(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の撮像操向角度は、所望の品質において、前記第1の生物学的構造の撮像を提供するように選択され、第2の撮像操向角度は、所望の品質において、前記第2の生物学的構造の撮像を提供するように選択される、請求項1に記載の作動方法。
前記少なくとも1つの第1の撮像操向角度は、プラス20度またはマイナス20度の操向角度規模を含み、前記少なくとも1つの第2の撮像操向角度は、プラス20度超またはマイナス20度超の操向角度規模を含む、請求項3に記載の作動方法。
前記第1および第2の撮像識別特性のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの撮像信号操向角度は、前記システムの動作の間、判定される、請求項5に記載のシステム。
前記第2の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像操向角度は、同一撮像識別特性内に実装される場合、前記第1の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像操向角度と互換性がない、請求項5に記載のシステム。
前記第1の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像操向角度は、プラス20度またはマイナス20度の操向角度規模を含み、前記第2の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像操向角度は、プラス20度超またはマイナス20度超の操向角度規模を含む、請求項9に記載のシステム。
【背景技術】
【0003】
超音波撮像システムは、そうでなければ、観察者に不可視である、物体および面積の画像を提供する際に使用するために、幅広い支持を得ている。そのような超音波撮像システムは、典型的には、画像される体積内に存在し得る、個々の物体の最良の可視化ではなく、最良な全体的超音波画像品質を生成するように選択された種々の撮像パラメータによって構成される。その結果、個々の物体の可視化は、典型的には、全体的満足のゆく超音波画像品質を達成するために、妥協される。
【0004】
超音波画像内で可視化され、表現される物体は、ヒト組織および器官等の生物学的構造、ならびに埋込式デバイス、器具等の人工構造を備えてもよい。種々の生物学的および人工構造は、全体的画像品質を達成するために選択されるパラメータと異なる、構造の高品質超音波可視化を達成するための特異的撮像パラメータを必要とし得る。加えて、あるタイプの構造の高品質可視化を達成するために選択される撮像パラメータは、異なるタイプの構造の高品質可視化を達成するために選択されるパラメータと大きく異なり得る。したがって、全体的高品質超音波画像内に1つ以上の個々の物体の高品質可視化を提供するのは、簡単なタスクではない。
【0005】
現在、人工器具および他の物体の誘導ならびに設置を補助するためには、超音波撮像システムの使用が一般的である。例えば、針、カテーテル等の介入器具は、直接、患者の身体内またはその内部深くにある、神経、動脈、または静脈内に、薬剤または他の流体を送達するために使用されてもよい。したがって、そのような手技は、器具を患者内部に精密に位置付けることを必要とし、生物学的構造および人工器具の両方の高品質超音波可視化を必要とする。
【0006】
全体的画像品質を最適化するために選択された撮像パラメータによって構成される超音波撮像システムを使用して、超音波画像を生成するために使用される超音波変換器に対して、急角度で挿入される器具の適切な可視化を提供することは、多くの場合、困難であって、時として、不可能である。急角度で挿入された器具の可視化不良問題は、少なくとも一部には、超音波画像内のそのような器具の表現が、鏡面反射式に器具から反射される、超音波エコーに基づくという事実から生じる。鏡面反射の原理は、急な挿入角度の場合、器具から反射される超音波エコーが、結果として生じた超音波画像内に器具のクリアな表現を生成するために、超音波変換器要素を十分に交差しないことを示す。
【0007】
概して、急角度で挿入された器具の超音波画像内の表現不良のため、臨床医は、多くの場合、介入器具が、体積内(例えば、患者の生体構造内)にある場所を可視化または「推測」するために、二次的アーチファクトに依存しなければならない。例えば、臨床医は、針が、患者の生体構造内にある場所を可視化するために、針が、挿入または別様に移動されるのに伴って、針からの圧力によって生じる、結果として生じた画像内の可視である組織または他の構造の移動に依存し得る。近傍構造の移動に基づく、介入器具の場所の可視化は、概して、精密な場所判定を提供しない。
【0008】
介入器具の場所を可視化するために使用される別の技法は、介入器具を通して流体を注入し、流体が、撮像される体積の媒体を通して移動するのに伴って(例えば、流体が、組織内に移動すること、および、組織を通して移動することに伴って)、結果として生じた画像を観察するステップを必要とする。したがって、本技法もまた、二次的アーチファクトに依存し、特に、満足がゆくものではないことが分かっている。
【0009】
いくつかの特別に設計されたエコーを発生する針が、急角度で挿入された器具の可視化不良の問題を解決するために導入されている。これらの特殊針は、典型的には、針が、急角度で挿入された時でも、針から反射される超音波が、超音波変換器要素に到達するように、設計および構築される。しかしながら、そのような針の有効性および望ましさを低減させる、いくつかの要因が存在する。例えばそのような特殊針と関連付けられたコストの増加は、その臨床的容認および広範な使用を低減させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、超音波画像を生成するための超音波撮像識別特性を提供する、システムおよび方法を対象とする。例えば、各撮像識別特性が、撮像される体積内の物体に関連する、複数の超音波撮像識別特性は、本発明の実施形態に従って、利用されてもよい。そのような超音波撮像識別特性を使用して、超音波撮像システムは、撮像される体積内の種々の物体の改良または最適化された撮像を提供してもよい。
【0011】
