(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態>
〔画像形成システムXの全体の構成〕
まず、
図6を参照して、画像形成装置1、サーバー2、及び端末3を含む画像形成システムXの全体の構成について説明する。
画像形成装置1は、ステータス表示が可能なMFP等の画像形成装置である。
サーバー2は、後述するようにログインやステータス情報400(
図1)の蓄積を行うPC/AT互換機等のサーバーである。
端末3は、ユーザーが作成した印刷データ300を送信可能なPC/AT互換機等のPCやスマートフォンや携帯電話やタブレット端末等である。
画像形成装置1、サーバー2、及び端末3は、LAN、無線LAN、WAN、携帯電話網等のネットワーク5に接続されている。
【0011】
画像形成装置1は、画像処理部11、原稿読取部12、原稿給送部13、搬送部(給紙ローラー42b、搬送ローラー対44、排出ローラー対45)、ネットワーク送受信部15、操作パネル部16、画像形成部17(画像形成手段)、FAX送受信部18(FAX送受信手段)、及び記憶部19等が、制御部10に接続されている。各部は、制御部10によって動作制御される。
【0012】
制御部10は、GPP(General Purpose Processor)、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等の情報処理手段である。
制御部10は、記憶部19のROMやHDDに記憶されている制御プログラムを読み出して、この制御プログラムをRAMに展開させて実行することで、後述する機能ブロックの各手段として動作させられる。また、制御部10は、操作パネル部16の入力部20や端末3から入力された所定の指示情報に応じて、装置全体の制御を行う。
【0013】
画像処理部11は、DSP(Digital Signal Processor)やGPU(Graphics Processing Unit)等の制御演算手段である。画像処理部11は、画像データに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小、濃度調整、階調調整、画像改善等の各種画像処理を行う。
画像処理部11は、原稿読取部12で読み取られた画像を、記憶部19に印刷データ300として記憶する。この際、画像処理部11は、印刷データ300をPDFやTIFF等のフォーマットのファイル単位に変換することも可能である。
【0014】
原稿読取部12は、セットされた原稿を読み取る(スキャン)手段である。
原稿給送部13は、原稿読取部12で読み取られる原稿を搬送する手段である。
画像形成部17は、ユーザーの出力指示により、記憶部19に記憶され、原稿読取部12で読み取られ、又は端末3から取得されたデータから記録紙への画像形成を行わせる手段である。
搬送部は、給紙カセット42a(
図7)から記録紙を搬送し、画像形成部17で画像形成させ、その後にスタックトレイ50へ搬送する。
なお、原稿読取部12、原稿給送部13、搬送部、画像形成部17の動作については後述する。
【0015】
ネットワーク送受信部15は、ネットワーク5に接続するためのLANボードや無線送受信機等を含むネットワーク接続手段である。
ネットワーク送受信部15は、データ通信用の回線ではデータを送受信し、音声電話回線では音声信号を送受信する。
ネットワーク送受信部15は、ネットワーク5を介して、サーバー2や端末3と接続可能である。
【0016】
操作パネル部16は、ユーザーによる画像形成装置1の各種ジョブの指示を取得する。また、操作パネル部16から取得したユーザーの指示により、各ユーザーの情報を入力、変更する。
【0017】
操作パネル部16は、入力部20と、表示部21とを備えている。
入力部20は、テンキー、スタート、キャンセル、複写やFAX送信やスキャナー等の動作モードの切り換えのボタンと、選択された文書の印刷や送信や保存や記録等に関するジョブの実行に係る指示を行うためのボタンやタッチパネル等である。
表示部21は、LCDや有機ELパネル等の表示手段である。表示部21は、印刷データ300のプレビュー表示を行う。
操作パネル部16は、入力部20によるユーザーの指示により、画像形成装置1の各種ステータス情報400(
図1)を表示部21に表示する。
【0018】
FAX送受信部18は、ファクシミリの送受信を行う部位であり、通常の電話回線やISDN回線等と接続されている。
また、FAX送受信部18は、受信したファクシミリ画像を、印刷データ300(
図1)として記憶部19に記憶する。
また、FAX送受信部18は、ステータス情報400を表示部21で表示する代わりにファクシミリ送信してもよい。
【0019】
記憶部19は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等の記録媒体を用いた記憶手段である。
記憶部19のRAMは、省電力状態であっても、セルフリフレッシュ等の機能により、記憶内容が保持される。
