると共に、左右の第1可動装飾体78,78の下部が画像表示部17aの前側にかかっている。
【0071】
前記可動演出装置40は、中間状態から最大動作状態に移行するにつれて、両可動部材60,60が下降しつつ前記規制部64との当接位置の変化により互いに離間するように第1姿勢から第2姿勢に向けて徐々に姿勢変位する。このときは、可動演出体76が突出姿勢で保持されると共に可動装飾体78,80,82が展開姿勢で保持されて、第2可動演出手段K2は、両可動部材60,60の動作にかかわらず前記中間状態での姿勢が保たれる。両可動部材60,60は、中間状態から最大動作状態に移行するにつれて(前記第2作動範囲での連係部材58の変位に対応)、可動演出体76および第1可動装飾体78よりも下方に突き出ると共に、第1可動装飾体78の下側に延在するように開く。このように、可動演出装置40は、初期状態から中
間状態での割れた集合装飾体の中から可動演出体76が飛び出してくるような動作演出の後に、中間状態から最大動作状態
への移行に際して、両可動部材60,60によって割れた集合装飾体の中から飾りのように垂れ下がって開くような動作演出を行わせることができる。
【0072】
前記可動演出装置40は、最大動作状態から中間状態に移行するにつれて、両可動部材60,60が上昇しつつ前記規制部64との当接位置の変化により互いに近接するように第2姿勢から第1姿勢に向けて徐々に姿勢変位する。このとき、第2可動演出手段K2は、両可動部材60,60の動作にかかわらず前記中間状態での姿勢が保たれる。前記可動演出装置40は、中間作状態から初期状態に移行するにつれて、両可動部材60,60が第1姿勢を保ったままベース本体42の内部に収容されるよう上昇し、可動装飾体78,80,82が展開姿勢から被覆姿勢へ姿勢変位することで中央部へ互いに近づくように閉じると共に、可動演出体76が上昇しつつ後退する。そして、可動演出装置40は、初期状態において、被覆姿勢にある可動装飾体78,80,82、固定装飾体88および補助装飾体94によって構成された集合装飾体に可動演出体76が隠されると共に、両可動部材60,60がベース本体42に収容される。
【0073】
前記第1可動演出手段K1によれば、可動部材60は、第1作動範囲での連係部材58の上下変位につれて第1姿勢を保ったまま上下方向に移動すると共に、第1作動範囲よりも下側の第2作動範囲での連係部材58の下降につれて、第1姿勢から第2姿勢へ向けて自重により徐々に姿勢変位する。このように、姿勢を変えることなく可動部材60が上昇または下降する態様と、下降しつつ可動部材60が第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変位する態様との異なる動作を、単一の駆動モータMによって複数の駆動モータを用いることなく行わせることができる。また、可動部材60は、第2作動範囲での連係部材58の上昇につれて、第2姿勢から第1姿勢へ向けて規制部64により押されて徐々に姿勢変位する。このように、姿勢を変えることなく可動部材60が上昇または下降する態様と、下降しつつ可動部材60が第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変位する態様と、上昇しつつ可動部材60が第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変位する態様との異なる動作を、単一の駆動モータMによって行わせることができる。すなわち、可動演出装置40は、複数の態様で動作する可動部材60による興趣のある演出を、少ない部品で実施し得ると共に、製造コストを低廉にし得る。また、前記第2作動範囲において可動部材60の姿勢変位を規定する規制部64は、可動部材60との当接面が湾曲するように形成されているので、規制部64と可動部材60との摺動負荷が軽減し、可動部材60を円滑に姿勢変位させることができる。しかも、可動演出装置40は、連係部材58の上下変位に連動して、第2可動演出手段K2を動作させることができ、可動部材60の動作と第2可動演出手段の可動物76,78,80,82の動作とを複合させた興趣に富んだ演出を、複数の駆動手段を用いることなく行うことができる。
【0074】