本発明の実施形態によると、超音波撮像識別特性は、1つ以上の超音波撮像パラメータ値を備え、各撮像パラメータは、超音波データの取得または処理のいずれかと関連付けられる。複数の撮像識別特性の各撮像識別特性は、同一超音波モダリティ、例えば、Bモード撮像法、カラーフロー撮像法、パワードプラ法、弾性率計測法、およびその他と関連付けられてもよい。さらに、実施形態の各超音波撮像識別特性は、特定の着目物体の高品質超音波可視化に調整された値に設定される、1つ以上の撮像パラメータを有する。
【0012】
本発明の実施形態の超音波撮像識別特性は、撮像される体積の特定の物体、構造、側面等を撮像するために最適化または別様に構成される。例えば、第1の撮像識別特性は、生体組織の表面下領域(例えば、一般的患者生体構造)に対して、比較的高品質画像を提供するために構成されてもよい一方、第2の撮像識別特性は、急角度で生体組織内に挿入される介入器具(例えば、針)に対して、比較的高品質画像を提供するために構成されてもよい。
【0013】
そのような超音波撮像識別特性の異なるものを使用して生成されるサブフレームは、好ましくは、撮像される体積内における、集合的に、物体(例えば、一般的患者生体構造および介入器具)と称される、種々の構造、属性、側面等の比較的高品質画像を提供するフレームを形成するように組み合わせられる。実施形態に従って形成されるフレームは、好ましくは、最終画像を形成するように組み合わせられる、または混合される。
【0014】
好ましい実施形態によると、2つの超音波撮像識別特性が、使用され、一方は、超音波撮像識別特性が、ヒト組織に対して、高画像品質を提供するように調整され、他方は、急な挿入角度で挿入される針等の介入器具に対して、高画像品質を提供するように調整される。実施形態の側面によると、前述の2つの超音波撮像識別特性の超音波撮像識別特性は、急な挿入角度における高品質介入器具可視化に対して、特異的に標的化された所定の一式の操向角度を備える。実施形態の他の側面によると、1つ以上の超音波撮像パラメータ値が、2つの超音波撮像識別特性間で変更され、1つ以上の超音波パラメータは、伝送波形、伝送対受信ビーム形成線の比、操向角度、受信線密度、集束帯の数、集束帯の場所、直交帯域通過フィルタタイプおよび係数、圧縮曲線、スペックル低減パラメータ等を含む。
【0015】
本発明の他の実施形態は、1つ以上の他のフレームを組み合わせる、または混合し、最終画像を形成するために、フレーム内の着目面積またはブロックを識別するように動作する。例えば、介入器具が配置されるブロックは、既知である、または判定されてもよい。したがって、本発明の実施形態は、最終画像を形成時、介入器具フレームを解剖学的構造フレームと混合するのに先立って,ブロックの外側の非重要部分をクロップまたは別様にレンダリングしてもよい。そのような実施形態は、介入器具撮像識別特性の使用と関連付けられる、画像クラッタ、アーチファクト等を緩和または回避する際に利用されてもよい。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
超音波撮像のための方法であって、
撮像される体積内の第1の物体の1つ以上の特色に基づいて選択される値に設定された1つ以上の撮像パラメータを有する、第1の超音波撮像識別特性を確立することと、
撮像される前記体積内の第2の物体の1つ以上の特色に基づいて選択される値に設定された1つ以上の撮像パラメータを有する、第2の超音波撮像識別特性を確立することと、
前記第1の超音波撮像識別特性の適用から生じる画像データと前記第2の超音波撮像識別特性の適用から生じる画像データを組み合わせ、超音波画像を形成することと
を含む、方法。
(項目2)
前記第1の物体は、解剖学的媒体を含み、前記第2の物体は、介入器具を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記解剖学的媒体は、一般的解剖学的領域、特定の解剖学的構造、および特定の解剖学的特徴から成る群から選択され、前記介入器具は、針、カテーテル、ステント、および経皮的ツールから成る群から選択される、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記第1および第2の超音波撮像識別特性の前記1つ以上の撮像パラメータは、伝送波形、伝送対受信ビーム形成線の比、撮像操向角度、受信線密度、集束帯の数、集束帯の場所、直交帯域通過フィルタタイプおよび係数、圧縮曲線、およびスペックル低減パラメータから成る群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記第1の超音波撮像識別特性の1つ以上の撮像パラメータは、前記第1の物体の可視化を最適化するように選択された値に設定された撮像パラメータを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記第2の超音波撮像識別特性の1つ以上の撮像パラメータは、前記第2の物体の可視化を最適化するように選択された値に設定された撮像パラメータを含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記第1および第2の超音波撮像識別特性のうちの少なくとも1つの前記1つ以上の撮像パラメータは、所定の値に設定される、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記第1の超音波撮像識別特性の1つ以上の撮像パラメータは、少なくとも1つの第1の撮像操向角度を含み、前記第2の超音波撮像識別特性の1つ以上の撮像パラメータは、少なくとも1つの第2の撮像操向角度を含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記第1の撮像操向角度は、所望の品質において、前記第1の物体の撮像を提供するように選択され、前記第2の撮像操向角度は、所望の品質において、前記第2の物体の撮像を提供するように選択される、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第1の撮像操向角度は、前記第1の物体の最適化された撮像を提供するように選択され、前記第2の撮像操向角度は、前記第2の物体の最適化された撮像を提供するように規定される、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記第1の撮像操向角度は、所望の品質において、前記第1の物体の撮像を提供するように規定され、前記第2の撮像操向角度は、所望の品質において、前記第2の物体の撮像を提供するように規定される、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記第1の撮像操向角度は、前記第1の物体の最適化された撮像を提供するように規定され、前記第2の撮像操向角度は、前記第2の物体の最適化された撮像を提供するように規定される、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記少なくとも1つの第1の撮像操向角度は、同一撮像識別特性内に実装される場合、前記少なくとも1つの第2の撮像操向角度と互換性がない、項目8に記載の方法。