記憶部19のROMやHDDには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。また、記憶部19には、ユーザー毎の保存フォルダーの領域が含まれていてもよい。
【0020】
なお、画像形成装置1において、制御部10及び画像処理部11は、GPU内蔵CPU等やチップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成されていてもよい。
また、制御部10及び画像処理部11は、RAMやROMやフラッシュメモリー等を内蔵していてもよい。
【0021】
〔画像形成装置1の動作〕
次に、
図7を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。
原稿読取部12は、本体部14の上部に配設され、原稿給送部13は、原稿読取部12の上部に配設されている。スタックトレイ50は、本体部14に形成された記録紙の排出口41側に配設され、また、操作パネル部16は、画像形成装置1のフロント側に配設されている。
【0022】
原稿読取部12は、スキャナー12aと、プラテンガラス12bと、原稿読取スリット12cとを備えている。スキャナー12aは、露光ランプ、及びCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像センサー等から構成され、原稿給送部13による原稿の搬送方向に移動可能に構成されている。
プラテンガラス12bは、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット12cは、原稿給送部13による原稿の搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
【0023】
プラテンガラス12bに載置された原稿を読み取る場合には、スキャナー12aは、プラテンガラス12bに対向する位置に移動され、プラテンガラス12bに載置された原稿を走査しながら原稿を読み取って画像データを取得して、取得した画像データを本体部14に備わる制御部10(
図6)に出力する。
また、原稿給送部13により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー12aは、原稿読取スリット12cと対向する位置に移動され、原稿読取スリット12cを介し、原稿給送部13による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体部14に備わる制御部10に出力する。
【0024】
原稿給送部13は、原稿載置部13aと、原稿排出部13bと、原稿搬送機構13cとを備えている。原稿載置部13aに載置された原稿は、原稿搬送機構13cによって、1枚ずつ順に繰り出されて原稿読取スリット12cに対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部13bに排出される。
なお、原稿給送部13は、可倒式に構成され、原稿給送部13を上方に持ち上げることで、プラテンガラス12bの上面を開放させることができる。
【0025】
本体部14は、画像形成部17を備えると共に、給紙部42と、用紙搬送路43と、搬送ローラー対44と、排出ローラー対45とを備えている。給紙部42は、それぞれサイズ又は向きが異なる記録紙を収納する複数の給紙カセット42aと、給紙カセット42aから記録紙を1枚ずつ用紙搬送路43に繰り出す給紙ローラー42bとを備えている。給紙ローラー42b、搬送ローラー対44、及び排出ローラー対45は、搬送部として機能する。記録紙は、この搬送部により搬送される。また、搬送部は、各給紙カセット42a内の記録紙の量を検出するセンサーを備えている。
給紙ローラー42bによって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー対44によって画像形成部17に搬送される。そして、画像形成部17によって記録が施された記録紙は、排出ローラー対45によってスタックトレイ50に排出される。
【0026】
画像形成部17は、感光体ドラム17aと、露光部17bと、現像部17cと、転写部17dと、定着部17eとを備えている。露光部17bは、レーザー装置やミラーやレンズやLEDアレイ等を備えた光学ユニットであり、画像データに基づいて光等を出力して感光体ドラム17aを露光し、感光体ドラム17aの表面に静電潜像を形成する。現像部17cは、トナーを用いて感光体ドラム17aに形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム17a上に形成させる。転写部17dは、現像部17cによって感光体ドラム17a上に形成されたトナー像を記録紙に転写させる。定着部17eは、転写部17dによってトナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる。
