特許第5972313号(P5972313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5972313
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】3色LED調光ランプ
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20160804BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20160804BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160804BHJP
【FI】
   H05B37/02 L
   F21S2/00 231
   F21Y115:10
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-136502(P2014-136502)
(22)【出願日】2014年7月2日
(65)【公開番号】特開2016-15238(P2016-15238A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2015年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】591264496
【氏名又は名称】日本▲まき▼線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130410
【弁理士】
【氏名又は名称】茅原 裕二
(72)【発明者】
【氏名】村井 雄三
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 啓二
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−155245(JP,A)
【文献】 特開2013−145647(JP,A)
【文献】 特開2010−123946(JP,A)
【文献】 特開平6−96871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源に接続される電源回路と、
前記電源回路に接続される調光器と、
前記調光器に接続される赤色LED、緑色LED、及び青色LEDからなる3色LEDランプを備え、
前記電源回路は、前記商用電源から供給される交流を直流に変換して出力し、
前記調光器は、前記電源回路から出力された直流を前記3色LEDランプに供給して前記赤色LED、前記緑色LED、及び前記青色LEDを個別に点灯又は消灯させ、かつ、外部入力されたアナログ信号に基づいてPWM制御された赤色調光信号、緑色調光信号、及び青色調光信号を前記3色LEDランプに出力して前記赤色LED、前記緑色LED、及び前記青色LEDを個別に調光し、
前記3色LEDランプは、対向するソケット間に装着される直管に前記赤色LED、前記緑色LED、及び前記青色LEDが内蔵されており、前記直管の両端に前記ソケットのピン孔に対応する口金ピンが2本ずつ設けられ、当該口金ピンは、前記電源回路から出力された直流が給電される電源端子と、前記赤色調光信号が入力される赤色調光信号入力端子と、前記緑色調光信号が入力される緑色調光信号入力端子と、前記青色調光信号が入力される青色調光信号入力端子である
ことを特徴とする3色LED調光ランプ。
【請求項2】
前記電源回路は、前記商用電源の入力端子間に巻線が接続され、当該巻線の始端と終端の間の巻数を複数に分割した個別巻線であって、前記商用電源から供給される交流電圧を分割、低電圧化して出力する電圧分割トランスと、前記個別巻線の両端にそれぞれ接続された複数の全波整流回路を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の3色LED調光ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設の照明取付具を利用することができ、かつ、赤、緑、青の3色のLEDの光強度を個別に調整して任意の色の照明を実現することができる3色LED調光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具としては蛍光灯や白熱灯が主流であったが、近年では省エネルギーの観点から、消費電力の少ないLEDによる照明器具が広く利用されるようになってきた。特に最近では、既設の照明取付具をそのまま利用することができるLED照明装置が開発されている。このような照明装置として、例えば下記の特許文献1には、直管型LED灯に関する発明が開示されている。
【0003】