(項目14)
前記少なくとも1つの第2の撮像操向角度は、前記少なくとも1つの第1の撮像操向角度より急角度である、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記少なくとも1つの第1の撮像操向角度は、操向角度規模20度以下を含み、前記少なくとも1つの第2の撮像操向角度は、操向角度規模20度超を含む、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記第1の超音波撮像識別特性の適用から生じる画像データを使用して、第1のフレームを生成することと、
前記第2の超音波撮像識別特性の適用から生じる画像データを使用して、第2のフレームを生成することと
をさらに含み、
前記第1の超音波撮像識別特性の適用から生じる画像データと前記第2の超音波撮像識別特性の適用から生じる画像データを組み合わせ、超音波画像を形成することは、前記第1のフレームの少なくとも一部と前記第2のフレームの少なくとも一部を組み合わせて、前記超音波画像を形成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記第1のフレームの少なくとも一部と前記第2のフレームの少なくとも一部を組み合わせて、前記超音波画像を形成することは、前記第2のフレームの少なくとも一部を前記第1のフレーム上にオーバーレイすることを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記第1のフレームの少なくとも一部と前記第2のフレームの少なくとも一部を組み合わせて、前記超音波画像を形成することはさらに、画素混合技法を実装して、前記第2のフレームの前記オーバーレイされた部分を前記第1のフレーム内に混合することを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記第2の物体を含む、前記第2のフレームの少なくとも一部を識別することをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記第1の超音波識別特性の適用から生じる画像データから得られた空間有効範囲の領域を識別することと、
前記第2の超音波識別特性の適用から生じる画像データから得られた空間有効範囲の領域を識別することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記第1の超音波撮像識別特性の適用から生じる画像データから得られた空間有効範囲の前記領域および前記第2の超音波撮像識別特性の適用から生じる画像データから得られた空間有効範囲の前記領域を示す、グラフィック表現を提供することをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
超音波撮像システムであって、
撮像される体積内の第1の物体の1つ以上の特色に基づいて構成される1つ以上の撮像パラメータを有する、第1の撮像識別特性と、
撮像される前記体積内の第2の物体の1つ以上の特色に基づいて構成される1つ以上の撮像パラメータを有する、第2の撮像識別特性と、
前記第1の撮像識別特性および前記第2の撮像識別特性の適用から生じる画像データを組み合わせ、前記第1の物体および前記第2の物体を含む、超音波画像を形成するように動作可能なプロセッサベースのシステムと
を含む、システム。
(項目23)
前記第1の物体は、解剖学的媒体を含み、前記第2の物体は、介入器具を含む、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記解剖学的媒体は、一般的解剖学的領域、特定の解剖学的構造、および特定の解剖学的特徴から成る群から選択され、前記介入器具は、針、カテーテル、ステント、および経皮的ツールから成る群から選択される、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記第1の撮像識別特性の1つ以上の撮像パラメータは、少なくとも1つの信号操向角度を含み、前記第2の撮像識別特性の1つ以上の撮像パラメータは、少なくとも1つの撮像信号操向角度を含み、前記第1の撮像識別特性の少なくとも1つの信号操向角度は、前記第2の撮像識別特性の少なくとも1つの信号操向角度と異なる規模である、項目22に記載のシステム。
(項目26)
前記第1の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像信号操向角度は、所望の品質において、前記第1の物体の撮像を提供するように規定され、前記第2の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像信号操向角度は、所望の品質において、前記第2の物体の撮像を提供するように規定される、項目25に記載のシステム。
(項目27)
前記第1および第2の撮像識別特性のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの撮像信号操向角度は、規定される、項目25に記載のシステム。
(項目28)
前記第1および第2の撮像識別特性のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの撮像信号操向角度は、前記システムの動作の間、判定される、項目25に記載のシステム。
(項目29)