【0027】
〔画像形成装置1及びサーバー2のシステム構成〕
ここで、
図1を参照し、本発明の画像形成システムXの実施の形態に係る画像形成装置1及びサーバー2のシステム構成について説明する。
画像形成装置1は、動作状況に掛かるステータス情報400を表示可能なMFP等である。
サーバー2は、ステータス情報400を蓄積する。本実施形態では、サーバー2は、ログインの際にも用いられる。
【0028】
画像形成装置1は、印刷データ取得部100(印刷データ取得手段)、ユーザー選択情報取得部110(ユーザー選択情報取得手段)、及びステータス情報表示制御部120(ステータス情報表示制御手段)を備えている。
【0029】
印刷データ取得部100は、原稿読取部12、FAX送受信部18、サーバー2、端末3、図示しない他の画像形成装置、又は外部の記録媒体等から印刷データ300を取得して、記憶部19に保存する。
また、印刷データ取得部100は、入力部20、外部のサーバー2や端末3等から、ユーザーによるステータス表示を行う指示を取得する。
また、印刷データ取得部100は、ユーザーのユーザーID(Identification)やパスワードを取得してサーバー2との間でユーザー認証を行う。
【0030】
ユーザー選択情報取得部110は、サーバー2からユーザー選択情報500を取得して記憶部19に保存する。このユーザー選択情報500は、ログインしたユーザーのユーザーIDに対応して取得される。
【0031】
ステータス情報表示制御部120は、動作状態に応じて表示されるステータス情報400Aを選択し、ユーザー選択情報取得部110により取得されたユーザー選択情報500により示されたステータス情報400Bと併せて一画面で表示させる。
また、ステータス情報表示制御部120は、ユーザー選択情報500に含まれるステータス情報400Bと、動作状態に応じて選択されたステータス情報400Aとが同一である場合、強調又は優先順位を上げて表示する。
【0032】
また、画像形成装置1は、記憶部19に、印刷データ300、機器設定310、動作状態情報320、ユーザー選択情報500を記憶する。
【0033】
印刷データ300は、印刷データ取得部100により取得された画像及び/又は文書のデータである。印刷データ300の画像データ及び/又は文書のデータは、原稿読取部12やFAX送受信部18で読み取られたビットマップ等の画像データ、サーバー2、端末3や記録媒体等から取得されたPDL(Page Description Language)の文書のデータ、PDF(Portable Document Format)等の文書のデータ、jpgやGIFやTIFF等のフォーマットの画像データ等であってもよい。また、印刷データ300は、作成者のユーザーIDやパスワード、作成した端末3の機器やアプリケーションの種類やIPアドレス等のデータを含んでいてもよい。
【0034】
機器設定310は、画像形成装置1の各種設定に含まれるデータである。機器設定310に含まれるデータとして、ステータス表示の指示時に動作状態情報320のどのステータス情報400を表示するか否かのデフォルト(既定)表示設定、ステータス表示のデフォルトの表示優先順位設定、動作状態の変化によるステータス情報400の表示選択の状態変化表示設定等が含まれる。また、機器設定310は、デフォルトの給紙カセット42aの設定、各給紙カセット42aのデフォルトの用紙種類の設定、デフォルトでカラー又は白黒での出力を行うか否かの種別の設定、課金設定等も含んでいてもよい。
機器設定310の各設定は、管理者のユーザー等により、操作パネル部16の入力部20(
図6)、サーバー2、又は端末3等から設定、変更可能である。
また、機器設定310として、機種名や機器固有ID等、通常は変更されない情報が含まれていてもよい。
【0035】
動作状態情報320は、画像形成装置1の動作状態を示すデータである。動作状態情報320は、各動作状態(ステータス)に関するステータス情報400を含んでいる。
【0036】
ステータス情報400は、動作状況等を示すデータである。ステータス情報400は、例えば、印刷可能状態、故障や記録紙の紙詰まりやトナー切れ等のエラー状態、省電力モード、ネットワーク接続、各色トナーの残量、各給紙カセット42aの用紙残量及び用紙種類(以下、「記録紙タイプ」という。)、印刷の際に使用される給紙カセット42a(以下、「記録紙ソース」という。)等の各種の動作状態の情報がそれぞれ含まれている。また、ステータス情報400として、カラー又は白黒出力の種別、画像形成装置1や印刷データ300の送信元のIPアドレス、印刷データ300のファイル名やファイルの種別やプレビューデータや作成したユーザーID等の各種情報も含んでいてもよい。
ステータス情報400のうち、どの動作状態が表示されるか否かについては、ステータス情報表示制御部120により選択される。
