特許第5972236号(P5972236)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5972236撹拌機構、トナー容器、及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5972236
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】撹拌機構、トナー容器、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20160804BHJP
【FI】
   G03G15/08 362
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-175417(P2013-175417)
(22)【出願日】2013年8月27日
(65)【公開番号】特開2015-45683(P2015-45683A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2015年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】鳥本 賢
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−133479(JP,A)
【文献】 実開昭61−190554(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3164687(JP,U)
【文献】 特開2003−13987(JP,A)
【文献】 特開2003−57928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容するトナー容器の内部に設けられる撹拌機構であって、
記トナー容器の内部に回転可能に設けられ、回転軸方向に直交する第1方向へ貫通する貫通孔が形成された回転軸部材と、
前記回転軸部材の回転に伴って同じ回転方向へ回動可能に前記回転軸部材に支持され、前記回転軸部材から前記回転軸方向及び前記第1方向それぞれに直交する第2方向へ延出しており、前記トナーを撹拌するためのフィルム形状の撹拌部材と、
前記回転軸部材の外壁に一体に設けられており、前記撹拌部材と平行に前記回転軸部材から前記第2方向へ突出する板状の突出部材と、を備える撹拌機構。
【請求項2】
前記回転軸部材は、
前記第2方向に隔てられ前記回転軸方向に延びる一対の前記外壁と、
一方の前記外壁における前記第1方向の端部に設けられ、前記第2方向に沿って他方の前記外壁へ向けて突出しており、前記撹拌部材を前記第2方向に沿うように支持する支持部と、を有する請求項1に記載の撹拌機構。
【請求項3】
前記回転軸方向に沿って複数の前記貫通孔が形成されており、隣接する前記貫通孔を隔てる隔壁は前記第1方向に対して傾斜する傾斜面を有する請求項1又は2に記載の撹拌機構。
【請求項4】
前記傾斜面は、湾曲形状である請求項3に記載の撹拌機構。
【請求項5】
前記突出部材は、前記回転軸方向に沿って延在している請求項1から4のいずれかに記載の撹拌機構。
【請求項6】
前記突出部材は、一対の前記外壁それぞれに設けられている請求項2に記載の撹拌機構。
【請求項7】
請求項1からのいずれかに記載の撹拌機構と、
トナーを収容する容器本体と、を備えるトナー容器。
【請求項8】
請求項に記載のトナー容器と、
前記トナー容器から供給されたトナーを用いて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー容器内のトナーを撹拌するための撹拌機構、撹拌機構を備えたトナー容器、及びトナー容器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって印刷用紙に画像を形成する複写機やプリンター等の画像形成装置には現像装置が搭載されている。現像装置の内部にはトナーを含む現像剤が収容されている。現像装置は、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を前記現像剤に含まれるトナーによって現像する。現像が行われることにより現像装置の内部のトナーが減少する。そのため、画像形成装置は、トナーが収容されたトナー容器を備えており、トナー容器から現像装置へトナーを補給するように構成されている(特許文献1乃至3参照)。また、前記トナー容器は、画像形成装置に対して着脱可能に構成されており、トナー容器内のトナーが全て消費されると、トナーが充填された新たなトナー容器に交換される。
【0003】
この種のトナー容器の内部には、収容されているトナーを撹拌するための撹拌機構が設けられている(特許文献1及び2参照)。前記撹拌機構は、回転軸と、撹拌部材とを備えている。前記回転軸は、トナー容器の内部で回転可能に支持されている。前記撹拌部材は、樹脂フィルムなどで形成されたパドル形状であり、前記回転軸に固定されている。前記回転軸が回転されることにより、前記撹拌部材も回転軸と同方向へ回転する。これにより、トナー容器の内部のトナーが撹拌される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−347493号公報