前記第2の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像信号操向角度は、同一撮像識別特性内に実装される場合、前記第1の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像信号操向角度と互換性がない、項目25に記載のシステム。
(項目30)
前記第2の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像信号操向角度は、前記第1の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像信号操向角度より急角度である、項目29に記載のシステム。
(項目31)
前記第1の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像信号操向角度は、操向角度規模20度以下を含み、前記第2の撮像識別特性の少なくとも1つの撮像信号操向角度は、操向角度規模20度超を含む、項目30に記載のシステム。
(項目32)
前記プロセッサベースのシステムはさらに、前記第1の撮像識別特性の適用から生じる画像データを使用して、第1のフレームを生成し、前記第2の撮像識別特性の適用から生じる画像データを使用して、第2のフレームを生成するように動作可能であり、前記第1の撮像識別特性および前記第2の撮像識別特性を使用して提供される画像データを組み合わせるための動作は、前記第1のフレームおよび前記第2のフレームの少なくとも一部を混合するように動作する、項目22に記載のシステム。
(項目33)
前記プロセッサベースのシステムはさらに、前記第2の撮像識別特性を使用して提供されるデータ内の前記第2の物体を検出するように動作可能である、項目22に記載のシステム。
【0016】
前述は、以下の発明を実施するための形態が、より理解され得るために、本発明の特徴および技術的利点をやや広範に概略している。本発明の付加的特徴および利点は、本明細書に後述され、本発明の請求項の主題を形成する。開示される概念および特異的実施形態は、本発明の同一目的を実行するために、他の構造を修正または設計するための基礎として、容易に利用され得ることが、当業者によって理解されるはずである。また、そのような同等構造は、添付の請求項に記載される発明の精神および範囲から逸脱しないことも、当業者によって認識されるはずである。本発明の特色と考えられる新規特徴は、さらなる目的および利点とともに、その編成および動作の方法の両方について、付随の図と併せて検討される時、以下の説明からより理解されるであろう。しかしながら、図はそれぞれ、例証および説明の目的のためだけに提供され、本発明の限定の定義として、意図されないことを明示的に理解されたい。
【0017】
次に、本発明のより完全なる理解のために、付随の図面と関連して検討される、以下の説明を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1Aは、本発明のある実施形態に従って、適応された超音波撮像システムを示す。具体的には、超音波撮像システム100は、変換器120に連結されたシステムユニット110を備えるように示される。実施形態のシステムユニット110は、変換器120を制御し、超音波信号を伝送および受信し、受信した超音波信号を処理し、処理された受信超音波信号を使用して画像を生成し、生成された画像を(例えば、ディスプレイ111上に)表示するように動作可能なプロセッサベースのシステムを備える。変換器120は、超音波信号を制御可能に伝送および受信するように動作可能な超音波要素のアレイを備える。本発明の概念に従って適応され得る、撮像システムに関する詳細は、同時係属中かつ共同譲渡された米国特許出願番号第12/467,899号「Modular Apparatus for Diagnostic Ultrasound」(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に提供されいる。
【0020】
動作時、超音波撮像システム100は、「空間複合」として知られる撮像技法を実装し、いくつかの異なる信号操向角度が、撮像される体積を照明するために使用される。空間複合技法に関する付加的詳細は、前述で参照した特許出願「System and Method for Optimized Spatio−Temporal Sampling」および「System and Method for Spatial Compounding Using Phased Arrays」に見出される。典型的空間複合技法を使用して、単一操向角度を使用して、撮像される体積に対して収集されたデータは、サブフレームを形成するように処理され、次いで、撮像される体積のサブフレームはすべて、フレームを生成するように複合される。フレームは、例えば、それぞれ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の操向角度の使用に対応する、2つのサブフレーム、3つのサブフレーム、4つのサブフレーム、またはそれ以上を使用して、形成されてもよい。
【0021】
図2A−2Dは、フレームを生成する際の3つのサブフレームの使用を例証する。例えば、
図2Dのフレーム200は、患者の生体構造の生体組織を備え得るような撮像される体積101の上から下への図を例証する。例証される実施例では、
図2Dのフレーム200は、
図2A−2Cのサブフレーム201−203を使用して、超音波撮像システム100によって、生成されてもよい。例証される実施形態のサブフレーム201は、変換器120に対して真っすぐ下ろした図(例えば、操向角度0°)を実装し、非操向サブフレームに対するサブフレームデータを提供する。例証される実施形態のサブフレーム202および203は、オフセット操向角度を実装する。例えば、サブフレーム202に対する操向角度は、約−14°で左に指向されてもよく、サブフレーム203の操向角度は、約+14°で右に指向されてもよい。これらのサブフレームによって提供されるデータは、単一操向角度を使用して生成されたフレーム(例えば、サブフレーム201に対して利用可能なデータにのみ基づくフレーム)より改良された画像特色を有する、フレーム200を生成するように複合される。結果として生じたフレーム200は、例えば、陰影の影響を緩和し、スペックル雑音を低減させ、境界描写を改良することによって、所望のより高い画像品質をもたらす。