また、ステータス情報400は、動作状態に応じて制御部10が選択して表示されるステータス情報400Aと、ユーザー選択情報により示されるステータス情報400Bとが含まれている。ステータス情報400Aとステータス情報400Bのいずれかを示す場合は、単にステータス情報400という。なお、ステータス情報400Aとステータス情報400Bとは、同じ種類のステータスの情報が含まれていてもよい。
【0037】
ユーザー選択情報500は、ユーザーにより選択され表示されるステータス情報400Bの種類を示すデータである。本実施形態では、ユーザー選択情報500は、ログインしたユーザー毎にユーザー選択情報取得部110によりサーバー2から取得される。
また、ユーザー選択情報500には、取得された印刷データ300のユーザーと同一のユーザーの場合に、追加で表示させるステータス情報400Bを示す追加ステータス情報のデータも含まれている。この追加ステータス情報は、例えば、印刷データのファイル名やファイルの種別やプレビューデータ等の他人が直接閲覧しない方がセキュリティ上好ましい等のデータが指定されてもよい。
【0038】
サーバー2は、アカウント設定200及びステータス情報DB210を備えている。
【0039】
アカウント設定200は、ユーザー認証のためのデータベース等である。アカウント設定200は、ユーザーのアカウント毎にユーザーID、パスワード等、ユーザー選択情報500、権限情報、アドレス情報、課金情報等の情報により構成されている。ユーザーIDは、ユーザーのID(Identification)やユーザー名等の情報である。パスワード等はユーザー認証時のパスワード等であり、各種設定の変更のためのパスワードや認証コードや暗証番号等に使用される。権限情報は、管理者、一般ユーザー、ゲストユーザー等の権限に係る情報である。アドレス情報は、ユーザーの電子メールアドレス、IPアドレス、アドレス帳、電話番号、FAX番号、文書ボックスのアドレス等を含んでいる。課金情報は、白黒印刷、カラー印刷のページ別に課金するための情報である。課金情報には、ページ課金の他に、店舗での課金等の情報やネットワークプリント等の情報が含まれていてもよい。
【0040】
ステータス情報DB210は、画像形成装置1から取得されたステータス情報400を共有するためのデータベースである。
ステータス情報DB210は、ステータスを表示したユーザーのユーザーID、ステータスを取得した画像形成装置1のIPアドレス、機器固有ID、表示時刻、ステータスの表示履歴等の情報を蓄積してもよい。
【0041】
ここで、画像形成装置1の制御部10は、記憶部19に記憶された制御プログラムを実行することで、印刷データ取得部100、ユーザー選択情報取得部110、及びステータス情報表示制御部120として機能する。
また、サーバー2の図示しない制御部は、図示しない記憶手段に記憶された制御プログラムを実行することで、各種処理を実行する。
また、上述の画像形成装置1又はサーバー2の各部は、本発明の画像形成方法を実行するハードウェア資源となる。
【0042】
〔画像形成装置1によるステータス表示処理〕
次に、
図2〜
図5を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1によるステータス表示処理の説明を行う。
本実施形態のステータス表示処理は、よく使用するメニューの設定値や、使用前に確認しておきたい設定のステータス情報をユーザー毎に選択させ、基本画面からの所定操作で一画面で一覧表示する。この際、ユーザー毎に設定した項目の一覧に加え、機器の動作状態に応じたステータス情報400Aを選択して一覧表示に追加して表示する。この追加の際に、ユーザーにより選択されたステータス情報400Bと重複する場合、強調表示や表示順の変更等を行う。また、印刷データ300の作成者のユーザーと、ステータスを表示させたユーザーとが同じであった場合、更に表示するステータスを付加する。
本実施形態のステータス表示処理は、主に画像形成装置1の制御部10及びサーバー2の制御部が、記憶部19及びサーバー2の記憶手段に記憶されたプログラムを、各部と協働し、ハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、
図2のフローチャートを参照して、ステータス表示処理の詳細をステップ毎に説明する。
【0043】
(ステップS100)
まず、制御部10が、印刷データ取得部100により、印刷データ取得処理を行う。
制御部10は、原稿給送部13にセットされた原稿を原稿読取部12に読み取らせ、この画像データを印刷データ300として取得し、記憶部19に保存する。
また、制御部10は、FAX送受信部18からファクシミリ受信した原稿等の画像データを印刷データ300として取得し、記憶部19に保存してもよい。
また、制御部10は、端末3の各種アプリケーションソフトウェアからデバイスドライバーにより出力された印刷データ300、サーバー2に保存された印刷データ300等を外部のネットワークを介してネットワーク送受信部15にて受信し、記憶部19に保存してもよい。