【特許文献2】特開2007−316447号公報
【特許文献3】特開2010−113262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の撹拌機構で採用されている前記回転軸の一例として、前掲の特許文献1には、回転軸方向に直交する方向を深さ方向とする溝を有する回転軸が開示されている。前記回転軸に溝が形成されることにより、回転軸の軽量化或いは回転負荷の低減が可能である。しかしながら、前記溝にトナーが入り込んだ場合、溝の内面及び底面で区画された閉塞空間にトナーが閉じ込められる。そのため、溝内のトナーは十分に撹拌されなくなり、他のトナーに比べて劣化し易い。また、溝に入り込んだトナーが溝内で凝集してトナー塊になる場合がある。このトナー塊が溝から排出されると、トナー塊によって撹拌部材の回転が不安定になりトナー容器内でトナーが十分に撹拌されなくなるおそれがある。また、トナー塊が撹拌部材に衝突して異音が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トナー容器内のトナーを劣化させたり凝集させたりすることなく、むら無く一様に撹拌することが可能な撹拌機構、トナー容器、及びトナー容器を備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る撹拌機構は、トナーを収容するトナー容器の内部に設けられている。この撹拌機構は、回転軸部材を備える。前記回転軸部材は、前記トナーを撹拌するための撹拌部材を支持する。前記回転軸部材は、前記撹拌部材とともに前記トナー容器の内部に回転可能に設けられている。前記回転軸部材は、回転軸方向に直交する第1方向へ貫通する貫通孔が形成されている。
【0008】
本発明の他の局面に係るトナー容器は、前述の撹拌機構と、トナーを収容する容器本体と、を備える。
【0009】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前述のトナー容器と、前記トナー容器から供給されたトナーを用いて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備える。
【0010】
本概要は、添付の図面を適宜参照しつつ、以下の詳細な説明に記載される概念をまとめたものを簡略化した形態で紹介するために設けられる。本概要は、請求項に記載の主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、請求項に記載の主題の範囲を限定することを意図したものでもない。さらに、請求項に記載された対象は、本開示のいずれの部分において記載される一部或いは全ての欠点を解決する実施形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トナー容器内のトナーを劣化させたり凝集させたりすることなく、むら無く一様に撹拌することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るトナー容器が図1の画像形成装置に装着された状態を示す図である。
図3図1に示す画像形成装置が備える容器装着部、及び本発明の実施形態に係るトナー容器を示す斜視図である。
図4図3に示すトナー容器の構成を示す斜め上方から見た斜視図である。
図5図3に示すトナー容器の構成を示す斜め下方から見た斜視図である。
図6図4における切断面VI−VIの断面を示す断面図である。
図7図6における切断線VII−VIIの断面を示す断面図である。
図8】本発明の実施形態に係る撹拌機構の構成を示す斜視図である。
図9図8に示す撹拌機構の構成を示す斜視図である。
図10図8における切断面X−Xの断面を示す断面図である。
図11図8に示す撹拌機構の変形例を示す図である。
図12図8に示す撹拌機構の他の変形例を示す図である。
図13】本発明の他の実施形態に撹拌機構の構成を示す図である。
図14】本発明の他の実施形態に撹拌機構の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るトナー容器(トナーコンテナ)60及び画像形成装置10について説明する。以下の説明では、画像形成装置10が平坦面に設置された状態を基準として上下方向7を定義する。また、トナー容器60が挿入される側を手前側(正面側)として前後方向8を定義する。また、画像形成装置10を手前側(正面側)から見て左右方向9を定義する。
【0014】
[画像形成装置10の概略構成]
画像形成装置10は、少なくとも印刷機能を備えた装置であり、例えば、複合機である。画像形成装置10は、トナーを含む現像剤を用いて、シート状の印刷用紙P(記録媒体)に画像を印刷する。なお、画像形成装置10は複合機に限られず、プリンターやFAX装置、複写機などのように単一機能を有する専用機であってもよい。
【0015】