【0022】
空間複合を採用する、超音波撮像システムは、典型的には、撮像される体積内の個々の物体の最良の可視化ではなく、最良の全体的超音波画像品質をもたらすように選択される、種々の撮像パラメータによって構成される。一般に、用語「撮像パラメータ」は、超音波データの取得または処理の一方あるいは両方と関連付けられたパラメータを指す。そのような撮像パラメータの実施例は、とりわけ、伝送波形、伝送対受信ビーム形成線の比、撮像操向角度、受信線密度、集束帯の数、集束帯の場所、直交帯域通過フィルタタイプおよび係数、圧縮曲線、およびスペックル低減パラメータを備える。撮像パラメータは、典型的には、最良の全体的画像品質をもたらすように選択されるため、撮像される体積内の個々の物体の可視化品質は、妥協され得る。しかしながら、臨床的観点から、異なる生物学的構造および人工物体を含む、着目物体すべての高品質可視化が存在する、単一超音波画像が、臨床医に提示されることは、有益である。
【0023】
本問題を例証する例示的ケースは、変換器120に対して、比較的に急角度で挿入される時(
図1Bに描写されるように)、針、カテーテル等を備える、介入器具130等の器具の可視化である。例えば、針、カテーテル、ステント、経皮的ツール等を備える得るような介入器具130の一部は、介入手技を行うために、撮像される体積101内に挿入される。例示的手技は、標的102内に医薬品を注入する、標的102に対して生検を行う等を必要とする場合がある。典型的には、挿入角度(
図1B内の角度によって表される)が、約20°以上である時、急角度の挿入と見なされる。
【0024】
介入器具が、急角度で挿入されると、撮像標的102のために構成されたサブフレームの撮像操向角度は、介入器具130の満足のゆく撮像を提供し得ない。例えば、鏡面反射の効果は、介入器具から反射される信号を得られた画像内で容易に可視とならないようにさせ得る。介入器具130に対して、満足のゆく撮像を提供し損なうことは、特に、超音波システム100が、介入器具130を使用する介入手技の臨床医の能力を促進するための画像を生成するために使用されている場合、問題である。
【0025】
前述の空間複合技法が、撮像介入器具130に対して構成された1つ以上のサブフレームを含むように容易に修正され得ることことは、明らかであるが、空間複合技法を使用して複合され得る、サブフレームの種々の異なる撮像信号操向角度は、画像品質が、維持または改良される場合、制限なく、そうではない。例えばあまり急ではない操向角度を実装する、前述の撮像識別特性のサブフレームと組み合わせて、より急な操向角度(例えば、急角度で挿入される介入器具を撮像する際の使用に対して望ましくあり得る、±15°を超えて)を実装する、サブフレームの使用は、画像劣化をもたらすことが発見されている。すなわち、その複合は、望ましくないまたは容認不可能な画像クラッタ、アーチファクト等をもたらすため、特定のサブフレームは、空間複合技法を使用する、フレームの生成に互換性がない。撮像パラメータを参照して使用される「互換性」とは、種々の撮像パラメータ(例えば、特定の物体に対する使用のために最適化または別様に構成される)が、望ましくないまたは容認不可能な画像クラッタ、アーチファクト等をもたらさずに、ともに使用され得る(例えば、空間複合技法において)ことを意味する。反対に、「非互換性」とは、その他の撮像パラメータに対して使用される(例えば、他の物体と併用するために最適化または別様に構成される)時、撮像パラメータ(例えば、特定の物体に対する使用のために最適化または別様に構成される)は、望ましくないまたは容認不可能な画像クラッタ、アーチファクト等をもたらし、したがって、そのような他の撮像パラメータと互換性がないと見なされ得ることを意味する。
【0026】
撮像される体積内の特定の物体の高品質超音波可視化を達成するために、本発明の実施形態は、特定の着目物体の高品質超音波可視化をもたらすように調整される1つ以上の超音波撮像パラメータ値を備える、超音波撮像識別特性を採用する。そのような超音波撮像識別特性は、パラメータ値が、特定の着目物体の高品質超音波可視化に対して調整されるように、超音波データの取得および/または処理のいずれかと関連付けられる、撮像パラメータを備える。好ましい実施形態では、特定の超音波撮像識別特性は、走査される他の物体の可視化に有利に働くように、妥協することなく、着目物体に対して画定される。
【0027】
本発明の実施形態によると、フレームを生成する際に利用される特定のサブフレームは、特定の物体に対して画定された超音波撮像識別特性に従って、特定の物体を撮像するために、最適化または別様に構成されるように選択される。例えば、そのようなサブフレームの集合は、生体組織の表面下領域(例えば、一般的患者生体構造)、特定の組織(例えば、心臓、肝臓、子宮、胃等)、特定の構造(例えば、骨関節、動脈分岐、神経集合等)、または移植片および器具等の人工物体に対して、比較的高品質画像を提供するを提供するために構成されてもよい。本発明の実施形態によると、サブフレーム、例えば、サブフレーム201−203の収集および処理、およびフレーム、例えば、フレーム200を生成するためのその組み合わせは、標的102と関連付けられた超音波撮像識別特性と関連付けられる。
【0028】
したがって、本発明の超音波撮像システムの実施形態は、複数の異なる超音波撮像識別特性を実装するように動作可能であって、実装される複数の撮像識別特性の各超音波撮像識別特性は、走査される体積内の対応する着目物体の高品質可視化を提供する。本発明のある実施形態によると、第1の超音波撮像識別特性(例えば、
図2A−2Cのサブフレーム201−203を備える)は、撮像される体積101の表面下領域に対して、比較的高品質画像を提供するために構成される。対応して、第2の超音波撮像識別特性(例えば、
図3A−3Bのサブフレーム301−302を備える)は、撮像される体積101内に急角度で挿入される介入器具130の一部に対して、比較的高品質画像を提供するために構成される。
【0029】
図3Aおよび3Bのサブフレーム301および302は、介入器具130と関連付けられた鏡面反射の不利点を低減させる、撮像データを提供するために、より急な操向角度を実装することによって、急角度で挿入される介入器具130に対して、比較的高品質画像を提供するために構成される。論じられたように、例証される実施形態の介入器具130は、変換器120の面に対して、比較的に急角度を有し、サブフレーム301および302のうちの少なくとも1つの操向角度が、1つ以上の適切な方向に高度に操向されるため、