また、制御部10は、接続された外部の記録媒体(図示せず)から印刷データ300を取得して、記憶部19に保存してもよい。
【0044】
(ステップS101)
次に、制御部10が、印刷データ取得部100により、ログイン処理を行う。
制御部10は、操作パネル部16の入力部20、サーバー2、又は端末3からユーザーにユーザーIDとパスワードを入力させてこれを取得し、ユーザー認証を行う。この際、制御部10は、入力されたユーザーIDとパスワードとをサーバー2に送信する。
サーバー2の制御手段は、取得したユーザーIDとパスワードから、アカウント設定200を参照して認証を行い、結果を画像形成装置1に返信する。
制御部10は、このユーザー認証の結果を受信すると、記憶部19に保存する。
【0045】
(ステップS102)
次に、制御部10が、印刷データ取得部100により、ステータス表示の指示があったか否かを判定する。制御部10は、入力部20、サーバー2、又は端末3から、基本画面においてユーザーによるステータス表示の所定操作による指示があった場合に、Yesと判定する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判定する。
たとえば、
図3(a)の画面例600は、操作パネル部16の表示部21に表示されるステータス表示を指示する際の基本画面を示している。制御部10は、この画面例600において、ユーザーがタッチパネル上の「ステータス表示」のボタン700の押下をしたことを所定操作として検出した場合に、Yesと判定する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS103に進める。
Noの場合、制御部10は、ステータス表示処理を終了する。
【0046】
(ステップS103)
ユーザーによるステータス表示の指示があった場合、制御部10が、ステータス情報表示制御部120により、表示ステータス情報選択処理を行う。
制御部10は、画像形成装置1の各部の動作状態に応じて表示されるステータス情報400Aを選択する。
制御部10は、まず、機器設定310を読み出し、デフォルト表示設定及び表示優先順位設定により、どのステータス情報400Aを、どの順番で表示するか否かを選択する。また、制御部10は、機器設定310のうち、状態変化表示設定により、各部の動作状態が変化した場合には、表示するステータス情報400Aと優先順位とを変化させる。たとえば、制御部10は、エラー状態である場合、デフォルトの設定では表示しないようにユーザーに設定されていたとしても、状態変化表示設定において表示するよう設定されていた場合は、当該ステータス情報400Aを表示するように選択する。つまり、制御部10は、例えば、記録紙やトナーの残量が所定値より少なくなっていた場合、当該給紙カセット42aの場所や当該色のトナーの残量等をステータス表示するよう選択してもよい。
【0047】
(ステップS104)
次に、制御部10が、ユーザー選択情報取得部110により、ログイン成功か否かを判定する。制御部10は、印刷データ取得部100により記憶部19に保存されたユーザー認証の結果の情報を読み出し、ログイン時のユーザー認証が成功していた場合に、Yesと判定する。制御部10は、それ以外の場合、ユーザーIDによるログインがされていないか、ユーザー認証が失敗していた場合にNoと判定する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS106に進める。
Noの場合、制御部10は、処理をステップS105に進める。
【0048】
(ステップS105)
ログインされていないか失敗していた場合、制御部10が、ユーザー選択情報取得部110により、標準ステータス情報表示処理を行う。
制御部10は、選択されたステータス情報400Aを標準のステータス情報として操作パネル部16の表示部21に表示させる。
図3(b)の画面例610では、制御部10により選択されたステータス情報400Aとして、「記録紙ソース」「記録紙のタイプ」「画像形成装置1のIPアドレス」が上から順番に一画面で表示される例を示している。ここでは、デフォルト表示設定として、「記録紙ソース」「記録紙のタイプ」が通常は選択されるものの、印刷データ300がネットワーク印刷であるので「画像形成装置1のIPアドレス」も選択され表示される例を示している。このように、本実施形態では、ユーザがログインしていない場合等には、デフォルト表示設定及び表示優先順位設定により選択されたステータス情報400Aの表示を行う。また、
図3(b)の例では、制御部10は、「記録紙ソース」の給紙カセット42aの記録紙の量が少なくなっていることを「(残量少)」として表示している。このように、機器状態や動作状態に応じて、ステータス情報400Aを付加して表示することができる。
また、制御部10は、サーバー2へ表示されたステータス情報400Aを送信する。サーバー2は、このステータス情報400Aを取得して、ステータス情報DB210に時刻等を付加して保存する。