図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は、主として、画像読取部11、原稿カバー20、ADF(Auto Document Feeder)21、画像形成部22、操作表示部24、給紙装置25、定着装置26、容器装着部40、ロック部材90、トナー容器60、及び画像形成装置10を統括的に制御する制御部(不図示)を備えている。これらの構成要素は、画像形成装置10の外部フレーム(不図示)や内部フレーム29(図2参照)などを構成する筐体28に取り付けられている。
【0016】
画像読取部11は、コンタクトガラス17に載置された原稿から画像データを読み取る画像読取処理を実行する。図1に示されるように、画像読取部11は、読取ユニット12、ミラー13,14、光学レンズ15、及びCCD16などを備えている。読取ユニット12は、LEDなどの光源などを備えており、ステッピングモーター等のモーターを用いた不図示の移動機構によって副走査方向(図1における左右方向9)へ移動可能に構成されている。そして、前記モーターによって読取ユニット12が前記副走査方向へ移動されると、前記光源から画像読取部11のコンタクトガラス17へ向けて照射される光が前記副走査方向へ走査される。この走査によって原稿で反射した光はミラー13へ向けて反射され、更にミラー14によって光学レンズ15に導かれる。そして、光学レンズ15は、入射した光を集光してCCD16に入射させる。CCD16は、受光した光量に応じた光量データを前記制御部に出力する。前記制御部では、光が照射された領域全体における光量データが得られると、その光量データを処理することによって、前記光量データから原稿の画像データを生成する。なお、本実施形態では、撮像素子としてCCD16を用いた例について説明するが、CCD16による読取機構に代えて、CCD16よりも焦点距離の短い密着型のイメージセンサー(CIS: Contact Image Sensor)を用いた読取機構を適用することも可能である。
【0017】
原稿カバー20には、ADF21が設けられている。ADF21は、原稿セット部21Aにセットされた原稿を複数の搬送ローラー(不図示)によって順次搬送して、コンタクトガラス17上に定められた読取位置を前記副走査方向の右向きへ通過するように原稿を移動させる。ADF21による原稿の移動時は、前記読取位置の下方に読取ユニット12が配置され、この位置で読取ユニット12によって移動中の原稿の画像が読み取られる。
【0018】
画像形成部22は、所謂電子写真方式に基づいて印刷用紙Pに画像を形成する画像形成処理を実行する。画像形成部22は、画像読取部11によって読み取られた画像データ、又は不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データに基づいて、印刷用紙Pに画像を印刷する。例えば、パーソナルコンピューターから印刷ジョブが転送されると、その印刷ジョブに含まれる画像データ及び印刷条件に基づいて、印刷用紙Pに画像を印刷する。図1に示されるように、画像形成部22は、感光体ドラム31、帯電装置32、現像装置33、転写装置35、除電装置36、露光装置(LSU:Laser Scanner Unit)37などを備えている。
【0019】
画像形成部22による画像形成処理が開始されると、帯電装置32によって感光体ドラム31の表面が一様の電位に帯電される。そして、露光装置37から感光体ドラム31に対して画像データに応じたレーザー光が走査される。これにより、感光体ドラム31に静電潜像が形成される。その後、現像装置33による現像処理によって静電潜像にトナーが付着されて、感光体ドラム31にトナー像が形成される。そして、そのトナー像が転写装置35によって、搬送路を搬送される印刷用紙Pに転写される。トナー像が転写された印刷用紙Pは、画像形成部22よりも印刷用紙Pの搬送方向の下流側(図1において右側)に配置された定着装置26に搬送される。
【0020】
定着装置26は、印刷用紙Pに転写されたトナー像を熱によってその印刷用紙Pに定着させる。定着装置26は、加熱ローラー38と加圧ローラー39とを備える。加圧ローラー39は、バネなどの弾性部材によって加熱ローラー38側へ付勢されている。これにより、加圧ローラー39は加熱ローラー38に圧接される。加熱ローラー38は、定着動作時にヒーターによって高温に加熱される。印刷用紙Pが定着装置26を通過する際に加熱ローラー38によってトナー像を構成するトナーが加熱されて溶融され、また、加圧ローラー39によって印刷用紙Pが加圧される。これにより、定着装置26によって印刷用紙Pにトナーが定着されて、印刷用紙Pに画像が形成される。
【0021】
[容器装着部40の構成]
図2に示されるように、容器装着部40は、筐体28の内部フレーム29に固定されている。容器装着部40は、トナー容器60を着脱可能に装着する。つまり、トナー容器60は、容器装着部40によって画像形成装置10に着脱可能に装着される。容器装着部40は、トナー容器60を前後方向8(挿抜方向)へスライド可能なように支持する。図3に示されるように、容器装着部40は、支持台41と、駆動伝達部42とを有している。支持台41は、トナー容器60をその底面64側から支持するものであり、前後方向8に長い板形状に形成されている。支持台41の上面には、前後方向8に延びる一対のガイド溝44が設けられている。一対のガイド溝44それぞれは、左右方向9へ隔てられた位置に配置されている。一対のガイド溝44は、前後方向8へトナー容器60を案内するためのものである。一対のガイド溝44に、トナー容器60の底面64に設けられた後述のレール状のガイド部85が挿入される。これにより、トナー容器60が前後方向8へスライド可能なように容器装着部40に支持される。なお、ガイド溝44は、前後方向8に沿って直線状に連続するものであってもよく、或いは、前後方向8に沿って断続的に設けられたものであってもよい。