図3Cのフレーム300内で可視である。明確にするために、撮像されるアイテム101(例えば、組織および他の構造)からのアーチファクトは、サブフレーム300内に示されないことを理解されたい。撮像されるアイテム101の特徴は、サブフレーム301および302の使用と関連付けられたクラッタおよび他の要因のため、非常に劣化されるであろう。
【0030】
本発明の実施形態に従って、サブフレーム301および302を構成する際、操向角度は、介入器具130の表面により垂直な信号の伝送を提供するように、介入器具130の挿入角度に実質的に対応するように選択されてもよい。一例として、介入器具130は、約60°の角度で挿入されてもよく、対応して、サブフレーム301および302に対して実装される操向角度は、介入器具130の面に対して約90°の入射角度をもたらす、音響波の伝送を提供するように、±30°であってもよい。90°以外の他の入射角度が、本発明の実施形態に従って利用されてもよいことを理解されたい。好ましい実施形態は、物体の高品質画像を提供するために、物体の表面に対して、75°度から105°度の範囲内の入射角度を促進するように動作する。
【0031】
撮像される介入器具の挿入角度は、既知である、またはいくつかの手段によって、それと併用するために、適切な撮像識別特性のためのパラメータ値を構成および/または選択するために想定されてもよいことを理解されたい。例えば、特定の挿入角度を提供する、介入器具ガイドが、利用されてもよい。選択された介入器具ガイドによって提供される挿入の角度は、本発明の譲受人である、Sonosite,Incに譲渡された2005年8月31日出願の米国特許出願番号第11/216,735号「Medical Device Guide Locator」(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に示されるもの等の種々のセンサまたは他のフィードバック技法を使用して、システムユニット110のプロセッサに自動的に提供されてもよい。介入器具が、フリーハンドで(例えば、ガイドの補助なく)挿入される場合、適切な撮像識別特性の構成および/または選択のために使用される挿入角度は、意図された挿入角度、典型的挿入角度、計算された挿入角度等として、予想されてもよい。加えて、または代替として、挿入角度は、生成された画像内の介入器具の属性の識別を通して等、収集されたデータ(例えば、撮像データ)の分析を通して、判定されてもよい。
【0032】
最終画像を生成する際に利用される超音波撮像識別特性は、異なる数およびタイプの撮像パラメータを有してもよい。例えば、前述の例示的撮像識別特性の1つ目は、3つのサブフレームを備える一方、前述の例示的撮像識別特性の2つ目は、2つのサブフレームを備える。サブフレームまたは他の撮像パラメータの例証的数に関する限定は存在せず、したがって、実施形態の撮像識別特性は、例証されるものより少ないまたは多いサブフレームを実装してもよい。例えば、介入器具130に対する使用のために構成される超音波撮像識別特性等の特定の物体または特徴に対して使用するために構成される撮像識別特性は、本発明の実施形態に従って、単一サブフレームを実装してもよい。
【0033】
超音波撮像識別特性の実施形態は、種々の操向角度を実装するサブフレームを備えるが、本発明の実施形態は、種々の付加的または代替撮像パラメータを備える、超音波撮像識別特性を利用してもよい。例えば、実施形態の超音波撮像識別特性は、特定の着目物体を増進するために、伝送波形、伝送対受信ビーム形成線の比、操向角度、受信線密度、集束帯の数、集束帯の場所、直交帯域通過フィルタタイプおよび係数、圧縮曲線、スペックル低減パラメータ等を含む、撮像パラメータの仕様構成を提供してもよい。
【0034】
使用される特定の超音波撮像識別特性に関係なく、実施形態のシステムユニット110は、呼び出される超音波撮像識別特性のそれぞれに対して、受信および処理された信号を使用して、画像フレーム(例えば、
図2Dのフレーム200および
図3Cの300)を生成するように動作する。実施形態に従って形成されるそのような画像フレームは、好ましくは、最終画像を形成するように組み合わせられる、または混合される。
図5および6は、複数の撮像識別特性を使用して、最終画像400を生成する際の超音波システム100の動作と、本明細書に説明されるように、そこから生成された画像フレームを例証する。
【0035】
図6に例証される実施形態のブロック
図600に示されるように、第1の物体(例えば、物体102)を撮像するための第1の超音波撮像識別特性は、ブロック601で確立される。例えば、
図5の超音波撮像識別特性502(サブフレーム201−203を備える)は、第1の物体を撮像する際に使用するために確立されてもよい。加えて、第2の物体(例えば、介入器具130)を撮像するための第2の超音波撮像識別特性が、例証される実施形態のブロック602で確立される。例えば、
図5の超音波撮像識別特性503(サブフレーム301−302を備える)は、第2の物体を撮像する際に使用するために確立されてもよい。
【0036】
例証される実施形態のブロック603では、撮像データは、第1の超音波撮像識別特性を使用して、収集および処理される。例えば、システムユニット110および変換器120は、第1の超音波撮像識別特性を実装し、撮像データを収集および処理するように協働する。加えて、例証される実施形態のブロック604では、撮像データは、第2の超音波撮像識別特性を使用して、収集および処理される。例えば、システムユニット110および変換器120は、第2の超音波撮像識別特性を実装し、撮像データを収集および処理するように協働する。
【0037】
図5の実施形態に示されるように、超音波撮像識別特性502に従って動作する、変換器120によって収集されたデータは、システムユニット110に提供される。第1の撮像識別特性を使用して収集および処理されたサブフレームはさらに、例証される実施形態のブロック603でシステムユニット110によって処理され、第1の物体を含む、フレームを提供する。例えば、実施形態の空間複合処理511は、本明細書に説明されるように、動作を定義する命令セットの制御下、動作するプロセッサを備え得るため、超音波撮像識別特性502を使用して収集されたデータに対して、標的102の高品質画像を備える、フレーム200を生成するように動作可能である。