制御部10は、その後、ステータス表示処理を終了する。
【0049】
(ステップS106)
ログインに成功していた場合、制御部10が、ユーザー選択情報取得部110により、ユーザー選択情報取得処理を行う。
制御部10は、ユーザーIDを基に、サーバー2にユーザー選択情報500を取得要求する。サーバー2は、アカウント設定200に保存されている、当該ユーザーIDのユーザー選択情報500を検索して、画像形成装置1に送信する。
制御部10は、このユーザー選択情報500を取得して、記憶部19に保存する。
【0050】
(ステップS107)
次に、制御部10が、ステータス情報表示制御部120により、既に選択されたステータス情報400Aがユーザー選択情報500により表示されるステータス情報400Bに含まれているか否かを判定する。制御部10は、取得されたユーザー選択情報500に、ステップS103で制御部10が各部の動作状態に応じて選択したステータス情報400Aと同一の種類のものが表示されるように設定されている場合には、Yesと判定する。制御部10は、それ以外の場合、つまり、選択されたステータス情報400Aとユーザー選択情報500により表示されるステータス情報400Bとに重複がない場合は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS108に進める。
Noの場合、制御部10は、処理をステップS109に進める。
【0051】
(ステップS108)
選択されたステータス情報400Aと同一の種類のステータス情報400Bがユーザー選択情報500に設定されている場合、制御部10が、ステータス情報表示制御部120により、強調又は優先順位変更処理を行う。
制御部10は、ユーザー選択情報500に設定されているステータス情報400Bのうち、動作状態に応じて選択されたものと同一のものについて、強調又は優先順位を上げて表示させる。
たとえば、制御部10は、当該ステータス情報400Bについて、例えば、太字や下線や枠線や点滅や色変更等により強調表示し、又は画面の表示順の上位等に優先順位を上げて表示する。
【0052】
(ステップS109)
ここで、制御部10が、ステータス情報表示制御部120により、同一ユーザーの印刷データ300であるか否かを判定する。制御部10は、印刷データ300を参照し、印刷データ300の作成者のユーザーIDとログインされたユーザーのユーザーIDとが同一であった場合に、Yesと判定する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判定する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS110に進める。
Noの場合、制御部10は、処理をステップS111に進める。
【0053】
(ステップS110)
同一ユーザーであった場合、制御部10が、ステータス情報表示制御部120により、ステータス情報付加処理を行う。
制御部10は、同一のユーザーの場合には、ユーザー選択情報500に含まれる追加ステータス情報についても、表示させるよう選択する。このように、ログインしたのと同一ユーザーの場合のみステータスを表示することで、セキュリティ等に配慮したステータス表示を行うことができる。
【0054】
(ステップS111)
ここで、制御部10が、ステータス情報表示制御部120により、変更ステータス情報表示処理を行う。
制御部10は、ユーザー選択情報500により変更されたステータス情報400を操作パネル部16の表示部21に表示させる。つまり、制御部10は、動作状態に応じて選択されたステータス情報400Aと、ユーザー選択情報取得部110により取得されたユーザー選択情報500に含まれるステータス情報400Bとを、併せて一画面で表示させる。また、制御部10は、同一ユーザーの場合には、その追加ステータス情報についても表示させる。
図4は、変更されたステータス情報400が表示される例を示している。
図4(a)の画面例620は、印刷データ300が取得され、ユーザーAがログインに成功した状態が表示される例を示している。制御部10は、ボタン700の押下を検出した場合に、変更されたステータスを表示する。
図4(b)の画面例630は、変更されたステータスが表示される例を示している。ここでは、制御部10が先に選択した「記録紙ソース」「記録紙タイプ」「IPアドレス」に加えて、ユーザー選択情報500に含まれていた各色の「トナー残量」が表示されている。
このように、デフォルトの設定から制御部10により動作状態により選択されたステータス情報400Aの他にも、ユーザーにより選択されたユーザー選択情報500のステータス情報400Bを一覧で表示することが可能となる。なお、
図4(b)の例では、制御部10が選択したステータス表示と、ユーザー選択情報500に含まれるステータス表示とが一致しないため、単に同一画面で表示される例を示している。