【0022】
ガイド溝44には、その溝中心へ向けて突出する庇形状の規制片45が設けられている。図3において左側に配置されたガイド溝44の規制片45は、ガイド溝44の左端部から溝中心へ向けて突出している。また、図3において右側に配置されたガイド溝44の規制片45は、ガイド溝44の右端部から溝中心へ向けて突出している。これらの規制片45は、トナー容器60の挿入時に、ガイド部85に設けられた後述の突出片88(図4参照)と上下方向7に係合する。これにより、トナー容器60が上下方向7へ移動することが規制される。
【0023】
図3に示されるように支持台41の前方側の端部の付近には、上下方向7に貫通する貫通孔46が設けられている。貫通孔46は、トナー容器60が容器装着部40に装着されたときに、トナー容器60の供給口67(図5参照)から供給されるトナーを現像装置33へ送るトナー搬送路である。本実施形態では、トナー容器60が容器装着部40に定められた装着位置に装着されたときにトナー容器60の供給口67が貫通孔46の上側に配置される。つまり、前記装着位置は、トナー容器60の容器本体61から現像装置33にトナーを供給可能な位置である。
【0024】
支持台41の上面には、電気的な接続を可能にする接触端子47が設けられている。接触端子47は、支持台41の上面において後方側の端部の周辺に設けられている。この接触端子47は、トナー容器60が容器装着部40の前記装着位置に装着されたときに、トナー容器60が備える記憶部(不図示)の端子と電気的に接触する。
【0025】
また、支持台41の上面には、トナー容器60の装着を許容するかどうかを決める識別部48が設けられている。識別部48は、支持台41の上面において前後方向8の中央付近に設けられている。識別部48は、予め定められたパターン形状の突起49を備えている。この突起49に対応するパターン形状の被識別部79(図5参照)を有するトナー容器60が挿入された場合に、その挿入が許容されて、トナー容器60が前記装着位置まで挿入可能となる。なお、突起49に対応しない他の被識別部79を有するトナー容器60が挿入された場合は、識別部48によってトナー容器60の挿入が規制される。
【0026】
支持台41の後方端部には、2つの位置決め孔50が設けられている。位置決め孔50は、トナー容器60が容器装着部40に装着されたときに、トナー容器60を前記装着位置に位置決めするために用いられる。位置決め孔50は、支持台41の上面の後端から上方へ延びる壁面51に設けられている。位置決め孔50は、壁面51から後方へ貫通する貫通孔である。これらの位置決め孔50にトナー容器60が備える後述の位置決め部材82(図5参照)が挿入されることにより、トナー容器60が前記装着位置で位置決めされて、前記装着位置に確実に装着される。
【0027】
図3に示されるように、駆動伝達部42には、2つのジョイント53,54が設けられている。各ジョイント53,54にモーター(不図示)の回転駆動力が伝達される。ジョイント53は、駆動伝達部42の概ね中央に設けられている。ジョイント53は、トナー容器60が容器装着部40に装着されたときに、トナー容器60の内部に設けられた撹拌機構56(図6及び図7参照)のジョイント57(図7参照)に連結される。ジョイント54は、駆動伝達部42における右下の隅部に設けられている。ジョイント54は、トナー容器60が容器装着部40に装着されたときに、トナー容器60の内部に設けられたスパイラル軸58(図6参照)のジョイント59(図5参照)に連結される。
【0028】
[ロック部材90の構成]
図2は、トナー容器60が容器装着部40に装着された状態を示す図である。図2には、画像形成装置10の前面カバーが外された状態であって、前面側に露出された容器装着部40の周辺の構成が示されている。図2に示されるように、ロック部材90は、筐体28の内部フレーム29に取り付けられている。より詳細には、ロック部材90は、左右方向9へ移動可能なように内部フレーム9に支持されている。ロック部材90は、トナー容器60が容器装着部40の前記装着位置に装着されたときに、トナー容器60に設けられた突出部(不図示)と係合して、トナー容器60を前記装着位置に固定する。ロック部材90は、例えば爪形状に形成されている。本実施形態では、ロック部材90は、前記突出部(不図示)に引っ掛かってトナー容器60が手前側へ移動することを規制するロック位置(図2に示される位置)と、前記ロック位置から左側へ移動してトナー容器60を容器装着部40から手前側へ脱抜可能な非ロック位置との間で移動可能に支持されている。ロック部材90は、例えばバネなどの弾性部材によって前記ロック位置側へ付勢されており、ユーザーがロック部材90を前記ロック位置から前記非ロック位置まで移動させることにより、ロック部材90によるトナー容器60のロックが解除される。