前記第2可動演出手段K2によれば、可動演出体76を、スライド部材84の第1位置および第2位置の間での往復移動につれて、スライド部材84の移動方向に変位させると共にベース本体42に対して近接または離間する方向に変位させることができる。このように、可動演出体76に三次元的な動作を与え得るから、可動演出体76の動作によるインパクトを高めて、遊技の興趣の増大を図り得る。また、可動演出体76を、前記第1可動演出手段K1と共用した単一の駆動モータMによって三次元的に変位させ得るから、コストを低減し得ると伴に、駆動手段の配置に要するスペースを小さくでき、省スペース化を図り得る利点がある。第2可動演出手段K2は、可動演出体76が複数の可動装飾体78,80,82に覆われた状態から現れるように動作するので、可動演出体76の動作によるインパクトをより高めて、遊技の興趣の増大を図り得る。また、可動演出体76に他の可動装飾体78,80,82が単に重なっているだけでなく、可動演出体76が、複数の可動装飾体78,80,82、固定装飾体88および補助装飾体94で画成されるスペースに収容されて隠された状態から現れるので、可動演出体76の動作によるインパクトをより高めて、遊技の興趣の増大を図り得る。更に、可動演出体76の動作と可動装飾体78,80,82の動作と前記可動部材60の動作とが複合して大きな意匠的な変化が生じるから、非常に印象的な動作演出を行い得る。
【0075】
前記第2可動演出手段K2の第1可動装飾体78は、可動演出体76を動かすスライド部材84の移動に連動して動作するので、異なる態様で動作する可動演出体76および可第1動装飾体78が複合した興趣のある演出を、第1可動演出手段K1と共用した単一の駆動モータMで達成でき、部品点数を減らしてコストを低廉にし得る。第2可動演出手段K2の第2可動装飾体80は、可動演出体76を動かすスライド部材84の移動に連動して回動して前記第1可動装飾体78を動作させる回動アーム102に連係して動作するので、異なる態様で動作する可動演出体76、第1可動装飾体78および第2可動装飾体80が複合した興趣のある演出を、複数の駆動手段を用いることなく少ない部品で実施できる。また、第2可動演出手段K2の第3可動装飾体82は、スライド部材84の移動に連動して揺動するリンク部材86に配設されて、可動演出体76を動作させるリンク部材86の揺動に連動して動作するので、異なる態様で動作する可動演出体76および複数の可動装飾体78,80,82が複合した興趣のある演出を、単一の前記駆動モータMによって実施させることができる。このように、可動演出装置40は、可動部材60および可動物76,78,80,82などの動作する部材の全てが、共用の駆動モータMの駆動力により動作するので、部品点数を減らしてコストを低廉にし得る。
【0076】
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能で、例えば以下のものを採用可能である。
(1)実施例の可動部材は、前後方向の軸周りに揺動するよう構成したが、これに限られず、左右方向の軸周りに揺動する等、その他の向きに姿勢変位させてもよい。
(2)実施例の可動部材は、第1分岐片とこの第1分岐片より小さい第2分岐片を設けることで、第1分岐片側に重心が位置するよう設定したが、形状によって重心を設定するのではなく例えば重りを取り付けるなどによって重心位置を調節してもよい。
(3)可動部材の数は、2つ
に限られず、1つであっても、3つ以上であってもよい。また、複数の可動部材の配置も左右に並ぶ構成に限られず、前後または上下などの関係で配置してもよい。
(4)隣り合う可動部材が、互いに近接・離間するように姿勢変位する構成に限られず、同じ方向に姿勢変位するようにしてもよい。
(5)複数の可動部材は、同期して第1姿勢および第2姿勢の間で姿勢変位する構成に限られず、規制部との当接可能範囲をずらすことで、異なる期間でずれて姿勢変位するようにしてもよい。
(6)可動演出体の三次元的な動作態様は、実施例に限られず、例えばベースに沿って前後方向に移動しつつベースに対して近接・離間するように上下方向に移動する構成であってもよい。
(7)可動装飾体の全部または一部を省略してもよく、可動装飾体の動作態様も実施例に限定されない。
(8)駆動手段としては、モータに限られず、ソレノイドやその他の手段を用いることができる。
(9)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
【0077】
(10)可動部材を省略することも可能である。