また、制御部10は、表示されたステータス情報400をサーバー2に送信する。サーバー2は、このステータス情報400を、時刻やユーザーID等と併せて、ステータス情報DB210に記録する。
【0055】
(ステップS112)
次に、制御部10が、ステータス情報表示制御部120により、ユーザー選択情報500の変更が指示されているか否かを判定する。制御部10は、入力部20、サーバー2、又は端末3等から、ユーザー選択情報500に含まれるステータス情報400Bの変更指示があった場合に、Yesと判定する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判定する。
たとえば、
図4(b)の場合、制御部10は、「ユーザー選択設定」のボタン710の押下が検出された場合に、Yesと判定する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判定する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS113に進める。
Noの場合、制御部10は、ステータス表示処理を終了する。
【0056】
(ステップS113)
ここで、制御部10が、ステータス情報表示制御部120により、ユーザー選択情報変更処理を行う。
制御部10は、ユーザーによりユーザー選択情報500を変更させる。そして、制御部10は、変更されたユーザー選択情報500を、ユーザーIDと共にサーバー2に送信する。サーバー2は、アカウント設定200に、更新されたユーザー選択情報500を、ユーザーIDと対応付けて保存する。
図4(c)の画面例640によると、ユーザーは、表示の優先順位毎に、プルダウンメニュー等で表示するステータス情報400Bの種類を選択可能である。この際、追加ステータス情報についてもユーザーに選択させることが可能である。
ここでは、表示されるステータス情報400Bが「カセット1残量」「トナー残量」「作成ユーザー名」「ファイル名」「IPアドレス」の優先順位順でユーザーにより選択された例を示している。また、「ファイル名」については、同一のユーザーIDであった場合に表示される追加ステータス情報である旨も表示している。
制御部10は、例えば、完了のボタン720の押下を検知すると、ユーザーにより選択されたステータス情報400Bの種類により、ユーザー選択情報500を更新して変更することが可能である。
【0057】
制御部10は、その後、変更されたユーザー選択情報500を用いて、ステータス情報400を表示する。
図5は、上述の
図4と同じステータス情報400を先に制御部10が選択した後、この変更されたユーザー選択情報500により変更されたステータス情報400が表示される例を示している。
図5(a)の画面例650において、
図4と同様にユーザーAがログインされて、ボタン700が押下されると、制御部10は上述の各処理を行って、表示されるステータス情報400を変更する。
図5(b)の画面例660は、変更されたステータス情報400が表示された例である。ここでは、ユーザー選択情報500のうち「IPアドレス」が、先に制御部10に選択されたステータス情報400と同一であったため、一番上に太字で下線が付され強調されて表示されている。また、「カセット1残量」についても同一であるため、ここでは、少ないことを示す「(少)」といった表示から、より詳細なパーセント表示に変更して強調して表示している。また、この例では、印刷データ300に含まれる作成者のユーザーIDと、ログインしていたユーザーのユーザーIDとが一致したため「ファイル名」も追加して表示されている。なお、この画面でも、ボタン710の押下により、ユーザー選択情報500の変更は可能である。
以上により、本発明の実施の形態に係るステータス表示処理を終了する。
【0058】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来、特許文献1の技術は、カスタマイズされた機能のメニュー画面を呼び出すだけであるため、ユーザーが閲覧したいステータスと、機器のステータスとを一覧表示することができなかった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、ステータス情報400を表示可能であり、表示されるステータス情報400Bがユーザーにより選択されたユーザー選択情報500を取得するユーザー選択情報取得部110と、動作状態に応じて表示されるステータス情報400Aを選択し、ユーザー選択情報取得部110により取得されたユーザー選択情報500に含まれるステータス情報400Bと併せて一画面で表示させるステータス情報表示制御部120とを備えることを特徴とする。
このように構成することで、ユーザー毎に、よく閲覧するステータス情報の設定値や、使用前に確認しておきたいステータス情報を選択して、デフォルトのステータス情報400Aから選択されたものと併せて、一覧性よく表示可能である。
これにより、ユーザーの使い勝手をよくして、サービスマン等のメンテナンスも容易とすることができる。よって、サービスコストを低減できる。