この直管型LED灯は、照明取付具のソケットに装着される直管型のLED照明であって、両端の口金に接続ピン対が取り付けられており、既設のソケットに装着できるように構成されている。そして、一方の接続ピン対には商用電源から電源電圧が印加され、直管内部の整流回路で変換された直流電流がLED回路に供給されてLED灯が点灯する。また、他方の接続ピン対にはPWM信号発生回路からPWM信号が入力され、直管内部の定電流スイッチング回路でLED回路の電流をON/OFFしてLED灯が調光されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−77390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の直管型LED灯によると、既設のソケットに装着してLED灯の点灯、消灯及び調光を行うことができるが、直管内部の定電流スイッチング回路にスイッチング素子を使用しているため、切換時にノイズが発生するという問題がある。また、直管内部のLED回路に白色のLEDを使用しているため、明るさの調整はできるものの、照明の目的に応じた色の調整ができないという問題もある。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、既設の蛍光灯のソケットを利用することができ、かつ、3色LEDランプの各色のLEDを個別に調光して任意の色の照明を実現することができる3色LED調光ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明に係る3色LED調光ランプは、商用電源に接続される電源回路と、前記電源回路に接続される調光器と、前記調光器に接続される赤色LED、緑色LED、及び青色LEDからなる3色LEDランプを備え、前記電源回路は、前記商用電源から供給される交流を直流に変換して出力し、前記調光器は、前記電源回路から出力された直流を前記3色LEDランプに供給して前記赤色LED、前記緑色LED、及び前記青色LEDを個別に点灯又は消灯させ、かつ、外部入力されたアナログ信号に基づいてPWM制御された赤色調光信号、緑色調光信号、及び青色調光信号を前記3色LEDランプに出力して前記赤色LED、前記緑色LED、及び前記青色LEDを個別に調光し、前記3色LEDランプは、対向するソケット間に装着される直管に前記赤色LED、前記緑色LED、及び前記青色LEDが内蔵されており、前記直管の両端に前記ソケットのピン孔に対応する口金ピンが2本ずつ設けられ、当該口金ピンは、前記電源回路から出力された直流が給電される電源端子と、前記赤色調光信号が入力される赤色調光信号入力端子と、前記緑色調光信号が入力される緑色調光信号入力端子と、前記青色調光信号が入力される青色調光信号入力端子であることを特徴とする。
【0008】
また、前記の構成からなる3色LED調光ランプにおいて、前記電源回路は、前記商用電源の入力端子間に巻線が接続され、当該巻線の始端と終端の間の巻数を複数に分割した個別巻線であって、前記商用電源から供給される交流電圧を分割、低電圧化して出力する電圧分割トランスと、前記個別巻線の両端にそれぞれ接続された複数の全波整流回路を備えて構成されていると良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る3色LED調光ランプによれば、直管に赤、緑、青の3色のLEDが内蔵されており、それぞれの色のLEDを個別に点灯、消灯、及び調光することができるため、使用目的に応じて任意の色のLED照明に変化させることができるという効果がある。また、3色LEDランプの取付に際して既設の蛍光灯のソケットを利用することができ、電源だけを変更すれば良いため、LED照明の設備費を抑えることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る3色LED調光ランプの全体図
図2】同調光ランプの詳細図
図3】同調光ランプにおける調光器の回路図
図4】同調光ランプにおける調光器の出力波形図
図5】同調光ランプにおける3色LEDランプを既設の蛍光灯に換えてソケットに装着した状態を示す説明図
図6】同調光ランプにおける3色LEDランプの詳細図
図7】同調光ランプにおける3色LEDランプのLED配列の一例を示す説明図
図8】同調光ランプにおける3色LEDランプのLED配列の他の例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
本発明に係る3色LED調光ランプは、赤、緑、青の各色のLEDの光強度を個別に調整し、これら3色のLED光を合成して希望の色の照明を実現できるようにしたものである。その用途としては、例えば植物工場や室内菜園における植物栽培用LED照明などに好適に利用することができる。
【0013】
図1に示すように、この3色LED調光ランプ1は、商用電源2に電源回路3を介して接続される調光器4,4,…と、調光器4に接続される赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のLEDからなる3色LEDランプ5,5,…を備えて構成されている。
【0014】
電源回路3は、商用電源2から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力するものであり、本実施形態では等電圧分配(EVD: Equal Voltage Distributor)方式の電源を採用している。この等電圧分配方式の電源回路3は、電圧分割トランス6と、電圧分割トランス6に接続される複数の全波整流回路7,7,…を備えて構成されている。
【0015】
電圧分割トランス6は、商用電源2の入力端子8,8間に巻線を直列に接続した単巻トランスからなる。巻線は、その始端と終端の間の巻数が均等(本実施形態では4等分)に分割されており、その分割された個別巻線9,9,…の両端に出力導線を介して全波整流回路7,7,…が接続されている。このため、商用電源2から入力されたAC100Vの交流電圧は電圧分割トランス6により均等に4分割され、その結果AC25Vに低電圧化された交流電圧がそれぞれ全波整流回路7,7,…に出力される。
【0016】