【0029】
[トナー容器60の構成]
以下、図3乃至図10を参照して、トナー容器60の構成について詳細に説明する。なお、各図では、筐体28に装着されているときのトナー容器60の姿勢(装着姿勢)を基準にして、鉛直方向を上下方向7とし、筐体28に対する挿抜方向を前後方向8とし、前記装着姿勢のときの前面から見て水平方向を左右方向9としている。
【0030】
トナー容器60は、現像装置33にトナーを供給するものである。図1に示されるように、トナー容器60は、筐体28の上部の左側に設けられている。より詳細には、トナー容器60は、現像装置33の左上方側に配置されている。トナー容器60は、筐体28に設けられた容器装着部40に対して着脱可能に構成されており、容器装着部40に対して挿抜可能なように前後方向8へスライド可能に支持されている。
【0031】
図3に示されるように、トナー容器60は、前後方向8に長い形状に形成されている。トナー容器60は、容器本体61と、蓋体62とを備えている。
【0032】
容器本体61は、トナーを収容するためのものであり、前後方向8に長い箱状に形成されている。容器本体61は、下向きに湾曲した概ね円弧形状の底面64と、上面が大きく開放された長方形状の開口部65(図6参照)とを有する。容器本体61に、現像装置33による現像処理に使用されるトナーが収容される。容器本体61は、溶融した合成樹脂を金型に流し込み、射出成形(インジェクション成形)することによって形成される合成樹脂製品である。一般に、溶解した合成樹脂は冷えて固まると収縮する。そのため、収縮によって容器本体61の表面に所謂「ヒケ」が生じないように、容器本体61は、いずれの部位も均等な肉厚となるように形成されている。つまり、容器本体61の外壁はどの部分も均等な肉厚に形成されている。なお、「ヒケ」とは、合成樹脂製品において肉厚不均等により生じる収縮差を原因とする凹みや窪み、歪みなどの変形のことをいう。容器本体61の材料は、熱可塑性の合成樹脂を使用することができる。具体的には、ABS樹脂やPET樹脂(ポリエチレンテレフタラート)、或いはこれらを主成分とする合成樹脂が容器本体61の材料として用いられる。
【0033】
蓋体62は、容器本体61の上面の開口部65に対応する形状に形成されており、前後方向8に長い長方形状に形成されている。蓋体62は、容器本体61の開口部65を覆うものであり、開口部65の周縁に当接される外周部71と、外周部71から若干盛り上がった内壁部73とを有している。蓋体62は、容器本体61と同様に、射出成形によって形成される合成樹脂製品である。
【0034】
図5に示されるように、容器本体61は、一対のガイド部85を備える。ガイド部85は、容器本体61の底面64に設けられている。一対のガイド部85は、トナー容器60が容器装着部40に対して挿入された場合に、前記装着位置へ向かう装着方向へ容器本体61を案内可能にするものである。具体的には、一対のガイド部85それぞれは、前記装着方向(前後方向8に一致する方向)へ延びる細幅のレール形状に形成されている。一対のガイド部85それぞれは、底面64においてガイド溝44(図3参照)に対応する位置に設けられている。各ガイド部85がガイド溝44に挿入されてガイド溝44に沿って案内されることより、容器本体61が前記装着方向へ案内される。本実施形態では、各ガイド部85は、容器本体61の後方側の奥面66まで延在している。
【0035】
各ガイド部85は、底面64に対して垂直な方向へ突出しており、その先端部には突出片88が設けられている。突出片88は、各ガイド部85それぞれに一つずつ設けられている。突出片88は、各ガイド部85それぞれの側面に直交する左右方向9(直交方向)へ突出している。図5において左側に配置されたガイド部85の突出片88は、ガイド部85の先端部から左側へ向けて突出している。また、図5において右側に配置されたガイド部85の突出片88は、ガイド部85の先端部から右側へ向けて突出している。本実施形態では、突出片88は、ガイド部85において奥面66側に設けられている。
【0036】
トナー容器60が容器装着部40に挿入されたときに、各ガイド部85がガイド溝44に挿入される。ガイド部85がガイド溝44に挿入された状態で、ガイド部85の移動方向がガイド溝44に沿う方向に規制される。また、ガイド部85がガイド溝44に挿入された状態で、ガイド部85の突出片88がガイド溝44の規制片45と係合して、突出片88が上下方向7へ移動することが規制される。言い換えると、トナー容器60が容器装着部40に対して前後方向8の後方(装着方向)へ挿入されたときに、各ガイド部85は、容器本体61を左右方向9へずれ動かないように位置決めしつつ、容器本体61をガイド溝44に沿って後方へ案内する。また、トナー容器60が容器装着部40に対して前後方向8の後方(装着方向)へ挿入されたときに、突出片88は、容器本体61を底面64に対して垂直な方向である上下方向7へずれ動かないように位置決めしつつ、容器本体61を後方へ案内する。
【0037】