【0059】
また、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、ステータス情報表示制御部120が、ユーザー選択情報500に含まれるステータス情報400Bと、動作状態に応じて選択されたステータス情報400Aとが同一である場合、ステータス情報400A及びステータス情報400Bを他のステータス情報に比べて強調表示させ又は優先順位を上げて表示させることを特徴とする。
このように構成することで、ユーザーが特に状況を知りたいステータス情報400を容易に判別できるようになる。よって、ユーザーの使い勝手がよくなり、メンテナンスも容易となり、コストを低減できる。
【0060】
また、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、ステータス情報表示制御部120が、ユーザー選択情報500に含まれるステータス情報400Bと、動作状態に応じて選択されたステータス情報400Aと基本画面から所定操作で一覧表示させることを特徴とする。
このように構成することで、ユーザー毎に、よく確認するメニュー項目や機器状態を選択して、少ないステップ数で一覧表示が可能となる。この際、ステータス情報400の表示は、例えば、印刷状態の基本画面からの所定キー操作で容易に行うことができる。
【0061】
また、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、ステータス情報表示制御部120が、各部の動作状態に応じて、表示されるステータス情報と優先順位とを選択する。
このように構成することで、機器の動作状況に応じたステータス情報400Aのうち適切なものを一覧表示に追加して表示することが可能である。つまり、ユーザー毎に選択したステータス情報400Bの他に、機器状態に応じた最適なステータス情報を付加することができる。
このため、画像形成装置1のステータス表示の閲覧時に注意が必要な情報と、ユーザにとって閲覧が必要な情報とを一画面で表示して確認することが可能となる。
【0062】
また、本発明の実施の形態に係る画像形成システムXは、画像形成装置1と、ユーザー選択情報500及び画像形成装置で表示されたステータス情報400を取得して共有させるサーバー2とを備えたことを特徴とする。
このように構成することで、表示されたステータス情報400のデータを蓄積しておき、機器の状態を把握しやすくなる。よって、メンテナンスを迅速に実行でき、サービスコストを低減できる。
【0063】
なお、本発明の実施の形態においては、ユーザー選択情報500は、サーバー2に保存されているように記載した。しかしながら、アカウント設定200を画像形成装置1の記憶部19に記憶しておき、このアカウント設定200にユーザーID毎のユーザー選択情報500が含まれているような構成であってもよい。この場合、画像形成装置1によりユーザー認証を行ってもよい。
このように構成することで、サーバー2がない構成であっても、画像形成装置1の動作状況により選択されたステータス表示と、ユーザー毎のステータス情報400の表示とを一画面で表示することができる。
【0064】
また、本実施形態の画像形成装置1は、無線又は有線でユーザー認証を行う磁気カードリーダー又はICカードリーダーを備えていて、この磁気カードリーダー又はICカードリーダーでユーザー認証を行ってもよい。
この場合、磁気カードリーダー又はICカードリーダーにより読み取られる記録媒体である磁気カード又はICカードにユーザー選択情報500が記憶されていてもよい。
これにより、画像形成装置1がネットワーク5に接続されていなくても、ユーザー毎のステータス表示ができる。また、ユーザー選択情報500を情報を磁気カード又はICカードに保存しているため、サービスマン等がメンテナンス先で容易に必要なステータス情報400を表示できる。
【0065】
また、上述の実施の形態では、ステータス情報400の表示を表示部21に行ったが、このステータス表示を、サーバー2や端末3の表示手段に行ってもよい。
これにより、外部の機器でも容易にステータス情報400を確認可能となる。
【0066】
また、上述の実施の形態では、ステータス表示の基本画面から表示を行った後、ユーザー選択情報500の変更を行ったものの、これに限られない。つまり、ユーザー選択情報500の設定や表示を別メニューから行うような構成であってもよい。また、選択情報の設定や表示はサーバー2や端末3で行ってもよい。
これにより、画像形成装置1以外でも容易にユーザーが必要なステータス情報400を作成、変更でき、使い勝手を向上させることができる。
【0067】
また、本発明は、画像形成装置以外の情報処理装置にも適用できる。つまり、ネットワークスキャナー、スキャナーをUSB等で別途接続したサーバー等を用いる構成であってもよい。
【0068】
また、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。