全波整流回路7は、ダイオードブリッジ型整流回路からなり、その出力端には調光器4を介して3色LEDランプ5が接続されている。これにより、電圧分割トランス6から入力されたAC25Vの交流電圧は全波整流回路7で全波整流され、その全波整流された脈流電圧がそれぞれ調光器4,4,…を介して3色LEDランプ5,5,…に出力される。なお、本実施形態では、電源回路3に電解コンデンサを使用していないため、電源のコストダウンと高寿命化を図ることができる。また、電源回路3にスイッチング素子を使用していないため、切換時にノイズが発生することもない。
【0017】
図2に示すように、調光器4は、全波整流回路7から入力された脈流電圧を3色LEDランプ5に供給し、赤色LED10、緑色LED11、及び青色LED12を個別に点灯又は消灯させる。また、調光器4は、赤色調光回路13、緑色調光回路14、及び青色調光回路15の3つの調光回路を備えており、外部のボリュームつまみ(図示略)を回すことにより、入力されたアナログ信号に基づいてPWM制御された赤色調光信号、緑色調光信号、及び青色調光信号を3色LEDランプ5に出力し、赤色LED10、緑色LED11、及び青色LED12の光強度を個別に調光する機能を有している。
【0018】
図3に詳細に示すように、本実施形態の調光器4は、PWM(パルス幅変調)制御による調光方式を採用しており、三角波発生回路16と、可変抵抗17と、コンパレータ18を備えて構成されている。
【0019】
調光器4では、三角波発生回路16から出力した三角波電圧と可変抵抗17で分圧した基準電圧をコンパレータ18で比較し、図4に示すように三角波電圧が基準電圧より高いと電源電圧Vccを出力し、低いと0Vを出力するPWM波形が生成される。そして、調光器4はPWM波形からなる調光信号(赤色調光信号、緑色調光信号、青色調光信号)を出力し、そのデューティ比(ON時間とOFF時間の割合)で各色のLEDの点灯時間と消灯時間を調整することによりその明るさを制御するようになっている。このように、本実施形態ではPWM制御による調光方式を採用しているため、調光ロスが非常に小さいという利点がある。
【0020】
図5に示すように、3色LEDランプ5は、既設の蛍光灯と交換して使用することができるように、対向するソケット19,19間に装着される透明なガラス製の直管20を備えている。直管20の両端は口金21,21によって封止されており、その端面にはソケット19のピン孔22に対応する口金ピン23が左右両側に2本ずつ設けられている。
【0021】
図6に示すように、口金ピン23は、本実施形態では左側の2本が電源端子24と赤色調光信号入力端子25になっており、右側の2本が緑色調光信号入力端子26と青色調光信号入力端子27になっている。ただし、これらの端子の配置順序は図6の例に限られない。
【0022】
また、直管20の内部には、図2に示した赤色LED10と、緑色LED11と、青色LED12が内蔵されている。そして、電源端子24には赤色LED10、緑色LED11、及び青色LED12の一端が並列に接続され、各LEDの他端はそれぞれ赤色調光信号入力端子25、緑色調光信号入力端子26、及び青色調光信号入力端子27に接続されている。
【0023】
したがって、全波整流回路7から出力された脈流電圧は電源端子24を介して赤色LED10、緑色LED11、及び青色LED12に給電されるとともに、調光器4から出力された赤色調光信号、緑色調光信号、及び青色調光信号がそれぞれ赤色調光信号入力端子25、緑色調光信号入力端子26、及び青色調光信号入力端子27を介して赤色LED10、緑色LED11、及び青色LED12に入力される。
【0024】
なお、3色LEDランプ5は、図7に示すように1チップ内に赤色LED10、緑色LED11、及び青色LED12を1色ずつ搭載して接続したRGBチップや、図8に示すように赤色LED10、緑色LED11、及び青色LED12をそれぞれ直列に接続したRGBモジュールを採用することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態の3色LED調光ランプ1によれば、3色LEDランプ5は、直管20に赤色LED10、緑色LED11、及び青色LED12の3色のLEDが内蔵されており、調光器4によってそれぞれの色のLEDを個別に調光することができる。このため、例えば植物工場や室内菜園において、育成する植物の種類や時期などに応じて最適な色のLED照明に変化させることが可能になる。また、3色LEDランプ5の取付に際して既設の蛍光灯のソケット19を使用することができ、電源だけを本発明の電源回路3に変更すれば良いため、LED照明の設備費を抑えることもできる。なお、前述した実施形態では等電圧分配方式の電源回路3を採用したが、これに限られず、例えば太陽光発電システムによる電源回路などを採用しても良い。
【符号の説明】
【0026】
1:3色LED調光ランプ
2:商用電源
3:電源回路
4:調光器
5:3色LEDランプ
6:電圧分割トランス
7:全波整流回路
8:入力端子
9:個別巻線
10:赤色LED
11:緑色LED
12:青色LED
13:赤色調光回路
14:緑色調光回路
15:青色調光回路
16:三角波発生回路
17:可変抵抗
18:コンパレータ
19:ソケット
20:直管
21:口金
22:ピン孔
23:口金ピン
24:電源端子
25:赤色調光信号入力端子
26:緑色調光信号入力端子
27:青色調光信号入力端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8