このようなガイド部85が設けられているため、ガイド部85によって左右方向9のがたつきが防止されるとともに、上下方向7のがたつきも防止される。その結果、装着時の挿入作業、及び脱抜時の引き出し作業におけるトナー容器60の取り扱いが円滑となり、トナー容器60の着脱時の操作性を向上させることが可能になる。
【0038】
また、図5及び図7に示されるように、容器本体61の奥面66には、ピン形状の2つの位置決め部材82が設けられている。位置決め部材82は、奥面66から後方へ突出している。位置決め部材82は、容器装着部40が備える位置決め孔50に対応する位置に設けられている。トナー容器60が容器装着部40の前記装着位置に装着されたときに、位置決め部材82が位置決め孔50に挿入される。これにより、トナー容器60が容器装着部40において前記装着位置に位置決めされて、前記装着位置に確実に装着される。
【0039】
上述したように、容器本体61は、金型を用いて溶融した合成樹脂を射出成形することによって形成される。このような合成樹脂製品である容器本体61は、湾曲した底面64側を形成する金型と、容器本体61の上面側を形成する金型とが必要である。また、奥面66側に設けられた突出片88は左右方向9へ突出しており、位置決め部材82は前後方向8に突出しているため、これらは前述の2つの金型だけでは形成できない。つまり、容器本体61の奥面66を含む後方側の奥端部を形成するためのスライドコア(スライド金型)が必要となる。このスライドコアは型抜き時に後方へスライド移動される。本実施形態では、突出片88や位置決め部材82は容器本体61の後方側に設けられているため、前記スライドコアを用いることにより射出成形により形成することが可能となる。
【0040】
[撹拌機構110の構成]
図6に示されるように、トナー容器60は撹拌機構56を備えている。撹拌機構56はトナー容器60の内部に設けられている。撹拌機構56は、トナー容器60に収容されているトナーを撹拌するものである。撹拌機構56は、回転軸部材111と、撹拌部材112とを備えている。
【0041】
撹拌部材112は、PET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂などの弾性材料で構成されており、厚みの薄いフィルム形状に形成されている。もちろん、撹拌部材112は、PET樹脂に限られず、塩化ビニルやポリカーボネートなどの合成樹脂で構成されてもよい。図8及び図9に示されるように、撹拌部材112は、回転軸部材111に取り付けられている。本実施形態では、撹拌部材112は、回転軸部材111においてその長手方向の全体に亘って取り付けられている。撹拌部材112は、回転軸部材111の長手方向に沿って長い形状に形成されている。撹拌部材112は、先端部113から被取付部114へ向けて形成された複数の切り込み115を有する。これにより、切り込み115に隣接する可動片116が独立して回転軸部材111の軸回りに撓むことができる。可動片116それぞれは、撹拌効率を上げるために、適宜のサイズの開口部117を有する。
【0042】
なお、図6に示されるように、撹拌部材112がトナー容器60の内部に配置された状態で、撹拌部材112の先端部113の側面がトナー容器60の内面に密接される。つまり、撹拌部材113の被取付部114から先端部113までの寸法は、回転軸部材111からトナー容器60の内面までの寸法よりも長い。したがって、撹拌部材112がトナー容器60の内部に配置されると、先端部113が撓まされて、先端部113の側面がトナー容器60の内面に密接する。
【0043】
図7に示されるように、回転軸部材111は、撹拌部材112とともに回転可能なように、トナー容器60の内部に設けられている。なお、図7では、撹拌部材113の図示が省略されている。回転軸部材111は、一方向に長い形状に形成された軸部材である。回転軸部材111は、容器本体61に回転可能に支持されている。本実施形態では、回転軸部材111の長手方向の両端が容器本体61の外壁に回転可能に支持されている。具体的には、回転軸部材111は、軸本体120を有する。軸本体120は、回転軸部材111の軸方向の長い形状である。軸本体120は、その長手方向の一方端に支軸121を有する。支軸121は、容器本体61の長手方向の一方側の側面63に回転可能に支持されている。軸本体120の他方端に軸孔122が形成されている。奥面66の貫通孔124にジョイント57が外側から挿通されて、軸孔122にジョイント57の軸部57Aが挿入される。これにより、軸本体120の他方端が奥面66に回転可能に支持される。このように、回転軸部材111は、支軸121、軸孔122、及びジョイント57によってトナー容器60の内部に回転可能に支持される。
【0044】
図8及び図10に示されるように、軸本体120は、複数の貫通孔132を有する。貫通孔132は、回転軸部材111の回転軸方向146(回転軸部材111の長手方向に一致する方向)に直交する方向147(以下「第1方向」という。)へ貫通している。つまり、回転軸部材111には、前記第1方向147へ貫通する貫通孔132が形成されている。本実施形態では、全ての貫通孔132が、軸本体120に対して同方向へ貫通している。
【0045】