【0038】
対応して、超音波撮像識別特性503に従って動作する、変換器120によって収集されるデータは、システムユニット110に提供される。第2の超音波撮像識別特性を使用して収集および処理されたサブフレームはさらに、例証される実施形態のブロック604でシステムユニット110によって処理され、第2の物体を含む、フレームを提供する。例えば、介入器具検出512は、システムユニット110のプロセッサ上で動作可能なアルゴリズムによって提供され得るため、超音波撮像識別特性503を使用して収集されるデータに対して、介入器具130の一部の高品質画像を備える、フレーム300を生成するように、動作可能である。
【0039】
実施形態の介入器具検出512は、本明細書に説明されるように、動作を定義する命令セットの制御下、動作するプロセッサを備え得るため、介入器具130または他の着目物体を検出するための動作を提供する。例えば、介入器具検出512のアルゴリズムは、その高品質画像を提供する際に使用するために、特定の超音波撮像識別特性の構成および/または選択のためのその中の介入器具130の属性を識別するように、変換器120によって収集されたデータを分析してもよい。加えて、または代替として、介入器具検出512の実施形態は、1つ以上のサブフレーム、例えば、サブフレーム301および302内の介入器具130を識別し、介入器具およびその周囲面積が示される、フレーム300の生成のために、介入器具の隔離を提供するように動作する。例えば、介入器具130の形状または他の特色は、既知であってもよく(例えば、針の形態における介入器具は、既知の形状、例えば、線形セグメントを有する)、適切なアルゴリズムを使用することによって、容易に識別されてもよい。一実施形態では、ハフ変換の数学的フレームワークを使用して、介入器具を検出する。これは、パラメトリック形式で表すことができる、線および任意の曲線を検出するための周知のフレームワークである。本アプローチを使用して、着目物体は、直線またはパラメトリック曲線としてモデル化することができ、アルゴリズムは、物体が、サブフレーム、例えば、サブフレーム301および302内にある場所を判定するであろう。
【0040】
実装される特定の技法に関係なく、実施形態の介入器具検出512の動作は、介入器具130およびその直ぐ周囲の面積のセグメント化を提供し、その結果は、マスク530である。セグメント化結果、例えば、マスク530は、組織画像を劣化させることなく、最終画像400を生成する際、介入器具530およびその周囲面積の隔離された使用を可能にする(例えば、フレーム102によって提供され得るように)。
【0041】
前述のように、直線を検出するためのハフ変換は、実施形態に従って、サブフレーム301および302と併用される。ハフ変換の一実装に従って、かつ
図7に注意を向けると、座標系700{x,y}内の線701は、以下の式によって表すことができる。
ρ=x・cosθ+y・sinθ(1)
式中、ρは、座標系700{x,y}の原点からの線の距離であって、θは、交差線701に垂直な線と座標系{x、y}の軸xとの間の角度である。実施形態に従う、ハフ変換の初期化プロセスの際、座標系{x、y}内のサブフレーム画素を含有する、2Dアレイと、アキュムレータアレイと呼ばれる、第2の2Dアレイが、画定される。アキュムレータアレイ内の各セルは、式(1)に示されるように、処理されたサブフレーム内の単一線を表す、特定のパラメータ(ρ
0、θ
0)セットに対応する。2Dアキュムレータアレイのサイズは、定義されることが必要な最短距離ρおよび交差角度θの範囲ならびに分解能に依存する。初期化が完了すると、ハフ変換の主要機構は、サブフレームの全画素の順序付けを行うことであって、強度閾値、勾配強度等の一式の基準を満たす、各画素(x
0、y
0)に対して、カウンタは、画素(x
0、y
0)の式(1)を満たす、全セル(ρ、θ)のためのアキュムレータアレイ内で増加される。実施形態に従う動作では、サブフレーム全体が、順序付けられた後、最高カウンタ値を伴う、アキュムレータアレイ内のセルは、介入器具を表す、画像サブフレーム301または302内の2D線に対応する。
【0042】
介入器具が位置する、2D線に沿った特定のセグメントをさらに識別するために、検出された線に対して垂直方向に沿った強度および勾配規模が、実施形態に従って、サブフレーム内で識別された2D線に沿った各画素に対して検証される。前述の強度および勾配規模の両方が、ある閾値を超える、検出された2D線に沿った画素は、サブフレーム内で検出された2D線に沿った介入器具の特定の場所を画定し、
図5に示されるフレーム300内のマスク530を画定するために使用することができる(例えば、所定の数の画素のマージン等のマージン、所定の距離、物体のサイズの割合等が、マスクを画定するために、物体の周囲で使用されてもよい)。一実施形態によると、介入器具検出512は、ハフ変換または他の物体識別技法が適用される前に、サブフレームアーチファクトおよび雑音を除去するために、事前処理ステップを含むことができる。
【0043】
例証される実施形態では、別個に示されるが、空間複合処理511および介入器具検出512は、実施形態に従って、組み合わせられた回路内に提供されてもよいことを理解されたい。例えば、同一プロセッサは、所望に応じて、空間複合処理511の動作を定義する命令セットおよび介入器具検出512の動作を定義する命令セットの制御下、動作してもよい。
【0044】