図8に示されるように、各貫通孔132は、隔壁130によって前記回転軸方向146に隔てられている。つまり、前記回転軸方向146に隣接する貫通孔132の間に隔壁130が設けられている。隔壁130は、貫通孔132の貫通方向と同じ方向、つまり、前記第1方向147へ延在している。
【0046】
図8及び図10に示されるように、軸本体120は、前記回転軸方向に沿って延びる2つの板状の外壁134,135を有する。外壁134,135は、隔壁130に直交している。外壁134,135は、前記回転軸方向146及び前記第1方向147それぞれに直交する方向148(以下「第2方向」という。)に隔てられており、前記回転軸方向146に平行に設けられている。つまり、外壁134,135は、前記第2方向148に隔てられた一対の板状の部材である。貫通孔132は、外壁134,135及び隔壁130によって区画されている。
【0047】
図9及び図10に示されるように、軸本体120は、支持部127を有する。支持部127は、撹拌部材112の被取付部114を支持するためのものである。支持部127は、外壁134,135のうちの一方の外壁135に設けられている。詳細には、支持部127は、外壁135において前記第1方向147の一方の端部に設けられている。支持部127は、外壁135の端部から他方の外壁134へ向けて突出する突出片である。複数の支持部127が、前記回転軸方向146に隔てられて配置されている。各支持部127は、撹拌部材112の可動片116に対応する位置に設けられている。本実施形態では、可動片116と同じ数の支持部127が設けられている。この支持部127に撹拌部材112の被取付部114が接合されている。被取付部114の接合方法としては、支持部127に設けられた爪部材(不図示)との係合や、支持部127と被取付部114との接着などが考えられる。
【0048】
外壁134,135それぞれは、突出部材137を有する。言い換えると、突出部材137は、一対の外壁134,135それぞれに設けられている。突出部材137は、前記回転軸方向146及び前記第1方向147それぞれに直交する前記第2方向148へ突出する板状の部材である。突出部材137は、外壁134,135それぞれの外側面から該外側面に垂直な方向(前記第2方向148に一致する方向)へ突出している。突出部材137は、外壁134,135において前記回転軸方向146に沿って延在している。具体的には、突出部材137は、外壁134,135において前記第1方向147の中央に設けられており、前記回転軸方向146へ軸本体120の長手方向の全体にわたって設けられている。本実施形態では、突出部材137は、後述するように金型による射出成形によって軸本体120と一体に形成される。このため、突出部材137は、軸本体120の強度を向上させる補強リブの役割を担う。なお、突出部材137は、外壁134,135のいずれにもあることが好ましいが、いずれか一方だけに設けられていてもよい。
【0049】
回転軸部材111は、溶融した合成樹脂を金型に流し込み、射出成形(インジェクション成形)することによって製造される合成樹脂製品である。合成樹脂としては、ABS樹脂やPET樹脂(ポリエチレンテレフタラート)、或いはこれらを主成分とする合成樹脂が用いられる。本実施形態では、回転軸部材111は、貫通孔132の貫通方向と同じ前記第1方向147の抜き勾配を有する金型を用いて熱可塑性のPET樹脂を射出成形することによって形成される。回転軸部材111は、前記第1方向147の貫通孔132が形成されているため、前記金型の抜き勾配の方向を貫通孔132の貫通方向(第1方向147)と同方向とする。これにより、金型で回転軸部材111を容易に射出成形することができる。また、溶融した合成樹脂の流路が前記第1方向147だけであるから、金型に対する合成樹脂の充填効率が上がり、金型に合成樹脂が行きわたるまでの時間が短時間で済む。これにより、成形効率が向上する。
【0050】
このように撹拌機構56が構成されているため、撹拌機構56を備えたトナー容器60が容器装着部40に装着されると、駆動伝達部42のジョイント53がジョイント57に連結される。これにより、モーター(不図示)の回転駆動力がジョイント53及びジョイント57を介して回転軸部材111に伝達される。前記回転駆動力によって回転軸部材111が回転すると、回転軸部材111の回転に伴って同方向へ撹拌部材112が回転軸部材111の軸回りを回転移動する。本実施形態では、回転軸部材111及び撹拌部材112は、図6において反時計回転方向(矢印123の方向)へ回転する。これにより、回転軸部材111の回動によって撹拌部材112が回転移動し、トナー容器60内のトナーが適度に撹拌される。また、このように撹拌されたトナーがスパイラル軸58(図6参照)によって供給口67へ運ばれることにより、現像装置33に均等な品質のトナーが補給される。
【0051】
また、回転軸部材111には貫通孔132が形成されており、この貫通孔132には従来の溝のように底面を有しないから、仮に貫通孔132にトナーが入り込んでも、貫通孔132の反対側から容易に排出される。これにより、貫通孔132内にトナーが滞留することもなく、もちろん、貫通孔132内でトナーが凝縮して塊になることもない。このため、撹拌機構56によって、トナー容器60内のトナーがむら無く一様に撹拌される。
【0052】
また、軸本体120の外壁134,135に突出部材137が設けられているため、回転軸部材111は、突出部材137によって回転軸方向146の強度が上がる。これにより、複数の貫通孔132が設けられることによる強度低下が突出部材137によって補われる。
【0053】
なお、上述の実施形態では、前記第1方向147に延びる隔壁130を有する回転軸部材111を例示したが、本発明はこれに限られない。例えば、図11に示されるように、隣接する貫通孔132を隔てる隔壁130Aが設けられた回転軸部材111Aが適用可能である。ここで、図11(A)は、回転軸部材111Aの構成を示す斜視図であり、図11(B)は、回転軸部材111Aを外壁134の上方から見たときの隔壁130Aの配置を示す図である。この回転軸部材111Aにおいて、隔壁130Aは、前記第1方向147に対して傾斜する傾斜面を有している。このような回転軸部材111Aであれば、回転軸部材111Aが回転することにより、隔壁130Aの傾斜面が前記回転軸方向146へ移動させる力をトナーに付与する。これにより、貫通孔132に入り込んだトナーが排出されやすくなる。また、トナーが前記回転軸方向146へ移動するため、回転軸回りの撹拌に加え前記回転軸方向146へも撹拌される。この場合、隔壁130Aの傾斜面は、湾曲形状に形成されていてもよい。このような隔壁130Aであっても、貫通孔132からトナーが排出されやすくなる。
【0054】
また、上述の実施形態では、複数の貫通孔132が形成された回転軸部材111を例示したが、本発明はこれに限られない。例えば、図12(A)に示されるように、軸本体120の長手方向にわたって形成された一つの貫通孔132が形成された回転軸部材111Bが適用可能である。
【0055】
また、上述の実施形態では、軸本体120に突出部材137が設けられた回転軸部材111を例示したが、本発明はこれに限られない。例えば、図12(B)に示されるように、突出部材137が設けられておらず、一つの貫通孔132が形成された回転軸部材111Bが適用可能である。
【0056】
また、上述の実施形態に係る撹拌機構56に代えて、図13に示される撹拌機構56Aが適用可能である。撹拌機構56Aにおいては、撹拌部材112を有しておらず、前記第2方向へ長い形状の突出部材137Aが設けられた回転軸部材111を備えている。突出部材137Aが長尺な形状とされることにより、突出部材137Aが撹拌部材112に代わってトナーを撹拌する。つまり、突出部材137Aが撹拌部材112の役割を担う。突出部材137Aは、トナー容器60の内壁の内面まで延出している。これにより、トナー容器60内のトナーが均等に撹拌される。
【0057】
また、上述の実施形態に係る撹拌機構56に代えて、図14に示される撹拌機構56Bが適用可能である。撹拌機構56Bにおいては、撹拌部材112を有しておらず、複数の突出部材137Bが設けられた回転軸部材111Dを備えている。回転軸部材111Dでは、複数の突出部材137Bは、前記回転軸方向146に隔てて等間隔に軸本体120の外壁134,135に設けられている。また、複数の突出部材137Bそれぞれは、前記回転軸方向146に対して同方向に所定角度だけ傾斜している。このような回転軸部材111Dを有する撹拌機構56Bが適用されることにより、突出部材137Bによってトナーが均等に撹拌され、また、複数の突出部材137Bによってトナーが一方向へ搬送される。また、回転軸部材111の突出部材137Bが撹拌部材112の役目とスパイラル軸58の役目を担うことができる。つまり、撹拌部材112及びスパイラル軸58を設けずに撹拌機構56を実現することができる。なお、前記所定角度は、トナーの搬送速度に応じて適宜の角度に設定される。また、突出部材137Bは、トナー容器60のサイズやトナーの撹拌具合に応じて適宜のサイズに設定される。
【0058】
なお、上述の実施形態では、撹拌機構56,56A,56Bを有するトナー容器60、及びトナー容器60を備えた画像形成装置10について説明したが、本発明は撹拌機構56,56A,56B単体として実現することが可能である。
【0059】
本発明の範囲は、請求項の記載に先行する詳細な説明ではなく、添付の請求項の記載により定義されるので、本明細書に記載の実施形態は、例示に過ぎず、かつ非限定的であると理解されたい。従って、特許請求の境界・限界から逸脱しない変更の全て、または境界・限界の均等物は、特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0060】
10:画像形成装置
11:画像読取部
22:画像形成部
33:現像装置
40:容器装着部
44:ガイド溝
56:撹拌機構
60:トナー容器
61:容器本体
63:側面
66:奥面
67:供給口
111:回転軸部材
112:撹拌部材
130:隔壁
132:貫通孔
134,135:外壁
137:突出部材
146:回転軸方向
147:第1方向
148:第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14