それぞれ、撮像される面積の異なる物体101に対して、高品質画像を提供する、生成されたフレーム200および300を有することによって、例証される実施形態のシステムユニット110は、ブロック605において、フレーム混合513を利用して、フレーム200および300を混合し、撮像される体積101内の種々の物体の高品質画像を提供する、最終画像400を形成する。例えば、介入器具130に対する適切な場所を画定する、フレーム300のマスク530は、フレーム200内に混合され、最終画像400を形成してもよい。例証される実施形態では、フレーム200および300は、それらを生成するために使用される取得および処理に基づいて、整合される一方、マスク530は、フレーム200と混合されるであろう、フレーム300の部分を識別するための手段としての役割を果たす。マスク530によって識別された領域外の画素に対して、最終画像400内の画素の値は、実施形態に従って、フレーム200のものと等しい。マスク530内の各画素場所に対して、最終画像400に対する結果として生じた画素値は、フレーム200および300内に見出される対応する画素値の組み合わせであってもよい。
【0045】
混合関数が、フレーム混合513によって実装され、前述のフレームの混合を提供し、最終画像を生成してもよい。画素(x
0、y
0)が、マスク530によって識別される領域内にあって、f
1(x
0、y
0)、f
2(x
0、y
0)、およびf(x
0、y
0)が、それぞれ、フレーム200、300、および最終画像400の画素値であると想定すると、以下の混合関数式を求めることができる。
f(x
0、y
0)=(1−b)*f
1(x
0、y
0)+b*f
2(x
0、y
0)(2)
式中、bは、定数であることができる、0から1の係数、例えば、0.5であって、2つの画素値の平均をもたらす。別の実施形態では、係数bは、マスク内の場所の関数であることができ、係数bは、介入器具130により近いマスク530内の場所に対しては、より高い値を有し、介入器具530からより遠いマスク530内の場所に対しては、より低い値を有するであろう。代替として、式(2)によって示される線形動作を適用する代わりに、非線形動作が、実施形態の混合関数において使用することができる。そのようなケースの一実施例では、f(x
0、y
0)は、値f
1(x
0、y
0)およびf
2(x
0、y
0)の最大値であることができる。
【0046】
2つの超音波撮像識別特性のみ、例証される実施形態に関して示されるが、任意の数の超音波撮像識別特性が、必要に応じて、特定の実施形態に使用することができることを理解されたい。例えば、3つの着目物体(例えば、神経、介入器具、および主要または内在体積)が、撮像されるべき場合、実施形態は、3つの超音波撮像識別特性(例えば、神経、介入器具、および主要体積のうちの対応する1つに対して構成される)を実装し、混合されたフレームを生成し、最終画像を形成してもよい。
【0047】
本発明の実施形態に従う、フレーム生成および混合を通して、そうでなければ、互換性がない、撮像パラメータを使用する時、実質的に、望ましくないまたは容認不可能な画像クラッタ、アーチファクト等がない、物体の高品質画像を提供する、最終画像が、生成される。例えば、本発明の実施形態の超音波撮像識別特性フレーム技法を使用して、画像処理は、結果として生じた画像内でクリアに可視である、急角度で挿入される介入器具をレンダリングするように行われるが、撮像は、劣化されない。
【0048】
実施形態に従う、システムユニット110の動作は、前述の空間複合、介入器具検出、およびフレーム混合に加え、画像処理を提供してもよい。例えば、本発明の実施形態は、フレームおよび/または最終画像に対して、スペックル低減および/または他のタイプの画像処理アルゴリズムを提供してもよい。
【0049】
加えて、または代替として、
図8に注意を向けると、実施形態のシステム110の動作は、有効範囲面積801を示すように、最終画像400内に、グラフィックス800(ここでは、破線によって示される台形として図示される)を含む。グラフィックス800は、例えば、フレーム300を生成し、
図5で高度に操向されたサブフレーム301によって画定された有効範囲面積801を示すために使用されるパラメータによって、制御されてもよい。有効範囲面積801は、グラフィックス800によって示されるように、介入器具の高品質可視化が可能である面積を備える。そのようなグラフィックスによって、臨床医または他のオペレータは、着目アイテムが、最終画像のある部分、例えば、有効範囲面積801内にのみ、高品質可視化を伴って現れるであろうことを把握することが可能となり、そうではない場合、例えば、最終画像400の領域802内に現れる場合、物体(介入器具等)は、高品質可視化視野外にあるため(但し、介入器具は、依然として、撮像される体積内にあり得る)、配慮されるべきである。
【0050】
所望に応じて、介入器具または他の標的のある属性(終点、中間点等)は、異なる部分が、最終画像内で異なって表され(例えば、異なる強度、色等)、物体(例えば、介入器具)のどの部分が、オーバーレイされているかについて、臨床医または他のオペレータに警告する等のように、コード化され得る。そのような画像処理は、例えば、実施形態のフレーム混合513によって、提供されてもよい。
【0051】
本発明の実施形態の超音波多重撮像識別特性技法の適用は、介入器具との併用に限定されないことを理解されたい。例えば、超音波撮像識別特性は、神経を撮像するように構成されてもよい一方、別の超音波撮像識別特性は、腫瘍等の別の物体を撮像するように構成され、それによって、これらの超音波撮像識別特性は、各そのような物体の高品質画像を示す、最終画像を提供するように混合される、フレームを形成するように協働して使用される。
【0052】
本発明およびその利点が、詳細に説明されたが、添付の請求項によって定義される発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更、代用、および改変を行うことができることを理解されたい。さらに、本適用の範囲は、明細書に説明されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、およびステップの特定の実施形態に限定されるように意図されない。当業者が、本発明の開示から、容易に理解するであろうように、本明細書に説明される対応する実施形態と実質的に同一機能を果たす、または実質的に同一結果を達成する、現在既存または後に開発される、プロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップが、本発明に従って利用されてもよい。故に、添付の請求項は、その範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップを含むように意図される。